説明

非接触光書き込み消去装置及びその方法

【課題】消去バー等の消去装置を別途設ける必要がなく、かつレーザビームをデフォーカスさせる等の記録時と消去時とにおける動作条件を大幅に変更することがなく、消去の性能を十分に得ること。
【解決手段】感熱記録媒体1上に書き込まれている情報を消去する時、レーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下でレーザビームLの走査スピードを速くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置を直接接触することなく非接触で情報の書き込み、消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を用いる非接触光書き込み消去装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱書き込み方式がある。特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等がある。感熱記録紙は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置により加熱されて発色、消色される。このような感熱記録紙に対する記録方式には、例えばサーマルヘッド等の記録ヘッドを直接感熱記録紙に接触させる方式がある。
【0003】
一方、感熱記録紙を用いた情報書き込みの技術には、例えば特許文献1、2がある。特許文献1は、可逆性の感熱材料を非接触で顕色、消色する方法に関し、基板上に、赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収層と感熱記録層とを順次積層した情報記録媒体を開示する。このうち感熱記録層は、感熱発色層又は金属薄膜層から成る。この感熱記録層は、赤外線吸収層の熱によって発色又は変色或いは溶融して除去される。又、特許文献1は、赤外線レーザの照射により赤外線吸収層を発熱させ、この熱により感熱記録層を発色又は変色或いは溶融して除去させる記録方法を開示する。
【0004】
この特許文献1は、赤外線レーザを出力する光源として高出力のレーザが必要である。このため、特許文献1において小型で比較的安価な半導体レーザを適用としても、この半導体レーザでは、数Wクラスが限界で、ライン型のサーマルヘッドクラスの記録スピードを実現できないのが現実である。数十W以上の出力を有する例えばYAGレーザ等を用いる方法がある。しかしながら、YAGレーザ等を用いると、半導体レーザに比べて高価でかつ装置が大型化する。
【0005】
特許文献2は、ヒートモード記録材料に画像記録(書き込み)を行うレーザビーム記録装置に関し、pn接合面に対して垂直方向に広がった断面楕円形状のレーザビームを射出する第1及び第2の半導体レーザと、これら半導体レーザから射出されたレーザビームを合成する偏向ビームスプリッタと、この偏向ビームスプリッタによって合成されたレーザビームを走査する走査光学系とを備える。この特許文献2は、第1の半導体レーザから射出されたレーザビームと第2の半導体レーザから射出されたレーザビームとを合成し、この合成したレーザビームの中心が何れか一方のレーザビームの断面形状における長軸方向の一端側にずれるように半導体レーザを配置する。そして、特許文献2は、何れか一方のレーザビームの断面形状における長軸方向に沿い、かつ合成したレーザビームの中心が進行方向に沿って後方側に位置する状態で、走査光学系によって主走査することを開示する。
【0006】
一方、感熱記録紙に書き込まれた情報を消去する消去装置がある。この消去装置としては、例えばサーマルヘッドのようなライン状の発熱体(消去バーとも称する)を用いる方法や、レーザ書込み型の印字装置を消去にも併用する方法もある。レーザ書込み型の印字装置を消去にも併用する方法は、例えば2次元ベクトルスキャン方式で主に採用されている。このレーザ書込み型の印字装置では、感熱記録紙上に照射するレーザビームの位置を書き込み時と消去時とで変え、かつレーザビームを感熱記録紙上にデフォーカスさせて大きくし、掃きムラや書き込み時と消去時とにおけるレーザビームの位置誤差を吸収する方法が採用されている。
【特許文献1】特許第3266922号公報
【特許文献2】特許第2561098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
感熱記録紙に書き込まれた情報を消去する技術に注目した場合、サーマルヘッド等の記録ヘッドや消去装置としての消去バーを直接感熱記録紙に接触させる方式では、記録ヘッドや消去バーを直接感熱記録紙に接触させるために、例えば、記録ヘッドや消去バーの磨耗、汚れ等が生じ易い。さらに、感熱記録紙の印字面が擦れて汚れる。付着物によるショートや過剰な電力供給等による記録ヘッドや消去バーの寿命が縮まる。記録ヘッドや消去バーに対する感熱記録紙のそのもの接触による傷や磨耗等に起因する寿命の短縮を招く。
【0008】
レーザ書込み型の印字装置を消去にも併用する方法では、感熱記録紙上に照射するレーザビームの位置を書き込み時と消去時とで変え、かつレーザビームを感熱記録紙上にデフォーカスさせてレーザビームの照射領域を大きくし、消去する領域を広げている。これにより、掃きムラや書き込み時と消去時とにおけるレーザビームの位置誤差を吸収している。この消去方法は、例えば2次元ベクトルスキャン方式で書き込まれた情報を同ベクトルスキャン方式によって消去する場合、感熱記録紙上の記録位置を2次元的に正確に合わせ込むことが困難であることから用いられる。このような消去方法において、レーザビームをデフォーカスさせてその照射領域大きくする手法としては、例えば感熱記録紙又は書き込み/消去機構を移動させてレーザビームの光路長を変えることにより行っている。このため、感熱記録紙又は書き込み/消去機構を移動させるための機構が複雑化し、かつこの機構の複雑化の割には、消去の性能が書き込み時と消去時とにおけるレーザビームの位置誤差等によって十分に得られるものでなかった。
【0009】
本発明の目的は、消去バー等の消去装置を別途設ける必要がなく、かつレーザビームをデフォーカスさせる等の書き込み時と消去時とにおける動作条件を大幅に変更することがなく、消去の性能を十分に得ることができる非接触光書き込み消去装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主要な局面に係る非接触光書き込み消去装置は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体を搬送すると共に、当該搬送されている感熱記録媒体上にレーザビームをスキャンして感熱記録媒体上に情報の書き込みを行う非接触光書き込み消去装置において、感熱記録媒体上に記録されている情報の消去時、感熱記録媒体上にスキャンするレーザビームの走査スピードを書き込み時におけるレーザビームの走査スピードよりも速く設定し、レーザビームを感熱記録媒体上にスキャンしたときのエネルギー密度を感熱記録媒体を消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度に制御する消去制御部を具備する。
【0011】
本発明の他の主要な局面に係る非接触光書き込み消去方法は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体を搬送すると共に、当該搬送されている感熱記録媒体上にレーザビームをスキャンして感熱記録媒体上に情報の書き込みを行う非接触光書き込み消去方法において、感熱記録媒体上に書き込まれている情報の消去時、感熱記録媒体上にスキャンするレーザビームの走査スピードを書き込み時におけるレーザビームの走査スピードよりも速く設定し、レーザビームを感熱記録媒体上にスキャンしたときのエネルギー密度を感熱記録媒体を消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度に制御する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、消去バー等の消去装置を別途設ける必要がなく、かつレーザビームをデフォーカスさせる等の書き込み時と消去時とにおける動作条件を大幅に変更することがなく、消去の性能を十分に得ることができる非接触光書き込み消去装置及びその方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は非接触光書き込み消去装置の構成図を示す。本装置は、感熱記録媒体1に照射するレーザビームを出射するレーザ光源として半導体レーザ(LD)2を備える。この半導体レーザ2は、近赤外領域、例えば750nm〜1000nmに発光波長を有し、かつ数W程度の高出力のレーザビームを出力する。この半導体レーザ2は、例えばレーザプリンタ、レーザポインタ、DVDプレーヤ等に既に多数使用されている低出力の半導体レーザ(レーザダイオード:LD)と同一特性、すなわち広がり角度、出力−電流特性、温度特性を有する。この半導体レーザ2は、レーザビームの出力が大きい。これにより、半導体レーザ2は、供給電流量がアンペアクラスに大きく、かつ発熱量が大きくなるために冷却を必須とする。従って、半導体レーザ2は、それぞれ放熱板に固定され、かつ放熱板を強制冷却する。
【0014】
この半導体レーザ2と感熱記録媒体1との間には、これら半導体レーザ2と感熱記録媒体1との間のレーザ光照射光路に沿ってコリメータレンズ3と、偏向走査機構4とが設けられている。このうちコリメータレンズ3は、半導体レーザ2から出力されるレーザビームLの進行光路上に設けられている。このコリメータレンズ3は、半導体レーザ2から出力されたレーザビームLを略平行光速に集光する。
偏向走査機構4は、走査ミラーとしてガルバノミラー5と、回転駆動部6とを有する。この回転駆動部6には、ガルバノミラー5が回転軸7を介して連結されている。この回転駆動部6は、回転軸7を介してガルバノミラー5を矢印a方向に折り返し往復して振る。以下、ガルバノミラー5の矢印a方向の往復動作をスキャン動作と称する。
【0015】
以下、具体的に説明する。半導体レーザ2は、図2に示すようにレーザビームLを出力するレーザ発光部10が設けられている。このレーザ発光部10には、活性層の接合面であるpn接合面11が形成されている。この半導体レーザ2は、レーザ発光部10のpn接合面11の接合面方向を偏向走査機構4におけるガルバノミラー5の回転軸7に対して垂直方向に配置されている。レーザビームLの偏向方向dは、pn接合面11の接合面方向と同一方向である。レーザ発光部10から発光されるレーザビームLは、進行するに従って図1に示すようなプロファイルPfで広がる。ビームプロファイルPfは、ガウス分布を有する。
【0016】
偏向走査機構4は、ガルバノミラー5の矢印a方向への折り返しの回転によってコリメータレンズ3により略平行光束に集光されたレーザビームLを感熱記録媒体1上において主走査方向Sm1、Sm2に往復スキャンする。なお、Sm1を主走査方向の往路、Sm2を主走査方向の復路とする。図3は感熱記録媒体1上にスキャンされるレーザビームLのビームプロファイルBpを示す。このレーザビームLは、感熱記録媒体1上に円形のビームプロファイルBpとして形成される。これにより、ビームプロファイルBpは、略円形状に例えば縦横方向の各ビーム径e1、e2が共に100μm程度に形成される。
【0017】
感熱記録媒体1は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。この感熱記録媒体1は、図4に示すように融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体1は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化する。これにより、感熱記録媒体1は、発色状態を保てず、消色状態になる。さらに、感熱記録媒体1は、染料と顕色剤との融点以下の温度である一定時間加熱すると、染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消色状態となるものもある。消色領域の温度は、例えば約130℃〜180℃程度である。従って、感熱記録媒体1は、室温Tr(例えば25℃)から発色温度T(例えば180℃)を超えて加熱し、急冷すると発色する。この発色を消色するには、室温Trから一旦発色温度Tより低い温度である消色温度T(例えば130℃)に加熱し、冷却すれば消色する。
搬送機構12は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送する。副走査方向Ssは、主走査方向Sm1、Sm2に対して垂直方向である。この搬送機構12は、すなわち、搬送機構12は、予め設定された搬送速度を保って連続的に感熱記録媒体1を搬送する。
【0018】
消去制御部13は、感熱記録媒体1上に書き込まれている情報を消去する時、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLの走査スピードを、情報の書き込み時におけるレーザビームLの走査スピードよりも速く設定し、これによってレーザビームLを感熱記録媒体1上にスキャンしたときのエネルギー密度を感熱記録媒体1を消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度に制御する。
この場合、消去制御部13は、消去時に、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下でレーザビームLの感熱記録媒体1上における走査スピードを速く設定する。
【0019】
具体的に消去制御部13は、消去時、偏向走査機構4における回転駆動部6を駆動制御し、消去時におけるレーザビームLの主走査方向Sm1、Sm2への走査スピードを、書き込み時におけるレーザビームLの主走査方向Sm1、Sm2への走査スピードよりも速くする。このときのレーザビームLの走査スピードは、例えば次のように設定される。通常の情報書き込み時、半導体レーザ2は、一定のレーザパワーでレーザビームLを出力し、印字データ等の情報に応じてレーザビームLの出力をオン、オフする。ガルバノミラー5の走査スピートは、一定で、かつ当該ガルバノミラー5の走査スピートに合わせて搬送機構12による感熱記録媒体1の搬送スピードが設定される。又、半導体レーザ2から出力されるレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードは、感熱記録媒体1に書き込む情報の解像度に応じて設定される。
【0020】
一方、消去時、レーザビームLの走査スピードが速くなると、感熱記録媒体1上に照射されるレーザビームLの単位面積当たりのエネルギーが小さくなる。すなわちレーザビームLのパワーと照射時間との積は小さくなる。従って、消去時、レーザビームLを照射することにより感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になるように、半導体レーザ2の出力パワーに応じてガルバノミラー5の走査スピートが設定される。消去時におけるガルバノミラー5の走査スピートは、書き込み時におけるガルバノミラー5の走査スピートの例えば2倍に設定される。
