説明

非接触ICリードライトシステム、非接触ICリーダライタ装置およびプリンタ装置

【課題】1台のICリーダライタがカード搬送パス上のカードおよびユーザによってかざされたカードに対して通信可能に設けられていても、不要なカード判別処理を無くすことによって生産性を向上する。
【解決手段】第1通信部12にあるカードC1に対する処理と第2通信部13にあるカードC2に対する処理の内容に応じて、カードC1とカードC2とを判別する必要があるか否かを判定する。このとき、カードC1に対する処理とカードC2に対する処理が異なる場合は判別する必要があり、全く同一の場合は判別する必要がないと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触にてICカードと通信を行い、データの読込みおよび書込み処理が可能な非接触ICリードライトシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、ICチップを内蔵したカードから構成され、磁気ストライプカードに比べて大容量のデータを扱うことができ、また高いセキュリティを確保できることから、個人識別用のIDカードやプリペイドカード等として使用されている。また、このようなIDカードを発行するために、カード表面に印刷をする機能を持つカードプリンタと、カードにデータを書込みおよび読取りをするためのICリーダライタとが一体となったプリンタ装置が使用され、カード表面への印刷処理とICチップへのデータの記録処理とを行っている。このような場合、プリンタ装置はカード搬送パスを有し、ICリーダライタのアンテナをカード搬送パス近傍に設けることで、カード搬送パスの所定の位置に搬送されたカードとICリーダライタとの通信を行う。また別のICリーダライタとしては、ICリーダライタの装置筐体の外部からユーザがカードをかざすことによって、カードとICリーダライタとの通信を行うものもある。
【0003】
従来、上述したカード搬送パス上のカードと装置筐体の外部からユーザによってかざされたカードとの両方に対して、1台のICリーダライタで通信可能なICリーダライタ装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなICリーダライタ装置では、カード搬送パス上のカードに対してはカード発行ためのデータを書込む場合がある。その際、データが書込まれるカードはブランクカードを使用することが多い。一方、装置筐体の外部からかざされるカードは、既に発行されたカードが使用されることが多く、カードに対してデータの読取りや書換えの処理が行われる。
【0004】
しかし、これらの非接触式のICリーダライタは、ICリーダライタの通信範囲内にカードが複数枚存在することは検知できるが、カード搬送パス上のカードか装置筐体の外部からかざされるカードかを区別することはできない。よって、ユーザがカードをかざすタイミングによっては、本来ブランクカードに書込むはずのデータを発行済みのカードに対して上書きしてしまうおそれがある。
【0005】
ところで、カード搬送パス上のカードと装置筐体の外部からかざされるカードとを、1台のICリーダライタで同時に通信させないように構成されたICリーダライタ装置は知られている(例えば、特許文献2参照)。この装置によると、カード搬送パス上でカードをロックするロック機構を備えており、カードが搬送パスに挿入されてロック機構によりカードが固定されるとロック信号が発生する。そのロック信号の発生によりICリーダライタの通信距離を縮め、装置筐体の外部からかざされるカードとの通信を行わないように構成している。この構成であれば、ロック信号が発生したときに搬送パス上のカードのみを処理するので上述した問題を防ぐことはできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−161751号公報
【特許文献2】特開2000−285207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、カード搬送パス上のカードに対する処理と、ユーザによってかざされるカードに対する処理とが異なる場合は、処理されるカードがカード搬送パス上のカードかユーザによってかざされたカードかを判別する必要があるが、カードに対する処理が全く同一の場合は、上述した特許文献2のようにカード搬送パス上のカードとユーザによってかざされたカードとを分ける必要はない。よって、処理をする全てのカードに対してカード搬送パス上のカードかユーザによってかざされたカードかを判別していたら処理ステップが増えてしまうため生産性が悪い。
本発明は上記事案に鑑み、1台のICリーダライタがカード搬送パス上のカードおよびユーザによってかざされたカードに対して通信可能に設けられていても、不要なカード判別処理によって生産性を落とすことの無い非接触ICリードライトシステム、非接触ICリーダライタ装置およびプリンタ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、ホストコンピュータと、ICリーダライタ装置筐体と、前記装置筐体の内部に設けられ、第1のカードを搬送するための搬送パスと、無線信号を送受信することで、前記搬送パス上の第1通信部にある前記第1のカードおよび前記搬送パスとは異なる位置の第2通信部にユーザによって前記装置筐体の外部から位置づけられる第2のカードと選択的に通信可能なICリードライト部と、を備えた非接触ICリードライトシステムにおいて、前記第1通信部および前記第2通信部において、前記ICリードライト部から発信される無線信号に対するカードからの反応の有無によってカードの有無を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要があるか否かを判定する判定手段とを備えている。