説明

非線形性測定装置、非線形性測定方法及び磁気記録再生装置

【課題】NLTSの導出に係る利便性を向上させることが可能な非線形性測定装置、非線形性測定方法及び磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体に記録された基準信号の再生信号から第1の所定次数の高調波成分を測定する第1測定手段と、前記磁気記録媒体に記録された被測定信号の再生信号から第2の所定次数の高調波成分を測定する第2測定手段と、前記第2の所定次数の高調波成分を前記第1の所定次数の高調波成分で除算した値を、逆正弦関数で演算することで、前記磁気記録媒体における非線形遷移シフトを算出する算出手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、非線形性測定装置、非線形性測定方法及び磁気記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気記録再生装置の高密度化、高速データ転送化に伴い、磁気ヘッド、記録媒体及び記録再生伝送系等において生じる非線形遷移シフト(NLTS:Non-Linear Transition Shift)を把握するためNLTSの測定が必須となってきている。このNLTSは記録データがその直前や数ビット前のデータの影響を受ける度合いを定量的に把握するために必要なデータである。従来、NLTSの導出方法として、逆余弦(アークコサイン)を用いる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3870333号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“A Generalized frequency domain nonlinearity measurement method”, IEEE Transactions on Magnetics, Vol.30, No.6, pp4236, 1994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、NLTSの導出に逆余弦を用いるため、導出されるNLTSの値はビット間隔の拡大・縮小によらず常に正の値となり、ビット間隔が拡大したのか縮小したのかを識別しづらいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、NLTSの導出に係る利便性を向上させることが可能な非線形性測定装置、非線形性測定方法及び磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態の非線形性測定装置は、第1測定手段と、第2測定手段と、算出手段とを備える。第1測定手段は、磁気記録媒体に記録された基準信号の再生信号から第1の所定次数の高調波成分を測定する。第2測定手段は、磁気記録媒体に記録された被測定信号の再生信号から第2の所定次数の高調波成分を測定する。算出手段は、第2の所定次数の高調波成分を第1の所定次数の高調波成分で除算した値を、逆正弦関数で演算することで、磁気記録媒体における非線形遷移シフトを算出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る磁気記録再生装置の機能構成を模式的に示す図。
【図2】VabとNLTSとの関係を示す図。
【図3】本実施形態に係る磁気記録再生装置のハードウェア構成を模式的に示す図。
【図4】磁気記録再生装置で実行されるNLTS測定処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態に係る磁気記録再生装置100の機能構成を模式的に示す図である。磁気記録再生装置100は、磁気ディスク21と、この磁気ディスク21における磁気記録再生の非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する非線形性測定部10とを備えて構成されている。
【0010】
図1に示すように、磁気記録再生装置100の非線形性測定部10は、パターン生成部11と、パターン記録部12と、パターン再生部13と、第1測定部14と、第2測定部15と、算出部16とを備えている。
【0011】
パターン生成部11は、所定のビット列で構成される基準パターン(基準信号)及び被測定パターン(被測定信号)を生成し、パターン記録部12へ出力する。具体的に、パターン生成部11は、磁化反転位置を少なくとも1つ含むA個のビット列で構成された基準パターンを生成するとともに、6つの磁化反転位置を含む被測定パターンを下記式(1)に基づいて生成する。ここで、Aは基準パターンのビット数であって、10の倍数となる。また、BはAを5で除算した値であり、Tはビット周期を意味する。
【0012】
【数1】

【0013】
例えば、ビット列Aのビット数を“20”とした場合、パターン生成部11は、磁化反転位置が第10ビットにある、NRZ表記で“11111111110000000000”(10T、10T)と表されるビットパターンを、基準パターンとして生成する。ここで、NRZとは、非ゼロ復帰記録方式と呼ばれるもので、2値信号パルス列において、単位符号間隔の長さとパルスの長さとが同じになるパルス波形で記録を行う記録方式である。
【0014】
また、パターン生成部11は、上記式(1)に基づき、磁化反転位置が第0、1、4、10、11、14ビットにある、NRZ表記で“10001111110111000000”(1T、3T、6T、1T、3T、6T)と表されるビットパターンを、被測定パターンとして生成する。
【0015】
なお、以下、本実施形態においては、上記の基準パターン“11111111110000000000”及び被測定パターン“10001111110111000000”を用いて、NLTSを導出する場合について説明する。
【0016】
パターン記録部12は、パターン生成部11で生成された基準パターン及び被測定パターンを磁気ディスク21に記憶するものである。パターン再生部13は、磁気ディスク21に記録された基準パターン及び被測定パターンを読み取り再生するものである。
【0017】
第1測定部14は、磁気ディスク21に磁気記録された基準パターンの再生信号から第1の所定次数の高調波の振幅(以下、高調波成分という)を測定するものである。具体的に、第1測定部14は、パターン再生部13によって再生された基準パターンをFFT(高速フーリエ変換)により解析することで、基準パターンの5次高調波成分を測定する。
【0018】
第2測定部15は、磁気ディスク21に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々について、その再生信号から第2の所定次数の高調波成分を測定するものである。具体的に、第2測定部15は、パターン再生部13によって再生された被測定パターンをFFTにより解析することで、被測定パターンの5次高調波成分を測定する。
【0019】
そして、パターン生成部11によって生成された基準パターンは、パターン記録部12を介して磁気ディスク21に記録される。そして、この磁気ディスク21に記録された基準パターンに対応するデータが、パターン再生部13を介して第1測定部14に入力される。同じく、パターン生成部11によって生成された被測定パターンは、パターン記録部12を介して磁気ディスク21に記録される。そして、この磁気ディスク21に記録された被測定パターンに対応するデータが、パターン再生部13を介して第2測定部15に入力される。
【0020】
なお、以下、本実施形態においては、第1測定部14によって測定される第1の所定高調波成分も第2測定部15によって測定される第2の所定高調波成分も、次数5(M=5)の5次高調波成分の場合について説明する。
【0021】
算出部16は、第1測定部14によって測定された第1の所定高調波成分と、第2測定部15によって測定された各々の被測定信号に対応する第2の所定高調波成分とからNLTSを算出する。以下、NLTSの導出方法について説明する。
【0022】
まず、基本パターンにおける20ビットの繰り返しの周波数(以下、基本周波数という)をf0とすると、このf0は下記式(2)で表される。
【0023】
【数2】

【0024】
よって、基本パターンの5次高調波成分は下記式(3)となる。また、ω=2πfの関係式において、f=5f0とすることで、基本パターンの5次高調波成分の1ビット分の角度(ラジアン)は、下記式(4)で表される。
【0025】
【数3】

【0026】
続いて、基本パターンの振幅をVa、再生信号のインパルス応答をH(f)とし、その5次高調波成分Va(5f0)を算出すると、Va(5f0)は下記式(5)となる。
【0027】
【数4】

【0028】
また、NLTS種類のうち、ダイビット(Dibit)パターンを含む被測定パターンの振幅をVb、再生信号のインパルス応答をH(f)とし、基本パターンと同様に、その5次高調波成分Vb(5f0)を求めると、Vb(5f0)は下記式(6)となる。
【0029】
【数5】

【0030】
ここで、Va(5f0)及びVb(5f0)は、第1測定部14及び第2測定部15にてFFTにより測定されるため、その値は絶対値となる。そのため、Vb(5f0)をVa(5f0)で除算した値、即ちVb(5f0)をVa(5f0)で正規化した値Vabは、上記式(5)及び(6)の結果から下記式(7)となる。
【0031】
【数6】

【0032】
ここで、上記式(7)の右辺第2項“exp(j・(π/2)・n)”を、Re+jImで表すと、Vabは下記式(8)となる。また、Vabの絶対値の二乗は下記式(9)となる。なお、Reは“exp(j・(π/2)・n)”の実数部であり、Imは“exp(j・(π/2)・n)”の虚数部である。
【0033】
【数7】

【0034】
よって、位相角φは、上記式(9)から下記式(10)で表される。
【0035】
【数8】

【0036】
1ビットの位相角はπ/2ラジアンであるため、NLTSを1ビットを基準として算出すると、NLTSは上記(10)式から下記式(11)で表すことができる。
【0037】
【数9】

