説明

非侵襲的なリード除去シース

本発明は、長期的に植え込まれた医療デバイスを非侵襲的に除去するための植え込み可能なデバイスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は長期的に植え込まれた医療デバイスの非侵襲的な除去に関する。
【背景技術】
【0002】
長期的に植え込まれた医療デバイス、特には、ペースメーカー及び植え込み可能な除細動器(ICDs)と共に使用するための心臓内のリードを摘出することが必要な場合があり、特には、そのようなリードが破損するか、又は感染症が発症した場合はそのリードを摘出することが必要である。
【0003】
植え込まれたそのようなデバイスの除去は幾つかの障害がある。例えば、心臓リードの任意の部分(セクション)に沿って成長をする線維状の組織は摘出を阻止し、近接の心臓血管の組織の外傷につながる可能性がある。
【0004】
様々な方法が、長期的に植え込まれたデバイスを除去するために開発されてきている。心臓リードに対して、一般的な除去方法は牽引であり、リードの近位端部を体外に出した後、リード本体部に長手方向の力が加えられる。ところが、牽引を用いる場合に直面する複雑さと困難さとが、 外科的アプローチ並びに、血管内の反対圧力(counterpressure)及び反対牽引(countertraction)の開発を促した (Love et al. PACE 2000 23:544-551)。
【0005】
外科的なアプローチは、胸骨切開又は開胸を介して心臓及び大静脈を露出して、続いて心房又は心室の貫壁性切開を介してリードを摘出することを含む。この除去技術は、一般的には成功するが、その手術は一般的には利用できない技術を必要とし、 死亡率と高コストに関連してくる(Love et al. PACE 2000 23:544-551)。
【0006】
心臓血管の反対牽引(countertraction)において、ポリマー又は金属から作製されたシースはリード本体部上で遠位に滑る。固定探り針はリードの内側を通過してリード先端部で固定されて、先端部で牽引力を局在化する。リードに適用された牽引は内方成長の組織をシースまで引っ張る。牽引力はシースの先端の周囲部によって反対に動かされて、その先端の周囲部は線維性組織上で局在化したせん断応力を利用し、リード本体部から線維性組織を別個独立に分離させる(Ellenbogen, Kenneth A., and others, ed. Clinical Pacing, Defibrillation, and Resynchronization Therapy (Philadelphia, PA. Saunders Elsevier, 2007), 885-886.)
【0007】
反対圧力(counterpressure)は、石灰化組織が存在する場合に用いられる同様な摘出技術であるが、反対牽引(countertraction)は、シースのエッジと近接の組織との間の局在化した圧力に変換される。この圧力は静脈及び/又は心臓壁から石灰化の塊を剥がして、組織を損傷させる(Ellenbogen, 2007, 886)。
【0008】
代替的なシースは、動力源が供給された機械的なカッティングチップ、RF切除法及びレーザー蒸発法を用いたシースを含む(Ellenbogen, 2007, 886-890.)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、各々の方法は重大な危険を伴う。それゆえ、患者から医療デバイスを摘出する、安全な別の方法についてのニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、患者に長期的に植え込まれたデバイスを除去するための、安全、かつ、外傷が少ないデバイスを提供する。本発明の1つの実施形態は医療デバイスを提供し、その医療デバイスは、遠位端部と、近位端部と、縦軸と、外面とを有する植え込み可能な診断用又は治療用リードと、診断用又は治療用リードに取り付けられ、好ましくは遠位端部の近傍に取り付けられ、そして、診断用又は治療用リードの外面の実質的な部分(セクション)を覆うように配置されるチューブ状カバーとを含む。チューブ状カバーは、診断用又は治療用リードを摘出するために長手方向の力をかけて裏返しになるように構成される。
【0011】
また、本発明は、リードの部分(セクション)を取り囲む裏返し可能なチューブ状カバーを提供し、それによって、リードの部分(セクション)は覆われない。別の実施形態において、リードは幾つかのタイプのチューブ状カバーを含み、リードが植え込みに続いて摘出される場合にカバーは裏返し可能となる。別の実施形態において、チューブ状カバーは特定の部分(セクション)から引き裂かれて裏返しになり、その部分(セクション)において、組織付着、組織内方成長、又はリードが摘出される場合に、チューブ状カバーが引裂かれることを引き起こす他のタイプの制約がある。他の実施形態において、チューブ状カバーを引き離すことは、チューブ状カバーの縦軸に沿って特定の位置で引裂かれることを可能とする手段を含む。1つの実施形態において、その手段はチューブ状カバーの周囲に、パーフォレーションが一般的に配向されることを含む。別の実施形態において、パーフォレーションはチューブ状カバーの周りに螺旋形パターンで配向される。別の実施形態において、リードが摘出される場合に、その手段は、周囲方向に引き裂かれて裏返しになる材料の弱くなった部分(セクション)を含む。
【0012】
また、本発明は、エネルギーをリードから近接の体液中又は近接の組織中に通過させるように構成される診断用又は治療用リードに取り付けられたチューブ状カバーを提供する。代替的には、エネルギーを近接の体液又は近接の組織からリード中に通過させるようにリードは構成されてよく、例えば、心臓ペーシングリードが自動的に感知する場合が挙げられる。チューブ状カバーはリードの少なくとも遠位端部に取り付けられてよく、リードの外面の実質的な部分(セクション)を覆うように配置されてよい。チューブ状カバーは、リードを摘出するために長手方向の力をかけて裏返しになるように構成される。リードが近接の体液又は組織に電気エネルギーを伝導する場合に、チューブ状カバーはそのようなエネルギー伝達及び電気分解によって生み出されるガスを近接の体液中を通過させる。このことはリード又はカバーへの損傷を回避する。エネルギーが周囲の体液及び組織からリード中に導電する場合に、チューブ状もまた、そのような伝達を可能とする。
【0013】
また、本発明は、チューブ状カバーを含む医療デバイスを提供し、そのチューブ状カバーは、植え込みに続いて医療デバイスに長手方向の力をかけて裏返しになるように構成される。1つの実施形態として、医療デバイスは動物の体内に長期的に植え込まれる。別の実施形態においては、医療デバイスは組織を取り込みやすい。さらに別の実施形態においては、チューブ状カバーはePTFEを含む。また更なる実施形態においては、その医療デバイスは、リードジェネレーター、動静脈(A-V)アクセスカテーテル、末梢から中心静脈まで挿入した(PICC)カテーテルライン、静脈栄養補給カテーテル、栄養補給チューブ、呼吸チューブ及び植え込まれたセンシングデバイスから成る群から選ばれる。
【0014】
また、本発明は、周囲の組織に対する損傷を最小限にしながら、本発明のチューブ状カバーを有する診断用又は治療用リードを生産する方法及び摘出する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、典型的な心臓ペーシング及びICDリードを示す。
【図2】図2は、植え込み可能なリード及びチューブ状カバーを備える、本発明のデバイスを示す。
【図3】図3は、図2のA-Aで示される断面である。
【図4】図4は、サンプルデバイスに対する引き抜き力を試験して測定するために用いられる装置の略図である。
【図5】図5は、図4の装置のマンドレルの拡大図である。
【図6A】図6Aは、本発明のチューブ状カバーの取り付けを示し、チューブ状カバーは除去の際、裏返しになり、実施例3で述べるように、引き抜き力の測定のためにマンドレル上に置かれる。
