説明

静電気散逸特性を有する透明な複数層シート

静電気防止特性、および透明性において優れた、透明な複数層シートが開示される。上記透明な複数層シートは、エチレンオキシドを含む導電性熱可塑性ポリウレタンもしくはポリウレア樹脂を含む表面層;および上記表面層に結合されかつ透明な非導電性ポリマー樹脂を含む後方層を含む。好ましくは、上記ポリウレタン樹脂もしくはポリウレア樹脂は、(a)エチレンオキシドを含み、かつイソシアネート基と反応するポリエーテルベースのポリマー;(b)芳香族ジイソシアネート化合物もしくは脂肪族ジイソシアネート化合物;および(c)一級ヒドロキシル基もしくはアミン基を含む、鎖伸長剤C2〜C10の重合生成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(詳細な説明)
(技術分野)
本発明は、透明な複数層シート、より具体的には、帯電防止特性、および透明性において優れた透明な複数層シートに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
静電気(static charge)は、大部分のプラスチック表面で発生しかつ蓄積される。プラスチック材料は、低い導電性を有するので、これらは、そこに静電気を蓄積しやすい強い傾向がある。このことは、プラスチックの加工および使用で種々の問題を引き起こす。例えば、低い伝導性を有するプラスチック材料からフィルムが作製される場合、静電気が、上記得られたフィルム間で強い接着をもたらすので、次の処理を行うのを困難にするのみならず、上記フィルムの商品性が、ほこりなど、これに対する粘着性に起因して低くなりもする。特に、電気/電子産業において使用される多くの部品は、非常に少量の静電気によってすら損傷を受けうるので、このような部品の貯蔵、輸送、および組み立てのプロセスにおいて最も重要なことは、静電気の発生および散逸を調節することである。
【0003】
種々の静電気散逸材料が、静電気の発生および蓄積を抑制するために開発されてきた。例えば、低分子量カチオンもしくはアニオンの形態にある帯電防止剤を、種々のポリマー材料に添加することによって、静電気散逸特性を得るための方法は、長期にわたって使用されてきた。しかし、低分子量帯電防止剤は、その低い耐熱性に起因して、ポリマー樹脂処理のための高温条件下で損傷を受けるという点で問題を有し、結果として静電気散逸特性が低下する。また、低分子量帯電防止剤が、ポリマー樹脂との適合性が不十分である場合、時間が経つにつれて静電気散逸特性が低下するという点で問題がある。なぜなら、上記低分子量帯電防止剤は、表面に溶離されるからである。静電気の発生および蓄積を抑制するための別の方法として、本質的に導電性のポリマー(ICP)が、結合剤物質と溶媒中で一緒に溶解され、次いで、プラスチック表面が、上記得られた溶液でコーティングされる方法が、開発された。しかし、この方法は、プラスチック表面にコーティングされたICPがそこから容易に剥離するので、導電性が容易に失われるのみならず、上記ICPが約数十マイクロメートルの非常に薄い厚みを有するという点でも問題を有し、従って、上記コーティング表面は、熱形成(thermoforming)などの間に破壊されて、静電気が蓄積したホットスポットを発生させる。静電気の発生および蓄積を抑制するためのさらに別の方法として、有機フィルタもしくは無機フィルタ(例えば、金属もしくはカーボンブラック)と、ポリマー樹脂とを混合して、ポリマー複合樹脂組成物を調製するための方法が存在するが、この方法はまた、過剰の充填剤(ポリマー樹脂の総重量に基づいて、10重量%より多い)が、十分な静電気散逸特性を得るために使用されねばならないという点で問題を有する。この過剰の充填剤は、ポリマー複合樹脂組成物の機械的特性(例えば、衝撃強さ)の悪化をもたらす。特に、カーボンブラックを含むポリマー複合樹脂組成物が、パッキング容器などのために使用される場合、上記カーボンブラックは、上記パッキング容器において製品表面を汚染するように溶離する。
【0004】
上記の問題を解決するために、本質的に散逸性のポリマー(IDP)を、別の樹脂とブレンドするための方法もまた、開発されてきたが、この方法は、上記複合樹脂の透明性が、IDPと別の樹脂との間の屈折率の差異に起因して悪化するという点で欠点を有し、従って、上記方法は、透明性を必要とされる用途に適用するのは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の開示)
(技術的課題)
従って、本発明の目的は、帯電防止特性および透明性において優れた透明な複数層シートを提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、低分子量帯電防止剤が使用されずかつ導電性ポリマー層と非導電性ポリマー層との間の剥離の懸念がほとんどないので、その間の適合性も優れている、帯電防止剤の溶離の懸念がほとんどない透明な複数層シートを提供することである。
【0007】
(技術的解決)
これらの目的を達成するために、本発明の一局面によれば、静電気散逸特性を有する透明な複数層シートが提供され、上記シートは、エチレンオキシドを含む導電性熱可塑性ポリウレタン樹脂もしくはポリウレア樹脂を含む、表面層;および上記表面層に結合されかつ透明な非導電性ポリマー樹脂を含む、後方層、を含む。
【0008】
