説明

面状光源および電飾看板

【課題】 レンズ部を有しない安価で、かつ、変色による輝度の劣化も生じにくいLEDを用いながら、トレイ状箱体の底面にLEDを配置して面内で均一な輝度となる面状光源およびそれを用いた電飾看板を提供する。
【解決手段】 底面が、たとえば正四角形で上面が開放され、内面に光乱反射部材11bが設けられると共に、側壁11cが外側に傾斜したトレイ状箱体11の底面の少なくとも2か所の側壁11cに孔11dが形成され、その外側に、箱体11の内部に光を放射するようにLED7が設けられている。そして、この箱体11の側壁11cに形成される孔11dの上側に側壁11cから延びる庇部11hが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置のバックライトや、電飾看板の照明などに用いられる面状光源およびそれを用いた電飾看板に関する。さらに詳しくは、発光ダイオードなどの半導体発光素子を光源として用いながら、薄型で大形のテレビなどの液晶表示装置用バックライトとしても用いることができ、省電力で、明るく、かつ、表面の輝度および色度を均一にすることができる面状光源およびそれを用いた電飾看板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の省電力化の要請に伴い、たとえば大形の液晶表示装置や電飾看板でも、バックライトとして、冷陰極管に代え、低電圧駆動が可能な半導体発光素子(以下、LEDともいう)を用いることが検討されている。この場合、たとえば図12に示されるように、導光板111の側面からLED112などの光を導入し、その裏面側に光反射面を設けてその表面側から光を取り出す構成(たとえば特許文献1参照)か、図13に示されるように、反射板113上に設けられた発光素子112(チップまたはLED製品)を並べて、その光の自然拡散により光拡散部材114の位置で、面内の光強度(輝度)の均一性を図り、光拡散部材114の表面から均一な輝度の光を放射することによりバックライトとしている。
【0003】
前者の場合、たとえば一辺が50mm以下程度の小形の液晶パネルであれば、導光板でほぼ面内の輝度を均一化することができるが、それより大きい画面の液晶表示装置では、面内を完全には均一化することができず、導光板を何枚か並べないと大形の光源にすることができない。しかし、導光板111には、側面から光を導入しなければならず、その光源(LED112)の部分が邪魔になり、導光板を並べて大形の均一な輝度の光源にすることができない(LED112の部分で面内輝度の不均一が生じる)。すなわち、導光板を何枚も並べて(タイリングして)所望の大きさの面状光源とすることができない。
【0004】
また、後者の場合、配列されたLEDを必要な大きさになるまで並べればよいため、所望の大きさの面状光源を実現することができ、今日の大形液晶テレビのバックライトなどに実用化されている。しかし、この方式では、個々のLEDからの光が光拡散部材114を介して直接液晶パネルに照射されるため、隣接するLED112間も均一な輝度にするには、LED112の底面から光拡散部材114までの距離dを70mm程度はとらないとLED112の中間部で輝度低下が生じる(光拡散部材114が設けられていても光の指向性をなくするだけで、導光板のように光を混合する作用はない)。さらに、白色LEDでも、その色度が個々のLEDでばらつき、また、RGBそれぞれのLEDを用いて混色することにより白色光にしようとすると、さらに光拡散部材114までの距離を大きくしないと完全には混色されず、均一な色度が得られない。しかし、距離dを大きくすると、薄型化の妨げとなると共に、光拡散部材114の表面から放射する光の輝度はdの2乗に反比例して低下するという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するため、たとえば図11(a)に平面説明図、図11(b)にその断面説明図による光の進行方向が示されるように、内面を光反射部材が形成されることにより乱反射特性を向上させ、側壁11cを傾斜させたトレイ状の箱体11の底面の少なくとも2隅に、LED7を回転対照的に配置し、箱体11内で各LED7の光をミキシングすることにより、輝度や色度のバラつきを均一化させ、かつ、箱体11の表面の面内で輝度が均一になるように、その側壁11cの傾斜角を調整した面状光源ユニット1が本発明者により開示されている(たとえば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−320514号公報
【特許文献2】特開2007−207752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のトレイ状の箱体底面にLEDを配置する光源では、箱体開口面での輝度を均一にするため、箱体の底面と側面とでLEDからの光を反射させ、箱体内で反射させながら光をミキシングさせながら輝度の均一化を図っている。したがって、14mm程度の高さの側壁にLEDからの光の大部分を当てて箱体内に反射させる必要があり、指向特性が45〜60°程度(中心軸に対しては22〜30°程度)のLEDが、底面と水平方向に光を放射するように箱体の底面に設けられている。その結果、LEDから放射され、下側に広がる光は箱体の底面で反射され、上側に広がる光もそれほど上には広がらないため、大部分が側壁で反射されて箱体内で反射されながらミキシングされ、開口面から放射されることにより、輝度の均一化が図られている。しかし、このような45〜60°程度の指向性のLEDにするには、ドーム型のLEDや、チップ型LEDではその表面に集光用のレンズ部を形成しないと得られない。このようなドーム型やレンズ部を形成したLEDは、エポキシ樹脂などによりドームやレンズ部が形成されるため、光によってエポキシ樹脂が劣化しやすく、劣化して変色すると輝度が低下すると共に、コストが上昇するという問題がある。
【0007】
一方、指向角度(LEDから放射される光の広がりの角度を意味する、以下同じ)の大きいLEDを用いると、指向角度の大きい光は直接上方に進む光が多くなるため、図11(c)に、面状光源ユニット上に設けられる光拡散部材13の輝度の大きい部分(斜線で示した部分)が示されるように、面内での輝度の均一化を達成することができない。その理由は、図11(b)と同様の光の進行方向を示す説明図が図11(d)に示されるように、従来の指向角度が60°(箱体底面に対しては30°)で上方に進む光は側壁に当たらないで直接外部に出るが、その光と、手前側のLED7の指向角度が120°(箱体底面に対しては60°)の強い光(光源であるLED7から近いため強い)とが合せて光拡散部材13に入るため、輝度が大きくなる。その結果、LEDの指向角度が大きい場合には、面状光源ユニット1の面内での輝度の均一化が図れないと共に、ミキシングも充分ではなく、均一な色度も得難いという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題を解決し、レンズ部を有しない安価で、かつ、変色による輝度の劣化も生じにくい半導体発光素子(LED)を用いながら、トレイ状箱体の底面にLEDを配置して面内で均一な輝度となる面状光源ユニットを形成し、その面状光源ユニットを所望の数だけ並べて、薄型で大形の液晶テレビにも、電飾看板にも用いることができる、均一な輝度の面状光源を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、大形の表示パネルを展示する電飾看板でも、薄型で均一に表示することができる低消費電力の電飾看板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による面状光源ユニットは、底面が三角形以上の多角形で上面が開放され、内面に光反射部材が設けられると共に、側壁が外側に傾斜したトレイ状の箱体と、該箱体の底面の少なくとも2か所の前記側壁に形成された孔の外側に配置され、該箱体の内部に光を放射するように設けられる半導体発光素子とを有し、前記側壁に形成される孔の上側に前記側壁から延びる庇部が形成されている。
【0011】
この場合、半導体発光素子としては、通常の半導体発光素子(LED)の各種の構造のものを使用することができ、ドーム型およびチップ型のいずれのタイプでも、また、レンズつきのものでも使用することができるが、とくにレンズがなく、指向角度の大きいLEDの場合に、本発明の効果が大きい。また、LEDは、白色発光のLEDに限らず、赤(R)、緑(G)、青(B)の光を発光するそれぞれの別々のLEDで混色するものでも良い。
【0012】
前記庇部は、その中心部の長さが、前記発光素子の発光面の上端から水平面に対して40°以上の角度で放射する光をカットし、かつ、20°以下の角度で放射する光を遮断しないような長さに形成されることにより、直接上方に向かう光が庇部により反射されて箱体の底面に向かい、さらに反射されて箱体内で反射を繰り返して均一化されるため好ましい。
【0013】
前記庇部が、前記箱体の側壁に孔を形成するために切り取られた部分の一部を折り曲げることにより形成されることにより、新たな材料を必要とすることなく、簡単に形成することができる。
【0014】
前記箱体が平面形状で四角形に形成される場合、前記発光素子は、前記箱体の4つの角部または4つの各側壁の中央部に設けられ得るし、さらに各角部などに2個以上のLEDを設けることもできる。
【0015】
本発明による面状光源は、底面が三角形以上の多角形で上面が開放され、内面に光反射部材が設けられると共に、側壁が外側に傾斜したトレイ状の箱体と、該箱体の底面の少なくとも2か所の前記側壁に形成された孔の外側に配置され、該箱体の内部に光を放射するように設けられる半導体発光素子とを有し、前記側壁に形成される孔の上側に前記側壁から延びる庇部が形成されてなる面状光源ユニットが、少なくとも前記箱体の開放面側は光を透過させる材料からなるケースで被覆されると共に、電源接続手段が前記ケースから導出される構造、または、前記面状光源ユニットが複数個並設され、該複数個の面状光源ユニットをカバーするように1個の光拡散部材が設けられる構造にすることができる。
【0016】
なお、面状光源ユニットを複数個並設する場合、面状光源ユニットを隙間なしで並べることにより、開放面全体で均一な輝度になりやすく、箱体と光拡散部材との距離を小さくすることができ、薄型の面状光源とすることができるが、薄型にする必要がなく、また、それほど明るくする必要のない場合には、間隔をあけて配設することができる。また、ここに光拡散部材とは、通称乳半アクリルと呼ばれる乳白色のアクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ガラスなどの板状体からなる通常の光拡散板の他に、集光用プリズムや、表示パネルもしくは液晶パネルなどを直接配設する場合も含む。
【0017】
本発明による電飾看板は、底面が三角形以上の多角形で上面が開放され、内面に光反射部材が設けられると共に、側壁が外側に傾斜したトレイ状の箱体と、該箱体の底面の少なくとも2か所の前記側壁に形成された孔の外側に配置され、該箱体の内部に光を放射するように設けられる半導体発光素子とを有し、前記側壁に形成される孔の上側に前記側壁から延びる庇部が形成されてなる面状光源ユニットが複数個並列されることにより面状光源が形成され、該面状光源の表面側に、一定距離を介して光拡散板および表示パネルが設けられている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、トレイ状箱体の底面側に設けられるLEDからの光が入射する部分の箱体側壁に、庇部が形成されているため、LEDの指向角度が大きくても、直接光がトレイ状箱体上部の開口面から外に出ることなく、上向きの光は庇部分に当たって下側に反射するため、LED近傍の上部が極端に明るくなるという輝度の不均一を生じさせない。また、庇部で反射した光は箱体内でさらに反射を繰り返すため、箱体の底面および側壁で乱反射して箱体内で相互にミキシングされ、少なくとも2か所に設けられる発光素子の輝度、色度および発光色が平均化されて前記箱体の開放された上面から均一な輝度で放射される。その結果、LEDとして、指向角度が45°〜60°という狭い指向特性を有するLEDを使用しなくても、広い指向特性のLEDを使用することができ、レンズ部のないLEDを使用することができる。そのため、レンズを形成する樹脂を使用する必要がなく、経年劣化を防止することができると共に、LED自身を安価にすることができる。
【0019】
しかも、指向特性の広いLEDであれば、従来の1個のLEDの照射領域が箱体の主として1/2の領域を受け持つようにして、LEDを回転対照的に各隅部に設ける必要もなくなり、たとえば指向角度が120°程度のLEDであれば、底面角部から箱体内の全体に向けて放射するように配置することもできるし、一辺の中央部の底面側に設けられても、1個のLEDで箱体内のほぼ全体を照射することができながら、上方には、庇部により遮られて直接外に逃げる光は抑制される。そのLEDが設けられた辺のLED近傍では、影となって光の照射が弱くなる部分が生じるが、その対向する辺の中央部に別のLEDを設けることにより、影となった部分に強く光を照射することができるため、全面でほぼ均一な輝度とすることができる。すなわち、少なくとも2個のLEDが設けられているため、対向するように設ければ、お互いに影となる部分を補い、その他の部分では両方の光が混合されてミキシングされるため、LED間で輝度や色度にバラツキがあっても、その平均化された輝度および色度となり、さらにLEDの数を増やすことにより、より一層平均化される。
【0020】
もちろんトレイ状箱体の少なくとも対向する角部に2個づつのLEDを配置することもできるが、指向角度が大きい場合には、それぞれのLEDを箱体の全体に向けて照射するように発光面を向けてLEDを配置することが好ましい。しかも、LEDはトレイ状箱体底部の外側に設けられ、箱体の側壁に設けられる孔から箱体内へ光を照射するように設けられているため、箱体を並べて配置することにより大きな面状光源としても底部側に隙間が形成され、その隙間内にLEDおよびそのリードの接続部などを設けることができながら、箱体の正面側では外側に出っ張り部分がなく、この箱体を縦横に所望の数だけ並べることにより、隙間なく所望の大きさの面状光源とすることができる。その結果、大形の電飾看板でも、LEDを用いて、低消費電力で、かつ、高寿命で、メンテナンスフリーの看板を実現することができる。なお、用途によっては、この箱体を一定間隔あけて配置する電飾看板とすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
つぎに、図面を参照しながら本発明による面状光源およびそれを用いた電飾看板について説明をする。本発明による面状光源ユニットは、図1(a)〜(c)にその一実施形態の平面、(a)のB−B断面、および箱体の断面の説明図がそれぞれ示されるように、底面が三角形以上の多角形(図1に示される例では正四角形)で上面が開放され、内面に光反射部材11bが設けられると共に、側壁11cが外側に傾斜したトレイ状の箱体11の底面の少なくとも2か所の側壁11cに孔11dが形成され、その外側に、箱体11の内部に光を放射するように半導体発光素子(LED)7が設けられている。本発明では、この箱体11の側壁11cに形成される孔11dの上側に側壁11cから延びる庇部11hが形成されている。
【0022】
箱体11は、たとえば図1(c)に断面説明図が示されるように、たとえば0.35mm厚程度のアルミニウム板11aの一面に、たとえば東レ株式会社製の商品名E60(180μm程度厚のポリエステルの発泡シート)からなる光乱反射部材11bを貼り付けたものを、後述する図2(b)に示されるように打ち抜き、その端面側を、トレイ状に折り曲げることにより形成されている。本発明では、この打ち抜き形状を、トレイ状箱体にするだけではなく、箱体11の底面で外側に設けられるLED7からの光を箱体11内部に導入できるように、孔11dが形成されると共に、その孔11dの上部に形成される庇部11hを残すように打ち抜かれる。
【0023】
この孔11dは、図1(b)に(a)のB−B断面説明図(箱体の光反射部材11bは省略してある)が示されるように、LED7から放射される光を箱体11の内部に照射することができるように、箱体11の側壁11cの底面部に形成されている。図1に示される例では、箱体11の角部で、箱体11内の全体に光を放射するようにLED7を配置する例であるため、図2(b)に展開図が示されるように、孔11dが隣接する2つの側壁11cに跨って形成されている。さらに、本発明では、この孔11d上に庇部11hが形成されている。この庇部11hは、孔11dを形成するため、板材を打ち抜く部分を、図2(b)に示されるように一部残しておいて、折り曲げることにより形成される。
【0024】
この庇部11dの中心部(一番長い部分)の長さsは、図2(a)に、図1(b)の一部の拡大図が示されるように、LED7(71)の発光面(光放射面)の一番上から放射する光(後述するように、発光領域はLED71の外周部より若干内側になっている)が底面に対して40°以上の角度で放射される光を遮断し(反射し)少なくとも20°以下の放射角度で放射される光は遮断されないで、そのまま放射されるような長さに形成されている。すなわち、LED7は、その放射する光をできるだけ箱体11内に取り込むことができるように設けられるため、LED7の発光面が殆ど孔11dに面する程度の位置に設けられるが、そのLED7の発光面の一番上から放射する光で、指向角度が80°、すなわち箱体11の底面に対して発光面の一番高いところから40°より大きい角度で放射する光は、そのまま箱体11の外に放射されないように、反射させて箱体11の内部に戻すように、その中心部の長さsの下限が定められている。一方、庇部11hの中心部における長さsの上限は、少なくとも指向角度が40°、すなわち箱体11の底面に対して発光面の一番高いところから20°以下の角度で放射される光は、遮断されないで、そのまま放射し得るように定められている。
【0025】
その結果、指向角度40°〜80°の放射特性を有するLED7を使用しているのと同様の効果があり、指向角度の大きい光は、庇部11hで反射して箱体11の底面側に反射し、さらにその底面で反射して、箱体11の側壁で反射したり、直接外部へ放射されたりし、ミキシングされながら箱体11の外部に放射される。そのため、指向角度の大きいLED7を用いても、LED7の近傍上方に輝度の極端に大きい部分ができて輝度ムラが生じるということがなくなる。なお、この庇部11hは、水平面(箱体11の底面)に対して40°以上の角度で放射される光を遮断することにあり、たとえば庇部11h自体が水平面に対して30°程度の角度で上を向いていても、支障はなく、むしろそのような角度がついていることにより、庇部11hで反射した光が箱体11の内部の全体に広がりやすくなって好ましい。
【0026】
また、庇部11hの形状は、たとえば図1に示されるように、中心部で長く、周囲に行くにしたがって短く形成されている。これは、発光面の輝度が均一ではなく、後述するLEDチップのある中心部分でとくに輝度が大きく、周縁部では輝度も小さく、外方向に行く光も少ないからである。
【0027】
前述の折り曲げられる側壁11cの高さおよび折り曲げ角度は、内部で光の反射が効率よく行われ、効果的に開口面側から照射されるように形成される。たとえば外周の一辺Aが80mm角(正方形、以下同じ)の場合、その底面の一辺Bは54.4mm程度で、高さCは14.2mm程度に形成され、外周の一辺Aが100mm角の場合には、その底面の一辺Bは74.4mm程度で、高さCは19.2mm程度に形成される。この光乱反射部材11bは発泡シートであるため、表面に凹凸があり、あらゆる方向に反射する乱反射面となる。すなわち、箱体11の底面の大きさにもよるが、箱体11の高さCは10〜20mm程度に納まり、その上面で輝度をほぼ(実質的に)均一にすることができる。光乱反射部材11bとしては、その他にも、たとえば1〜2mm程度の厚さの古河電気工業株式会社製の商品名MCPET(超微細発泡光反射板)などを用いることもできる。
【0028】
この箱体11の側壁11cは、面状光源ユニット1個だけで使用する場合は4つの側壁11cがみな同じ高さでよいが、後述するように、このユニット1を何個も並べて大きな面状光源とする場合には、継ぎ目の側壁の厚さが2個並ばないようにするため、2つの側壁の高さを高く形成しておくことが好ましい。図1(a)では、上側と右側の側壁11cの高さが高く形成されているため、Dで示される部分に段差が形成されている。
【0029】
箱体11の光乱反射部材11bの表面には、酸化チタン粉末などがコートされ、LEDなどから紫外線を発生させることにより、光反射率を殆ど低下させることなく、光触媒として作用させ、光乱反射部材11bの表面などに付着する有機物を分解して汚れを目立たなくすることができ、塵埃などによる汚れを防止することができる。その結果、非常に寿命の長い半導体発光素子を光源として用いることと相俟って、輝度を低下させることなく長時間に亘ってメンテナンスフリーで使用することができる。
【0030】
このような箱体11を製造するには、たとえば前述のアルミニウム板と光乱反射部材とを貼り合せた板状体を図2(b)に示されるように、LED71の光を導入する貫通孔11d、庇部11hおよび側壁11cを有するように打ち抜き、その側壁11cを折り曲げて固着し、庇部11hを底面と水平または少し上を向くように起こすことにより、所望の庇部11hおよび所望の傾斜を有する側壁11cを形成することができる。なお、11eは、箱体11を図示しないハウジングなどに、樹脂リベットなどにより固定するためのリベット孔である。
【0031】
LED7は、図1に示される例では、図3(a)に示されるような、サイドビュータイプのLED71が用いられている。LED7のタイプには限定されないが、このようなサイドビュータイプのLED71であれば、一対の電極711、712がLED71の側面に形成されており、その一対の電極711、712を直接配線基板上にハンだ付けなどによりマウントすることにより、水平方向に光を放射することができるため、自動実装しながら箱体11の底面と平行方向に光を放射させることができる点で有利である。
【0032】
このサイドビュータイプのLED71は、図3(a)に上面図が、図3(b)にその左側面図による光の指向角度がそれぞれ示されるような構造になっている。すなわち、図3(a)において、リードフレームなどにより形成された一対のリード711、712を、それぞれの一端部が内部の凹部内に露出し、他端部が外部に導出されるように、たとえば不透光性樹脂715などにより固着され、その凹部内に露出する一対のリード711、712の端部にLEDチップ713のボンディングとワイヤ714による接続がなされ、その周囲が発光色変換部材を含有する透光性樹脂716で固定されている。すなわち、LEDチップ713は、青色または紫外光を発光するように形成され、その青色光または紫外光を赤、緑(補色)、または赤、緑、青に変換して混色することにより白色光にする発光色変換部材が透光性樹脂に含有されている。このような白色光とするLED7は、その樹脂などの影響により、色度がばらつきやすいという問題を有しているが、後述するように、本発明によれば、1個のLED7である部分を照射するという構成ではなく、少なくとも2個のLED7の光をミキシングしているため、このような色度や輝度のバラツキを平均化しやすい。外部に露出した一対のリード711、712の端部を配線基板などに直接ハンダ付けなどにより接続し固定することにより、前述のように、配線基板などと平行方向に光を放射する。
【0033】
このサイドビュータイプのLED71は、前述のように、発光色変換部材を含有する樹脂によりLEDチップ713が被覆されているが、レンズ部を有さず、LEDチップ713を保持するリード711、712を固定する不透光性樹脂715により囲まれているだけであるため、その指向角度は、図3(b)に示されるように、120〜150°程度と広くなっている。そのため、このLED71からの光を箱体11の角部から箱体11内に導入すると、図1(a)に矢印でその外延が示されるように、ほぼ箱体1の内部の全面に照射することができる。また、このサイドビュータイプLED71は、前述のように、周囲が不透光性樹脂715により囲まれているため、正面側の発光面は、発光色変換部材を含有する透光性樹脂716の部分になり、図3(a)に斜線を付した部分であり、LEDの側端部からは光を放射しない。
【0034】
LED7は、このようなサイドビュータイプのLED71に限定されるものではなく、図3(c)に示されるように、リード721上にLEDチップ723を搭載して、その周囲を透光性樹脂725で被覆したものや、図3(d)〜(e)に示されるように、絶縁基板745上にLEDチップ743をマウントして、その周囲を透光性樹脂746で被覆した構造のものや、図示されていないが、リード先端部の凹部内にLEDチップをマウントして先端がドーム状になるように周囲を樹脂で被覆するドーム型(砲弾型)LEDや、先端部にレンズ部を有するLEDなどでも使用することができる。しかし、このようなLED7の取付け面と垂直方向に光を放射する構造の場合は、図3(f)に示されるように、取付基板76にLED72のリード721、722が挿入されて固定され、その取付基板76が配線基板24に固定される。ドーム型やレンズ部を有するLEDで、指向特性の狭いLEDでも、本発明の庇部11hの効果は少ないが、そのまま使用することができる。ただし、指向特性の狭いLEDを使用する場合は、箱体11の内部全面に光を照射することができないため、箱体11の対角線で2分した半分を主として照射するようにLEDの照射向きを調整してLED7を固定することが望ましい。
【0035】
図3(c)に示されるLED72は、断面図およびリード部分の斜視説明図がそれぞれ示されるように、リードフレームなどにより形成された2本のリード721、722のそれぞれがコ字型に折り曲げられ、その一方の平坦部にLEDチップ723をマウントしてその一対の電極を2本のリード721、722とワイヤ724などにより電気的に接続し、その近傍を透光性樹脂725でモールド成形することにより形成されている。なお、青色光または紫外光を発光するLEDチップ723の周囲を、発光色変換部材を含有する樹脂により被覆して白色光にすることができることは、前述の例と同じである。
【0036】
さらに、図3(d)〜(e)に示されるチップ型LED74、75は、絶縁性基板745の両端部に一対の端子電極741、742が形成され、LEDチップ743がその一対の端子電極741、742とワイヤ744や導電性接着剤などにより電気的に接続されるように設けられ、その周囲が透光性樹脂746で被覆される構造である。また、図3(e)に示される例は、透光性樹脂745の周囲に反射壁747が設けられた反射型構造のLED75であり、このような構造にすることにより、放射光のビームの指向角度をある程度(120°程度)絞ることができる。なお、図3(e)で図3(d)と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図1に示される例では、箱体11の四隅に1個づつのLED71が設けられる例であったが、4隅にそれぞれ2個づつのLED71を設けると、さらに輝度を向上させることができると共に、LED71それぞれの発光色や輝度にムラがあってもさらに均一化しやすくなり好ましい。この場合、図1に示されるような角部で隣接する2つの側壁に跨る孔11dを設けるのではなく、隣接する側壁11cの角部側にそれぞれ独立して孔11dを形成し、それぞれの孔の外側に配置されるLED7を箱体11の内部全体に照射する方向にしてLED7を固定することにより、箱体11内でそれぞれのLED7の光を混色することができる。また、前述のように、LED7の指向性が狭い場合には、それぞれのLED7を箱体11の異なる半分づつをそれぞれ照射するようにしても良い。
【0038】
さらに、指向特性の広いLED7であれば、箱体11の角部から箱体11内部全体に向けて照射するようにしなくても、四角形の一辺の中央部の底面にLED7を設けても良い。この例が、図4に図1(a)と同様の平面図および側面図で示されている。LED7の位置が異なるだけで、庇部11hなどは同じであり、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図1に示される構造で、たとえば0.057W入力のLED71を4個用いて、80mm角の面状光源ユニット1を形成した場合、光拡散部材13を設けても正面での輝度が500cd程度のものが得られ、同じLED71で、100mm角のものを形成した場合、400cd程度のものが得られた。さらに、LED71として、入力が1Wのものを用いて、100mm角のものを形成すると、2000cdの大きな輝度のものが得られた。このように、所望の輝度またはLEDの出力に応じて、箱体11の大きさを設定することができる。なお、LEDの駆動をパルス駆動または交流駆動をすることにより、LEDが発光しない時間でも、残像で光って見えるため、輝度には余り影響がなく、LEDの寿命を長くすることができ、電力の節減にもなる。
【0040】
このような面状光源ユニット1を製造するには、たとえば配線基板24上に、LED7をマウントして配線し、その上に前述の図2(b)に示されるうち抜き版を折り曲げて形成した箱体11を所定の位置に載置して配線基板24に固定するだけで、箱体11とLED7とを組み合せた面状光源ユニット1を形成することができる。また、この面状光源ユニットの平面形状(箱体11の平面形状)は、四角形でなくても、たとえば三角形や六角形などの多角形でも並べて大形の面状光源にすることができる。
【0041】
図1に示される面状光源ユニット1をマトリクス状に配列して大形の面状光源にすると、その側面図による照射領域は、図5(a)に示されるようになり、LED7の指向角度が大きく、直接上方に進む光は、庇部11hにより遮られて箱体11の底面側に反射して箱体11の内部で乱反射して外部に放射され、指向角度が60°(底面に対して30°)程度の広がりの光は直接側壁11c上まで広がる。従って、隣接する面状光源ユニット1からの光ともミキシングされる。そして、光量が弱くなるLED7から離れた側壁11c上でも、隣接する面状光源ユニット1からの光と混合されること、さらには側壁11cの一番高い部分で反射する光は表示面側、すなわち光拡散部材13に一番近いことから大きい輝度を得ることができ(輝度は光源(乱反射部)からの距離の2乗に反比例する)、この側壁11cの高さや傾斜角などを調整することにより、容易に面内での輝度を均一にすることができる。その結果、箱体11の上面より5mm以上上方では、LED7や箱体内面からの反射光や隣の面状光源ユニット1からの光とも混合されて、中央部とほぼ同一の輝度にすることができ、箱体の上面から5〜30mmの距離(E)の位置では、継ぎ目部分も含めてほぼ均一な輝度にすることができる。なお、継ぎ目での輝度の低下が目立たないようにするのに、前述のように、箱体の側壁の高さを異ならせ、継ぎ目部分で高い側壁と低い側壁とを合せることにより、継ぎ目部分の側壁の幅を小さくすることができる。
【0042】
この輝度がほぼ均一になる箱体上面からの距離は、箱体11の上方で光が拡散する、2次拡散領域になり、薄型の面状光源という観点からは小さい方が好ましい。前述の箱体11の側壁の角度や高さ、LED7の指向特性などにより調整することができるが、5〜30mmの範囲で均一化されれば、箱体11の高さが、前述のように10〜20mmであるため、全体で50mm以下にすることができ、非常に薄型にできる。しかし、その側壁の調整などにより、5〜25mm、さらには5〜20mm程度(箱体(1次拡散領域)の高さCも含めた全体の厚さ(C+E)は15〜50mm)にも調整することができる。なお、図5(b)は、箱体1内部の光乱反射部材により乱反射する光の状態(1次拡散の状態)を模式的に示した図である。すなわち、前述のように、光反射部材は表面に凹凸が形成されているため、底面に向かう光は、底面であらゆる方向に乱反射しながら進むため、より一層、他のLED7の光とミキシングされる。このような2次拡散領域を確保したEの距離の位置に、光拡散部材13(光拡散板やプリズムシート(光を集光して輝度をアップさせる素材)、または直接設けられる液晶パネルや看板用表示パネルなど)を配置することにより、液晶表示装置や電飾看板などの表示装置を構成することができ、均一な輝度で画像を表示することができる。
【0043】
このように、面状光源ユニットを複数個並べて大きな面状光源として利用する例として、電飾看板にする例を説明する。図6に、表示パネルや光拡散板などを除去した状態の平面説明図および電飾看板の横断面説明図がそれぞれ示されている。
【0044】
図6に示されるように、電飾看板の光源が図1に示される面状光源ユニット1をたとえばアルミニウムフレームなどにより形成されたケース2内に縦横に並べられることにより形成される面状光源とされている。この面状光源ユニット1は、たとえば図7に一部拡大説明図で示されるように、ケース2の底に固定された複合板からなる底板23に形成される貫通孔に戻り止めが形成された樹脂リベット25により配線基板24と面状光源ユニット1とをまとめて固定される構造になっている。この固定の際に、前述の図1または図2(b)などに示されるリベット用孔11eが利用されている。この構造にすることにより、配線基板24に必要な抵抗や配線を形成しておけば、面状光源ユニット1を樹脂リベット25により固定して、LED7のリードを接続するだけで、簡単にLED7を電源に接続することができる。
【0045】
このような樹脂リベット25などにより固定することにより、面状光源ユニット1を動かないように固定しながら、もしLED7などに故障が発生して取り替えるような場合でも、簡単に面状光源ユニット1を取り外すことができ、面状光源ユニット1の取替えが非常に容易になる。
【0046】
この面状光源を用いて、電飾看板にするには、通常の構成と同じであるが、面状光源ユニットの上面から5〜30mm程度の間隔E(図7参照)をあけてアルミケース2の支持部21に光拡散板3、画像を描いた表示パネル4、および透明カバー5を固定しておいて、アルミケース2に回転自在に取り付けられる押え部材22によりアルミケース2に固定されている。このような構造にすることにより、表示パネル4などの取替えや、面状光源1の修理などを行う場合に非常に便利である。
【0047】
光拡散板3は、たとえば3mm厚程度で、通称乳半と呼ばれる乳白色のアクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ガラスなどの板状体からなり、斜め方向からきた光でも表面であらゆる方向に均一に放射されるようにする機能を有している。この光拡散板3は、厚い方が、下面からくる斜め方向の光でも指向性のない光とすることができるため好ましいが、下面の光拡散部材13から照射される光のムラが殆ど無くなれば、薄いビニールシート(FFシート)などの光拡散シートまたは乳白色シートでも構わない。また、この光拡散板3の代りに、または光拡散板3上に光を集光させるプリズムを設けることにより、表面輝度を倍程度に向上させることができる。
【0048】
表示パネル4は、透明なフィルムシートにカラーなどで文字や図形など、表示する画像が印刷されたもので、背面側から照明により照らされることにより鮮やかに表示するものである。表示パネル4の表面側には、表示パネル4を保護するためのアクリル板またはガラス板などからなるフィルム状または数mm程度厚の透明カバー5が重ねられている。
【0049】
このような構成で、たとえばほぼA2サイズである57cm(縦)×41cm(横)の電飾看板を作製するのに、前述の各隅に1個のLEDを設けた場合に、10cm角の面状光源ユニット1で構成する場合、6個×4個=24個(全LEDでの消費電力5.5W)の面状光源で、8cm角の面状光源ユニット1を用いると、7個×5個=35個(全LEDでの消費電力8W)の面状光源で、それぞれ表示面で400cd程度、500cd程度の電飾看板が得られた。また、面状光源ユニット1の各隅に2個づつのLEDを設けた高輝度用にした場合、10cm角の面状光源ユニットでA2サイズを構成する場合、11Wの消費電力で700cd程度の輝度が得られ、8cm角の面状光源ユニット1を用いた場合(超高輝度)、16Wの消費電力で、約900cd程度の輝度で、それぞれ全面で10%以下のバラツキに入っていた。従来の蛍光灯を用いる電飾看板では、800cd程度の輝度でA2サイズの大きさの看板を形成するのに、20Wの蛍光灯を2本必要としていたので、従来の消費電力に対して、ほぼ1/4程度以下の電力で同程度の輝度が得られる。
【0050】
これは、指向性のあるLEDを用い、箱体内で反射を利用して均等に分散させて浅い箱体から乱反射した強い光を照射し得るようにしているため、光源と表示パネルとの距離を非常に近くすることができ、光の無駄をなくして有効に利用することができるからである。しかも、光源と表示パネルとの距離を小さくすることができるため、全体の厚さ(ケース2の底面から上面までの距離)は、45mm程度の厚さで表示パネルを構成することができる。
【0051】
前述の各例では、図1に示される面状光源ユニットを隙間なく並列することにより面状光源とし、また、そのような面状光源を使用した電飾看板の例であったが、看板によっては、たとえば街頭で簡単な表示を夜間にライトで目立ちやすく広告したり、店名などをカタカナなどの簡単な文字で大きく飛び飛びに表示したりする場合などのように、薄型をそれほど気にする必要もなく、また、周囲の暗いところでは輝度が少々落ちても、表示効果にそれほど問題のない場合もある。このような場合には、必ずしも面状光源ユニット1を隙間なしで並べなくても、その面状光源ユニット1の開口面から光拡散部材13までの距離を広げることにより、光拡散部材13の位置で殆ど均一な輝度とすることができ、間隔をあけて並べることもできる。
【0052】
すなわち、本発明者は、面状光源ユニット1の間隔を種々変更した場合に、面状光源ユニット1と光拡散部材(板)13との距離をどの程度にすれば面内で輝度をほぼ均一にできるかを調べた。その結果は、面状光源ユニット1として、80mm角(図1の上面(開口面)Aが80mmの正方形)で、4隅に2個づつ計8個のLED(1個当たりの出力0.057W)が設けられた面状光源ユニット1を用いて、図8に示されるように、面状光源ユニット1の開口面(上面)の間隔をb、面状光源ユニット1とケース2の側壁との間隔をa、面状光源1の配列のピッチをp、面状光源ユニット1の底面と光拡散部材13との間隔をh(面状光源ユニット1の高さCは15mm)としたときに、bの変化に対して、3mm厚の乳半アクリルなどの光拡散板からなる光拡散部材13の表面での輝度がほぼ均一になるときのh、および光拡散部材13表面での輝度は、表1に示されるような結果となった。なお、ケース2の内面には、反射率の高い白色の塗料が施されている。また、この関係は、後述する図9に示されるように、配列が丸みを有するものでも、その間隔bに対して、その上の光拡散部材13との距離は、表1と同様の結果となった。
【0053】
【表1】

【0054】
表1から明らかなように、同じ面状光源ユニット1を用いて、そのピッチを大きくし、面状光源ユニット1間にスペースをあけても、その面状光源ユニット1と光拡散部材13との距離を大きくすれば、光拡散部材13の表面での輝度は低下するが、その輝度をほぼ均一にすることができ、夜間の街頭での宣伝などに用いる場合のように、看板の占有スペースの制限がなく、また、特別に明るい表示を必要としない場合などには、その目的に応じて、面状光源ユニット1の間隔をあけて配列することができる。
【0055】
また、街頭の広告などでは、通常の電飾看板のように繊細な画像をバックライトにより表示するものではなく、たとえば簡単な文字を一定間隔あけて並べ、その文字の形状だけを点灯させて表示する場合がある。このような場合、たとえば図9にその一部の平面説明図が示されるように、その文字などの形状に沿って、一定間隔で前述の面状光源ユニット1を並べ、その間隔bに応じて、前述の表1に示される高さの位置に光拡散部材13(たとえば3mm厚の乳半アクリル板)を設けることにより、ほぼ均一の輝度で所望の文字などを表示することができる。すなわち、この文字などの表示領域に光拡散板などが設けられ、その底面側に面状光源ユニット1が設けられている。
【0056】
