説明

面光源装置、及び表示装置

【課題】光の利用効率を低下させることなく、輝度ムラを抑え、明るく均一な面状照明を
可能とする面光源装置、及びこの面光源装置を備えた表示装置を提供する。
【解決手段】面光源装置1は、筐体2の底面4に配置された反射部材20の正反射領域2
3が、発光装置14から出射した光を発光装置14から離れた方向へ向けて反射する。そ
の結果、発光面部材3から出射する面状の照明光のうちの発光装置14近傍の光の明るさ
を抑え、発光面部材3から出射する面状の照明光のうちの中央部(発光装置14から遠く
離れた位置)の光の明るさを高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED等の発光素子を光源とし、この光源からの光を被照明部材(例えば
、液晶表示パネル、広告表示パネル)の背面側から面状に照明することを可能とした面光
源装置、及びこの面光源装置を備えた表示装置(例えば、液晶表示装置、広告表示装置)
に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図56に示すような、導光板を使用しない面光源装置100が知られている
。この図56に示す面光源装置100は、中空の筐体101の対向する一対の側壁102
,102に、複数の発光素子103を対向するように取り付けて、これら発光素子103
からの光を棒状のシリンドリカルレンズ104を介して筐体101の内部空間105に放
射し、このシリンドリカルレンズ104を介して放射された光を筐体101の底106に
配置した反射部材107で天井側(筐体101の底106に対向する側)へ向けて拡散・
反射し、その反射部材107で反射された光を発光面部材(例えば、拡散板)108を介
して天井の開口部(表示窓)110から筐体101の外方へ面状に出射するようになって
いる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−87658号公報(特に、図1〜5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図56に示す面光源装置100は、発光素子103から広角度で出射し
た光がシリンドリカルレンズ104に到達する前に反射部材107で反射され、その反射
部材107で反射された光がシリンドリカルレンズ104によって集光されずに発光素子
103の近傍から筐体101の外部に出射されてしまい、天井の開口部110から出射さ
れる面状の照明光のうち、発光素子103の近傍位置が他部よりも明るく目立ち、且つ、
発光素子103から遠ざかるに従って出射光の輝度が低下し、面状の照明光の輝度ムラに
なる可能性がある(特許文献1の段落番号0022の記載参照)。
【0005】
このような不具合を解消するためには、図57に示す面光源装置111のように、発光
素子112とシリンドリカルレンズ113の間の空間を黒色グラファイト製の熱伝導性シ
ート114で取り囲み、発光素子112から広角度に出射してシリンドリカルレンズ11
3に入射し得ない光を吸収することが考えられるが(特許文献1の段落番号0023乃至
0024、図6〜7参照)、黒色グラファイト製の熱伝導性シート114で光を吸収した
分だけ光の利用効率が低下し、照明光の輝度低下を招来するという新たな問題を生じる。
しかも、図57に示す面光源装置111は、発光素子112から遠ざかるにしたがって出
射光の輝度が低下し、発光面部材115の中央部における出射光輝度が不十分となり、面
状の照明光の輝度ムラを抑えることができない虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、光の利用効率を低下させることなく、輝度ムラを抑え、明るく均一
な面状照明を可能とする面光源装置、及びこの面光源装置を備えた表示装置を提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る面光源装置は、筐体の底面に対向する天井側には開口部が形成さ
れ、前記筐体の対向する一対の側壁の内面側には発光装置が設置され、前記筐体の前記底
面には前記発光装置から出射される光を反射する反射部材が配置され、前記筐体の前記天
井側には前記開口部を塞ぎ且つ前記発光装置からの光を透過・拡散する発光面部材が配置
されている。この発明において、前記発光装置は、発光素子と、この発光素子と一対一で
配置され且つ前記発光素子からの光を集光して前記一対の側壁のうちの対向する前記側壁
側へ向けて出射する光束制御部材とを有している。また、前記反射部材は、前記筐体の内
部空間側に正反射領域と拡散反射領域とが設けられている。また、前記発光素子は、前記
発光素子からの立体的な出射光束の中心の光が進行する方向を光軸とすると、前記光軸が
前記側壁の前記内面に直交し且つ前記底面と平行となるように前記側壁に設置されている
。また、前記正反射領域は、少なくとも前記発光装置の近傍に配置されて、前記発光装置
から出射した光を前記発光装置から離れた方向へ向けて反射し、前記発光面部材から出射
する面状の照明光のうちの前記発光装置近傍の光の明るさを抑え、前記発光面部材から出
射する面状の照明光のうちの中央部の光の明るさを高めるようになっている。
【0008】
請求項2の発明に係る面光源装置は、請求項1の発明に係る面光源装置において、以下
のような特徴を有している。すなわち、前記正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交
する方向に延びる所定幅の帯状の領域であり、前記発光素子に近い位置の端縁をスタート
ラインとし、前記スタートラインよりも前記発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラ
インとし、前記発光素子の発光中心から出射した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁
と前記底面に直交する仮想平面内に位置する光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角
θとすると、前記正反射領域のスタートラインは、配光角θ≧18.5°の光と前記底面
との交差位置にあり、前記正反射領域のエンドラインは、配光角θ≧2°の光と前記正反
射領域との交差位置にあり、且つ、スタートラインからエンドラインまでの距離は20m
m以上である、ことを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明に係る面光源装置は、請求項1の発明に係る面光源装置において、以下
のような特徴を有している。すなわち、前記正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交
する方向に延びる所定幅の帯状の領域であり、前記発光素子に近い位置の端縁をスタート
ラインとし、前記スタートラインよりも前記発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラ
インとし、前記発光素子の発光中心から出射した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁
と前記底面に直交する仮想平面内に位置する光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角
θとすると、前記正反射領域のスタートラインは、配光角θ≧30.5°の光と前記底面
との交差位置にあり、前記正反射領域のエンドラインは、配光角θ≧2°の光と前記底面
との交差位置にあり、且つ、スタートラインからエンドラインまでの距離は20mm以上
である、ことを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明に係る面光源装置は、請求項1の発明に係る面光源装置において、以下
のような特徴を有している。すなわち、前記発光面部材は、前記開口部を塞ぐプリズムシ
ートと、このプリズムシートを透過した前記発光装置からの光を透過・拡散する光拡散シ
ートと、が重ねて配置されたものである。また、前記プリズムシートは、前記光軸に沿っ
て延びる断面略三角形状の溝が前記光軸と直交する方向に複数形成され、前記溝を形作る
傾斜面が前記発光装置からの光の一部を反射して導光するようになっている。また、前記
正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交する方向に延びる所定幅の帯状の領域であり
、前記発光素子に近い位置の端縁をスタートラインとし、前記スタートラインよりも前記
発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラインとし、前記発光素子の発光中心から出射
した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁と前記底面に直交する仮想平面内に位置する
光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角θとすると、前記正反射領域のスタートライ
ンは、配光角θ≧18.5°の光と前記底面との交差位置にあり、前記正反射領域のエン
ドラインは、配光角θ≧5.5°の光と前記底面との交差位置にあり、且つ、スタートラ
インからエンドラインまでの距離は20mm以上である、ことを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明に係る面光源装置は、請求項1の発明に係る面光源装置において、以下
のような特徴を有している。すなわち、前記発光面部材は、前記開口部を塞ぐプリズムシ
ートと、このプリズムシートを透過した前記発光装置からの光を透過・拡散する光拡散シ
ートと、が重ねて配置されたものである。また、前記プリズムシートは、前記光軸に沿っ
て延びる断面略三角形状の溝が前記光軸と直交する方向に複数形成され、前記溝を形作る
傾斜面が前記発光装置からの光の一部を反射して導光するようになっている。また、前記
正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交する方向に延びる所定幅の帯状の領域であり
、前記発光素子に近い位置の端縁をスタートラインとし、前記スタートラインよりも前記
発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラインとし、前記発光素子の発光中心から出射
した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁と前記底面に直交する仮想平面内に位置する
光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角θとすると、前記正反射領域のスタートライ
ンは、配光角θ≧30.5°の光と前記底面との交差位置にあり、前記正反射領域のエン
ドラインは、配光角θ≧5.5°の光と前記底面との交差位置にあり、且つ、スタートラ
インからエンドラインまでの距離は20mm以上である、ことを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明に係る面光源装置は、請求項1乃至5の発明に係る面光源装置において
、以下のような特徴を有している。すなわち、前記光束制御部材は、その中心軸が前記光
軸に合致するように配置されており、前記発光素子からの光を入射させる入射面と、前記
入射面から入射した光の一部を全反射して集光する全反射面と、前記全反射面で反射され
た光及び前記入射面から直接到達した光を出射する出射面と、を有している。そして、前
記入射面は、前記発光素子に対向するように裏面側に形成された凹みの内面であり、前記
凹みの底部に位置する第1入射面と、この第1入射面から前記凹みの開口縁の間に位置す
る第2入射面と、を有している。また、前記全反射面は、前記裏面側と前記出射面側との
間に形成され、且つ、前記光軸を取り囲むように形成されて、前記入射面のうちの主に第
2入射面から入射した光を前記出射面側へ向けて全反射するようになっている。また、前
記出射面は、前記裏面と反対側の位置で、且つ、前記光軸の周りに形成され、前記光軸よ
りも前記反射部材側に配置される第1出射面と、前記第1出射面よりも前記反射部材から
離れた位置側に配置される第2出射面と、を有している。また、前記第2出射面は、前記
発光素子の光軸を回転軸として前記第1出射面を180°回転させた面からの出射光の配
光特性と比較して、前記第2出射面からの出射光の方が、前記反射部材側へ向かう光束が
多くなるように形成されている。
【0013】
請求項7の発明に係る表示装置は、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の面光源装置
と、前記面光源装置から出射した面状の照明光で照明される被照明物と、を備えたことを
特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、筐体の底面に配置された反射部材の正反射領域が、発光装置から出射
した光を発光装置から離れた方向へ向けて反射し、発光面部材から出射する面状の照明光
のうちの発光装置近傍の光の明るさを抑え、発光面部材から出射する面状の照明光のうち
の中央部の光の明るさを高めることができるため、光の利用効率を低下させることなく、
出射光の輝度ムラを抑え、明るく均一な面状照明を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る面光源装置を示す図であり、図1(a)が面光源装置の平面図、図1(b)が面光源装置の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る面光源装置を示す図であり、図2(a)が図1(a)のA1−A1線に沿って切断して示す面光源装置の断面図、図2(b)が図2(a)の面光源装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る面光源装置を示す図であり、図1(a)のA2−A2線に沿って切断して示す面光源装置の一部拡大断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る面光源装置を示す図であり、図4(a)が発光面部材を取り外して示す面光源装置の平面図、図4(b)が図4(a)のA3−A3線に沿って切断して示す面光源装置の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る面光源装置を示す図であり、図5(a)が発光面部材及び天井枠を取り外して示す面光源装置の平面図、図5(b)が図5(a)のA4−A4線に沿って切断して示す面光源装置の断面図である。
【図6】光束制御部材の詳細を示す図であり、図6(a)が光束制御部材の平面図、図6(b)が光束制御部材の正面図、図6(c)が図6(a)の光束制御部材をA5−A5線に沿って切断して示す断面図、図6(d)が光束制御部材の裏面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=0mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=10mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=15mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=16mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=18mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=20mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=22mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=24mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=25mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=30mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図17】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=35mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図18】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=40mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図19】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=45mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図20】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=50mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図21】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsがLs=60mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図22】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域23を設けない場合における被照射面42の照度分布を示す図であり、図7〜図21の照度分布図と対比するための図である。
【図23】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsの位置がLs=24,25,30,35mmの図14〜図17における+X方向の照度のピーク値P1の変化と照度のピーク値P2の変化を対比して示す図である。
