説明

非機能性P2X7受容体に対する抗体を産生するハイブリドーマ

本発明は、ハイブリドーマ細胞株からの、抗非機能性P2X7受容体モノクローナル抗体の産生に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナル抗体の産生に関する。
【発明の背景】
【0002】
プリン作動性(P2X)受容体は、ATP依存性陽イオン選択性チャネルである。各受容体は、3つのタンパク質サブユニット又は単量体からなる。現在のところ、P2X単量体をコードする、7つの別々の遺伝子:P2X1、P2X2、P2X3、P2X4、P2X5、P2X6、P2X7が同定されている。
【0003】
P2X7受容体は、それらの発現が、胸腺細胞、樹状細胞、リンパ球、マクロファージ、及び単球など、プログラム細胞死を受ける潜在性を有する細胞に限定されることが分かっているので、特に興味深い。正常なホメオスタシスでは、赤血球上などで、P2X7受容体のある程度の発現が認められる。
【0004】
興味深いことに、Pro210(配列番号1)においてシス異性があり、ATP結合機能を欠いた、1つ又は複数の単量体を含有するP2X7受容体が、前新生物細胞及び新生物細胞など、プログラム細胞死を受ける能力を有さないことが分かっている細胞において見出されている。該受容体のこのアイソフォームは、「非機能性」受容体と呼ばれている。
【0005】
シス位においてPro210を含むペプチドでの免疫化から産生される抗体は、非機能性P2X7受容体に結合する。しかし、これらは、ATPに結合する能力を有するP2X7受容体には結合しない。したがって、これらの抗体は、上皮細胞性腫瘍及び造血系癌の多くの形態の選択的な検出、及びこれらの状態の一部の治療に有用である。
【0006】
国際公開第02/057306A1号パンフレット、及び同03/020762A1号パンフレットは、共に、モノクローナル抗体の形態において、機能性P2X7受容体と非機能性P2X7受容体とを区別するプローブについて論じている。
【0007】
現在のところ、非機能性P2X7受容体に対して有用な量の抗血清、及び特に各種の診断的及び治療的適用において用いうる抗血清を産生するハイブリドーマを得るのは極めて難しい。実際、本発明の一部をなすハイブリドーマ及び抗体を別にすれば、本出願人は、非機能性P2X7受容体の発現と関連する癌及び他の状態を検出又は治療する適用において確実に用いうる、他の任意の抗非機能性P2X7受容体に対するハイブリドーマ又はモノクローナル抗体を知らない。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、非機能性P2X7受容体と免疫複合体を形成する能力を有する抗体を産生するハイブリドーマにおいて、生細胞上で発現する非機能性P2X7受容体に対して約5×10−1未満の親和性を有する抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマが提供される。
【0009】
別の実施形態では、上記ハイブリドーマにより産生される抗体が提供される。
【0010】
他の実施形態では、非機能性P2X7受容体と免疫複合体を形成する能力を有する、上記モノクローナル抗体のフラグメントが提供される。
【0011】
他の実施形態では、非機能性P2X7受容体、その単量体若しくはフラグメント、又は配列番号2に示す配列を有するペプチドに対する、上記抗体又はフラグメントの結合から形成される免疫複合体が提供される。
【0012】
一部の実施形態では、細胞、組織、又は細胞外体液が、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含むかどうかを判定する方法であって、
上記免疫複合体を形成する条件において、細胞、組織、又は細胞外体液を、上記抗体又はフラグメントと接触させるステップと、
免疫複合体が形成されているかどうかを検出するステップと、
を含み、免疫複合体の検出により、細胞、組織、又は細胞外体液が、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含むことが判定される方法が提供される。
【0013】
さらに別の実施形態では、細胞、組織、又は細胞外体液が、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含有するかどうかを判定するキット又は組成物であって、
上記抗体又はフラグメントと、場合によって、
該抗体若しくはフラグメント、又は非機能性P2X7受容体、その単量体若しくはフラグメントに結合するさらなる抗体と、
上記方法におけるキットの使用説明書と
を含むキット又は組成物が提供される。
【0014】
他の実施形態では、医薬として許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を伴う、上記抗体又はフラグメントを含む医薬組成物が提供される。
【0015】
関連の実施形態では、非ATP結合型P2X7受容体、その単量体又はフラグメントの発現を特徴とする疾患の治療法であって、上記抗体若しくはそのフラグメント、又は上記ペプチドを上記治療を必要とする個体に提供するステップを含む治療法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ヒト前立腺癌組織のBPM09による免疫組織化学染色を示す図である。
【図2】(A)ビオチン化BPM09に対するBPM09の競合、及び(B)ビオチン化BPM09に対するアイソタイプ対照の競合を示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0017】
本発明の時点で利用できる非機能性P2X7受容体に対する抗P2X7抗血清は、すべてポリクローナル抗血清であった。本出願人自身の仕事を別として、抗非機能性P2X7受容体モノクローナル抗体は作製されていない。
【0018】
本発明者らは、当技術分野で知られるモノクローナル抗体産生法を用いて、抗非機能性P2X7受容体モノクローナル抗体を得ようと試みた。従来の技法によれば、本工程における重要なステップは、抗体作製の対象であるペプチド免疫原に対して、高親和性を有する上清を産生する抗体産生用ハイブリドーマをスクリーニングし、選択することであった(Goding James W.、「Monoclonal antibodies:principles and practice:production and application of monoclonal antibodies in cell biology,biochemistry and immunology」、第2版、1986年、Academic Press社、Harcour Brace Jovnovich,Publishers社)。
【0019】
本発明をなす中で、本発明者らは、これらの技法が、マウスにおける増殖が乏しく、継代培養、凍結、解凍、及び播種を含む細胞培養法に対して敏感なハイブリドーマをもたらす傾向にあることを見出した。結果として、本発明者らは、従来のモノクローナル抗体産生法により選択されるハイブリドーマから有用な量の抗体を産生することが、極めて難しいことを見出した。
【0020】
さらに、本発明者らは、ペプチド免疫原に対する高親和性の結合に基づく抗体産生用に選択されたハイブリドーマは、また、生細胞表面上で発現する非機能性P2X7受容体に対しても高親和性を有する抗体を産生することを見出した。本発明者らは、今や、これらの抗体が、これらを産生するハイブリドーマに高親和性で結合すると考える。
【0021】
さらにまた、本発明をなす中で、本発明者らは、生細胞上で発現する非機能性P2X7受容体に低親和性で結合する抗体を分泌するハイブリドーマについてスクリーニングを行い、マウス及び組織培養液中においてこれらのハイブリドーマ細胞が増殖する能力を判定した。本発明者らは、驚くべきことに、該ハイブリドーマが、生細胞における受容体に高親和性で結合する抗体を分泌するバイブリドーマよりも、増殖及び安定性についてはるかに良好な潜在性を示すことを見出した。結果として、本発明者らは、非機能性P2X7受容体に対する高量のモノクローナル抗体を産生することができた。
【0022】
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、生細胞上で発現する非機能性受容体に対して低親和性を有する抗体が、FACS法及びパラフィン組織切片において日常的にスクリーニングされる固定細胞など、死細胞若しくは壊死組織、又は固定細胞若しくは固定組織で発現する非機能性受容体に対して高親和性を有することを見出した。したがって、本発明者らは、FACS法、組織学検査、及びELISA法、RIA法などを含む他の各種の無細胞の血清学的適用など、生細胞を伴わない広範な診断的適用において有用な、高量のモノクローナル抗体を産生することができた。
【0023】
こうして、一実施形態では、非機能性P2X7受容体と免疫複合体を形成する能力を有する抗体を産生するハイブリドーマであって、生細胞上で発現する非機能性P2X7受容体に対して約5×10−1未満、好ましくは、約5×10−1未満、より好ましくは、約5×10−1以下、又は5×10−1〜5×10−1の範囲の親和性を有する抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマが提供される。一実施形態において、ハイブリドーマは、生細胞上で発現する非機能性受容体に対して、本明細書で開示される抗体BPM09の親和性とほぼ同じ親和性を有する抗体を産生することを特徴とする。生細胞の例は、骨髄腫細胞又はハイブリドーマ細胞である。他の生細胞又は細胞株は、前立腺PC3など、非機能性P2X7受容体を発現する生細胞又は細胞株を含む。
【0024】
本発明の本実施形態によるハイブリドーマの一例は、アクセッション番号06080101で欧州細胞培養コレクション(ECACC)に寄託されているハイブリドーマAB253である。本発明者らは、このハイブリドーマが、継代培養及び凍結/解凍後に増殖し、非機能性P2X7受容体に対する抗血清を安定的に産生することを見出した。こうして、一実施形態では、アクセッション番号06080101で欧州細胞培養コレクション(ECACC)に寄託されているハイブリドーマAB253が提供される。ハイブリドーマAB253の試料は、2006年8月1日に、欧州細胞培養コレクション(ECACC;Porton Down,Salisbury,Wiltshire,SP4 OJG,United Kingdom)に寄託された。
【0025】
別の実施形態では、上記ハイブリドーマにより産生される抗体が提供される。アクセッション番号06080101で欧州細胞培養コレクション(ECACC)に寄託されているハイブリドーマAB253により産生されるモノクローナル抗体BPM09は、本実施形態によるモノクローナル抗体の例である。この抗体は、特に、腫瘍細胞に対するその優れた免疫組織学的染色の点において、他の腫瘍選択性P2Xポリ血清とは区別される。標識されたBPM09抗体は、他の抗P2X腫瘍選択性ポリクローナル抗体と比較すると、正常組織に対する染色が最小限でありながら、腫瘍組織には強力に結合する。
【0026】
さらなる実施形態において、本発明のハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体は、配列番号2に示す配列を有するペプチドに対して作製されるモノクローナル抗体である。例として、さらに本明細書においてもまた記載される以下のモノクローナル抗体:BPM41、BPM02、BPM03、BPM04、BPM05、BPM06、BPM07、BPM08、BPM10がある。他の実施形態において、本発明のハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体は、非機能性P2X7受容体の細胞外ドメインの別の部分又は他のドメインに由来するペプチドに対して作製されるモノクローナル抗体である。
【0027】
当技術分野で知られる通り、「抗体」とは、免疫グロブリン分子である。5つのアイソタイプ:IgG、IgA、IgM、IgD、及びIgEが知られる。すべての抗体(IgMを除く)は、ジスルフィド結合により相互に連結される2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖の形態における4本のポリペプチド鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(HCVR又はV)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、C1、C2、及びC3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(LCVR又はV)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメインCを含む。V及びV領域は、フレームワーク領域(FR)と称するより保存性の高い領域とともに散在する、相補性決定領域(CDR)と称する超可変性領域にさらに分割することができる。各V及びVは、アミノ末端からカルボキシ末端へと以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、 FR3、CDR3、FR4で配列される、3つのCDRと4つのFRとからなる。IgMは、上記構造を有するが、五量体である。一実施形態において、モノクローナル抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0028】
本明細書で用いる「ドメイン」という用語は、タンパク質の残余部分から独立してその三次構造を保持する、フォールディングされたタンパク質構造を意味する。一般に、ドメインは、タンパク質の別個の機能的特性の原因となり、多くの場合、該タンパク質及び/又は該ドメインの残余部分の機能を失うことなく、他のタンパク質に付加、移動、又は移入しうる。
【0029】
本明細書で用いる「可変ドメイン」という用語は、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖の可変ドメインに特徴的な配列を含み、抗原に特異的に結合する、フォールディングされたポリペプチドドメインを意味する。
【0030】
本明細書で用いる「免疫グロブリン」という用語は、2枚のβシートと、通常は、保存されたジスルフィド結合とを含有する、抗体分子に特徴的な免疫グロブリンのフォールディングを保持するポリペプチドファミリーを指す。免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーは、免疫系(例えば、抗体、T細胞受容体分子など)における広範な役割、細胞接着(例えば、ICAM分子)及び細胞間シグナル伝達(例えば、PDGF受容体などの受容体分子)への関与を含む、in vivoにおける細胞内相互作用及び非細胞内相互作用の多くの側面に関与する。
【0031】
他の実施形態では、非機能性P2X7受容体と免疫複合体を形成する能力を有する、上記モノクローナル抗体のフラグメントが提供される。これらのフラグメントは、通常、モノクローナル抗体の化学反応又は化学改変により形成される。一例は、全抗体のパパイン消化により形成されるFabフラグメントである。フラグメントは、通常、抗原に対して、それらが派生する全抗体と同じ親和性を保持する。
【0032】
抗体又はフラグメントは、ビーズ、表面、又は組織培養容器などの固相上において提供することができる。
【0033】
抗体又はフラグメントは、抗原に対する抗体又はフラグメントの結合の検出用標識と共に提供することができる。
【0034】
抗体及びフラグメントは、医療画像用に標識しうる。こうした方法では、67Cu、90Y、125I、131I、186Re、188Re、211At、212Biを含む放射性同位元素などの標識剤又は造影剤の化学的付着、許容される担体による標識化抗体又は断片の対象への投与、及び標的部位におけるin vivoでの標識化抗体又はフラグメントの画像化を行う。放射性標識された抗体又はそのフラグメントは、本明細書に記載の癌に対するin vivoでの画像化において、特に有用でありうる。
【0035】
抗体は、当業者に知られる方法により精製することができる。精製法は、とりわけ、選択的沈降法、液体クロマトグラフィー法、HPLC法、電気泳動法、等電点電気泳動法、及び各種の親和性技法を含む。
【0036】
実施形態によって、本明細書に開示の抗体は、また、抗体の多量体形態を含むこともある。例えば、本発明の抗体は、抗体二量体、同三量体、又は単量体免疫グロブリン分子の高次多量体の形態をとる場合がある。
【0037】
抗体の架橋は、当技術分野で知られる各種の方法を介して行うことができる。例えば、抗体の架橋は、抗体の自然の凝集、化学的又は組み換えによる連結法、又は当技術分野で知られる他の方法を介して達成しうる。例えば、精製された抗体製剤は、抗体のホモ二量体、及び他の高次抗体多量体を含有するタンパク質凝集体を自発的に形成しうる。特定の実施形態において、対象抗体に結合する二次抗体による抗体の架橋を用いて、ホモ二量体を形成することができる。架橋剤抗体は、対象抗体と比較して、異なる動物に由来しうる。例えば、ヤギ抗マウス抗体(Fab特異抗体)をマウスモノクローナル抗体に付加して、ホモ二量体を形成しうる。この二価の架橋剤抗体は、ホモ二量体を形成する2つの対象抗体のFab領域又はFc領域を認識する。
【0038】
代替的に、抗体のホモ二量体は、当技術分野で知られる化学的連結を介しても形成しうる。化学的架橋は、ホモ官能性又はヘテロ二官能性であってよく、ホモ二量体を形成する2つの抗体と共有結合する。実施形態によっては、抗体機能に影響を及ぼしうるので、化学的架橋が、抗体の抗原結合領域と相互作用しないことが望ましいこともある。当業者により理解される通り、抗体は、Fab領域において架橋されうる。
【0039】
他の実施形態では、非機能性P2X7受容体、その単量体若しくはフラグメント、又は配列番号2に示したペプチドに対する、上記抗体又はフラグメントの結合から形成される免疫複合体が提供される。
【0040】
別段に、抗体−抗原複合体、又は抗原決定基若しくはエピトープに対する抗体若しくはそのフラグメントの抗原結合部位の結合から形成される複合体としても知られる免疫複合体は、in vitro又はin vivoにおけるこの検出が、前新生物及び新生物を含む疾患又は状態の存在、又は同疾患又は状態への素因を示すので、特に重要である。これらの検出方法を以下に詳述する。
【0041】
免疫複合体に含まれる該P2X7受容体、その単量体又はフラグメントは、シス異性におけるPro210を有しうる。
【0042】
免疫複合体に含まれる該P2X7受容体、その単量体又はフラグメントは、配列番号3〜8又はそのフラグメントのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有しうる。
【0043】
免疫複合体に含まれる該P2X7受容体、その単量体又はフラグメントは、抗体又は抗体フラグメントの分子量を含まずに、約15〜80kDaの範囲にある分子量を有しうる。総分子量は、該複合体が、全抗体から形成されているか、又はそのフラグメントから形成されているかに依存する。
【0044】
免疫複合体に含まれる該P2X7受容体、その単量体又はフラグメントは、膜貫通ドメインを欠く場合がある。
【0045】
免疫複合体は、細胞表面膜上、細胞質中、核中、又は細胞外液中にある、P2X7受容体、その単量体又はフラグメントに結合することにより形成されうる。細胞外液は、血液、血漿、血清、リンパ液、尿、精液、唾液、痰、腹水、糞便、子宮及び膣の分泌液、胆汁、羊水、脳脊髄液、並びに、器官及び組織洗浄液でありうる。
【0046】
免疫複合体に含まれる抗体又は抗体フラグメントは、免疫複合体が形成されるときに固相に付着するよう、ビーズ又はプレートなどの固相に付着させることができる。代替的に、免疫複合体に含まれる該P2X7受容体、その単量体又はフラグメントは、固相に付着させることができる。
【0047】
抗体は、免疫複合体の形成検出用に標識してよい。
【0048】
免疫複合体は、免疫複合体捕捉用の捕捉抗体など、抗体又はそのフラグメントをさらに含みうる。さらなる抗体又はそのフラグメントが、抗P2X7受容体抗体に結合しうる。また、さらなる抗体又はそのフラグメントも、受容体又はそのフラグメントに結合しうる。
【0049】
さらなる抗体又はそのフラグメントを、上記相などの固相に結合させてよい。
【0050】
さらなる抗体は、免疫複合体形成の検出用に標識化してよい。標識の例には、フルオロフォア、染料、アイソトープなどがある。
【0051】
一部の実施形態では、細胞、組織、又は細胞外体液が、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含むかどうかを判定する方法であって、
上記免疫複合体を形成する条件において、細胞、組織、又は細胞外体液を、上記抗体又はフラグメントと接触させるステップと、
免疫複合体が形成されているかどうかを検出するステップと、
を含み、免疫複合体の検出により、細胞、組織、又は細胞外体液は、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含むことが判定される方法が提供される。
【0052】
他の実施形態では、細胞、組織、又は細胞外体液が、P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含有するかどうかを判定する手段の製造における、上記抗体又はそのフラグメントの使用が提供される。
【0053】
所与のタンパク質、又は宿主細胞、組織、又は細胞外体液中における所与のタンパク質の発現レベルの存在は、任意の数のアッセイにより検出することができる。例は、イムノアッセイ法、クロマトグラフィー法、及び質量分析法を含む。
【0054】
イムノアッセイ、すなわち、免疫系のエレメントを含むアッセイが、特に好ましい。これらのアッセイは、一般に、以下の1つに分類することができる:
(i)精製された抗原を用いて、宿主血清中の抗体を検出するアッセイ。例えば、精製された抗原を、吸着、又は別の分子及び宿主血清を介して間接的に固相に結合させ、宿主血清に続いて別の抗体を加え、宿主抗体の存在又は不在を検出する;
(ii)精製された抗原を用いて、Tリンパ球及びBリンパ球などの免疫細胞を検出するアッセイ。例えば、宿主から末梢白血球を精製し、精製された抗原と共に培養する。次いで、免疫性を示す1つ又は複数の因子の存在又は不在が検出される。他の例は、精製された抗原に対する曝露後の細胞増殖(リンパ球増殖アッセイ又は同形質転換アッセイ)を測定するアッセイ、及び精製された抗原に対する曝露後の細胞死(アポトーシスを含む)を測定するアッセイを含む;
(iii)抗原に特異的な精製された抗体を用いて、宿主中の抗原を検出するアッセイ。例えば、精製された抗体を固相に結合させ、次いで、宿主組織に続いて、抗原に特異的な別の抗体を加え、抗原を検出する。ELISA法、RIA法を含む、この手法の多くの例が存在する;
(vi)精製された抗イディオタイプ抗体を用いて、宿主抗体を検出するアッセイ。例えば、抗イディオタイプ抗体を固相に吸着させ、宿主血清を添加し、抗Fc抗体を添加して、抗イディオタイプ抗体を結合させた任意の宿主抗体に結合させる。
【0055】
イムノアッセイは、in vitro又はin vivoにおいて適用することができる。
【0056】
一実施形態において、疾患は、通常、上皮性悪性腫瘍、肉腫、リンパ種、又は白血病などの癌である。検出されうる上皮性悪性腫瘍には、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、肺癌、子宮頸癌、子宮癌、胃癌、食道癌、膀胱癌、及び結腸癌があるがこれらに限定されない。
【0057】
任意の体液を用いてこれらの任意の疾患を検出することができるが、特定の疾患を検出するにはある体液が別の体液より適切な場合があり、例えば、前立腺癌を検出するには尿がより適切な場合があり、リンパ腫などの血液癌の検出には血液がより適切な場合がある。
【0058】
一部の実施形態において、癌は、前立腺癌、浸潤性乳癌、黒色腫、腸腺癌、漿液性卵巣癌、子宮頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、小細胞肺癌、肝細胞癌、膀胱移行上皮癌、消化管間質腫瘍、子宮内膜間質腫瘍、下垂体癌、中皮腫、ホジキンリンパ腫、及び甲状腺乳頭癌からなる群から選択される。
【0059】
さらに別の実施形態では、細胞、組織、又は細胞外体液が、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含有するかどうかを判定するキット又は組成物であって、
上記抗体又はフラグメントと、場合によって、
該抗体若しくはフラグメント、又は非機能性P2X7受容体、その単量体若しくはフラグメントに結合するさらなる抗体と、
上記方法におけるキットの使用説明書と
を含むキット又は組成物が提供される。
【0060】
本発明のアッセイを実施するのに必要な試薬を含有するキットが提供される。キットは、各々が、(a)上記本発明の成分の1つを含む第1の容器、及び(b)以下の1つ又は複数:洗浄用試薬、抗体又はペプチドの存在を検出する能力を有する試薬を含む1つ又は複数の他の容器などの1つ又は複数の容器を受容する1つ又は複数の区画を含みうる。
【0061】
容器は、試料及び試薬が交差汚染されず、各容器の試薬又は溶液を1つの区画から別の区画へと定量的な形で添加することができるよう、1つの区画から別の区画へと効率的に試薬を移すことを可能とする。
【0062】
キットは、通常、ガラス又はプラスチックなど各種の材料から形成してよく、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、及び試験管を含みうる。キットには、通常、ラベルが付属し、電子的又はコンピュータによる読み取りが可能な形態でありうる、任意の書き込み材料又は記録材料(例えば、ディスク、光ディスク、又はテープ)を含み、キットの内容物の使用説明書又は他の情報を提供する。ラベルは、製剤が、最適の障害を診断又は治療するのに用いられることを示す。
【0063】
当業者は、本発明に開示の抗体及びペプチドは、当技術分野でよく知られる、確立されたキットフォーマットの1つに容易に組み込まれうることを容易に認識するであろう。
【0064】
他の実施形態では、医薬として許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を伴う、上記抗体又はフラグメントを含む医薬組成物が提供される。
【0065】
当業者に明らかである通り、本明細書の教示に記載の抗体又はペプチドを含む医薬組成物の調製では、各種の媒体及び賦形剤及び投与経路を用いてよい。代表的な調合技法は、とりわけ、本明細書での参照によりその全体が組み込まれる、Remington、「The Science and Practice of Pharmacy」、 第19版、Mack Publishing社、ペンシルベニア州イーストン、1995年、及び「Handbook of pharmaceutical Excipients」、第3版、Kibbe,A.H.編、ワシントンDC、米国薬剤師会、2000年において教示されている。
【0066】
医薬組成物は、一般に、医薬として許容される担体、及び医薬として有効量の抗体若しくはペプチド、又は抗体の混合物若しくはペプチドの混合物、又はその適切な塩を含む。
【0067】
医薬組成物は、粉末剤、顆粒剤、溶液剤、懸濁液剤、エアゾール剤、固形剤、丸薬、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、外用クリーム剤、坐薬、経皮パッチ剤、及び当技術分野で知られる他の製剤として調合してよい。
【0068】
本明細書に記載の目的に対し、抗体及びペプチドの医薬として許容される塩は、有機酸及び/又は有機塩基並びに無機酸及び/又は無機塩基を含む、任意の技術分野により認知された、医薬として許容される塩を含むことを意図する。塩の例は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムのほか、第一アミン、第二アミン、及び第三アミン、メチル、エチル、及びプロピルなどの低級炭水化物エステルを含む。他の塩は、酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、サリチル酸などの有機酸を含む。
【0069】
本明細書で用いる「医薬として許容される担体」は、医薬組成物の調合において、当業者に知られる、医薬として許容される任意の標準的な担体を含む。したがって、医薬として許容される塩、又は結合体として提示されるなどの抗体又はペプチドを、それ自体で、医薬として許容される希釈剤、例えば、生理食塩液、リン酸緩衝食塩液(PBS)、水溶性エタノール、若しくは、グルコース溶液、マンニトール溶液、デキストラン溶液、プロピレングリコール溶液、油(例えば、植物油、動物油、合成油など)、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ゼラチン、ポリソルベート80中の製剤として、又は適切な賦形剤中の固体製剤として調製してよい。
【0070】
医薬組成物は、1つ又は複数の緩衝液(例えば、中性の緩衝生理食塩液若しくはリン酸緩衝生理食塩液)、炭水化物(例えば、グルコース、スクロース、又はデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチド、若しくは、グリシンなどのアミノ酸、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニゾールなど)、静菌剤、EDTA若しくはグルタチオンなどのキレート化剤、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、製剤を受容者血液と等張性、低張性、若しくは軽度に高張性とする溶質、懸濁剤、増粘剤、及び/又は防腐剤をさらに含むことが多い。代替的に、本発明の組成物は、凍結乾燥物として調合してもよい。
【0071】
本発明の組成物には、当業者に知られる任意の適切な担体を用いてよいが、担体の種類は、通常、投与モードに応じて変化する。抗体組成物及びペプチド組成物は、例えば、経口投与、経鼻投与、経粘膜投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、皮下投与、及び筋肉内投与を含む任意の適切な投与法用に調合してよい。
【0072】
非経口投与の場合、組成物は、無菌の発熱物質非含有水、油、生理食塩液、グリセロール、ポリエチレングリコール、又はエタノールなどの無菌液体でありうる医薬用担体を伴う、生理的に許容される希釈剤による物質の溶液又は懸濁液の注射投与として投与することができる。加えて、保湿剤又は乳剤、界面活性剤、pH緩衝物質などの補助物質も、組成物中に存在しうる。
【0073】
医薬組成物の他の成分は、石油由来、動物由来、植物由来、又は合成由来の成分、例えば、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、オレイン酸エチル、及びミリスチン酸イソプロピルの非水溶性溶液である。抗体及びペプチドは、有効成分の徐放を可能とする形で調合しうる、デポ注射製剤又は植込み式製剤の形で投与することができる。例示的な組成物は、HClによりpH6.0に調整した、50mM L−ヒスチジン、150mM NaClからなる水性緩衝液中で調合した、5mg/mlの抗体を含む。
【0074】
通常、組成物は、溶液又は懸濁液、注射前に、例示のためであり限定のためではなく、無菌の発熱物質非含有水、生理食塩液、緩衝溶液、デキストロース溶液などを含む適切な媒体による再構成に適する固体又は粉末の形態における注射剤として調製される。製剤は、また、ポリラクチド、ポリグリコリド、又はコポリマーなどのリポソーム又は微粒子中に乳化又は封入することができる。
【0075】
本明細書に記載の医薬組成物は、密封したアンプル又はバイアルなど、単位用量容器又は複数回用量容器に入れて提供することができる。こうした容器は、通常、使用まで、製剤の無菌性及び安定性を保存する形で密封される。上に示した通り、一般に、製剤は、油性又は水性の媒体中における懸濁液、溶液、又は乳剤として保管してよい。
【0076】
代替的に、医薬組成物は、使用直前に無菌の液体担体の添加のみを必要とする、凍結乾燥条件においても保管しうる。
【0077】
関連の実施形態では、非ATP結合型P2X7受容体、その単量体又はフラグメントの発現を特徴とする疾患の治療法であって、上記抗体若しくはそのフラグメント、又は上記ペプチドを、前記治療を必要とする個体に提供するステップを含む治療法が提供される。
【0078】
抗体又は抗体フラグメントを用いる、癌細胞に対する免疫標的化法は、当技術分野でよく知られている。米国特許第6,306,393号は、B細胞悪性腫瘍の免疫療法における抗CD22抗体の使用について記載し、米国特許第6,329,503号は、蛇行型膜貫通抗原を発現する細胞に対する免疫標的化について記載する。本明細書に記載の抗体(ヒト化抗体若しくはヒト化モノクローナル抗体、又はそのフラグメント若しくは、場合によって、細胞傷害剤と結合した他の改変体)は、抗体が癌細胞に結合し、細胞及び腫瘍の破壊を媒介し、及び/又は細胞又は腫瘍の増殖を阻害するよう、患者に導入することができる。
【0079】
本開示を限定するものではないが、こうした抗体が治療効果を及ぼす機構は、補体を介する細胞溶解、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、腫瘍抗原の生理的機能の調節、結合又はシグナル伝達経路の阻害、腫瘍細胞分化の調節、腫瘍血管新生因子プロファイルの変更、免疫刺激性又は腫瘍抑制性のサイトカイン及び増殖因子の分泌の調節、細胞接着の調節、及び/又はアポトーシスの誘導を含みうる。
【0080】
抗体は、また、放射性リガンド又は細胞質毒素などの毒性作用物質又は治療作用物質とも結合することができ、治療的に用いて、毒性作用物質又は治療作用物質を腫瘍細胞に直接送達してもよい。
【0081】
本明細書における「治療」とは、疾患、障害、又は望ましくない状態に対する治療処置若しくは予防処置、又は抑制手段を意味する。治療は、疾患症状の発現前、及び/又は疾患の臨床的発現若しくは他の発現後における、適切な形態における対象抗体の投与により、疾患の重症度を軽減し、疾患の進行を停止し、又は疾患を除去することを包含する。疾患の予防は、好ましくは、疾患に対する感受性が高い対象において、障害又は疾患の症状の発現を遅延又は遅滞させるステップを含む。
【0082】
治療用製剤は、非改変抗体、又は抗体の機能性に応じて、毒素若しくは細胞傷害性分子などの治療化合物と結合した抗体を用いうる。一般に、非改変抗体を用いる場合、これらは、通常、機能的なFc領域を有する。本明細書における「機能的なFc領域」とは、Fc受容体、特に、FcyR(例えば、FcγRI、FcyRII、及びFcγRIII)に結合するなど、Fcの生物学的機能に影響を及ぼす最小限の配列を意味する。
【0083】
理論による限定なしに、Fc領域は、Fc受容体免疫エフェクター細胞に結合し、細胞を介する細胞傷害性、エンドサイトーシス、食作用、炎症性サイトカインの放出、補体を介する細胞傷害性、及び抗原提示を調節することにより、抗腫瘍モノクローナル抗体の有効性に影響を及ぼしうると考えられる。この点で、ポリクローナル抗体、又はモノクローナル抗体の混合物は、異なるエピトープに結合し、したがって、単一のモノクローナル抗体を用いる場合と比較して、細胞表面においてより高密度のFcを有するので有利であろう。当然ながら、標的細胞を枯渇させることにおけるその有効性を増強するため、又は非改変抗体が治療的に有効でない場合、毒素又は細胞傷害剤に結合した抗体を用いてよい。
【0084】
抗体組成物は、単独で、又は他の治療作用物質と組み合わせて用いて、従来の治療有効性を増大させるか、又は抗体により標的化されない異常な細胞を標的化してよい。化学療法による治療を受けていない患者においては、抗体療法を化学療法レジメン、放射線レジメン、又は手術レジメンと組み合わせることが好ましいことがあるが、1つ又は複数の化学療法を受けたことのある患者には、抗体療法による治療の適応がありうる。加えて、抗体療法はまた、特に化学療法剤の毒性をあまり良く忍容しない患者において、併用化学療法の用量を低減させた使用も可能としうる。さらに、化学療法剤に対して抵抗性の腫瘍を有する患者を抗体により治療すれば、組み合わせたこれらの作用物質に対する感受性及び応答性が誘導されることがある。
【0085】
一態様において、抗体は、例示のためであり限定のためではなく、ブスルファン、チオグアニン、イダルビシン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びヒドロキシ尿素を含む治療用の細胞傷害剤と共に、補助的に用いられる。抗体療法に対する補助剤として有用な他の作用物質は、疾患状態において見出される異常な細胞内分子に対して特異的に方向づけられた化合物である。これらの作用物質は、疾患特異的である。例えば、BCR−ABL活性から生じる慢性骨髄性白血病を治療する場合、有用な化合物の1クラスは、bcr−ablキナーゼ阻害剤であるイマチニブなど、ablキナーゼ活性の阻害剤、及びbcrに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、オブリメルセン)である。他の作用物質は、とりわけ、インターフェロン−アルファ、ヒト化抗CD52抗体、デアセチラーゼ阻害剤FR901228(デプシペプチド)などを含む。
【0086】
治療効果を達成するのに必要な組成物の量は、具体的な目的に対する従来の手順により、経験的に決定される。一般に、治療的な目的でex vivo又はin vivoにおいて組成物を投与するには、薬理的な有効用量で組成物を投与する。「薬理的な有効量」又は「薬理的な有効用量」とは、特に、障害又は疾患の1つ又は複数の症状又は発現を軽減又は除去することを含む、障害状態又は疾患状態を治療又は再治療するのに、所望の結果を達成する能力を有する、所望の生理的効果又は量をもたらすのに十分な量である。
【0087】
例示として、前立腺癌に罹患する患者に対する抗体の投与は、基礎疾患が除去又は改善される場合だけでなく、患者が、疾患と関連する症状の重症度の低下又は同持続の短縮を報告する場合にも、治療的利益を提供する。治療的利益はまた、改善が実現されるかどうかに関わらず、基礎疾患又は基礎障害の進行を停止又は遅延させることも含む。
【0088】
宿主に投与される量は、何が投与されるか、予防又は治療などの投与の目的、宿主の状態、投与方法、投与回数、投与間隔などに応じて変化する。これらは、当業者が経験的に決定することができ、治療応答の程度に応じて調整しうる。適切な用量を決定する際に考慮すべき因子は、対象の身長及び体重、対象の年齢及び性別、症状の重症度、疾患の段階、作用物質の送達法、作用物質の半減期、並びに作用物質の有効性を含むがこれらに限定されない。考慮すべき疾患の段階は、疾患が急性であるか慢性であるか、再発段階であるか寛解段階であるか、及び疾患の進行性を含む。治療的な有効量に応じた用量及び投与時期の決定は、十分に当技術分野内にある。
【0089】
本開示の任意の組成物について、治療的な有効用量は、当技術分野でよく知られた方法により容易に決定される。例えば、初回の有効用量は、細胞培養又は他のin vitroアッセイから推定することができる。例えば、Sliwkowsky,MXら、 Semin.Oncol.、第26巻、増刊第12号、60〜70頁、1999年は、抗体に依存する細胞傷害性のin vitroにおける測定について説明している。そこでは、細胞培養アッセイにより決定されるIC50濃度を含め、循環濃度又は組織濃度をもたらす用量が、動物モデルにおいて定められている。
【0090】
加えて、毒性及び治療的有効性が、一般に、細胞培養アッセイ及び/又は実験動物により、通常は、LD50(試験集団の50%に対する致死用量)及びED50(試験集団の50%における治療的な有効量)を決定することにより決定される。個々に又は組み合わせると高い治療指数を示す組成物が好ましい。有効量の決定は、特に、本明細書に提供された詳細な開示を踏まえると、十分に当技術分野内にある。標準的な参考文献、例えば、Fingl及びWoodbury、「General Principles」、「The Pharmaceutical Basis of Therapeutics」、1〜46頁、l975年、及び同書中に引用される参考文献中にも指針が見出される。
【0091】
初回忍容化用量を達成するために、抗体が、ヒト及び非ヒト霊長動物において免疫原性でありうる可能性が考慮される。免疫応答は、例えば、キメラ抗体又はヒト化抗体の場合におけるように、抗体が、部分的又は主にヒト免疫グロブリン配列を含む場合でも、生物学的に無視できないことがあり、抗体の治療的有効性を損なう場合がある。一部の実施形態内では、治療用抗体に対する免疫学的忍容性の程度を確立するため、初回に高用量の抗体を投与する。
【0092】
忍容化用量は、前駆細胞に関連する特異抗体の反復投与に対する抗体応答の誘導を防止又は軽減するのに十分である。
【0093】
忍容化用量の好ましい範囲は、端値を含めて10mg/体重kg〜50mg/体重kgである。忍容化用量のより好ましい範囲は、端値を含めて20〜40mg/kgである。忍容化用量のさらにより好ましい範囲は、端値を含めて20〜25mg/kgである。
【0094】
これらの治療レジメン内では、治療的な有効用量の抗体を、端値を含めて0.1〜10mg/体重kgの範囲内で投与することが好ましい。より好ましい第2の治療的な有効用量は、端値を含めて0.2〜5mg/体重kgの範囲内にある。さらにより好ましい治療的な有効用量は、端値を含めて0.5〜2mg/kgの範囲内にある。代替的な実施形態内において、1回又は複数回の後続の治療用量は、忍容化用量と同じ若しくは異なる製剤によるものでよく、及び/又は忍容化用量と同じ若しくは異なる経路により投与してよい。
【0095】
本発明の目的では、治療される状態、対象抗体の形態、及び医薬組成物に応じて投与法を選択する。
【0096】
抗体組成物の投与は、持続投与、皮下投与、静脈内投与、経口投与、外用投与、経皮投与、腹腔内投与、筋肉内投与、及び膀胱内投与を含むがこれらに限定されない各種の方法により行うことができる。例えば、経口投与、筋肉内投与、又は皮下投与には、微粒子製剤、マイクロスフェア製剤、及びマイクロカプセル化製剤が有用である。静脈内投与には、リポソーム及びナノ粒子が、加えて適切である。医薬組成物の投与は、単独の経路又は複数の経路による併用を介して投与してよい。例えば、腹腔内投与は、静脈内注射を伴いうる。治療用量は、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、又は皮下投与されることが好ましい。
【0097】
組成物は、1回又は複数回投与してよい。実施形態によっては、とりわけ、治療される適応及び処方する医師の判断に応じて、1日1回、1日2〜3回若しくは数回、又は1日多数回投与してよい。
【0098】
組成物の投与は、また、当技術分野でよく知られる、徐放又は長期送達の方法によっても達成しうる。本明細書で用いる「徐放」又は「長期放出」とは、送達システムが、1日を超えて、好ましくは、1週間を超えて、最も好ましくは、少なくとも約30〜60日間以上にわたり、対象化合物の医薬としての治療量を投与することを意味する。長期放出システムは、上記生体分解ポリマーなどの抗体を含有する植込み式の固体又はゲル、蠕動ポンプ及びフルオロカーボンによる高圧ガス式ポンプ、浸透圧ポンプ及びミニ浸透圧ポンプなどを含むポンプを含みうる。
【0099】
本発明の方法は、単独のモノクローナル抗体、及びこれらの抗体により認識される特定の抗原を認識する任意の抗体のほか、異なるmAbの組み合わせの投与も意図する。2つ以上のモノクローナル抗体の方が、単独の抗体と比較して効果の改善を提供しうる。代替的に、抗体を異なる抗原に結合する抗体と組み合わせた方が、単独の抗体と比較して効果の改善を提供しうる。こうしたmAbカクテルは、異なるエフェクター機構を利用し、細胞傷害性のmAbを、免疫エフェクターの機能性に依存するmAbと直接に統合するmAbを含有する限りにおいて、何らかの利点を有しうる。
【0100】
別の実施形態において、本発明は、アクセッション番号06080101で欧州細胞培養コレクション(ECACC)に寄託されているハイブリドーマAB253により産生される抗体BPM09とP2X7に対する結合を競合し合う、P2X7に結合する抗体を提供する。
【0101】
抗原に対する結合を、抗P2X7抗体BPM09と競合し合う抗体は、競合ELISAイムノアッセイ法など、当業者に知られる通常の競合的結合アッセイを用いて容易に同定しうる。
【0102】
競合レベルは、少なくとも50%、好ましくは、少なくとも60%、より好ましくは、少なくとも70%であることが好ましい。競合レベルは、少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%であることがさらにより好ましい。競合レベルは、実質的に100%であることが最も好ましい。
【0103】
「競合百分率」という用語は、競合的抗体の存在下で生じる結合の低下を指す。
【0104】
以下のプロトコールは、本発明を例示するための、非限定的な実施例として提供される。
【0105】
実施例1
モノクローナル抗体の産生
ハイブリドーマを産生するのに好ましい動物システムは、マウスシステムである。免疫化プロトコール、及び融合用の免疫化された脾細胞の単離法は、当技術分野でよく知られている。融合細胞パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞株SP2/0、NS0、NS1、ラット骨髄腫細胞Y3、ウサギ骨髄腫細胞240E1、ヒトK6H6細胞)、融合手順、及びスクリーニング手順もまた、当技術分野でよく知られている(Galfreら、1977年;Gefterら、1977年;Galfreら、1979年;danglら、1982年;Spieker−Poletら、1995年)。
【0106】
(i)ハイブリドーマの産生
B細胞−骨髄腫細胞ハイブリドーマは、免疫化されたマウスに由来する脾細胞を用いて、以下の通りに産生した。
【0107】
免疫化:BALB/cマウス(雌、初回注射時に8〜10週齢、オーストラリア、ノースライド、CSIRO animal facility製)を、ジフテリアトキソイドに連結して(約11:1の結合率)アジュバント中で乳化させたヒトP2Xの第200〜216残基を含む結合体で免疫化した。初回免疫化は、Montanide−QuilA−DEAEデキストラン、4×50μg/mL中の結合体により実施した。後続の免疫化は、1匹当たり2×50μg/mLの注射(筋肉内1回及び皮下1回)、200μg/mLのImmunEasy(商標)アジュバント(Qiagen社製)中の結合体により、2〜4週間間隔で実施した。少なくとも3回の免疫化サイクル後、無菌のリン酸緩衝食塩液中に20μgの結合体を、マウスに静脈内注射した。
【0108】
ハイブリドーマ産生:静脈内ブーストの4〜5日後、脾臓を回収し、脾細胞懸濁液を調製した。脾細胞は、無血清培地(2mM L−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、50IU/mLペニシリン、及び50μg/mLストレプトマイシンを有するRPMI;Gibco社製)中に50%のポリエチレングリコール1500(Roche社製、型番783 641)中において5:1の比率で混合することにより、SP2/0Ag14骨髄腫細胞と融合させた。37℃で2分間にわたるインキュベーション後、細胞懸濁液を無血清培地中で希釈し、遠心分離(70×gで8分間)によりペレットにした。細胞は、RPMI培地(上記の通りであり、10%ウシ胎仔血清、HAT(Gibco社製)、及び100U/mL組み換えマウスIL−6(Peprotech社製)を補充)中で培養した。12〜14日後、ウシ血清アルブミン(約11:1の結合比)に連結した固相ヒトP2Xの第200〜216残基を用いるELISA法により、細胞培養懸濁液を反応性について調べた。陽性ウェルは、限界希釈でサブクローニングした。
これらの陽性ウェルから、抗体AB253を産生するハイブリドーマを単離した。
【0109】
実施例2
BPM09は、正常組織の染色が最小限でありながら、腫瘍組織を強力に染色する、優れた免疫組織化学染色をもたらす点で、他の腫瘍選択的P2X抗体とは区別される。
【0110】
AB253に対する免疫組織化学法のプロトコール/結果
組織切片の調製
1.腫瘍ブロックに由来する切片(3μm)を、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AES)でコートした耐熱スライドガラス上に載せた。
2.脱蝋、内因性ペルオキシダーゼのブロック、及び熱で誘導するエピトープ賦活をスライドに対して同時に実施し(Biocare Medical社製Universal Decloaker溶液)、Sequenza装置によりスライドを染色した。
【0111】
AB253による組織切片の染色
3.トリス緩衝生理食塩液(Biocare Medical社製TBS自動洗浄用緩衝液)によるすすぎの後、60分間にわたり80pM AB253と共に切片をインキュベートした。TBS中で2回すすいだ後に、抗マウスIgG試薬中における15分間のインキュベーション後、TBS中で1回のすすぎ、及びHRPポリマー中での25分間にわたるインキュベーション、並びにTBS中での追加のすすぎ(2回)からなる、Mach 4 Universalポリマー(Biocare Medical社製)検出システムを用いた。
4.十分な洗浄及びDAB(Dako社製)染色の後、ヘマトキシリン(Lillie の改変を伴うMayerによる、Dako社製)により、BPM09で標識したスライドを1分間にわたり対比染色し、十分にすすぎ、カバーを外した。
5.10倍の対物レンズを有するOlympus BX41型顕微鏡(Olympus社製)及びQ Imaging社製Micropublisher 5メガピクセル顕微鏡カメラを用いて、顕微鏡写真を得た。
【0112】
図1は、ヒト前立腺癌組織に対するBPM09の結合を示す。比較すると、正常組織に対するBPM09抗体の結合量が最小であり(データは示さない)、このことは、非特異的抗体結合のみが起こったことを説明するものである。
【0113】
実施例3
抗P2Xによる競合ELISA法
材料
BSA−P2Xの第200〜216残基ペプチド配列(リンカーとしてマレイミドカプロイルN−ヒドロキシスクシンイミド(MCS)を有するウシ血清アルブミンに結合したH−GHNYTTRNILPGLNITC−NH
96ウェルELISA用プレート
BSA(アルブミン、ウシ画分V、Sigma社製、型番A−9647)
Tween 20(ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノラウレート、Amresco社製、型番0777−IL)
ビオチン化BPM09(製造元の指示書に従い、20倍モル過剰のNHS−LC−ビオチン(Pierce社製、型番3 21435)により、1mgのプロテインAで精製したBPM09に対して、ビオチン化を実施した)
二次結合体(西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)に結合したストレプトアビジン、Zymed社製、型番434323)
NaCO、NaHCO、NaHPO、NaHPO、NaCl、クエン酸一水和物、クエン酸三ナトリウム二水和物、H
ABTS(2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンズ−チアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩、Sigma社製、型番A−1888)
ELISA用プレートリーダー
【0114】
溶液
炭酸塩コーティング緩衝液pH9.6
1.59g NaCO及び2.93g NaHCOを、pH9.6への調整後、蒸留HOにより1Lに調合した。
【0115】
0.1M PBS pH 7.2(ストック溶液)
68.4mLの1M NaHPO溶液、31.6mLの1M NaHPO溶液、及び88gのNaClを、pH7.2への調整後、蒸留HOにより1Lに調合した。
【0116】
0.01M PBS pH7.2(作業用濃度)
0.1M PBS溶液を、蒸留HOにより希釈した(1/10)。
【0117】
ブロッキング緩衝液
0.01M PBS pH 7.2に、1%(w/v)BSAを添加した。
【0118】
抗体希釈液
0.01M PBS pH7.2に、1%(w/v)BSA及び0.05%(v/v)Tween 20を添加した。
【0119】
洗浄用緩衝液
0.01M PBS pH 7.2に、0.05%(v/v)Tween 20を添加した。
【0120】
クエン酸緩衝液(5倍濃度)(ストック濃度)
pHを4.4に調整後、21gクエン酸一水和物及び14.7gクエン酸三ナトリウム二水和物を、蒸留HOにより150mLに調合した。
【0121】
基質溶液
2.4mLクエン酸緩衝液(5倍濃度)、240μL ABTS溶液[HO中に25mg/mL(50倍濃度)]、12μL Hであり、蒸留HOにより12mLに調合。
【0122】
手順
1.炭酸塩コーティング緩衝液中でBSA−P2Xを3μg/mLに希釈し、96ウェルプレートの各ウェルに100μLずつ添加し、加湿した容器中、4℃で一晩にわたりインキュベートした。
2.洗浄緩衝液(3倍濃度)、次いで、PBS(3倍濃度)中でプレートを洗浄し、ペーパータオル上で吸い取らせ、残存した緩衝液を除去した。
3.加湿した容器中、室温で最低1時間にわたり、200μLのブロッキング緩衝液によりプレートをブロックした。
4.ステップ3を反復して、プレートを洗浄した。
5.新たな96ウェルプレートにおいて、非ビオチン化BPM09、又は無関係の特異性アイソタイプマッチ対照を、抗体希釈液中で段階的に希釈し、ビオチン化BPM09を添加した(0.63μg/mL、最終濃度)。
ビオチン化BPM09の濃度(0.63μg/mL)は、競合抗体なしに、本プロトコールにより実施された予備的ELISA法において、最大の結合を与えるように決定した。
6.三連のウェルに、抗体混合液(100μL)を添加した。背景吸光度を決定するため、ペプチドコーティングなしのウェルを組み入れた。
7.加湿容器内における室温で30分間のインキュベーション後、ステップ3に従い、プレートを再び洗浄した。
8.抗体希釈液(100μL)中のストレプトアビジン−HRP(1:2000)を各ウェルに添加し、ゆっくりと混合させながら、加湿容器内において室温で1時間にわたりインキュベートした。
9.ステップ3によりプレートを洗浄し、新たに調製した基質溶液(100μL)を各ウェルに添加した。
10.15分間にわたり呈色反応を生じさせた後に、ELISA用プレートリーダーにより、405nm(基準波長:620nm)におけるODを測定した。
【0123】
ELISA競合結合アッセイの結果を、図2に示す。図2(A)は、非ビオチン化BPM09抗体の濃度が上昇するにつれて、P2X受容体部位に対するビオチン化BPM09の総結合が低下することを示す。逆に、図2(B)は、ビオチン化抗体の結合に対する影響が観察されない免疫グロブリンのアイソタイプにマッチする対照を用いて実施した、同じ競合結合アッセイを示す。これらのデータは、P2Xに対するBPM09の結合特異性を明確に示す。
【0124】
本明細書において開示され定義された本発明が、本文又は図面で言及され、又はこれらから明らかな、2つ以上の個々の特徴に対するすべての代替的な実施形態に拡張されることを理解されたい。これらの異なる組み合わせのすべてが、本発明の代替的な各態様を構成する。
【0125】
広く説明された本発明の精神又は範囲から逸脱しない限りにおいて、特定の実施形態で示した本発明に対して、多数の変更及び/又は改変を行いうることが、当業者により理解されるであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点において考慮すべきものであり、限定的なものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非機能性P2X7受容体と免疫複合体を形成する能力を有する抗体を産生するハイブリドーマにおいて、生細胞上で発現する非機能性P2X7受容体に対して約5×10−1未満の親和性を有する抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ。
【請求項2】
親和性が約5×10−1以下である、請求項1に記載のハイブリドーマ。
【請求項3】
親和性が約5×10−1以下である、請求項1に記載のハイブリドーマ。
【請求項4】
アクセッション番号06080101で欧州細胞培養コレクション(ECACC)に寄託されているハイブリドーマAB253。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイブリドーマにより産生される抗体。
【請求項6】
BPM09である、請求項5に記載の抗体。
【請求項7】
非機能性P2X7受容体には結合するが機能性P2X7には結合しない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗体フラグメント。
【請求項9】
非機能性P2X7、その単量体又はフラグメントに対する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗体又はフラグメントの結合から形成される免疫複合体。
【請求項10】
非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントが、配列番号1〜8のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する、請求項9に記載の免疫複合体。
【請求項11】
細胞、組織、又は細胞外体液が、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含むかどうかを判定する方法であって、
免疫複合体を形成する条件において、細胞、組織、又は細胞外体液を、請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗体又はフラグメントと接触させるステップと、
免疫複合体が形成されているかどうかを検出するステップと、を含み、
免疫複合体の検出により、細胞、組織、又は細胞外体液が、非機能性P2X7受容体、その単量体又はフラグメントを含むことが判定される方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−505426(P2010−505426A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531695(P2009−531695)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001540
【国際公開番号】WO2008/043145
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(509103543)バイオスセプター インターナショナル リミテッド (1)
【Fターム(参考)】