図9に示されるような面状光源ユニット1を街頭の広告塔などに設置する場合、図10に示されるように、面状光源ユニット1をアクリル板などからなる、少なくとも面状光源ユニット1の開口面側には光を透過する材料からなるプラスティックケースなどのケース81により、配線基板24およびLED7ごと被覆して密閉し、コード83などの電源接続手段のみを導出する構造にしておくことにより、文字などの所望の表示をする表示領域内に、この面状光源8を取り付けるだけで、街頭の雨の降るところに看板を設置する場合でも、看板の全体を密閉する必要がなく、非常に簡単に取り付けることができる。なお、図10で、82は、面状光源8を表示領域などに取り付ける際の取付け用タグである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、大形液晶テレビなどの液晶表示装置のバックライトや、駅、公共広場、展示場などに用いられる電飾看板などに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明による面状光源ユニットの一実施形態を示す平面、側面、および箱体の断面の説明図である。
【図2】図1の庇部の長さの説明、および箱体の展開図を示す図である
【図3】本発明のチップ型発光素子の構造例を説明する図である。
【図4】本発明の面状光源ユニットの他の例を示す説明図である。
【図5】図1の面状光源ユニットに用いて大形の面状光源にするときのLEDの照射領域およびLEDによる光の箱体内部で乱反射する様子を模式的に示す説明図である。
【図6】図1の面状光源ユニットを用いて電飾看板にした例の平面および断面の説明図である。
【図7】図6の部分拡大説明図である。
【図8】面状光源ユニットを間隔をあけて配置した場合における、そのピッチ(間隔)と上面側に設ける光拡散部材との距離の関係を説明する図である。
【図9】看板の全体を照らす電飾看板ではなく、文字などの領域のみを照らす場合の面状光源の配置例を示す説明図である。
【図10】1個の面状光源ユニットにより面状光源とする例を示す説明図である。
【図11】従来のトレイ状箱体を用いた面状光源ユニットにおいて、LEDの指向角度による輝度の問題を説明する図である。
【図12】従来の導光板を用いたバックライトの例を示す説明図である。
【図13】従来のLEDを並べた直下型バックライトの例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 面状光源ユニット
2 ケース
3 光拡散板
4 表示パネル
5 透明シート
7 発光素子(LED)
71 サイドビュータイプLED
11 箱体
11a アルミニウム板
11b 光反射部材
11c 側壁
11d 貫通孔
11e リベット用孔
11h 庇部
13 光拡散部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面が三角形以上の多角形で上面が開放され、内面に光反射部材が設けられると共に、側壁が外側に傾斜したトレイ状の箱体と、該箱体の底面の少なくとも2か所の前記側壁に形成された孔の外側に配置され、該箱体の内部に光を放射するように設けられる半導体発光素子とを有し、前記側壁に形成される孔の上側に前記側壁から延びる庇部が形成されてなる面状光源ユニット。
【請求項2】
前記庇部は、その中心部の長さが、前記発光素子の発光面の上端から水平面に対して40°以上の角度で放射する光をカットし、かつ、20°以下の角度で放射する光を遮断しないような長さに形成されてなる請求項1記載の面状光源ユニット。
【請求項3】
前記庇部が、前記箱体の側壁に孔を形成するために切り取られた部分の一部を折り曲げることにより形成されてなる請求項1または2記載の面状光源ユニット。
【請求項4】
前記箱体が平面形状で四角形に形成され、前記発光素子が前記箱体の4つの角部または4つの各側壁の中央部に設けられてなる請求項1、2または3記載の面状光源ユニット。
【請求項5】
底面が三角形以上の多角形で上面が開放され、内面に光反射部材が設けられると共に、側壁が外側に傾斜したトレイ状の箱体と、該箱体の底面の少なくとも2か所の前記側壁に形成された孔の外側に配置され、該箱体の内部に光を放射するように設けられる半導体発光素子とを有し、前記側壁に形成される孔の上側に前記側壁から延びる庇部が形成されてなる面状光源ユニットが、少なくとも前記箱体の開放面側は光を透過させる材料からなるケースで被覆されると共に、電源接続手段が前記ケースから導出されてなる面状光源。
【請求項6】
底面が三角形以上の多角形で上面が開放され、内面に光反射部材が設けられると共に、側壁が外側に傾斜したトレイ状の箱体と、該箱体の底面の少なくとも2か所の前記側壁に形成された孔の外側に配置され、該箱体の内部に光を放射するように設けられる半導体発光素子とを有し、前記側壁に形成される孔の上側に前記側壁から延びる庇部が形成されてなる面状光源ユニットが複数個並設され、該複数個の面状光源ユニットをカバーするように1個の光拡散部材が設けられてなる面状光源。
【請求項7】
底面が三角形以上の多角形で上面が開放され、内面に光反射部材が設けられると共に、側壁が外側に傾斜したトレイ状の箱体と、該箱体の底面の少なくとも2か所の前記側壁に形成された孔の外側に配置され、該箱体の内部に光を放射するように設けられる半導体発光素子とを有し、前記側壁に形成される孔の上側に前記側壁から延びる庇部が形成されてなる面状光源ユニットが複数個並列されることにより面状光源が形成され、該面状光源の表面側に、一定距離を介して光拡散板および表示パネルが設けられてなる電飾看板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−34674(P2011−34674A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25399(P2008−25399)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(502169319)株式会社浅葱クリエイト (7)
【出願人】(594044439)
【Fターム(参考)】