説明

静電容量式タッチキーパネル

【課題】体積が小さく、重量が軽い、静電容量式タッチキーパネルを提供する。
【解決手段】静電容量式タッチキーパネルは、基板10と、少なくとも1つのキーユニット20と、基準電極層40と、接続ポート30を有する。少なくとも1つのキーユニットは、基板に設置され、キー本体22と、キーボードの下に形成され露出されない検出電極21を有する。基準電極層は、基板に接するようにキー本体の下に形成され、検出電極から隔てられている。接続ポートは、基板上に形成され、検出電極に接続する少なくとも1つのパッドを有する。ユーザは、キー本体に触れることで、タッチキーパネルを操作することができる。検出電極が外に露出していないことから、検出電極が外部の堅い物体によって損傷することは滅多にない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネルに関し、より詳細には静電容量式タッチキーパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品は昨今は、スリムでコンパクトである必要がある。従来の電子製品、例えば携帯電話などには、機械式キーボードなどの入力デバイスがある。キーボードには、キーや電子パッドなどを設置するための空間が必要である。したがって従来のキーボードは大きくて扱いにくい。
【0003】
例えば台湾特許番号M410914を参照すると、超薄型のキーボードが開示されている。可撓性のボタンの内面に導電フィルムがある。可撓性のボタンが押されると、この導電フィルムがプリント回路基板にある金属ワイヤに接触する。導電フィルムは、金属ワイヤ同士を電気的に接続するような働きをしている。しかしながら可撓性のボタンが弾性疲労した場合、あるいは導電フィルムが可撓性のボタンから剥がれた場合、導電フィルムを使用して電気接続を形成することができないため、信号が金属ワイヤを通過することができなくなる。結果としてキーボードは機能しなくなる。
【0004】
上記に挙げた機械式キーボードと比較すると、別の入力デバイス、例えば従来の静電容量式タッチパネルは、基板、透明電極層およびカバーフィルムを有している。透明電極層は、基板上に形成される。カバーフィルムは、透明電極層に設置される。ユーザがカバーフィルムに触れたとき、ユーザと透明電極層の間に一定の静電容量が誘発される。透明電極層に接続された外部デバイスがこの静電容量を検出し、ユーザがカバーフィルムに触れた位置を突き止める。
【0005】
しかしながら透明電極層やカバーフィルムは、堅い物体またはユーザの指の爪によって摩耗して基板からなくなり易い。透明電極層が摩耗してなくなった場合、タッチパネルは機能しなくなる。故に従来のタッチパネルは使用するのに不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許番号M410914
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、静電容量式タッチキーパネルを提供することである。タッチキーパネルは、キー本体と、検出電極を備えた少なくとも1つのキーユニットを有する。ユーザは、検出電極に触れる代わりに、キー本体に触れることで、検出電極間に一定の静電容量を誘発させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の静電容量式タッチキーパネルは、基板と、少なくとも1つのキーユニットと、基準電極層と、接続ポートを備えている。
【0009】
少なくとも1つのキーユニットは、基板に接するように設置され、これは、キー本体と、検出電極を有する。検出電極は、キー本体の下に形成される。
【0010】
基準電極層は、基板に接するようにキー本体の下に形成され、検出電極から隔てられている。
【0011】
接続ポートは、基板上に形成され、検出電極に接続する少なくとも1つのパッドを有する。
【0012】
検出電極および基準電極層は、外部デバイスに接続するように適合されている。外部デバイスが、検出電極と基準電極層に作業電圧を供給する際、このとき検出電極と基準電極層の間に一定の静電容量が形成される。ユーザが、キー本体に触れる際、キーユニットにおける元々の静電容量が変化する。外部デバイスが、この静電容量の変化を検出し、キーユニットのキー本体が押されたことを特定することができる。
【0013】
ユーザは、キー本体に触れるだけでよく、検出電極は外部に露出していないためこれに直接触れることは不可能である。よって検出電極および基準電極層は、ユーザの指の爪の堅い部分によって損傷しないように保護されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態の底部斜視図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態の底面図である。
【図2B】本発明の接続ポートの拡大された頂面図である。
【図3】キーボードの記号の頂面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の部分断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の部分断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の部分断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態の部分断面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態の部分断面図である。
【図9】本発明の第7の実施形態の部分断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態によるキーボードの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および2Aを参照すると、本発明の第1の実施形態は、基板10と、少なくとも1つのキーユニット20と、接続ポート30と、基準電極層40を有する。
【0016】
基板10は、頂部面と底部面を有する。
【0017】
少なくとも1つのキーユニット20が、基板10上に設置されている。この実施形態では、タッチパネルは複数のキーユニット20を有する。キーユニット20は、検出電極21とキー本体22を有する。キー本体22は基板10の頂部面に設置される。検出電極21は、基板10の底部面に、かつキー本体22の下に形成される。キー本体22が、任意のパターン、言葉または記号を有するように形成されることで、キーユニット20の機能を示すことができる。例えば図3を参照すると、キー本体22のパターンは、コンピュータキーボードのキー記号として形成することができる。
【0018】
図2Aおよび2Bを参照すると、接続ポート30が、基板10の底部面に設置されており、互いから離間した複数のパッド31を有している。パッド31はそれぞれ、基板10の底部面に設置されたワイヤ23を介して検出電極21に接続される。
【0019】
基準電極層40が、基板10の底部面に形成され、これは電気接続がなく、検出電極21およびワイヤ23から切り離されている。図2Bを参照すると、基準電極層40は複数の接続部41を有しており、この接続部は、接続ポート30まで延在する、あるいはパッド31のところに配置される。
【0020】
パッド31と、接続部41を利用して、外部デバイスに接続する。外部デバイスは、パッド31に陽電位を、基準電極層40の接続部41にアースを与えることができる。このとき検出電極21と基準電極層40の間に一定の静電容量が形成される。ユーザが、指などの物体によってキー本体22に触れる際、指にある電荷が、検出電極21と基準電極層40の間の元々の静電容量を変化させる。よって外部デバイスが、この静電容量の変化を検出することにより、キー本体22がユーザによって押されたことを特定する。
【0021】
ユーザは、基板10の底部面に形成される、またはそこに設置される検出電極21、基準電極層40およびワイヤ23に直接接触する代わりに、基板10の頂部面にあるキー本体22触れる。したがって検出電極21、基準電極層40およびワイヤ23は、ユーザの普通ではない操作や物体による損傷から保護される。
【0022】
図4を参照すると、本発明の第2の実施形態は、カバー層51と保護層52を備える。カバー層51は、基板の頂部面に設置される。キー本体22は、カバー層51の上に設置される。保護層52が、基板10の下に形成され、検出電極21、基準電極層40およびワイヤ23を覆う。
【0023】
図5を参照すると、本発明の第3の実施形態のキー本体22は、基板10の頂部面に設置されており、これは中空であってよく、可撓性のタッチ部分221を有する。検出電極21は、この可撓性のタッチ部分221の下にある。ユーザが可撓性のタッチ部分221を5−200グラムの圧力で押したとき、可撓性のタッチ部分221がへこむようになる。ユーザが可撓性のタッチ部分221を解放した後、可撓性のタッチ部分221は、元の状態に戻る。したがって本実施形態の可撓性のタッチ部分221は、実際のボタンのような働きをする。
【0024】
図6を参照すると、本発明の第4の実施形態はカバー層51を有する。検出電極21、基準電極層40およびワイヤは、基板10の頂部面に形成される、または設置される。カバー層51は、検出電極21、基準電極層40およびワイヤを覆っている。キー本体22がカバー層51の上に設置され、検出電極21にそれぞれ対応する。カバー層51とキー本体22の色はそれぞれ異なる。したがってユーザは、それぞれの色によってキー本体22の位置を容易に識別することができる。
【0025】
図7を参照すると、本発明の第5の実施形態が開示されている。検出電極21、ワイヤおよび基準電極層40は、基板10の頂部面に形成される、または設置される。キー本体22は、基板10の頂部面に設置され、検出電極21を覆う。可撓性のタッチ部分221はそれぞれ、検出電極21の上にある。
【0026】
図8を参照すると、本発明の第6の実施形態が開示されている。基板10は少なくとも1つの導電穴53を有する。少なくとも1つの検出電極21が、基板10の頂部面に形成される。基板10の頂部面にある少なくとも1つの検出電極21が、少なくとも1つの導電穴53を介して少なくとも1つのパッド31に電気的に接続される。カバー層51が、基板10の頂部面に設置されることで、基板10の頂部面に形成される少なくとも1つの検出電極21を覆う。他の検出電極21は、基板10の底部面に形成され、他のパッド31に電気的に接続される。保護層52が、基板10の底部面に設置されることで、基板10の底部面に形成された検出電極21を覆う。
【0027】
この実施形態では、導電穴53は基板10に埋め込まれており、外部には露出していない。導電穴53は、例えば外装などの外側が堅い物体によって中断されることはない。
【0028】
図9を参照すると、本発明の第7の実施形態が開示されている。検出電極21、ワイヤおよび基準電極層40は、基板10の頂部面に形成される、または設置される。キー本体22は、中空であり、基板10の頂部面に設置されることで、それぞれが検出電極21を覆っている。各々のキー本体22は、検出電極21の上にある凹面222と、凹面222上に形成された突起223を有する。ユーザが、特定の物体によってキー本体22の1つの突起223に触れたとき、この物体の下にある一番近い検出電極21が作動する。突起223によって、この物体は他の検出電極21から離れたまま維持される。したがって他のキー本体22が作動することはない。外部デバイスは単に、ユーザが押したキーユニット20を検出するだけである。キーユニット20間の操作ミスは回避される。
【0029】
図10を参照すると、本発明のタッチパネルが、キーボードに装着されて、従来のキーボードのキーの代わりをすることができる。基板10が薄いことから、本発明は、従来のキーボードよりも体積が小さく、重量が軽い。検出電極21は、外部に露出していない。ユーザが本発明のタッチパネルを操作する際、ユーザは、検出電極21に触れる代わりに、基板10の頂部面にあるキー本体22に触れることになる。よって検出電極21がユーザによって損傷することはない。
【符号の説明】
【0030】
10 基板
20 キーユニット
21 検出電極
22 キー本体
23 ワイヤ
30 接続ポート
31 ポート
40 基準電極層
41 接続部
51 カバー層
52 保護層
53 導電穴
221 可撓性のタッチ部分
222 凹面
223 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
該基板上に設置され、
キー本体と、
該キー本体の下に形成される検出電極を有する少なくとも1つのキーユニットと、
前記基板に接するように該キー本体の下に形成され、該検出電極から隔てられる基準電極層と、
前記基板上に形成され、前記検出電極に接続する少なくとも1つのパッドを有する接続ポートを備える静電容量式タッチキーパネル。
【請求項2】
前記基板が頂部面と、底部面を有し、
前記キー本体が、前記基板の該頂部面に設置され、
前記検出電極、前記基準電極層および前記接続ポートが、前記基板の該底部面に形成される、請求項1に記載の静電容量式タッチキーパネル。
【請求項3】
カバー層をさらに備え、
前記基板が頂部面と、底部面を有し、
該カバー層が、前記基板の該頂部面に設置され、
前記キー本体が、該カバー層に設置され、
前記検出電極が、前記基板の該底部面に形成される、請求項1に記載の静電容量式タッチキーパネル。
【請求項4】
前記基板の下に形成され、前記検出電極および前記基準電極層を覆う保護層をさらに備える、請求項3に記載の静電容量式タッチキーパネル。
【請求項5】
前記基板が頂部面と、底部面を有し、
前記キー本体が、前記基板の該頂部面に設置され、可撓性のタッチ部分を有しており
前記検出電極および前記基準電極層が、前記基板の該底部面に形成される、請求項1に記載の静電容量式タッチキーパネル。
【請求項6】
カバー層をさらに備え、
前記基板が頂部面を有し、
前記検出電極および前記基準電極層が、前記基板の該頂部面に形成され、
前記カバー層が、前記検出電極と、前記基準電極層を覆っており、
前記キー本体が、該カバー層に形成される、請求項1に記載の静電容量式タッチキーパネル。
【請求項7】
前記基板が頂部面を有し、
前記検出電極および前記基準電極層が、前記基板の該頂部面に形成され、
前記キー本体が、前記基板の前記頂部面に設置され、前記検出電極を覆っており、前記検出電極の上に可撓性のタッチ部分を有する、請求項1に記載の静電容量式タッチキーパネル。
【請求項8】
前記基板が頂部面を有し、
前記検出電極および前記基準電極層が、前記基板の該頂部面に形成され、
前記キー本体が、前記基板の該頂部面に設置され、前記検出電極を覆っており、
前記検出電極の上にある凹面と、
該凹面に形成された突起を有する、請求項1に記載の静電容量式タッチキーパネル。
【請求項9】
複数のキーユニットと、複数のパッドを有し、カバー層と保護層をさらに備える静電容量式タッチキーパネルであって、
前記基板が頂部面と、底部面と、少なくとも1つの導電穴を有し、
前記パッドが、前記基板の該底部面に形成され、
少なくとも1つのキーユニットの前記検出電極が、前記基板の該頂部面に形成され、該導電穴を介して少なくとも1つのパッドに接続され、
前記他のキーユニットの前記検出電極が、前記基板の該底部面に形成され、
該カバー層が、前記基板の該頂部面に設置されて、前記基板の前記頂部面に形成された前記検出電極を覆い、
該保護層が、前記基板の前記底部面に設置されて、前記基板の前記底部面に形成された前記検出電極を覆っており、
前記キーユニットの前記キー本体が、前記カバー層に設置され、それぞれが前記検出電極に対応する、請求項1に記載の静電容量式タッチキーパネル。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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