好ましくは、上記ポリウレタン樹脂もしくはポリウレア樹脂は、(a)エチレンオキシドを含みかつイソシアネート基と反応するポリエーテルベースのポリマー;(b)芳香族ジイソシアネート化合物もしくは脂肪族ジイソシアネート化合物;および(c)一級ヒドロキシル基もしくはアミン基を含むC2〜C10鎖伸長剤、の重合組成物を含み、上記透明な非導電性ポリマー樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート、グリコール改変ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、透明なアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、およびこれらの混合物からなる群より選択される。また、上記表面層は、0.05〜3mmの厚みを有し、上記後方層は、0.05〜10mmの厚みを有することが好ましい。好ましくは、上記透明な複数層シートは、上記後方層と上記表面層とがそのそれぞれの側面に結合された形態にある。
【0009】
(有利な効果)
本発明に従う透明な複数層シートは、優れた透明性を有するのみならず、永久的かつ顕著な静電気散逸特性もまた有する。同様に、本発明の透明な複数層シートは、導電性ポリマー層と非導電性ポリマー層との間で良好な適合性を有するので、その間の剥離が低減される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の態様)
ここで、本発明に対して詳細に言及する。
【0011】
本発明に従う、静電気散逸特性を有する透明な複数層シートは、エチレンオキシドを含む熱可塑性ポリウレタン樹脂もしくはポリウレア樹脂を含み、透明であり、かつ静電気散逸特性を有する表面層;および上記表面層に結合しかつ静電気散逸特性を有さない透明なポリマー樹脂を含む後方層、を含む。
【0012】
本発明に従う透明な複数層シートの上記表面層を構成する上記ポリウレタンもしくはポリウレアは、半永久的な静電気散逸特性を有する樹脂、すなわち、本質的に散逸性のポリマー(IDP)樹脂であり、(a)エチレンオキシドを含みかつイソシアネート基と反応するポリエーテルベースのポリマー;(b)芳香族ジイソシアネート化合物もしくは脂肪族ジイソシアネート化合物;および(c)一級ヒドロキシル基もしくはアミン基を含むC2〜C10鎖伸長剤の重合生成物を含む。上記(a)において言及したポリエーテルベースのポリマーは、エチレンオキシド基を含む骨格を有し、両方の末端基が、ジイソシアネートと反応しうる、アルコール(−OH)もしくはアミン(−NH)を含む。ホモポリマーの形態にある直線状の樹脂(その骨格は、エチレンオキシドのみを含む)、コポリマーの形態にある直線状ポリマー(その骨格は、エチレンオキシドモノマーおよび他の種のモノマー、もしくはこれらの混合物を含む)は、ポリエーテルベースのポリマーとして使用されうる。上記他の種のモノマーは、エチレンオキシドと共重合し得、エチレンオキシドとしては、1,2−プロピレンオキシド、1,3−プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、アリルグリシジル、n−ブチルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、これらの混合物などが挙げられる。上記ポリエーテルベースのポリマーは、約500〜10,000、好ましくは、約600〜4,000、およびより好ましくは、約1,000〜2,000の数平均分子量(Mn)を有する。上記ポリエーテルベースのポリマーが500未満の数平均分子量を有する場合、重合した樹脂の静電気散逸特性が悪化する。これに反して、上記ポリエーテルベースのポリマーが、10,000より大きい数平均分子量を有する場合、ポリウレタン重合において困難が生じ得る。また、エチレンオキシドモノマーおよび他の種のモノマーがコポリマーを形成する場合、上記エチレンオキシドモノマーが、上記モノマーの合計に基づいて、10モル%以上(例えば、10〜80モル%、好ましくは、30モル%以上、およびより好ましくは、50モル%以上)の量で含まれることが、望ましい。上記エチレンオキシドモノマーの含有量が少なすぎる場合、上記ポリマー樹脂の導電性が悪化するという懸念がある。これに反して、上記エチレンオキシドモノマーの含有量が多すぎる場合、物理的特性に対する他の種のモノマーの付加の効果が十分に得られない可能性があるという懸念がある。上記ポリエーテルベースのポリマーの上記エチレンオキシド極性基は、親水性ポリマーを形成しうるので、上記ポリエーテルベースのポリマーは、半永久的かつ優れた電気的導電性を有する。
【0013】
上記(b)において言及した芳香族ジイソシアネート化合物もしくは脂肪族ジイソシアネート化合物の具体例としては、芳香族イソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI));ならびに脂肪族イソシアネート(例えば、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、およびこれらの混合物);2,2’−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、およびこれらの混合物;ならびにナフタレンジイソシアネートが挙げられ、これらの全ては、単独でもしくは他と組み合わせて使用されうる。4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートもしくは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を上記ジイソシアネート化合物として使用することが、好ましい。
