説明

非接触通信媒体読取データ変換装置及びその制御方法

【課題】非接触通信媒体読取データ変換装置及び制御方法に関し、既存のリーダライタの機械的構成を変更することなく、リーダライタ側のプログラムを変更するだけで、電波干渉を回避して確実な通信を可能とさせる。
【解決手段】リーダライタ12からの第1通信プロトコルによる呼びかけに対して処理開始起動を行うが、タイム制限内でのポーリングに対しては無応答とし、当該タイム制限を待って第2通信プロトコルで共用アンテナよりICカード13Aに呼びかけて固有データを取得して記憶部に記憶し、共用アンテナより受信した当該リーダライタ12からの次の呼びかけに対して当該第1通信プロトコルで応答し、記憶部に記憶しておいたICカード13Aの固有データを第1通信プロトコルに応じたフォーマットに変換して当該リーダライタ12に当該共用アンテナより送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信規格の異なる非接触の非接触通信媒体より単一のリーダライタでデータ読み取りを行わせる非接触通信媒体読取データ変換装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触のICカードが急速に普及し、リーダライタとの通信形態でいくつかの種類で分類されて規格化されている。例えば、Felica(登録商標)はJISX6319−4、Mifare(登録商標)はISO14443TypeA、ICode(登録商標)はISO15693でその通信形態が規格化されている。このようなICカードは、それぞれの規格に準拠した通信プロトコルのリーダライタ間でのみ通信が行われる。
【0003】
また、単一のリーダライタが、規格の異なるICカードと通信を可能とする技術も提案されている。例えば、特許文献1では、非接触ICコントロール部と、メインコントロール部との間に電源インターフェイスを設け、異なる規格のICカードの場合に非接触ICコントロール部を取り替えて通信を可能としている。また、特許文献2は、制御システム内に異なる規格ごとのリーダライタを設けて異なるタグIDを一方のタグIDに変換して処理するというものである。
【0004】
一方、ICカードの第三者による不正行為を抑制する目的で、リーダライタとICカードとの間でプロトコル変換する技術も特許文献3で提案されている。特許文献3は、記録体(ICカード)とリード/ライト装置間に、当該記録体との間で第1のプロトコルによる第1の通信を行い、リード/ライト装置との間で第2のプロトコルによる第2の通信を行うプロトコル変換アダプタを介在させ、記録体からの情報を第1の通信のプロトコルで解読して第2の通信のプロトコルに変換し、これを第2の通信のプロトコルでリード/ライト装置に送信するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−038331号公報
【特許文献2】特開2009−187270号公報
【特許文献3】特開2000−156718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2の技術では、異なる通信規格のICカードに対処させるためには、リーダライタの機械的構成を変更させるか、新たに追加させなければならない。種々の異なる通信規格のICカードが大量に普及している現状では、そのためのリーダライタも大量に備えられていることからして、これらに対してその都度構成を変更することは煩わしいために現実的でなく、追加することはコスト的な負担を強いることになるという問題がある。
【0007】
また、特許文献3の技術では、元々異なる通信規格のICカードを対象としたものでなく、本来、ICカードとリード/ライト装置とが通信可能であるにも拘わらずあえて互いの通信プロトコルを変更させて情報変換させるものであり、リード/ライト装置の通信プロトコルを変更しなければならないと共に、プロトコル変換アダプタにはそれぞれの通信に対応したアンテナがそれぞれ設けられることから、リード/ライト装置とアダプタ間の通信と、アダプタと記録体間の通信とが重なった場合にはそれぞれの電波が干渉して確実な通信を行うことができなる場合があるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、既存のリーダライタの機械的構成を変更することなく、リーダライタ側のプログラムを変更するだけで、電波干渉を回避して確実な通信を可能とさせる非接触通信媒体読取データ変換装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、単一の第1通信プロトコルで通信を行うリーダライタと、当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルで通信が行われる非接触通信媒体との間に介在されもので、当該リーダライタにおけるポーリング処理にタイム制限及びポーリング開始のリトライ時間を設定させることで当該非接触通信媒体の固有データをリーダライタに送信する非接触通信媒体読取データ変換装置であって、前記リーダライタ及び非接触通信媒体と通信を行うための単一共用アンテナと、前記リーダライタとの通信のための第1通信プロトコル、前記非接触通信媒体との通信のための当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルが記憶されると共に、前記非接触通信媒体より読み取った固有データを記憶する記憶部と、前記記憶部の対応の通信プロトコルを用いて、前記リーダライタからの前記第1通信プロトコルによる呼びかけに対して処理開始起動を行い、当該リーダライタからの前記タイム制限内でのポーリングに対して無応答とし、当該タイム制限を待って、前記第2通信プロトコルで前記共用アンテナより前記非接触通信媒体に呼びかけ、当該非接触通信媒体からの応答に対してメモリアクセスコマンドで固有データを取得して記憶部に記憶し、当該共用アンテナより受信した当該リーダライタからの設定されたリトライ時間による次の呼びかけに対して当該第1通信プロトコルで応答し、当該リーダライタからのメモリアクセスコマンドに応じて記憶部に記憶しておいた非接触通信媒体の固有データを第1通信プロトコルに応じたフォーマットに変換して当該リーダライタに当該共用アンテナより送信する処理手段と、を有する構成とする。
【0010】
請求項2の発明では、単一の第1通信プロトコルで通信を行うリーダライタと、当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルで通信が行われる非接触通信媒体との間に介在されもので、当該リーダライタ及び非接触通信媒体と通信を行うための単一共用アンテナと、当該リーダライタとの通信のための第1通信プロトコル、当該非接触通信媒体との通信のための当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルが記憶されると共に、当該非接触通信媒体より読み取った固有データを記憶する記憶部とを少なくとも備え、当該リーダライタにおけるポーリング処理にタイム制限及びポーリング開始のリトライ時間を設定させることで当該非接触通信媒体の固有データをリーダライタに送信する非接触通信媒体読取データ変換装置の備える処理手段による制御方法であって、前記記憶部の対応の通信プロトコルを用いて、前記リーダライタからの前記第1通信プロトコルによる呼びかけに対して処理開始起動を行い、当該リーダライタからの前記タイム制限内でのポーリングに対して無応答とするステップと、前記タイム制限を待って、前記第2通信プロトコルで前記共用アンテナより前記非接触通信媒体に呼びかけを行うステップと、前記非接触通信媒体からの応答に対して前記第2通信プロトコルでのメモリアクセスコマンドによって当該非接触通信媒体から固有データを取得して前記記憶部に記憶し、前記共用アンテナより受信した前記リーダライタからの設定されたリトライ時間による次の呼びかけに対して前記第1通信プロトコルで応答するステップと、前記リーダライタからのメモリアクセスコマンドに応じて前記記憶部に記憶しておいた非接触通信媒体の固有データを第1通信プロトコルに応じたフォーマットに変換して当該リーダライタに前記第1通信プロトコルで前記共用アンテナより送信するステップと、を含む構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、リーダライタからの第1通信プロトコルによる呼びかけに対して処理開始起動を行い、当該リーダライタからのタイム制限内でのポーリングに対して無応答とし、当該タイム制限を待って、第2通信プロトコルで共用アンテナより非接触通信媒体に呼びかけ、当該非接触通信媒体からの応答に対してメモリアクセスコマンドで固有データを取得して記憶部に記憶し、共用アンテナより受信した当該リーダライタからの設定されたリトライ時間による次の呼びかけに対して当該第1通信プロトコルで応答し、当該リーダライタからのメモリアクセスコマンドに応じて記憶部に記憶しておいた非接触通信媒体の固有データを第1通信プロトコルに応じたフォーマットに変換して当該リーダライタに当該共用アンテナより送信する構成とすることにより、リーダライタにおいてポーリング処理にタイム制限及びポーリング開始のリトライ時間を設定させておくだけのプログラムを変更するだけで、既存のリーダライタの機械的構成を変更することなく、リーダライタとの通信と非接触通信媒体の通信とを重複させないように制御させていることから電波干渉を回避して確実な通信を可能とさせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る非接触通信媒体読取データ変換装置の使用形態の構成図である。
【図2】図1のリーダライタ及びICカードのブロック構成図である。
【図3】本発明のデータ変換装置の構成図である。
【図4】データ変換装置による読取データ変換の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係る非接触通信媒体読取データ変換装置の使用形態の構成図を示す。図1において、ICカード読取データ変換装置11が、リーダライタ12と所定の通信形態の非接触通信媒体としてのICカード13との間に介在されて使用される。リーダライタ12は、構成を図2で説明するが、従前より普及している一の通信プロトコルで、同じ通信プロトコルのICカードに対して通信を行う既存のものを対象とし、コンピュータに接続されたり、携帯電話機に内蔵されたりしているものである。