【図6B】図6Bは、本発明のチューブ状カバーの取り付けを示し、チューブ状カバーは除去の際、裏返しになり、実施例3で述べるように、引き抜き力の測定のためにマンドレル上に置かれる。
【図7A】図7Aは、実施例4で述べるように、引き抜き力の測定のためのマンドレルに取り付けられた二重壁のチューブ状カバーの取り付けを示す略図である。
【図7B】図7Bは、実施例4で述べるように、引き抜き力の測定のためのマンドレルに取り付けられた二重壁のチューブ状カバーの取り付けを示す略図である。
【図7C】図7Cは、実施例4で述べるように、引き抜き力の測定のためのマンドレルに取り付けられた二重壁のチューブ状カバーの取り付けを示す略図である。
【図8】図8は、電気伝導度及び電気分解で生産されたガスの放出の試験をするために用いられる装置の略図である。
【図9A】図9Aは、本発明のチューブ状カバーの代替的な実施態様を示す。
【図9B】図9Bは、本発明のチューブ状カバーの代替的な実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記のとおり、本発明は、好ましい実施形態とその使用の方法とに関連して述べられるが、これらの実施形態とその使用方法とに本発明を限定する意図はないことは理解されたい。それどころか、本明細書と特許請求の範囲において述べられるように、本発明の精神及び範囲内に含まれる、全ての代替発明、改良発明、及び均等発明を網羅することが意図される。
【0017】
本発明は医療分野で長年ニーズとされたものを解決し、植え込み可能な医療デバイスを提供し、その医療デバイスが植え込まれたところの組織の損傷又はその周囲の組織を含めた、重大な危険要素や合併症を引き起こすことなく、植え込み後、その医療デバイスは取り除くことが可能である。このニーズは診断用又は治療用リードに対して特に顕著である。
【0018】
1つの実施形態として、医療デバイスは、診断用又は治療用の植え込み可能な伝送リードと、そのリードの少なくとも1部分(セクション)を取り囲みながら覆う裏返し可能なチューブ状カバーとを含む。「植え込み可能な伝送リード」の用語は、全長部、遠位端部、近位端部、外面及び縦軸を有する植え込み可能なリード構造物を意味し、典型的には、例えば光のような、電気エネルギーの形態であるが、音響エネルギー及び電磁エネルギーを含んだ形態で、そのリードは体若しくは体液まで又は体若しくは体液からエネルギーを運搬することができる。そのようなエネルギーは、例えば、心臓ペーシング、除細動ような医療用途、神経系の検出及び刺激、生理学的検出、診断用用途、治療用用途、信号伝送用途、又は他の同様な機能の範囲に対して有益である。患者に植え込まれたデバイスは体内まで運搬されるか、又は体内から受け入れる。
【0019】
代替的には、デバイスは、植え込み可能な伝送リードと、そのリードの少なくとも1部分(セクション)を取り囲みながら覆う裏返し可能なチューブ状カバーとを含む。1つの実施形態として、カバーはエネルギーを(リードから又は近接の体液又は近接の組織中に)からチューブ状カバーを通って通過させることが可能である。別の実施形態として、エネルギーは電気エネルギーである。別の実施形態として、チューブ状カバーは電気分解によって生み出されるガスを、カバーを通り抜けて近接の体液中を通過させる。例えば、典型的な除細動用電極は、迅速、かつ、繰り返し性のあるエネルギーパルスの間に、ガスを脱気してn好ましくない泡を形成する。電極での泡形成は、GH Bardy et al. Circulation 73, 525 538,March 1986によって述べられる。電極での泡形成はエネルギー波形を低下させる。過度の泡形成によって、伝導抵抗を増加させ、そのことは除細動のために必要とされるエネルギーを上げて、局所的な電流密度を増加させる。このように、電気エネルギーを伝送するリードに対して、ガス及び/又は泡を(そのガスから構成される)をチューブ状カバーを通過させて拡散することが好ましい。
【0020】
「植え込み可能な」とは、デバイスが、外科的に(すなわち、切開をして)又は当該技術分野の公知の方法によって、例えば人間のような動物の体内に植え込むのに適していることを意味する。1つの実施形態として、植え込み可能なリードは動物の体内に長期的に 植え込まれる。「長期的に植え込まれた」は、特に限定されることはないが、長期間的な植え込み(例えば、少なくとも29日間)を意味するか、並びに/又は組織成長(組織内方成長/組織取り込み)を植え込まれた医療デバイス中で生み出すこと、及び/若しくは組織組織による組織接着(組織付着/組織接着)を生み出すことに少なくとも充分な時間を意味する。
【0021】
「裏返しする」、「裏返し可能な」及び「裏返しされた」は、外面が内面になるように、反対に内面が外面になるように、チューブ状カバー自身が折り重なることを意味する。例えば、図6A及びBを参照されたい。
【0022】
図を参照する場合、同一の参照番号は図において図において同一又は対応する要素を表す。
【0023】
図1は、従来の双極ペーシング及びICDタイプの植え込み可能なリード100を示す。植え込み可能なリード100は、全長部101と、遠位端部102と、近位端部103と、外面104と、縦軸105とを有し、それらは植え込み可能なリードと同軸上である。リードは1つ以上の近位のコネクタ180を有し、そのコネクタは、電源及びオペレーティングシステム(図示されていない)に接続される。リード本体部170は遠位端部102に向かって延在する。2つの電極150及び160は心臓の細動を止めるのに必要なものとして機能をする。ペーシング及びセンシング回路はペーシング電極110によって形成されて、この場合に、ペーシング電極110は可動の螺旋形コイル及びセンシングリング140として形状化される。オペレーティングシステムはペーシングのために電気パルスを送信し、ペーシング及びセンシング回路を通過して心臓の電気的な信号を受け入れる。
【0024】
図2は本発明の植え込み可能なリード100及びチューブ状カバー190を示す。チューブ状カバー190は、典型的には40-100cmの範囲である全長部191と、遠位端部192と、近位端部 193と、外面194と、縦軸105とを有し、それらは植え込み可能なリードと中心の位置で同軸上である。典型的なリードは約1.0〜約12.0Frenchの径を有するか、又は更に大きい径を有するか、どのような機能を意図するかや植え込み位置によって変化をする。チューブ状カバーは、植え込み可能なリードの外面の実質的な部分(セクション)上に配置されるような大きさである。「実質的部分(セクション)」の用語は、植え込み可能なリードのリード本体部170の全長部の少なくとも約50%上を覆うように配置された部分(セクション)をいう。別の実施形態においては、「実質的部分(セクション)」の用語は、植え込み可能なリードのリード本体部170の全長部の少なくとも約60%、約70%、約80%、約90%、約95%又は約100%上を覆うように配置された部分(セクション)をいう。また、「実質的部分(セクション)」は、セグメント、例えば電極(140、150、160)の間、又は電極(140、150、160)上で、リードの上に配置される非連続的に覆われた部分(セクション)を含み、それによって、リード本体部の一部分(セクション)を覆わないようにする。図9A及び9Bは植え込み可能なリードの非連続的に覆われた部分(セクション)の例を示す。
【0025】
図3は、図2の「A-A」で示される断面の図である。チューブ状カバー190は、外側のコイル状の導体210を囲んでいる外側の絶縁層200を囲む。導体の内側は、別の絶縁層220のライン上に配置され、その絶縁層220は内側のコイル状の導体230を覆う。ルーメン250を有する絶縁ライナー240は、内側の導体230に近接するように配置される。
【0026】