【0014】
上記(c)において言及した鎖伸長剤は、上記ポリマー樹脂の主鎖を伸長させるための物質であり、2〜10個の炭素原子を有しかつ一級ヒドロキシル基もしくはアミン基をその両方の末端基において含む化合物である。上記鎖伸長剤の例としては、ジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、1,6−ヘキサンジオール、およびネオペンチルグリコール);ならびにジアミン(例えば、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、N−メチルプロピレン−1,3−ジアミン、およびN,N’−ジメチレンジアミン)が挙げられ、これらの全ては、単独で使用されうるかまたは他と組み合わせて使用されうる。1,4−ブタンジオールを上記鎖伸長剤として使用することが好ましい。上記鎖伸長剤は、上記ポリエーテルベースのポリマーの1molに基づいて、0.1mol〜30mol、好ましくは、0.1mol〜10mol、およびより好ましくは、0.1mol〜5molの量で使用される。また、上記ジイソシアネート化合物は、上記鎖伸長剤および上記ポリエーテルベースのポリマーの合計(すなわち、鎖伸長剤+ポリエーテルベースのポリマー)の1.0molに基づいて、0.90mol〜1.10mol、好ましくは、0.92mol〜1.05mol、およびより好ましくは、0.90mol〜1.02molの量において含まれる。これに関しては、上記鎖伸長剤および上記ジイソシアネートの含有量が、上記範囲外にある場合、上記調製されるポリマーの特性が悪化するか、もしくは上記ポリマーの重合が適切に達成されないという懸念がある。
【0015】
上記本質的に散逸性のポリマー(IDP)樹脂は、代表的なポリウレタンもしくはポリウレアの重合法によって調製されうる。例えば、上記樹脂は、エチレンオキシドを含む上記ポリエーテルベースのポリマー、上記ジイソシアネート化合物、および上記鎖伸長剤が同時に互いに反応させられる、1回で完全な(one−shot)重合法によって調製されうるか、または上記ポリエーテルベースのポリマーと上記鎖伸長剤とをブレンドし、次いで、上記混合物と上記ジイソシアネート化合物とを反応させることによって、調製されうる。必要であれば、上記ポリエーテルベースのポリマーと、上記ジイソシアネートとを反応させて、プレポリマーを得、次いで、上記得られたプレポリマーを、上記鎖伸長剤と反応させることによって、上記IDP樹脂(すなわち、ポリウレタンもしくはポリウレア)を調製することは可能である。
【0016】
また、上記ポリマー樹脂の静電気散逸特性(導電性)を増強するために、上記IDP樹脂は、上記ポリエーテルベースのポリマー、上記ジイソシアネート化合物、および上記鎖伸長剤の合計の100重量部に基づいて、無機塩もしくは有機塩の形態にある静電気散逸特性増強剤を、0.1〜20重量部の量でさらに含み得る。上記静電気散逸特性増強剤は、上記ポリマー樹脂の重合の間に添加されるか、または上記重合されたポリマー樹脂と物理的に混合されるかによって、上記ポリマー樹脂の骨格に分散させられ得る。これに関して、無機塩もしくは有機塩の形態にある上記静電気散逸特性増強剤が、上記ポリエーテルベースのポリマー、上記ジイソシアネート化合物、および上記鎖伸長剤の合計使用量の100重量部に基づいて、0.1重量部未満の量で使用されると、静電気散逸特性もしくは導電性を強化する効果は、不十分である。これに反して、上記静電気散逸特性増強剤が、20重量部より多い量で使用される場合、静電気散逸特性もしくは導電性を増強する効果の増加が不十分であるのみならず、上記静電気散逸特性増強剤が過剰に使用される場合には、製品コストも増大し、上記樹脂の機械的特性も低下し得る。
【0017】
無機塩の形態にある静電気散逸特性増強剤の例としては、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ヘキサフルオロヒ酸リチウム(LiASF)、ヨウ化リチウム(LiI)、臭化リチウム(LiBr)、チオシアン酸リチウム(LiSCN)、硝酸リチウム(LiNO)、硫化リチウム(LiS)、リチウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド(LiC(SOCF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム塩(LiSOCF)、リチウム(ビス)トリフルオロメタンスルホンイミド(LiN(SOCF)、リチウム(ビス)ペルフルオロエタンスルホンアミド(LiN(SO)、5−リチオスルホイソフタル酸、3,5−ジヨード−2−ヒドロキシ安息香酸リチウム塩、3,5−ジヨードサリチル酸リチウム塩、β−ヒドロキシピルビン酸リチウム塩水和物、カルバモイルホスフェート二リチウム塩、p−トルエンスルフィン酸リチウム塩、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)リチウム塩、トルエン−4−スルフィン酸リチウム塩無水物などが挙げられ、これらの全ては、単独で使用されうるか、または他と組み合わせて使用されうる。リチウム(ビス)トリフルオロメタンスルホンアミド(LiN(SOCF)もしくはリチウム(ビス)ペルフルオロエタンスルホンアミド(LiN(SO)を使用することが好ましい。
【0018】
