説明

非水電解質及び該非水電解質を含む非水電解質二次電池

【課題】保管時の着色と酸分の上昇が抑制された非水電解質、及び、この電解質を用いて作成した初期充電時のガス発生が少なくサイクル特性も良好となる非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるカルボジイミド及び、一般式(2)で表される硫酸エステル及びホウ素化合物の少なくとも1種を含有する非水電解質とする。


1、R2は独立に炭素原子数1〜20の有機基。


3は炭素原子数2〜20の有機基。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解質、及び該非水電解質を含み、ビデオカメラ,モバイルコンピュータ、携帯電話機等の主として携帯電子機器の電源として利用される充放電可能な非水電解質二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
非水電解質を含む電池は、高電圧であり、かつ高エネルギー密度を有し、また貯蔵安定性等の信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広く用いられている。
非水電解質を含む電池の代表例として、リチウム電池及びリチウムイオン二次電池が挙げられる。これらの電池は、金属リチウム又はリチウムの吸蔵・放出が可能である活物質からなる負極と、遷移金属酸化物、弗化黒鉛、及びリチウムと遷移金属との複合酸化物等からなる正極と、非水電解質とを有する。
非水電解質は、非プロトン性有機溶媒にLiBF4 、LiPF6 、LiClO4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 、Li2 SiF6 等のLi電解質を混合してなる溶液である。
【0003】
リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池(以下、電池という)において、非水電解質は正極と負極との間のイオンの受け渡しを行う。電池の充放電特性を高めるためには正極と負極との間のイオンの受け渡し速度を出来るだけ速くする必要があり、非水電解質のイオン伝導度を高くしたり、非水電解質の粘度を低くしたりして、拡散による物質移動を起こりやすくする必要がある。また、非水電解質は、電池の保存性(放置特性等)、及び充放電を繰り返した場合のサイクル安定性を高めるために、化学的、電気化学的に反応性が高い正極及び負極に対して安定である必要がある。
電極に対する安定化を図った非水電解質として、非特許文献1には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の高誘電率カーボネート溶媒、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の低粘度カーボネート溶媒にLiPF6 等のリチウム塩を溶解したものが示されている。
これまでに硫酸エステルやカルボジイミドを非水電解質に添加し、非水電解質二次電池として用いる事例はいくつか報告されているが、硫酸エステルとカルボジイミドを混合した事例はない。また、カルボジイミドの公知事例として、特許文献1、2があげられ、硫酸エステルの公知事例として、特許文献3−7があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−294129号公報
【特許文献2】特開2001−313073号公報
【特許文献3】特開平9−245833号公報
【特許文献4】特開平10−189042号公報
【特許文献5】特開平11−162511号公報
【特許文献6】特開2003−331915号公報
【特許文献7】特開2003−151623号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ジーン−ポール ガバノ(Jean-Paul Gabano)編「リチウム バッテリ」(Lithium Battery),アカデミック・プレス(ACADMIC PRESS)(1983)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献で記載されている硫酸エステルを含む非水電解質や特定のホウ素化合物を含む非水電解質は、非水電解質単独での保管時に、非水電解質の着色や酸分が上昇する問題が起こる場合があった。このように劣化した非水電解質を用いて電池を作製した場合、電池の初期充電時のガス発生量が増大し、注液した非水電解質の噴きこぼれや電池の膨れが起こる問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、特定の硫酸エステル及び/又は特定のホウ素化合物と特定のカルボジイミドを含有することにより、非水電解質を保管した場合に着色や酸分の上昇が抑制され、かつ二次電池を作製した場合に、初期充放電時の電池の膨れが小さく、サイクル特性の良好な非水電解質を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記非水電解質を含むことにより、初期充放電時の電池の膨れが小さく、かつサイクル特性が良好な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、特定の硫酸エステル及び/又は特定のホウ素化合物と特定のカルボジイミドを含有する非水電解質を用いて非水電解質二次電池を構成することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1発明に係る非水電解質は、下記一般式(1)で表されるカルボジイミドと、下記一般式(2)から(6)で表される硫酸エステル及びホウ素化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする。
【0009】
【化1】

【0010】
1 、R2 は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の有機基である。
【0011】
【化2】

【0012】
3 は、炭素原子数2〜20の有機基である。
【0013】
【化3】

【0014】
4 、R5 は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の有機基である。
【0015】
【化4】

【0016】
【化5】

【0017】
【化6】

【0018】
(前記一般式(4)から(6)中、Xは、炭素原子数1から20の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。異なるX基間で結合し環形成していても良い。R6 は炭素原子数1〜20の有機基又は水素原子を表し、R7 は炭素原子数1〜20の有機基を表す。nは、1〜2の整数。mは1〜3の整数。)
【0019】
ここで、非水電解質とは、非水溶媒に支持塩を溶解した電解液、又は固体電解質に前記電解液を含有させたものをいう。
本発明においては、非水電解質に前記カルボジイミド及び前記硫酸エステル及び/又は前記ホウ素化合物を添加しているので、この非水電解質を単独で保管した際の着色や酸分上昇が抑制される。このため、この非水電解質を用いて非水電解質二次電池を作製した場合に、初期充放電時の電池の膨れが抑制される。さらには、これら非水電解質を使用しても電池のサイクル特性は低下することなく良好である。
【0020】
上述のように非水電解質の着色や酸分上昇が起こるのは、硫酸エステルやホウ素化合物が経時的に分解し、分解物が非水電解質中のLi塩と反応するためと考えられる。また電池の初期充放電時の電池の膨れは、酸分として発生したHFなどが初期充電に還元されて水素ガスが発生するために起こるものと思われる。また、カルボジイミドにより硫酸エステル及び/又はホウ素化合物の分解物がトラップされることにより分解物が電池中で大きな悪影響を起こさなくなり、サイクル特性が良好となったものと考えられる。
【0021】
第2発明に係る非水電解質は、前記一般式(1)で表されるカルボジイミドがシリル基を有することを特徴とする。
この非水電解質を用いた場合、着色や酸分上昇が少なく、かつ、非水電解質二次電池を作製した場合に、サイクル特性、及び低温充電特性が良好である。
【0022】
第3発明に係る非水電解質二次電池は、第1又は第2発明のいずれかに係る非水電解質を含むことを特徴とする。
本発明においては、第1又は第2発明のいずれかの非水電解質を含むので、電池の初期充放電時の電池の膨れが抑制され、かつサイクル特性が良好である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の非水電解質によれば、この非水電解質を単独で保存した時に、非水電解質の着色及び酸分の上昇が抑制され、これを用いて非水電解質二次電池を作製した場合に、初期充放電時の電池の膨れが抑制され、かつサイクル特性が良好な非水電解質二次電池が得られる。
本発明の非水電解質二次電池によれば、初期充放電時の電池の膨れが抑制され、かつサイクル特性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る非水電解質二次電池を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
本発明の電池(非水電解質二次電池)は、正極、負極、セパレータ及び非水電解質を有する。
【0026】
(1)非水電解質
本発明に係る非水電解質は、後述する非水溶媒、及びリチウム塩に、前記一般式(1)で表されるカルボジイミドと、前記一般式(2)から(6)で表される硫酸エステル及びホウ素化合物の少なくとも1種を含有してなる。
前記一般式(1)中、R1 からR2 は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の有機基である。
前記一般式(2)中、R3 は、炭素原子数2〜20の有機基である。
前記一般式(3)中、R4 からR5 は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の有機基である。
前記一般式(4)から(6)中、Xは、炭素原子数1から20以下の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。異なるX基間で結合し環形成していても良い。R6 は炭素原子数1〜20の有機基又は水素原子を表し、R7 は炭素原子数1〜20の有機基を表す。nは、1〜2の整数。mは1〜3の整数である。
【0027】
1 、R2 、R4 、R5 、R6 、Xで表される炭素原子数1から20の有機基は、炭素原子の他に水素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、ケイ素、ホウ素、リンなどの原子を含むことができ、例えば、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルキニル基、置換基としては、ハロゲン基、エステル基、硫酸エステル基、スルホン酸基、リン酸エステル基、シリルエステル基、アミド基、エーテル基、ホウ酸エステル基、芳香族基、などが挙げられる。具体例としては、CH3 −、CH3 CH2 −、CH3 CH2 CH2 −、(CH3 2 CH−、CH3 (CH2 2 CH2 −、(CH3 2 CH2 CH2 −、(CH3 3 C−、CH3 CH(CH3 )CH2 −、CH3 CH2 CH(CH3 )CH2−、C6 13−(異性体を含む)、C7 15−(異性体を含む)、C8 17−(異性体を含む)、C9 19−(異性体を含む)、CH2 =CH−、CH2 =CH−CH2 −、CF3 −、CF3 CH2 −、CF3 CF2 CH2 −、(CH3 3 Si−、(C2 5 3 Si−、Ph−(フェニル基)、チエニル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
なお、式(4)中のXがn=2の場合は、X基間で結合し環形成していても良い。
【0028】
3 及びR7 で表される有機基の具体例としては、−CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )−、−CH2 CH(C2 5 )−、−CH2 CH(C3 7 )−、−CH2 CH(C4 9 )−、−CH2 CH(C5 11)−、−CH(CH3 )CH(CH3 )−、−CH(C2 5 )CH(C2 5 )−、−CH2 CH(CH=CH2 )−、−CH(CH=CH2 )CH(CH=CH2 )−、−CH2 CH(CF3 )−、−CF2 CF2 −、−CH(Ph)CH2 −、−CH(Ph)CH(Ph)2 −、−CH=CH−、−C(CH3 )=CH−、−C(CH3 )=C(CH3 )−、−C(C2 5 )=C(C2 5 )−、−Ph−、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH(CH3 )−、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、−CH2 C(CH3 2 CH2 −が挙げられる。
【0029】
前記一般式(1)で表される場合のカルボジイミドの具体例としては、ジイソプロピルカルボジイミド(化合物1)、ジ−tert−ブチルカルボジイミド(化合物2)、エチル tert−ブチルカルボジイミド(化合物3)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(化合物4)、ジ−(p−メチルフェニル)カルボジイミド(化合物5)、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(化合物6)、ビス(トリエチルシリル)カルボジイミド(化合物7)が挙げられる。
前記一般式(1)で表される場合のカルボジイミドとして、好ましくは、シリル基を有する構造であり、特に好ましくは、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(化合物6)が挙げられる。
【0030】
【化7】

【0031】
前記一般式(2)で表される場合の硫酸エステルの具体例としては、エチレングリコール環状サルフェート(化合物8)、プロピレングリコール環状サルフェート(化合物9)、1,2−ブチレングリコール環状サルフェート(化合物10)、1,2−ペンチレングリコール環状サルフェート(化合物11)、3−メチル−1,2−ペンチレングリコール
環状サルフェート(化合物12)、1,2−ヘキシレングリコール環状サルフェート(化合物13)、2,3−ブチレングリコール環状サルフェート(化合物14)、1−ビニル−エチレングリコール環状サルフェート(化合物15)、1,2−シクロヘキサンジオール環状サルフェート(化合物16)、1,3−プロパンジオール環状サルフェート(化合物17)、1,3−ブタンジオール環状サルフェート(化合物18)、2,4−ペンタンジオール環状サルフェート(化合物19)、2−メチル−1,3−プロパンジオール環状サルフェート(化合物20)、2、2−ジメチル−1,3−プロパンジオール環状サルフェート(化合物21)、ビニレン環状サルフェート(化合物22)、1−メチル−ビニレン環状サルフェート(化合物23)、1−エチル−ビニレン環状サルフェート(化合物24)、1、2−ジメチル−ビニレン環状サルフェート(化合物25)、カテコール環状サルフェート(化合物26)、メチレンジスルホン酸メチレンエステル(化合物27)、が挙げられる。
【0032】
【化8】

【0033】
【化9】

【0034】
【化10】

【0035】
【化11】

【0036】
前記一般式(3)で表される場合の硫酸エステルの具体例としては、ジメチルサルフェート(化合物28)、ジエチルサルフェート(化合物29)、ジ−n−プロピルサルフェート(化合物30)、ジ−i−プロピルサルフェート(化合物31)、ジ−n−ブチルサルフェート(化合物32)、ジフェニルサルフェート(化合物33)が挙げられる。
【0037】
【化12】

【0038】
前記一般式(2)〜(3)で表される場合の硫酸エステルとして、好ましくは、エチレングリコール環状サルフェート(化合物8)、プロピレングリコール環状サルフェート(化合物9)、1,2−ブチレングリコール環状サルフェート(化合物10)、1,2−ペンチレングリコール環状サルフェート(化合物11)、ビニレン環状サルフェート(化合物22)、メチレンジスルホン酸メチレンエステル(化合物27)が挙げられる。
【0039】
前記一般式(4)〜(6)で表されるホウ素化合物の具体例としては、フェニルボロン酸(下記化合物34)、チオフェン−2−ボロン酸(下記化合物35)、フェニルボロン酸ビストリメチルシリルエステル(下記化合物36)、チオフェン−2−ボロン酸ビストリメチルシリルエステル(下記化合物37)、チオフェン−2−ボロン酸ジメチルエステル(下記化合物38)、チオフェン−2−ボロン酸ジエチルエステル(下記化合物39)、チオフェン−2−ボロン酸ジブチルエステル(下記化合物40)、チオフェン−2−ボロン酸ブチルメチルエステル(下記化合物41)、チオフェン−2−ボロン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル(下記化合物42)、チオフェン−2−ボロン酸ジフェニルエステル(下記化合物43)、チオアニソール−2−ボロン酸ジメチルエステル(下記化合物44)、ジチオフェン−2,2’−ボリン酸メチルエステル(下記化合物45)、ジチオフェン−2,2’−ボリン酸ブチルエステル(下記化合物46)、ジチオフェン−2,2’−ボリン酸フェニルエステル(下記化合物47)、2−チオフェン−2−チオアニソール−ボリン酸メチルエステル(下記化合物48)、エチルボロン酸ピナコールエステル(下記化合物49)、ブタンボロン酸ピナコールエステル(下記化合物50)、1−オクテン−1−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物51)、ビニルボロン酸ピナコールエステル(下記化合物52)、ビニルボロン酸(2−メチルペンタン−2,4−ジオール)エステル(下記化合物53)、シクロプロパンボロン酸ピナコールエステル(下記化合物54)、1−ペンテン−1,2−ジボロン酸ピナコールエステル(下記化合物55)、E−スチルベン−ジボロン酸ピナコールエステル(下記化合物56)、チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物57)、5−メチル−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物58)、2,2’−ジチオフェン−5−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物59)、5’−ヘキシル−2,2’−ジチオフェン−5−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物60)、チオフェン−3−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物61)、5−クロロ−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物62)、5−フルオロ−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物63)、チオアニソール−2−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物64)、チオアニソール−4−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物65)、メシルアニリン−4−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物66)、フェニルチオメチルボロン酸ピナコールエステル(下記化合物67)、ベンゾチオフェン−5−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物68)、チアゾール−2−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物69)、2−(メチルチオ)ピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物70)、チエノ[3,2-B]チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物71)、5−シアノーベンゾニトリル−9−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物72)、(2−チエニル)ベンゼン−4−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物73)、ベンゾニトリル−9−ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル(下記化合物74)、チオフェン−2−ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル(下記化合物75)、チオフェン−2−ボロン酸エチレングリコールエステル(下記化合物76)、チオフェン−2−ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル(下記化合物77)、チオフェン−2−ボロン酸シュウ酸エステル(下記化合物78)、チオフェン−2,5−ジボロン酸ピナコールエステル(下記化合物79)、2,2'−ビチオフェン−5,5'−ジボロン酸ピナコールエステル(下記化合物80)、チオフェン−2,3,5−トリボロン酸ピナコールエステル(下記化合物81)、チオアニソール−1,3,5−トリボロン酸ピナコールエステル(下記化合物82)、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物83)、フラン−3−ボロン酸ピナコールエステル(下記化合物84)、トリフェニルボロキシン(下記化合物85)、(トリ(2−チオフェン)ボロキシン(上記化合物86)、トリ(5−メチル−2−チオフェン)ボロキシン(下記化合物87)、トリ(5−ボロン酸ピナコールエステル−2−チオフェン)ボロキシン(下記化合物88)が挙げられる。
【0040】
【化13】