チューブ状カバーはシースような構造物を含み、その構造物は、植え込み可能なリードの外面の実質的な部分(セクション)上に配置されてよい。チューブ状カバーは、機械的、レール状若しくは干渉的なフィット部材、機械的な構造物、熱結合剤、又は生体適合性接着剤若しくは他の固定手段によって、リードの少なくとも遠位端部に付着されてよい。接着剤の例示としては、例えばフッ素化エチレンプロピレン(FEP)にような熱可塑性フルオロポリマーがある。また、チューブ状カバーは、生産時に、植え込み可能なリードの一体部分(セクション)として形成されてもよく、それによって、任意の接着を必要としない。また、チューブ状カバーは、別個独立の構成要素として、生産に続いて植え込み可能なデバイスに接着されてよい。1つの実施形態として、チューブ状カバーは「二重壁の」構造物を有して、そのカバーは、カバー自身で折り重なる。このように、裏返し可能な「二重壁の」チューブ状カバーを含むリードが摘出される場合に、カバーは、カバー自身が滑り、このようにしてリードを摘出するのに必要な力を減らすことができる。
【0027】
別の実施形態として、チューブ状カバーは特有の部分(セクション)で裂けて、すなわち、その部分(セクション)において、組織付着、組織内方成長又は他のタイプの制約があり、そのことによって、チューブ状カバーは、リードが摘出される場合に引裂かれる。チューブ状カバーを引裂くことは、チューブ状カバーの縦軸に沿って特有の場所で引裂かれることを可能とする手段を含む。その手段によって、リードが摘出される場合に、チューブ状カバーの特定部分(セクション)は円周方向に引裂かれて裏返しにされる。1つの実施形態として、その手段は、一般的に、チューブ状カバーの周りに円周方向に配向されたパーフォレーションを含む。別の実施形態として、パーフォレーションはチューブ状カバーの周りに螺旋形のパターンで配向される。別の実施形態として、手段は材料中に弱くなった領域を含み、その弱くなった領域は、リードが摘出される場合に、円周方向に引裂かれて裏返しにされる。これらの実施形態において、チューブ状カバーが裂けるならば想定される場所が裏返しになるように、チューブ状カバーは(上記で述べたように)想定される場所でリードに固定される。幾つかの実施形態においては、植え込み可能なリードが摘出される場合に、全ての部分(セクション)が裂けて裏返しになる。他の実施形態において、植え込み可能なリード摘出される場合に、数個の部分(セクション)しか裂けないで裏返しにならない。
【0028】
図9A及び9Bは、上記で述べたような実施形態の1つを示す。図9Aは、電極902及び904と、遠位チップハウジング906と、固定部材908とを含む典型的な心臓リード900を示す。図9Aは裂けたチューブ状カバー910A、910B及び910Cを更に含み、それらは、各々、パーフォレーション912A、912B及び912Cを含む。この実施形態において、裂けたチューブ状カバーは、リード900の異なる部分(セクション)に適用されて、電極902及び904は露出された状態となる。ところが、他の実施形態において、チューブ状カバーはリードの全体に適用される。
【0029】
図9Bは、動物、例えば人間からリードが摘出される場合における、図9Aのリード900の断面を示す。図示されているように、固定部材908は、チップハウジング906に格納されて、摘出力は、矢印914で示されるようにリード900に適用される。チューブ状カバー910A及び910Bは、矢印916A及び916Bによって示されているように、パーフォレーション912A及び912B(図9Aを参照)で引裂かれて、裏返しになる。リード900が摘出されるときに、リード900が充分に摘出されるか、及び/又はチューブ状カバーが充分に裏返しになるかまで、チューブ状カバー910A及び910Bは裏返しをすることを継続する。上記で述べたように、チューブ状カバーの全ての部分(セクション)は、必ずしも裂けなく、その点については、損傷を受けていないチューブ状カバー910Cが示されている。図9A及び9Bは本発明の1つの実施形態をを実証しているだけであることと、決して、図9A及び9Bに限定されることはないことをご留意していただきたい。
【0030】
チューブ状カバーは径と全長部とで寸法化されて、植え込み可能なデバイスの好ましい部分を覆う。1つの実施形態として、チューブ状カバーが「二重壁」構造を有するならば、チューブ状カバーを生産するために用いられる材料の量は、植え込み可能なデバイスを覆うのに必要とされる少なくとも二倍の長さであるが、それは、カバーがリード上に配置されてカバー自身が折り重なるからである。好ましいチューブ状カバーの厚みは約0.25mm未満か、約0.23mm未満か、約0.20mm未満か、約0.18mm未満か、約0.15mm未満か、約0.13mm未満か、約0.10mm未満か、約0.07mm未満か、約0.06mm未満か、約0.05mm未満か、約0.04mm未満か、約0.03mm未満か、約0.02mm未満か、又は約0.01mm未満である。カバーの厚みは光学コンパレータか又は他の適切な手段を用いて、カバーされた電極の横断面を測定することによって決定され得る。チューブ状カバーは、長手方向の力をかけて裏返しになるように構成されて植え込み可能なリードを取り除く。
【0031】
ある実施形態において、チューブ状カバーは長手方向又は螺旋形に巻き付けられたフイルムによって形成されてよい。好ましい様々な構成は、フイルムの材料及び特性(例えば、厚み及び幅)、巻き付け角度、ラップ(包み)幅のような巻き付けについてのパラメータ、並びに最終的なカバーの厚みを変更することによって達成され得る。代替的には、チューブ状カバーは、例えば、リード本体部上に直接的に押出されてもよく、または生産前の工程として、押出されてその後リードに取り付けられてもよい。
【0032】
チューブ状カバーは植え込みに続いてデバイスの非侵襲的な除去を提供する。非侵襲的な除去は、植え込まれたデバイスの除去と関連している周りの組織に対して損傷を与えるせん断力を弱めるか又は減らす手段によって、植え込まれたデバイス摘出するか又は除去することを意味する。弱めること又は減らすことは、本発明のチューブ状カバーを有さない同様なデバイスの除去と比較することによって測定される。任意の特定の理論に縛られることなく考えるには、植え込み可能なデバイスの非侵襲的な除去はチューブ状カバーを用いて本デバイス中で完遂して、そのチューブ状カバーは除去の際に裏返しになり、それによって、植え込み可能なデバイスの除去のために必要とされる力を弱めて、例えば、従来のペーシング及びICDリードのようなデバイスの除去と関連している外傷及び組織の損傷を最小限にする。この力の弱体化は、第一に、摘出する力が剥離力に変換されることによると考えられている。そして、その剥離力は、カバーが取り付けられた植え込み可能なデバイスが引き抜かれる場合に、裏返しになったチューブ状カバーの遠位端部、特には、チューブの外側面がチューブの内側面に裏返しになったエッジ部に局在化される。このことは、例えば牽引のような他の摘出技術とは異なり、その場合に、植え込み可能なデバイスの実質的な全長部に沿って、例えば、せん断力のような摘出力がある。
【0033】
本明細書で実証されるように、本発明にしたがったチューブ状カバーの使用は、少なくとも3回の折りたたみによって植え込み可能なリードを取り除くのに必要とされるせん断力を弱める。下記の表1を参照されたい。
【0034】
チューブ状カバーは、柔軟性のある(フレキシブルな)任意の生体適合性から構成され得る。そのような材料は、多孔性、非多孔性、浸透性及び/又は非浸透性でよい。そのような材料の例示としては、特に限定されることはないが、シルク、シリコーン、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のようなフルオロポリマー、例えば、ポリエステル、ポリイミドのような他のポリマーが挙げられる。 本明細書で用いられる、用語「多孔性」は、小さいか若しくは微小である開口部、又は細孔を含む材料を述べる。限定されることはなく、「多孔性」は、顕微鏡検査で観察可能である細孔を有する材料を含む。「非多孔性」は実質的に細孔がない材料を表す。用語「浸透性」は、 流体 (液体及び/又はガス)が浸透するか又は通過することが可能である材料を述べ、特には、 体液が浸透するか又は通過することが可能である材料を述べる。「非浸透性」は流体の通過を遮断する材料を述べる。 当然のことながら、材料が非多孔性であるが、依然としてある物質に浸透性であってよい。