【図24】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsの位置がLs=24,25,30,35mmの図14〜図17における−X方向の照度のピーク値P1の変化と照度のピーク値P2の変化を対比して示す図である。
【図25】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のスタートラインLsの位置がLs=0,10,15,16,18,20,22,24mmの各場合の照度分布(図7〜図14の照度分布)から求めた振幅(S)の変化を示す図である。
【図26】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=50mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図27】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=55mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図28】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=60mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図29】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=65mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図30】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=70mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図31】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=80mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図32】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=90mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図33】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=100mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図34】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=150mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図35】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=200mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図36】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=250mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図37】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=300mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図38】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=340mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図39】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeがLe=350mmの場合における被照射面の照度分布図である。
【図40】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域を設けない場合における被照射面の照度分布を示す図であり、図26〜図39の照度分布図と対比するための図である。
【図41】本発明の第1実施形態に係る面光源装置において、正反射領域のエンドラインLeの位置と被照射面の中央における照度との関係を、図26〜図40のデータに基づいてまとめた図である。
【図42】光束制御部材の変形例を示す図であり、図42(a)が光束制御部材の平面図、図42(b)が光束制御部材の正面図、図42(c)が図42(a)の光束制御部材をA6−A6線に沿って切断して示す断面図、図42(d)が光束制御部材の裏面図であり、図42(e)が光束制御部材の側面図である。
【図43】本発明の第2実施形態に係る面光源装置を示すものであり、図43(a)が図2(a)に対応する面光源装置の断面図、図43(b)が図2(b)に対応する面光源装置の一部拡大断面図である。
【図44】本発明の第2実施形態に係る面光源装置を示すものであり、図3に対応する面光源装置の一部拡大図である。
【図45】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=50mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図46】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=70mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図47】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=75mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図48】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=100mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図49】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=130mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図50】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=150mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図51】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=200mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図52】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=230mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図53】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=250mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図54】本発明の第2実施形態に係る面光源装置と第1実施形態に係る面光源装置の照度分布を対比して示す図であり、正反射領域のエンドラインLeがLe=300mmの場合における被照射面の照度分布を対比する図である。
【図55】図44に示した本発明の第2実施形態に係る面光源装置のプリズムシートを表裏反転した図である。
【図56】第1の従来例に係る面光源装置の断面図である。
【図57】第2の従来例に係る面光源装置の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る面光源装置を詳述する。
【0018】
図1乃至図3は、本発明の実施の形態に係る面光源装置1を示す図である。なお、図1
(a)は、面光源装置1の平面図である。また、図1(b)は、面光源装置1の正面図で
ある。また、図2(a)は、図1(a)のA1−A1線に沿って切断して示す面光源装置
1の断面図である。また、図2(b)は、図2(a)の面光源装置1の一部を拡大して示
す断面図である。また、図3は、図1(a)のA2−A2線に沿って切断して示す面光源
装置1の一部拡大断面図である。
【0019】
これら図に示すように、面光源装置1は、平面形状が矩形形状の筐体2と、この筐体2
内から出射する面状照明光を透過する平面形状が矩形形状の発光面部材3と、を有してい
る。
【0020】
筐体2は、合成樹脂材料(例えば、PC,PMMA)や金属材料(例えば、SUS、A
l)で形成されており、平面視した形状が矩形形状の底面4の外縁に沿って第1〜第4の
側壁5〜8が立設されており、第1〜第4の側壁5〜8の先端に天井枠10が固定され、
この天井枠10に内部空間11と外部空間12とを連通する開口部13が形成されている
。ここで、筐体2は、平面形状において、対向する一対の短辺を第1の側壁5と第3の側
壁7とし、対向する一対の長辺を第2の側壁6と第4の側壁8とする。そして、図1(a
)において、筐体2は、時計回り方向に沿って第1〜第4の側壁5〜8が順に配置されて
いる。なお、天井枠10は、第1〜第4の側壁5〜8の先端に沿って一定幅の額縁領域を
形成しており、その額縁領域の内側に平面視した形状が矩形形状の開口部13が形成され
ている。
【0021】
第1の側壁5の内面及び第3の側壁7の内面には、図4及び図5におけるY方向に沿っ
て複数の発光装置14が等間隔で複数設置されている。そして、第1の側壁5側の発光装
置14と第3の側壁7側の発光装置14は、図4及び図5におけるX方向に沿って延びる
仮想線上に対向するように位置している。発光装置14は、第1の側壁5の内面及び第3
の側壁7の内面に固定された基板15に実装された複数の発光素子16(例えば、LED
)と、この発光素子16と一対一で配置され且つ発光素子16からの光を集光して対向す
る相手側壁7側(図2の+X方向又は−X方向に沿った方向側)へ向けて出射する光束制
御部材17と、を有している。ここで、第1の側壁5側の発光素子16は、発光素子16
からの立体的な出射光束の中心の光が進行する方向を光軸18とすると、光軸18が第1
の側壁5の内面に直交し且つ底面4と平行となるように第1の側壁5に基板15を介して
設置されている。また、第3の側壁7側の発光素子7は、発光素子7からの立体的な出射
光束の中心の光が進行する方向を光軸18とすると、光軸18が第3の側壁7の内面に直
交し且つ底面4と平行となるように第3の側壁7に基板15を介して設置されている(図
2(a)参照)。
【0022】
筐体2の底面4上には、底面4と同一の平面形状に形成された反射部材20が配置され
ている。この反射部材20は、光を拡散・反射する機能を発揮できるようにシート状に形
成された合成樹脂材料(例えば、PET)製の第1反射部材21と、この第1反射部材2
1の表面に部分的に固着されて光を正反射する薄板材料(例えば、アルミニウム,ステン
レス)製の第2反射部材22と、を有している。そして、この反射部材20は、第1反射
部材21のうちの露出した表面(第2反射部材22で覆われていない部分)が拡散反射領
域となり、第2反射部材22の鏡面処理された表面が正反射領域23となる。
【0023】
反射部材20の正反射領域23は、第2の側壁6の内面から第4の側壁8の内面まで延
びる平面形状が矩形形状の領域であり、第1の側壁5側と第3の側壁7側とに一対配置さ
れている。この反射領域23は、発光装置14に近い位置にあるスタートライン(始端縁
)Lsが第1の側壁5又は第3の側壁7と平行に位置しており、発光装置14から遠い位
置にあるエンドライン(終端縁)Leが第1の側壁5又は第3の側壁7と平行に位置して
いる。このような反射部材20の正反射領域23は、発光装置14からの光を発光装置1
4から遠く離れた位置に到達するように反射する。なお、正反射領域23のスタートライ
ンLsの位置及びエンドラインLeの位置は、後述するように、発光面部材3から出射す
る面状の照明光のうち、発光装置14近傍の照明光の明るさを抑え、発光装置14から遠
く離れた位置の照明光を明るくできるように決定される。
【0024】
発光面部材3は、平面形状が矩形形状となるように光透過性に優れた合成樹脂材料(P
ET、PMMA、PC等)で形成されており、従来から公知の光拡散化処理を施すことに
より、光を透過しつつ拡散する光拡散機能を備えている。この発光面部材3は、天井枠1
0の額縁領域の外表面に載せられて天井枠10の開口部13を塞ぎ、開口部13を通過す
る光を透過・拡散する。
【0025】
(光束制御部材の詳細)
図6は、光束制御部材17の詳細を示す図である。なお、図6(a)が光束制御部材1
7の平面図、図6(b)が光束制御部材17の正面図、図6(c)が図6(a)の光束制
御部材17をA5−A5線に沿って切断して示す断面図、図6(d)が光束制御部材17
の裏面図である。
【0026】
光束制御部材17は、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカー
ボネート)、EP(エポキシ樹脂)等の透明樹脂材料や透明なガラスで形成されている。
この光束制御部材17は、リング状のフランジ部24の上面側に出射面25が形成され、
フランジ部24の下面側に全反射面26及び入射面27が形成されている。また、この光
束制御部材17は、フランジ部24の外周端側下面に、全反射面26を取り囲むように位
置する円筒状のホルダ部28が形成されている。そして、この光束制御部材17は、中心
軸30が発光素子16の光軸18と同軸上に位置するように、発光素子16が実装された
基板15上に取り付けられるようになっている(図2(b)参照)。
【0027】
光束制御部材17の入射面27は、光束制御部材17の裏面31側に形成された凹み1
32の内面であり、断面形状が等脚台形形状であって、中心軸30の回りに回転対称とな
るように形成されている。この光束制御部材17の入射面27は、凹み32の底面である
第1入射面33と、この第1入射面33から凹み32の開口縁まで延びるテーパ状円筒面
である第2入射面34とを有している。ここで、第2入射面34は、第1入射面33側の
端縁の内径寸法よりも開口縁側の内径寸法の方が大径となるように、第1入射面33側か
ら開口縁側へ向かうにしたがって内径が漸増している。なお、光束制御部材17の裏面3
1は、凹み32の開口縁の周囲に形成されたリング状の平面であり、中心軸30に直交す
る仮想平面上に位置する平面である。
【0028】
光束制御部材17の全反射面26は、裏面31の外周縁からフランジ部24の下面まで
延びる外表面であり、中心軸30を取り囲むように形成された回転対称面(略円錐台形状
の外表面)である。この光束制御部材17の全反射面26は、裏面31からフランジ部2
4に向かうに従って外径が漸増しており、その母線が外側(中心軸30から離れる側)へ
凸の円弧状曲線である(図6(c)参照)。
【0029】
光束制御部材17の出射面25は、中心軸30の回りに形成された略円錐形状の非球面
であり、頂点35が中心軸30上に位置するように形成され、且つ、下端縁(フランジ部
24上の端縁)の最大径が全反射面26の最大径と同径か又は全反射面26の最大径より
も大きくなるように形成されている。
【0030】
光束制御部材17のホルダ部28は、図6(c)に示すように、下端面(−Z軸方向の
端面)36が全反射面26の下端縁(−Z軸方向の端縁)よりも下方に位置している。そ
して、ホルダ部28の下端面36には、中心軸30を中心とする対称の位置に、丸棒状の
第1位置決め突起37が下方(−Z軸方向)へ突出するように一対形成されている。また
、ホルダ部28の下端面36には、4個の丸棒状の第2位置決め突起38が中心軸30の
周囲に等間隔に位置するように形成されている。このホルダ部28に形成された第1位置
決め突起37は、発光素子16が実装された基板15の位置決め穴40に嵌合され、光束
制御部材17の中心軸30が発光素子16の光軸18と同心となるように、光束制御部材
17を発光素子16に対して位置決めする(図2(b)参照)。また、ホルダ部28に形
成された第2位置決め突起38は、第1位置決め突起37よりも突出高さが低い突起であ
り、発光素子16が実装された基板15上に乗せられて(突き当てられ)、発光素子16
の発光面41に対し、光束制御部材17を発光素子16の光軸18方向に位置決めする(
図2(b)参照)。そして、図2(b)に示すように、基板15に取り付けられた光束制
御部材17は、ホルダ部28の下端面36が発光素子16の発光面41に対して光軸18
方向にオーバーラップするように位置しており、発光素子16の発光面41から出射した
光がホルダ部28の下端面36と基板15との隙間から漏れ難くしている。なお、光束制
御部材17は、第2位置決め突起38が基板15に接着固定されるようになっている。
【0031】
以上のように構成された光束制御部材17は、発光素子16からの光のうちで第1入射
面33から入射した光が出射面25に直接到達し、第2入射面34から入射した光が全反
射面26で全反射されて集光された後に出射面25に到達する。そして、光束制御部材1
7の出射面25は、発光素子16からの光を筐体2の内部空間11へ出射する(図2(b
)参照)。
【0032】
(正反射領域のスタートライン(始端縁)位置の決定)
図7〜図21は、本実施形態に係る面光源装置1において、正反射領域23のエンドラ
イン(終端縁)Leの位置を70mmに固定し、正反射領域23のスタートライン(始端
縁)Lsの位置を代えた場合における被照射面42の照度分布シミュレーション結果を示
す図である(図2(b)、図3参照)。また、図22は、正反射領域23を設けない場合
における被照射面42の照度分布を示す図であり、図7〜図21の照度分布図と対比する
ための図である。ここで、スタートラインLsの位置及びエンドラインLeの位置は、発
光素子16の発光面41から発光素子16の光軸18に沿って測った寸法で表している。
また、被照射面42は、筐体2の天井枠10の内面に位置する仮想平面である。なお、図
7はLs=0mm、図8はLs=10mm、図9はLs=15mm、図10はLs=16
mm、図11はLs=18mm、図12はLs=20mm、図13はLs=22mm。図
14はLs=24mm、図15はLs=25mm、図16はLs=30mm、図17はL
s=35mm、図18はLs=40mm、図19はLs=45mm、図20はLs=50
mm、図21はLs=60mmの場合における照度分布を表している。また、図7〜図2
2において、縦軸は、照度[lx]を示している。また、図7〜図22において、横軸は
、図5(a)に示すように、被照射面42の中央Oを0mmとし、被照射面42の中央O
から+X方向(発光素子16の光軸18に沿った方向)の寸法を発光素子16の発光面4
1の位置(350mmの位置)まで50mm間隔で示し、被照射面42の中央Oから−X
方向の寸法を発光素子16の発光面41の位置(−350mmの位置)まで50mm間隔
で示している。
【0033】
(1)正反射領域のスタートラインの第1例
発光面部材3から出射される面状の照明光のうち、発光装置14近傍の明るさが目立た
ないように抑えるためには、被照射面42における発光装置14近傍の明るさが他部の明
るさと等しいか又は他部の明るさよりも暗くなっていることが求められる。このような観
点から図7〜図21を見ると、正反射領域23のスタートラインLsの位置は、Ls=0
〜30mmの範囲に決定される。また、この正反射領域23のスタートラインLsの位置
は、発光素子16の光軸18を含み且つ筐体2の底面4に直交する仮想平面内において、
発光素子16の発光中心16aから出射した光のうち、底面4と交差する光が光軸18と
なす角を配光角θとすると、Ls=30mmの位置における配光角θが18.5°となっ
た。
【0034】
なお、正反射領域23のスタートラインLsの位置がLs=24,25,30,35m
mの図14〜図17は、+X方向及び−X方向の照度分布線図において、それぞれ2つの
照度のピーク値(P1,P2)が生じる。ここで、発光装置14に近い位置の照度のピー
ク値をP1とし、発光位置14から遠い位置の照度のピーク値をP2とする。そして、図
23に示すように、正反射領域23のスタートラインLsの位置がLs=24,25,3
0,35mmの図14〜図17における+X方向の照度のピーク値P1の変化と照度のピ
ーク値P2の変化を対比して示す。また、図24に示すように、正反射領域23のスター
トラインLsの位置がLs=24,25,30,35mmの図14〜図17における−X
方向の照度のピーク値P1の変化と照度のピーク値P2の変化を対比して示す。これらの
図から、Ls=30mmにおいてP1=P2であり、Ls<30mmにおいてP2>P1
であり、Ls>30mmにおいてP2<P1であることが明らかである。
【0035】
以上のことから、正反射領域23のスタートラインLsは、配光角θ≧18.5°の光
と底面4との交差位置とする。なお、配光角θは、90°以上である場合を含む。例えば
、正反射領域23のスタートラインLsを、発光素子16が取り付けられる側壁5,7の
内面とすることを含む。
【0036】
(2)正反射領域のスタートラインの第2例
発光面部材3から出射される面状の照明光のうち、発光装置14近傍の明るさが目立た
ないように抑えるためには、被照射面42の発光装置14近傍における照度分布に凹凸が
無いか又は凹凸が小さく抑えられていることが好ましい。本実施の形態に係る面光源装置
1が属する技術分野においては、照度分布の凹凸の変化を振幅で表し、振幅を2.0以下
に抑えることを目標としている。ここで、被照射面42の照度のピーク値P1とP2の間
における照度の最小値をBとすると、振幅(S)は、S={P1−(P1−B)/2}/
(P1−B)/2×100、となる。
【0037】
図25は、正反射領域23のスタートラインLsの位置がLs=0,10,15,16
,18,20,22,24mmの各場合の照度分布(図7〜図14の照度分布)から求め
た振幅(S)の変化を示す図である。
【0038】
この図25に示すように、振幅が2以下になるのは、正反射領域23のスタートライン
Lsの位置がLs=17.5mm以下の場合である。この正反射領域23のスタートライ
ンLsの位置がLs=17.5mmの場合は、正反射領域23のスタートラインLsの位
置がLs=18mmの場合の図11と、正反射領域23のスタートラインLsの位置がL
s=30mmの場合の図16とを対比して明らかなように、発光装置14近傍の明るさを
前述の第1例よりも効果的に抑えることができる。ここで、スタートラインLsの位置が
Ls=17.5mmの位置における配光角θは、30.5°となった。
【0039】
以上のことから、正反射領域23のスタートラインLsは、配光角θ≧30.5°の光
と底面4との交差位置とする。なお、配光角θは、90°以上である場合を含む。例えば
、正反射領域23のスタートラインLsを発光素子16が取り付けられる側壁5,7の内
面とすることを含む。
【0040】
(正反射領域のエンドライン(終端縁)位置の決定)
図26〜図39は、本実施形態に係る面光源装置1において、正反射領域23のスター
トライン(始端縁)Lsの位置を0mmに固定し、正反射領域23のエンドラインLeの
位置を代えた場合における被照射面42の照度分布を示す図である(図5参照)。また、
図40は、正反射領域23を設けない場合における被照射面42の照度分布を示す図であ
り、図26〜図39の照度分布図と対比するための図である。なお、図26はLe=50
mm、図27はLe=55mm、図28はLe=60mm、図29はLe=65mm、図
30はLe=70mm、図31はLe=80mm、図32はLe=90mm。図33はL
e=100mm、図34はLe=150mm、図35はLe=200mm、図36はLe
=250mm、図37はLe=300mm、図38はLe=340mm、図39はLe=
350mmの場合における照度分布を表している。また、図26〜図40において、縦軸
は、照度[lx]を示している。また、図16〜図40において、横軸は、図5に示すよ
うに、被照射面42の中央Oを0mmとし、被照射面42の中央Oから+X方向(発光素
子16の光軸18に沿った方向)の寸法を100mm間隔で示し、被照射面42の中央O
から−X方向の寸法を100mm間隔で示している。なお、発光素子16の発光面41の
位置は、被照射面42の中央Oから+X方向へ350mmの位置にあり、また、被照射面
42の中央Oから−X方向へ350mmの位置にある。
【0041】
本実施形態の面光源装置1において、発光面部材3から出射する面状の照明光の輝度ム
ラを抑え、照明品質を向上させるためには、正反射領域23を設けない場合(図40)と
比較して、被照射面42の中央Oにおける照度を高め、被照射面42の照度のばらつきを
小さくする必要がある。そこで、図41に示すように、正反射領域23のエンドラインL
eの位置と被照射面42の中央Oにおける照度との関係を、図26〜図40のデータに基
づいてまとめた。この図41において、正反射領域23のエンドラインLeの位置が0m
mとは、図40の正反射領域23を設けない場合を示している。また、正反射領域23の
エンドラインLeの位置の寸法は、正反射領域23のスタートラインLsの位置から正反
射領域23のエンドラインLeまでの正反射領域23の幅寸法Lを表している(図5参照
)。
【0042】
図41によれば、正反射領域23のエンドラインLeの位置が250mmにおいて、被
照射面42の中央Oの照度が最大値となる。また、図41によれば、少なくとも、正反射
領域23のエンドラインLeの位置が340mm以下の範囲において、正反射領域23を
設けない場合(Le=0mm)よりも被照射面42の中央Oの照度が大きい。しかしなが
ら、図41によれば、正反射領域23のエンドラインLeの位置が250mmを越えると
、被照射面42の中央Oの照度が低下する。そこで、正反射領域23を構成する第2反射
部材22の材料費と正反射領域23を設けたことの効果とを比較考量し、正反射領域23
のエンドラインLeの位置を250mm以下とする。また、この正反射領域23のエンド
ラインLeの位置は、発光素子16の光軸18を含み且つ筐体2の底面4に直交する仮想
平面内において、発光素子16の発光中心16aから出射した光のうち、正反射領域23
と交差する光が光軸18となす角を配光角θとすると、Le=250mmの配光角θが2
°となった。
【0043】
したがって、本実施形態の面光源装置1において、正反射領域23のエンドラインLe
の位置は、配光角θ=2°の光と正反射領域23との交差位置内に配置することが好まし
い。
【0044】
なお、スタートラインLsの位置をθ≧18.5°の光と底面4との交差位置内とした
場合、或いはスタートラインLsの位置をθ≧30.5°の光と底面4との交差位置内と
した場合において、正反射領域23を形成しない場合よりも被照射面42の中央の照度を
向上させるという効果を得るためには、エンドラインLeの位置を、(Lsの位置に到達
する光の配光角θ)>θ≧2°の光と底面4との交差位置内に配置すればよい。
【0045】
このような規定においては、正反射領域23の長さ(LsからLeまでの距離)が極端
に短い場合が含まれることになる。ここで、スタートラインLsを決める際に用いた図7
から図21の結果を参照すると、発光装置14近傍の光の明るさを抑える効果が確認でき
るのはLs≦50mm(Le=70mm)の範囲であり、正反射領域23の長さは20m
m以上の範囲である。これより、正反射領域23の効果を得るためには、前述のLsとL
eの位置についての規定に加えて、正反射領域23の長さを20mm以上とすることが好
ましい。
【0046】
(本実施形態に係る面光源装置の作用・効果)
以上のように、本実施形態の面光源装置1によれば、筐体2の底面4に配置された反射
部材20の正反射領域23が、発光装置14から出射した光を発光装置14から離れた方
向へ向けて反射し(光を吸収することなく、正反射し)、被照射面42における発光装置
14近傍の照度を小さく抑え、被照射面42の中央Oの照度を大きくすることができる。
その結果、本実施形態の面光源装置1は、発光面部材3から出射する面状の照明光のうち
の発光装置14近傍の光の明るさを抑え、発光面部材3から出射する面状の照明光のうち
の中央Oの光の明るさを高めることができるため、光の利用効率を低下させることなく、
出射光の輝度ムラを抑え、明るく均一な面状照明を可能とする。
【0047】
(光束制御部材の変形例)
図42は、光束制御部材17の変形例を示すものである。この図42に示す本変形例に
係る光束制御部材17は、図2(b)及び図6に示す光束制御部材17に代えて使用され
る。なお、図42(a)が光束制御部材17の平面図、図42(b)が光束制御部材17
の正面図、図42(c)が図42(a)の光束制御部材17をA6−A6線に沿って切断
して示す断面図、図42(d)が光束制御部材17の裏面図であり、図42(e)が光束
制御部材17の側面図である。
【0048】
この変形例に係る光束制御部材17は、図6に示した光束制御部材17と同様に、例え
ば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカーボネート)、EP(エポキシ
樹脂)等の透明樹脂材料や透明なガラスで形成されている。この光束制御部材17は、リ
ング状のフランジ部24の上面側に出射面25が形成され、フランジ部24の下面側に全
反射面26及び入射面27が形成されている。また、この光束制御部材17は、フランジ
部24の外周端側下面に、全反射面26を取り囲むように位置する円筒状のホルダ部28
が形成されている。そして、この光束制御部材17は、中心軸30が発光素子16の光軸
18と同軸上に位置するように、発光素子16が実装された基板15上に取り付けられる
ようになっている(図2(b)参照)。
【0049】
光束制御部材17の入射面27は、光束制御部材17の裏面31側に形成された凹み3
2の内面であり、断面形状が等脚台形形状であって、中心軸30の回りに回転対称となる
ように形成されている。この光束制御部材17の入射面27は、凹み32の底面である第
1入射面33と、この第1入射面33から凹み32の開口縁まで延びるテーパ状円筒面で
ある第2入射面34とを有している。ここで、第2入射面34は、第1入射面33側の端
縁の内径寸法よりも開口縁側の内径寸法の方が大径となるように、第1入射面33側から
開口縁側へ向かうにしたがって内径が漸増している。なお、光束制御部材17の裏面31
は、凹み32の開口縁の周囲に形成されたリング状の平面であり、中心軸30に直交する
仮想平面上に位置する平面である。
【0050】
光束制御部材17の全反射面26は、裏面31の外周縁からフランジ部24の下面まで
延びる外表面であり、中心軸30を取り囲むように形成された回転対称面(略円錐台形状
の外表面)である。この光束制御部材17の全反射面26は、裏面31からフランジ部2
4に向かうに従って外径が漸増しており、その母線が外側(中心軸30から離れる側)へ
凸の円弧状曲線である(図42(c)参照)。
【0051】
光束制御部材17の出射面25は、中心軸30(光軸18)よりも底面4寄りに位置す
るように配置される第1出射面25aと、この第1出射面25aよりも底面4から離れた
位置に配置される第2出射面25bとを有している(図2(b)参照)。光束制御部材1
7の第1出射面25aは、中心軸30の回りに180°の角度範囲で形成された略半円錐
形状の非球面であり、底面4に直交し且つ中心軸30を含む仮想断面と第1出射面25a
との交線を母線とし、その母線を中心軸30の周りに±90°の角度範囲で回転させて形
成された半錐面である。そして、この第1出射面25aは、頂点35が中心軸30上に位
置するように形成され、且つ、下端縁(フランジ部24上の端縁)の最大径が全反射面2
6の最大径と同径か又は全反射面26の最大径よりも大きくなるように形成されている。
また、光束制御部材17の第2出射面251bは、中心線30に沿った上端縁(頂辺)4
3が第1出射面25aの頂点35と同一高さになるように形成され、且つ、中心線44に
直交する方向へ向かうにしたがって高さ(フランジ部24の上面からの中心軸30に沿っ
た方向の高さ)を漸減させるように形成された傾斜面であって、中心軸30の回りに18
0°の角度範囲で形成されている。ここで、中心軸30に直交する仮想平面45と第2出
射面25bとのなす角β2は、第1出射面25aの母線と中心軸30に直交する仮想平面
45とのなす角β1よりも大きく(β2>β1)なっている。また、第2出射面25bは
、出射面25を平面視した場合、中心軸30に直交する中心線44によって第1出射面2
5aと区分けされている。なお、第1出射面25aと第2出射面25bは、中心軸30を
中心とする線対称の一対の起立壁46,46で接続されている。この起立壁46は、図4
2(b),(c)に示すように、正面側の形状が三角形状であり、第1出射面25aから
第2出射面25bまで中心軸30に沿って立ち上がっており、第1出射面25a及び第2
出射面25bから出射できなかった光のうちの一部が出射するようになっている。
【0052】
以上のように構成された光束制御部材17は、発光素子16らの光のうちで第1入射面
33から入射した光が第1出射面25a及び第2出射面25bに直接到達し、第2入射面
34から入射した光が全反射面26で全反射されて集光された後に第1出射面25a及び
第2出射面25bに到達する。そして、光束制御部材17の第1出射面25a及び第2出
射面25bは、発光素子16からの光を筐体2の内部空間11へ出射する(図2(b)参
照)。また、光束制御部材17の起立壁46,46は、第1出射面25a及び第2出射面
25bから出射できなかった発光素子16からの光のうちの一部を出射するようになって
いる。これにより、光束制御部材17から出射された発光素子16からの光は、光軸30
を中心として底面4側に位置する光が光軸30を中心として発光面部材3側に位置する光
よりも多くなり、図6の光束制御部材17を使用した場合と比較し、反射部材20の正反
射領域23によって反射される光が多くなる。その結果、本変形例に係る光束制御部材1
7を使用した面光源装置1は、図6に示す光束制御部材17を使用した面光源装置1と比
較し、発光面部材3から出射する面状照明光のうち、発光装置14から離れた位置の照明
光をより一層明るくすることが可能になる。
【0053】
なお、中心軸30に直交する仮想平面45と第2出射面25bとのなす角β2は、中心
軸30に直交する仮想平面45と第1出射面25aの母線とのなす角β1に等しく(β2
=β1)してもよく、また、中心軸30に直交する仮想平面45と第1出射面25aの母
線とのなす角β1よりも僅かに小さく(β2<β1)してもよい。
【0054】
(表示装置)
図2(a)及び図2(b)に示すように、表示装置50は、面光源装置1の発光面部材
3に被照明物(液晶表示パネル、広告板等)51を重ねて配置し、面光源装置1の発光面
部材3から出射した面状の照明光によって被照明物51を照明できるようになっている。
【0055】
[第2実施形態]
図43乃至図44は、本発明の第2実施形態に係る面光源装置1を示すものである。な
お、図43(a)は、図2(a)に対応する面光源装置1の断面図である。また、図43
(b)は、図2(b)に対応する面光源装置1の一部拡大断面図である。また、図44は
、図3に対応する面光源装置の一部拡大図である。また、本実施形態に係る面光源装置1
において、第1実施形態に係る面光源装置1の構成と対応する部分には同一符号を付し、
第1実施形態に係る面光源装置1の説明と重複する説明を省略する。
【0056】
図43乃至図44に示すように、本実施形態に係る面光源装置1において、発光面部材
3は、筐体2の開口部13を塞ぐプリズムシート52と、このプリズムシート52上に重
ねて配置された光拡散シート53とで構成されている。
【0057】
プリズムシート52は、平面形状が矩形形状となるように光透過性に優れた合成樹脂材
料(PET、PMMA、PC等)で形成されており、発光素子6の光軸18に沿って延び
る断面略三角形状の溝(プリズム溝)54が光軸18と直交する方向に複数形成されてい
る。このプリズムシート52は、溝54を形作る傾斜面がプリズムシート52内に入射し
た光の一部を再帰反射して内部空間11内へ戻し、内部空間11内を導光する機能を発揮
する。そして、このプリズムシート2は、溝54が光拡散シート53と対向するように配
置されている。
【0058】
光拡散シート53は、平面形状が矩形形状となるように光透過性に優れた合成樹脂材料
(PET、PMMA、PC等)で形成されており、従来から公知の光拡散化処理を施すこ
とにより、光を透過しつつ拡散する光拡散機能を備えている。この光拡散シート53は、
プリズムシート52を透過した光を透過・拡散する。
【0059】
このような本実施形態に係る面光源装置1は、プリズムシート52を有しない第1実施
形態に係る面光源装置1と比較し、導光機能を発揮するプリズムシート52を有している
ため、発光装置14から出射した光を発光装置14から遠く離れた位置まで導光すること
が可能となる。そのため、本実施形態に係る面光源装置1は、反射部材20の正反射領域
23における光反射機能が大きすぎると、発光装置14近傍の被照射面42の照度を下げ
すぎ、被照射面42の中央の照度を高くしすぎて、発光面部材3から出射される面状照明
光の発光装置14近傍と中央とで明暗の差が大きくなり、照明品質が低下する。そこで、
以下のように、本実施形態の面光源装置1において、プリズムシート52と組み合わせて
使用される反射部材20の正反射領域23が照明品質の低下を招くことがない幅寸法L、
すなわち、正反射領域23のエンドラインLeの好ましい位置を再検討する。
【0060】
(正反射領域のエンドライン(終端縁)の決定)
図45〜図54は、本実施形態に係る面光源装置1において、正反射領域23のスター
トライン(始端縁)Lsの位置を0mmに固定し、正反射領域23のエンドラインLeの
位置を代えた場合における被照射面42の照度分布を実線で示すものである。また、図4
5〜図54において、点線で示す照度分布は、第1実施形態に係る面光源装置1(プリズ
ムシート52を有しない場合)における被照射面42の照度分布を示すものであり、本実
施形態に係る面光源装置1における被照射面42の照度分布と対比するためのものである

【0061】
なお、図45はLe=50mm、図46はLe=70mm、図47はLe=75mm、
図48はLe=100mm、図49はLe=130mm、図50はLe=150mm、図
51はLe=200mm。図52はLe=230mm、図53はLe=250mm、図5
4はLe=300mmの場合における照度分布を表している。また、図45〜図54にお
いて、縦軸は、照度[lx]を示している。また、図45〜図54において、横軸は、図
5に示すように、被照射面42の中央Oを0mmとし、被照射面42の中央Oから+X方
向(発光素子16の光軸18に沿った方向)の寸法を50mm間隔で示し、被照射面42
の中央Oから−X方向の寸法を50mm間隔で示している。なお、発光素子16の発光面
51の位置は、被照射面42の中央Oから+X方向へ350mmの位置にあり、また、被
照射面42の中央Oから−X方向へ350mmの位置にある。
【0062】
本実施形態に係る面光源装置1において、発光面部材3から出射される面状照明光の発
光装置14近傍と中央部とで明暗の差が大きくならず、照明品質が低下するのを抑えるに
は、照射面42における照度が発光装置14近傍から中央へ向かって連続的に増加するこ
とが好ましい。このような観点から図45〜図54をみると、正反射領域23のエンドラ
インLeの位置がLe=130〜300mmの場合(図49〜図54の場合)、被照射面
42の中央Oから光軸18に沿って±312mmの位置における被照射面42の照度は約
40[lx]であって、プリズムシート52の光導光機能による影響はないが、被照射面
42の中央Oから光軸18に沿って±248mmの位置における被照射面42の照度は低
下し(約10[lx]低下し)、照射面42における照度が発光装置14近傍から中央0
へ向かって連続的に増加するようになっていない。
【0063】
一方、図45〜図48に示すように、正反射領域23のエンドラインLeの位置がLe
≦100mmの範囲においては、被照射面42の中央Oから光軸18に沿って±248m
mの位置における被照射面42の照度が40[lx]以上となっており、照射面42にお
ける照度が発光装置14近傍から中央部へ向かって連続的に増加するようになっている。
【0064】
そこで、本実施形態に係る面光源装置1は、正反射領域23のエンドラインLeの位置
を100mm以下とする。また、この正反射領域23のエンドラインLeの位置は、発光
素子16の光軸18を含み且つ筐体2の底面4に直交する仮想平面内において、発光素子
16の発光中心16aから出射した光のうち、底面4と交差する光が光軸18となす角を
配光角θとすると、Le=100mmの配光角θが5.5°となった。
【0065】
したがって、本実施形態の面光源装置1において、正反射領域23のエンドラインLe
の位置は、配光角θ=5.5°の光と底面4との交差位置に配置することが好ましい。
【0066】
なお、スタートラインLsの位置をθ≧18.5°の光と底面4との交差位置内とした
場合、或いはスタートラインLsの位置をθ≧30.5°の光と底面4との交差位置内と
した場合において、正反射領域23を形成しない場合よりも被照射面42の中央Oの照度
を向上させるという効果を得るためには、エンドラインLeの位置を、(Lsの位置に到
達する光の配光角θ)>θ≧2°の光と底面4との交差位置内に配置すればよい。
【0067】
また、正反射領域23の効果に加えてプリズムシートの光導光機能により面光源装置の
高性能化を図る場合においても、正反射領域23の長さは20mm以上とすることが好ま
しい。
【0068】
(本実施形態の効果)
本実施形態の面光源装置1は、第1実施形態に係る面光源装置1と同様に、筐体2の底
面4に配置された反射部材20の正反射領域23が、発光装置14から出射した光を発光
装置14から離れた方向へ向けて反射し、被照射面42における発光装置14近傍の照度
を小さく抑え、被照射面42の中央Oの照度を大きくすることができる。その結果、本実
施形態の面光源装置1は、発光面部材3から出射する面状の照明光のうちの発光装置14
近傍の光の明るさを抑え、発光面部材3から出射する面状の照明光のうちの中央部の光の
明るさを高めることができ、光の利用効率を低下させることなく、出射光の輝度ムラを抑
え、明るく均一な面状照明を可能とする。
【0069】
しかも、本実施形態の面光源装置1は、図45〜図48に示すように、第1実施形態に
係る面光源装置1と比較し、被照射面42の照度を均一化することができ、発光面部材3
から出射する面状の照明光の輝度をより一層均一化することができる。
【0070】
なお、本実施形態に係る面光源装置1は、第1実施形態に係る面光源装置1と同様に、
発光面部材3に被照明物(液晶表示パネル、広告板等)51を重ねて配置し、面光源装置
1の発光面部材3から出射した面状の照明光によって被照明物51を照明する表示装置5
0を構成することができる。
【0071】
また、本実施形態に係る面光源装置1は、プリズムシート52の溝54が光拡散シート
53と対向する面側に位置するように配置されているが(図44参照)、図55に示すよ
うに、プリズムシート52を表裏反転して配置するようにしてもよい。
【0072】
なお、本実施形態においては、複数の発光装置を等間隔で設置する例を示したが、本発
明はこれに限られず、従来技術のように複数の発光素子に1つの光束制御部材(例えば、
シリンドリカルレンズ)を組み合わせて1つの発光装置として、これを側壁に設置する形
態においても適用できる。この場合、光束制御部材も、本実施の形態における光束制御部
材と同様に、面光源装置の厚み方向の出射光の広がりを抑制する機能を有する。
【0073】
また、本実施の形態において、発光装置を向かい合う側壁に対向するように設置する例
を示したが、本発明はこれに限られず、1つの側壁のみに1つまたは複数の発光装置を設
置してもよい。
【0074】
さらに、本実施の形態においては、筐体の底面に第1反射部材21と第2反射部材22
を設置する例を示したが、本発明はこれに限られず、筐体自体を第1反射部材21と同様
の反射機能を有する材料で形成し、第2反射部材22のみを配置するようにしてもよく、
筐体自体を第2反射部材23と同様の反射機能を有する材質で形成し、第1反射部材21