そして前記判定手段は、前記第1のカードおよび前記第2のカードに対する処理に応じて判別する必要があるか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1台のICリーダライタがカード搬送パス上のカードおよびユーザによってかざされたカードに対して通信可能に設けられていても、処理するカードが、カード搬送パス上のカードかユーザによってかざされたカードかを判別する必要があるか否かを判定するため、不要な判定処理をすることがなく、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明が適用可能な第1実施形態のプリンタ装置が接続可能されたシステム構成図である。
【図2】第1実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、搬送パス上のカードが第1通信部にある状態を示す。
【図3】第1実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、搬送パス上のカードに対しての応答処理中にユーザがカードをかざした状態を示す。
【図4】第1実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、ICリーダライタとユーザによってかざされるカードとの通信を禁止している状態を示す。
【図5】第1実施形態のプリンタ装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態のICリーダライタとICカードとの間の通信を示すシーケンス図である。
【図7】第1実施形態のカード発行コマンドを受信する前の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】第1実施形態のカード発行コマンドを受信した後の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】第1実施形態のカードの概略構成を示した図である。
【図10】第2実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、搬送パス上のカードが第1通信部にある状態を示す。
【図11】第2実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、搬送パス上のカードに対しての応答処理中にユーザがカードをかざした状態を示す。
【図12】第2実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、ICリーダライタとユーザによってかざされるカードとの通信を禁止している状態を示す。
【図13】第3実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、搬送パス上のカードが第1通信部にある状態を示す。
【図14】第3実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、搬送パス上のカードに対しての応答処理中にユーザがカードをかざした状態を示す。
【図15】第3実施形態のプリンタ装置の概略断面図で、ICリーダライタとユーザによって挿入されるカードとの通信を禁止している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
【0012】
<システム構成>
図1に示すように、プリンタ装置1は、図示を省略するインターフェースを介して、上位装置10(例えば、パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ)に接続され、上位装置10からプリンタ装置1に印刷データやIC記録データ等を送信して、記録動作等を指示することが可能である。
【0013】
上位装置10には、一般に、印刷データに使用される画像等を入力する画像入力装置4(例えばカメラやスキャナ等)、上位装置10に命令やデータを入力するためのキーボードやマウス等の入力装置3、上位装置10によって生成されたデータや、後述するICリーダライタによってカードから得られたデータ等の表示を行う液晶ディスプレイ等のモニタ2が接続されている。
【0014】
<内部構成>
次に、図2を参照して、プリンタ装置1及び上位装置10の内部の各構成要素について説明する。カード供給部16は、プリンタ装置1の一側に着脱自在に設けられ、その内部に記録処理前の複数のブランクなカードC1を積層状に収納可能としており、プリンタ装置1側に設けられ、図示を省略するモータにより回転駆動する供給ローラ17が最下位(最下層)のカードを装置内部へと繰り出す。プリンタ装置1は、筐体24の内部にカードC1が搬送される搬送パスPを備えており、供給ローラ17によってカードC1は搬送パスPに繰り出される。
【0015】
印刷部20はカードC1の表面に文字や画像等のデータを印刷する。第1実施形態においては、印刷部20は熱転写プリンタの構成が採用されており、搬送パスP上の印刷位置に設けられたプラテンローラ22に対して進退可能に設けられたサーマルヘッド21を有している。プラテンローラ22とサーマルヘッド21との間には、インク層Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)等の複数色が面順次に繰り返されたインクリボンRが介在しており、インクリボンRを介してサーマルヘッド21をカードC1に対して圧接して印刷を行う。
【0016】
搬送パスP上のカードC1は、搬送パスPに設けられた複数の搬送ローラ(対)18に狭持されて搬送される。搬送ローラ18はステッピングモータMの駆動により回転する。なお、搬送パスPにはカード検出用のセンサ15が設けられており、センサ15はカードC1の先端が通過したことを検知する。そして、後述する制御部95はセンサ15の検知結果とステッピングモータMの駆動量を参照してカードC1の位置を管理する。
【0017】
カード供給部16の下方にはカード排出部25が装置筐体24に対して着脱自在に設けられている。カードC1に対する処理が全て終了するとカードC1はカード排出部25へ搬送され、処理済のカードC1がカード排出部25に積層状に収納される。カードC1がカード排出部25に搬送される際は、搬送パスPがカード排出部25の方向に切り替えられる。
【0018】
ICリーダライタ11はIC制御部11aとアンテナ(コイル)11bとで構成され、搬送パスPと筐体24の天板との間に設けられている。第1実施形態のICリーダライタ11は電磁誘導方式を利用して、非接触でカードとの通信を行う。カードC(図9参照)はICチップ30とアンテナ(コイル)31が搭載されており、カードCのアンテナ31とICリーダライタのアンテナ11bとの間の誘導起電力を用いて通信を行う。まず、ICリーダライタ11のアンテナ11bに電流を流して、アンテナ11bに対して垂直方向に磁界を発生させる。次に、この磁界をカードCのアンテナ31が受けるとアンテナ31に起電力が発生し、アンテナ31に電流が流れることでICチップ30に電源が供給される。さらに、ICリーダライタ11は発生した磁界に特定のデータ(コマンド)が変調された信号を乗せて発信し、カードCは信号を受信することで通信を行う。同様に、カードCのアンテナ31に電流が流れることで磁界が発生し、その磁界に乗せてICリーダライタ11に信号を発信している。
【0019】
ICリーダライタ11は、アンテナ11bから応答要求信号を発信する。カードCが応答要求信号を受信すると応答要求信号に従ってレスポンス信号を発信し、ICリーダライタ11はレスポンス信号を受信する。これにより、ICリーダライタ11の通信範囲内にカードCが存在することを検出することができるが、カードCが複数枚あるかどうかは分からない。よって、レスポンス信号を発信したカードCに対して次の応答要求信号に反応しないようレスポンス禁止信号を発信する。その後再び応答要求信号を発信して、レスポンス信号を受信したらカードCがさらに存在することがわかる。逆に反応が無い場合はICリーダライタ11の通信範囲にはカードCが1枚だけ存在することがわかる。ICリーダライタ11はレスポンス信号がなくなるまでこれを繰り返し、ICリーダライタ11の通信範囲内にカードCが何枚あるか検出する(以下、応答処理という)。
【0020】
その後、ICリーダライタ11はカードCに対して特定の番号を照会して認証を行い、認証されたカード以外とは通信を行わないようにする。なお、カードCが複数枚存在することを検出した場合は、全てのカードに対してそれぞれカードの認証を行う(以下、カード認証処理という)。そして、認証されたカードCに対して上位装置10の命令に従ってデータの書込みまたは読込み処理を行う(以下、リードライト処理という)。
【0021】
上述したように、ICリーダライタ11は非接触でカードCとの通信を行うため、発生した磁界の範囲内であればどこでもICリーダライタ11とカードCとは通信可能である。そこで第1実施形態のICリーダライタ11の通信可能領域は図2の符号12、13に示した範囲であり、ICリーダライタ11に対して搬送パスP側を第1通信部12、筐体24の天板側を第2通信部13という。なお、筐体24の天板の一部には上述した磁界を通過させる材質で構成されたカードかざし部33が設けられており、ユーザはカードかざし部33にカードC2をかざすことにより第2通信部13にカードC2を進入させる。よって、第1通信部12では、搬送パスP上で搬送されたカードC1との通信を行い、第2通信部13では、ユーザによってカードかざし部33にかざされたカードC2との通信を行う。
【0022】
また、図2は、カードC1が搬送パスP上の第1通信部12に搬送された状態を表し、図3はカードC1が第1通信部12に搬送されたときにユーザがカードC2をカードかざし部33にかざしている状態を表している。
【0023】
図2〜図4に示した遮断板32は、ICリーダライタ11から発生した磁界を遮断するような材質の板であり、不図示のモータによって遮断位置と退避位置との間を移動可能に設けられている。図3に示したように、遮断板32が退避位置にあるときは第2通信部13の範囲はカードかざし部33に到達しているため、ユーザによってカードかざし部33にかざされたカードC2はICリーダライタ11と通信可能である。一方、図4に示したように遮断板32が遮断位置にあるときは、遮断板32によってICリーダライタ11が発する磁界を遮ることで第2通信部の範囲がカードかざし部33に到達しない。よって、ユーザによってカードかざし部33にかざされたカードC2は第2通信部13の範囲外にあるためカードC2とICリーダライタ11との通信は不可能である。
【0024】
また、搬送パスPにおいて印刷部20と第1通信部12との間に待機部14を設け、カードC1が待機部14にある状態では、ICリーダライタ11とカードC1との通信は行われない。
【0025】
また、カードかざし部33に近接した位置にプリンタ装置1の状態やユーザに対する警告等を表示する表示部19を備えている。
【0026】
次に、プリンタ装置1の制御および電気系統について説明する。プリンタ装置1は、プリンタ装置1全体の動作制御を行う制御部95と、ICリーダライタ11の制御を行うIC制御部11aと、商用交流電源から各機構部および制御部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部90とを有している。
【0027】
<制御部>
図5に示すように、制御部95は、プリンタ装置1の全体の制御処理を行うマイクロコンピュータ95b(以下、マイコン95bと略称する。)を備えている。マイコン95bは、中央演算処理装置として高速クロックで作動するCPU、プリンタ装置1の基本制御動作(プログラムおよびプログラムデータ)が記憶されたROM、CPUのワークエリアとして働くRAMおよびこれらを接続する内部バスで構成されている。
【0028】
マイコン95bには外部バスが接続されている。外部バスには、上位装置10の制御部との通信を行うための図示を省略したインターフェース、カードC1に印刷すべき印刷記録データ等を一時的に格納するバッファメモリ95aが接続されている。
【0029】
また、外部バスには、センサ15等の各種センサからの信号を制御するセンサ制御部95c、各モータに駆動パルスや駆動電力を送出するモータドライバ等を制御するアクチュエータ制御部95d、サーマルヘッド21の熱エネルギーを制御するサーマルヘッド制御部95e、および、表示部19を制御するための表示制御部95fが接続されている。センサ制御部95cは発光素子、受光素子からなるカード検出センサ15および他の図示を省略するセンサに、アクチュエータ制御部95dはステッピングモータMおよび他の図示しないモータ、アクチュエータ等に、サーマルヘッド制御部95eはサーマルヘッド51に、操作表示制御部95fはオペパネ部5にそれぞれ接続されている。
【0030】
また、プリンタ装置1に内蔵されたICリーダライタ11もプリンタ装置1と同様に、ICリーダライタ11の制御を行うIC制御部11aを備えている。IC制御部11aもメモリとマイコンを有し、上位装置10の制御部と通信を行い、上位装置10の命令に従って動作する。そして、IC制御部11aはアンテナ11bに対してカードCとの通信を行うための制御を行う。なお、電源部90は、制御部95、サーマルヘッド21、表示部19、各センサ(センサ15を含む)、各アクチュエータ(モータMを含む)およびICリーダライタ11に作動/駆動電源を供給している。
【0031】
<動作>
以下、第1実施形態の上位装置10およびプリンタ装置1の処理フローについて説明する。
【0032】
プリンタ装置1に内蔵されているICリーダライタ11は、第1通信部にあるカードC1に対してはカード発行に伴って上位装置10から命令された処理を実行する。一方、第2通信部にあるカードC2に対してはカードC2に格納されている所定のデータを読込んで、読込んだデータを上位装置10に接続されているモニタ2に表示するようにプログラムされている。ユーザはカードC2に印刷された情報と、表示(カードC2に格納)された情報とを見比べて、適正なカードであるかを判断する。
【0033】
ICリーダライタ11は常時、応答要求信号を発信しており、ICリーダライタ11の通信範囲に入ってきたカード(レスポンス信号を発信したカード)に対して通信を行う。よって、第1通信部においてカードC1に対してカード発行処理を行うためのコマンドが上位装置10から発生していない場合は、カードC1が搬送パスPに繰り出されないため、ユーザによってかざされたカードC2に対する処理を行う(図7参照)。
【0034】
上位装置10によってカード発行コマンドが生成され、プリンタ装置1に命令が出された場合は、カードC1が搬送パスPに繰り出されるため、カードC1とカードC2がICリーダライタ11の通信範囲内(第1通信部および第2通信部)で混在する可能性がある。よって、第1実施形態では以下の処理フローに従って動作する(図8参照)。
【0035】
まず、上位装置10によってカードC1に対するカード発行コマンドが生成される。プリンタ装置1はコマンドを受信すると、ICリーダライタ11は応答要求信号の発信を停止する(S1)。その後カードC1を搬送パスPに繰り出し(S2)、第1通信部12まで搬送する(S3)。ここでICリーダライタ11は応答要求信号を発信し(S4)、応答要求信号に対する反応(レスポンス信号)の有無により、第1通信部12および第2通信部13においてカードが何枚あるか検出する(S5)。
【0036】
もしレスポンス信号を発信したカードが1枚と検出された場合、ICリーダライタ11の通信範囲内に存在するカードは第1通信部12にあるカードC1であることがわかる(図2参照)。その後、遮断板32を遮断位置に移動させて、第2通信部13の範囲を強制的に縮めることでICリーダライタ11とカードかざし部33にかざされるカードC2との通信を不可能な状態にし、表示部19に、ユーザに対してカードC2をカードかざし部33にかざさないように警告表示を行う(S6)(図4参照)。この状態でカードC1に対してIC処理(カード認証処理およびリードライト処理)を行う(S7)。IC処理が終了するとカードC1を印刷部20の方向にスイッチバック搬送させる(S8)。ここで、カードC1がセンサ15を通過したときに遮断板32を退避位置に移動させて、第2通信部13の範囲を元に戻すことでICリーダライタ11とカードC2との通信を可能な状態にする。また表示部19に表示された警告表示も解除する(S9)。印刷部20に搬送されたカードC1に対して印刷処理を行い(S10)、全ての処理が終了したカードC1はカード排出部25に排出される(S11)。
【0037】
ステップS5においてカードが2枚検出された場合(図3参照)、検出されたカードが第1通信部12にあるカードC1か、第2通信部13にあるカードC2かを判別する必要があるか否かを後述する判定方法で判定する(S12)。これにより判別する必要がある場合、後述する判別方法でカードC1とカードC2を判別する(S13)。判別が終了すると、まずカードC1およびカードC2に対してカード認証処理を行う(S14)。カード認証処理が終了するとカードC2に対してリードライト処理を行い(S15)、その後カードC1に対してリードライト処理を行う(S16)。そしてリードライト処理が終了したカードC1を印刷部へ搬送して(S17)印刷処理を行う(S10)。印刷処理が終了したカードC1はカード排出部25に排出される(S11)。一方、判別する必要がない場合はステップS13の判別処理を省略してステップS14に進む。
【0038】
<判定処理>
ここで、ICリーダライタ11が発信した応答要求信号に対するレスポンス信号によって、ICリーダライタ11の通信範囲内にカードが2枚存在することを検出した場合に、検出されたカードがカードC1かカードC2かを判別する必要があるか否かを判定する判定処理について説明する。
【0039】
第1実施形態では、上述したとおりカードC1に対するIC処理とカードC2に対するIC処理とが異なるため、検出されたカードを判別する必要がある。しかし、カードC1とカードC2との両方に対して同一のIC処理をする場合は検出されたカードを判別する必要はない。例えば、カードCの所定のアドレスに「知的財産部」というデータを書込むように設定した場合、カード供給部16に積載されているカードC1が順次搬送パスPに繰り出され、第1通信部12においてカードC1の所定のアドレスに「知的財産部」というデータが書込まれる。この処理をしている途中でユーザが持っているカードC2に対して上記データを書込みたい場合に、ユーザはカードC2をカードかざし部33にかざして、カードC2の所定のアドレスに上記データを書込む。このような処理ではカードC1とカードC2とを判別する必要はなく、図8のステップS12において判別の必要はなしと判定される。
【0040】
しかし、ICリーダライタ11が行うカードC1およびカードC2に対するIC処理が同じであっても、カードC1とカードC2とを判別する必要がある場合も考えられる。例えば、カードC2に対しては、カードC2に格納されているデータを読取って、上位装置10のモニタ2に読取ったデータを表示するようプログラムされており、一方カードC1に対しては、カードC1に格納されているデータを読取って、読取ったデータに基づいてカードC1の表面に印刷を行うようにプログラムされている場合、カードC1およびカードC2に対するIC処理は、カードに格納されているデータを読取るという点で同一である。しかし、カードC1に対して印刷を行う際にカードC2に格納されているデータに基づいて印刷を行ってしまうと、カードC1に格納されているデータと表面に印刷された文字や画像とが異なってしまい問題である。よって、このような場合はカードC1およびカードC2に対するIC処理が同一でも、IC処理後のカードに対する処理が異なる場合は判別が必要である。
【0041】
また、カードC1およびカードC2に対してどちらも書込み処理を行う場合でも、カードC1に書込むデータとカードC2に書込むデータとが異なる場合は判別が必要である。
【0042】
換言するとカードC1とカードC2とを判別するか否かの判定は、カードC1に対する処理全体とカードC2に対する処理全体とが同一であるか否かによって行われる。
【0043】
<判別処理>
ここでステップS5においてICリーダライタ11の通信範囲にカードCが2枚存在することを検出され、ステップS12においてカードC1とカードC2とを判別する必要があると判定された場合に、カードC1とカードC2とを判別する判別処理について説明する。なお、カードC1(発光前のブランクカード)に対してはデータの書込み処理を行い、カードC2(発行済みのカード)に対してはデータを読込んでモニタ2に表示するようプログラムされている場合を前提に説明する。
【0044】
応答処理が終了した段階で、ICリーダライタ11はカードCの所定のアドレスに対してデータの読取り処理を行う。このアドレスでは「1」と「0」とからなるフラグを設定でき、発行前のブランクカードには「0」が設定されている。また、カード発行をする際にカードC1に対してIC処理が完了すると、ICリーダライタはフラグを「0」から「1」に変更する。よって、ICリーダライタ11がフラグを読取った結果「0」だったらブランクカードであるためカードC1と判別できる。一方フラグを読取った結果「1」だったら発行済みのカードであるためカードC2と判別できる。
【0045】
しかし、カードC1とカードC2との両方が発行済みのカードであったり、カードに対するIC処理が同一であったりする場合は上記方法では判別できない。よってこのような場合は、応答処理の結果ICリーダライタ11の通信範囲内に2枚のカードが存在することを検出したら、カードC1を一度待機部14に搬送する。その状態で再び応答処理を行い、そこで検出したカードは第2通信部13にあるカードC2であることが判別できる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態の構成と同一の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
図10〜図12は、第2実施形態にかかるプリンタ装置1の構成を示す概略断面図である。第1実施形態では、遮断位置と退避位置との間を移動可能な遮断板32を備えて、カードC1に対してIC処理を行う際は遮断板32が遮断位置に移動することで、第2通信部においてICリーダライタ11とカードC2との通信が不可能な状態にしていたが、第2実施形態では遮断板32を備えていない。
【0048】
その代わりに、ICリーダライタは搬送パスPとカードかざし部33との間の、搬送パスP寄りに配置され(L1<L2)、さらにIC制御部11aはアンテナ11bに流す電流の強さを2段階に調節できるように構成されている。基本的には図11に示すように、第1通信部と第2通信部との両方の範囲が搬送パスPおよびカードかざし部33に到達しているが、アンテナ11bに流す電流の強さを弱めることで図12に示すように通信範囲が縮まり、第1通信部12の範囲は搬送パスPに到達しているが第2通信部13の範囲はカードかざし部33に到達しないようにする。よって、カードC1は第1通信部12の通信範囲内にあるためICリーダライタ11との通信が可能であるが、ユーザはカードかざし部33にカードC2をかざしても、カードC2は第2通信部13の通信範囲外にあるためカードC2とICリーダライタ11との通信は不可能である。
【0049】
第2実施形態の上位装置10およびプリンタ装置1の動作も第1実施形態と基本的には同様である。ただし、図8のカードC2に対する通信禁止処理(S6)と通信禁止解除処理(S9)の方法が第1実施形態とは異なる。よって、ここでは第1実施形態とは異なるステップS5以降の説明をする。
【0050】
ステップS5においてICリーダライタ11の通信範囲内にカードが1枚のみ存在することを検出した場合、IC制御部11aはアンテナ11bに流している電流を弱めて、第1通信部12および第2通信部13の範囲を縮め、表示部19に、ユーザに対してカードC2をカードかざし部33にかざさないように警告表示を行う(S6)(図12参照)。この状態でカードC1に対してカード認証処理およびリードライト処理を行う(S7)。リードライト処理が終了するとカードC1を印刷部20の方向にスイッチバック搬送させる(S8)。ここで、カードC1がセンサ15を通過したときにIC制御部11aはアンテナ11bに流している電流を強くして、第2通信部13の範囲を元に戻すことでICリーダライタ11とカードC2との通信を可能な状態にする。また表示部19に表示された警告表示も解除する(S9)。印刷部20に搬送されたカードC1に対して印刷処理を行い(S10)、全ての処理が終了したカードC1はカード排出部25に排出される(S11)。
【0051】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態の構成と同一の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0052】
図13〜図15は、第3実施形態にかかるプリンタ装置1の構成を示す概略断面図である。第1実施形態では、ユーザがカードC2をカードかざし部33にかざすことでカードC2を第2通信部13に進入させていたが、第3実施形態では、筐体24の一部にユーザがカードC2を手挿しで挿入するための挿入部34が設けられている。
【0053】
挿入部34の入り口にはシャッター部材35が設けられており、シャッター部材35が開いているときは、ユーザはカードC2を挿入部34に挿入できるが(図14参照)、シャッター部材35が挿入部34の入り口を塞ぐように閉じているときはカードC2を挿入することはできない(図15参照)。なお、シャッター部材35は不図示のソレノイドによって開位置と閉位置との間を移動する。
【0054】
また、図14に示すとおり、カードC2が挿入部34に挿入されているときは、カードC2は第2通信部13の範囲内に存在するためカードC2とICリーダライタ11との間で通信が可能であるが、図15に示すようにシャッター部材35によってカードC2が挿入部34に挿入できないときは、カードC2は第2通信部13の範囲外にあるため、カードC2とICリーダライタ11との間の通信は不可能である。
【0055】
第3実施形態の上位装置10およびプリンタ装置1の動作も第1実施形態と基本的には同様である。ただし、図8のカードC2に対する通信禁止処理(S6)と通信禁止解除処理(S9)の方法が第1実施形態とは異なる。よって、ここでは第1実施形態とは異なるステップS5以降の説明をする。
【0056】
ステップS5においてICリーダライタ11の通信範囲内にカードが1枚のみ存在することを検出した場合、シャッター部材35を閉じて、ユーザがカードC2を挿入部34に挿入することができないようにして、表示部19に、ユーザに対してカードC2をカードかざし部33にかざさないように警告表示を行う(S6)。この状態でカードC1に対してカード認証処理およびリードライト処理を行う(S7)。リードライト処理が終了するとカードC1を印刷部20の方向にスイッチバック搬送させる(S8)。ここで、カードC1がセンサ15を通過したときにシャッター部材35を開けて、ユーザがカードC2を挿入部34に挿入可能な状態にする。よって、ICリーダライタ11とカードC2とが通信可能な状態になる。また表示部19に表示された警告表示も解除する(S9)。印刷部20に搬送されたカードC1に対して印刷処理を行い(S10)、全ての処理が終了したカードC1はカード排出部25に排出される(S11)。
【0057】
<効果等>
本形態のプリンタ装置1では、内蔵されたICリーダライタ11が、第1通信部12にあるカードC1および第2通信部13にあるカードC2と選択的に通信可能に設けられており、少なくとも第1通信部12にあるカードC1に対して応答処理をしているときに、ユーザによって第2通信部13にカードC2がかざされた場合に、ICリーダライタ11とカードC2との通信を許可しているため、本来カードC1に対してすべきリードライト処理をカードC2に対して行ってしまうことがない。
【0058】
また、カードC1に対して応答処理をしているときにカードC2がかざされた場合、カードC1とカードC2とを判別することができるため、それぞれのカードに対して適切なIC処理を行うことができる。さらに、カードC1に対しての応答処理が終了した後に、ICリーダライタ11とカードC2との通信を不可能な状態にしているため、カードC1に対する応答処理が終了した後にカードC2が第2通信部13に位置づけられることがないので、本来カードC1に対してすべきリードライト処理をカードC2に対して行ってしまうことがない。
【0059】
なお、カードC1とカードC2とを判別するための判別処理はすべての場合にやる必要は無く、カードC1に対する処理とカードC2に対する処理とが異なる場合に判別するように構成されているため、判別処理をしなくてもよい場合は処理ステップが少なくなり生産性が向上する。
【0060】
また、本形態ではカードC1とカードC2とを判別する方法として、カードCの所定のアドレスに格納されているフラグ情報を読取って判別するものを例示したが、これに限るものではない。例えば、カードCのメモリの内、データを書込む予定のアドレスに対してICリーダライタ11で読込み処理を行う。その結果、カードCのメモリに初期データ(例えばFFFF等)が格納されていれば、そのカードはブランクカードであるため、カードC1であると判別できる。一方、所定のデータが格納されていれば発行済みのカードであるため、カードC2であると判別できる。
【0061】
また別の例としては、発行したカードの固有の番号を上位装置10にあるデータベースに登録するようにしておき、判別処理をする際はICリーダライタ11でカードCの固有の番号を読み取り、データベースと照合する。その結果、データベースに登録されていない番号であった場合、そのカードはまだ未発行であるためカードC1と判別できる。一方、読取った番号がデータベースに登録されている番号と一致した場合、そのカードは発行済みであるためカードC2と判別できる。
【0062】
なお、本形態では待機部14は搬送パスP上で第1通信部12と印刷部20との間に設けられている例を示したが、搬送パスP上で第1通信部12以外の位置であればどこでもよい。さらに、上位装置10からカード発行コマンドを受信したときに、応答要求信号の発信を停止する例を示したが、カードC1が第1通信部12に搬送されるまで常に発信していてもよい。こうすることにより、カードC1が第1通信部12に搬送されている最中もカードC2のIC処理をすることができる。
【0063】
また、表示部19で警告表示をする際は、赤色のLEDを点滅させたり、文字情報で「処理不可能」と表示したりしてもよい。なお、ICリーダライタ11とカードC2とが通信可能な状態では、表示部19で青色のLEDを点灯したり、文字情報で「処理可能」と表示したりしてもよい。
【0064】
さらに、本形態のプリンタ装置1では熱転写方式の印刷部20が設けられているが、カードC1の表面に可視情報を記録できるものであればよい。また、本形態ではカードC1に対するIC処理後に印刷部20で印刷処理を行うと記載したが、IC処理の前に印刷処理をしてもよい。さらに、本形態では処理済のカードC1はカード排出部25から排出される構成であるが、カード供給部16の装置筐体24に対する反対側にカード排出口23を設けて、カードC1をカード排出口23から排出してもよい。この構成であれば、まずカードC1に対して印刷処理を行い、その後IC処理をして、そのままカードC1をカード排出口23から排出する。
【0065】
なお、カードC1に対する処理が印刷のみでIC処理が行われない場合、カードC1に印刷処理を行い、そのままカード排出部25に排出すると、カードC1は第1通信部12を通過しないため第2通信部13におけるカードC2に対するIC処理を邪魔することはない。
【0066】
また、本形態では、上位装置10からの命令でプリンタ装置1およびICリーダライタ11を動作させる例を示したが、プリンタ装置1やICリーダライタのファームウェアに従って動作させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、搬送パス上のカードと、ユーザによって装置筐体の外部からかざされるカードとに対して通信可能な非接触ICリードライトシステムであって、不要な処理を省略して生産性が向上する非接触ICリードライトシステム、非接触ICリーダライタ装置およびプリンタ装置を提供するものであるため、非接触ICリードライトシステム、非接触ICリーダライタ装置およびプリンタ装置の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0068】
1 プリンタ装置
10 上位装置(ホストコンピュータ)
11 ICリーダライタ
11a IC制御部
11b アンテナ
12 第1通信部
13 第2通信部
14 待機部
15 センサ
18 搬送ローラ
19 表示部
20 印刷部
24 筐体
25 カード排出部
30 ICチップ
31 アンテナ
32 遮断板
33 カードかざし部
34 挿入部
35 シャッター部材
95 制御部
C カード
C1 搬送パス上のカード
C2 ユーザによってかざされたカード
P 搬送パス
M モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータと、
ICリーダライタ装置筐体と、
前記装置筐体の内部に設けられ、第1のカードを搬送するための搬送パスと、
無線信号を送受信することで、前記搬送パス上の第1通信部にある前記第1のカードおよび前記搬送パスとは異なる位置の第2通信部にユーザによって前記装置筐体の外部から位置づけられる第2のカードと選択的に通信可能なICリードライト部と、
を備えた非接触ICリードライトシステムにおいて、
前記第1通信部および前記第2通信部において、前記ICリードライト部から発信される無線信号に対するカードからの反応の有無によってカードの有無を検出する検出手段と、
前記第1のカードおよび前記第2のカードに対する処理内容に応じて、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要があるか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1のカードに対する処理と前記第2のカードに対する処理とが異なる場合に、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要があると判定し、
前記第1のカードに対する処理と前記第2のカードに対する処理とが同一の場合に、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要がないと判定することを特徴とする非接触ICリードライトシステム。
【請求項2】
ICリーダライタ装置筐体と、
前記装置筐体の内部に設けられ、第1のカードを搬送するための搬送パスと、
無線信号を送受信することで、前記搬送パス上の第1通信部にある前記第1のカードおよび前記搬送パスとは異なる位置の第2通信部にユーザによって前記装置筐体の外部から位置づけられる第2のカードと選択的に通信可能なICリードライト部と、
を備えた非接触ICリーダライタ装置において、
前記第1通信部および前記第2通信部において、前記ICリードライト部から発信される無線信号に対するカードからの反応の有無によってカードの有無を検出する検出手段と、
前記第1のカードおよび前記第2のカードに対する処理内容に応じて、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要があるか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1のカードに対する処理と前記第2のカードに対する処理とが異なる場合に、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要があると判定し、
前記第1のカードに対する処理と前記第2のカードに対する処理とが同一の場合に、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要がないと判定することを特徴とする非接触ICリーダライタ装置。
【請求項3】
プリンタ装置筐体と、
前記装置筐体の内部に設けられ、第1のカードを搬送するための搬送パスと、
無線信号を送受信することで、前記搬送パス上の第1通信部にある前記第1のカードおよび前記搬送パスとは異なる位置の第2通信部にユーザによって前記装置筐体の外部から位置づけられる第2のカードと選択的に通信可能なICリードライト部と、
前記第1のカードの表面に文字ないし画像を印刷する印刷部と、
を備えたプリンタ装置において、
前記第1通信部および前記第2通信部において、前記ICリードライト部から発信される無線信号に対するカードからの反応の有無によってカードの有無を検出する検出手段と、
前記第1のカードおよび前記第2のカードに対する処理に応じて、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要があるか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1のカードに対する処理と前記第2のカードに対する処理とが異なる場合に、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要があると判定し、
前記第1のカードに対する処理と前記第2のカードに対する処理とが同一の場合に、前記検出手段によって検出されたカードが前記第1のカードか前記第2のカードかを判別する必要がないと判定することを特徴とするプリンタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−262418(P2010−262418A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111617(P2009−111617)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】