説明

静電霧化装置による室内干し洗濯物の処理方法及び静電霧化装置を備えた室内物干し装置

【課題】 洗濯物を室内干ししても雑菌の繁殖を抑えて不快臭が生じることのない静電霧化装置による室内干し洗濯物の処理方法及び静電霧化装置を備えた室内物干し装置を提供する。
【解決手段】 水粒子放出部11と、該水粒子放出部11と対向する対向電極12と、水粒子放出部11に水を供給するための水供給手段と、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加する電圧印加部13とを備え、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加することで水粒子放出部11の水がナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置1を構成し、上記静電霧化装置1にて室内干し洗濯物に向けて帯電微粒子水を吹き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内干しした洗濯物を乾燥する際の殺菌・防臭処理をするための静電霧化装置による室内干し洗濯物の処理方法及び静電霧化装置を備えた室内物干し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、室内に洗濯物を干すための装置が存在しているが(例えば特許文献1参照)、前記装置にて洗濯物を室内干しした場合、屋外に干す場合と比べて乾燥に長い時間を要する。また、室内干しでは太陽光中の紫外線による殺菌効果も得られない。そのため、一定温度以上で洗濯物が湿った状態が続くと、そこに残留した有機物汚れと水分とを利用して雑菌が繁殖すると共に、雑菌による有機物汚れの分解臭が発生し、不快臭となって室内に充満してしまうものであった。
【特許文献1】特開2000−126497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、洗濯物を室内干しする際の雑菌の繁殖を抑えて不快臭が生じるのを防止することができる静電霧化装置による室内干し洗濯物の処理方法及び静電霧化装置を備えた室内物干し装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために請求項1に係る静電霧化装置による室内干し洗濯物の処理方法は、水粒子放出部11と、該水粒子放出部11と対向する対向電極12と、水粒子放出部11に水を供給するための水供給手段と、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加する電圧印加部13とを備え、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加することで水粒子放出部11の水がナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置1を構成し、上記静電霧化装置1にて室内干し洗濯物に向けて帯電微粒子水を吹き付けることを特徴とするものである。このような構成とすることで、洗濯物を室内干ししても雑菌の繁殖を抑えて不快臭が生じるのを防止することができる。
【0005】
また、請求項2に係る静電霧化装置を備えた室内物干し装置は、水粒子放出部11と、該水粒子放出部11と対向する対向電極12と、水粒子放出部11に水を供給するための水供給手段と、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加する電圧印加部13とを備え、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加することで水粒子放出部11の水がナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置1を構成すると共に、天井から吊下げた吊下げ部材4の下端部に設けた物干し部材に洗濯物を干す室内物干し装置3を設け、前記室内物干し装置3に干した洗濯物と略同じ高さ位置の室内壁に静電霧化装置1が位置するように設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、室内物干し装置3に干した洗濯物を室内干ししても雑菌の繁殖を抑えて不快臭が生じるのを防止することができる。
【0006】
また、請求項3に係る静電霧化装置を備えた室内物干し装置は、水粒子放出部11と、該水粒子放出部11と対向する対向電極12と、水粒子放出部11に水を供給するための水供給手段と、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加する電圧印加部13とを備え、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加することで水粒子放出部11の水がナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置1を構成すると共に、天井から伸縮自在に吊下げた吊下げ部材4の下端部に設けた物干し部材に洗濯物を干す室内物干し装置3を設け、前記室内物干し装置3の物干し部材に静電霧化装置を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、室内物干し装置3に干した洗濯物を室内干ししても雑菌の繁殖を抑えて不快臭が生じるのを防止することができる。
【0007】
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、静電霧化装置1の水粒子放出部11に供給する水を生成するための結露手段を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、自動的に給水することが可能となって使用者の給水作業が不要となる。
【0008】
また、請求項5の発明は、請求項2乃至4の発明において、ケーシング内の空気流路にフィルター71、72、ファン73、静電霧化装置1を設けて静電霧化ユニット7を構成するものにおいて、フィルター71、72の下流側に静電霧化装置1を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、清浄な空気が結露手段に供給されて、結露した結露水Wに不快臭成分が含まれることがなく、不快臭成分を含んだ帯電微粒子水が生成されるのを防止することができる。
【0009】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、結露手段による結露水を生成する単位時間当たりの生成量を、静電霧化装置1にて帯電微粒子水を生成するのに要する単位時間当たりの水量よりも多く設定して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、帯電微粒子水を生成するのに要する水を生成する手段とは別に除湿手段を設けることなく、除湿が可能となるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、洗濯物を室内干ししても雑菌が繁殖するのを抑えて不快臭が生じるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。本発明は、ナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置を用い、前記帯電微粒子水によって室内干しした洗濯物を乾燥する際に殺菌・防臭(消臭)処理を施す処理方法とその装置にかかるものであり、まず、静電霧化装置について説明する。
【0012】
静電霧化装置1は、図4に示すように一対の電極として機能する水粒子放出部11および対向電極12と、前記水粒子放出部11に水を供給するための水供給手段(液溜め部14及び搬送部15)と、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加する電圧印加部13とを備えたもので、水粒子放出部11と対向電極12との間に高電圧を印加することで水粒子放出部11の水からナノメータサイズの帯電微粒子水のミストMを生成するものである。
【0013】
図4に示す静電霧化装置1の例では、水供給手段としての液溜め部14及び下端が液溜め部14内に入れられた水に浸される多孔質材からなる棒状の搬送部15と、これら搬送部15の保持及び水に対する電圧の印加のための液印加電極16と、前記搬送部15の先端部の水粒子放出部11と対向する対向電極12と、上記液印加電極16と対向電極12との間に高電圧を印加する電圧印加部13とからなる。
【0014】
対向電極12と液印加電極16は共にカーボンのような導電材を混入した合成樹脂やSUSのような金属で形成してある。
【0015】
搬送部15は多孔質材で棒状に形成するもので、本実施形態では粒径が2〜500μmのセラミック粒子からなり、その隙間の細孔が1〜250μmで連続気泡状に配置されるように形成してある。搬送部15の上端は針状に尖った水粒子放出部11となっており、搬送部15の上部が液印加電極16よりも上方に突出し、下部が液印加電極16から下方に突出して上記液溜め部14内に入れられた水と接触するようになっている。
【0016】
対向電極12は接地してあり、液印加電極16に電圧印加部13を接続して高電圧を印加すると共に、多孔質材で形成されている搬送部15が毛細管現象により液溜め部14に入れてある水を吸い上げている時、搬送部15の上端の水粒子放出部11が液印加電極16側の実質的な電極として機能する。電圧印加部13としては、電解強度が500V/mm以上、特に700〜1200V/mmの電解強度を与えることができるものが好ましい。
【0017】
そして、電圧印加部13により搬送部15と対向電極12との間に高電圧を印加することで、水粒子放出部11の水が高電圧により大きなエネルギーを受けて表面張力を超えて分裂を繰り返すといういわゆるレイリー分裂を起こしてナノメータサイズの粒子径のイオンのミストM(例えば10〜30ナノメータ)を発生させる静電霧化がなされ、この時、同時に生成された反応性に富む活性種(ヒドロキシラジカル、スーパーオキサイド等の脱臭・除菌の源となる物質)が、分裂した水に含まれ空気中に飛び出す。このようにして、水粒子放出部11から活性種を含んだナノメータサイズの帯電微粒子水のミストMを発生させるものである。活性種は非常に反応性に富むため、悪臭成分の分解やカビ発生の抑制に高い効果を発揮するが、その反応性が高いため単独で存在する場合には寿命が短い。しかしながら、静電霧化装置1により得られるナノメータサイズの帯電微粒子水においては、活性種が水分子に包みこまれているようにして存在しているため寿命が長くなり、しかも、上記のようにナノメータサイズと非常に小さいので空気中に長時間浮遊すると共に拡散性が高く、空間の広い範囲において活性種(ヒドロキシラジカル、スーパーオキサイド等)により空気中の脱臭効果、カビや菌の除菌や繁殖の抑制効果を高めることができ、更に、帯電微粒子水はナノメータサイズと非常に小さいので、室内干しされた洗濯物の繊維間の隙間等に入り込むことが可能となり、これによって洗濯物に付着した雑菌を殺菌したり、悪臭成分を分解することができる。以下に臭気とナノメータサイズの帯電微粒子水に含まれた活性種の脱臭反応式を示す。
【0018】
アンモニア 2NH+6・OH→N+6H
アセトアルデヒド CHCHO+6・OH+O→2CO+5H
酢酸 CHCOOH+4・OH+O→2CO+4H
メタンガス CH+4・OH+O→CO+4H
一酸化炭素 CO+2・OH→CO+H
一酸化窒素 2NO+4・OH→N+2O+2H
ホルムアルデヒド HCHO+4・OH→CO+3H
なお、上記脱臭反応式において、・OHはヒドロキシラジカルを示す。
【0019】
静電霧化装置1の運転時には、液溜め部14内に貯留された水は僅かずつ消費されていくため、液溜め部14に水位センサー(図示せず)を設け、該水位センサーにて一定の水位以下となった状態を検知すると、静電霧化装置1内に給水配管(図示せず)から水を液溜め部14内へ自動で供給するようにしてもよく、これにより、使用者の給水作業が不要となる。
【0020】
また、図5に示す静電霧化装置1の他例では、放熱部Hと冷却部Rを有するペルチェユニット2からなる結露手段を水供給手段として備えたものが設けてある。ペルチェユニット2は、熱伝導性の高いアルミナや窒化アルミニウムから成る絶縁板21の片面側に回路を形成してある一対のペルチェ回路板22(22a,22b)を、互いの回路側が向い合うように対向させ、多数列設してある熱電素子23を両ペルチェ回路板22a,22b間で挟持するとともに隣接する熱電素子23同士を両側の回路で電気的に接続させ、ペルチェ入力リード線24を介してペルチェユニット用電源25にて為される熱電素子23への通電により一方のペルチェ回路板22a側から他方のペルチェ回路板22b側に向けて熱が移動するように設けたもので、前記一方のペルチェ回路板22aを冷却部R側に接続するとともに他方のペルチェ回路板22bを放熱部H側に接続する。本例では図5に示すように、ペルチェ回路板22bを設けた絶縁板21を放熱部Hとしての放熱フィンに接続するとともに、ペルチェ回路板22aを設けた絶縁板21を後述する冷却部Rに接続するものである。
【0021】
冷却部Rは、内部に結露水Wを溜めることができる液溜め部14が形成されるように上方に開口する略皿状に形成してあり、この冷却部Rの内部上面に液印加電極16が設けてある。
【0022】
液印加電極16は、上端部が水粒子放出部11となるもので、多孔質材で形成されるか微細孔や微細溝(図5の例では微細孔15a)を有しており、その下端部の冷却部Rに貯水されている結露水Wを毛細管現象にて放電部となる上端部の水粒子放出部11まで搬送可能な搬送部15となるようにしてある。また、水粒子放出部11を金属で形成したり金属製の表面膜を形成したりして表面の熱伝導性を高く形成するとともに冷却部Rに熱的に接続されるように取付けることで、水粒子放出部11の表面に直接結露水Wを結露させるようにしてもよい。またあるいは、上端部が水粒子放出部11となる多孔質セラミック等からなる搬送部15に液印加電極16を設けてもよい。
【0023】
また、冷却部Rにはオーバーフロー孔26が設けてあり、液溜め部14内に溜められた結露水が一定水位以上となった時に前記オーバーフロー孔26を介して余剰水を下部の余剰水貯水タンク27へ排出することができる。
【0024】
このように、ペルチェユニット2からなる水供給手段を設けた静電霧化装置1にあっては、使用者の給水作業を不要とすることができる。
【0025】
上記のような静電霧化装置1は、生成した活性種を清浄な空気に混入させて吐出させるため、フィルター、ファンとともに組み込まれて静電霧化ユニット7が構成される(図1乃至図3、図6参照)。本例の静電霧化ユニット7は、図6に示すように、略箱状をしたケーシング内の空気流路に上流側からフィルター71、フィルター72、ファン73、静電霧化装置1を順に設けて構成してあり、前記ケーシングの空気流路の上流側端部に吸気口70a、下流側端部に吐出口70bがそれぞれ形成してある。2つのフィルターのうち上流側のフィルター71は、微細網目状をしたもので、これによって空気中のホコリや微粒子が除去される。下流側のフィルター72は活性炭若しくは酸化触媒からなり、空気中の不快臭成分が分解除去される。このようなフィルター71、72の下流側に結露手段及び静電霧化装置1を配設することで、清浄な空気が結露手段に供給されて、結露した結露水Wに不快臭成分が含まれることがなく、不快臭成分を含んだ帯電微粒子水が生成されるのを防止することができる。
【0026】
以上のような静電霧化ユニット7(静電霧化装置1)を用いて、室内干しされた洗濯物に向けて活性種を含んだナノメータサイズの帯電微粒子水を吹き付けることで、室内干しされた洗濯物の繊維間の隙間に帯電微粒子水が入り込んで、洗濯物に付着した雑菌を殺菌して繁殖を抑えることで消臭(防臭)を行うことが可能となる。室内干しする洗濯物は、どのように室内干ししてあってもよいのであるが、本実施形態では室内物干し装置にて洗濯物を室内干しするもので、以下に室内物干し装置について説明する。
【0027】
本実施形態における室内物干し装置3は、図1、図2に示すように、天井裏に設けた収納箱体30と、収納箱体30内から天井Cの開口部Cを介して下方に昇降自在に連出された一対の吊下げ部材4と、各吊下げ部材4の下端部に取り付けられた吊りアーム5間に掛け渡される物干し部材としての物干し竿6とを備えている。
【0028】
収納箱体30は、図2に示すように、天井Cに取付けられる箱本体31と、箱本体31の開口を覆う蓋板(図示せず)とから成る。一対の吊下げ部材4は、箱本体31に取り付けられるパンタグラフ式の伸縮アーム41と、伸縮アーム41を昇降させるモータ(図示せず)とで構成されている。モータの制御は壁などに取付けた操作器スイッチやリモコン等により行なわれる。
【0029】
パンタグラフ式の伸縮アーム41は、左右対称構造を有しており、図2に示すように、上部フレーム42と吊りアーム5とが複数のリンク片43で連結されて構成されている。最上部のリンク片43の上端部は上部フレーム42に設けたガイド孔42aに沿って横方向にスライド自在に支持され、最下部のリンク片43の下端部は吊りアーム5に設けたガイド孔50に沿って横方向にスライド自在に支持されており、各リンク片43は上下方向に折り畳み自在となっている。吊りアーム5の中央部には収納箱体30内のプーリー33を介してモータ軸に連結されたワイヤ34の下端が連結されており、モータの駆動によって吊りアーム5は上下移動可能とされる。
【0030】
両吊りアーム5間には、複数本(本例では3本)の物干し竿6が架設されており、この物干し竿6に洗濯物を掛けて室内干しすることができるようになっている。
【0031】
このような室内物干し装置3は、天井裏に設置した収納箱体30から昇降自在に吊下げた一対の吊りアーム5,5間に物干し竿6を取付けることで、複数の物干し竿6と2本の吊りアーム5とで枠体が構成されて、十分な耐荷重性をもたせることができ、洗濯物を物干し竿に干すことが可能となると共に、吊下げ部材4をモータで昇降自在とすることで、不要なときは天井裏に容易に収納できるので、使い勝手も良くなるように構成してある。そして、この室内物干し装置3に上述した静電霧化ユニット7(静電霧化装置1)を設けて静電霧化装置1を備えた室内物干し装置3としてある。
【0032】
この静電霧化装置1を備えた室内物干し装置3においては、物干し竿6を天井に収納した状態から引き降ろして使用する状態とした時、電子回路からなる制御部(図示せず)によって自動的に静電霧化装置がONとなって帯電微粒子水が吹き出されるようにしてあり、更に手動でON・OFF可能なスイッチが設けてあって手動でも帯電微粒子水の吹き出し・停止が可能となっている。これにより、静電霧化装置1を備えた室内物干し装置3の物干し竿6を引き降ろして使用状態とした時に帯電微粒子水が静電霧化装置1から自動的に吹き出されるようになり、この時物干し竿6に掛けて干した洗濯物に前記帯電微粒子水が吹き付けられ、洗濯物に付着した雑菌の殺菌が行われる。
【0033】
また、静電霧化装置1を備えた室内物干し装置3の他例として、図3に示すように、室内物干し装置3に直接取り付けるのではなく、室内の壁面に設けたものでもよい。図3に示す例では洗面・脱衣室の天井Cに室内物干し装置3を設けるとともに、内側壁の窓枠の下部に静電霧化装置1を備えた静電霧化ユニット7が設けてある。静電霧化装置1を設ける高さは、室内物干し装置3の物干し竿6に干した洗濯物の高さと略同じになる高さとしてある。このようにすることで、室内物干し装置3に静電霧化装置1を組み込まなくても、単体の静電霧化装置1を室内に設けるだけで洗濯物の殺菌・消臭を行うことができる。
【0034】
また、上述したような結露手段を有する静電霧化装置1においては、帯電微粒子水を生成するのに要する水量よりも多くの結露水を生成させて、この室内の除湿を行ってもよい。これは、結露手段(ペルチェユニット2)による結露水を生成する単位時間当たりの生成量を、静電霧化装置1にて帯電微粒子水を生成するのに要する単位時間当たりの水量よりも多く設定することで、室内の空気の湿度が下がって除湿されるものである。これにより、帯電微粒子水を生成するのに要する水を生成する手段とは別に除湿手段を設けることなく、除湿が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の静電霧化装置を備えた室内物干し装置を示し、(a)は物干し竿を下げた使用状態の斜視図であり、(b)は物干し竿を上げた収納状態の斜視図である。
【図2】図1(b)の天井を切り欠いた側面図である。
【図3】同上の他例の静電霧化装置を備えた室内物干し装置を示し、(a)は全体斜視図であり、(b)は静電霧化装置を備えた静電霧化ユニットの斜視図である。
【図4】静電霧化装置の一例の説明図である。
【図5】静電霧化装置の他例の説明図である。
【図6】静電霧化装置を備えた静電霧化ユニットを示し、(a)は概略構成図であり、(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 静電霧化装置
3 室内物干し装置
5 吊りアーム
6 物干し竿
7 静電霧化ユニット
70b 吐出口
C 天井
開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水粒子放出部と、該水粒子放出部と対向する対向電極と、水粒子放出部に水を供給するための水供給手段と、水粒子放出部と対向電極との間に高電圧を印加する電圧印加部とを備え、水粒子放出部と対向電極との間に高電圧を印加することで水粒子放出部の水がナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置を構成し、上記静電霧化装置にて室内干し洗濯物に向けて帯電微粒子水を吹き付けることを特徴とする静電霧化装置による室内干し洗濯物の処理方法。
【請求項2】
水粒子放出部と、該水粒子放出部と対向する対向電極と、水粒子放出部に水を供給するための水供給手段と、水粒子放出部と対向電極との間に高電圧を印加する電圧印加部とを備え、水粒子放出部と対向電極との間に高電圧を印加することで水粒子放出部の水がナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置を構成すると共に、天井から吊下げた吊下げ部材の下端部に設けた物干し部材に洗濯物を干す室内物干し装置を設け、前記室内物干し装置に干した洗濯物と略同じ高さ位置の室内壁に静電霧化装置が位置するように設けて成ることを特徴とする静電霧化装置を備えた室内物干し装置。
【請求項3】
水粒子放出部と、該水粒子放出部と対向する対向電極と、水粒子放出部に水を供給するための水供給手段と、水粒子放出部と対向電極との間に高電圧を印加する電圧印加部とを備え、水粒子放出部と対向電極との間に高電圧を印加することで水粒子放出部の水がナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する静電霧化装置を構成すると共に、天井から伸縮自在に吊下げた吊下げ部材の下端部に設けた物干し部材に洗濯物を干す室内物干し装置を設け、前記室内物干し装置の物干し部材に静電霧化装置を設けて成ることを特徴とする静電霧化装置を備えた室内物干し装置。
【請求項4】
静電霧化装置の水粒子放出部に供給する水を生成するための結露手段を設けて成ることを特徴とする請求項2又は3記載の静電霧化装置を備えた室内物干し装置。
【請求項5】
ケーシング内の空気流路にフィルター、ファン、静電霧化装置を設けて静電霧化ユニットを構成するものにおいて、フィルターの下流側に静電霧化装置を設けて成ることを特徴とする請求項2乃至4記載の静電霧化装置を備えた室内物干し装置。
【請求項6】
結露手段による結露水を生成する単位時間当たりの生成量を、静電霧化装置にて帯電微粒子水を生成するのに要する単位時間当たりの水量よりも多く設定して成ることを特徴とする請求項4記載の静電霧化装置を備えた室内物干し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−63480(P2006−63480A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247286(P2004−247286)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】