【0038】
算出部16は、第1測定部14及び第2測定部15の測定結果に基づいて、以上のようにNLTSを算出する。ここで、上記式(11)に着目すると、NLTSは逆正弦関数の演算結果で表されるため、NLTSの値は正(プラス)又は負(マイナス)の両符号をとることになる。そのため、このNLTSの符号に基づき、ビット間隔が縮小したのか又は拡大したのかを容易に識別することが可能となる。以下、図2を参照して、Vabと上記式(11)で導出されるNLTSとの関係について説明する。
【0039】
図2は、VabとNLTSとの関係を示す図である。同図において、横軸はVabの値を示しており、縦軸はNLTSの値を示している。また、NLTS=0の位置(以下、ゼロ位置という)はNLTSの生じていない状態を意味し、Vab=2.25となっている。
【0040】
NLTSの発生により、ビット幅が縮小するとVabの値は2.25から減少する。また、逆のビット幅が拡大した場合にはVabの値は2.25から増加することになる。ここで、NLTSの値は、上記式(11)に示したようにVabの2乗を逆正弦関数で演算することで導出されるため、この逆正弦関数の特性により、ビット幅が縮小した場合にはマイナス符号となり、ビット幅が拡大した場合にはプラス符号となる。そのため、この極性の変化により、ビット幅が縮小又は拡大したのかを容易に判別することが可能となる。
【0041】
図3は、本実施形態に係る磁気記録再生装置100のハードウェア構成を模式的に示す図である。同図に示すように、磁気記録再生装置100は、磁気ディスクユニット20と、制御ユニット30とを有して構成される。
【0042】
磁気ディスクユニット20は、磁気ディスク21と、磁気ヘッド22と、アクチュエータ23と、ヘッドIC24とを備えている。
【0043】
磁気ディスク21は、高保持力の磁性膜を用いた円板状の媒体(磁気記録媒体)で構成され、この媒体上にトラックが形成されている。磁気ディスク21は、スピンドルモータ(図示せず)によって回転され、磁気ヘッド22によって、その表面に記録されたデータの読み取りや、データの書き込みが行われる。
【0044】
磁気ヘッド22は、磁気ディスク21に記録された種々のデータを読み取ったり、磁気ヘッド22に種々のデータを書き込んだりするものである。具体的には、磁気ヘッド22は、磁気ディスク21に対向して配置され、記録電流が供給されることにより磁界を発生させる。磁気ヘッド22は、磁気ディスク21をトラック進行方向に磁化することにより磁気ディスク21に種々のデータ(基準パターンや被測定パターン)を記録する。
【0045】
アクチュエータ23は、磁気ヘッド22を磁気ディスク21の半径方向に移動させるものであり、例えば、磁気ヘッド22の位置決めに用いるVCM等を備えて構成されている。このアクチュエータ23は、後述するドライブ部36からのドライブ信号に応じて駆動され、磁気ヘッド22を所定の位置に移動させる。
【0046】
ヘッドIC24は、磁気ヘッド22による磁気ディスク21へのデータの読み出し/書き込みを制御するものである。また、ヘッドIC24は、磁気ヘッド22によって読み取られた信号を増幅して、後述するAGC部32に供給する。
【0047】
一方、制御ユニット30は、エンコーダ31と、AGC部32と、信号検出部33と、デコーダ34と、サーボ制御部35と、ドライブ部36と、FFT37と、制御部38と、パターン生成部39とを備える。なお、制御ユニット30は、図1に示した非線形性測定部10に相当する。
【0048】
エンコーダ31は、制御部38から供給された記録データや、パターン生成部39によって生成された基準パターンや被測定パターンを、磁気ディスク21に記録するためにNRZのデータに変換して出力するものである。
【0049】
AGC部32は、ヘッドIC24から供給された信号の振幅を一定に制御するものである。また、AGC部32は、ヘッドIC24から供給された信号を信号検出部33、サーボ制御部35及びFFT37に出力する。
【0050】
信号検出部33は、AGC部32の出力信号から再生データを検出するものである。デコーダ34は、信号検出部33によって検出された信号をデコードし、デコードした信号を制御部38に供給する。
【0051】
サーボ制御部35は、AGC部32から供給された信号からサーボ信号を復調する。また、サーボ制御部35は、復調したサーボ信号と制御部38から供給される制御信号とに応じて、磁気ヘッド22の現在の位置と記録又は再生を行うべき位置との差に応じたドライブ制御信号を生成し、ドライブ部36に供給する。
【0052】
ドライブ部36は、サーボ制御部35から供給されたドライブ制御信号に応じて、アクチュエータ23を駆動するドライブ信号を生成するものである。ドライブ部36は、生成したドライブ信号をアクチュエータ23に供給する。
【0053】
FFT37は、AGC部32の下流側に備えられ、AGC部32から出力される再生信号から5次高調波成分を検出(測定)し、制御部38に出力する。即ち、このFFT37が、上述した第1測定部14及び第2測定部15として機能する。
【0054】
制御部38は、磁気記録再生装置100における種々の処理を制御するものであって、磁気ヘッド22の切り換え制御や、磁気ディスク21に対する磁気ヘッド22の位置決め制御、磁気ヘッド22によるデータの書き込み/読み取りの制御等を行う。また、制御部38は、外部から上述した記録データを受信して、エンコーダ31に供給する。
【0055】
磁気記録再生装置100において、NLTSの測定を行う場合には、制御部38は、例えばエンコーダ31に供給する基準パターン又は被測定パターンをなすビット列パターンの記録データを選択する指示を外部から受け、パターン生成部39に供給する。パターン生成部39は、外部から受け付けた指示に従い、基準パターンや被測定パターンを生成する。
【0056】
さらに、制御部38は、FFT37によって測定された基準パターンの5次高調波成分、被測定パターンの5次高調波成分等に基づき、上記式(11)によりNLTSを導出する。即ち、制御部38が、第1測定部14によって測定された第1の所定高調波成分と、第2測定部15によって測定された第2の所定高調波成分とからNLTSを算出する算出部16として機能する。
【0057】
パターン生成部39は、制御部38の制御に基づいて、基準パターン及び被測定パターンを生成し、生成した基準パターン及び被測定パターンをエンコーダ31に供給する。即ち、このパターン生成部39が、上述したパターン生成部11として機能する。
【0058】
以下、図4を参照し、上記構成の磁気記録再生装置100で実行されるNLTS測定処理の手順について説明する。まず、制御部38は、磁気ヘッド22を制御し、NLTSの測定対象となるシリンダ(以下、ターゲットシリンダという)及び当該ターゲットシリンダ近傍に記録されたデータをバンドイレーズする(ステップS11)。
【0059】
続いて、制御部38は、磁気ヘッド22をターゲットシリンダにシークさせ(ステップS12)、このターゲットシリンダにパターン生成部39で生成された基準パターンを記録させる(ステップS13)。そして、制御部38は、基準パターンの記録に伴い、FFT37によって測定された当該基準パターンの5次高調波成分Va(5fo)を取得する(ステップS14)。
【0060】
次いで、制御部38は、磁気ヘッド22を制御し、ターゲットシリンダ及び当該ターゲットシリンダ近傍に記録されたデータをバンドイレーズする(ステップS15)。続いて、制御部38は、磁気ヘッド22をターゲットシリンダにシークさせ(ステップS16)、このターゲットシリンダにパターン生成部39で生成された被測定パターンを記録させる(ステップS17)。そして、制御部38は、被測定パターンの記録に伴い、FFT37によって測定された当該被測定パターンの5次高調波成分Vb(5fo)を取得する(ステップS18)。
【0061】
制御部38は、ステップS18で取得した被測定パターンの5次高調波成分Vb(5fo)を、ステップS14で取得した基準パターンの5次高調波成分Va(5fo)で除算することで、上述したVabを算出する(ステップS19)。続いて、制御部38は、ステップS19で算出したVabの値を、上記式(11)に代入することで、ターゲットシリンダにおけるNLTSを導出し(ステップS20)、本処理を終了する。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、NLTSを逆正弦関数の演算結果として導出できるため、NLTSの値を正(プラス)又は負(マイナス)の両符号を用いて表すことができる。これにより、このNLTSの符号に基づき、ビット間隔が縮小したのか又は拡大したのかを容易に識別することが可能となり、NLTSの導出に係る利便性を向上させることができる。
【0063】
なお、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【符号の説明】
【0064】
100 磁気記録再生装置
10 非線形性測定部
11 パターン生成部
12 パターン記録部
13 パターン再生部
14 第1測定部
15 第2測定部
16 算出部
20 磁気ディスクユニット
21 磁気ディスク
22 磁気ヘッド
23 アクチュエータ
24 ヘッドIC
30 制御ユニット
31 エンコーダ
32 AGC部
33 信号検出部
34 デコーダ
35 サーボ制御部
36 ドライブ部
37 FFT
38 制御部
39 パターン生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体に記録された基準信号の再生信号から第1の所定次数の高調波成分を測定する第1測定手段と、
前記磁気記録媒体に記録された被測定信号の再生信号から第2の所定次数の高調波成分を測定する第2測定手段と、
前記第2の所定次数の高調波成分を前記第1の所定次数の高調波成分で除算した値を、逆正弦関数で演算することで、前記磁気記録媒体における非線形遷移シフトを算出する算出手段と、
を備える非線形性測定装置。
【請求項2】
前記被測定信号は、式(1)のビット列で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の非線形性測定装置。
【数1】

(A:基準信号のビット数、B:A/5、T:ビット周期)
【請求項3】
前記基準信号及び前記被測定信号は、20ビットのビット列で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非線形性測定装置。
【請求項4】
前記基準信号は、NRZ表記で“11111111110000000000”と表されるビット列で構成され、
前記被測定信号は、NRZ表記で“10001111110111000000”と表されるビット列で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の非線形性測定装置。
【請求項5】
前記第1の所定次数の高調波成分及び前記第2の所定次数の高調波成分の各々が、5次高調波成分であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の非線形性測定装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記非線形遷移シフトを式(2)に基づいて算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の非線形性測定装置。
【数2】

(Vab:第2の所定次数の高調波成分を第1の所定次数の高調波成分で除算した値)
【請求項7】
前記基準信号及び前記被測定信号を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記基準信号及び前記被測定信号を前記磁気記録媒体に記録する記録手段と、
前記磁気記録媒体に記録された前記基準信号及び前記被測定信号を再生する再生手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の非線形性測定装置。
【請求項8】
基準信号記録手段が、磁気記録媒体に基準信号を記録する基準信号記録ステップと、
第1測定手段が、磁気記録媒体に記録された基準信号の再生信号から第1の所定次数の高調波成分を測定する第1測定ステップと、
被測定信号記録手段が、前記磁気記録媒体に被測定信号を記録する被測定信号記録ステップと、
第2測定手段が、前記磁気記録媒体に記録された被測定信号の再生信号から第2の所定次数の高調波成分を測定する第2測定ステップと、
算出手段が、前記第2の所定次数の高調波成分を前記第1の所定次数の高調波成分で除算した値を、逆正弦関数で演算することで、前記磁気記録媒体における非線形遷移シフトを算出する算出ステップと、
を含む非線形性測定方法。
【請求項9】
磁気記録媒体と、
基準信号及び被測定信号を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記基準信号及び前記被測定信号を前記磁気記録媒体に記録する記録手段と、
前記磁気記録媒体に記録された前記基準信号及び前記被測定信号を再生する再生手段と、
前記再生手段が再生した前記基準信号から第1の所定次数の高調波成分を測定する第1測定手段と、
前記再生手段が再生した前記被測定信号から第2の所定次数の高調波成分を測定する第2測定手段と、
前記第2の所定次数の高調波成分を前記第1の所定次数の高調波成分で除算した値を、逆正弦関数で演算することで、前記磁気記録媒体における非線形遷移シフトを算出する算出手段と、
を備える磁気記録再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate