説明

非接触型データ受送信体

【課題】耐薬品性、耐候性、耐熱性および柔軟性に優れ、さらには、アンテナに生じる通信特性の低下を防止した非接触型データ受送信体を提供する。
【解決手段】本発明の非接触型データ受送信体は、インレットと、該インレットを被覆する接着材と、該接着材を介して前記インレットを挟む第一基材および第二基材と、を備えた非接触型データ受送信体であって、前記接着材は液状シリコーンゴムからなり、前記第一基材および前記第二基材はシリコーンゴムまたは加硫ゴムからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波を媒体として外部から情報を受信し、また外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体に関し、特に、耐候性、耐熱性および柔軟性に優れ、さらには、通信特性に優れる非接触型データ受送信体に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型データ受送信体の一例であるICタグは、基材と、その一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとから構成されるインレットを備えており、13.56MHz帯で使用するICタグは、情報書込/読出装置からの電磁波を受信すると共振作用によりアンテナに起電力が発生し、この起電力によりICタグ内のICチップが起動し、このICチップ内の情報を信号化し、この信号がICタグのアンテナから発信される。
ICタグから発信された信号は、情報書込/読出装置のアンテナで受信され、コントローラーを介してデータ処理装置へ送られ、識別などのデータ処理が行われる。
【0003】
このようなICタグを耐熱性、耐候性および柔軟性に優れたものとするために、インレットを、シリコーン樹脂やポリテトラフルオロエチレン樹脂などからなる樹脂フィルムによって被覆して樹脂でモールドし、パッケージ化したICタグが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、インレットをエポキシ樹脂などの樹脂のみでモールドし、パッケージ化したICタグが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−24783号公報
【特許文献2】特開2002−312747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような樹脂モールドでは、インレットを、その両面から樹脂フィルムで挟み、この樹脂フィルムを、一対の熱ロールで加熱、加圧することにより溶融接着しているため、この際、インレットに過剰な圧力や温度が加えられたり、樹脂フィルムが収縮したりするので、インレットを構成するICチップが破損することや、劣化することがあるという問題があった。
また、加熱により、インレットを構成する基材も収縮して、アンテナの通信特性が低下するという問題があった。
さらに、シリコーン樹脂は、他の樹脂や金属などと接着し難いばかりでなく、このパッケージ化したICタグの製造方法では、インレットと樹脂フィルムとの接合は、固体同士の接合であるため、両者の密着度が低いという問題があった。したがって、このICタグの曲げを繰り返すと、インレットと樹脂フィルムとの界面で剥離するおそれがあった。
【0005】
また、インレットをエポキシ樹脂などの樹脂のみでモールドした場合、樹脂が硬化する際の収縮により、インレットを構成するICチップやアンテナが破損したり、劣化するばかりでなく、モールド樹脂内において、インレットを基準面(例えば、パッケージの外面の1つ)に対して平行な状態で固定することが難しく、アンテナの通信特性が低下することがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、耐薬品性、耐候性、耐熱性および柔軟性に優れ、さらには、アンテナに生じる通信特性の低下を防止した非接触型データ受送信体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非接触型データ受送信体は、インレットと、該インレットを被覆する接着材と、該接着材を介して前記インレットを挟む第一基材および第二基材と、を備えた非接触型データ受送信体であって、前記接着材は液状シリコーンゴムからなり、前記第一基材および前記第二基材はシリコーンゴムまたは加硫ゴムからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の非接触型データ受送信体は、インレットと、該インレットを被覆する接着材と、該接着材を介して前記インレットを挟む第一基材および第二基材と、を備えた非接触型データ受送信体であって、前記接着材は液状シリコーンゴムからなり、前記第一基材および前記第二基材はシリコーンゴムまたは加硫ゴムからなるので、硬化前は液体の液状シリコーンからなる接着材がインレットの外形形状に追従し、インレットの外面を隙間なく被覆しているから、インレットと接着材との密着度、並びに、接着材と第一基材および第二基材との密着度が高くなる。また、液状シリコーンと親和性の高い固体のシリコーンゴムまたは加硫ゴムからなる第一基材および第二基材により、液状シリコーンで被覆したインレットを挟み込むので、接着材と第一基材および第二基材との密着度が高くなる。したがって、本発明の非接触型データ受送信体は、曲げを繰り返しても、インレットと接着材との界面、並びに、接着材と第一基材および第二基材との界面で剥離するという不具合が生じることがなく、柔軟性に優れている。また、本発明の非接触型データ受送信体は、インレットと接着材との密着度、並びに、接着材と第一基材および第二基材との密着度が高いから、外部からインレットに、水、油、薬品などが浸入することが防止され、耐薬品性および耐候性に優れている。さらに、インレットが、基準面となる第一基材の一方の面および第二基材の一方の面に沿って固定されているから、アンテナの通信特性が低下することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の非接触型データ受送信体の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0010】
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、インレット11と、このインレット11を被覆する接着材12と、この接着材12を介してインレット11を挟む第一基材13および第二基材14とから概略構成されている。
また、接着材12は液状シリコーンゴムから構成され、第一基材13および第二基材14はシリコーンゴムまたは加硫ゴムから構成されている。
【0011】
インレット11は、基材16と、ICチップ17と、アンテナ18とから概略構成されている。また、ICチップ17およびアンテナ18は、基材16の一方の面16aに設けられ、互いに電気的に接続されている。
アンテナ18は、各種導電体からなり、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点(ICチップ17と接続している部分)を有する一対の放射素子19,20と、放射素子19,20の給電点近傍を短絡する短絡部21とからなるダイポールアンテナである。
アンテナ18の長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、放射素子18,19の長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
【0012】
非接触型データ受送信体10では、インレット11が、第一基材13の一方の面13aに、粘着材15を介して貼着された状態で、接着材12によりその外面が被覆されている。このとき、インレット11の基材16におけるICチップ17が実装されている面と反対側の面が、第一基材13の一方の面13aに貼着されている。そして、インレット11の外面は、液状シリコーンゴムからなる接着材12により、隙間なく(インレット11と接着材12の間に隙間なく)被覆されている。
また、第二基材14が、インレット11と第一基材13からなる積層体に、接着材12を介して重ね合わせられている。さらに、インレット11、第一基材13および第二基材14が、接着材12を介して接合され、一体化されている。
これにより、インレット11が、第一基材13の一方の面13aおよび第二基材14の一方の面14aに沿って固定されている。
【0013】
接着材12の厚みは、インレット11の外面を完全に被覆することができる厚み以上であるとともに、基材16の一方の面16aに設けられたICチップ17を完全に覆うことができる厚み以上である。
【0014】
接着材12としては、液状シリコーンゴムが用いられる。この液状シリコーンゴムは、室温あるいは低温加熱により、ゴム状に硬化するものであり、硬化速度が比較的速いものである。
液状シリコーンとしては、硬化時にICチップ17が劣化するのを防止するために、硬化温度が室温以上、40℃以下のものが好ましく、例えば、東レ・ダウコーニング社製の各種グレードのものが用いられ、製品名としては、例えば、「SE9185」、「SE9186」、「SE9186L」、「SE9206L」などが挙げられる。
【0015】
このような液状シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムの各種グレードの全般の何れでもよく、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の各種グレードのものが用いられ、製品名としては、例えば、「TSE392」、「TSE3925」、「TSE3940」、「TSE3941」、「TSE3945」、「TSE3946」、「XW11-B5320」、「XE11-A5133S」、「TSE3944」、「TSE3853-W」、「TSE3971」、「TSE3976-B」、「TSE397」などが挙げられる。
【0016】
第一基材13、第二基材14は、弾性および可撓性を有するシリコーンゴムまたは加硫ゴムから構成されるが、耐候性、耐熱性、耐薬品性、柔軟性などに優れる点から、シリコーンゴムが好ましい。
シリコーンゴムとしては、ミラブル型タイプの何れでもよく、例えば、東レ・ダウコーニング社製の熱加硫型のシリコーンコンパウンドが用いられ、その製品名としては、「SH831U」、「SH841U」、「SH851U」、「SH861U」、「SH871U」、「SH881U」、「SH35U」、「SH55UA」、「SH75UN」、「SE4705U」、「SE4706U」、「SE1185U」、「SE1186U」、「SE1187U」、「SH502U A/B」、「DY32−1005U」、「DY32−1000U」、「DY32−5013U」、「DY32−6014U」、「DY32−7040U」、「DY32−8013U」、「SH745U」、「SH746U」、「SH747U」などが挙げられる。
加硫ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)、ウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロドリンゴム(CO、ECO)、フッ素ゴム(FKM)などのゴムを加硫したものが挙げられる。
また、第一基材13、第二基材14は、無色あるいは有色のいずれであっても、また、透明あるいは不透明のいずれであってもよく、非接触型データ受送信体10の用途に応じて、適宜調整される。
【0017】
粘着材15としては、特に限定されないが、液体と固体の両方の性質を有し、常に濡れた状態にあり、流動性が低く、それ自体の形状を保持する粘着材が用いられる。このような粘着材としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム系粘着材、合成ゴム系粘着材、ホットメルト粘着材などが挙げられる。
【0018】
インレット11の基材16としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した被覆部材や、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材、(ガラス)エポキシ樹脂基材などのプラスチック基材や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリイミドからなる電気絶縁性のフィルムまたはシートが好適に用いられる。
【0019】
ICチップ17としては、特に限定されず、アンテナ18を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能なものであれば、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0020】
アンテナ18は、基材16の一方の面16aにポリマー型導電インクを用いて所定のパターン状にスクリーン印刷により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0021】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
【0022】
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば100〜150℃程度でアンテナ18をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。アンテナ18をなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜をなす導電微粒子が互いに接触することによる形成され、この塗膜の抵抗値は10-5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0023】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型かあるいは架橋/熱可塑併用型(ただし熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型かあるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0024】
また、アンテナ18をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、アンテナ18をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0025】
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、インレット11と、このインレット11を被覆する接着材12と、この接着材12を介してインレット11を挟む第一基材13および第二基材14とから概略構成され、接着材12は液状シリコーンゴムからなり、第一基材13および第二基材14はシリコーンゴムまたは加硫ゴムからなるので、硬化前は液体の液状シリコーンからなる接着材12がインレット11の外形形状に追従し、インレット11の外面を隙間なく被覆しているから、インレット11と接着材12との密着度、並びに、接着材12と第一基材13および第二基材14との密着度が高くなる。また、液状シリコーンと親和性の高い固体のシリコーンゴムまたは加硫ゴムからなる第一基材13および第二基材14により、液状シリコーンで被覆したインレット11を挟み込むので、接着材12と第一基材13および第二基材14との密着度が高くなる。したがって、非接触型データ受送信体10は、曲げを繰り返しても、インレット11と接着材12との界面、並びに、接着材12と第一基材13および第二基材14との界面で剥離するという不具合が生じることがなく、柔軟性に優れている。また、非接触型データ受送信体10は、前記のように構成部材間の密着度が高いから、外部からインレット11に、水、油、薬品などが浸入することが防止され、耐薬品性および耐候性に優れている。さらに、インレット11が、基準面となる第一基材13の一方の面13aおよび第二基材14の一方の面14aに沿って固定されているから、アンテナ18の通信特性が低下することがない。
【0026】
なお、本発明の非接触型データ受送信体は、上記の非接触型データ受送信体10に限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、接着材、第一基材および第二基材の厚み方向に貫通し、インレットを挟んで一対の取付孔が設けられてもよい。この取付孔は、取り付け対象となる物品に非接触型データ受送信体を取り付けるために用いられる。
【0027】
また、この実施形態では、アンテナ18がダイポールアンテナである非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、アンテナがモノポールアンテナ、クロスダイポールアンテナなどであってもよい。
【0028】
また、本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一基材のインレットと接する面あるいはそれとは反対の面、および/または、第二基材のインレットと接する面あるいはそれとは反対の面に、非接触型データ受送信体を識別するための印刷情報、その他、任意の文字、模様または画像などからなる印刷情報を設けてもよい。
さらに、本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一基材とインレットとの間、および/または、第二基材とインレットとの間に、インレットに接続(実装)した表示素子を設けてもよい。
このように、第一基材のインレットと接する面、および/または、第二基材のインレットと接する面に印刷情報を設ける場合、あるいは、第一基材とインレットとの間、および/または、第二基材とインレットとの間に、インレットに接続(実装)した表示素子を設ける場合、第一基材、第二基材を無色透明の材料で形成することが好ましい。
【0029】
次に、図1を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法について説明する。
まず、インレット11の基材16におけるICチップ17が実装されている面を上面(非貼着面)とし、第一基材13の一方の面13aに、インレット11を、粘着材15を介して貼着する。
次いで、第一基材13上のインレット11の外面に、液状シリコーンを塗布する。このとき、液状シリコーンの塗布量を、インレット11の外面を完全に被覆することができる量以上であるとともに、基材16の一方の面16aに実装されたICチップ17を完全に覆うことができる量以上とする。
次いで、インレット11と第一基材13からなる積層体に、第二基材14を、液状シリコーンを介して重ね合わせる。
次いで、インレット11、第一基材13、第二基材14および液状シリコーンから構成される構成物を、室温にて30分〜48時間程度放置するか、あるいは、30℃〜60℃にて30分〜24時間程度加熱し、溶媒を揮発させることにより液状シリコーンを硬化させて、接着材12を形成し、図1に示す非接触型データ受送信体10を得る。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の非接触型データ受送信体は、非金属物質の他に、金属物品や水分を含む物品へ直接貼付する用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の非接触型データ受送信体の一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0032】
10・・・非接触型データ受送信体、11・・・インレット、12・・・接着材、13・・・第一基材、14・・・第二基材、15・・・粘着材、16・・・基材、17・・・ICチップ、18・・・アンテナ、19,20・・・放射素子、21・・・短絡部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットと、該インレットを被覆する接着材と、該接着材を介して前記インレットを挟む第一基材および第二基材と、を備えた非接触型データ受送信体であって、
前記接着材は液状シリコーンゴムからなり、前記第一基材および前記第二基材はシリコーンゴムまたは加硫ゴムからなることを特徴とする非接触型データ受送信体。


【図1】
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【公開番号】特開2009−238022(P2009−238022A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84815(P2008−84815)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【出願人】(507291556)共和工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】