【0014】
本発明におけるデータ変換装置11は、従前より普及している既存のICカードを読取対象とし、一例として、ISO14443規格(ここではTypeAとするが、TypeBであってもよい)のICカード13A、ISO15693規格のICカード13BやRFID(Radio Frequency Identification)タグ、JISX6319−4規格のICカード13C、さらには各社が独自に規格するICカードやRFIDタグを対象とする。この場合の本実施形態では、上記リーダライタ12は、JISX6319−4規格による第1通信プロトコルを備えるものとして説明する。
【0015】
ここで、図2に、図1のリーダライタ及びICカードのブロック構成図を示す。図2(A)は、リーダライタ12のブロック構成図であり、従前の機械的構成と同様に、CPU21、メモリ22、送受信部23及びRWアンテナ24を含んで構成される。この場合、CPU21は、備える従前のプログラムを、ポーリング処理にタイム制限及びポーリング開始のリトライ時間を設定させるプログラムに変更されている。また、メモリ22には、第1通信プロトコル(JISX6319−4準拠)が記憶され、これを用いてCPU21及び送受信部23で、この第1通信プロトコルに対応するICカード13C及びデータ変換装置11に対し、RWアンテナ24を介して能動的な通信が行われるものである。
【0016】
図2(B)は、ICカード13Aのブロック構成図であり、従前の構成と同様に、CPU31、メモリ32、送受信部33及びカードアンテナ34を含んで構成される。このカードが、リーダライタ12の第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルのものとして、メモリ32に記憶される。また、メモリ32には、このカードが保持するものとして固有データが記憶されている。このICカード13Aは、リーダライタ12と通信プロトコルが異なることから、直接的には通信を行うことができず、リーダライタ12は当該ICカード13Aの固有データを取得することができないことから、これを可能とするためにデータ変換装置11が介在されるものである。なお、ICカード13Cも第1通信プロトコルが異なるだけで同様の構成であり、ICカード13B若しくはRFIDタグはCPUに替えて例えば第3通信プロトコルに対応する送受信部に論理回路を備えるものである。
【0017】
そこで、図3に、本発明のデータ変換装置の構成図を示す。図3(A)において、データ変換装置11は、処理手段であるCPU41、記憶部であるメモリ42、送受信部43、共用アンテナ44及び電源部45を含んで構成される。この共用アンテナ44は、リーダライタ12とICカード13との両方の通信に共用される単一のアンテナである。
【0018】
上記処理手段であるCPU41は、この装置全体の制御を統括するもので、メモリ42の対応の通信プロトコルを用いて、リーダライタ12からの第1通信プロトコルによる呼びかけに対して処理開始起動を行い、当該リーダライタ12からのタイム制限内でのポーリングに対して無応答とし、当該タイム制限を待って、第2通信プロトコルで共用アンテナ44よりICカード13Aに呼びかけ、当該ICカード13Aからの応答に対してメモリアクセスコマンドで固有データを取得してメモリ42内の固有データ記憶領域に記憶し、当該共用アンテナ44より受信した当該リーダライタ12からの設定されたリトライ時間による次の呼びかけに対して当該第1通信プロトコルで応答し、当該リーダライタ12からのメモリアクセスコマンドに応じてメモリ42内の固有データ記憶領域に記憶しておいたICカード13Aの固有データを第1通信プロトコルに応じたフォーマットに変換して当該リーダライタ12に当該共用アンテナ44より送信する機能を主プログラムとして備える。
【0019】
なお、リーダライタ12の第1通信プロトコルと同じ通信プロトコルで通信可能なICカード13Cに対しても通信が可能である。本来、ICカード13Cはリーダライタ12と直接に通信可能であるが、リーダライタ12から見て対象のICカードの通信プロトコルが不明の場合に、このデータ変換装置11を使用して通信を行わせることができることにメリットがある。
【0020】
上記メモリ42には、リーダライタ12(ICカード13C)の通信形態と同じ第1通信プロトコル(JISX6319−4準拠)、ICカード13Aの通信形態と同じ第2通信プロトコル(ISO15693準拠)及びICカード13Bの通信形態と同じ第3通信プロトコル(ISO14443準拠)が記憶されている。また、メモリ42には、所定のICカードより通信により取得した固有データを記憶しておく固有データ記憶領域をも形成される。なお、本実施形態における通信プロトコルと通信規格との関係は便宜上のもので、リーダライタ12の第1通信プロトコルと異なるものであれば、対応関係を逆に、第2通信プロトコルをISO14443準拠とし、第3通信プロトコルをISO15693準拠としてもよい。
【0021】