【0035】
チューブ状カバーは、当該技術分野で知られている方法、例えば押出しによって構成されてよく、チューブ状カバーを生産するために用いられる材料に依る。1つの実施形態として、チューブ状カバーは組織内方成長を抑制する材料から構成されて、さらに、裏返し力を強化する材料から構成される。別の実施形態として、組織内方成長を抑制し、及び/又は他の臨床的な利点を導くことで知られている少なくとも1つの化学化合物、例えば、生物活性反応を引き起こす化学化合物に、材料を含浸するか、充填するか、吸収させるか、コーティングするかを施してもよい。生物活性反応を引き起こす化合物は、抗-微生物(例えば、抗-バクテリア、抗-ウィルス)、抗-炎症性剤(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン)、抗-増殖性剤(例えば、タキソール、パクリタキセル、ドセタキセル)及び抗-凝固剤(例えば、ヘパリン、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィブラン)を含む。1つの実施形態として、抗-炎症性剤はステロイドである。別の実施形態として、ステロイドはデキサメタゾンである。また、植え込み及び/若しくは摘出中に、可視化を促進するために、例えば、カーボン、電波不透過要素である電気伝導性材料、並びに/又は、チューブ状カバーを「潤滑化をする」材料に、そのカバーを、含浸するか、充填するか、吸収させるか、コーティングするかを施してもよく、このようにして、材料をそれ自身で滑りやすくさせる。別の実施形態として、チューブ状カバーは、医師及び/又は看護師及び/又は技術者によって植え込みをする前に素早くコーティングされるか及び/又は湿潤化される。別の実施形態として、本発明は、チューブ状カバーと、そのチューブ状カバーを湿潤化するための湿潤剤とを含むキットを含む。別の実施形態として、本発明は、チューブ状カバーと、医療デバイスと、そのチューブ状カバーを湿潤化するための湿潤剤とを含むキットを含む。湿潤試薬は、上記で述べた任意の試薬でよく、及び/又は上記で述べた試薬の組み合わせでよく、及び/又はチューブ状カバーを湿潤化するために用いられる任意の試薬でよい。
【0036】
別の実施形態として、チューブ状カバーは、組織(すなわち、細胞)の内方成長を抑制する材料から構成されてよく、さらに、植え込み可能なデバイスを取り除くために用いられる長手方向の力をかけると裏返し可能である材料から構成されてよく、それによって、デバイスを取り除くのに必要な力を弱めることができる。組織内方成長は、この実施形態において、植え込み可能なデバイスを取り除くために重要な問題とならない可能性があるが、チューブ状カバーに組織付着が未だに存在すると、そのことは、リードを摘出する場合に、組織損傷を引き起こす可能性がある。
【0037】
延伸ポリテトラフルオロエチレンは、薄さ、強さ、生体適合性、潤滑性、チューブ状形態で裏返しをすることができる性能、さらに適切な処理で、「湿潤化性」になって電気的に透過することとなる性能によって、チューブ状カバーのための好ましい材料である。EPTFEは多孔性材料であり、その多孔性材料は、フィブリルによって相互連結されたノードから実質的に成る、薄くて、高強度で、伸長性のある不織布ウェブである。さらに、ePTFEは、組織内方成長/取り込み及び/又は付着/接着の程度を調節することが可能である微細を有するように設計される。1つの実施形態として、チューブ状カバーはePTFE材料から作製されて、そのePTFE材料は、内方成長/取り込み及び/又は付着/接着を可能としない。別の実施形態としては、ePTFEフィブリルは、約3.0ミクロン未満、約1.0ミクロン未満、好ましくは約0.05〜約0.4ミクロンの全長部を意味する。この実施形態においては、ePTFE材料は、内方成長/取り込み及び/又は付着/接着を可能としない。上記の細孔サイズは材料の特定の片の平均であり、材料中の幾つかの大きな細孔は、細胞の内方成長/取り込み及び/又は付着/接着のマイナー量であることを認識されたい。また、細孔のサイズ、形状及び量は、組織の内方成長を制限しながら、導電性体液の浸透を可能とするように設計されてもよい。別の実施形態において、ePTFEは、内方成長/取り込み及び/又は付着/接着を促す平均フィブリル長を有してよい(典型的には、平均で、約6.0ミクロン超であるフィブリル長を有する。)。ePTFEの平均フィブリル長は、特定のフイルムサンプルの表面の走査型電子顕微鏡の写真を検査することによって見積もられる。
【0038】
別の実施形態として、チューブ状カバーはePTFEから作製されて、そのePTFEは、チューブ状カバーの特定の部分(セクション)で、内方成長/取り込み及び/又は付着/接着を促進するように設計される。一方、他の部分(セクション)において、ePTFE(又は他の材料)は、細胞の内方成長及び/又は細胞接着を可能としない。この実施形態において、ePTFEの微細構造はチューブ状カバーの長さに応じて変化され得る。例えば、幾つかの場所において、内方成長/接着を促進する少なくとも1つの狭いバンドは、チューブ状カバーの一部若しくは部分(セグメント)上又はそれらに沿って、配置される。狭いバンドは、医療デバイスに沿って(医療デバイスの部分(セグメント)内か又は完全なる全長部を横切って)、又は医療デバイス(特定の領域)の周りに円周方向に配置されてよい。内方成長/取り込み、及び/又は付着/接着を促進するチューブ状カバーのその部分は、所定の位置で医療デバイスを固定することを促進することができるか、及び/又は医療デバイスを摘出する場合に、裏返しにすることが起こることを保証する抑制力を提供する。別の実施形態において、内方成長/取り込み及び/又は付着/接着を促進するePTFEのバンドは、一般的には、引き離されるカバーの遠位端部の周りに配置されるが、そのことは、医療デバイスを摘出する場合に、裂けることと裏返しになることが起こることを保証する抑制力提供することを目的とする。別の実施形態として、医療デバイスを摘出する場合に、細胞の内方成長/接着を促進するePTFEのバンドは、裏返しを保証する任意の領域において配置される。
【0039】
また、様々な添加剤をePTFEに組み込むことによって本発明のために用いられるePTFEを改良することも好ましい。フィラーが、公知の方法、例えば、KorleskiによるU.S. Pat. No. 5,879,794によって教示されている方法によって、ePTFEに組み込まれてもよい。また、添加剤が、公知の方法によってePTFEに吸収されてもよい。また、添加剤が公知の方法によってePTFEにコーティングされてもよい。適切な添加剤は、例えば、微粒子状及び/又は繊維形態の材料を含み、例えば、ポリマー、接着剤、エラストマー、セラミック、金属、半金属、カーボン及びそれらの組み合わせでよい。特に有用な添加剤は、例えば、放射線不透過性材料であり、その放射線不透過性材料は、例えば、特定の金属(例えば、バリウム合金)、カーボンである。添加剤は、ポリマーと組み合わせる場合、好ましい接着剤材料と組み合わせて用いられてよい。また、ePTFE又はその少なくとも一部分を金属化することは好ましい。添加剤は、添加剤自身、ポリマーのマトリックスに含まれてもよいし、ポリマー構造によって画定される孔隙内に含まれてもよいし、さらに両方の形態によってふくまれてもよい。また、好ましいフィラーは、着色剤、薬剤、抗微生物剤、抗ウィルス剤、抗生剤、抗バクテリア剤、抗炎症性剤、抗増殖剤、抗凝固剤、止血剤、鎮痛剤、エラストマー及びそれらの混合物を含んでよい。ePTFEカバーを潤滑化する化合物は、材料を材料自身全体で滑らせるのであるが、その化合物はカバーを塗膜し、カバーの表面をメッキし、さらにカバーに吸収するために用いられてよい。当該技術分野で知られている、固体潤滑剤(すなわち、グラファイト、ワックス、シリコーン)、流体性潤滑剤(すなわち、ハイドロカーボンオイル、シリコーンオイル)、ゲル(すなわち、ハイドロゲル)又は任意の他の生体適合性材料を用いてよい。1つの実施形態として、カバー全体が、少なくとも1つの添加剤を組み込む。別の実施形態としては、チューブ状カバーの一部分しか、少なくとも1つの添加剤を組み込まない。この実施形態においては、例えば、チューブ状カバーは、少なくとも1つの添加剤(例えば、チューブ状カバーの一部を横切って移動を可能とするエネルギー(例えば、電気)であるフィラー)を少なくとも1つの部分(セクション)に組み込み、そして、他の部分(セクション)に、少なくとも1つの異なる添加剤を含むか、又は含まない。
【0040】
本発明の別の実施態様は、摘出する時に裏返しになるチューブ状カバーを含む医療デバイスに摘出力を提供する工程を含む、医療デバイスを除去する方法を含む。1つの実施形態として、医療デバイスは植え込み可能な伝送リードを含む。別の実施形態として、植え込み可能な伝送リードは心臓用途のためである。別の実施形態として、植え込み可能な伝送リードは神経系用途のためである。別の実施形態として、チューブ状カバーはePTFEを含む。
【0041】
別の実施形態として、医療デバイスを除去する方法は、医療デバイスから裏返し可能なチューブ状カバーを別個独立に分離する工程と、医療デバイスを摘出する工程とを含む。別の実施形態としては、その方法は、「二重壁」構造のチューブ状カバーの層を別個独立に分離する工程と、医療デバイスを摘出する工程とを含む。二重壁構造のチューブ状カバーを、医療デバイス又はチューブ状カバー自身から別個独立に分離することは、チューブ状カバーと医療デバイスとの間か、又はスライドするチューブ状カバーとの間の摩擦を減らし、そして、同様に、医療デバイスを除去するのに必要とされる力を弱める。1つの実施形態として、医療デバイス又はチューブ状カバー自身からチューブ状カバーを分離する方法は、医療デバイス又はチューブ状カバー自身からチューブ状カバーを分離する、液体(例えば、アルカリ塩)、ガス(例えば、エアー)及び/又は他の物質 (例えば、ゲル又は他の潤滑剤)をポンプでくみ上げる工程を含む。別の実施形態として、医療デバイスは植え込み可能な伝送リードを含む。別の実施形態として、植え込み可能な伝送リードは心臓用途のためである。さらに、別の実施形態としては、植え込み可能な伝送リードは神経系用途のためである。
【0042】
本発明の別の実施形態は医療デバイスを作製する方法を含み、その方法は、医療デバイスを体内から除去する場合に、チューブ状カバーが長手方向の力をかけて裏返しになるように、医療デバイス上にチューブ状カバーを配置する工程を含む。1つの実施形態として、医療デバイスは植え込み可能な伝送リードを含む。別の実施形態としては、リードを体内から除去する場合に、チューブ状カバーが長手方向の力をかけて裏返しになるように、チューブ状カバーは伝送リード上に配置される。別の実施形態として、植え込み可能な 伝送リードは心臓用途のためである。さらに、別の実施形態としては、植え込み可能な伝送リードは神経系用途のためである。また、別の実施形態としては、チューブ状カバーはePTFEを含む。チューブ状カバーを植え込み可能な伝送リードに取り付ける方法は上記で述べた。
【0043】
本発明のチューブ状カバーとともに使用するための例示となる医療デバイスは、植え込み可能な伝送リードを含むが、裏返し可能なチューブ状カバーのコンセプトは、動物、例えば、人間の体内に長期間にわたって配置されて、そして体内から除去される留置デバイスに対して、同様に良好な適用を可能とする(そして、本発明の一部として意図される。)。例示として、医療デバイスは、リードジェネレーター、動静脈 (A-V)アクセスカテーテル、末梢から中心静脈まで挿入した(PICC)カテーテルライン、静脈栄養補給カテーテル、呼吸チューブ、栄養補給チューブ、植え込まれたセンシングデバイス、又は組織を取り込みやすく、非侵襲的な摘出の必要性がある任意の医療デバイスが挙げられる。
【0044】
本発明の次の実施形態は、任意の方法で本発明の範囲を限定する意図がない典型的な試験方法及び実施例によって更に述べられる。
【実施例】
【0045】
実施例
実施例で利用される試験方法
引き抜き力
【0046】
試験装置を図4に示す。
【0047】
2つのシリコーンストリップス600及び620は、3.8cm幅、34.3cm長、及び0.9cm厚みであるが、その2つのシリコーンストリップス600及び620を、シリコーン気泡ゴムのシート原料(パーツ#87485K75, McMaster Carr, Atlanta, GA)から切断した。1つのストリップ600を平面680に配置した。
【0048】
次に、マンドレル又は、マンドレルと、下記に述べられる実施例のポリマーチューブ610をストリップ600の上に配置した。第二のストリップ620を、マンドレル又はポリマーチューブ付きのマンドレルの上に配置した。
【0049】
4.45cm幅、34.29cm長及び2.54cm厚みであって、3.09kgの質量を有する、長方形のスチールブロック630を、1番上のシリコーンストリップ620の上に配置した。マンドレル610 の曲線状端部は、ストリップスの全長部を越えて延在して、フォースゲージ640(Ametek, Accuforce IIIモデル, Ametek Corp,Paoli,PA)のフック660に取り付けられた。フォースゲージを、Minarik Controller 650(Model No. WCG81596981, Minarik Corp., Glendale, CA)の取り付け板670に、ボルトで取り付けた。
【0050】
コントローラー条件は、横方向で毎分90cmのスピードで設定した。この方法で、長手方向の張力をマンドレルに適用した。マンドレルに完全にストリップスがない状態まで、裸のマンドレル又はポリマーチューブ付きのマンドレルをシリコーンストリップスの間で引っ張った。各々の引っ張った結果に対してピークの力を測定した。各々の試験を3回繰り返した。結果を平均化した。
【0051】
電気的透過率及び電解で生成されたガスの放出
試験装置を図8に示す。
【0052】
500mlのガラスビーカー500に、500mlの0.45%塩化ナトリウム(NaCI)溶液540を入れた。下記に述べる実施例4のカバーコイル510を、その溶液中に含浸した。
【0053】
不関電極520をその溶液に含浸して、図8に示すように、カバーコイルから50mmの位置550に配置した。不関電極520を、パルスジェネレーター530(Heartstart MRX, Philips Medical Systems, N.A., Bothell, WA)の正極に連結した。パルスジェネレーターに連結されたリード580のダブルクリップ580にコイル510の両方のルーズエンド570を取り付けることによって、カバーコイル510を負極に連結した。
【0054】
エネルギーレベルを変化させる電気パルスは、カバーコイルと不関電極との間で適用されて、インピーダンスを測定した。コイルカバーを試験装置から取り除いて、機械的な破砕に関する検査を視覚的に実施した。
【0055】
材料特性
材料厚みを、1.3cm径のフット(Model ID-C112E, Mitutoyo, Aurora, IL)を有するデジタル厚みゲージを用いて測定をした。5回の測定を実施して平均化した。材料の全長と幅とを金属定規を用いて測定した。5回の測定を実施して平均化した。
【0056】
材料の重さを、精密化学てんびん (model PM400, Mettler-Toledo, Inc, Columbus, OH)を用いて測定をした。最大荷重を、10kg荷重セルを備えた引っ張り試験機(Model 5564, Instron, Grove City, PA)を用いて測定をした。ゲージ長は2.5cmであり、クロスヘッドスピードは25mm/分であった。
【0057】
引張試験のサンプルは7.60cm x2.50cmであった。長手方向の引張試験の測定は、材料の長さ方向で実施されて、横方向の引張試験の測定は、全長方向に対して直交方向で実施された。長手方向及び横方向のマトリックスの引っ張り強度(MTS)を次の式を用いて計算をした。
【0058】
【数1】

【0059】
密度を、式、密度=質量/体積を用いて測定をした。3つの値の平均を記録した。
【0060】
材料の透過性を、2.5cmのオリフィス領域を備えたGurley Permeability機器(Model 4110, Teledyne Gurley, Troy Ml)を用いて測定をした。値を、6.45cm2サンプルを通って流れる300ccの空気に対して秒単位で記録した。3つのサンプル測定値の平均を用いた。
【0061】
3つのサンプルの材料の細孔の最大サイズは、圧力調整沸点試験装置(Model LC-APOK, Salt Lake City, UT)を用いてイソプロピルアルコールの沸点として測定をした。3つの値を平均して記録した。
【0062】
エタノールの沸点(EBP)は、エタノール飽和材料(例えば、ePTFE)を通過して空気を通すのに必要とされる最小圧力である。僅かに圧力を上げることは、様々な場所で泡の絶え間ない流れを作り出す。このように、測定は材料に孔を開ける作為によってバイアスされない。エタノール沸点は細孔サイズに反比例する。EBPが低いことは細孔が大きいことを示す。EBPは、空気が物品を通って流れる通路(path)の長さに依存しないとことが考えられる。言い換えれば、EBPは、受け入れ難いことではあるが、試験した物品のディメンションに依存しない細孔サイズの特性を提供する。下記のデータは、イソプロピル(エタノールではない)の沸点試験に基づくものである。
【0063】
比較例1-裸のマンドレル
図5を参照すると、35.60cm長であって、かつ、0.25cm径である、直線状の固体ステンレスのスチールマンドレル730(New England Precision Grinding, Holliston, MAから入手可能)を得た。0.25mm深さであって、かつ、1.15mm幅である溝(groove)710を、マンドレル730の1つの端部から4.73mmの地点の周りを切断して得た。マンドレルの面取りした面720を、マンドレル溝付きの端部で形成させた。図5に示されるように、マンドレルのもう1つの15mmにわたる端部をフック形状700に曲げた。
【0064】
上記で述べたように、2つのシリコーンストリップスからマンドレルを引き抜く力を測定した。表1に示されるように、ピークの力の平均は4.00kgであった。
【0065】
比較例2-マンドレルの曲線状端部に取り付けられた単一壁のチューブ
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料について次の特性を得た。厚み=0.0025ミクロン、幅=6.5cm、全長部=25.4cm、質量/面積=2.5g/m2、長手方向のMTS=558.5MPa、横方向のMTS=29.6MPa、Gurleyナンバー=2sec/6.45cm2/100cc、IPA沸点=0.23MPa。
【0066】
35.6cm長であって、かつ、0.25cm径である、直線状の固体ステンレスのスチールマンドレル(New England Precision Grinding, Holliston MAから入手可能)を得た。材料の全長方向がマンドレルの縦方向に配向するように、マンドレルの周囲に材料の6.5層分を巻き付けた。その結果として、単一の縦方向に配向したシームを得た。このような方法で、ePTFE材料の強度が大きい方向はマンドレルの縦軸方向に沿って配向した。343.30Cで設定されたはんだごて(Model Weller WESD51, Cooper Industries, Houston, Texas)をシームの全長に沿って通過させた。
【0067】
ePTFE付きのマンドレルを、7分間370℃まで設定された強制空気オーブン(Grieve Model NT1000, single Phase, Grieve Corp, Round Lake, IL)に配置し、その後オーブンから取り出して冷却した。結果として、ePTFEチューブを得た。チューブをマンドレルから取り除いた。
【0068】
比較例1で述べたように曲線状端部のマンドレルを得た。ePTFEチューブを、曲線状端部のマンドレルの溝付き端部上を滑らせた。少量のLoctite495の接着剤(Henkel Australia PTY. LTD., 1 Clyde St., Sliverwater NSW229, Australia)を、曲線状端部に近いチューブのエッジ部に適用した。0.32cm径の収縮性チューブ(Part no. HS-101, Insultab, 45 Industrial Parkway, Woburn MA)の1.0cm長の片をマンドレル上で滑らせて、接着剤が適用されるチューブエッジが覆われた。チューブをマンドレルに結合させることを促進するために、10秒間、211.6℃で収縮性チューブを加熱した。このことは、空気出力量が25立方フィート毎時間(SCFH)に設定されたサーマルボックス(Balloon Development Station #21 OA, Beahn Designs, Los Gatos, CA)を用いて実行された。接着剤を、0.5時間、室温条件下でキュアーさせた。
【0069】
上記で述べたように、2つのシリコーンストリップスからePTFE付きのマンドレルを引き抜く力を測定した。表1に示されるように、ピークの力の平均は3.72kgであった。
【0070】
実施例3-除去する場合に裏返しになる単一壁チューブ
ePTFEチューブを作製して、比較例2で述べられた曲線状端部のマンドレル上に配置した。
【0071】
図6Aを参照すると、縫合糸310(CV5, W. L. Gore and Assoc, Flagstaff, AZ)の1つのループを用いて、マンドレル730の溝(groove)710にePTFEチューブ330を取り付けて、小間結びで固定をした。結び目を溝に押し付けて外形(プロファイル)を最小化した。
【0072】
その後、ePTFEチューブ付きのマンドレルを上記で述べたように試験をした。
【0073】
この場合に、長手方向の力(図6Bの矢印によって示される)が適用されて、マンドレルを引き抜く場合に、曲線状の矢印320によって示されているように、チューブは裏返しになった。表1で示されるように、ピークの力の平均は1.23kgであった。
【0074】
実施例4-除去する場合に裏返しになる二重壁チューブ
長さ(50.8cm)の2倍で作製した以外は、比較例2で述べたような方法でePTFEチューブを作製した。
【0075】
図7Aを参照する。比較例1で述べたように、曲線状端部のマンドレル730を得た。比較例2で述べたように、チューブの一方の半分をマンドレル上に配置して、接着剤及び収縮性チューブを用いて曲線状端部に取り付けた。その後、マンドレル730の曲線状端部に向けて、チューブのもう一方の半分をチューブの最初の半分の上に戻しながら折り重ねて、図7A〜7Cに示されているように、マンドレル730の全長部上にチューブ材料の2層の400及び410を作り出した。また、図7A〜7Cに示されるように、収縮性チューブ450、第一チューブ端部430及び第二チューブ端部440が示されている。
【0076】
図7B及び7Cの直線状の矢印によって示されているように、その後、マンドレルを引き抜いた。マンドレルを引き抜いた場合に、曲線状の矢印460によって示されているように。チューブは裏返しになった。上記で述べたように、2つのシリコーンストリップスからePTFE付きのマンドレルを引き抜く力を測定した。表1に示されるように、ピークの力の平均は1.20kgであった。
【0077】
実施例5-除去する場合に裏返しになる単一壁チューブのHDPEチューブ
高密度ポリエチレン(HDPE)材料を、カンライナ(パーツ#HR171806C, Waverly Plastics, Waverly, IA)から得た。HDPEフイルム材料は6.5cm幅、25.4cm長及び0.006mm厚であった。比較例2で述べたように、直線状の固体ステンレススチールマンドレルに、HDPE材料フイルムを縦方向に巻き付けることによって、チューブを作製した。
【0078】
実施例との違いは、シームの結合がシリコーン接着剤(Adhesive Silicone Type A, Part no. MED1137, NuSiI Technology, Carpenteria, CA)の使用によって達成されるということだけである。接着剤を、一晩室温条件下でキュアーさせた。
【0079】
HDPEチューブをマンドレルから除去した。実施例3で述べたように、HDPEチューブを曲線状端部のマンドレルに取り付けてマンドレルに取り付けた。上記で述べたように、2つのシリコーンストリップスからHDPEチューブ付きのマンドレルを引き抜く力を測定した。HDPEチューブは引く抜く際裏返しになった。表1に示されるように、ピークの力の平均は1.12kgであった。
【0080】
【表1】

【0081】
実施例6-電気透過率及び電解で生成されたガスの放出
2.4mm径であって20.3cm長である、銀メッキの銅ロッド(rod)を得た(Phelps Dodge Industries, Co., Phoenix, AZ)。25%銀のコアと、ニッケル-コバルト-クロム-モリブテンの外層を有する、0.15mm径ワイヤ(MP 35N DFT, 25% Ag, Fort Wayne Metals, Fort Wayne, IN)でロッド(rod)の中心部分を巻き付けることによって、コイルを作製した。コイルは、ワイヤ間にギャップがない状態で巻き付けられた。結果として得られたコイルは6.3 mm長であった。約3.0cmのワイヤは巻き付けられていない状態で残して、コイル各々の端部において自由にさせた。
【0082】
比較例2で示された性能を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料を得た。その材料は、比較例2で述べられたようにコイルの周りに巻き付けられた。その材料は比較例2で述べられたように封印されたシームであった。ePTFE付きのロッド(rod)及びコイルのアセンブリを、10分間370℃まで設定された強制空気オーブン(Grieve Model NT1000, single Phase, Grieve Corp, Round Lake, IL)に配置し、その後オーブンから取り出して冷却した。
【0083】
銀メッキの銅ロッド(rod)の一方の端部を万力にクランプ締めして、もう一方の端部を万力のグリップセットに固定して長さ方向に引っ張った。これは、コイルの下のロッド(rod)の径を小さくして、コイルがロッド(rod)を滑るようにする。
【0084】
図8を参照する。その後、カバーコイル510を以下のように化学的処理をした。15分間、室温(約21℃)でイソプロピルアルコール (IPA)にカバーコイルを含浸した。その後、カバーコイルを、素早く2.0%ポリビニルアルコール (PVA)と脱イオン水の溶液に移して、70分間、室温で含浸させた。カバーコイルを、20分間、室温で、脱イオン水中でリンスして、その後、50分間、室温で、2%グルタルアルデヒド、1%塩酸 (HCL)及び脱イオン水の溶液に含浸させた。カバーコイルを、2時間、室温で、脱イオン化水でリンスして。その後、外気で乾燥させた。その後、カバーコイルを、図8に示されるように試験装置に配置して、1分間含浸させた。リード580を経由してパルスジェネレーター530に、各々の端部570のルースワイヤを取り付けた。
【0085】
パルスジェネレーターが、30Jの電気パルスを出すように設定されて、カバーコイルと不関電極との間でパルスが出された。これを、30-40秒間隔で3回繰り返した。その後、パルスジェネレーターを次の条件で設定をした。50J及びパルス間隔50秒、70J及びパルス間隔18秒、100J及びパルス間隔11秒、150J及びパルス間隔15秒、150J及びパルス間隔18秒。
【0086】
各々のパルス中にカバーコイルの全長部から放出されたガスの微小気泡の電気分解の可視的な検出と、各々のパルスが26.2-27.7オーム間の狭い範囲で維持している場合の測定インピーダンスとによって証明されているように、試験装置のカバーコイルの電気的な連続性は、試験の継続時間中保持された。
【0087】
カバーコイルを試験装置から取り除き、乾燥させて、3Oxの実体顕微鏡を用いて検査をした。コイルのカバーには機械的な破砕 (裂け又はホール)は見つからなかった。機械的なコイルの損傷も観察されなかった。
【0088】
当該技術分野の当業者にとって、本発明の精神及び範囲を逸脱しないで、本発明の改良例及び変形例は当然なされるものである。したがって、添付の特許請求の範囲及び同等の記述の範囲内であれば、この発明の改良例及び変形例を本発明は網羅することは意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全長部と、遠位端部と、近位端部と、縦軸と、外面と、長手方向の軸とを有する植え込み可能なリード、及び
該植え込み可能なリードの該外面の実質的な部分上に配置されるチューブ状カバー、
を含む医療デバイスであって、
該チューブ状カバーが、植え込みに続いて、該植え込み可能なリードに長手方向の力をかけて裏返しになるように構成される、医療デバイス。
【請求項2】
前記植え込み可能なリードが治療用又は診断用リードである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記植え込み可能なリードが伝送リードである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記植え込み可能な伝送リードが心臓の用途である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記植え込み可能な伝送リードが神経系の用途である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記チューブ状カバーがePTFEを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ePTFEが少なくとも1つの添加剤を含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記添加剤が潤滑剤である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記添加剤が、前記チューブ状カバーの全域にわたって電気エネルギーを伝導することを促進する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記添加剤が生物活性反応を引き起こす、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記生物活性反応が、抗炎症反応、抗微生物反応及び抗増殖反応から成る群から選ばれる、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記チューブ状カバーが組織内方成長度及び/又は接着度を調節する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項13】
前記チューブ状カバーが組織内方成長及び/又は接着に耐性がある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記チューブ状カバーがエネルギーの移動を可能とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記エネルギーが電気エネルギーである、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記カバーが湿潤化で電気的に透過性である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記チューブ状カバーが電気分解によって生成されるガスの移動を可能とする、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記チューブ状カバーが植え込み可能なリードの少なくとも遠位端部で該リードに取り付けられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
