説明

非理想的な受信機の処理の効果を軽減するための方法及び装置

非理想的な受信機の処理における効果を軽減するように設定された無線受信器(200)および対応の方法(500)は、複数の期間の各々において固有の周波数を有するように制御された入力信号を供給するための信号源(202)および、固有の周波数により変化する所望の特性と、非所望の特性とを各々有する複数の波形サンプルを収集するために、入力信号を用いて既知周波数の受信信号をダウンコンバートするように構成された非理想的な受信機デバイス(208)を含み、非所望の特性が除去された複数の波形サンプルのうちの1つは、受信信号の所望の特性を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に通信システムに関し、より詳細には、送信機と受信機との間に周波数不一致が存在する状態での送信の検出の試行時に、非理想的な受信機の処理の効果すなわち影響を軽減又は削減するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、多くの場合、有効な通信リンクを確立するために、送信機及び受信機が同じ周波数にあるか、又は、既知の周波数不一致にあることが必要である。通信の試行がなされているか否かを判定する最初の工程は、多くの場合、周波数不一致が最大である時、例えば、不一致に対して何らかの補正が可能となる前に行われるため、送信機と受信機との間の周波数の不一致(mismatch)を短期間で所望のレベルにすることは困難であり得る。さらに、受信機は理想的な受信機ではなく、通常、DCオフセット等の1つ以上の非所望の出力を示す。このDCオフセットは、例えば、周波数不一致を決定すること又は通信の試行がなされたか否かを判定することによって通信を円滑にするために必要とされる、所望の信号の特性と混同される場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
例えば、送信機と受信機との間に周波数不一致が存在する状態での送信の検出の試行時に、非理想的な受信機の処理の効果すなわち影響を軽減又は削減するための方法及び装置が明らかに必要である。
【0004】
添付図面では、同じ参照符号は、個々の図全体を通して同一の要素又は機能的に類似した要素を指す。また、添付図面は、以下の詳細な説明と共に本明細書に援用されて、本明細書の一部を成す。添付図面は、すべて本発明によるさまざまな実施形態をさらに示すのに役立つものであり、且つ本発明によるさまざまな原理及び利点をすべて説明するのに役立つものである。
【0005】
概観すると、本開示は双方向通信をサポートする無線通信デバイスに関する。より詳細には、受信機と送信機との間の周波数不一致が存在する場合の送信の検出において、非理想的な受信機の非所望の効果の軽減及び削減またはそれによる処理のための方法及び装置に実施される、さまざまな発明概念及び原理を説明する。特に対象となる無線通信デバイスは、周波数偏移変調を使用するものであるが、本発明の原理及び概念は、さまざまな変調形式を用いるさまざまなデバイスに適用される。
【0006】
以下でさらに説明するように、送信を検出する目的、及び、そうした送信の送信機の周波数と一致するように当該通信デバイスの周波数を調整する目的で、受信モードの無線通信デバイス内に存在する機器を使用して当該無線通信デバイスの機能を拡張するために、さまざまな発明原理及びそれらの組み合わせが有利に使用される。
【0007】
本発明によるさまざまな実施形態を構成し且つ使用する最良の形態を可能な形式でさらに説明するために、本開示を提供する。本開示は、本発明を何ら限定するものではなく、本発明の原理及びその利点の理解及び認識を向上させるためにさらに提供される。本発明は、本出願の係属中になされるあらゆる補正を含んだ添付の特許請求の範囲、及び、発行されたそれら特許請求の範囲のすべての等価物によってのみ規定される。第1及び第2、頂部及び底部等、関連する用語がある場合、それら関連する用語は単に、1つの実体又は動作を別の実体又は動作と区別するために使用されるものであり、そのような実体又は動作の間に必ずしも実際にそのような関係又は順序を必要とするものではなく、また、意味するものでもない、ということも理解される。
【0008】
本発明の機能のうちの多く及び本発明の原理のうちの多くは、ソフトウェアプログラム又はソフトウェア命令と特定用途向け集積回路(IC)等のICとを用いて、若しくは、それらソフトウェアプログラム又はソフトウェア命令とICとにおいて、最もよく実施される。多大な労力と、例えば、利用可能な時間、現在の技術、及び経済的な検討によって誘導される多くの設計選択とにもかかわらず、本明細書に開示の概念及び原理によって教示される場合、このようなソフトウェア命令及びソフトウェアプログラムとICとを、当業者が最小の実験で容易に生成することが可能であると予想される。したがって、簡略のため且つ本発明による原理及び概念を曖昧にする危険を最小にするために、そのようなソフトウェア及びICのさらなる説明は、存在する場合にも、好適な実施形態の原理及び概念に関する必須のものに限られる。
【0009】
