説明

静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法

【課題】 トナー表面に固定化されず遊離して存在している外添剤、あるいはトナー表面から離脱した外添剤がキャリアの帯電付与性を阻害せず、優れた帯電特性を有する静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 少なくとも、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する着色粒子と外添剤とを有する静電潜像現像用トナーにおいて、前記外添剤の25〜250℃の加熱による質量減少率が0.05質量%以上4.50質量%未満であることを特徴とする静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法に関するものであり、詳しくは、トナー表面に固定化されず遊離して存在している外添剤、あるいはトナー表面から離脱した外添剤がキャリアの帯電付与性を阻害せず、優れた帯電特性を有する静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に電子写真法、静電写真法等の画像形成方法においては、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために、トナーとキャリアとを撹拌混合することによって得られる二成分現像剤が使用される。この現像剤は、適当に帯電された混合物であることが要求される。
二成分現像剤に求められる様々な特性、例えばキャリア表面へのトナーのフィルミング防止性、キャリア表面均一性、表面酸化防止性、感湿性、寿命、帯電性を改善する目的で、下記特許文献1〜12のような技術が提案されている。また特許文献13には、粉体特性、転写性、クリーニング性、帯電の環境依存性等の改善を目的として、トナー粒子と添加剤とを含み、該添加剤が特定粒子径および水可溶性成分量を有する電子写真用トナー組成物が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭58−108548号公報
【特許文献2】特開昭54−155048号公報
【特許文献3】特開昭57−40267号公報
【特許文献4】特開昭58−108549号公報
【特許文献5】特開昭59−166968号公報
【特許文献6】特公平1−19584号公報
【特許文献7】特公平3−628号公報
【特許文献8】特開平6−202381号公報
【特許文献9】特開平5−273789号公報
【特許文献10】特開平9−160304号公報
【特許文献11】特開平8−6307号公報
【特許文献12】特許第2683624号公報
【特許文献13】特開平8−146645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記のような従来技術は、キャリアの帯電付与性にいまだ改善の余地があり、その解決が望まれていた。本発明者らは検討の結果、キャリアの帯電付与性の阻害は、製造工程上トナー表面に固定化されず遊離して存在している外添剤、あるいは現像器内においてトナー表面から離脱した外添剤がキャリア表面に付着することによって引き起こされることを見出した。
したがって本発明の目的は、トナー表面に固定化されず遊離して存在している外添剤、あるいはトナー表面から離脱した外添剤がキャリアの帯電付与性を阻害せず、優れた帯電特性を有する静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、単位質量あたりの水分量の高い外添剤は、キャリアの帯電付与性を阻害する傾向が非常に強く、水分量が低い外添剤は、キャリアの帯電付与性の阻害傾向が低く、トナーの帯電をあるレベルに保つことが可能となることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1)少なくとも、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する粒子と外添剤とを有する静電潜像現像用トナーにおいて、前記外添剤の25〜250℃の加熱による質量減少率が0.05質量%以上4.50質量%未満であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
2)前記外添剤の体積平均粒径が10〜300nmであることを特徴とする上記1)に記載の静電潜像現像用トナー。
3)前記外添剤が、2種以上から構成されることを特徴とする上記1)または2)に記載の静電潜像現像用トナー。
4)BET比表面積20〜300m/gの範囲の外添剤が少なくとも1種含まれることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
5)前記外添剤が、シリカ、チタン化合物、アルミナ、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウム、りん酸カルシウム、フッ素含有樹脂微粒子、シリカ含有樹脂微粒子、および窒素含有樹脂微粒子からなる群から選ばれることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
6)前記チタン化合物が、湿式法で作製されたTiO(OH)2の一部もしくは全部を、シラン化合物またはシリコーンオイルと反応させて得られるチタン化合物であることを特徴とする上記5)に記載の静電潜像現像用トナー。
7)前記チタン化合物が、比重2.8〜3.6のチタン化合物であることを特徴とする上記5)または6)に記載の静電潜像現像用トナー。
8)上記1)〜7)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーとキャリアとからなることを特徴とする現像剤。
9)潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが上記1)〜7)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トナー表面に固定化されず遊離して存在している外添剤、あるいはトナー表面から離脱した外添剤がキャリアの帯電付与性を阻害せず、優れた帯電特性を有する静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(結着樹脂)
本発明に用いられる結着樹脂としては、とくに制限されず、公知のものの中から適宜選択することができるが、具体例としてはスチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類などの単独重合体および共重合体を例示することができる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂を挙げることができる。これらの樹脂の中でも、特にポリエステル樹脂が好ましく、さらにウレア変性ポリエステル樹脂が好ましく、ウレア変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂の組み合わせが最も好ましい。
【0009】
(着色剤)
着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】
前記着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
【0011】
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
【0013】
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
【0014】
(離型剤)
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
【0015】
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
【0016】
前記離型剤のトナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
【0017】
(外添剤)
本発明において、外添剤の25〜250℃の加熱による質量減少率は、0.05質量%以上4.50質量%未満であることが必要である。ここで本発明でいう質量減少率とは島津製作所社製DTA−Tg装置、DTG−60を用い、25℃から250℃まで加熱し、このときの外添剤の質量減少分の百分率を意味している。さらに好ましい質量減少率は、0.1〜4.0質量%である。
本発明に使用される外添剤は、上記の質量減少率を満足すれば、その種類をとくに制限するものではないが、体積平均粒径が10〜300nmであり、BET比表面積が20〜300m/gの範囲であるものが好ましい。具体的な種類としては、外添剤として使用されている公知の様々な材料が挙げられるが、代表的なものとして、シリカ、チタン化合物、アルミナ、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウム、りん酸カルシウム、フッ素含有樹脂微粒子、シリカ含有樹脂微粒子、および窒素含有樹脂微粒子からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。また外添剤は、2種以上を併用することもできる。
