説明

静電容量式タッチスクリーン及びその製造方法

【課題】デザイン的自由度が上昇し、電極配線と電極パターンの不良を防止することができ、電極パターンと電極配線の接続信頼性が向上された静電容量式タッチスクリーン及びその製造方法を提供する。
【解決手段】静電容量式タッチスクリーン及びその製造方法に関するもので、複数の電極パターンが形成されたベース部材、前記電極パターンの端部に形成された伝導性接着部材、前記ベース部材の上側に配置され、前記電極パターンと対向するように複数の電極配線が外側領域に形成されたウインドー、及び前記電極配線の一端に形成され、前記伝導性接着部材によって前記電極パターンと前記電極配線を通電させる補助電極を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式タッチスクリーン及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信技術の発達とともに、携帯電話、PDA、ナビゲーションのような端末機は単純な文字情報の表示手段からさらに進んで、オーディオ、動画、無線インターネットウェブブラウザーなどのようなより多様で複雑なマルチメディアの提供手段に、その機能が拡大されている。最近、制限された端末機の大きさ内でより大きいディスプレー画面の具現が求められていて、タッチスクリーンを適用したディスプレー方式がさらに脚光を浴びている。このようなタッチスクリーンは、スクリーンと座標入力手段を統合することにより、従来のキー入力方式に比べて空間を節約することができるという利点がある。
【0003】
現在、多く採用されているタッチスクリーンの形態は大きく二つの方式に分類される。
まず、抵抗膜式タッチスクリーンは、上部抵抗膜が形成された上部基板と下部抵抗膜が形成された下部基板がスペーサーによって離隔されていて、外圧によって互いに接触されることができるように配置された形態である。上部電極膜が形成されている上部基板が指、ペンなどの入力手段によって押されると上/下部電極膜が通電され、その位置の抵抗値の変化による電圧変化を制御部が認知することにより接触座標を認識する方式である。
【0004】
そして、静電容量式タッチスクリーンは、第1方向性を有する第1電極パターンが形成された上部基板と、第2方向性を有する第2電極パターンが形成された下部基板が互いに離隔されて、第1電極パターンと第2電極パターンが接触されないように絶縁体が挿入される。また、上部基板と下部基板には、電極パターンと連結された電極配線が形成される。電極配線は入力手段がタッチスクリーンに接触することによって、第1電極パターンと第2電極パターンで発生する静電容量の変化を制御部に伝達する。
【0005】
このような静電容量式タッチスクリーンは、最近、マルチタッチの効用性が台頭され、電極パターンの数が増加する方向に研究が進んでいる。これにより、電極配線の数も増加するようになる。
【0006】
従来の静電容量式タッチスクリーンは、上部基板と下部基板を別途に構成して電極パターン及び電極配線を形成することによって、タッチスクリーンの構成が複雑になるという問題点があった。そして、上部基板と下部基板に形成された電極パターンを離隔させるために別途の絶縁体が求められた。
【0007】
また、従来の静電容量式タッチスクリーンのうち一部は二層構造でなく単層構造で構成されている。しかし、従来の単層静電容量式タッチスクリーンは、電極パターンと電極配線が同一平面に形成されるため、構成が複雑であり、電極配線の間にショート問題が発生した。
【0008】
その上、従来の単層静電容量式タッチスクリーンは、製造過程で様々な問題が発生した。電極パターンと電極配線を同一の部材に形成するため、電極パターンを形成した後に電極配線を形成する時、電極パターンに損傷が発生したり、その反対の場合が発生した。特に、電極パターンを導電性高分子で構成し、電極配線を形成する過程でエッチング工程またはアニーリング工程を遂行する場合、導電性高分子の変性が発生して電極パターンの面抵抗が変化される問題点が発生した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述のような問題点を解決するために導き出されたものであり、電極パターンと電極配線を異なる平面に配置させることにより、デザイン的自由度が上昇し、電極配線と電極パターンの不良を防止することができる静電容量式タッチスクリーンを提案することを目的とする。
【0010】
そして、電極パターンと電極配線の連結構造を形成するにおいて、電極パターンに形成された伝導性接着部材と電極配線に形成された補助電極を含むことにより、電極パターンと電極配線の接続信頼性が向上された静電容量式タッチスクリーンを提案することを目的とする。
【0011】
また、ベース部材に電極パターンを形成し、ウインドーに電極配線を形成した後、電極パターンと電極配線を伝導性接着部材と補助電極を用いて接続させることにより、電極配線を形成する過程で電極パターンの不良なしにタッチスクリーンを製造することができる静電容量式タッチスクリーンの製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は静電容量式タッチスクリーンに関するもので、複数の電極パターンが形成されたベース部材、前記電極パターンの端部に形成された伝導性接着部材、前記ベース部材の上側に配置され、前記電極パターンと対向するように複数の電極配線が外側領域に形成されたウインドー、及び前記電極配線の一端に形成され、前記伝導性接着部材によって前記電極パターンと前記電極配線を通電させる補助電極を含む。
【0013】
また、本発明は前記補助電極の面積は前記伝導性接着部材の面積に対応することを特徴とする。
また、本発明は前記ウインドーの上面の外側領域に形成され、前記電極配線をカバーする遮蔽膜をさらに含む。
また、本発明の前記電極パターンは導電性高分子で構成されたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の前記電極パターンは、交差する方向に形成された第1電極パターンと第2電極パターンを含んで構成され、前記第1電極パターンは複数の第1センシング部及び隣接する前記第1センシング部を連結する第1連結部を含み、前記第2電極パターンは前記第1センシング部と同一平面上に形成された複数の第2センシング部及び隣接する前記第2センシング部を連結する第2連結部を含んで、前記第2連結部は前記第1連結部の上側で交差して形成されたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は前記第1連結部と前記第2連結部の間に配置され、前記第1連結部と前記第2連結部の接触を防止する絶縁パターンをさらに含む。
【0016】
そして、本発明は静電容量式タッチスクリーンの製造方法に関するもので、ベース部材の一面に複数の電極パターンを形成し、前記電極パターンの端部に伝導性接着部材を形成する段階、ウインドーの一面に複数の電極配線を形成し、前記電極配線の一端に補助電極を形成する段階、前記補助電極が前記伝導性接着部材に接着されて前記電極配線と前記電極パターンが通電されるように、前記ベース部材と前記ウインドーを結合する段階を含む。
【0017】
また、本発明の前記電極配線は金属で構成され、スパッタリング方式によって形成されたことを特徴とする。
また、本発明の前記電極パターンは導電性高分子で構成されたことを特徴とする。
また、本発明は前記ウインドーの上面の外側領域に前記電極配線をカバーする遮蔽膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は前記ベース部材と前記ウインドーを結合する段階の前に、前記ベース部材の上面の外側領域またはウインドーの下面の外側領域に前記ベース部材と前記ウインドーを接着する両面接着部材を形成する段階をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明は前記ベース部材の上面の外側領域に形成され、前記ウインドーと前記ベース部材を接着する両面接着部材をさらに含む。
【0019】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0020】
本発明による静電容量式タッチスクリーンは、電極パターンがベース部材に形成され、電極配線がウインドーに形成されて、電極パターンと電極配線が異なる平面に配置された静電容量式タッチスクリーンを具現することにより、電極パターンと電極配線のショート問題を防止することができる。
【0021】
そして、電極パターンと電極配線の連結構造を形成するにおいて、静電容量式タッチスクリーンは、電極パターンに形成された伝導性接着部材と電極配線に形成された補助電極を含むことにより、電極パターンと電極配線の接続信頼性が向上される。
【0022】
また、本発明による静電容量式タッチスクリーンの製造方法は、電極配線と電極パターンを夫々ベース部材とウインドーに形成した後結合することにより、電極配線または電極パターンを形成する過程で電極パターンまたは電極配線に発生する不良を防止することができる。特に、電極パターンが導電性高分子で構成される場合、電極配線を形成する過程でエッチング工程または熱処理工程を遂行しても電極パターンの変性を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係わる以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の説明において、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼかす可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1は本発明による静電容量式タッチスクリーンを簡略に図示した断面図であり、図2は図1に図示されたタッチスクリーンのベース部材とウインドーの上面及び背面を図示した平面図である。以下、これを参照して本発明による静電容量式タッチスクリーン(以下、タッチスクリーン)に対して説明する。
【0025】
本発明によるタッチスクリーンは、複数の電極パターン200がベース部材100に形成され、電極パターン200に連結される電極配線400がウインドー300に形成され、電極パターン200の端部に形成された伝導性接着部材500と電極配線の一端に形成された補助電極450を介して電極パターン200と電極配線400が通電される。
【0026】
ベース部材100は透明な部材であり、ガラス基板、フィルム基板、繊維基板、紙基板が用いられることができ、このうちフィルム基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PVA)、環状オレフィン共重合体(COC)、スチレン重合体などで構成されることができる。ベース部材100の材料選択はタッチスクリーンが適用される端末機の種類と用途に応じて選択されることが好ましい。
【0027】
電極パターン200はITO(indium tin oxide)のような伝導性物質が採用されることができる。このような電極パターン200は、伝導性物質をグラビア印刷、インクジェット印刷、フォトリソグラフィ方式など、公知された方式によって形成されることができる。
【0028】
この際、電極パターン200は導電性高分子で構成されることが好ましい。導電性高分子は有機系化合物で、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリアセチレン系、ポリフェニレン系などが採用されることができ、特にポリチオフェン系のうちでもPEDOT/PSS化合物の場合がもっとも好ましく、前記有機系化合物のうち1種以上を混合して用いることができる。このような導電性高分子は、ITOと対等な面抵抗を有し、かつ製造コストが安く、柔軟性を有してフレキシブルディスプレーにも適用が可能であるという長所がある。
【0029】
そして、電極パターン200の形状は多様に変形されて実施されることができる。図2に図示されたように、バータイプの電極パターン200が一般的である。この際、複数の電極パターン200は均一な抵抗を有するために、バー形状を有して隣接する電極パターンと平行に形成される。この際、複数の電極パターンは面積及び形状が同一であることが好ましい。
【0030】
そして、本発明によるタッチスクリーンは、ベース部材100の上側に配置され、電極パターン200と対向するように複数の電極配線400が外側領域に形成されたウインドー300を含む。
【0031】
ウインドー300は電極パターン200をカバーし、入力手段が接触する接触面を提供して、ガラス基板、フィルム基板、繊維基板、紙基板が用いられることができる。
【0032】
ウインドー300の外側領域には、伝導性物質で構成された電極配線400が形成される。ウインドー300を含んでタッチスクリーンの内側領域は画像が通過する活性領域であり、内側領域に配置された電極パターン200は透明な伝導性物質で構成されるが、外側領域は画像が通過しない非活性領域であるため、電極配線400は必ずしも透明なものである必要はない。これにより、電極配線400は銀ペースト(Ag Paste)のように抵抗が小さい金属物質で構成されたり、電極パターン200と同一の材料で形成されることができる。
【0033】
ベース部材100に形成された電極パターン200とウインドー300に形成された電極配線400を連結するために、電極パターン200の端部には伝導性接着部材500が形成され、電極配線の一端には補助電極450が形成される。
【0034】
本発明は非活性領域を縮小するために、スパッタリング方式によって微細な電極配線400を形成するが、電極配線400の幅が狭いためベース部材100とウインドー300のアライン(align)が一致しない場合、電極パターン200と電極配線400の接続が発生しない可能性がある。このような問題点を防止するために、電極配線400の一端に接続面積を広げる補助電極450を形成する。
【0035】
そして、電極パターン200の端部に形成された伝導性接着部材500と補助電極450を介して電極パターン200と電極配線400が通電される。
【0036】
この際、接続信頼性を向上させ、電極パターンまたは電極配線の間のショートを防止するために、補助電極450の面積は伝導性接着部材500の面積に対応することが好ましい。
【0037】
一方、ウインドー300の下面に電極パターン200と対向するように形成された複数の電極配線400は、一端が電極パターン200と連結され、他端はウインドー300の一側に集合されることが好ましい。これは、電極パターン200で発生した静電容量の変化を制御部に伝達する時、複数の電極配線400とFPCとの接続を容易にするためである。
【0038】
そして、図1及び図2には電極パターン200の両端で電極配線400と接続されるが、これは一つの実施例に過ぎず、タッチスクリーンの座標検出方式によって電極パターン200の一端にのみ電極配線400が連結されることもできる。電極パターン200の一端にのみ電極配線400が連結されても、電極配線400を通じて電極パターン200に少量の電荷を印加すると、少量の電荷が抵抗成分と静電容量からなったRC等価回路に供給された後、外部接触により電荷再分布現象が発生し、その時発生する電圧変化を制御部が測定することによって接触点の座標を算出することができる。このような座標検出方式は公知されているため、詳細な説明は省略する。
【0039】
また、伝導性接着部材500による電極パターン200と電極配線400の結合力を補強するために、電極パターン200とウインドー300の下面の間に光学接着剤層(未図示)がさらに形成されることができる。
【0040】
本発明による静電容量式タッチスクリーンは、ウインドー300の下面に形成された電極配線400をカバーするために、ウインドー300の上面の外側領域に遮蔽膜600が形成されることがさらに好ましい。電極配線400が銀ペーストのような金属で構成される場合、外部で電極配線400が認識される可能性があるため、これを防止するために遮蔽膜600が形成される。このような遮蔽膜600は例えば、ブラックインクのように明度が低いインクをウインドー300の上面の外側領域に印刷することによって形成することができる。
【0041】
図3は本発明のまた他の実施例によるベース部材の上面とウインドーの背面を図示した平面図であり、図4及び図5は図3に図示された電極パターンを詳細に図示した拡大図である。以下、これを参照して本発明のまた他の実施例による静電容量式タッチスクリーン(以下、タッチスクリーン)に対して説明する。但し、図1及び図2を参照して説明した構成と同一の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0042】
本実施例によるタッチスクリーンは、交差する方向性を有する第1電極パターン210と第2電極パターン220がベース部材100に形成される。図2に図示されたタッチスクリーンは電極パターンが同一の方向性を有しているが、本実施例によるタッチスクリーンは相異なる方向性を有する電極パターン210、220をベース部材100に形成することにより、接触点の座標をより正確に測定することができ、マルチタッチの具現が可能である。
【0043】
第1電極パターン210は、ベース部材100の上面に複数の電極パターンが第1方向(Y方向)に平行に形成され、第1センシング部212と第1連結部214が繰り返された形状である。この際、第1センシング部212は使用者の手がタッチスクリーンに接触した時の静電容量の変化を測定する部分であり、第1連結部214は複数の第1センシング部212を連結する部分である。
【0044】
一方、図3には第1センシング部212が菱形の形状を有しているが、これは一つの例示に過ぎず、また他の多角形の形状に変形されて実施されることができる。
【0045】
そして、第2電極パターン220は上述の第1電極パターン210のようにベース部材100の上面に形成される。また、第2電極パターン220は、複数の電極パターンが第2方向(X方向)に平行に形成され、第2センシング部222と第2連結部224が繰り返された形状を有する。
【0046】
この際、第2連結部224は前記第1連結部214の上側に交差するように形成されて(ブリッジ構造)、第2電極パターン220は第1電極パターン210と連結されず電気的に分離される。
【0047】
図4及び図5を参照して、ブリッジ構造をより詳細に説明すると、第2連結部224はベース部材100に形成された第1連結部214上にエアギャップGを間に置いて交差して形成されたり、第1連結部214と第2連結部224の間に第1連結部と第2連結部の接触を防止する絶縁パターン230を置いてブリッジ構造を形成することができる。この際、絶縁パターン230は透明な樹脂材料で構成される。
【0048】
図4に図示されたブリッジ構造は寄生静電容量の発生を最小化することができ、図5に図示されたブリッジ構造は第2連結部224の安定性を増加させて第2連結部224と第1連結部214のショートを防止することができる長所がある。
【0049】
一方、図3に図示された電極パターン210、220の端部及び電極配線400の一端には、電極パターン210、220と電極配線400を連結する伝導性接着部材500と補助電極450が形成される。
【0050】
図6は図1から図5に図示されたタッチスクリーンの変形例を簡略に図示した断面図である。以下、これを参照して本発明のまた他の実施例を説明する。
【0051】
まず、図6に図示されたように、本実施例によるタッチスクリーンは、ベース部材100の上面の外側領域(またはウインドー300の下面の外側領域)に形成され、ウインドー300とベース部材100を接着する両面接着部材700をさらに含む。
【0052】
両面接着部材700は、上側に配置されたウインドー300を支持してタッチスクリーンを堅固にさせ、外部で発生した異物がタッチスクリーンの内部に侵透できないようにする。
【0053】
図7は本発明による静電容量式タッチスクリーンの製造工程を図示したフローチャートである。これを参照して本発明によるタッチスクリーンの製造方法を説明する。
【0054】
本発明による製造方法は、ベース部材100に電極パターン200を形成し、ウインドー300に電極配線400を夫々形成する。
【0055】
従来のタッチスクリーンは、一つの基板に電極パターンと電極配線を順次的に、または同時に形成するため、電極パターンと電極配線のショートが発生したり、先に形成されたものに損傷が発生する問題点があった。
【0056】
特に、電極パターンを導電性高分子で形成する場合、湿気と熱に弱い導電性高分子が電極配線を形成する過程で変性する問題点があった。それにより、電極配線をベース部材に直接形成する時、湿式エッチング工程やアニーリング処理が制限される問題点が発生した。
【0057】
本発明による製造方法は、電極パターンと電極配線を異なる部材に夫々形成することにより、上述のような問題を解決し、伝導性接着部材及び補助電極を介して電極パターンと電極配線を通電させることによってタッチスクリーンを形成する。
【0058】
より詳細に説明すると、まず、ベース部材の一面に複数の電極パターンを形成し(S1)、前記電極パターンの端部に伝導性接着部材を形成する(S2)。そして、ウインドーの一面に複数の電極配線を形成し(S3)、電極配線の一端に補助電極を形成する(S4)。上述した四つの段階の順序は、変更されて実施されることができる。
【0059】
電極パターンはフォトリソグラフィ方式、インクジェット印刷方式、グラビア印刷方式で形成されることができ、伝導性接着部材は電極パターンの端部に接着させる方式によって形成され、電極配線は銀ペーストを印刷したり、スパッタリング方式によって金属膜を形成した後にパターニングして形成することができる。そして、補助電極は、電極配線と対等な抵抗を有したり、抵抗が低い金属物質を印刷して形成することができる。
【0060】
また、ハウジングを用いたベゼル構造物を用いず、タッチスクリーン自体に電極配線をカバーする構造物を形成しようとする場合、遮蔽膜を形成する段階をさらに含むことができる。ブラックインクのように明度が低いインクをウインドーの上面の外側領域に印刷することにより遮蔽膜を形成する。
【0061】
その後、伝導性接着部材と補助電極を媒介として、前記電極配線と前記電極パターンが通電されるようにベース部材と前記ウインドーを結合する(S5)。
【0062】
また、ベース部材とウインドーを結合する段階の前に、ベース部材の上面の外側領域またはウインドーの下面の外側領域に、前記ベース部材と前記ウインドーを接着する両面接着部材を形成する段階をさらに含むことができる。このような両面接着部材は、両面接着シートが採用されることができ、ベース部材とウインドーを結合する過程でベース部材とウインドーの間に配置されることにより、タッチスクリーンを堅固にさせて、外部で発生した異物がタッチスクリーンの内部に侵透できないようにする。
【0063】
一方、本発明は上述の実施例に限定されず、本発明の思想及び範囲を外れずに多様に修正及び変形が出来るということは当技術分野で通常の知識を有する者には明白である。従って、このような変形例または修正例は本発明の特許請求範囲に属するというべきであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による静電容量式タッチスクリーンを簡略に図示した断面図である。
【図2】図1に図示されたタッチスクリーンのベース部材の上面とウインドーの背面を図示した平面図である。
【図3】本発明のまた他の実施例によるベース部材の上面とウインドーの背面を図示した平面図である。
【図4】図3に図示された電極パターンを詳細に図示した拡大図である。
【図5】図3に図示された電極パターンを詳細に図示した拡大図である。
【図6】図1に図示されたタッチスクリーンの変形例を簡略に図示した断面図である。
【図7】本発明による静電容量式タッチスクリーンの製造工程を図示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
100 ベース部材
200 電極パターン
210 第1電極パターン
220 第2電極パターン
230 絶縁パターン
300 ウインドー
400 電極配線
450 補助電極
500 伝導性接着部材
600 遮蔽膜
700 両面接着部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極パターンが形成されたベース部材;
前記電極パターンの端部に形成された伝導性接着部材;
前記ベース部材の上側に配置され、前記電極パターンと対向するように複数の電極配線が外側領域に形成されたウインドー;及び
前記電極配線の一端に形成され、前記伝導性接着部材によって前記電極パターンと前記電極配線を通電させる補助電極;
を含む静電容量式タッチスクリーン。
【請求項2】
前記補助電極の面積は前記伝導性接着部材の面積に対応することを特徴とする請求項1に記載の静電容量式タッチスクリーン。
【請求項3】
前記ウインドーの上面の外側領域に形成され、前記電極配線をカバーする遮蔽膜をさらに含む請求項1に記載の静電容量式タッチスクリーン。
【請求項4】
前記電極パターンは導電性高分子で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式タッチスクリーン。
【請求項5】
前記電極パターンは、交差する方向に形成された第1電極パターンと第2電極パターンを含んで構成され、
前記第1電極パターンは複数の第1センシング部及び隣接する前記第1センシング部を連結する第1連結部を含み、
前記第2電極パターンは前記第1センシング部と同一平面上に形成された複数の第2センシング部及び隣接する前記第2センシング部を連結する第2連結部を含んで、
前記第2連結部は前記第1連結部の上側で交差して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式タッチスクリーン。
【請求項6】
前記第1連結部と前記第2連結部の間に配置され、前記第1連結部と前記第2連結部の接触を防止する絶縁パターンをさらに含む請求項5に記載の静電容量式タッチスクリーン。
【請求項7】
前記ベース部材の上面の外側領域に形成され、前記ウインドーと前記ベース部材を接着する両面接着部材をさらに含む請求項1に記載の静電容量式タッチスクリーン。
【請求項8】
ベース部材の一面に複数の電極パターンを形成し、前記電極パターンの端部に伝導性接着部材を形成する段階;
ウインドーの一面に複数の電極配線を形成し、前記電極配線の一端に補助電極を形成する段階;
前記補助電極が前記伝導性接着部材に接着されて前記電極配線と前記電極パターンが通電されるように、前記ベース部材と前記ウインドーを結合する段階;
を含む静電容量式タッチスクリーンの製造方法。
【請求項9】
前記電極配線は金属で構成され、スパッタリング方式によって形成されたことを特徴とする請求項8に記載の静電容量式タッチスクリーンの製造方法。
【請求項10】
前記電極パターンは導電性高分子で構成されたことを特徴とする請求項8に記載の静電容量式タッチスクリーンの製造方法。
【請求項11】
前記ウインドーの上面の外側領域に前記電極配線をカバーする遮蔽膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の静電容量式タッチスクリーンの製造方法。
【請求項12】
前記ベース部材と前記ウインドーを結合する段階の前に、
前記ベース部材の上面の外側領域またはウインドーの下面の外側領域に前記ベース部材と前記ウインドーを接着する両面接着部材を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の静電容量式タッチスクリーンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−89102(P2012−89102A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273334(P2010−273334)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】