植え込み可能なリードのためのチューブ状カバーであって、該チューブ状カバーが、植え込み可能なリードの外面の実質的な部分上に配置可能であるチューブ状カバーになるように構成される材料を含み、植え込みに続いて、植え込み可能なリードに長手方向の力をかけて裏返しになる、チューブ状カバー。
【請求項20】
前記材料がePTFEである、請求項19に記載のチューブ状カバー。
【請求項21】
前記ePTFEが少なくとも1つの添加剤を含む、請求項19に記載のチューブ状カバー。
【請求項22】
前記添加剤が潤滑剤である、請求項21に記載のチューブ状カバー。
【請求項23】
前記添加剤が、前記チューブ状カバーの全域にわたって電気エネルギーを伝導することを促進する、請求項21に記載のチューブ状カバー。
【請求項24】
前記チューブ状カバーの一部分しか添加剤を含まない、請求項21に記載のチューブ状カバー。
【請求項25】
前記添加剤が生物活性反応を引き起こす、請求項21に記載のチューブ状カバー。
【請求項26】
前記生物活性反応が、抗炎症反応、抗微生物反応及び抗増殖反応から成る群から選ばれる、請求項25に記載のチューブ状カバー。
【請求項27】
前記チューブ状カバーが組織内方成長度及び/又は接着度を調節する、請求項20に記載のチューブ状カバー。
【請求項28】
前記チューブ状カバーが組織内方成長及び/又は接着に耐性がある、請求項19に記載のチューブ状カバー。
【請求項29】
前記チューブ状カバーがエネルギーの移動を可能とする、請求項19に記載のチューブ状カバー。
【請求項30】
前記エネルギーが電気エネルギーである、請求項29に記載のチューブ状カバー。
【請求項31】
前記カバーが湿潤化で電気的に透過性である、請求項30に記載のチューブ状カバー。
【請求項32】
前記チューブ状カバーが電気分解によって生成されるガスの移動を可能とする、請求項30に記載のチューブ状カバー。
【請求項33】
植え込み可能なリードに取り付けるための手段を更に含む、請求項19に記載のチューブ状カバー。
【請求項34】
植え込み可能なリードを含む医療デバイスを作製する方法であって、チューブ状カバーが植え込み可能な伝送リードに長手方向の力をかけて裏返しになるように、 該方法が該植え込み可能なリード上に該チューブ状カバーを配置する工程を含む、医療デバイスを作製する方法。
【請求項35】
前記植え込み可能な伝送リードが心臓の用途である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記植え込み可能な伝送リードが神経系の用途である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記チューブ状カバーがePTFEを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記ePTFEが少なくとも1つの添加剤を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記添加剤が潤滑剤である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記添加剤が、前記チューブ状カバーの全域にわたって電気エネルギーを伝導することを促進する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記チューブ状カバーの一部分しか添加剤を含まない、請求項38に記載のチューブ状カバー。
【請求項42】
前記添加剤が生物活性反応を引き起こす、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記生物活性反応が、抗炎症反応、抗微生物反応及び抗増殖反応から成る群から選ばれる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記チューブ状カバーが組織内方成長度及び/又は接着度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記チューブ状カバーが組織内方成長及び/又は接着に耐性がある、請求項34に記載の方法。
【請求項46】
医療デバイスを除去する方法であって、該方法が、該医療デバイスに長手方向の摘出力を加える工程を含み、該医療デバイスが摘出の際に裏返しになるチューブ状カバーを含む、方法。
【請求項47】
医療デバイスが植え込み可能なリードを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記植え込み可能なリードが心臓の用途である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記植え込み可能なリードが神経系の用途である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記チューブ状カバーがePTFEを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記方法が、前記医療デバイスから前記裏返し可能なチューブ状カバーを別個独立に分離する工程を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
前記方法が、二重壁構造の前記チューブ状カバーの層を別個独立に分離する工程を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
チューブ状カバーを含む医療デバイスであって、該チューブ状カバーが、植え込みに続いて、該医療デバイスに長手方向の力をかけて裏返しになるように構成される、医療デバイス。
【請求項54】
該医療デバイスが、長期間、動物に植え込まれる、請求項53に記載の医療デバイス。
【請求項55】
該医療デバイスが組織を取り込む傾向がある、請求項54に記載の医療デバイス。
【請求項56】
前記医療デバイスが、リードジェネレーター、動静脈(A-V)アクセスカテーテル、末梢から中心静脈まで挿入したカテーテルライン(PICC)、静脈栄養補給カテーテル、呼吸チューブ及び植え込まれたセンシングデバイスから成る群から選ばれる、請求項53に記載の医療デバイス。
【請求項57】
前記チューブ状カバーがePTFEを含む、請求項53に記載のデバイス。
【請求項58】
前記ePTFEが少なくとも1つの添加剤を含む、請求項57に記載のデバイス。
【請求項59】
前記添加剤が潤滑剤である、請求項58に記載のデバイス。
【請求項60】
前記チューブ状カバーの一部分しか添加剤を含まない、請求項58に記載のデバイス。
【請求項61】
前記添加剤が生物活性反応を引き起こす、請求項58に記載のデバイス。
【請求項62】
前記生物活性反応が、抗炎症反応、抗微生物反応及び抗増殖反応から成る群から選ばれる、請求項61に記載のデバイス。
【請求項63】
前記チューブ状カバーが組織内方成長度及び/又は接着度を調節する、請求項57に記載のデバイス。
【請求項64】
前記チューブ状カバーが組織内方成長及び/又は接着に耐性がある、請求項53に記載のデバイス。
【請求項65】
前記チューブ状カバーがエネルギーの移動を可能とする、請求項56に記載のデバイス。
【請求項66】
前記エネルギーが電気エネルギーである、請求項65に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2012−519539(P2012−519539A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552944(P2011−552944)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/000662
【国際公開番号】WO2010/101645
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】