【0018】
また、本発明に使用される外添剤はチタン化合物を含むのが好ましく、当該チタン化合物が、湿式法で作製されたTiO(OH)2の一部もしくは全部を、シラン化合物またはシリコーンオイルと反応させて得られるものがさらに好ましい。
シラン化合物としては、CH3 Si(Cl)3 、CH3 Si(OCH3 3 、CH3 Si(OC2 5 3 、CH3 CH2 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 2 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 3 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 4 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 5 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 6 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 7 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 8 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 9 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 10Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 11Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 12Si(OCH3 3 、CH3 (CH213Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 14Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 15Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 16Si(OCH3 3 、CH3(CH2 17Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 18Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 19Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 5 Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 6 Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 7 Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 8 Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 9 Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 10Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 11Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 12Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 13Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 14Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 15Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 16Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 17Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 18Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 19Si(OC2 5 3 、CF3 Si(OCH3 3 、CH3 Si(NCO)3
【0019】
(CH3 2 SiCl2 、(CH3 2Si(OCH3 2 、(CH3 2 Si(OC2 5 2 、(CH3 )(CH3CH2 )Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 2 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 3 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 4 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 5 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 6 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 7 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 8 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 9 〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 10〕Si(OCH3 2 、(CH3)〔CH3 (CH2 11〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 12〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 13〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 14〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 15〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 16〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 17〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 18〕Si(OCH3 2 、(CH3 )〔CH3 (CH2 19〕Si(OCH3 2 、(CH3 2 Si(NCO)2
【0020】
(CH3 3 SiCl、(CH3 3Si(OCH3 )、(CH3 3 Si(OC2 5 )、(CH3 2 (CH3 CH2 )Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 2 〕Si(OCH3)、(CH3 2 〔CH3 (CH2 3 〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 4 〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 5 〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 6 〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 7 〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 8 〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 9 〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 10〕Si(OCH3 )、(CH3 2〔CH3 (CH2 11〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 12〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 13〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 14〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3(CH2 15〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 16〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH2 17〕Si(OCH3 )、(CH32 〔CH3 (CH2 18〕Si(OCH3 )、(CH3 2 〔CH3 (CH219〕Si(OCH3 )等のシランカップリング剤が挙げられる。
【0021】
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
【0022】
上記反応は、例えばこれら材料の溶液中にTiO(OH)2を浸漬し、乾燥する方法が挙げられ、具体的には、カップリング剤による処理は、例えば、カップリング剤を含有する溶液中にTiO(OH)2微粒子を浸漬し、乾燥する方法、或いはTiO(OH)2微粒子にカップリング剤を含有する溶液を噴霧し、乾燥する方法等によって行うことができる。上記カップリング剤の付着量は、TiO(OH)2微粒子に対して0.1〜25重量%であることが好ましい。
また、チタン化合物は、比重2.8〜3.6であることが望ましい。
前記外添剤のトナーにおける含有量は0.1〜8.0質量%が好ましい。
【0023】
本発明のトナーの製造方法は、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、粉砕分級法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。
【0024】
前記粉砕法は、例えば、トナー材料を溶融・混練し、粉砕、分級等することにより、前記トナーの母体粒子を得る方法である。なお、該粉砕法の場合、前記トナーの平均円形度を0.97〜1.0の範囲にする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、前記機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記トナーの母体粒子に付与することができる。
【0025】
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化する。
【0026】
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
【0027】
トナー粒子に外添剤を付着させるには、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ハイブリダイゼーションシステム等の公知の混合器を用いる方法が挙げられる。これら装置の回転体の周速は10〜150m/sが好ましい。前記周速が10m/s未満であると、外添剤とトナー粒子の付着が弱く、多くの遊離外添剤が存在してしまう。また150m/sを超えると外添剤がトナー粒子に固着しすぎてしまい、外添剤としての機能を失ってしまうことがある。
【0028】
得られたトナーは、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、平均円形度、形状係数SF−1及びSF−2、などを有していることが好ましい。
【0029】
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3〜8μmが好ましく、4〜7がより好ましく、5〜6が更に好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=〔(Σ(nD3)/Σn)1/3(式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
【0030】
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.25以下が好ましく、1.00〜1.20がより好ましく、1.10〜1.20が更に好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.25以下であると、前記トナーの粒度分布が比較的シャープであり、定着性が向上するが、1.00未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.20を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
【0031】
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
【0032】
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.98が好ましく、0.940〜0.98がより好ましい。
前記平均円形度が、0.900未満であると、球形から離れた不定形の形状のトナーとなり、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.98を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、例えば、トナーを含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)等を用いて計測することができる。
【0033】
形状係数SF−1及びSF−2は、例えば、日立製作所製FE−SEM(S−4200)により測定して得られたトナーのSEM像を300個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下記数式1及び数式2より算出し得られた値を形状係数SF−1及びSF−2と定義した。なお、SF−1及びSF−2の値はLuzexにより求めた値が好ましいが、同様の解析結果が得られるのであれば特に上記FE−SEM装置、画像解析装置に限定されない。
【0034】
<数式1>
SF−1=(L2/A)×(π/4)×100
<数式2>
SF−2=(P2/A)×(1/4π)×100
【0035】
ここで、Lはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積、Pはトナーの最大周長をそれぞれ表す。
なお、真球であれば、SF−1及びSF−2はいずれも100となり、100より値が大きくなるにつれて球形から不定形になる。また特にSF−1はトナー全体の形状(楕円や球等)を表し、SF−2は表面の凹凸程度を示す形状係数となる。
【0036】
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
【0037】
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた二成分現像剤の場合、キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
【0038】
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
【0040】
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
【0042】
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
【0043】
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
【0044】
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
【0045】
前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である
【0046】
また本発明は、潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが前記の静電潜像現像用トナーである画像形成方法を提供するものである。
さらに具体的には本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
【0047】
−静電潜像形成工程−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
【0048】
前記アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有する感光体(以下、「a−Si系感光体」と称することがある)を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
【0049】
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0050】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