【0041】
【化14】

【0042】
【化15】

【0043】
【化16】

【0044】
【化17】

【0045】
【化18】

【0046】
【化19】

【0047】
【化20】

【0048】
【化21】

【0049】
【化22】

【0050】
【化23】

【0051】
前記一般式(4)〜(6)で表される場合のホウ素化合物として、好ましくは、フェニルボロン酸(化合物34)、チオフェン−2−ボロン酸(化合物35)、ビニルボロン酸(2−メチルペンタン−2,4−ジオール)エステル(化合物53)、5−メチル−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(化合物58)、チオフェン−3−ボロン酸ピナコールエステル(化合物61)、5−フルオロ−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(化合物63)、(トリ(2−チオフェン)ボロキシン(化合物86)である。
【0052】
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドの含有量としては、非水電解質の総重量に対して、0.001質量%以上5質量%以下であり、好ましくは、0.01質量%以上2質量%以下である。特に好ましくは、0.05質量%以上0.5質量%以下である。この範囲であれば、本発明の目的を達成するのに好ましい。
【0053】
前記一般式(2)又は(3)で表される硫酸エステルの含有量としては、非水電解質の総重量に対して、0.01質量%以上5質量%以下であり、好ましくは、0.1質量%以上3質量%以下である。特に好ましくは、0.5質量%以上2質量%以下である。この範囲であれば、本発明の目的を達成するのに好ましい。
前記一般式(4)から(6)で表されるホウ素化合物の含有量としては、非水電解質の総重量に対して、0.01質量%以上5質量%以下であり、好ましくは、0.01質量%以上2質量%以下であり、好ましくは、0.05質量%以上1質量%以下である。この範囲であれば、本発明の目的を達成するのに好ましい。
【0054】
本発明の非水電解質に用いられる非水溶媒としては、少なくとも、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。
環状の非プロトン性溶媒としては、エチレンカーボネート等の環状カーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、スルホラン等の環状スルホン、ジオキソラン等の環状エーテルが例示される。
鎖状の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテルが例示される。
【0055】
特に電池の負荷特性、及び低温特性の向上を意図する場合には、非水溶媒を環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒との混合物にすることが好ましい。さらに、非水電解質の電気化学的安定性を重視する場合には、環状の非プロトン性溶媒として環状カーボネートを、鎖状の非プロトン性溶媒として鎖状カーボネートを用いることが好ましい。
環状カーボネートの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、トランス−2,3−ブチレンカーボネート、シス−2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、トランス−2,3−ペンチレンカーボネート、シス−2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。
これらのうち、誘電率が高いエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが好ましい。負極活物質に黒鉛を使用する場合、エチレンカーボネートを使用するのがさらに好ましい。また、これらの環状カーボネートは2種以上混合して使用してもよい。
【0056】
鎖状カーボネートとして、具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネート等が挙げられる。
これらのうち、粘度が低いので、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好ましい。これらの鎖状カーボネートは2種以上混合して使用してもよい。
【0057】
環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合割合は、環状カーボネート:鎖状カーボネート(体積比)が、好ましくは5:95〜70:30であり、より好ましくは10:90〜60:40である。このような比率にすることにより、非水電解質の粘度上昇を抑制し、非水電解質の解離度を高めることができるので、電池の充放電特性に寄与する非水電解質の伝導度を高めることができる。
【0058】
本発明に係る非水電解質においては、本発明の目的を妨げない範囲で、非水溶媒中に、上述したカルボジイミド、硫酸エステル、ホウ素化合物以外の他の化合物を添加剤として含んでもよい。
他の化合物として具体的には、ビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジビニルカーボネート等の炭素炭素不飽和結合を有する炭酸エステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;メチル−N,N−ジメチルカーバメート等の鎖状カーバメート類;N−メチルピロリドン等の環状アミド類;N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の環状ウレア類;リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリ(トリメチルシリル)、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ビフェニル、フルオロビフェニル、o−ターフェニル、トルエン、エチルベンゼン、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、2−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール等の芳香族炭化水素等;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロパ−1−エンスルトン、1−メチル−1,3−プロパ−1−エンスルトン、2−メチル−1,3−プロパ−1−エンスルトン、3−メチル−1,3−プロパ−1−エンスルトン、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン、3−スルホレン、ジビニルスルホン等のイオウ系化合物;並びに無水マレイン酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物等の炭素炭素不飽和化合物を有するカルボン酸無水物を挙げることができる。
【0059】
これらの化合物は単独で加えてもよく、2種類以上併用してもよい。これらのうち、ビニレンカーボネート、1,3−プロパ−1−エンスルトン、の使用が好ましい。これらの化合物の含有量は、非水電解質の総質量に対して0.1〜10質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがさらに好ましい。
【0060】
本発明の非水電解質に含有されるリチウム塩としては、通常の非水電解質として使用されているものであれば、いずれも使用することができる。
リチウム塩の具体例としては、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiAsF6 Li2 SiF6 、LiOSO2 k (2k+1)(k=1〜8の整数)、LiN(SO2 k (2k+1)2 (k=1〜8の整数)、LiPFn (Ck (2k+1)(6-n)(n=1〜5、
k=1〜8の整数)、LiBFn k (2k+1)(n=1〜3、k=1〜8の整数)、LiB(C2 4 2 (リチウムビスオキサリルボレ−ト)、LiBF2 (C2 4 )(リチウムジフルオロオキサリルボレ−ト)、LiPF3 (C2 4 )(リチウムトリフルオロオキサリルフォスフェート)が挙げられる。
また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。
LiC(SO2 11)(SO2 12)(SO2 13
LiN(SO2 OR14)(SO2 OR15
LiN(SO2 16)(SO2 OR17
(式中、R11〜R17は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)。
これらのリチウム塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
これらのうち、特に、LiPF6 、LiBF4 、LiN(SO2 k (2k+1)2 (k=1〜8の整数)が好ましい。
以上のリチウム塩は、好ましくは0.1〜3モル/リットル、より好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で非水電解質中に含有される。
【0061】
(2)正極
本発明の電池に用いられる正極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な化合物である、組成式Lix MO2 、Liy 2 4 (但し、Mは遷移金属から選ばれる一種又は複数種、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される複合酸化物、トンネル構造及び層状構造の金属カルコゲン化物又は金属酸化物を用いることができる。その具体例としては、LiCoO2 、LiCox Ni1-x 2 、LiMn2 4 、Li2 Mn2 4 、MnO2 、FeO2 、V2 5 、V6 13、TiO2 、TiS2 等が挙げられる。
また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。
さらに、無機化合物及び有機化合物を問わず、上述の各種の活物質を混合して用いてもよい。
粒状の正極活物質を用いる場合には、正極は、例えば、正極活物質粒子と導電助剤と結着剤とからなる合剤をアルミニウム等の金属集電体上に形成することで作製される。
【0062】
(3)負極
本発明の負極活物質には、金属リチウム、リチウム合金、リチウムの吸蔵放出が可能な炭素材料等、一般に知られているものすべてを使用することができる。この負極活物質としては、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金、LiFe2 3 、WO2 、MoO2 、SiO、CuO等の金属酸化物、グラファイト、カーボン等の炭素質材料、Li3 N等の窒化リチウム、若しくは金属リチウム、又はこれらの混合物を用いることができる。
【0063】
(4)セパレータ
本発明のセパレータとしては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。中でもポリエチレン及びポリプロピレン製の微多孔膜、又はこれらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が、厚み、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
また、高分子固体電解質等の固体電解質を用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。
さらに、合成樹脂微多孔膜と高分子固体電解質等とを組み合わせて使用してもよい。この場合、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに非水電解質を含有させることにしてもよい。
【0064】
本発明の電池の形状は特に限定されるものではなく、角形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形、円筒型電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用することが可能であるが、角形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形等、電池ケースが変形しやすい電池において、効果が良好に発現される。
【実施例】
【0065】
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明するが、本発明は、本実施例により、何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができる。
【0066】
(実施例1)
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池を示す断面図である。図1において、1は角型の非水電解質二次電池(以下、電池という)、2は電極群、3は負極、4は正極、5はセパレータ、6は電池ケース、7はケース蓋、8は安全弁、9は負極端子、10は負極リードである。電極群2は、負極3と正極4とをセパレータ5を介して扁平状に巻回して得られる。電極群2及び非水電解質は電池ケース6に収納され、電池ケース6の開口部は、安全弁8が設けられたケース蓋7をレーザー溶接することで密閉される。負極端子9は負極リード10を介して負極3と接続され、正極4は電池ケース6の内面と接続されている。
【0067】
正極4は、以下のようにして作製した。
正極活物質としてのLiCoO2 94質量%と、導電助剤としてのアセチレンブラック3質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)3質量%とを混合して正極合剤とし、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させることによりペーストを得た。このペーストを厚み15μmのアルミニウム集電体に均一に塗布して乾燥させた後、正極活物質層の密度が3.6g/cm3 になるように、ロールプレスで圧縮成型することにより正極4を得た。
【0068】
負極3は次のようにして作製した。
負極活物質としての黒鉛97質量%と、結着剤としてのカルボキシメチルセルロース1.5質量%及びスチレンブタジエンゴム1.5質量%とを混合し、蒸留水を適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このスラリーを厚み10μmの銅集電体に均一に塗布、乾燥させ、100℃で5時間乾燥させた後、結着剤及び活物質からなる負極活物質層の密度が1.6g/cm3になるように、ロールプレスで圧縮成形することにより負極3を得た

【0069】
セパレータとしては、厚み18μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比1:1:1の混合溶媒に、LiPF6 を1.1mol/L溶解させ、非水電解質の総質量に対して、前記一般式(1)で表されるカルボジイミドとしてビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)を0.01質量%、前記一般式(2)で表される硫酸エステルとしてエチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物8)を1質量%添加し、調合した非水電解質を密閉容器にて45℃2週間放置したものを用いた。非水電解質二次電池1のサイズは、幅34mm、厚さ略5.2mm、高さ36mmであり、容量は750mAhである。
【0070】
(実施例2)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.05質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0071】
(実施例3)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0072】
(実施例4)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0073】
(実施例5)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0074】
(実施例6)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物8)の添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0075】
(実施例7)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物8)の添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0076】
(実施例8)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物8)の添加量を2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0077】
(実施例9)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物8)の添加量を2.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0078】
(実施例10)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(2)で表される硫酸エステルをプロピレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物9)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0079】
(実施例11)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(2)で表される硫酸エステルを1,2−ペンチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物11)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0080】
(実施例12)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(3)で表される硫酸エステルをジメチルサルフェート(前記化合物28)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0081】
(実施例13)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(3)で表される硫酸エステルをジエチルサルフェート(前記化合物29)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0082】
(実施例14)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.01質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物としてフェニルボロン酸(前記化合物34)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0083】
(実施例15)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.05質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0084】
(実施例16)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0085】
(実施例17)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.5質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0086】
(実施例18)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を1質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0087】
(実施例19)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)の添加量を0.01質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0088】
(実施例20)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)の添加量を0.05質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0089】
(実施例21)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)の添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0090】
(実施例22)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)の添加量を1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0091】
(実施例23)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、フェニルボロン酸(前記化合物34)の添加量を2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0092】
(実施例24)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.01質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0093】
(実施例25)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.05質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0094】
(実施例26)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0095】
(実施例27)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.5質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0096】
(実施例28)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を1質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0097】
(実施例29)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)の添加量を0.01質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0098】
(実施例30)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)の添加量を0.05質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0099】
(実施例31)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)の添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0100】
(実施例32)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)の添加量を1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0101】
(実施例33)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、チオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)の添加量を2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0102】
(実施例34)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をフェニルボロン酸ビストリメチルシリルエステル(前記化合物36)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0103】
(実施例35)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ビストリメチルシリルエステル(前記化合物37)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0104】
(実施例36)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジメチルエステル(前記化合物38)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0105】
(実施例37)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジエチルエステル(前記化合物39)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0106】
(実施例38)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジブチルエステル(前記化合物40)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0107】
(実施例39)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジフェニルエステル(前記化合物43)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0108】
(実施例40)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をジチオフェン−2,2’−ボリン酸メチルエステル(前記化合物45)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0109】
(実施例41)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をジチオフェン−2,2’−ボリン酸フェニルエステル(前記化合物47)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0110】
(実施例42)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.01質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物としてエチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0111】
(実施例43)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.05質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0112】
(実施例44)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0113】
(実施例45)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.5質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0114】
(実施例46)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を1質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0115】
(実施例47)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)の添加量を0.01質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0116】
(実施例48)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)の添加量を0.05質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0117】
(実施例49)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)の添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0118】
(実施例50)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)の添加量を1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0119】
(実施例51)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、エチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)の添加量を2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0120】
(実施例52)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をブタンボロン酸ピナコールエステル(前記化合物50)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0121】
(実施例53)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を1−オクテン−1−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物51)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0122】
(実施例54)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をビニルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物52)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0123】
(実施例55)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をビニルボロン酸(2−メチルペンタン−2,4−ジオール)エステル(前記化合物53)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0124】
(実施例56)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をシクロプロパンボロン酸ピナコールエステル(前記化合物54)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0125】
(実施例57)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を1−ペンテン−1,2−ジボロン酸ピナコールエステル(前記化合物55)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0126】
(実施例58)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をE−スチルベン−ジボロン酸ピナコールエステル(前記化合物56)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0127】
(実施例59)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物57)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0128】
(実施例60)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を5−メチル−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物58)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0129】
(実施例61)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を2,2’−ジチオフェン−5−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物59)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0130】
(実施例62)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−3−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物61)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0131】
(実施例63)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を5−クロロ−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物62)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0132】
(実施例64)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を5−フルオロ−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物63)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0133】
(実施例65)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオアニソール−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物64)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0134】
(実施例66)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオアニソール−4−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物65)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0135】
(実施例67)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をフェニルチオメチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物67)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0136】
(実施例68)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチアゾール−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物69)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0137】
(実施例69)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル(前記化合物75)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0138】
(実施例70)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル(前記化合物77)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0139】
(実施例71)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジボロン酸ピナコールエステル(前記化合物80)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0140】
(実施例72)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物83)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0141】
(実施例73)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をフラン−3−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物84)に変更し、添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0142】
(実施例74)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.01質量%に、また、前記一般式(6)で表されるホウ素化合物としてトリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0143】
(実施例75)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.05質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0144】
(実施例76)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0145】
(実施例77)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.5質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0146】
(実施例78)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を1質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0147】
(実施例79)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)の添加量を0.01質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0148】
(実施例80)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)の添加量を0.05質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0149】
(実施例81)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)の添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0150】
(実施例82)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)の添加量を1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0151】
(実施例83)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に、また、トリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物87)の添加量を2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0152】
(実施例84)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジシクロヘキシルカルボジイミド(前記化合物4)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0153】
(実施例85)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジシクロヘキシルカルボジイミド(前記化合物4)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(2)で表される硫酸エステルをプロピレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物9)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0154】
(実施例86)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジシクロヘキシルカルボジイミド(前記化合物4)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(2)で表される硫酸エステルを1,2−ペンチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物11)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0155】
(実施例87)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジシクロヘキシルカルボジイミド(前記化合物4)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物としてフェニルボロン酸(前記化合物34)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0156】
(実施例88)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジシクロヘキシルカルボジイミド(前記化合物4)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0157】
(実施例89)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジシクロヘキシルカルボジイミド(前記化合物4)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をエチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0158】
(実施例90)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジシクロヘキシルカルボジイミド(前記化合物4)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(6)で表されるホウ素化合物をトリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物86)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0159】
(実施例91)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジイソプロピルカルボジイミド(前記化合物1)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0160】
(実施例92)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジイソプロピルカルボジイミド(前記化合物1)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(2)で表される硫酸エステルをプロピレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物9)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0161】
(実施例93)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジイソプロピルカルボジイミド(前記化合物1)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(2)で表される硫酸エステルを1,2−ペンチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物11)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0162】
(実施例94)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジイソプロピルカルボジイミド(前記化合物1)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物としてフェニルボロン酸(前記化合物34)を0.5質量%添加した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0163】
(実施例95)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジイソプロピルカルボジイミド(前記化合物1)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0164】
(実施例96)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジイソプロピルカルボジイミド(前記化合物1)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をエチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0165】
(実施例97)
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドをジイソプロピルカルボジイミド(前記化合物1)に変更し、かつ添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(6)で表されるホウ素化合物をトリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物86)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0166】
(比較例1)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、それ以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0167】
(比較例2)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(2)で表される硫酸エステルをプロピレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物9)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0168】
(比較例3)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(2)で表される硫酸エステルを1,2−ペンチレングリコール環状硫酸エステル(前記化合物11)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0169】
(比較例4)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(3)で表される硫酸エステルをジメチルサルフェート(前記化合物28)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0170】
(比較例5)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(3)で表される硫酸エステルをジエチルサルフェート(前記化合物29)に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0171】
(比較例6)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物としてフェニルボロン酸(前記化合物34)を添加し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0172】
(比較例7)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸(前記化合物35)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0173】
(比較例8)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をフェニルボロン酸ビストリメチルシリルエステル(前記化合物36)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0174】
(比較例9)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ビストリメチルシリルエステル(前記化合物37)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0175】
(比較例10)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジメチルエステル(前記化合物38)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0176】
(比較例11)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジエチルエステル(前記化合物39)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0177】
(比較例12)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジブチルエステル(前記化合物40)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0178】
(比較例13)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ジフェニルエステル(前記化合物43)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0179】
(比較例14)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をジチオフェン−2,2’−ボリン酸メチルエステル(前記化合物45)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0180】
(比較例15)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(4)で表されるホウ素化合物をジチオフェン−2,2’−ボリン酸フェニルエステル(前記化合物47)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0181】
(比較例16)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をエチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物49)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0182】
(比較例17)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をブタンボロン酸ピナコールエステル(前記化合物50)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0183】
(比較例18)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を1−オクテン−1−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物51)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0184】
(比較例19)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をビニルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物52)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0185】
(比較例20)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をビニルボロン酸(2−メチルペンタン−2,4−ジオール)エステル(前記化合物53)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0186】
(比較例21)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をシクロプロパンボロン酸ピナコールエステル(前記化合物54)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0187】
(比較例22)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を1−ペンテン−1,2−ジボロン酸ピナコールエステル(前記化合物55)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0188】
(比較例23)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をE−スチルベン−ジボロン酸ピナコールエステル(前記化合物56)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0189】
(比較例24)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物57)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0190】
(比較例25)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を5−メチル−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物58)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0191】
(比較例26)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を2,2’−ジチオフェン−5−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物59)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0192】
(比較例27)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−3−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物61)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0193】
(比較例28)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を5−クロロ−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物62)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0194】
(比較例29)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を5−フルオロ−チオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物63)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0195】
(比較例30)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオアニソール−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物64)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0196】
(比較例31)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオアニソール−4−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物65)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0197】
(比較例32)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をフェニルチオメチルボロン酸ピナコールエステル(前記化合物67)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0198】
(比較例33)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチアゾール−2−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物69)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0199】
(比較例34)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル(前記化合物75)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0200】
(比較例35)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をチオフェン−2−ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル(前記化合物77)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0201】
(比較例36)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を2,2’−ビチオフェン5,5’−ジボロン酸ピナコールエステル(前記化合物80)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0202】
(比較例37)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物を3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物83)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0203】
(比較例38)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(5)で表されるホウ素化合物をフラン−3−ボロン酸ピナコールエステル(前記化合物84)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0204】
(比較例39)
非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(6)で表されるホウ素化合物をトリ(2−チオフェン)ボロキシン(前記化合物86)に変更し、かつ添加量を0.5質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0205】
(比較例40)
ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド(前記化合物6)の添加量を0.1質量%に変更し、かつ前記一般式(2)から(6)で表される硫酸エステル及びホウ素化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0206】
(比較例41) 非水電解質に前記一般式(1)で表されるカルボジイミドを添加せず、かつ前記一般式(2)から(6)で表される硫酸エステル及びホウ素化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0207】
上述した各実施例及び比較例の電池に対して、以下の性能評価を行った。
【0208】
[非水電解質の着色度合い]
各実施例及び各比較例で調合し、密閉容器にて45℃2週間放置した非水電解質の着色の度合いAPHA計で測定した。
【0209】
[非水電解質の酸分]
各実施例及び各比較例で調合し、密閉容器にて45℃2週間放置した非水電解質の酸分を滴定にて測定し、酸分値をHF換算値で表記した。
【0210】
[初期充放電後電池厚さ]
各実施例及び各比較例の電池を夫々5セルずつ作製し、各電池につき、750mAの電流で4.2Vまで3時間定電流定電圧充電を行い、その後750mAの電流で3Vまで放電を行い、電池中央部の厚さをノギスで測定した。5セルの電池厚みの平均値を求め、初期充放電後の電池厚さとした。
【0211】
[25℃サイクル寿命特性]
各実施例及び各比較例の電池を夫々10セルずつ作製し、25℃の恒温槽中で、750mAの電流で4.2Vまで3時間定電流定電圧充電を行い、その後750mAの電流で3Vまで放電を行い、初期放電容量を求める。初期放電容量の測定と同一の条件で、25℃の恒温槽中で、充放電サイクルを500サイクル行なう。サイクル試験後の電池を初期放電容量の測定と同様に25℃恒温槽中で、サイクル試験後の放電容量を求める。初期放電容量に対する容量保持率(=サイクル後放電容量÷初期放電容量×100)を求めた。
【0212】
[低温充電特性]
各実施例及び各比較例の電池を、−5℃の恒温槽中で5時間放置した後、750mAの電流で4.2Vまで3時間定電流定電圧充電を行い、25℃の恒温槽中で5時間放置した後、150mAの電流で2.75Vまで定電流放電行ない、充電容量、放電容量を測定した。充放電効率(=放電容量÷充電容量×100)を求めた。
【0213】
下記の表1〜5に、非水電解質の着色度合い及び酸分、初期充放電後の電池厚さ、25℃サイクル寿命特性、低温充電特性の結果を示す。
【0214】
【表1】

【0215】
【表2】

【0216】
【表3】

【0217】
【表4】

【0218】
【表5】

【0219】
〔試験結果〕
以下に、実施例及び比較例の結果について考察する。
【0220】
表1〜5の結果が示すように、実施例1〜97は、カルボジイミドを添加してない比較例1〜39に比べ、非水電解質の着色や酸分が抑制され、かつ初期充放電後の電池厚さも小さくなった。カルボジイミドが硫酸エステル及びホウ素化合物からの分解物をトラップし、Li塩の分解を抑制したからであると考えられる。
また、実施例1〜97は、比較例1〜39と同等の25℃サイクル寿命特性を示した。比較例40の硫酸エステル及びホウ素化合物を添加しない電池や、比較例41のカルボジイミド、硫酸エステル、ホウ素化合物のいずれも添加しない電池に比べては、25℃サイクル寿命特性は大きく向上した。さらに、実施例1〜83は、シリル基を有するビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを添加することにより、比較例1〜39と比べ、低温充電特性が向上した。これらの効果は、カルボジイミドのトラップ効果により硫酸エステル及びホウ素化合物の分解物が、電池中で抵抗成分として作用することを抑制したためと考えられる。
カルボジイミドの種類としては、実施例1〜83のシリル基を有するビス(トリメチルシリル)カルボジイミドが、25℃サイクル寿命特性、低温充電特性の観点から良好であり、最も好ましい。
シリル基を有するカルボジイミドが良好である詳細な理由は明らかではないが、正極と負極の抵抗上昇を最も抑制できていることが原因であると考えている。
【0221】
硫酸エステルの種類としては、実施例3,10,11で使用した前記一般式(2)の環状硫酸エステルの方が、実施例12,13で使用した前記一般式(3)の鎖状硫酸エステルよりも、25℃サイクル寿命特性の観点から好ましい。
【0222】
ホウ素化合物の種類としては、実施例16(化合物34)、26(化合物35),55(化合物53),60(化合物58)、62(化合物61)、64(化合物63)、76(化合物86)などが、25℃サイクル寿命特性の観点から好ましい。
【0223】
(添加量の違い)
実施例1〜5、実施例14〜18、実施例24〜28、実施例42〜46、実施例74〜78では、カルボジイミド(化合物6)の添加量を、0.01質量%から1質量%の範囲で変更したものである。着色及び酸分上昇抑制の観点からは、カルボジイミドの添加量は多い方が好ましく、25℃サイクル寿命特性の観点からは、添加量は少ない方が好ましい。すべてが特に好ましい量は0.05質量%以上0.5質量%以下と考えられる。
実施例3及び6〜9では、硫酸エステル(化合物8)の添加量を、0.1質量%から2.5質量%の範囲で変更したものである。着色及び酸分上昇抑制の観点からは、硫酸エステルの添加量は少ない方が好ましく、25℃サイクル寿命特性の観点からは、添加量は多い方が好ましい。すべてが特に好ましい量は0.5質量%以上2質量%以下と考えられる。
実施例16及び19〜23(化合物34)、実施例26及び29〜33(化合物35)、実施例44及び47〜51(化合物49)、実施例76及び79〜83(化合物86)では、ホウ素化合物の添加量を、0.01質量%から2質量%の範囲で変更したものである。着色及び酸分上昇抑制の観点からは、ホウ素化合物の添加量は少ない方が好ましく、25℃サイクル寿命特性の観点からは、添加量は多い方が好ましい。すべてが特に好ましい量は0.05質量%以上1質量%以下と考えられる。
【0224】
以上より、非水電解質が、前記一般式(1)で表されるカルボジイミドと、前記一般式(2)〜(3)で表される硫酸エステル、及び/又は下記一般式(4)〜(6)で表されるホウ素化合物とを含有することにより、この非水電解質を単独で保存した時に、非水電解質の着色及び酸分の上昇が抑制され、この非水電解質を用いて非水電解質二次電池を作製した場合に、初期充放電時の電池の膨れが抑制され、かつサイクル特性が良好な非水電解質二次電池が得られる。
【符号の説明】
【0225】
1 非水電解質二次電池
2 電極群
3 負極
4 正極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 ケース蓋
8 安全弁
9 負極端子
10 負極リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるカルボジイミドと、下記一般式(2)から(6)で表される硫酸エステル及びホウ素化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする非水電解質。
【化1】

(R1 、R2 は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の有機基。)
【化2】

(R3 は、炭素原子数2〜20の有機基。)
【化3】

(R4 、R5 は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の有機基。)
【化4】

【化5】

【化6】

(前記一般式(4)から(6)中、Xは、炭素原子数1から20以下の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。異なるX基間で結合し環形成していても良い。R6 からR7 は、炭素原子数1〜20の有機基。R6 は水素原子も含む。nは、1〜2の整数。mは1〜3の整数。)
【請求項2】
前記一般式(1)で表されるカルボジイミドがシリル基を有することを特徴とする請求項1記載の非水電解質。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の非水電解質を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。

【図1】
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【公開番号】特開2010−251313(P2010−251313A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72949(P2010−72949)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(597176832)三洋ジーエスソフトエナジー株式会社 (94)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】