説明

非接触スイッチ

【課題】部品点数を削減して組立性を高めることができる非接触スイッチを提供すること。
【解決手段】バイアス磁界を発生するバイアス磁石4と、該バイアス磁石4が発生するバイアス磁界内に配置されてバイアス磁界の変化を電気信号に変換するホール素子(半導体磁気素子)3と、該ホール素子3が電気的に接続される基板5と、該基板5が電気的に接続されるターミナル9,11を備え、磁性体から成る被検出物の接近に伴う前記バイアス磁界の変化を検出して電気信号を前記基板5を経て前記ターミナル11から出力する非接触スイッチ1において、前記ホール素子3と前記バイアス磁石4及び前記基板5を樹脂製の保持部材6によって保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体から成る被検出物の位置をバイアス磁界の変化によって検出する非接触スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のトランスミッションのニュートラル位置とバック位置を検出するための位置検出スイッチとして有接点の機械式スイッチが知られているが、この機械式スイッチでは操作感が重くなり、耐久回数に制限がある等の問題がある。
【0003】
そこで、磁性体から成る被検出物の位置をバイアス磁界の変化によって検出する無接点の非接触スイッチを用いることが考えられる。尚、特許文献1には、ホール効果を応用して回転体の回転を非接触で検出する回転検出装置が開示されている。
【0004】
非接触スイッチによる被検出物の検出方法として、固定したバイアス磁石が発生するバイアス磁界内に、ホール電圧を検出するホール素子や抵抗変化を検出する磁気抵抗素子等の半導体磁気素子を配置し、磁性体である被検出物の接近によってバイアス磁界に生じた変化を半導体磁気素子によって検出する方法がある。
【0005】
斯かる検出方法を用いた非接触スイッチに関して、例えば特許文献1には、半導体磁気素子(ホールIC)とバイアス磁石を樹脂モールドする構成が開示されている。
【0006】
又、特許文献2には、磁気抵抗素子と被検出物(磁性体ロータ)との間のエアギャップの管理を容易化するために、外部端子(ターミナル)に折曲部を形成し、磁気抵抗素子を保持する素子保持部材(モールド材)を外部端子の前記折曲部によってバイアス磁石の貫通孔を通して被検出物に向けて付勢し、該素子保持部材の先端を非磁性材料より成るキャップに当接させる構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−338850号公報
【特許文献2】特許第3170916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されているように半導体磁気素子とバイアス磁石を樹脂モールドすると、半導体磁気素子とバイアス磁石との位置調整が難しい他、電子部品を実装した基板を配設していないために半導体磁気素子からの電気信号をスイッチ以外で増幅する必要があるという問題がある。
【0009】
又、特許文献2において提案された構成では、部品の組み立てが容易でなく、外部端子に折曲部を形成する必要がある等の問題がある。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、部品点数を削減して組立性を高めることができる非接触スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、バイアス磁界を発生するバイアス磁石と、該バイアス磁石が発生するバイアス磁界内に配置されてバイアス磁界の変化を電気信号に変換する半導体磁気素子と、該半導体磁気素子が電気的に接続される基板と、該基板が電気的に接続されるターミナルを備え、磁性体から成る被検出物の接近に伴う前記バイアス磁界の変化を検出して電気信号を前記基板を経て前記ターミナルから出力する非接触スイッチにおいて、
前記半導体磁気素子と前記バイアス磁石及び前記基板を樹脂製の保持部材によって保持したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記保持部材に、前記バイアス磁石を位置決めする磁石位置決め部と、前記半導体磁気素子を位置決めする素子位置決め部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記バイアス磁石の前記半導体磁気素子と対向する前面に凹部を形成し、該凹部に前記保持部材の前記磁石位置決め部を嵌合させるとともに、前記保持部材の前記素子位置決め部を、前記保持部材に組み付けられた前記バイアス磁石の前記凹部の内部に配設したことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記保持部材に、前記ターミナルを一体的に保持する樹脂製のターミナルベースを係止する係止部を形成するとともに、該係止部に係止された前記ターミナルベースの前記ターミナルに前記基板が電気的に接続される前記保持部材の位置に、前記基板を位置決めする基板位置決め部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、半導体磁気素子とバイアス磁石及び基板を保持する保持部材を単一の部品で構成したため、部品点数を削減して組立性を高めることができる。又、保持部材は樹脂製であるため、複雑な構造であっても容易に成形することができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、保持部材に磁石位置決め部と素子位置決め部を設けたため、これらの磁石位置決め部と素子位置決め部によってバイアス磁石と半導体磁気素子とを保持部材に対して正確に位置決めされ、両者の煩雑な位置調整作業が不要となって組立性が高められる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、保持部材の磁石位置決め部をバイアス磁石の凹部に嵌合させるとともに、バイアス磁石が保持部材に組み付いた状態で素子位置決め部がバイアス磁石の凹部の内部に配設されるよう構成したため、バイアス磁石を半導体磁気素子に対してより正確に位置決めした状態で確実に固定することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、半導体磁気素子とバイアス磁石及び基板がサブ組みされた保持部材の係止部にターミナルベースを係止させることによって両者が容易に組み立てられる。又、保持部材とターミナルベースが組み付けられると、保持部材の基板位置決め部によって位置決めされた基板とターミナルとが電気的に確実に接続されるため、組立作業性が高められて組立工数が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る非接触スイッチの分解斜視図である。
【図2】本発明に係る非接触スイッチの平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】本発明に係る非接触スイッチの保持部材の平面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【図7】本発明に係る非接触スイッチの保持部材の底面図である。
【図8】本発明に係る非接触スイッチのバイアス磁石の平面図である。
【図9】(a)〜(e)は本発明に係る非接触スイッチに使用されるバイアス磁石の種々の形態を示す平面図である。
【図10】本発明に係る非接触スイッチの検出原理を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基
づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る非接触スイッチの分解斜視図、図2は同非接触スイッチの平面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図3のB−B線断面図、図5は保持部材の平面図、図6は図5のC−C線断面図、図7は同保持部材の底面図、図8はバイアス磁石の平面図である。
【0022】
本発明に係る非接触スイッチ1は、図3及び図4に示すように、スイッチボディ2内に、半導体磁気素子であるホール素子3とその背面側に配されたバイアス磁石4及び基板5を保持する保持部材6を収容するとともに、ターミナルベース7の一部をスイッチボディ2の後端開口部から嵌め込んで固定することによって構成されている。尚、非接触スイッチ1においては、図2〜図4の左方を前方、右方を後方とする。
【0023】
上記スイッチボディ2は、亜鉛ダイキャスト等によって六角ナット状に一体成形されており、その一端部には、当該非接触スイッチ1を車両に取り付けるためのネジ状の車両固定部2aが形成されている。又、スイッチボディ2の前面側内部には有底筒状の樹脂製のキャップ8がインサート成形によって一体に装着されている。そして、スイッチボディ2の前端開口部はキャップ8によって閉塞されている。このようにスイッチボディ2のホール素子3と対向する前端開口部をキャップ8によって閉塞することによって、スイッチボディ2内への水や粉塵等の侵入が防がれるとともに、バイアス磁石4が発生するバイアス磁界がスイッチボディ2によって遮られることがない。又、金属製のスイッチボディ2の内部に樹脂製のキャップ8をインサート成形によって装着したため、組立工数を削減することができる。
【0024】
前記保持部材6は、保持部6Aと該保持部6Aから後方に向かって二股状に延びる左右一対のアーム部6Bとで構成されており、保持部6Aの前端部には多角柱状のブロック体である磁石位置決め部6aが形成されており、この磁石位置決め部6aの前端面には矩形凹状の素子位置決め部6bが形成されている。
【0025】
又、保持部材6の保持部6Aには、下方と両側部が開口する磁石収容部6cが形成されており、図1に示すように、保持部6Aとアーム部6Bとを連結する円形の縦壁6dの下部には横方向に長い矩形の貫通孔6eが形成されている。そして、図6及び図7に示すように、保持部材6の磁石位置決め部6aの下面には左右一対の圧入ピン6fと係合爪6gが下方に向かって一体に突設されている。
【0026】
更に、保持部材6の左右のアーム部6Bの内側面前端部には図5及び図7に示すように基板位置決め部6hが形成されており、両アーム部6Bの外側部には図7に示すように係止爪6iがそれぞれ形成されている。尚、後述のように左右の係止爪6iは、ターミナルベース7を係止するための係止部を構成している。
【0027】
図1に示すように、前記ホール素子3からは3本のターミナル9が導出しているが、これらのターミナル9は、ホール素子3から下方に延びた後に後方に向かって直角に折り曲げられている。尚、保持部材6には、ターミナルベース7の3本のターミナル11に基板5が電気的に接続される位置に前記基板位置決め部6hが形成されている。
【0028】
又、前記バイアス磁石4はバイアス磁界を発生する磁石であって、そのホール素子3と対向する前面には保持部材6の磁石位置決め部6aの外形形状に沿った凹部4Aが形成されている。ここで、図8に示すように、バイアス磁石4に形成された凹部4Aの相対向する内壁面の底面に近い部分はテーパ面4aとされている。尚、バイアス磁石4に形成される凹部4Aの形状には図9(a)〜(e)に示すようなものを採用することができる。即ち、図9(a)に示す矩形状の溝のコーナー部に円弧状曲面を形成したもの、図9(b)に示す長円形のもの、図9(c)に示す半円状のもの、図9(d)に示す多角形状のもの、図9(e)に示す三角状のもの等を採用することができる。
【0029】
而して、ホール素子3は、図3及び図4に示すように保持部材6の磁石位置決め部6aの前面に形成された前記素子位置決め部6bに嵌め込まれ、このホール素子3から延びる3本のターミナル9は、保持部材6の縦壁6dに形成された前記貫通孔6eを通過してその後方へと延びている。
【0030】
又、バイアス磁石4は、その凹部4Aを保持部材6の磁石位置決め部6aに嵌合させた状態で保持部材6の磁石収容部6cに下方から嵌め込まれ、下面の凹部4A周縁に保持部材6の磁石位置決め部6aに形成された係合爪6gを係合させることによって保持部材6に仮保持される。そして、このバイアス磁石4は、ホール素子3と共に図1に示すリッド10によって保持部材6に保持される。ここで、図1に示すように、リッド10の幅方向中央にはホール素子3から延びる3本のターミナル9を通すための凹溝10aが形成されており、該リッド10の前端部の左右には圧入溝10bが形成され、後端部の左右には係合突起10cが後方に向かって一体に突設されている。又、バイアス磁石4が保持部材6に組み付いた状態において、素子位置決め部6bは図4に示すようにバイアス磁石4の凹部4Aの内部に配設されている。
【0031】
而して、リッド10は、その後端部の左右に突設された係合突起10cを保持部材6の縦壁6dに形成された貫通孔6e(図1参照)に嵌め込み、前端部の左右に形成された圧入溝10bに保持部材6の磁石位置決め部6aに突設された左右2本の圧入ピン6fを圧入することによって図3に示すように保持部材6の保持部6Aの下部に磁石収容部6cを下方から覆うように取り付けられ、このリッド10によってホール素子3とバイアス磁石4が保持部材6に保持されて保持部材6からの脱落が防がれる。
【0032】
又、図3及び図4に示すように、保持部材6に形成された基板位置決め部6hには前記基板5が垂直に取り付けられるが、この基板5の下部に横方向に形成された3つの貫通孔5a(図1参照)にはホール素子3から延びる3本のターミナル9が貫通して基板5と電気的に接続されている。尚、図1に示すように、基板5の上部には横方向に3つの貫通孔5bが形成されており、基板5が保持部材6の基板位置決め部6hに位置決めされて取り付けられると、該基板の各貫通孔5bに各ターミナル11が貫通して両者が電気的に接続される。
【0033】
ところで、実際の組み付けにおいては、以上のようにホール素子3とバイアス磁石4及び基板5が組み付けられた保持部材6がターミナルベース7に嵌め込まれ、その後、ターミナルベース7が保持部材6と共にスイッチボディ2に嵌め込まれてかしめ固定される。
【0034】
而して、本実施の形態では、バイアス磁石4のホール素子3と対向する前面に凹部4Aを形成したため、保持部材6の素子位置決め部6bはバイアス磁石4の前面よりも内側の凹部4A内に配設されることとなり、この素子位置決め部6bに取り付けられたホール素子3は、バイアス磁石4と離間するように保持されている。
【0035】
前記ターミナルベース7は、矩形筒状のカプラ部7Aが一体に形成されており、このカプラ部7Aの前端部には、スイッチボディ2の内周部に嵌合するフランジ部7Bが一体に形成されている。又、図1に示すように、ターミナルベース7の先端部の左右両側部には周方向に長い係止孔7aが形成されている。そして、このターミナルベース7内には、基板5が発する電気信号を外部機器に出力するための左右3本のターミナル11が設けられている。ここで、各ターミナル11はクランク状に屈曲した状態でターミナルベース7に収容されており、各ターミナル11の一端は、基板5の上部に横方向に形成された3つの前記貫通孔5b(図1参照)に差し込まれて基板5と電気的に接続されている。又、ターミナル11の他端は、ターミナルベース7のカプラ部7A内へと突出している。
【0036】
而して、ターミナルベース7は、図3及び図4に示すように、そのフランジ部7Bがスイッチボディ2内に後端開口部から嵌め込まれ、スイッチボディ2の後端周縁部がかしめられることによってスイッチボディ2に固定される。
【0037】
次に、以上のように構成された非接触スイッチ1による被検出物12の検出原理を図10に示す模式図に基づいて以下に説明する。
【0038】
本発明に係る非接触スイッチ1においては、バイアス磁石4のホール素子3と対向する前面に凹部4Aを形成し、この凹部4A内にホール素子3をバイアス磁石4の前面から突出しないよう配置したため、バイアス磁石4の前面はホール素子3の背面から該ホール素子3の厚さ距離分bだけ前方に突出するとともに、ホール素子3の後方には図示の距離分aのスペースが形成される。
【0039】
ところで、ホール素子3にはバイアス磁石4によってバイアス磁界が印加されており、バイアス磁石4が発生するバイアス磁界内に配置されたホール素子3は、磁性体から成る被検出物12が図10に実線にて示すように離れているときと鎖線にて示すように接近したときのバイアス磁界の変化を検出し、検出された磁束密度と予め設定された磁束密度の閾値とを比較してON/OFFのスイッチング動作を行う。
【0040】
而して、本実施の形態では、保持部材6の素子位置決め部6bによってホール素子3がバイアス磁石4と離間するよう保持され、両者の間に図10に示すように一定の距離aが確保されるようにしたため、被検出物12が接近していない図10に示す状態でホール素子3に印加されるバイアス磁界の磁束密度を低減させることができる。このため、被検出物12が図10に実線にて示すように離れたときと鎖線にて示すように接近したときにホール素子3に印加される磁束密度の差が顕著となり、当該非接触スイッチ1のスイッチングのための磁束密度の閾値を容易に設定することができる。
【0041】
そして、本発明に係る非接触スイッチ1においては、保持部材6の素子位置決め部6bをバイアス磁石4の前面よりも内側の凹部4A内に配設したため、従来と比較して、ホール素子3の厚さ距離分bだけ被検出物12をバイアス磁石4に近づけることができる。このため、被検出物12が図10に鎖線にて示すように接近した際にホール素子3に印加される磁束密度をより大きくすることができ、被検出物12が図10に実線にて示すようにホール素子3から離れている状態と鎖線にて示すように接近した状態においてホール素子3に印加される磁束密度の差が顕著となり、このことによっても当該非接触スイッチ1のスイッチングのための磁束密度の閾値の設定が容易となる。
【0042】
又、本実施の形態では、図8に示すようにバイアス磁石4のホール素子3と対向する前面に形成された凹部4Aの内壁面をテーパ面4aとしたため、磁束密度が同強度のエリアがバイアス磁石4の前面に対して平行に分布する。このため、バイアス磁石4に対するホール素子3の位置がラジアル方向(非接触スイッチ1の長手軸方向をZ軸とするとXY軸方向)に多少ばらついても磁界成分に大きな変化がなく、ホール素子3に高い取付精度が求められないために該ホール素子3の組付性が高められる。
【0043】
以上において、本発明に係る非接触スイッチ1によれば、ホール素子3とバイアス磁石4及び基板5を保持する保持部材6を単一の部品で構成したため、部品点数を削減して組立性を高めることができる。そして、保持部材6は樹脂製であるため、複雑な構造であっても容易に成形することができる。
【0044】
又、本発明に係る非接触スイッチ1においては、保持部材6に磁石位置決め部6aと素子位置決め部6bを設けたため、これらの磁石位置決め部6aと素子位置決め部6bによってバイアス磁石4とホール素子3とを保持部材6に対して正確に位置決めされ、両者の煩雑な位置調整作業が不要となって組立性が高められる。
【0045】
更に、本発明に係る非接触スイッチ1によれば、保持部材6の磁石位置決め部6aをバイアス磁石4の凹部4Aに嵌合させるとともに、バイアス磁石4が保持部材6に組み付いた状態で素子位置決め部6bがバイアス磁石4の凹部4Aの内部に配設されるよう構成したため、バイアス磁石4をホール素子3に対してより正確に位置決めした状態で確実に固定することができる。
【0046】
又、本発明に係る非接触スイッチ1によれば、ホール素子3とバイアス磁石4及び基板5がサブ組みされた保持部材6の係止爪6iとターミナルベース7の係止孔7aとを係合係止させることによって両者を容易に組み立てることができる。そして、保持部材6とターミナルベース7が組み付けられると、保持部材6の基板位置決め部6hによって位置決めされた基板5とターミナル9,11とが電気的に確実に接続されるため、組立作業性が高められて組立工数が削減されるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0047】
1 非接触スイッチ
2 スイッチボディ
2a スイッチボディの車両固定部
3 ホール素子(半導体磁気素子)
4 バイアス磁石
4A バイアス磁石の凹部
4a バイアス磁石の凹部のテーパ面
5 基板
5a,5b 基板の貫通孔
6 保持部材
6A 保持部材の保持部
6B 保持部材のアーム部
6a 保持部材の磁石位置決め部
6b 保持部材の素子位置決め部
6c 保持部材の磁石収容部
6d 保持部材の縦壁
6e 保持部材の貫通孔
6f 保持部材の圧入ピン
6g 保持部材の係合爪
6h 保持部材の基板位置決め部
6i 保持部材の係止爪(係止部)
7 ターミナルベース
7A ターミナルベースのカプラ部
7B ターミナルベースのフランジ部
7a ターミナルベースの係止孔
8 キャップ
9 ターミナル
10 リッド
10a リッドの凹溝
10b リッドの圧入溝
10c リッドの係合突起
11 ターミナル
12 被検出物
13 磁性体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアス磁界を発生するバイアス磁石と、該バイアス磁石が発生するバイアス磁界内に配置されてバイアス磁界の変化を電気信号に変換する半導体磁気素子と、該半導体磁気素子が電気的に接続される基板と、該基板が電気的に接続されるターミナルを備え、磁性体から成る被検出物の接近に伴う前記バイアス磁界の変化を検出して電気信号を前記基板を経て前記ターミナルから出力する非接触スイッチにおいて、
前記半導体磁気素子と前記バイアス磁石及び前記基板を樹脂製の保持部材によって保持したことを特徴とする非接触スイッチ。
【請求項2】
前記保持部材に、前記バイアス磁石を位置決めする磁石位置決め部と、前記半導体磁気素子を位置決めする素子位置決め部を設けたことを特徴とする請求項1記載の非接触スイッチ。
【請求項3】
前記バイアス磁石の前記半導体磁気素子と対向する前面に凹部を形成し、該凹部に前記保持部材の前記磁石位置決め部を嵌合させるとともに、前記保持部材の前記素子位置決め部を、前記保持部材に組み付けられた前記バイアス磁石の前記凹部の内部に配設したことを特徴とする請求項2記載の非接触スイッチ。
【請求項4】
前記保持部材に、前記ターミナルを一体的に保持する樹脂製のターミナルベースを係止する係止部を形成するとともに、該係止部に係止された前記ターミナルベースの前記ターミナルに前記基板が電気的に接続される前記保持部材の位置に、前記基板を位置決めする基板位置決め部を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の非接触スイッチ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate