説明

面状発光型照明システム

【課題】発光効率の向上と演出照明の高度化の可能な面状発光型照明システムを提供する。
【解決手段】面状光源100と、前記面状光源100の発光面に近接して配置された点状光源200とを具備し、前記点状光源200の光軸が前記面状光源100の発光面と交差するように配置されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状発光型照明システムにかかり、特に、点状光源と面状光源とを組み合わせ、液晶用バックライトや照明器具等に用いることのできる面状発光型照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、面状発光型照明装置としては、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などのエレクトロルミネッセンス素子、点状光源照明装置としては、発光ダイオード(LED)のようなものが提案されている。エレクトロルミネッセンス素子は、蛍光物質に電圧を印加することで発光するものであり、用いる蛍光物質により、有機エレクトロルミネッセンス素子と無機エレクトロルミネッセンス素子に分類することができる。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子は、平面発光が容易であること、電池など10V程度の低電圧で100〜100000cd/m2程度の高輝度の発光が可能なこと、蛍光物質を構成する材料の組合せで多数の色を発光させることが可能なことから、平面発光体として注目されている。
【0003】
有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて白色の発光を得る方法には、RGB(赤、緑、青)3波長をそれぞれ有する発光を合成して得る方法と、青と黄色の2波長や青緑と橙の2波長など、補色関係にある波長を利用して得る方法がある。RGB(赤、緑、青)3波長の場合、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子では、青色や黄色などに比較して、赤色の発光効率や寿命が低い。そのため、RGB(赤、緑、青)3波長の異なる劣化速度から色ずれを生じ易く、容易に白色を得ることが難しい。一方、補色を利用した2波長の場合、発光効率を高くすることはできるものの、フルカラーを必要とする液晶用バックライト等に用いるには、赤色成分が少なく、色度バランスに優れた白色を得ることが困難である。
【0004】
このように、面状発光素子のみを用いた照明器具では、光源の特性に応じた輝度、色温度に調整した照明環境を実現することができず、均質単純な演出照明になってしまう。
一方、LEDなどの点状光源の場合は、スポット照明は可能であるが、単純な演出照明であることは同様であった。
【0005】
また、面状発光素子と点状光源とを組み合わせてなる照明システムも提案されてはいるが、面状発光素子、または点状光源を個々に調整して照明環境を整えることが通常であり、均質単純な演出照明になってしまう。また、照射方向の設定は個々の設定方向に依存するものしかなかった。
【0006】
そこで、本出願人は、発光効率が良好で、色度バランスに優れた白色を実現できる平面発光体を提供することを企図し、図5に示すように、透光性基板1の裏面に陽極2と、発光機能を有する層3と、陰極4とを形成した有機エレクトロルミネッセンス素子の透光性基板の端面に、LED5を配設し、この透光性基板内に光を照射するようにした面状発光装置を提案している(特許文献1)
【0007】
【特許文献1】特開2003−92002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1の面状発光装置では、LED素子から出射した光が、透光性基板内に入射し、透光性基板内を全反射しながら導波し、その一部が透光性基板の表面側により出射するので、このLED素子から出射した光と発光機能を有する層で発光した光とを用いて、この面状発光装置から発光する発光波長を調整することができる。
【0009】
この面状発光装置によれば色バランスを調整することができるが、さらなる発光効率の向上と、多様でかつ高度の演出照明の実現への要求が高まってきている。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、発光効率の向上と演出照明の高度化の可能な面状発光型照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明の面状発光型照明システムは、面状光源と、前記面状光源の発光面に近接して配置された点状光源とを具備し、前記点状光源の光軸が前記面状光源の発光面と交差するように配置されたことを特徴とする。
この構成により、点状光源からの光は、面状光源の基板などの構成部材中を通過することなく照明に使用されうるため、減衰も少なく、高効率でかつ高度な演出照明を実現することができる。また面状光源からの光と点状光源からの光の合成により、方向や発光色についても多様で複雑な演出照明を実現することができる。
【0011】
また、本発明は、上記面状発光型照明システムにおいて、前記点状光源からの光が前記面状光源の発光面で反射しうるように、前記点状光源の光軸は、臨界角以上で前記面状光源の発光面に交差するよう配置されたものを含む。
この構成により、点状光源からの光は面状光源の発光面で反射するため、その光と面状光源自体からの照射光とが相まって、高輝度・高色温度と、低輝度・低色温度が交じり合う複雑な演出照明を行なうことができる。
【0012】
また、本発明は、上記面状発光型照明システムにおいて、前記点状光源の光軸は、前記点状光源からの直接光が前記面状光源の発光面からの光と交差するように、配置されたものを含む。
この構成により、点状光源からの光は面状光源の発光面に当たることなく出射し、面状光源からの光と合成されるため、より高効率化をはかることができる。
【0013】
また、本発明は、上記面状発光型照明システムにおいて、前記面状光源を支持する枠体の少なくとも1辺に起立部が設けられており、前記点状光源は前記起立部に取り付けられたものを含む。