【0051】
前記帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器は、もちろん上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
【0052】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0053】
−現像工程−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
【0054】
現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
【0055】
−転写工程−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を転写材上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を転写材上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写手段としては、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された可視像を転写材へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、転写材としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
【0056】
前記定着工程は、転写材に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
【0057】
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0058】
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0059】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去したトナーを現像器にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0060】
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0062】
(基準帯電量の測定)
常温/常湿の測定環境下で一昼夜調湿したスチレン−メチルメタクリレート共重合体で被覆した粒子径約50μmのフェライトキャリア6gをボールミルで1分間攪拌した後に、負帯電性トナー(粒子径6.5μm)0.452gを加え、5分間攪拌し、混合粉末を得た。この混合粉末を1.0g採取し、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製TB-200型)を用い、1分間窒素ブローした後の測定値を基準帯電量として求めた。
なお、前記負帯電性トナーの結着樹脂は、架橋構造の変性ポリエステル、着色剤はカーボンブラック、離型剤はカルナバワックスを用い、トナー中の着色剤の含有量は6.5質量%、離型剤の含有量は7.2質量%であった。
【0063】
[実施例1]
常温/常湿の測定環境下で一昼夜調湿したヘキメチルジシラサン(HMDS)処理された一次粒径120nmの乾式製造法によるシリカ微粒子を精秤し、上記の本発明の質量減少率の測定方法にしたがって、当該シリカ微粒子の質量減少率を調べた。その結果、質量減少率は、1.46質量%であった。
当該シリカ微粒子の0.0030gを、前記(基準帯電量の測定)で調製した混合粉末1.0gに加え、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製TB-200型)を用い、1分間窒素ブローした後の測定値を帯電量として求めた。
なお、実施例1のシリカ微粒子のBET比表面積は75m/gであった。
【0064】
[実施例2]
常温/常湿の測定環境下で一昼夜調湿したHMDS処理された一次粒径110nmの乾式製造法によるシリカ微粒子を精秤し、上記の本発明の質量減少率の測定方法にしたがって、当該シリカ微粒子の質量減少率を調べた。その結果、質量減少率は、0.205質量%であった。
以降は、実施例1と同様の操作を行い、帯電量を求めた。
なお、実施例2のシリカ微粒子のBET比表面積は24m/gであった。
【0065】
[実施例3]
湿式法で作製されたTiO(OH)2をシリコーンオイルと反応させ、常温/常湿の測定環境下で一昼夜調湿し、一次粒径35nmのチタン微粒子を得た。これを精秤し、上記の本発明の質量減少率の測定方法にしたがって、当該シリカ微粒子の質量減少率を調べた。その結果、質量減少率は、1.45質量%であった。
以降は、実施例1と同様の操作を行い、帯電量を求めた。
なお、実施例3のチタン微粒子のBET比表面積は32m/gであり、比重は3.9であった。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコンオイルを用いた。
【0066】
[比較例1]
常温/常湿の測定環境下で一昼夜調湿したHMDS処理された一次粒径140nmのゾルゲル製造法によるシリカ微粒子を精秤し、上記の本発明の質量減少率の測定方法にしたがって、当該シリカ微粒子の質量減少率を調べた。その結果、質量減少率は、7.81質量%であった。
以降は、実施例1と同様の操作を行い、帯電量を求めた。
なお、比較例1のシリカ微粒子のBET比表面積は28m/gであった。
【0067】
[比較例2]
常温/常湿の測定環境下で一昼夜調湿したイソブチルシラン処理された一次粒径15nmの湿式法によるチタン微粒子を精秤し、上記の本発明の質量減少率の測定方法にしたがって、当該シリカ微粒子の質量減少率を調べた。その結果、質量減少率は、4.5質量%であった。
以降は、実施例1と同様の操作を行い、帯電量を求めた。
なお、比較例2のチタン微粒子のBET比表面積は80m/gであり、比重は4.0であった。
結果を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
前記表1から明らかなように、外添剤の質量減少率が4.5質量%以上の場合、キャリアの帯電付与性を阻害する傾向が非常に強くトナー用の外添剤として使用した場合に、遊離現象、現像器内でのストレスによる遊離現象などによる帯電低下を防ぐことが難しくなる。逆に質量減少率が低いものはキャリア帯電付与性の阻害傾向が低く、トナーの帯電を保つことが可能となる。
【0070】
本発明によれば、トナー表面に固定化されず遊離して存在している外添剤、あるいはトナー表面から離脱した外添剤がキャリアの帯電付与性を阻害せず、優れた帯電特性を有する静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する粒子と外添剤とを有する静電潜像現像用トナーにおいて、前記外添剤の25〜250℃の加熱による質量減少率が0.05質量%以上4.50質量%未満であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【請求項2】
前記外添剤の体積平均粒径が10〜300nmであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項3】
前記外添剤が、2種以上から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項4】
BET比表面積20〜300m/gの範囲の外添剤が少なくとも1種含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項5】
前記外添剤が、シリカ、チタン化合物、アルミナ、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウム、りん酸カルシウム、フッ素含有樹脂微粒子、シリカ含有樹脂微粒子、および窒素含有樹脂微粒子からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項6】
前記チタン化合物が、湿式法で作製されたTiO(OH)2の一部もしくは全部を、シラン化合物またはシリコーンオイルと反応させて得られるチタン化合物であることを特徴とする請求項5に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項7】
前記チタン化合物が、比重2.8〜3.6のチタン化合物であることを特徴とする請求項5または6に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーとキャリアとからなることを特徴とする現像剤。
【請求項9】
潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。