窒素含有カチオンおよび上記窒素含有カチオンに配位したアニオンを含む無機塩は、有機塩の形態にある上記静電気散逸特性増強剤として使用されうる。上記窒素含有カチオンの例としては、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウムなどが挙げられ、これらの全ては、単独で使用されうるか、または他と組み合わせて使用されうる。イミダゾリウムを使用することが好ましい。上記窒素含有カチオンに弱く配位したアニオンの例としては、無機アニオン、例えば、Cl、Br、F、HSO、HPO、NO、ClO、BF、PF、SbF、AsF、アルカンスルホネート、アリールスルホネート、およびアルカリールスルホネート;およびフッ素有機アニオン(例えば、ペルフルオロアルカンスルホネート、シアノペルフルオロアルカンスルホニルアミド、ビス(シアノ)フルオロアルカンスルホニルメチド、ビス(bid)(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド、ビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)メチド、およびトリス(ペルフルオロアルカンスルホニル)メチドが挙げられ、これらの全ては、単独で使用されうるか、または他と組み合わせて使用されうる。フルオロ有機アニオンを使用することが好ましい。種々のタイプのミキサー(例えば、スクリュー押し出し成形機)を使用する物理的混合または樹脂重合の間の添加は、上記ポリマー樹脂中において無機塩もしくは有機塩の形態にある上記静電気散逸特性増強剤を分散させる方法として使用されうる。
【0019】
本発明に従う上記透明な複数層シートの上記後方層を構成する上記ポリマー樹脂は、透明であるが、静電気散逸特性を有さない(すなわち、非導電性)。この透明な非導電性ポリマー樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート(PETG)、グリコール改変ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCTG)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、透明なアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(透明なABS)などが挙げられ、これらの全ては、単独で使用されうるか、または他と組み合わせて使用されうる。
【0020】
本発明に従う透明な複数層シートは、種々のタイプの方法によって製造され得、主要押し出し成形機および共押し出し成形機(co−extruder)を使用する共押し出しによって例示的に製造されうる。本発明に従う透明な複数層シートは、種々の形態(例えば、上記表面層および上記後方層が互いに結合した形態、上記表面層が上記後方層のいずれの側面にもそれぞれ結合した形態(すなわち、表面層−後方層(中間層)−表面層の構造)などをとり得る。本発明に従う透明な複数層シートの全体の厚みは、その用途に従って変動し得るが、一般に、0.5〜10mm、および好ましくは、1〜8mmの範囲に及ぶ。上記表面層の厚みは、0.05〜3mm、好ましくは、0.1〜2mm、およびより好ましくは、0.2〜1mmの範囲に及ぶ。また、上記後方層もしくは中間層の厚みは、0.05〜10mm、好ましくは、0.1〜8mm、およびより好ましくは、1〜6mmの範囲に及ぶ。これに関して、上記表面層および後方層の厚みが、上記の範囲外である場合、上記シートの透明性および静電気防止特性を同時に改善することは不可能であるか、または上記シートの物理的特性を悪化するという懸念がある。本発明に従う透明な複数層シートは、透明性を要し、静電気に感受性の電気/電子部品のためのパッキング材料として、および半導体プラントのクリーン・ルームのためのパネルとして使用されうる。
【0021】
本明細書において、本発明は、本発明の好ましい実施形態および比較例によって詳細に記載される。しかし、以下の実施例は、例示に過ぎず、本発明の範囲は、これに限定されるとは解釈されるべきでない。
【実施例】
【0022】
(比較実施例1:ポリウレタンの重合)
数平均分子量
1000を有する62.9重量%のポリブチレンアジペートグリコール(PBA)、31.5重量%の4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)、および5.6重量%の1,4−ブタンジオールを、全体のスクリュー長さの30%に対応する捏和ブロックを備える連続反応押し出し成形機(Werner & Pfleiderer ZSK 58 二軸押し出し成形機)に投入し、次いで、熱可塑性ポリウレタン樹脂を、190〜220℃において重合した。上記スクリューを、重合の間に300rpmで回転させ、150ppmのジブチルスズジラウレートを、触媒として使用した。上記連続反応押し出し成形機において重合したポリウレタン樹脂を、ペレット形成機を使用することによってペレットへと形成し、上記形成したペレットを、70℃において5時間にわたって、脱湿乾燥機(Conair SC60,入り口空気露点=−50℃)を使用することによって乾燥させた。このようにして形成されたペレットが、四角形の標本(150mm×150mm×2mm)へと、射出成形機を使用することによって成形された後、上記標本を、温度23±1℃および相対湿度50±15%の条件下に24時間にわたって放置し、次いで、ASTM D−257標準に従う抵抗率メーターによって、表面抵抗率測定に供した。その結果を、以下の表1に示す。