この構成により、面状光源の枠体に形成された起立部に点状光源がとりつけられているため、小型でデザイン性の良好な面状発光型照明システムを提供することができる。
【0014】
また、本発明は、上記面状発光型照明システムにおいて、前記点状光源は前記面状光源の発光面に平行となるようにライン状に配列された複数個の発光ダイオード(LED)で構成されたものを含む。
この構成により、低消費電力で高輝度の発光を得ることができる。またLED自体の光量ばらつきがあるが、面状光源からの光との合成により、この光量ばらつきを緩和することができ、やわらかい光を得ることができる。
【0015】
また、本発明は、上記面状発光型照明システムにおいて、前記面状光源は、有機エレクトロルミネッセンス素子であるものを含む。
この構成によれば、面状光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子の構造を調整し、基板側から発光するバックエミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、表面側から発光するトップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、それぞれに応じて、基板構成材料あるいは透光性電極及び保護膜の物性を調整することで、所望の光合成を実現することができる。
【0016】
なおここで面状光源とは、有機エレクトロルミネッセンス素子などの面発光素子およびこれを複数個同一面内に配列して形成した集合体をさすものとし、面全体が発光面を構成するもの、および接合部の一部などの非発光領域を除く全面が発光面を構成するものをいうものとする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明してきたように、本発明によれば、面状光源と、点状光源とを組み合わせてなるので、個々の輝度、色温度を活かし、高輝度・高色温度と、低輝度・低色温度が交じり合うことにより、高度な演出照明を行なうことができる。
また、点状光源の光軸と、有機エレクトロルミネッセンス素子などの面状光源の発光面とは交差するので、点状光源からの光が面状光源及びまたはその近傍に照射されることになり、その光と面状光源自体からの照射光とが相まって、高輝度・高色温度と、低輝度・低色温度が交じり合う複雑な演出照明を行なうことができる。
さらにまた、点状光源の光が面状光源の光出射面を照射するようにすれば、発光面での反射光と、面状光源自体からの照射光とが干渉・合成されて、さらに複雑な演出照明を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の面状発光型照明システムは、図1にその概要図を示すように、有機エレクトロルミネッセンス素子とこの有機エレクトロルミネッセンス素子を支持する枠体102とで構成された面状光源100と、この面状光源100の枠体102の少なくとも1辺に設けられた起立部103に、点状光源部200が配設されたものである。この点状光源部200は、該起立部103に、ライン状をなすように配列された10個の発光ダイオード(LED)201a〜201iで構成されており、前記面状光源の発光面で反射しうるように、この点状光源の光軸が面状光源100の発光面と交差するように配置されている。このLEDの光軸の発光面に対する角度θ1は臨界角θよりも大きくなるように配置される。このようにして発光機能を有する層で発光した光L1と、指向性の強い点光源としてのLEDの光L2とが面状光源の発光面上で混ざることで、発光スペクトルに広がりを生じるようにし、高度演出照明を実現するものである。
【0019】
なおこの面状光源は、発光部を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子101と、この有機エレクトロルミネッセンス素子101の周縁を支持する枠体102とを具備し、この枠体に電源回路を内蔵する薄型の照明装置である。
【0020】
そしてこの有機エレクトロルミネッセンス素子101は、図2に要部拡大断面図を示すように、透光性基板1の裏面に、透明導電膜からなる陽極2、発光機能を有する層3、陰極4を順に積層形成したものである。この透光性基板1は、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透光性のガラス板や、透光性のプラスチック板などを用いることができる。透光性基板1は、光透過性であればよく、無色透明の他、若干着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。
また、LEDの一部からの光L2‘は光軸を臨界角以下の入射角θ2で入射するように配置し、となるようにし、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極または陰極で反射されるようにしてもよい。
【0021】
また、発光機能を有する層3は、いわゆる発光層に加え、陽極2の側にホール輸送層、陰極4の側に電子注入層を積層した多層膜であり、陽極2に正電圧を、陰極4に負電圧を印加することで、電子注入層を介して注入された電子と、ホール輸送層を介して注入されたホールとが、発光層内で結合して発光が起こる。このように発光機能を有する層3で発光した光L1は、透明導電膜からなる陽極2と透光性基板1を透過し、透光性基板1の表面側から取り出されるものである。図2の矢印L1は、発光機能を有する層3で発光した光の進行方向を模式的に示したものである。この有機エレクトロルミネッセンス素子101は、電池など10V程度の低電圧で高輝度発光が可能である。
【0022】
また陽極2は、発光機能を有する層中にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、導電性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような陽極2の材料としては、例えば、Au(金)どの金属、CuI(ヨウ化銅)、ITO(酸化インジウムスズ:インジウムチンオキサイド)、SnO2(酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)等の透光性の導電材料が使用可能である。陽極2は、例えば、これらの電極材料を、透光性基板1の表面に、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により成膜及びパターニングすることによって形成される。また、発光機能を有する層3における発光を陽極2を透過させて外部に照射するためには、陽極2の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、陽極2のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下とするものである。ここで、陽極2の膜厚は、陽極2の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのが望ましい。
【0023】
また、陰極4は、発光機能を有する層3中に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、導電性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。このような陰極4の電極材料としては、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al23混合物、Al/LiF混合物などが挙げられる。陰極4についても陽極と同様、例えば、これらの電極材料を、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、成膜後パターニングすることによって得ることができる。また、発光機能を有する層3における発光を陽極2側に照射するためには、陰極4の光透過率を10%以下にすることが好ましい。ここで陰極4の膜厚は、材料により異なるが陰極4の光透過率等の特性を制御するために、通常500nm以下、好ましくは100〜200nmの範囲とするのがよい。
【0024】
ここで発光機能を有する層3のうち、電子輸送層とホール輸送層とに挟まれた発光層に用いる発光材料またはドーピング材料は、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素等があるが、これに限定されるものではない。
【0025】
また、上記発光機能を有する層3は、上記発光層と陽極2との間すなわち陽極側にホール輸送層を積層しており、このホール輸送層を構成する材料としては、ホールを輸送する能力を有し、陽極2からのホール注入効果を有するとともに、発光層に対して優れたホール注入効果を有し、また電子のホール輸送層への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子等の高分子材料が挙げられる。
【0026】
また、上記発光機能を有する層3は、発光層と陰極4との間すなわち陰極4の側に電子注入層を積層しており、この電子注入層を構成する材料としては、電子を輸送する能力を有し、陰極4からの電子注入効果を有するとともに、発光機能を有する層3に対して優れた電子注入効果を有し、さらにホールの電子注入層への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。具体的には、フルオレン、バソフェナントロリン、バソクプロイン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、アントラキノジメタン等やそれらの化合物、金属錯体化合物もしくは含窒素五員環誘導体である。さらに、ポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子に使用されるポリマー材料も使用することができる。例えば、ポリパラフェニレン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体等である。電子注入層は、例えば、バソフェナントロリンとCs(セシウム)を、モル比1:1の割合で共蒸着して形成することができる。
【0027】
そしてこの面状発光型照明システムでは、この有機エレクトロルミネッセンス素子からなる面状光源100において、枠体103に取り付けられたライン状のLED素子からなる点状光源200が配置されたことを特徴とするものである。上記LED素子201a〜201iから出射した光L2は、面状光源100を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の透光性基板1の裏面に形成された拡散層7で反射されて出射するとともに、透光性基板1内に入射し、一部は陽極2で全反射されて、出射する。また、有機エレクトロルミネッセンス素子からの出射光L1、および点状光源200(LED201a〜201i)からの出射光L2は、面状光源100の発光面での反射光および光散乱部を構成する拡散層7による散乱現象によって表面側に散乱光L3として出射する。また、また、LEDの一部からの光L2‘は光軸を臨界角以下の入射角θ2で入射するように配置し、となるようにし、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極または陰極で反射されるようにしてもよい。
【0028】
このようにして本実施の形態の面状発光型照明システムでは、上記LED200a〜201iから出射した光L2の一部が散乱現象によって生じた散乱光L3と、発光機能を有する層3で発光した光L1とが混ざることで、高度の演出照明を可能とするものである。
【0029】
光散乱部7を構成する拡散層の形成は、透光性基板1の表面側にサンドブラスト処理を施して微小凹凸を形成したり、また、拡散ビーズ層を配置したりすることで得ることが出来る。また、上記光散乱部7を形成する個所は、LED201a〜201iから出射した光L2が散乱現象で透光性基板1の表面側に出射するものであれば、透光性基板1の表面側に限らず、透光性基板1の内部でもよい。
【0030】
本実施の形態の面状発光型照明システムにおいて、出射する発光スペクトルを調整するためには、発光機能を有する層3で発光した光L1の発光波長のうちで低強度の波長あるいは光L1に含まれない波長をLED素子からの出射光L2で補強するようにするのが望ましい。そのために、LED201a〜201iとしては、特定の発光波長のものを、適宜選択するのが望ましい。
【0031】
このようにして形成された面状発光型照明システムは、青色と黄色を発光するエレクトロルミネッセンス素子と赤色LEDを用いるなど、適宜組み合わせを選択することにより、高効率で高度の演出照明が可能である。
【0032】
なお前記実施の形態では、面状光源を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の基板側から光が出射するいわゆるバックエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子について説明したが、この構造の場合、一般には、陰極が金属層すなわちミラー状の層からなるので、反射面的効果も有することにより、反射光を有効に活用することができる。また、透光性基板、陽極、発光機能を有する層、陰極と多層を通過するため、減衰はあるものの、多重反射によりより柔らかな光を出射することができる。
また基板に対向する面側から光を出射させるようにしたいわゆるトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、陰極あるいはこの上層を覆う保護膜の材料を調整することで、拡散効果を増大したりするなど、演出照明を実現することも可能である。
【0033】
(実施の形態2)
以下本発明の実施の形態2について説明する。
前記実施の形態1の面状発光型照明システムは、面状光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子100の発光面で点状光源からの光が反射するように構成したが、本実施の形態では図3および図4に示すように、LED201a〜201iで構成された点状光源200は、前記点状光源からの光L2が前記面状光源の発光面に入射することなく、前記面状光源の発光面よりも前面で、前記面状光源からの光L1と交差するように、配置されたことを特徴とする。
【0034】
この構成により、点状光源からの光は面状光源の発光面に当たることなく出射し、面状光源からの光と合成されるため、より高効率化をはかることができる。各素子などは前記実施の形態1と同様に形成されているためここでは説明を省略する。
【0035】
以上説明したように本実施の形態によれば、点状光源からの光は、面状光源の基板などの構成部材中を通過することなく照明に使用されうるため、減衰も少なく、高効率でかつ高度な演出照明を実現することができる。
【0036】
また、前記実施の形態では、点状光源をすべて同一方向となるようにしたが、各LEDごとに出射方向が異なる方向となるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0037】
さらにまた、ライン状光源で構成された点状光源200を、面状光源100に対して一体化するのではなく、着脱自在に構成し、点状光源200を切り替えることにより、点状光源の方向を変えることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明してきたように、本発明によれば、高度の演出照明を実現可能であることから、家庭用から劇場やショールームなどの照明など、広範囲に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態1の面状発光型照明システムを示す外観図
【図2】本発明の実施の形態1の面状発光型照明システムの要部断面拡大図
【図3】本発明の実施の形態2の面状発光型照明システムを示す外観図
【図4】本発明の実施の形態2の面状発光型照明システムの要部断面拡大図
【図5】従来例の面状発光型照明システムを示す図
【符号の説明】
【0040】
100 面状光源
200 点状光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状光源と、
前記面状光源の発光面に近接して配置され、
前記点状光源の光軸が前記面状光源の発光面と交差する点状光源とを具備した面状発光型照明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の面状発光型照明システムであって、
前記点状光源からの光が前記面状光源の発光面で反射しうるように、前記点状光源の光軸は、臨界角よりも大きい角度で前記面状光源の発光面に交差するよう配置された面状発光型照明システム。
【請求項3】
請求項1に記載の面状発光型照明システムであって、
前記点状光源の光軸は、前記点状光源からの直接光が前記面状光源の発光面からの光と交差するように、配置された面状発光型照明システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の面状発光型照明システムであって、
前記面状光源を支持する枠体の少なくとも1辺に起立部が設けられており、
前記点状光源は前記起立部に取り付けられた面状発光型照明システム。
【請求項5】
請求項4に記載の面状発光型照明システムであって、
前記点状光源は前記面状光源の発光面に平行となるようにライン状に配列された複数個の発光ダイオード(LED)で構成された面状発光型照明システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の面状発光型照明システムであって、
前記面状光源は、有機エレクトロルミネッセンス素子である面状発光型照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−146741(P2009−146741A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323022(P2007−323022)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】