送受信部43は、リーダライタ12に対して第1通信プロトコルに対応するフォーマットの送受信信号を変復調し、また、リーダライタ12の第1通信プロトコルとは異なる通信プロトコル(第2通信プロトコル、第3通信プロトコル)のフォーマットで通信を行うICカード13A,13Bに対して送受信信号の変復調を行う電子回路ないしプログラムである。
【0022】
そして、上記電源部45は、駆動のための電圧を供給するもので、いわゆるバッテリを備えさせる方法、リーダライタ12からのRF(Radio Frequency)信号から電圧を生成する方法、RF信号からの電圧生成と共に補助バッテリを備える方法がある。ここでは、通信動作を確実にするためにバッテリだけで電圧供給するものとする。
【0023】
このようなICカード読取データ変換装置11は、図3に示す構成のうち、共用アンテナ44を除けばICチップ化することができ、全体としてクレジットカード(ICカード)並みの大きさ、厚さで作製することができる。
【0024】
そこで、図4に、データ変換装置による読取データ変換の処理フローチャートを示す。図4における処理フローは、上述のように、第1通信プロトコル(JISX6319−4準拠)のリーダライタ12で第2通信プロトコル(ISO15693準拠)のICカード13Aの固有データを取得させる場合のもので、上から下に時系列となっている。
【0025】
図4において、データ変換装置11は機能停止状態となっており、例えば、リーダライタ12が内蔵された携帯電話機に当該データ変換装置11が当てられると、リーダライタ12から第1通信プロトコルの呼びかけによるRF信号を共用アンテナ44によりメモリ42の第1通信プロトコルで受信することで、CPU41が処理開始起動(ON状態)となる。その後、リーダライタ12からの設定されているタイム制限内でのポーリングに対して無応答とする。リーダライタ12では、タイム制限でポーリングが停止され、設定されているポーリング開始のリトライ時間までは、ポーリングは行われない。この間に、CPU41が後述のように対象のICカード13Aより固有データを取得する。
【0026】
すなわち、リーダライタ12及びデータ変換装置11をICカード13Aに近づけ、CPU41が、当該リーダライタ12のポーリングのタイム制限を待って、送受信部43からICカード13Aに対して送受信部43、共用アンテナ44より呼びかけのポーリング(RF信号)を行わせる。ポーリングは、例えば、第1〜第3通信プロトコルをタイムスケジュールに従って順次発信させる。
【0027】
データ変換装置11からのポーリングに対してICカード13Aが通信を行うに十分な距離まで近接されていなければ当該ICカード13Aは当該データ変換装置11に対して無応答であり、通信可能な近接距離になったときにICカード13Aにおいて受信したRF信号により電源が生成され、CPU31が第2通信プロトコルで存在することの応答を送受信部33、カードアンテナ34より発信する。
【0028】
これを共用アンテナ44から送受信部43が受信すると、CPU41は、この応答時の通信プロトコルで当該ICカード13Aが第2通信プロトコルでの通信規格であることを特定し、当該応答に対して第2通信プロトコルでのメモリアクセスコマンドによって当該ICカード13Aから取得した固有データ信号をメモリ42内の第2通信プロトコルで解析して特定し、これをメモリ42内の固有データ記憶領域に記憶する。
【0029】
そこで、データ変換装置11におけるCPU41は、共用アンテナ44より受信したリーダライタ12からの設定されたリトライ時間による次の呼びかけに対して第1通信プロトコルで応答する。これに応じてリーダライタ12よりメモリアクセスコマンドが第1通信プロトコルで発信され、これを共用アンテナ44、送受信部43が受信すると、CPU41がメモリ42内の第1通信プロトコルで解析し、メモリ42内の固有データ記憶領域に記憶されている固有データを読み出し、当該固有データを第1通信プロトコル対応のデータフォーマットに変換し、リーダライタ12に対して送受信部43、共用アンテナ44を介して第1通信プロトコルで送信する。これによって、リーダライタ12は、通信プロトコルの異なるICカード13Aの固有データを取得することとなる。なお、データ変換装置11とリーダライタ12とで通信している間は、ICカード13Aに対して、存在確認のポーリングは行わない。
【0030】
そして、リーダライタ12に固有データを送信した後、、CPU41が、ICカード13Aに対して、送受信部43、共用アンテナ44を介して第2通信プロトコルで存在確認のコマンドを発信させ、当該ICカード13Aがデータ変換装置11より遠ざかって通信不能となって無応答となったときに、CPU41が処理を停止状態(OFF状態)とさせる。これによって、データ変換装置11は、リーダライタ12からの何らかのアクセスに対して自然的に無応答となる。また、ICカード13Aは、電波が受信できなくなって電源生成は停止されるものである。
【0031】
このようなデータ変換装置11は、リーダライタ12に対してはICカードのように振る舞い、ICカード13Aに対してはリーダライタのように振る舞うものである。そして、リーダライタ12でポーリング処理にタイム制限及びポーリング開始のリトライ時間を設定させておくだけのプログラムを変更するだけで、既存のリーダライタ12の機械的構成を変更することなく、リーダライタ12との通信とICカード13Aの通信とを重複させないように制御させていることから電波干渉を回避して確実な通信を可能とさせることができるものである。なお、上記の処理は、ICカード13Bに対しても同様であり、ICカード13Cに対しても同様の処理を行うことで上述のようなメリットを奏することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の非接触通信媒体読取データ変換装置及び制御方法は、通信規格の異なる非接触のICカードなどの非接触通信媒体より単一のリーダライタでデータ読み取りを行わせる非接触通信媒体産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
11 データ変換装置
12 リーダライタ
13 ICカード
21,31,41 CPU
23,33,43 送受信部
24 RWアンテナ
34 カードアンテナ
43 送受信部
44 共用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の第1通信プロトコルで通信を行うリーダライタと、当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルで通信が行われる非接触通信媒体との間に介在されもので、当該リーダライタにおけるポーリング処理にタイム制限及びポーリング開始のリトライ時間を設定させることで当該非接触通信媒体の固有データをリーダライタに送信する非接触通信媒体読取データ変換装置であって、
前記リーダライタ及び非接触通信媒体と通信を行うための単一共用アンテナと、
前記リーダライタとの通信のための第1通信プロトコル、前記非接触通信媒体との通信のための当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルが記憶されると共に、前記非接触通信媒体より読み取った固有データを記憶する記憶部と、
前記記憶部の対応の通信プロトコルを用いて、前記リーダライタからの前記第1通信プロトコルによる呼びかけに対して処理開始起動を行い、当該リーダライタからの前記タイム制限内でのポーリングに対して無応答とし、当該タイム制限を待って、前記第2通信プロトコルで前記共用アンテナより前記非接触通信媒体に呼びかけ、当該非接触通信媒体からの応答に対してメモリアクセスコマンドで固有データを取得して記憶部に記憶し、当該共用アンテナより受信した当該リーダライタからの設定されたリトライ時間による次の呼びかけに対して当該第1通信プロトコルで応答し、当該リーダライタからのメモリアクセスコマンドに応じて記憶部に記憶しておいた非接触通信媒体の固有データを第1通信プロトコルに応じたフォーマットに変換して当該リーダライタに当該共用アンテナより送信する処理手段と、
を有することを特徴とする非接触通信媒体読取データ変換装置。
【請求項2】
単一の第1通信プロトコルで通信を行うリーダライタと、当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルで通信が行われる非接触通信媒体との間に介在されもので、当該リーダライタ及び非接触通信媒体と通信を行うための単一共用アンテナと、当該リーダライタとの通信のための第1通信プロトコル、当該非接触通信媒体との通信のための当該第1通信プロトコルと異なる少なくとも一の第2通信プロトコルが記憶されると共に、当該非接触通信媒体より読み取った固有データを記憶する記憶部とを少なくとも備え、当該リーダライタにおけるポーリング処理にタイム制限及びポーリング開始のリトライ時間を設定させることで当該非接触通信媒体の固有データをリーダライタに送信する非接触通信媒体読取データ変換装置の備える処理手段による制御方法であって、
前記記憶部の対応の通信プロトコルを用いて、前記リーダライタからの前記第1通信プロトコルによる呼びかけに対して処理開始起動を行い、当該リーダライタからの前記タイム制限内でのポーリングに対して無応答とするステップと、
前記タイム制限を待って、前記第2通信プロトコルで前記共用アンテナより前記非接触通信媒体に呼びかけを行うステップと、
前記非接触通信媒体からの応答に対して前記第2通信プロトコルでのメモリアクセスコマンドによって当該非接触通信媒体から固有データを取得して前記記憶部に記憶し、
前記共用アンテナより受信した前記リーダライタからの設定されたリトライ時間による次の呼びかけに対して前記第1通信プロトコルで応答するステップと、
前記リーダライタからのメモリアクセスコマンドに応じて前記記憶部に記憶しておいた非接触通信媒体の固有データを第1通信プロトコルに応じたフォーマットに変換して当該リーダライタに前記第1通信プロトコルで前記共用アンテナより送信するステップと、
を含むことを特徴とする非接触通信媒体読取データ変換装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−239181(P2011−239181A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108978(P2010−108978)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】