のみを配置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1……面光源装置、2……筐体、3……発光面部材、4……底面、5,7……側壁、1
1……内部空間、13……開口部、14……発光装置、16……発光素子、16a……発
光中心、17……光束制御部材、18……光軸、20……反射部材、21……第1反射部
材(拡散反射領域)、23……正反射領域、25……出射面、25a……第1出射面、2
5b……第2出射面、26……全反射面、27……入射面、30……中心軸、31……裏
面、32……凹み、33……第1入射面、34……第2入射面、50……表示装置、51
……被照明物、52……プリズムシート、53……光拡散シート、54……溝、Ls……
スタートライン、Le……エンドライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の底面に対向する天井側には開口部が形成され、
前記筐体の対向する一対の側壁の内面側には発光装置が設置され、
前記筐体の前記底面には前記発光装置から出射される光を反射する反射部材が配置され

前記筐体の前記天井側には前記開口部を塞ぎ且つ前記発光装置からの光を透過・拡散す
る発光面部材が配置され、
前記発光装置は、発光素子と、この発光素子と一対一で配置され且つ前記発光素子から
の光を集光して前記一対の側壁のうちの対向する前記側壁側へ向けて出射する光束制御部
材とを有し、
前記反射部材は、前記筐体の内部空間側に正反射領域と拡散反射領域とが設けられ、
前記発光素子は、前記発光素子からの立体的な出射光束の中心の光が進行する方向を光
軸とすると、前記光軸が前記側壁の前記内面に直交し且つ前記底面と平行となるように前
記側壁に設置され、
前記正反射領域は、少なくとも前記発光装置の近傍に配置されて、前記発光装置から出
射した光を前記発光装置から離れた方向へ向けて反射し、前記発光面部材から出射する面
状の照明光のうちの前記発光装置近傍の光の明るさを抑え、前記発光面部材から出射する
面状の照明光のうちの中央部の光の明るさを高める、
ことを特徴とする面光源装置。
【請求項2】
前記正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交する方向に延びる所定幅の帯状の領域
であり、前記発光素子に近い位置の端縁をスタートラインとし、前記スタートラインより
も前記発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラインとし、
前記発光素子の発光中心から出射した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁と前記底
面に直交する仮想平面内に位置する光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角θとする
と、
前記正反射領域のスタートラインは、配光角θ≧18.5°の光と前記底面との交差位
置にあり、
前記正反射領域のエンドラインは、配光角θ≧2°の光と前記底面との交差位置にあり

且つ、スタートラインからエンドラインまでの距離は20mm以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交する方向に延びる所定幅の帯状の領域
であり、前記発光素子に近い位置の端縁をスタートラインとし、前記スタートラインより
も前記発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラインとし、
前記発光素子の発光中心から出射した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁と前記底
面に直交する仮想平面内に位置する光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角θとする
と、
前記正反射領域のスタートラインは、配光角θ≧30.5°の光と前記底面との交差位
置にあり、
前記正反射領域のエンドラインは、配光角θ≧2°の光と前記底面との交差位置にあり
、 且つ、スタートラインからエンドラインまでの距離は20mm以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記発光面部材は、前記開口部を塞ぐプリズムシートと、このプリズムシートを透過し
た前記発光装置からの光を透過・拡散する光拡散シートと、が重ねて配置されたものであ
り、
前記プリズムシートは、前記光軸に沿って延びる断面略三角形状の溝が前記光軸と直交
する方向に複数形成され、前記溝を形作る傾斜面が前記発光装置からの光の一部を反射し
て導光するようになっており、
前記正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交する方向に延びる所定幅の帯状の領域
であり、前記発光素子に近い位置の端縁をスタートラインとし、前記スタートラインより
も前記発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラインとし、
前記発光素子の発光中心から出射した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁と前記底
面に直交する仮想平面内に位置する光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角θとする
と、
前記正反射領域のスタートラインは、配光角θ≧18.5°の光と前記底面との交差位
置にあり、
前記正反射領域のエンドラインは、配光角θ≧5.5°の光と前記底面との交差位置に
あり、
且つ、スタートラインからエンドラインまでの距離が20mm以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記発光面部材は、前記開口部を塞ぐプリズムシートと、このプリズムシートを透過し
た前記発光装置からの光を透過・拡散する光拡散シートと、が重ねて配置されたものであ
り、
前記プリズムシートは、前記光軸に沿って延びる断面略三角形状の溝が前記光軸と直交
する方向に複数形成され、前記溝を形作る傾斜面が前記発光装置からの光の一部を反射し
て導光するようになっており、
前記正反射領域は、前記光軸の方向に対して直交する方向に延びる所定幅の帯状の領域
であり、前記発光素子に近い位置の端縁をスタートラインとし、前記スタートラインより
も前記発光素子から遠い位置にある端縁をエンドラインとし、
前記発光素子の発光中心から出射した光のうち、前記光軸を含み且つ前記側壁と前記底
面に直交する仮想平面内に位置する光の進行方向と前記光軸とのなす角を配光角θとする
と、
前記正反射領域のスタートラインは、配光角θ≧30.5°の光と前記底面との交差位
置にあり、
前記正反射領域のエンドラインは、配光角θ≧5.5°の光と前記底面との交差位置に
あり、
且つ、スタートラインからエンドラインまでの距離は20mm以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項6】
前記光束制御部材は、その中心軸が前記光軸に合致するように配置されており、前記発
光素子からの光を入射させる入射面と、前記入射面から入射した光の一部を全反射して集
光する全反射面と、前記全反射面で反射された光及び前記入射面から直接到達した光を出
射する出射面と、を有し、
前記入射面は、前記発光素子に対向するように裏面側に形成された凹みの内面であり、
前記凹みの底部に位置する第1入射面と、この第1入射面から前記凹みの開口縁の間に位
置する第2入射面と、を有し、
前記全反射面は、前記裏面側と前記出射面側との間に形成され、且つ、前記光軸を取り
囲むように形成されて、前記入射面のうちの主に第2入射面から入射した光を前記出射面
側へ向けて全反射するようになっており、
前記出射面は、前記裏面と反対側の位置で、且つ、前記光軸の周りに形成され、前記光
軸よりも前記反射部材側に配置される第1出射面と、前記第1出射面よりも前記反射部材
から離れた位置側に配置される第2出射面と、を有し、
前記第2出射面は、前記発光素子の光軸を回転軸として前記第1出射面を180°回転
させた面からの出射光の配光特性と比較して、前記第2出射面からの出射光の方が、前記
反射部材側へ向かう光束が多くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項7】
前記請求項1乃至6のいずれかに記載の面光源装置と、前記面光源装置から出射した面
状の照明光で照明される被照明物と、
を備えたことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【公開番号】特開2013−77405(P2013−77405A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215747(P2011−215747)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】