なお、半導体レーザ2は、マウント14上に設けられている。
【0021】
次に、上記の如く構成された装置による書き込み、消去動作について説明する。
書き込み時、半導体レーザ2は、レーザビームLを出力する。この半導体レーザ2は、一定のレーザパワーでレーザビームLを出力し、印字データ等の情報に応じてレーザビームLの出力をオン、オフする。このレーザビームLは、pn接合面11の接合面方向と同一方向の偏向方向dを有する。このレーザビームLは、コリメータレンズ3により略平行光速に集光されて偏向走査機構4に入射する。
この偏向走査機構4は、回転駆動部6の回転駆動によって回転軸7を介してガルバノミラー5をスキャン動作させる。このガルバノミラー5のスキャン動作によりコリメータレンズ3により略平行光束に集光されたレーザビームLは、感熱記録媒体1上において主走査方向Sm1、Sm2に往復スキャンされる。感熱記録媒体1上に往復スキャンされるレーザビームLは、図3に示すように円形のビームプロファイルBpとして形成される。このビームプロファイルBpは、略円形状に例えば縦横方向の各ビーム径e1、e2が共に100μm程度に形成される。
【0022】
一方、搬送機構12は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送する。
しかるに、感熱記録媒体1上には、例えば図5に示すように円形のビームプロファイルBpに形成されたレーザビームLが主走査方向Sm1、Sm2に往復スキャンされる。このように感熱記録媒体1面上にレーザビームLが主走査方向Sm1、Sm2に往復スキャンされると、このときの感熱記録媒体1面上の温度は、発色温度にまで加熱される。これにより、感熱記録媒体1に対して情報の記録が可能となる。従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてレーザビームLの出力がオン・オフされると、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
【0023】
一方、消去時、半導体レーザ2は、レーザビームLを出力する。この半導体レーザ2は、一定のレーザパワーでレーザビームLを出力する。このレーザビームLは、コリメータレンズ3により略平行光速に集光されて偏向走査機構4に入射する。この半導体レーザ2は、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてレーザビームLの出力がオン・オフする。
【0024】
消去時、消去制御部13は、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下で偏向走査機構4における回転駆動部6を駆動制御してガルバノミラー5のスキャン動作による走査スピードを、書き込み時におけるガルバノミラー5のスキャン動作による走査スピードよりも速く、例えば2倍に設定する。
【0025】
このようなガルバノミラー5の走査スピードが例えば2倍に設定された状態で、偏向走査機構4は、回転駆動部6の回転駆動によって回転軸7を介してガルバノミラー5をスキャン動作させる。これにより、消去時における感熱記録媒体1上でのレーザビームLの主走査方向Sm1、Sm2への走査スピードは、書き込み時におけるレーザビームLの主走査方向Sm1、Sm2への走査スピードよりも例えば2倍速くなる。
【0026】
このガルバノミラー5のスキャン動作によりコリメータレンズ3により略平行光束に集光されたレーザビームLは、感熱記録媒体1上において書き込み時よりも例えば2倍の速さで主走査方向Sm1、Sm2に往復スキャンされる。このとき感熱記録媒体1上に往復スキャンされるレーザビームLは、書き込み時と同様に、図3に示すように円形のビームプロファイルBpとして形成される。なお、ガルバノミラー5は、予め設定された走査スピードを保ちながら連続的にレーザビームLを往復スキャンする。
【0027】
一方、搬送機構12は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度を保って連続的に搬送する。
【0028】
しかるに、感熱記録媒体1上には、例えば図5に示すように円形のビームプロファイルBpに形成されたレーザビームLが書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで主走査方向Sm1、Sm2に往復スキャンされる。この消去時のレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードは、書き込み時と同一条件に設定されているので、感熱記録媒体1上におけるレーザビームLのスキャン線数は、書き込み時よりも例えば2倍に増加する。そして、レーザビームLは、感熱記録媒体1上で重なり合って往復スキャンされる。このレーザビームLは、書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで往復スキャンされるので、レーザビームLの円形のビームプロファイルBpの2分の1の領域が互いに重なり合って(オーバラップ)感熱記録媒体1上に往復スキャンされる。このレーザビームLの各領域がオーバラップする方向は、感熱記録媒体1が搬送機構12により搬送される方向と同一方向である。
【0029】
このようにレーザビームLの走査スピードが速くなると、感熱記録媒体1上に照射されるレーザビームLの単位面積当たりのエネルギーが小さくなる。すなわちレーザビームLのパワーと照射時間との積は小さくなる。例えば、レーザビームLを照射することにより感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になる。
このようにレーザビームLが感熱記録媒体1面上に書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで往復スキャンされると、このときの感熱記録媒体1面上の温度は、上記消色領域の温度に加熱され、感熱記録媒体1に書き込まれている情報が消去される。
【0030】
このように上記第1の実施の形態によれば、感熱記録媒体1上に書き込まれている情報を消去する時、レーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下でレーザビームLの走査スピードを速くする。これにより、レーザビームLを感熱記録媒体1上にスキャンしたときのエネルギー密度は、感熱記録媒体1を消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度にできる。この結果、レーザビームLの走査スピードを速くするだけで、感熱記録媒体1上に書き込まれている情報を消去できる。
【0031】
レーザビームLは、書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで往復スキャンされるので、レーザビームLの円形のビームプロファイルBpの2分の1の領域が感熱記録媒体1の搬送方向と同一方向に互いに重なり合って感熱記録媒体1上に往復スキャンされる。これにより、感熱記録媒体1上でのレーザビームLの重なり合う領域が増加するので、掃きムラや書き込み時と消去時とにおけるレーザビームLの位置誤差により生じる消去残りや、感熱記録媒体1の搬送により生じる書き込み時と消去時とにおけるレーザビームLの位置誤差により生じる消去残りを減少することが可能である。
レーザビームLの走査スピードのみを速く設定すればよいので、書き込み時も消去時もレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピード、さらには半導体レーザ2のオン、オフを同一条件に設定すればよく、簡単な変更で実現できる。又、別途消去装置を設ける必要がない。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図6は非接触光書き込み消去装置の構成図を示す。本装置は、半導体レーザ2と同様に、シングルモード半導体レーザ20と、マルチモード半導体レーザ21とを有する。これら半導体レーザ20、21は、それぞれ近赤外領域、例えば750nm〜1000nmに発光波長を有し、かつ数W程度の高出力のレーザビームL、Lを出力する。これら半導体レーザ20、21は、例えばレーザプリンタ、レーザポインタ、DVDプレーヤ等に既に多数使用されている低出力の半導体レーザ(レーザダイオード:LD)と同一特性、すなわち広がり角度、出力−電流特性、温度特性を有する。これら半導体レーザ20、21は、レーザビームの出力が大きい。これにより、各半導体レーザ20、21は、供給電流量がアンペアクラスに大きく、かつ発熱量が大きくなるために冷却を必須とする。従って、各半導体レーザ20、21は、それぞれ放熱板に固定し、かつ放熱板を強制冷却する。
【0033】
シングルモード半導体レーザ20と感熱記録媒体1との間には、第1のコリメータレンズ22と、偏光ビームスプリッタ23と、偏向走査機構24と、走査レンズ25とが設けられている。マルチモード半導体レーザ21と感熱記録媒体1との間には、第2のコリメータレンズ26と、偏光ビームスプリッタ23と、偏向走査機構24と、走査レンズ25とが設けられている。
第1のコリメータレンズ22は、シングルモード半導体レーザ20から出力されたシングルモードレーザビームLを略平行光速に集光する。第2のコリメータレンズ26は、マルチモード半導体レーザ21から出力されたマルチモードレーザビームLを略平行光速に集光する。
【0034】
偏光ビームスプリッタ23は、シングルモード半導体レーザ20から出力されるシングルモードレーザビームLを反射すると共に、マルチモード半導体レーザ21から出力されるマルチモードレーザビームLを透過し、これらシングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとを合成した合成レーザビームLを出力する。
偏向走査機構24は、ポリゴンミラー27と、モータ等の回転駆動部28とを有し、この回転駆動部28に回転軸29を介してポリゴンミラー27が連結されている。回転駆動部28は、回転軸29を介してポリゴンミラー27を一方向、例えば矢印f方向に回転させる。
【0035】
以下、具体的に説明する。シングルモード半導体レーザ20は、図7に示すようにシングルモードレーザビームLを出力するレーザ発光部30を有する。このレーザ発光部30には、pn接合面31が形成されている。シングルモード半導体レーザ20は、レーザ発光部30のpn接合面31の接合面方向を偏向走査機構24の偏光部材の回転軸、すなわちポリゴンミラー27の回転軸29に対して平行に配置している。
【0036】
シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面31の接合面方向と同一方向である。これにより、シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdは、偏光ビームスプリッタ23に対して垂直方向になるので、シングルモードレーザビームLは、偏光ビームスプリッタ23に対してS偏光になる。従って、偏光ビームスプリッタ23は、シングルモード半導体レーザ20から出力されるシングルモードレーザビームLを反射する。
マルチモード半導体レーザ21は、マルチモードレーザビームLを出力するレーザ発光部32を有する。このレーザ発光部32は、上記図2に示すような第1の実施の形態における半導体レーザ2と同様な構成を有し、pn接合面が形成されている。このマルチモード半導体レーザ21は、発光領域のpn接合面の接合面方向を偏向走査機構24の偏光部材の回転軸、すなわちポリゴンミラー27の回転軸29に対して垂直になるように配置されている。
【0037】
マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、pn接合面の接合面方向と同一方向である。マルチモードレーザビームLの偏向方向Sdは、ポリゴンミラー27の回転軸29に対して垂直方向になる。マルチモード半導体レーザ21のレーザ発光部15から出力されるマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdは、偏光ビームスプリッタ23に対して水平方向になるので、偏光ビームスプリッタ23に対してP偏光になる。従って、偏光ビームスプリッタ23は、マルチモード半導体レーザ21から出力されるマルチモードレーザビームLを透過する。
偏向走査機構24は、ポリゴンミラー27の矢印f方向への回転により偏光ビームスプリッタ23から出力された合成レーザビームLを感熱記録媒体1上で主走査方向Smにスキャンする。このポリゴンミラー27は、予め設定された走査スピードを保ちながら連続的にレーザビームLをスキャンする。この合成レーザビームLのスキャン方向は、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向である。これにより、感熱記録媒体1上においてマルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向は、主走査方向Smと一致する。
走査レンズ25は、偏向走査機構24による合成レーザビームLの主走査方向Smの走査範囲上に設けられ、偏向走査機構24により主走査された合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。
【0038】
図8及び図9は走査レンズ25により感熱記録媒体1上に集光されるシングルモードレーザビームLとマルチモードレーザビームLとのビームプロファイルを示す。シングルモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に円形のビームプロファイルPfとして形成される。マルチモードレーザビームLは、感熱記録媒体1上に横長形状のビームプロファイルPfとして形成される。従って、合成レーザビームLは、横長形状のビームプロファイルPfの中に、略円形のビームプロファイルPfを重ねた形状で感熱記録媒体1上に集光される。図8はマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内において、円形のビームプロファイルPfのシングルモードレーザビームLを感熱記録媒体1上におけるスキャン方向Smの後方側の位置に合成した合成ビームプロファイルを示す。図9はマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内において、円形のビームプロファイルPfのシングルモードレーザビームLを感熱記録媒体1上におけるスキャン方向Smの中心部の位置に合成した合成ビームプロファイルを示す。
【0039】
図10はシングルモードレーザビームL及び合成レーザビームLを感熱記録媒体1に照射したときの感熱記録媒体1上の温度と発色・消色等の関係を示す。感熱記録媒体1は、室温Tr(例えば25℃)から発色温度T(例えば180℃)を超えて加熱し、急冷すると発色する。この発色を消色するには、室温Trから一旦発色温度Tより低い温度である消色温度T(例えば130℃)に加熱し、冷却すれば消色する。
しかるに、シングルモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1の印字層を消色温度T以下の温度まで加熱可能な出力パワーを有する。これにより、感熱記録媒体1は発色しない。
【0040】
一方、マルチモードレーザビームLは、単独で、感熱記録媒体1に照射することにより感熱記録媒体1の印字層を発色温度T以下ではあるが消色温度Tまで加熱可能な出力パワーを有する。これにより、マルチモードレーザビームLを単独で感熱記録媒体1に照射したときの温度上昇は、消色温度T以上でかつ発色温度T以下であり、感熱記録媒体1の発色を消色可能な消去領域に温度上昇する。
【0041】
消去制御部33は、消去時、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLの走査スピードを、書き込み時におけるレーザビームLの走査スピードよりも速く設定し、これによってレーザビームLを感熱記録媒体1上にスキャンしたときのエネルギー密度を感熱記録媒体1を消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度に制御する。このとき消去制御部33は、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下でレーザビームLの走査スピードを速く設定する。
【0042】
具体的に消去制御部33は、消去時、偏向走査機構24における回転駆動部28を駆動制御してポリゴンミラー27の走査スピードを、書き込み時におけるポリゴンミラー27のスキャン動作による走査スピードよりも速く設定し、消去時におけるレーザビームLの主走査方向Smへの走査スピードを書き込み時におけるレーザビームLの主走査方向Sm1への走査スピードよりも速くする。
レーザビームLの走査スピードは、例えば次のように設定される。通常の情報書き込み時、例えばシングルモード半導体レーザ20は、一定のレーザパワーでレーザビームLを出力し、印字データ等の情報に応じてレーザビームLの出力をオン、オフする。マルチモード半導体レーザ21も、一定のレーザパワーでレーザビームLを出力する。このマルチモード半導体レーザ21から出力されるレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワーは、感熱記録媒体1に書き込む情報の解像度に応じて設定される。
【0043】
ポリゴンミラー27の走査スピートは、一定で、このポリゴンミラー27の走査スピートに合わせて搬送機構12による感熱記録媒体1の搬送スピードが設定される。又、シングルモード半導体レーザ20から出力されるレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードは、感熱記録媒体1に書き込む情報の解像度に応じて設定される。
【0044】
消去時、レーザビームLの走査スピードが速くなると、上記同様に、感熱記録媒体1上に照射されるレーザビームLの単位面積当たりのエネルギーが小さくなる。従って、消去時、レーザビームLを照射することにより感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になるように、シングルモード半導体レーザ20とマルチモード半導体レーザ21との出力パワーに応じてポリゴンミラー27の走査スピートが設定される。消去時におけるポリゴンミラー27の走査スピートは、書き込み時におけるポリゴンミラー27の走査スピートの例えば2倍に設定される。
次に、上記の如く構成された装置による書き込み、消去動作について説明する。
書き込み時、シングルモード半導体レーザ20は、偏光ビームスプリッタ23に対してS偏光のシングルモードレーザビームLを出力する。このシングルモードレーザビームLは、第1のコリメータレンズ22により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ23に入射する。マルチモード半導体レーザ21は、偏光ビームスプリッタ23に対してP偏光のマルチモードレーザビームLを出力する。このマルチモードレーザビームLは、第2のコリメータレンズ26により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ23に入射する。
【0045】
偏光ビームスプリッタ23は、シングルモード半導体レーザ20から出力されたシングルモードレーザビームLを反射すると共に、マルチモード半導体レーザ21から出力されたマルチモードレーザビームLを透過し、合成のレーザビームLとして出力する。
【0046】
偏向走査機構24は、回転駆動部28の駆動により回転軸29を介してポリゴンミラー27を矢印f方向に連続して回転させる。これにより、ポリゴンミラー27は、偏光ビームスプリッタ23から出力された合成レーザビームLを感熱記録媒体1上において主走査方向Smに主走査する。
走査レンズ25は、偏向走査機構24により主走査された合成レーザビームLを感熱記録媒体1面上に集光する。この合成レーザビームLは、例えば図8又は図9に示すようにマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内に、シングルモードレーザビームLの円形状ビームプロファイルPfが重なって感熱記録媒体1面上に集光される。
【0047】
この合成のレーザビームLは、感熱記録媒体1面上において、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向と同一方向に主走査される。先ず、合成レーザビームLに含まれるマルチモードレーザビームLが単独で感熱記録媒体1面上に照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、図10に示すように発色温度T以下であるが、消色温度Tまで急熱され上昇する。
【0048】
次に、感熱記録媒体1面上には、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが重なって照射される。このときの感熱記録媒体1面上の温度は、消色温度Tまで加熱された状態から更に発色温度Tにまで急熱され上昇する。これにより、感熱記録媒体1に対する情報の記録が可能となる。
次に、シングルモードレーザビームLの照射が終わり、引き続いてマルチモードレーザビームLの照射が終わり、感熱記録媒体1の印字層は急冷される。これによって、マルチモードレーザビームLが単独で照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、元々記録され、発色した黒色の部分があれば、消色される。更に、マルチモードレーザビームLとシングルモードレーザビームLとが重なって照射された感熱記録媒体1の印字層の部分は、黒色に発色する。従って、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてシングルモードレーザビームLの出力をオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。感熱記録媒体1は、黒色に限らず、染色材料によって任意の色に発色可能である。
【0049】
一方、消去時、シングルモード半導体レーザ20は、上記同様に、偏光ビームスプリッタ23に対してS偏光のシングルモードレーザビームLを出力する。このシングルモード半導体レーザ20は、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてレーザビームLの出力がオン・オフする。このシングルモードレーザビームLは、第1のコリメータレンズ22により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ23に入射する。一方、マルチモード半導体レーザ21も、上記同様に、偏光ビームスプリッタ23に対してP偏光のマルチモードレーザビームLを出力する。このマルチモードレーザビームLは、第2のコリメータレンズ26により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ23に入射する。
【0050】
偏光ビームスプリッタ23は、シングルモード半導体レーザ20から出力されたシングルモードレーザビームLを反射すると共に、マルチモード半導体レーザ21から出力されたマルチモードレーザビームLを透過し、合成のレーザビームLとして出力する。
【0051】
消去時、消去制御部33は、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下で感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLの走査スピードを、感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になるように、シングルモード半導体レーザ20とマルチモード半導体レーザ21との各出力パワーに応じてポリゴンミラー27の走査スピートが設定される。消去時におけるポリゴンミラー27の走査スピートは、書き込み時におけるポリゴンミラー27の走査スピートの例えば2倍に設定される。
【0052】
一方、搬送機構12は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送する。
しかるに、感熱記録媒体1上には、レーザビームLが書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで主走査方向Smに繰り返しスキャンされる。この消去時のレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードは、書き込み時と同一条件に設定されているので、感熱記録媒体1上におけるレーザビームLのスキャン線数は、書き込み時よりも例えば2倍に増加する。このレーザビームLは、書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで往復スキャンされるので、このレーザビームLの領域が互いにオーバラップして感熱記録媒体1上にスキャンされる。このレーザビームLの各領域がオーバラップする方向は、感熱記録媒体1が搬送機構12により搬送される方向と同一方向である。
【0053】
このようにレーザビームLの走査スピードが速くなると、感熱記録媒体1上に照射されるレーザビームLの単位面積当たりのエネルギーが小さくなる。これにより、レーザビームLを照射することにより感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になる。感熱記録媒体1に書き込まれている情報が消去される。
【0054】
このように上記第2の実施の形態によれば、感熱記録媒体1上に書き込まれている情報を消去する時、レーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下でレーザビームLの走査スピードを速くするので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図11は非接触光書き込み消去装置の構成図を示す。偏向走査機構40は、ガルバノミラー41と、回転駆動部43とを有する。回転駆動部43には、ガルバノミラー41が回転軸42を介して連結されている。回転駆動部43は、回転軸42を介してガルバノミラー41を矢印g方向にスキャン動作させる。ガルバノミラー41の回転軸42は、シングルモードレーザビームLの偏向方向Sdに対して平行で、かつマルチモードレーザビームLの偏光方向Sdに対して垂直な方向に設けられている。これにより、偏向走査機構40は、ガルバノミラー41の矢印g方向へのスキャン動作により偏光ビームスプリッタ23から出力された合成レーザビームLを感熱記録媒体1上に往復してスキャンする。このガルバノミラー41は、予め設定された走査スピードを保ちながら連続的にレーザビームLを往復スキャンする。このスキャンは、マルチモードレーザビームLの偏光方向Sdと同一方向である。このスキャンは、往路の主走査方向Smと、復路の主走査方向Smとから成る。
【0056】
消去制御部44は、感熱記録媒体1上に書き込まれている情報を消去する時、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLの走査スピードを、書き込み時におけるレーザビームLの走査スピードよりも速く設定し、これによってレーザビームLを感熱記録媒体1上にスキャンしたときのエネルギー密度を感熱記録媒体1を消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度に制御する。このとき消去制御部44は、消去時に、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下でレーザビームLの走査スピードを速く設定する。
【0057】
具体的に消去制御部44は、消去時、偏向走査機構40における回転駆動部43を駆動制御してガルバノミラー41の走査スピードを、書き込み時におけるガルバノミラー41のスキャン動作による走査スピードよりも速く設定し、消去時におけるレーザビームLの主走査方向Sm、Smへの走査スピードを書き込み時におけるレーザビームLの主走査方向Sm、Smへの走査スピードよりも速くする。
レーザビームLの走査スピードは、例えば次のように設定される。通常の書き込み時、例えばシングルモード半導体レーザ20は、一定のレーザパワーでレーザビームLを出力し、印字データ等の情報に応じてレーザビームLの出力をオン、オフする。ガルバノミラー41の走査スピートは、一定で、かつ当該ガルバノミラー41の走査スピートに合わせて搬送機構12による感熱記録媒体1の搬送スピードが設定される。又、シングルモード半導体レーザ20から出力されるレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードは、感熱記録媒体1に書き込む情報の解像度に応じて設定される。
【0058】
消去時、レーザビームLの走査スピードが速くなると、上記同様に、感熱記録媒体1上に照射されるレーザビームLの単位面積当たりのエネルギーが小さくなる。従って、消去時、レーザビームLを照射することにより感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になるように、シングルモード半導体レーザ20とマルチモード半導体レーザ21との出力パワーに応じてガルバノミラー41の走査スピートが設定される。消去時におけるガルバノミラー41の走査スピートは、書き込み時におけるガルバノミラー41の走査スピートの例えば2倍に設定される。
【0059】
次に、上記の如く構成された装置による書き込み、消去動作について説明する。
書き込み時、シングルモード半導体レーザ20から出力されたシングルモードレーザビームLとマルチモード半導体レーザ21から出力されたマルチモードレーザビームLとは、上記同様に、偏光ビームスプリッタ23に入射し、この偏光ビームスプリッタ23から合成のレーザビームLとして出力される。
【0060】
偏向走査機構40は、回転駆動部43の回転駆動によって回転軸42を介してガルバノミラー41をスキャン動作させる。このガルバノミラー41のスキャン動作によりレーザビームLは、感熱記録媒体1上において主走査方向Sm1、Sm2に往復スキャンされる。この合成レーザビームLは、例えば上記図8又は図9に示すようにマルチモードレーザビームLの横長形状のビームプロファイルPf内に、シングルモードレーザビームLの円形状ビームプロファイルPfが重なって感熱記録媒体1面上に集光される。この合成レーザビームLは、感熱記録媒体1面上において、マルチモードレーザビームLのビームプロファイルPfの横長方向と同一方向に主走査される。
【0061】
一方、搬送機構12は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送する。これにより、感熱記録媒体1の全面上に合成レーザビームLがスキャンされる。この結果、感熱記録媒体1上に情報が記録される。感熱記録媒体1上に情報が記録されるときの作用は上記第2の実施の形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0062】
一方、消去時、シングルモード半導体レーザ20は、上記同様に、偏光ビームスプリッタ23に対してS偏光のシングルモードレーザビームLを出力する。このシングルモード半導体レーザ20は、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じてレーザビームLの出力がオン・オフする。このシングルモードレーザビームLは、第1のコリメータレンズ22により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ23に入射する。一方、マルチモード半導体レーザ21も、上記同様に、偏光ビームスプリッタ23に対してP偏光のマルチモードレーザビームLを出力する。このマルチモードレーザビームLは、第2のコリメータレンズ26により略平行光速に集光されて偏光ビームスプリッタ23に入射する。
【0063】
偏光ビームスプリッタ23は、シングルモード半導体レーザ20から出力されたシングルモードレーザビームLを反射すると共に、マルチモード半導体レーザ21から出力されたマルチモードレーザビームLを透過し、合成のレーザビームLとして出力する。
【0064】
消去時、消去制御部44は、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下で感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLの走査スピードを、感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になるように、半導体レーザ2の出力パワーに応じてポリゴンミラー27の走査スピートが設定される。例えば、ガルバノミラー41の走査スピートは、書き込み時におけるガルバノミラー41の走査スピートの例えば2倍に設定される。
【0065】
一方、搬送機構12は、感熱記録媒体1を副走査方向Ssと同一方向に例えば一定の搬送速度で搬送する。
しかるに、感熱記録媒体1上には、レーザビームLが書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで主走査方向Smに繰り返しスキャンされる。この消去時のレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードは、書き込み時と同一条件に設定されているので、感熱記録媒体1上におけるレーザビームLのスキャン線数は、書き込み時よりも例えば2倍に増加する。このレーザビームLは、書き込み時よりも例えば2倍の走査スピードで往復スキャンされるので、このレーザビームLの領域が互いにオーバラップして感熱記録媒体1上にスキャンされる。このレーザビームLの各領域がオーバラップする方向は、感熱記録媒体1が搬送機構12により搬送される方向と同一方向である。
【0066】
このようにレーザビームLの走査スピードが速くなると、感熱記録媒体1上に照射されるレーザビームLの単位面積当たりのエネルギーが小さくなる。これにより、レーザビームLを照射することにより感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度になる。感熱記録媒体1に書き込まれている情報が消去される。
【0067】
このように上記第3の実施の形態によれば、感熱記録媒体1上に書き込まれている情報を消去する時、レーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードを、書き込み時における感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームLのビーム径、レーザビームLのパワー及び感熱記録媒体1の搬送スピードと同一条件とし、この条件下でレーザビームLの走査スピードを速くするので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記各実施の形態では、消去時のレーザビームL等の走査スピードを書き込み時の走査スピードよりも例えば2倍に設定しているが、これに限らず、感熱記録媒体1を消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度に加熱可能であれば、消去時のレーザビームL等の走査スピードを如何なる走査スピードに設定してもよい。
【0069】
又、感熱記録媒体1上にスキャンするレーザビームは、1本のレーザビームL、又はレーザビームLとレーザビームLとを合成したレーザビームLであるが、これに限らず、3本以上のレーザビームを合成したレーザビームで合ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る非接触光書き込み消去装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における半導体レーザに設けられたレーザ発光部を示す構成図。
【図3】同装置に用いる感熱記録媒体上にスキャンされるレーザビームのビームプロファイルを示す図。
【図4】同装置に用いる感熱記録媒体の記録・消去特性を示す図。
【図5】同装置における書き込み時と消去時とにおけるレーザビームのスキャンを示す図。
【図6】本発明に係る非接触光書き込み消去装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図7】同装置におけるマルチモード半導体レーザに設けられたレーザ発光部を示す構成図。
【図8】同装置における感熱記録媒体上に集光されるシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとのビームプロファイルを示す図。
【図9】同装置における感熱記録媒体上に集光されるシングルモードレーザビームとマルチモードレーザビームとのビームプロファイルを示す図。
【図10】同装置におけるシングルモードレーザビーム及び合成レーザビームを感熱記録媒体に照射したときの感熱記録媒体上の温度と発色・消色等の関係を示す図。
【図11】本発明に係る非接触光書き込み消去装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
【0071】
1:感熱記録媒体、2:半導体レーザ(LD)、3:コリメータレンズ22:偏向走査機構、5:ガルバノミラー、6:回転駆動部、7:回転軸、10:レーザ発光部、11:pn接合面、12:搬送機構、13:消去制御部、14:マウント、20:シングルモード半導体レーザ、21:マルチモード半導体レーザ、22:第1のコリメータレンズ、23:偏光ビームスプリッタ、24:偏向走査機構、25:走査レンズ、26:第2のコリメータレンズ、27:ポリゴンミラー、28:回転駆動部、29:回転軸、30:レーザ発光部、31:pn接合面、32:レーザ発光部、33:消去制御部、40:偏向走査機構、41:ガルバノミラー、42:回転軸、43:回転駆動部、44:消去制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体を搬送すると共に、当該搬送されている前記感熱記録媒体上にレーザビームをスキャンして前記感熱記録媒体上に情報の書き込みを行う非接触光書き込み消去装置において、
前記感熱記録媒体上に書き込まれている前記情報の消去時、前記感熱記録媒体上にスキャンする前記レーザビームの走査スピードを前記情報の書き込み時における前記レーザビームの前記走査スピードよりも速く設定し、前記レーザビームを前記感熱記録媒体上にスキャンしたときのエネルギー密度を前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度に制御する消去制御部、
を具備することを特徴とする非接触光書き込み消去装置。
【請求項2】
前記消去制御部は、前記消去時における前記感熱記録媒体上にスキャンする前記レーザビームのビーム径、前記レーザビームのパワー及び前記感熱記録媒体の搬送スピードを、前記書き込み時における前記感熱記録媒体上にスキャンする前記レーザビームのビーム径、前記レーザビームのパワー及び前記感熱記録媒体の搬送スピードと同一条件にすることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み消去装置。
【請求項3】
前記消去制御部は、前記消去時に、前記レーザビームの前記走査スピードを速く設定することにより前記感熱記録媒体上に複数ラインスキャンする前記レーザビームの各照射領域間に前記感熱記録媒体の搬送方向と同一方向にオーバラップ部分を発生させることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み消去装置。
【請求項4】
前記レーザビームを出力する少なくとも1つのレーザ光源と、
前記レーザ光源から出力される前記レーザビームを前記感熱記録媒体上にスキャンする走査機構と、
を備え、
前記消去制御部は、前記消去時に、前記走査機構による前記レーザビームの走査スピードを前記書き込み時における前記レーザビームの前記走査スピードよりも速く制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み消去装置。
【請求項5】
前記走査機構は、前記レーザビームを前記感熱記録媒体上にスキャンする走査ミラーを備え、前記消去制御部の制御により前記走査ミラーを速い速度でスキャン動作することを特徴とする請求項4記載の非接触光書き込み消去装置。
【請求項6】
前記走査ミラーは、ポリゴンミラー又はガルバノミラーを有することを特徴とする請求項5記載の非接触光書き込み消去装置。
【請求項7】
前記レーザ光源は、第1の半導体レーザビームを出力する活性層の第1の接合面が形成された第1の半導体レーザと、第2の半導体レーザビームを出力する活性層の第2の接合面が形成された第2の半導体レーザとを有し、
前記走査機構は、前記レーザビームを前記感熱記録媒体上にスキャンする走査ミラーを回転軸を中心に回転駆動し、
前記第1の半導体レーザの前記第1の接合面の方向は、前記走査ミラーの前記回転軸に対して平行に設けられ、
前記第2の半導体レーザの前記第2の接合面の方向は、前記走査ミラーの前記回転軸に対して垂直に設けられ、
さらに前記第1の半導体レーザビームを集光する第1の集光レンズと、
前記第2の半導体レーザビームを集光する第2の集光レンズと、
前記第1の集光レンズにより集光された前記第1の半導体レーザビームと前記第2の集光レンズにより集光された前記第2の半導体レーザビームとを合成して出力するレーザビーム合成素子と、
を具備し、
前記走査機構は、前記走査ミラーを前記回転軸を中心に回転駆動することにより前記レーザビーム合成素子から出力される前記合成のレーザビームを前記感熱記録媒体上にスキャンし、
前記消去制御部は、前記消去時に、前記走査機構による前記レーザビームの走査スピードを前記書き込み時における前記レーザビームの前記走査スピードよりも速く制御し、前記感熱記録媒体上に照射される前記レーザビームの単位面積当たりのエネルギーを小さくし、前記感熱記録媒体面上の温度を前記消色温度に加熱する、
ことを特徴とする請求項4記載の非接触光書き込み消去装置。
【請求項8】
前記レーザビームを出力するレーザ光源を備え、
前記消去制御部は、前記レーザビームのビーム径、前記レーザビームのパワー及び前記感熱記録媒体の搬送スピードを前記消去時と前記書き込み時とにおいて同一条件とし、当該条件下で、前記消去時、前記レーザビームの前記走査スピードを前記書き込み時における前記レーザビームの前記走査スピードよりも速く設定し、かつ前記レーザ光源を前記書き込み時のオン・オフ制御と同一にオン・オフ制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み消去装置。
【請求項9】
常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体を搬送すると共に、当該搬送されている前記感熱記録媒体上にレーザビームをスキャンして前記感熱記録媒体上に情報の書き込みを行う非接触光書き込み消去方法において、
前記感熱記録媒体上に記録されている前記消去時、前記感熱記録媒体上にスキャンする前記レーザビームの走査スピードを前記書き込み時における前記レーザビームの前記走査スピードよりも速く設定し、前記レーザビームを前記感熱記録媒体上にスキャンしたときのエネルギー密度を前記感熱記録媒体を前記消色温度に加熱するに必要なエネルギー密度に制御する、
ことを特徴とする非接触光書き込み消去方法。
【請求項10】
前記消去時に、前記感熱記録媒体上にスキャンする前記レーザビームのビーム径、前記レーザビームのパワー及び前記感熱記録媒体の搬送スピードを、前記書き込み時における前記感熱記録媒体上にスキャンする前記レーザビームのビーム径、前記レーザビームのパワー及び前記感熱記録媒体の搬送スピードと同一にすることを特徴とする請求項9記載の非接触光書き込み消去方法。
【請求項11】
前記消去時における前記レーザビームの前記走査スピードよりも速く設定することにより前記感熱記録媒体上にスキャンする前記レーザビームの照射領域間に前記感熱記録媒体の搬送方向と同一方向にオーバラップ部分を発生させることを特徴とする請求項9記載の非接触光書き込み消去方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−172801(P2009−172801A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11932(P2008−11932)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】