説明

非破壊検査装置及び非破壊検査システム

【課題】検査対象物の検査状況を検査現場以外の場所でリアルタイムかつ容易に把握することにある。
【解決手段】検査対象物の内部状態を非破壊検査する非破壊検査装置であって、検査の進捗状況を示す情報を外部に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非破壊検査装置及び非破壊検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
非破壊検査装置は、検査対象物を破壊せずに内部の状態を検査する装置であり、近年、航空機の機体や大型プラントの設備検査等の工業分野において広く用いられている。このような非破壊検査装置の中には、超音波、渦電流、音響、エックス線等の放射線、サーモグラフィーを用いたものがある。
【0003】
例えば特開2002−22713号公報には、遠隔地の検査現場に設置された制御端末装置とセンタに設置されたサーバとがネットワークを介して相互に接続され、制御端末装置は、超音波探傷するための超音波探傷装置から得られた探傷データをネットワークを介してリアルタイムにサーバに送信し、一方、サーバは、制御端末装置から受信した探傷データを分析・評価する超音波探傷システムが開示されている。また、この超音波探傷システムでは、ネットワークを介してサーバにアクセス可能な端末装置を更に備え、この端末装置によってサーバで行われた探傷データの分析結果を評価していた。
【特許文献1】特開2002−22713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、検査現場以外で検査対象物の検査の進捗状況をリアルタイムかつ容易に把握することができないという問題点がある。例えば、複数の非破壊検査装置を同時に使用して検査対象物の複数箇所を検査する場合において、従来技術では、各箇所の検査結果や検査の進捗状況を検査現場以外の場所でリアルタイムに把握することができない。
また、近年は、より正確な検査履歴を把握することが要求されており、このような要求に対応することが重要である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)検査対象物の検査状況を検査現場以外の場所でリアルタイムかつ容易に把握する。
(2)検査対象物のより正確な検査履歴を把握する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、非破壊検査装置に係わる第1の解決手段として、検査対象物の内部状態を非破壊検査する非破壊検査装置において、検査の進捗状況を示す情報を外部に送信する、ことを特徴とする。
このような発明によれば、検査の進捗状況を示す情報を外部に送信するので、検査現場における検査対象物の検査状況を検査現場以外の場所でリアルタイムかつ容易に把握することができる。
【0007】
また、非破壊検査装置に係わる第2の解決手段として、上記第1の手段において、検査の進捗状況を示す情報に加えて検査結果を示す情報をも外部に送信する、ことを特徴とする。
このような発明によれば、検査現場以外の場所では検査現場における検査対象物の検査状況に加えて検査結果をもリアルタイムかつ容易に把握することができる。
【0008】
また、非破壊検査装置に係わる第3の解決手段として、上記検査の進捗状況を示す情報に加えて、検査者を示す検査者情報をも外部に送信する、ことを特徴とする。
このような発明によれば、検査現場以外の場所では検査現場における検査対象物の検査状況に加えて、検査を行っている検査者を特定することができるので、例えば検査履歴をより正確に把握することができる。
【0009】
非破壊検査装置に係わる第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、検査の進捗状況を示す情報または/及び検査結果を示す情報を検査対象物に設定されたブロック毎に外部に送信する、ことを特徴とする。
このような発明によれば、検査現場以外の場所において検査現場における検査対象物の検査状況や検査結果を検査対象物に設定されたブロック毎にリアルタイムかつ容易に把握することができる。
【0010】
非破壊検査装置に係わる第5解決手段として、上記第1〜第4いずれかの手段において、検査結果が不合格の場合には検査対象物における不合格部位の位置データ及び不合格部位の検査データを外部に送信する、ことを特徴とする。
このような発明によれば、検査現場以外の場所において検査対象物における不合格部位の位置データ及び不合格部位の検査データをリアルタイムかつ容易に把握することができる。
【0011】
さらに、本発明では、非破壊検査システムに係わる第1の解決手段として、上記第1〜第4いずれかの非破壊検査装置と、該非破壊検査装置に接続されたネットワークと、該ネットワークを介して上記非破壊検査装置に接続された1あるいは複数のコンピュータとを具備する、ことを特徴とする。
このような発明によれば、検査現場における非破壊検査装置の検査の進捗状況や検査結果を、当該非破壊検査装置にネットワークを介して接続されると共に検査現場以外に設置されたコンピュータでリアルタイムかつ容易に把握することができる。
【0012】
また、非破壊検査システムに係わる第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、複数のコンピュータのうち、1つはサーバコンピュータ、また他のコンピュータはクライアントコンピュータであり、非破壊検査装置は前記サーバコンピュータに検査の進捗状況を示す情報を送信し、サーバコンピュータは、クライアントコンピュータに検査の進捗状況を示す情報を提供する、ことを特徴とする。
このような発明によれば、検査現場における非破壊検査装置の検査の進捗状況や検査結果がサーバコンピュータに順次蓄積されるので、検査現場以外に設置されたクライアントコンピュータは、サーバコンピュータにアクセスすることによって検査履歴をも把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、後述するように超音波を用いて航空機(対象物)を非破壊検査する非破壊検査装置及び非破壊検査システムに関するものであるが、本発明は、超音波以外に渦電流、音響、エックス線等の放射線、サーモグラフィー等を用いて対象物を非破壊検査する非破壊検査システムにも適用できる。
【0014】
図1は、本実施形態に係る非破壊検査装置及び非破壊検査システムの機能構成を示すブロック図である。本非破壊検査システムは、図示するように複数の超音波検査装置A1〜An(非破壊検査装置)と、ネットワークDを介して超音波検査装置A1〜Anに接続された複数のクライアントコンピュータC1〜Cm及びサーバコンピュータBから構成されている。なお以下の説明では、クライアントコンピュータCを単にクライアントC1〜Cm、サーバコンピュータBを単にサーバBという。
【0015】
各超音波検査装置A1〜Anは、ネットワーク通信部20、制御回路21、超音波送受信回路22、LCDやCRT等の表示部23、メモリ24、ボタンやタッチパネルやロータリーエンコーダ等の入力部25及び時計機能を持つリアルタイムクロック29で構成された超音波検査装置本体26、プローブ27及びプローブ位置検出装置28で構成される。ネットワーク通信部20は制御回路21とネットワークDとに、超音波送受信回路22は表示部23とプローブ27とに、表示部23、メモリ24、入力部25及びリアルタイムクロック29は制御回路21にそれぞれ接続されている。
【0016】
サーバBは、ネットワーク通信部43、メモリ42及び制御回路46を内蔵したサーバ本体41、LCDやCRT等の表示部45及びキーボードやマウス等の入力部44で構成される。ネットワーク通信部43は制御回路46とネットワークDとに、メモリ42、表示部45及び入力部44は制御回路46にそれぞれ接続されている。このようなサーバBは、ネットワークDを介して上記各超音波検査装置A1〜Anから順次受信した航空機の非破壊検査情報をメモリ42に順次記憶すると共に、各クライアントC1〜Cmの要求に応じてメモリ42内の非破壊検査情報をネットワークDを介して各クライアントC1〜Cmに提供する。
【0017】
各クライアントC1〜Cmは、ネットワーク通信部53、メモリ52及び制御回路56を内蔵したPC本体51、キーボードやマウス等の入力部54及びLCDやCRT等の表示部55から構成されている。ネットワーク通信部53は制御回路56とネットワークDとに、メモリ52、表示部55及び入力部54は制御回路56にそれぞれ接続されている。このようなクライアントC1〜Cmは、ネットワークDを介して上記サーバBにアクセスし、サーバBに蓄積された航空機の非破壊検査情報を取得する。なお、ネットワークDは、LANや無線LANや有線電話回線や携帯電話回線等である。
【0018】
図2は、上記プローブ位置検出装置28の詳細構成を示す図である。このプローブ位置検出装置28は、プローブ27を保持するプローブ保持部281、球体286、球体286のX方向の回転を検知する回転センサ282、球体286のY方向の回転を検知する回転センサ283、位置変化検出回路284と及び球体286を適切な位置に保持する球体保持部285から構成される。すなわち、プローブ位置検出装置28は、回転センサ282,283によってプローブ保持部281に保持されたプローブ27の位置(X−Y座標)を検出する。
【0019】
図3は、上記超音波検査装置を用いた航空機の検査状態を示す模式図である。なお、この図3では、便宜的に1台の超音波検査装置A1のみを示しているが、実際の検査では複数台の超音波検査装置A1〜Anを用いて航空機の検査対象物E(機体やジェットエンジン等)を同時に検査する場合が多い。このような超音波検査装置A1を用いた検査作業では、検査対象物Eは予め適当なブロックE100〜E107のように区分けされており、検査者Fは各ブロックE100〜E107毎にプロープ27を押し当てて検査を行なっていく。
【0020】
例えば、ブロックE105の検査においては、原点E108からブロックE105の全領域に亘ってプロープ27を順次移動させて検査を行う。プロープ27の検出信号は超音波検査装置本体26に順次供給されると共に、その位置は、上述したプローブ位置検出装置28によって順次検出されて超音波検査装置本体26に供給される。この結果、表示部23には、プロープ27の位置に応じた検査結果が表示されると共に、この検査結果はネットワーク通信部20を介してネットワークDに送信される。
【0021】
次に、このように構成された非破壊検査システムの動作(つまり検査手順)について、図4に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
【0022】
最初に、検査者Fは、入力部25を操作することによって、検査対象物Eにおいて検査対象となるブロックの名称(ブロック名)を制御回路21に人力する(手順401)。この結果、制御回路21は、入力部25から取得したブロック名と、検査中を表す検査中フラグをメモリ24に保存する(手順402)。続いて、検査者Fは、入力部25を操作することによって、検査対象物Eに対して最適な超音波検査を行うための検査設定データを制御回路21に入力する(手順403)。この結果、制御回路21は、上記検査設定データをメモリ24に保存すると共に検査設定データに基づいて超音波送受信回路22の設定を行なう(手順404)。
【0023】
また、制御回路21は、リアルタイムクロック29から現在日時を取得し、当該現在日時を検査日時としてメモリ24に保存し(手順405)、さらにメモリ24に記憶されて検査装置ID、上記ブロック名、上記検査日時、上記検査設定データ、上記検査中フラグをメモリ24から取得し、これら各情報をネットワーク通信部20に供給してサーバBに送信させる(手順406)。この結果、ネットワーク通信部20は、制御回路21からの送信指示に基づいて上記各情報をネットワークDを介してサーバBに送信する。
【0024】
続いて、検査者Fはフローブ27を移動させることにより検査対象となるブロックを検査する(手順407)。この検査において、制御回路21は、上記検査設定データに基づいて超音波送受信回路22を制御することにより、超音波送受信回路22からプローブ27に高電圧パルスを出力させ、プローブ27に検査対象物Eに向けて超音波信号を発信させる。この超音波信号は、検査対象物Eの中で反射し、その反射波信号はブロープ27を経由して超音波送受信回路22で受信される。そして、超音波送受信回路22は、上記反射波信号を信号処理して表示部23に検査結果として波形表示させる。
【0025】
続いて、検査者Fは、表示部23に表示された上記反射波信号に基づいて検査対象物Eに傷等の不具合箇所の有無を評価することによって検査対象物Eの合格/不合格を判断する(手順408)。合格と判断した場合、検査者Fは、入力部25を操作することによって当該合格したことを制御回路21に入力する(手順409)。この結果、制御回路21は、検査終了を表す検査終了フラグ、検査合格を示す合格フラグをメモリ24に記憶させる(手順410)。そして、制御回路21は、検査対象のブロック名、検査終了フラグ及び合格フラグをネットワーク通信部20に供給してサーバBに送信させる(手順411)。この結果、サーバBには、検査対象のブロック名に関して検査終了フラグ及び合格フラグが付随して記憶される。
【0026】
一方、検査者Fが不合格と判断した場合、検査者Fは、入力部25を操作することによって、不合格として検査が終了したことを制御回路21に入力する(手順412)。この結果、制御回路に21は、検査終了を表す検査終了フラグ及び不合格を示す不合格フラグをメモリ24に保存させる(手順413)。
【0027】
そして、検査者Fは、プローブ27を検査対象であるブロック上の予め決められた原点に置き、さらに入力部25を操作することによってプローブ27が原点にあることを制御回路に21入力し(手順414)。そして、検査者Fは、プローブ27を原点から不合格部位まで移動させ、さらに入力部25を操作することによってプローブ27が不具合部の位置にあることを制御回路に21入力する(手順415)。
【0028】
この結果、制御回路21は、プローブ位置検出装置28から原点〜不具合部位間の位置変化データを取得し、不合格位置データとしてメモリ24に保存すると共に、同時に超音波送受信回路22から不具合部の検査データをも取得してメモリ24に保存させる(手順416)。そして、制御回路21は、ブロック名、検査終了フラグと、不合格フラグ、不合格位置データ及び検査データをネットワーク通信部20からサーバBに送信させる(手順417)。
【0029】
そして、次のブロックを検査する場合は、上記手順401に戻って次のブロックの検査を行ない(手順418)、一方、次のブロックを検査を行わない場合には検査作業を終了する。
なお、各超音波検査装置A1〜AnがネットワークDに接続されていない状態で検査が行われた場合、各超音波検査装置A1〜Anの制御回路21は、ネットワーク通信部20がネットワークDに接続した事を検知してから上記各種情報をサーバBへ送信する。
【0030】
さて、各超音波検査装置A1〜Anを用いた上記検査作業によって、サーバBにはネットワークDを介して超音波検査装置A1〜Anから受信された航空機の非破壊検査情報が各ブロック毎に順次蓄積されることになる。すなわち、サーバBの制御回路46は、ネットワーク通信部43がネットワークDを介して超音波検査装置A1〜Anから順次受信した各ブロック毎の検査結果(合格フラグあるいは不合格フラグ)、検査の進捗状況(検査中フラグあるいは検査終了フラグ)、検査日時、検査装置ID、検査設定データ、不合格位置データ及び検査データ等の非破壊検査情報をメモリ42に順次保存させる。
【0031】
そして、制御回路46は、メモリ42に記憶された検査対象物Eの各ブロック毎の非破壊検査情報を表示部45に表示させ、入力部44から表示内容の変更指示が入力されると、表示部45を制御して表示内容を変更させる。また、ネットワーク通信部43がネットワークDを介して各クライアントC1〜Cmのネットワーク通信部53からの非破壊検査情報の閲覧要求を受信すると、制御回路46は、当該要求に応じてネットワークDを介して各クライアントC1〜Cmに提供する
【0032】
図5及び図6は、サーバBの表示部45あるいはクライアントC1〜Cmの表示部55に表示される非破壊検査情報の表示例を示す模式図である。図5は、サーバBの入力部44あるいはクライアントC1〜Cmの入力部54で選択された表示エリア207と検査時期208について、全ブロックの検査結果及び検査の進捗状況を模式図201として表示している。この図5において、符号202は未検査を、203は検査中を、204は検査の合格を、205は検査の不合格を各々に異なる表示形式で示している。このような表示方法により、サーバBあるいはクライアントC1〜Cmでは、各ブロックの検査結果だけでなく、検査の進捗状況をも視覚的に容易に把握することができる。
【0033】
なお、この模式図201では、表示エリア207で選択された「ジェット機の右側主翼部」を模式的に表示しているが、これに代えてより高精細で実物に近い3次元CADを使用した立体図や実物の写真上に各ブロックを描き、そのブロック別に検査結果及び検査の進捗状況を表示しても良い。
【0034】
ここで、入力部44あるいは入力部54が操作されることによって、例えば模式図201の不合格なブロックACが選択された場合、制御回路46は、ブロックACの検査履歴209を表示部45あるいは表示部55に表示させる。また、入力部44あるいは入力部54が操作されてブロックACの詳細情報206が選択された場合には、制御回路46は、図6に示すように、検査日時302、検査装置ID304、検査設定データである検査装置設定情報305、不合格位置303及び検査データ301等からなる各詳細情報を表示部45あるいは表示部55に表示させる。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)超音波検査装置A1〜Anの制御回路21は超音波送受信回路22が受信した反射信号や、プローブ位置検出装置28で得られたプローブ27の位置データをネットワーク通信部20を制御してネットワークD経由でサーバBあるいはクライアントC1〜Cmに送信し、検査の評価及び合否判定をサーバB側あるいはクライアントC1〜Cm側で行うようにしても良い。
【0036】
(2)サーバBの制御回路46はネットワーク通信部43を制御してネットワークD経由で超音波検査装置A1〜Anに検査マニュアル、検査手順、検査項目リスト、超音波検査装置A1〜Anの検査設定データ、その他指示を検査状況に応じて送信するようにしても良い。あるいは、超音波検査装置A1〜Anの制御回路21がネットワーク通信部20を制御してネットワークD経由でサーバBから検査状況に応じて検査マニュアル、検査手順、検査項目リスト、各超音波検査装置A1〜Anの検査設定データを取得するようにしても良い。
【0037】
〔追加技術事項〕
図7に示す認証処理を上記図4に示した処理の前処理として実行することにより、上記検査の進捗状況や検査結果に加えて検査者を特定するための検査者情報を超音波検査装置A1〜AnからサーバBに送信するようにしても良い。
【0038】
すなわち、検査者は、入力部25を操作して超音波検査装置A1〜Anの電源を投入すると、入力部25をさらに操作することによって自らのユーザIDを入力する(手順501)と共に自らのパスワードを入力する(手順502)。超音波検査装置A1〜Anのメモリ24には、超音波検査装置A1〜Anの使用が正規に許可された検査者のユーザID(正規ユーザID)とパスワード(正規パスワード)とが予め記憶されており、制御回路21は、入力部25から入力されたユーザIDをメモリ24に記憶された正規ユーザIDと比較し、また入力部25から入力されたパスワードをメモリ24に記憶された正規パスワードと比較し、両者がそれぞれ一致すると(手順503)、検査者を正規の検査者と判断して超音波検査装置A1〜Anの使用、つまり図4に示した検査作業への移行を許可する。
【0039】
そして、制御回路46は、ネットワーク通信部20を制御することにより、このように認証された検査者のユーザIDとパスワードとを検査者情報としてサーバBに送信させる(手順504)。
【0040】
このように、超音波検査装置A1〜Anの使用が開始される度にユーザIDとパスワードとを認証し、当該認証されたユーザIDとパスワードとを超音波検査装置A1〜AnからサーバBに送信することにより、超音波検査装置A1〜Anの使用者(つまり検査者)を特定することができるので、検査履歴をより正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係わる非破壊検査システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる非破壊検査システムにおけるプローブ位置検出装置28の詳細構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる非破壊検査システムを用いた航空機の検査状態を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる非破壊検査システムを用いた検査手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における非破壊検査情報の表示例を示す第1の模式図である。
【図6】本発明の一実施形態における非破壊検査情報の表示例を示す第2の模式図である。
【図7】本発明の一実施形態における検査者の認証処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
A1〜An…超音波検査装置(非破壊検査装置)、B…サーバコンピュータ(サーバ)、C1〜Cm…クライアントコンピュータ(クライアント)、20…ネットワーク通信部、21…制御回路、22…超音波送受信回路、23…表示部、24…メモリ、25…入力部、29…リアルタイムクロック、26…超音波検査装置本体、27…プローブ、28…プローブ位置検出装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の内部状態を非破壊検査する非破壊検査装置であって、
検査の進捗状況を示す情報を外部に送信することを特徴とする非破壊検査装置。
【請求項2】
前記検査の進捗状況を示す情報に加えて、検査結果を示す情報をも外部に送信することを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項3】
前記検査の進捗状況を示す情報に加えて、検査者を示す検査者情報をも外部に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の非破壊検査装置。
【請求項4】
前記検査の進捗状況を示す情報または/及び前記検査結果を示す情報を前記検査対象物に設定されたブロック毎に外部に送信することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の非破壊検査装置。
【請求項5】
前記検査結果が不合格の場合には前記検査対象物における不合格部位の位置データ及び不合格部位の検査データを外部に送信することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の非破壊検査装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の非破壊検査装置と、
該非破壊検査装置に接続されたネットワークと、
該ネットワークを介して前記非破壊検査装置に接続された1あるいは複数のコンピュータと
を具備することを特徴とする非破壊検査システム。
【請求項7】
前記複数のコンピュータのうち、1つはサーバコンピュータ、また他はクライアントコンピュータであり、
前記非破壊検査装置は、前記サーバコンピュータに前記検査の進捗状況を示す情報を送信し、前記サーバコンピュータは、前記クライアントコンピュータに前記検査の進捗状況を示す情報を提供することを特徴とする請求項6記載の非破壊検査システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−189422(P2006−189422A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343764(P2005−343764)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】