図1を参照して、無線通信環境のシステム要素の簡略的な代表図を説明および記載する。無線通信デバイス100は、送信機104,101からの信号102,103を受信する。受信信号102,103の周波数は、送信機104,101の信号源によって供給された信号の周波数に直接関連するか、又はその周波数によって決定される。無線通信デバイス100の受信機では、この周波数は、対応する信号源の周波数と異なる場合がある。公称チャネル周波数、すなわち、チャネル上の信号に対して想定される周波数に中継(translate)されたそれらの周波数間の差は、送信機と受信機との間の周波数不一致と呼ばれる。この周波数不一致は、部分的に又は無線通信デバイスにおける他の非理想的な特性と組み合わせで、通信の試行を失敗させ得る。例えば、900MHz帯の搬送波におけるこの周波数不一致は、双方の信号源が5対百万部(parts per million)の公差を有する場合に9KHz程度にもなり得るが、これは、無線通信デバイス100,101では一般的である。この大きな周波数オフセットは、特に、無線通信デバイス100,101が、トークアラウンド(talk around)すなわち、信号103から想定されるような直接通信に関与する時に生じる。トークアラウンド通信は完全に非同期であるので、トークアラウンド通信における大きな周波数オフセットはさらに悪化し、これは、送信機の通信の試行時に、何の徴候も受信機に示されないことを意味する。頻繁でないというトークアラウンドの性質に加えてバッテリー寿命の問題のため、トークアラウンド通信に関与するように装備された無線ハンドセットは、非同期モードで動作されることになる。
【0010】
これらの効果は、無線通信デバイス及びその部品である無線受信機が以下に説明するように動作するように設定されると軽減される。無線通信デバイス100は、モトローラ(Motorola)等の製造業者から入手可能なセルラー電話又はハンドセット等、一般的なセルラー電話又はハンドセットであることが可能である。このようなハンドセットの1つは、一般に、i95と呼ばれ、以下の開示で説明するように高度化されると、本発明の原理及び概念を有利に利用することが可能である。送信機は、モトローラから入手可能なインテグレイテッド・デジタル・エンハンスド・ネットワーク(Integrated Digital Enhanced Network )機器と同様の通信基盤システムに共通のものであり、ネクステル・コミュニケーションズ(Nextel Communications)等のサービス・プロバイダによって運用されるネットワークで利用される。代替では、送信機は、第2の携帯無線ハンドセットに含まれ、この場合、双方のハンドセットは、互いに直接通信するように、すなわち、上述のような直接モードで通信するように構成される。
【0011】
図2を参照して、例示の無線受信機200及び関連部分のコントローラのブロック図を説明および記載する。無線受信機200は、無線通信デバイス100の部品であり、周波数不安定性、DCオフセット、スプリアス信号等の非理想的な特性を実際に示し得る1つ以上の部品又は要素からなる。それらの非理想的な特性は、無線受信機の構成で使用される部品の統計的な性質及び変動、バッテリー電圧レベルや温度等の環境要因、及び現実の受信機の要素間の他の予想外の相互作用に起因する。
【0012】
他の部品である、コンデンサ等の受動部品と、トランジスタ、演算増幅器、デジタル/アナログ変換器等の能動部品との両方は、部分毎の変動性、温度変化による変動性、及び経年的な変動性を示す。このような機器を非理想的なものにする別の要因は、信号の接続、接地電流、及びインピーダンス不一致に寄与する、物理的なレイアウトである場合がある。したがって、無線通信デバイスやその無線通信デバイスの無線受信機等の電子製品を変動性なく製造することは、特に商業市場においては、経済的に実現可能でない。無線受信機の変動性にはいくつかの影響がある。その中には、直流(DC)オフセット、スプリアス信号、及び周波数変動が含まれ得る。DCオフセットは接地電流経路からのものであるが、それによって、受信信号がDCオフセットの量だけ上に偏移又は下に偏移される場合がある。スプリアス信号は、部品間の非所望の相互作用又は接続の結果である場合があるが、それによって、余分なデータが受信信号に追加され得る。周波数変動は、多くの場合、信号源を構成する部品及び信号源を取り囲む部品に固有の変動と、温度及び部品の経年変化等、他の要因との結果である。周波数変動によって、受信信号は、その意図された周波数よりも上又は下に偏移され得る。そのため、受信信号の処理時に非理想的な受信機の効果を軽減することが必要である。
【0013】
無線受信機200は、非理想的な受信機の処理の効果を軽減するように設定されており、信号源202を備える。この信号源202は、電圧制御発振器204の周波数を制御して非理想的な受信機デバイス208へ入力信号(injection signal)206を供給するシンセサイザ201等である。シンセサイザ201は、典型的には、5ppm(対百万部)以内で安定なように指定された発振器(図示せず)を参照する。非理想的な受信機デバイス208は、外部アンテナ214からの受信信号212のエネルギーを所望の周波数帯に制限するように動作する無線周波数フィルタ210と、増幅器216と、ミキサ218と、中間周波数(IF)フィルタ220とからなる。これらはすべて、図示するように相互接続され、一般に周知のように動作して、中間周波数にダウンコンバート(down convert)された信号をIFフィルタ220の出力に供給する。例示のデジタル受信機では、この信号は、分割されて、第1のIFミキサ222と、位相偏移器228によってIF局所発振器226が90度偏移される第2のIFミキサ224とを用いてミキシングすることにより、2つのベースバンド信号にミキシングされる。得られたベースバンド信号は、フィルタ230及び232によってフィルタリングされ、アナログ/デジタル変換器234及び236によって変換されて、デジタル出力I(235)及びデジタル出力Q(237)を与える。
【0014】
入力信号206の周波数は、ゼロ中間周波数(zero intermediate frequency )方式の受信機の場合には受信信号と一致、又は、ほぼ一致されてよく、13.7メガヘルツ等、中間周波数と等しい量のオフセットが意図的に備えられてもよい。以下の説明において、受信信号との周波数不一致を入力周波数により補正するために信号源が調整される場合には、この意味であることが理解される。
【0015】
非理想的な受信機デバイス208の出力I(235)及び出力Q(237)、又は、その上の信号は、通常はデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むプリアンブル検出器248及びコントローラ238に送出又は接続される。コントローラは、さらに、メモリ240に接続される。メモリ240は、コントローラ用のプログラム命令及び構成データ242と、受信信号のさらなる処理に使用される波形サンプル244又は波形サンプル244に対応する情報とを含む、双方に一般的に使用される記憶装置を備える。コントローラ238は、信号源202に接続されて、制御信号246によって信号源の周波数を調整するように動作可能である。プリアンブル検出器248は、以下に説明するように動作するが、コントローラ(DSP)の機能として含めてもよく、多少の専用機能を実行するように構成又はプログラムされた集積回路等、追加のハードウェア素子としてもよい。
【0016】
無線受信機の要素は、一般に周知であり入手可能である。信号源202は、例えば、N分(fractional−N)シンセサイザであってもよい。ミキサ、フィルタ、発振器、位相偏移器、及びアナログ/デジタル変換器は、すべて市販されており、当該技術分野において公知のものである。コントローラがDSPであるか、又は、DSPを含む例示の事例では、さまざまなデバイスは既知であり、モトローラ社やテキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)等の製造業者から入手可能である。メモリには、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが含まれるが、やはり市販されており周知のものである。プリアンブル検出器は、ソフトウェアで実施された場合、典型的にはDSPで実施され得る。プリアンブル検出器がハードウェアで実施される場合、本明細書で開示の幾つかの原理及び概念では、複数の市販のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ等が、タスクを実行するのに適している。DSPのタスクを論理ハードウェアで実施することは当該技術分野において公知であり、本明細書の説明および記載が与えられる場合、過度の実験なしに当業者により達成されることが可能である。
【0017】
動作時に、信号源202は、複数の期間の各々において固有の周波数を有するように制御された入力信号206を供給するために使用される。例えば、270ミリ秒(ms)のプリアンブルを検出するように適合された一実施形態では、2.5ミリ秒(ms)の長さで且つ他から各々87.5msの間隔を有する、3つの期間が利用される。非理想的な受信機デバイス208は、入力信号を使用して、既知の周波数又は公称周波数を有する受信信号をダウンコンバートするように構成される。固有周波数により変化する所望の特性を有し、且つ非所望の特性が非理想的な受信機デバイスに起因する場合には非所望の特性を有する、各々の期間に対応する複数の波形サンプルを収集するように、このダウンコンバートは反復される。なお、デジタル受信機の実施形態の波形サンプルは、一連のサンプルのシーケンス、詳細には、好適には毎秒51,200サンプルのサンプリングレートで2.5msのウィンドウを通じて取得されたI/Qサンプル対、すなわち、各2.5msの期間において128のI/Qサンプル対からなる。したがって、各波形サンプルは、2.5msの期間のうちの1つを通じて収集される多数の受信波形サンプル又は受信サンプルのシーケンスからなる。
【0018】
受信信号は、好適にはプリアンブルを備え、典型的には、プリアンブルの後にメッセージすなわちペイロードが続く。所望の特性は、周波数偏移変調(FSK)された信号に対応することが可能である。この信号は、プリアンブル信号を表すFSK信号を用いて、公称搬送波又は受信信号又はチャネル周波数から+/−6400Hz等、2つの搬送波周波数の間でトグル切換(toggle)を行う。このFSK信号すなわちプリアンブル信号は、好適には周期的な信号であり、予測される波形サンプル、すなわちサンプリング期間中に観測が予測される波形を用いた数学的な相関処理において後で用いるために、少なくとも1つの周期的なプリアンブル信号の全サイクルが、観測すなわちサンプリングされることを保証するように、この場合には、2.5msの観測時間すなわちサンプリング時間が選択される。プリアンブルには2つの目的が存在する。第1に、プリアンブルを走査するため、詳細には、プリアンブル信号が存在することと、したがって無線通信デバイス100が対象され得ることとを示す所望の特性を走査するために、プリアンブル検出器のみを動作可能とする節電モードに無線通信デバイスを置く場合がある。この所望の特性が存在すると判定された場合にのみ、さらにメッセージを復号及び場合によっては受信するために無線通信デバイスの残りの部分を電源投入することによって、バッテリーの電力が節約される。第2に、プリアンブル信号の既知の又は所定の所望の特性を、任意の周波数オフセット、すなわち、一般に受信機と送信機との間の周波数不一致と呼ばれる、信号源202と受信信号212の信号源との間の不一致を判定するための計算に使用することが可能である。
【0019】
非所望の特性または望ましくない特性は、発生することが既知である受信機の任意の出力又はアーティファクト又は寄生振動の結果であり、複数の波形サンプル又は対応する受信サンプルシーケンス及び後の受信波形を、それらの理想的な形から変更する。例えば、無線受信機200における回路の寄生振動及び部品の変動は、非理想的な受信機デバイスの出力においてDCオフセットを生じる場合があり、このDCオフセットは、複数の波形サンプルに効果を示す、すなわち、複数の波形サンプルを変更する。
【0020】
複数の期間の各々において、入力周波数は、絶対周波数に設定されるか、又は実際には先行の周波数からのオフセットとして予め定められる新たな周波数すなわち固有周波数に設定される。例えば、第1の周波数が信号源の公称周波数(典型的には、公称搬送波又は受信信号の周波数からIF周波数を減算したもの)である場合、後続の固有周波数は、先行の固有周波数から+/−500Hz偏移されることが可能である。入力周波数が偏移される毎に、多数のサンプルすなわち受信サンプルシーケンスからなる、得られる波形サンプルは、周波数において対応する所定の量だけ偏移される。非所望の特性がDCオフセットである場合、非所望の特性は、サンプルの各々から多数のサンプルの平均値を減算することにより除去されてよい。これは、それぞれの波形サンプルから複数の波形サンプルの各々の平均値を減算することに等しい。したがって、図4に関連して以下でさらに説明するように、所与の期間においてすべてのサンプルの平均値を見出して、その平均値を多数のサンプルの各々から減算することによって、対応する波形サンプルの平均値が除去される。
【0021】
周波数オフセットは、受信信号212の周波数、より詳細には、受信信号の送信機の周波数と、無線受信機の信号源202の周波数との間に存在する場合がある。このオフセットによって、非理想的な受信機の処理に起因するDCオフセットなど非所望の特性の上に位置するために、DCオフセットまたは別の非所望の特性など非所望の特性を除去するプロセスで除去されるような方式で偏移されている所望の特性、例えば、プリアンブル信号のトーンまたはトーン側波帯などが生じ得る。対応する複数の期間の各々で各々に対して異なる入力信号周波数を用いて複数の波形サンプルを取得及び解析することによって、非所望の特性の除去後に複数の波形サンプルのうちの少なくとも1つは受信信号の所望の特性を保持するような方式で、所望の特性が偏移される。実際には、通常、非所望の特性の除去後に、複数の波形サンプルの多くとも1つがプリアンブル信号の所望の特性を失う。これは、以下でさらに説明するように、公称受信周波数が各々の波形サンプルにより変化している場合等、ダイバーシチ利得を提供するために波形サンプルが使用される場合に重要であり得る。
【0022】
周波数領域及び時間領域の相関関数又は相関演算によって判定されるように、非所望の特性が除去されている複数の波形サンプルのうちの1つが実際に所望の特性を保持することをプリアンブル検出器248が判定する場合、この波形サンプル又は対応する受信サンプルシーケンスを用いて、コントローラ238が受信信号との周波数オフセットを見出すすなわち決定することと、続いてまたはそれによって補正することとが可能である。入力信号の固有周波数によって導入された任意の効果を除去するように複数の波形サンプルを調整することが可能であり、またはこれに代えて、周波数オフセット又は周波数不一致を決定するようにコントローラが波形サンプルを用いることが可能である。コントローラは、調整済み又は未調整の複数の波形サンプル、若しくは、例えば、電力分散すなわちエネルギー分散対受信した波形サンプルの周波数など、それらの波形サンプルの所望の特性を、メモリの波形サンプル・テーブル244における予測波形サンプル又は対応する電力分散すなわちエネルギー分散と比較して、受信信号212と信号源202の公称周波数との間の周波数オフセットを計算する。
【0023】
このことは、所望の特性の正確な性質及び任意の特定のプリアンブル信号のタイプに応じてさまざまな方法で行うことが可能である。例えば、離散フーリエ変換(DFT)を実行することが可能であり、次いでDFTのそれぞれ成分の大きさを2乗して、複数の波形サンプルの各々に対するパターンを提供することが可能であり、これを予測波形サンプルの等価な特性と比較することが可能である。実際のパターンと予測パターンとの間で既知の相関技法を用いて容易に決定される偏移は、周波数オフセットの良い推定値となる。周波数オフセットが決定されると、コントローラ238は、制御信号246を適用して(実際には、シンセサイザのプログラマブル分周器の分周比がロードされる)、周波数オフセットに従って信号源を調整することによって、受信信号とその送信機との間の周波数不一致を補償するように入力信号を制御することが可能である。なお、固有入力周波数に対して補正されていない波形サンプルを用いて周波数オフセットが計算される場合、適用された制御信号246によってこの効果が補償される必要があるが、この効果が最初に除去されている場合、適用された制御信号によって入力信号に対して意図的な調整が行われる必要はない。
【0024】
次に、図2に関連して代替のモードを説明する。無線受信機200は、受信信号212のメッセージ識別子の存在を判定するように、又は、メッセージ識別子を検出するように設定される。無線受信機200は、第1の期間中には第1の周波数を有し、第2の期間中には第1の周波数と異なる第2の周波数を有するように制御される入力信号206を供給するために、信号源202を備える。非理想的な受信機デバイス208は、入力信号206を使用して既知の周波数すなわち公称周波数を有する受信信号をダウンコンバートして波形を復元するように設定されるが、この場合、例えばDCオフセットなどの低周波成分は波形から除去されている。さらに、第1の期間中に復元された波形の成分及び第2の期間中に復元された波形の成分をメッセージ識別子の予測成分と比較して、メッセージ識別子が存在するか否かを判定するように動作可能な、コントローラ238も含まれる。メッセージ識別子はトーンであってもよく、好適には、受信信号を変調してメッセージに対するプリアンブルを形成するために用いた所定の周波数のトーン成分のパターンにより表現される周期的な信号であってもよい。第1の入力信号の周波数は、信号源202の公称周波数であることが可能であり、第2の入力信号の周波数には、上述の500Hz等、既知の量だけ第1の周波数からのオフセットが存在する。コントローラ238は、さらに、メッセージ識別子及び予測波形サンプルテーブル244を用いて、信号源202と受信信号212との間の周波数オフセットを計算するように動作可能である。メッセージ識別子が存在すると判定される場合、コントローラ238は信号源202に接続されて、周波数オフセットに従って入力信号206の周波数を調整することによって、受信信号との周波数不一致を補償するように信号源202を制御するように動作可能である。
【0025】
図3を参照して、例示の送信の波形を説明および記載する。この波形は、搬送波周波数の+/−6400Hz等の2つの周波数300、302の間をトグル切換するFSK信号を含む。この波形は、連続信号であり、周期的に反復される。この波形はプリアンブルを示しているが、通常、メッセージすなわちペイロードを表す波形が後に続く。なお、プリアンブル信号は複数回送信されてもよく、それらの送信のうちの一部は、周波数ホッピングシステムのプリアンブル信号などで経験され得るように、異なる搬送波周波数であってもよい。
【0026】
図4を参照して、非所望の特性を有する複数の波形サンプルのうちの1つの例示の波形サンプルに対応する多数のサンプルの時間領域表現及び非所望の特性の除去を説明および記載する。なお、この例示の波形はトーンの一部からなる簡単な例であり、実際のプリアンブル波形はより複雑であるが、しかしながら、以下の説明は実際の波形にも等しく適用される。無線受信機200は、2.5ms等サンプリング・ウィンドウを通じて多数のサンプルを取得する。ここでは、単一のサンプルを小点400のような小点で表す。多数のサンプルによって波形サンプル402が形成されるが、波形サンプル402は、非理想的な受信機デバイスの効果のため、公称値404よりも量406だけ上に偏移されている。これは、非理想的な受信機に起因する非所望の特性であり得るDCオフセットを表している。多数のサンプルの平均を取ることによって、値408を得る。このDCオフセットを除去するため、図示するように、平均値408は多数のサンプルの各々から例えば410だけ減算される。平均値が多数のサンプルの各々から除去されるすなわち減算されると、偏移すなわち補正された波形サンプル412が、公称DC値ゼロの404の辺りに生じる。所定の特徴付け又はルールの組の影響を受けやすい多数のサンプルに与えられた任意の非所望の特性を、同様に除去してもよい。
【0027】
図5を参照して、望ましくない特性を有する多数のサンプルからなる波形サンプル402等の波形の周波数領域表現を説明および記載する。波形402のフーリエ変換又は離散フーリエ変換によって、波形に含まれる各トーン周波数について2重のローブ500が示される。非所望の特性、この場合にはDCオフセットは、スパイク502として現れる。図4に関連して上述した技法を用いてスパイク502が除去される場合、その後、スパイク502はローブ500に対応する波形を含む後の計算に干渉しない。プリアンブル検出器248は、例えば、検出されるエネルギーの周波数の位置をそうしたエネルギーの周波数に予測される位置と比較する周波数領域の相関演算によって、所望のトーンを識別することが可能である。識別した場合、プリアンブル検出器が無線受信機の他の部分にアラートし、メッセージ302を復元するためのさらなる工程を開始してもよい。
【0028】
図6を参照して、図を簡単にするために1つのトーンに対して1つのローブのみを用いて、公称すなわち予測されるフーリエ変換と、受信したすなわち実際の多数のサンプルのフーリエ変換とから得られる、予測波形と実際の波形との周波数領域表現を説明および記載する。上記で示したように、DCオフセットが除去されているプリアンブルのトーンをからなる受信信号212の公称波形は、周波数領域表現ではローブ600として現れる。信号源及び対応する入力信号の周波数に、受信信号及びその送信機の周波数からのオフセットが存在する場合、ローブ602で示すように、ローブはオフセットに対応する量だけ周波数において偏移される。オフセット604を示す。この変動は、温度、部品の経年等、任意の又は全ての上述の要因から生じる場合がある。なお、DC又は低周波数成分を除去することによって、受信信号のエネルギー又は特性は除去されない。
【0029】
図7を参照して、公称すなわち予測されるフーリエ変換と、第1の周波数オフセットを含む受信したすなわち実際の多数のサンプルのフーリエ変換とから得られる、予測波形と実際の波形との周波数領域表現を説明および記載する。ここでも簡単のために1つのローブのみを用いる。図6の周波数偏移及び得られたオフセットそれ自体は問題ではない。ここでも、ローブ700を有する公称波形変換を示す。受信機又は信号源202と送信機との間の周波数不一致による周波数偏移を有する受信波形は、ローブ702によって示される。なお、ローブ702は、そのエネルギーがDCの値である周波数領域における点へオフセット704だけ偏移されている。非理想的な受信機デバイスが、DCオフセットである望ましくない特性を生成する場合、図4において説明した手法を適用してDCの値を除去すると、ローブ704が失われる。この場合、所望の特性、例えばプリアンブルのトーンの1つのローブは失われ、プリアンブルが正確に識別又は検出されない場合があり、その場合、無線受信機は対象のメッセージを見逃すことになる。
【0030】
図8を参照して、公称すなわち予測されるフーリエ変換と、第2の周波数オフセットを含む受信したすなわち実際の多数のサンプルのフーリエ変換とから得られる、予測波形と実際の波形との周波数領域表現を説明および記載する。ここでも簡単のために1つのローブのみを用いる。ここでも、公称波形変換ローブ800を示す。図2の記載で説明したように、受信信号は、複数の時間すなわち観測区間の各々にて固有の入力周波数を用いて、多数の時間でサンプリングされる、すなわち、多数の区間を通じて観測される。オフセット804を示す得られたローブ802は、複数の時間または複数の観測区間のうちの1つにおける固有の入力周波数のうちの1つを用いた多数のサンプルの結果であり、この場合には偶然にDCの値の除去による影響を受けない。所望の特性、すなわちこのローブと、その対になるローブとは正確に識別されて、無線受信機は着信メッセージに対して正確にアラートを受け得る。複数回の各々における入力信号に対する固有周波数を用いて受信信号をサンプリングすることの肯定的な影響は、図7及び図8を比較することによって理解され得る。所望の特性、この場合にはプリアンブル信号のトーンは、非所望の特性、この場合にはDCオフセットの除去後の波形サンプルのうちの少なくとも1つに保持される。複数の時間の各々に対する固有周波数は、無線受信機、受信信号、及びその送信機について判明している要因と、任意の一般の環境条件とに基づいて、複数の波形サンプルのうちの少なくとも1つに所望の特性が保持される確率を増加するように選択される。なお、好適な実施形態でのように3つの観測が利用可能な場合、非所望の特性の除去により所望の特性が失われるのは、受信サンプルシーケンスのうちの1つのみである。
【0031】
図9を参照して、受信信号における、非理想的な回路機構の効果を軽減する方法900のフローチャートを説明および記載する。図2の無線受信機が、複数の波形サンプルのうちの1つ以上において所望の特性を検出し、かつ信号源の周波数を受信信号と一致させるように調整することによって、送信機と受信機との間の周波数不一致を除去するために、この方法を実施してもよい。既知の周波数すなわち公称周波数と、所望の特性とを有する受信信号212は、901にて受信され、信号源202により生成された第1の固有周波数の入力信号206を用いてダウンコンバートされて、好適には第1の期間の多数のサンプルを備える、第1の波形サンプルが902にて収集される。
【0032】
906において、非所望の特性を第1のサンプルから除去するための演算が実行される。例えば、非所望の特性がDCオフセットである場合、第1の期間の間に得られた多数のサンプル又は第1の波形サンプルを平均化して平均値を計算することと、対応する波形サンプル又は多数のサンプルの各々から、この平均値を減算することとを実行可能である。
【0033】
908にて、プリアンブル信号に対応する所望の特性が第1の波形サンプルに存在するか否かを判定するために、例えば周波数領域及び時間領域の相関関数など、比較が実行される。なお、この相関を最大にする周波数領域の相関に使用されるオフセット周波数は、受信信号又は第1の波形サンプルと受信機又は信号源202の公称周波数との間の周波数不一致である。好適には、この周波数不一致は、時間領域の相関の前に、波形サンプル又は対応する多数のサンプルを調整するために使用される。実験的に決定され得るしきい値を相関値が満足させるなど、所定の基準が満たされる場合、一致(match)で示された経路を辿り912へ進む。一致に対する所定の基準が満たされない場合、一致せず(no match)で示された分岐を辿り、処理は904へ進む。次に、受信信号212は、第2の期間において、第2の固有周波数に設定された信号源202を用いてダウンコンバートされ、多数のサンプルを備えた第2の波形サンプルが904にて収集される。第1の固有周波数と第2の固有周波数との間のオフセットすなわち差は、+/−500Hz等、非所望の特性を除去するためのさらなる処理にて所望の情報が失われる機会すなわち除去される機会を減少させるように選択可能な、所定の量である。次に、906において第1のサンプルに対して上述したように、907にて、非所望の特性が第2のサンプルから除去する。
【0034】
次に、910にて(908と同様に)、プリアンブル信号に対応する所望の特性が第2の波形サンプルに存在するか否かを判定するために、比較が実行される。所定の基準が満たされる場合、一致の分岐を辿り912へ進む。所定の基準が満たされない場合、一致せずの分岐を辿り、随意のプロセス911へ進む。プロセス911では、902,906,908、及び、904,907,910のプロセスと同様に、追加の固有の入力周波数を用いて追加の期間で追加のサンプルが取得され、対応する予測サンプルと比較される。一致と見られると、方法は911から912へ移動する。何らかの時点、例えば、3つの波形サンプルが取得され、一致せずが検出された後に、方法900は終了する。なお、プリアンブルが存在し得ること、又は、検出されたことを示す一致が最初に生じた時点で、波形サンプルの収集は中止され、プロセスは912に移動する。このことによって、処理能力、時間、及びバッテリーの寿命が節約される。
【0035】
908又は910において、若しくは911が用いられる場合には911において、受信信号又はプリアンブルの所望の特性が存在すると判定された後、処理は912に進む。912では、908,910,911で使用された所望の特性を含む波形サンプルが、さらに1組の演算に使用される。最初に、対応する波形サンプルの収集時の既知の固有の入力周波数による任意の周波数オフセットを随意で除去して、調整された波形サンプルを提供することが可能である。次に、上記の対応するプロセス908,910,又は911で決定した、受信信号212と無線受信機200の公称周波数、すなわち信号源202との間の周波数不一致すなわちオフセットを使用して、適切な補正動作に関するさらなる判定が行われる。周波数オフセットすなわち不一致は、周波数不一致を除去するために周波数シンセサイザを調整する程度を判定するために使用される。914において、制御信号246が決定され周波数シンセサイザに適用されて、周波数不一致が補正されることによって、無線受信機の公称周波数を受信信号と一致させるように信号源202が調整される。その後、この方法は916で終了する。
【0036】
もちろん、プリアンブルを検出して、受信信号の周波数に一致させるように無線受信機を調整した後、受信信号がその特定の受信機を対象としていることを保証するために、さらに任意の処理に着手することが可能であり、その場合、受信信号に含まれたメッセージを受信することが可能である。メッセージの受信後、そのメッセージがその特定の受信機用のものでないと判明(forthcoming)又は判定されると、無線通信受信機は、この方法を901にて最初から反復する。
【0037】
上述したプロセス及び装置、並びに、それらの発明の原理は、非理想的な受信デバイスのアーティファクトがある場合の、無線通信デバイス間の信号源の周波数に本来備わっている変動によって導入された問題を軽減することを目的しており、また、軽減するものである。送信の検出にオフセットを意図的に導入するこれらの原理を使用すると、このようなデバイスの演算が非常に簡略化され、プリアンブルの一部として複数の波形を送信することや、信号の帯域幅の外部をサンプリングすること等の他の解決法が必要とし得る不要なオーバーヘッドが追加されない。
【0038】
送信機と受信機との間の周波数不一致を効率的な方法で決定するための方法及び装置のさまざまな実施形態を説明および記載してきた。これらの実施形態又は本発明による他の実施形態は、信号源の不安定性や回路機構が誘発したオフセット等の現実世界の考慮すべき事項によって本来備わった不一致を有する多くの通信システムに適用される。本開示は、このようなデバイスを備えた構成要素又は機器にまで及び、特に、それによって使用される方法及びそこで使用される方法に及ぶ。
【0039】
本開示は、本発明の真の意図された適正な範囲及び精神を限定することではなく、本発明によるさまざまな実施形態をどのように形作って使用するかを説明することを目的としている。上記説明は、包括的なものであることを目的とするものでもなければ、開示された正確な形に本発明を限定することを目的とするものでもない。上記教示に鑑みて、変更又は変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実際の応用の最もよい例証を提供するように選択されて説明されたものであり、且つ、当業者が、さまざまな実施形態で本発明を利用でき、検討した特定の使用に適するようなさまざまな変更を有する本発明を利用することが可能なように選択されて説明されたものである。このようなすべての変更及び変形は、特許請求の範囲が適正、法的、且つ公正に権利を与えられた一定の幅に従って解釈された場合に、特許を得るために本出願の係属中に補正され得る添付の特許請求の範囲によって規定された本発明、及び、本発明のあらゆる均等物の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】無線通信環境のシステム要素の簡略的な代表図。
【図2】無線受信機の例示の形式のブロック図。
【図3】例示の受信信号の代表的な波形の図。
【図4】非所望の特性を有する多数のサンプルからなる波形サンプルの時間領域表現及びその除去の図。
【図5】非所望の特性を有する、複数の公称波形サンプルから得られる波形の周波数領域表現の図。
【図6】複数の公称波形サンプル及び複数の受信波形サンプルから得られる波形の周波数領域表現の図。
【図7】第1の周波数オフセットを示す複数の公称波形サンプル及び複数の受信波形サンプルから得られる波形の周波数領域表現の図。
【図8】第2の周波数オフセットを示す複数の公称波形サンプル及び複数の受信波形サンプルから得られる波形の周波数領域表現の図。
【図9】図2の無線受信機が受信信号の所望の特性を検出して、受信信号と一致するように信号源の周波数を調整するための内部プロセスのフロー図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非理想的な受信機の処理の効果を軽減するように設定された無線受信機であって、
複数の期間の各々において固有周波数を有するように制御された入力信号を出力するための信号源と、
入力信号を用いて既知周波数を有する受信信号をダウンコンバートすることによって、固有周波数により変化する所望の特性と、複数の期間の各々における非所望の特性とを各々有する複数の波形サンプルを収集するように構成された非理想的な受信機デバイスとを備え、
非所望の特性が除去された複数の波形サンプルのうちの1つは受信信号の所望の特性を保持する無線受信機。
【請求項2】
複数の期間の各々における固有周波数は予め定められている請求項1に記載の無線受信機。
【請求項3】
非所望の特性はDCオフセットであることと、複数の波形サンプルの各々から同複数の波形サンプルの各々の平均値を減算することによってDCオフセットが除去されることとを備える請求項1に記載の無線受信機。
【請求項4】
受信信号は2つの所定の周波数間をトグル切換する周波数偏移変調信号である所望の特性を備えたプリアンブル信号を含むことと、
非理想的な受信機デバイスはプリアンブルを走査するように動作可能なプリアンブル検出器を備えることとからなる請求項1に記載の無線受信機。
【請求項5】
非理想的な受信機デバイスは複数の波形サンプルを収集することと、
非所望の特性が除去された複数の波形サンプルのうちの1つ以下は受信信号の所望の特性を保持しないこととを備える請求項1に記載の無線受信機。
【請求項6】
非所望の特性が除去された複数の波形サンプルのうちの1つを予測波形サンプルと比較することによって受信信号と信号源の公称周波数との間の周波数オフセットを計算するように動作可能なコントローラをさらに備える請求項1に記載の無線受信機。
【請求項7】
コントローラはさらに信号源に接続され、かつ周波数オフセットに従って信号源を調整するように動作可能であることによって受信信号との周波数不一致を補償するように入力信号を制御する請求項6に記載の無線受信機。
【請求項8】
無線受信機にて受信信号における非理想的な回路機構の効果を軽減するための方法であって、
既知周波数と所望の特性とを含む受信信号をダウンコンバートして、複数の期間の各々における1つの波形サンプルである複数の波形サンプルを収集する受信信号ダウンコンバート工程と、
固有の入力周波数は複数の期間の各々において受信信号をダウンコンバートするために用いられることと、
複数の波形サンプルの各々から非所望の特性を除去する非所望特性除去工程と、
非所望の特性が除去された複数の波形サンプルのうちの1つ以上は受信信号の所望の特性を保持することとを含む方法。
【請求項9】
受信信号の所望の特性はメッセージのプリアンブルに対応することと、
プリアンブルは2つの既知周波数間をトグル切換する周波数偏移変調信号をさらに有することとを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
複数の期間の各々における固有の入力周波数は予め定められている請求項8に記載の方法。
【請求項11】
固有の入力周波数は信号源の公称周波数と、信号源の公称周波数からの既知のオフセットを有する周波数とのうちのいずれかである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
非所望の特性は無線受信機の動作に起因するスプリアス信号である請求項8に記載の方法。
【請求項13】
非所望の特性はDCオフセットである請求項8に記載の方法。
【請求項14】
非所望特性除去工程は、
複数の波形サンプルの各々を平均化することによって、それぞれ平均値を計算する平均化工程と、
複数の波形サンプルの各々からそれぞれ平均値を減算する減算工程とをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項15】
受信信号と無線受信機の公称入力周波数との間の周波数オフセットを計算する周波数オフセット計算工程と、
周波数オフセットを調整することによって固有の入力周波数の効果を除去する周波数オフセット調整工程と、
周波数オフセットを適用することによって無線受信機の公称入力周波数と受信信号との間の不一致を補償する周波数オフセット適用工程とをさらに含む請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−521769(P2006−521769A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509292(P2006−509292)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/009171
【国際公開番号】WO2004/088902
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】