【0023】
(比較実施例2:ポリウレタンの重合)
数平均分子量1000を有する60.9重量%のポリテトラメチレングリコール(PTMG)、32.8重量%の4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)、および6.3重量%の1,4−ブタンジオールを使用したことを除いて、比較実施例1に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表1に示す。
【0024】
(調製実施例1:ポリウレタンの重合)
数平均分子量1500を有する64.3重量%のポリエチレングリコール(PEG)、29.4重量%の4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)、および6.3重量%の1,4−ブタンジオールを使用したことを除いて、比較実施例1に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表1に示す。
【0025】
(調製実施例2:ポリウレタンの重合)
数平均分子量1500を有する64.0重量%のポリエチレングリコール(PEG)、25.9重量%のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、および10.1重量%の1,4−ブタンジオールを使用したことを除いて、比較実施例1に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表1に示す。
【0026】
(調製実施例3:ポリウレタンの重合)
(A)数平均分子量1500を有する64.3重量%のポリエチレングリコール(PEG)、(B)29.4重量%の4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)、および(C)6.3重量%の1,4−ブタンジオールを使用し、リチウム(ビス)ペルフルオロエタンスルホンイミド(LiN(SO)を、上記化合物(A+B+C)の合計の100部に基づいて、2.5重量部の量で添加したことを除いて、比較実施例1に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表1に示す。
【0027】
(調製実施例4:ポリウレタンの重合)
(A)数平均分子量1500を有する64.0重量%のポリエチレングリコール(PEG)、(B)25.9重量%のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、および(C)10.1重量%の1,4−ブタンジオールを使用し、リチウム(ビス)ペルフルオロエタンスルホンイミド(LiN(SO)を、上記化合物(A+B+C)の合計の100部に基づいて、1.0重量部の量で添加したことを除いて、比較実施例1に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表1に示す。
【0028】
(調製実施例5:ポリウレタンの重合)
(A)数平均分子量1500を有する78.2重量%のポリエチレングリコール(PEG)、(B)18.3重量%のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、および(C)10.1重量%のエチレングリコールを使用し、イミダゾリウムベースのカチオンおよび(ビス)ペルフルオロエタンスルホンイミド(N(SO)ベースのアニオンを含む有機塩を、上記化合物(A+B+C)の合計の100部に基づいて、2.0重量部の量で添加したことを除いて、比較実施例1に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表1に示す。
【0029】
【表1】

表1から、調製実施例1〜5においてポリエチレングリコールを使用して調製された上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が、ポリブチレンアジペートグリコール(比較実施例1)もしくはポリテトラメチレングリコール(比較実施例2)を使用して調製したものより低い表面抵抗率を示し、従って、静電気防止特性において優れていることが示されうる。特に、ポリウレタンの電気的特性が、リチウム塩(例えば、リチウム(ビス)ペルフルオロエタンスルホンイミド)もしくはイミダゾリウムベースの有機塩がそれに含まれる場合に、並外れて改善されることを確認し得る。
【0030】
(比較実施例3:3層構造を有するシートの製造)
比較実施例1における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が、上記シートのいずれの側面においても上記表面層を構成し、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート(PETG)樹脂が上記中間層を構成する3層構造を有する透明シートを、共押し出し成形機を備えるシート押し出し成形機を使用して製造した。上記透明3層シートの全体の厚みは、約3mmであり、各表面層を構成する上記ポリウレタン樹脂の厚みは、約0.3mmであり、上記中間層を構成する上記グリコール改変ポリエチレンテレフタレート樹脂の厚みは、約2.4mmであった。このように製造したシートを使用して、四角形の標本(50mm×50mm×3mm)を調製し、次いで、ASTM D−1003標準に従って、透過率計によって、視感透過率測定に供した。また、別の四角形の標本(150mm×150mm×3mm)を調製した後、上記標本を、温度23±1℃および相対湿度50±15%の条件下において24時間にわたって放置し、次いで、ASTM D−257標準に従って、抵抗率メーターによって表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0031】
(比較実施例4:3層構造を有するシートの製造)
比較実施例2における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0032】
(実施例1:3層構造を有するシートの製造)
調製実施例1における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0033】
(実施例2:3層構造を有するシートの製造)
調製実施例2における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0034】
(実施例3:3層構造を有するシートの製造)
調製実施例3における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0035】
(実施例4:3層構造を有するシートの製造)
調製実施例4における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0036】
(実施例5:3層構造を有するシートの製造)
調製実施例5における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0037】
(実施例6:3層構造を有すウルシートの製造)
調製実施例3における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、グリコール改変ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCTG)樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0038】
(実施例7:3層構造を有するシートの製造)
調製実施例3における上記熱可塑性ポリウレタン樹脂が上記表面層を構成し、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂が上記中間層を構成することを除いて、比較実施例3に記載されるのと同じ様式において、標本を調製し、次いで、視感透過率測定および表面抵抗率測定に供した。上記測定の結果を、以下の表2に示す。
【0039】
【表2】

表2に示されるように、ウレタンから作製された上記表面層および透明なポリマー樹脂から作製された上記中間層を有する複数層(3層)シートは、透明性において優れている。特に、ポリエチレングリコールを使用して調製した熱可塑性ポリウレタン樹脂が、(実施例1〜7の場合において)上記表面層として使用される場合、上記シートは、低い表面抵抗率を有し、従って、優れた静電気散逸特性を有する。また、上記シートが、リチウム塩(例えば、リチウム(ビス)ペルフルオロエタンスルホンイミド)もしくはイミダゾリウムベースの有機塩を含む場合、その電気的特性は、並外れて改善される。
【0040】
本発明の例示的な実施形態が、例示目的で記載されてきたが、当業者は、種々の改変、付加および置換が、添付の特許請求の範囲において開示される本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、可能であることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電気散逸特性を有する透明な複数層シートであって、該シートは、
エチレンオキシドを含む導電性熱可塑性ポリウレタン樹脂もしくはポリウレア樹脂を含む、表面層;および
該表面層に結合されかつ透明な非導電性ポリマー樹脂を含む後方層
を含む、透明な複数層シート。
【請求項2】
前記ポリウレタン樹脂もしくはポリウレア樹脂は、(a)エチレンオキシドを含みかつイソシアネート基と反応するポリエーテルベースのポリマー;(b)芳香族ジイソシアネート化合物もしくは脂肪族ジイソシアネート化合物;および(c)一級ヒドロキシル基もしくはアミン基を含む、C2〜C10鎖伸長剤、の重合生成物を含む、請求項1に記載の透明な複数層シート。
【請求項3】
前記ポリエーテルベースのポリマーは、500〜10,000の数平均分子量(Mn)を有し、エチレンオキシド基を含む骨格を含み、両方の末端基は、ジイソシアネートと反応し得るアルコール(−OH)もしくはアミン(−NH)を含む、請求項2に記載の透明な複数層シート。
【請求項4】
前記骨格は、エチレンオキシドモノマーおよび他の種のモノマーのコポリマーを含み、該他の種のモノマーは、1,2−プロピレンオキシド、1,3−プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、アリルグリシジル、n−ブチルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、およびこれらの混合物からなる群より選択され、該エチレンオキシドモノマーは、該モノマーの合計に基づいて、10〜80モル%の量で含まれる、請求項3に記載の透明な複数層シート。
【請求項5】
前記ジイソシアネート化合物は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項2に記載の透明な複数層シート。
【請求項6】
前記鎖伸長剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、1,6−ヘキサンジオール、およびネオペンチルグリコール、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、N−メチルプロピレン−1,3−ジアミン、N,N’−ジメチレンジアミン、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項2に記載の透明な複数層シート。
【請求項7】
前記ジイソシアネート化合物は、前記鎖伸長剤および前記ポリエーテルベースのポリマーの合計1.0molに基づいて、0.90mol〜1.10molの量で使用される、請求項2に記載の透明な複数層シート。
【請求項8】
前記鎖伸長剤は、前記ポリエーテルベースのポリマーの1molに基づいて、0.1mol〜30molの量で使用される、請求項2に記載の透明な複数層シート。
【請求項9】
前記ポリエーテルベースのポリマー、前記ジイソシアネート化合物、および前記鎖伸長剤の全使用量の100重量部に基づいて、0.1〜20重量部の量の無機塩もしくは有機塩の形態で静電気散逸特性増強剤をさらに含む、請求項2に記載の透明な複数層シート。
【請求項10】
無機塩の形態の前記静電気散逸特性増強剤は、過塩素酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロヒ酸リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、チオシアン酸リチウム、硝酸リチウム、硫化リチウム、リチウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム塩、リチウム(ビス)トリフルオロメタンスルホンイミド、リチウム(ビス)ペルフルオロエタンスルホンアミド、5−リチオスルホイソフタル酸、3,5−ジヨード−2−ヒドロキシ安息香酸リチウム塩、3,5−ジヨードサリチル酸リチウム塩、β−ヒドロキシピルビン酸リチウム塩水和物、カルバモイルホスフェート二リチウム塩、p−トルエンスルフィン酸リチウム塩、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)リチウム塩、トルエン−4−スルフィン酸リチウム塩無水物、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項9に記載の透明な複数層シート。
【請求項11】
有機塩の形態の前記静電気散逸特性増強剤は、窒素含有カチオンおよび該窒素含有カチオンに配位したアニオンを含み、該窒素含有カチオンは、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、およびこれらの混合物からなる群より選択され、該アニオンは、Cl、Br、F、HSO、HPO、NO、ClO、BF、PF、SbF、AsF、アルカンスルホネート、アリールスルホネート、およびアルカリールスルホネート、ペルフルオロアルカンスルホネート、シアノペルフルオロアルカンスルホニルアミド、ビス(シアノ)フルオロアルカンスルホニルメチド、ビス(bid)(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド、ビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリス(ペルフルオロアルカンスルホニル)メチド、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項9に記載の透明な複数層シート。
【請求項12】
前記透明な非導電性ポリマー樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール改変ポリエチレンテレフタレート、グリコール改変ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、透明なアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(透明なABS)、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の透明な複数層シート。
【請求項13】
前記表面層は、0.05〜3mmの厚みを有し、前記後方層は、0.05〜10mmの厚みを有する、請求項1に記載の透明な複数層シート。
【請求項14】
前記表面層が前記後方層のいずれの側面にもそれぞれ結合された形態を有する、請求項1に記載の透明な複数層シート。

【公表番号】特表2011−507740(P2011−507740A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540821(P2010−540821)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/087900
【国際公開番号】WO2009/086246
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(506347528)ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド (74)
【Fターム(参考)】