説明

面発光体

【課題】 光を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子を備えた面発光体において、面発光素子に設けられた各発光層から発光される各色彩の光の正面輝度を適切に調整できるようにする。
【解決手段】 光を出射する透光性基板11の出射面11aと反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層14a,14b,14cが設けられた面発光素子10を備えた面発光体において、面発光素子における発光層からの配光輝度特性を発光波長によって異ならせると共に、上記の透光性基板の出射面に、表面に凹凸21aが設けられた透光性の集光板21を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子を備えた面発光体に係り、特に、面発光素子に設けられた発光層から発光される各色彩の光の正面輝度を適切に調整できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報機器の多様化等にともなって、消費電力が少なく、容積が小さい面発光素子のニーズが高まり、このような面発光素子の一つとしてエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と略す。)が注目されている。
【0003】
そして、このようなEL素子は、使用する材料によって無機EL素子と有機EL素子とに大別される。
【0004】
ここで、無機EL素子は、一般に発光部に高電界を作用させ、電子をこの高電界中で加速して発光中心に衝突させ、これにより発光中心を励起させて発光させるようになっている。一方、有機EL素子は、電子注入電極とホール注入電極とからそれぞれ電子とホールとを発光層内に注入し、このように注入された電子とホールとを発光層内で結合させて、有機材料を励起状態にし、この有機材料が励起状態から基底状態に戻るときに発光するようになっており、無機EL素子に比べて、低い電圧で駆動できるという利点がある。
【0005】
また、有機EL素子の場合には、発光材料を選択することによって適当な色彩に発光する発光素子を得ることができ、また発光材料を適当に組み合わせることによって白色光を得ることもでき、液晶表示素子等のバックライトとして利用することも期待されている。
【0006】
そして、上記のような有機EL素子を白色に発光させて液晶表示素子等のバックライトとして利用する場合には、一般に、青色に発光する青色発光層と赤色に発光する赤色発光層と緑色に発光する緑色発光層とを設け、これらを同時に発光させて白色に発光を得るようにしている。
【0007】
ここで、液晶表示素子等のバックライトとして利用するためには、一般に2000〜4000cd/m2程度の正面輝度が必要になる。
【0008】
しかし、有機EL素子の場合、一般に青色に発光する発光材料の寿命や輝度が、赤色や緑色に発光する発光材料に比べて低いため、白色の発光を行って十分な発光寿命を得ようとした場合、1000〜1500cd/m2程度の正面輝度しか得られないという問題があった。
【0009】
また、従来においては、有機EL素子等の面発光素子を発光させた場合において、その内部に閉じ込められる光を取り出して、その正面輝度を向上させるために、光の出射面側に微小な凹凸を設けるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0010】
しかし、これらのものは、単に全体の正面輝度を向上させるだけのものであって、特定の色彩の正面輝度だけを大きく向上させるということはできず、上記のように青色に発光する発光材料の寿命や輝度が、赤色や緑色に発光する発光材料に比べて低い場合、青色の正面輝度だけを他の赤色や緑色に比べて大きく向上させ、バランスよく白色の発光を得るようにすることはできなかった。
【特許文献1】特開平5−45505号公報
【特許文献2】特開平9−63767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、光を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子を備えた面発光体において、面発光素子に設けられた発光層から発光される各色彩の光の正面輝度を適切に調整できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明における第1の面発光体においては、上記のような課題を解決するため、を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子を備えた面発光体において、上記の面発光素子における発光層からの配光輝度特性を発光波長によって異ならせると共に、上記の透光性基板の出射面に、表面に凹凸が設けられた透光性の集光板を設けた。
【0013】
ここで、この第1の面発光体において、その集光板として、その表面に断面三角形状のレンズ列が複数形成されたものを用い、2つの集光板における上記のレンズ列が直交するようにして、2つの集光板を上記の透光性基板の出射面に積層させることが好ましい。
【0014】
また、この発明における第2の面発光体においては、上記のような課題を解決するため、光を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子を備え、この面発光素子における発光層からの配光輝度特性を発光波長によって異ならせると共に、上記の透光性基板の出射面に、凹凸が設けられた面における凸部を接触させるようにして透光性の集光板を設けた。
【0015】
ここで、上記の第1及び第2の面発光体においては、上記の面発光素子として様々なものを用いることができ、例えば、前記のような有機EL素子を用いることができる。
【0016】
また、上記の第1及び第2の面発光体において、面発光素子における発光層からの配光輝度特性を発光波長によって異ならせる場合、発光輝度が低い色彩の光については、透光性基板の法線方向における正面輝度に対して、法線方向から適当な角度傾斜した方向の輝度の比を大きくすることが好ましい。
【0017】
また、上記の第1及び第2の面発光体を白色に発光させる場合には、上記の面発光素子が、青色に発光する青色発光材料と赤色に発光する赤色発光材料と緑色に発光する緑色発光材料とを備えるようにする。
【0018】
そして、上記の面発光素子に有機EL素子を用い、白色に発光させる場合においては、前記のように青色に発光する発光材料の寿命や輝度が、赤色や緑色に発光する発光材料に比べて低いため、透光性基板の法線方向における正面輝度に対する法線方向から適当な角度傾斜した方向における輝度の比を、赤色や緑色よりも青色において大きくすることが好ましく、透光性基板の法線方向における青色の正面輝度をIb0、赤色の正面輝度をIr0、緑色の正面輝度をIg0とし、上記の法線に対して50度傾斜した方向における青色の輝度をIb1、赤色の輝度をIr1、緑色の輝度をIg1とした場合に、Ib1/Ib0>Ir1/Ir0及び/又はIb1/Ib0>Ig1/Ig0の条件を満たすようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明における第1及び第2の面発光体のように、光を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子において、発光層からの配光輝度特性を発光波長によって異ならせると共に、上記の透光性基板の出射面に上記のような集光板を設けると、透光性基板の法線方向における正面輝度に対して、法線方向から適当な角度傾斜した方向における輝度の比が大きくなった波長の光は、上記の集光板によって法線方向から傾斜した方向の光が、透光性基板の法線方向に効率よく集光されて、その正面輝度が大幅に高められる。
【0020】
また、上記の第1の面発光体において、その集光板として、その表面に断面三角形状のレンズ列が複数形成されたものを用い、2つの集光板における上記のレンズ列が直交するようにして、2つの集光板を上記の透光性基板の出射面に積層させると、この2つの集光板によって法線方向から傾斜した方向の光が、透光性基板の法線方向により効率よく集光されて、その正面輝度がさらに向上される。
【0021】
また、上記の第1及び第2の面発光体において、上記の面発光素子が青色に発光する青色発光材料と赤色に発光する赤色発光材料と緑色に発光する緑色発光材料とを備えるようにすると、これらの各発光材料を発光させて面発光体を白色に発光させることができ、液晶表示素子等のバックライトとして利用できるようになる。
【0022】
そして、上記の第1及び第2の面発光体において、上記の面発光素子に有機EL素子を用いて白色に発光させる場合に、透光性基板の法線方向における正面輝度に対する法線方向から適当な角度傾斜した方向における輝度の比を、赤色や緑色よりも青色において大きくすると、前記のように集光板によって法線方向から傾斜した方向における青色の光が、赤色や緑色の光よりも透光性基板の法線方向に効率よく集光されて、その正面輝度が大幅に高められる。
【0023】
このため、前記のように青色に発光する発光材料の寿命や輝度が、赤色や緑色に発光する発光材料に比べて低い場合においても、青色の正面輝度を赤色や緑色よりも効率よく高めることができ、作用させる電圧を高くしなくても充分な正面輝度が得られるようになり、長期にわたって充分な正面輝度を有する白色の発光が行えるようになり、液晶表示素子等のバックライトとして有効に利用できるようになる。
【0024】
また、面発光素子として、異なった波長の発光を行う複数の発光層を備えたものを用いると、発光層からの配光輝度特性を各波長によって異ならせることが容易に行えるようになる。
【実施例】
【0025】
以下、この発明の実施例に係る面発光体を添付図面に基づいて具体的に説明すると共に、この発明の実施例における面発光体においては、面発光素子に設けられた各発光層から発光される各色彩の光の正面輝度を適切に調整できるようになり、特に、特定の色彩の光における正面輝度を他の色彩の光よりも効率よく高めることができることを、比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明に係る面発光体は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0026】
(実施例1)
この実施例1においては、面発光素子として、図1に示す有機EL素子10を用いるようにした。
【0027】
ここで、この有機EL素子10においては、縦,横30mm×30mm、厚さ0.7mmで屈折率が1.52のガラス基板からなる透光性基板11の上に膜厚が120nmになったITO(インジウム−スズ酸化物)からなる透明なホール注入電極12が形成されたものを用い、これをイソプロピルアルコールで超音波洗浄した後、これを乾燥窒素ガス中で乾燥させ、さらにUVオゾン洗浄を5分間行った。
【0028】
そして、ホール注入電極12が形成されたこの透光性基板11を真空蒸着装置内にセットし、真空度4×10-6Paの条件で、上記のホール注入電極12の上に、下記の化1に示すm−MTDATAからなる膜厚が40nmのホール注入層13aと、下記の化2に示α−NPDからなる膜厚が40nmのホール輸送層13bと、下記の化3に示すホスト材料97重量%に下記の化4に示すドーパントが3重量%ドープされた膜厚が15nmの青色発光層14aと、下記の化5に示す材料からなる膜厚が5nmの第1中間層15aと、下記の化6に示すCBPからなるホスト材料92重量%に下記の化7に示すドーパントが8重量%ドープされた膜厚が10nmの赤色発光層14bと、下記の化6に示すCBPからなる膜厚が3nmの第2中間層15bと、下記の化6に示すCBPからなるホスト材料95重量%に下記の化8に示すドーパントが5重量%ドープされた膜厚が3nmの緑色発光層14cと、下記の化5に示す材料からなる膜厚が10nmの第3中間層15cと、下記の化9に示すAlq3からなる膜厚が20nmの電子輸送層16aと、LiFからなる膜厚が1nmの電子注入層16bとを形成した後、この電子注入層16bの上にアルミニウムからなる膜厚が110nmの電子注入電極17を形成して有機EL素子10を作製した。その後、窒素雰囲気下において、この有機EL素子10の露出部をガラスケース(図示せず)で被覆させた。
【0029】
【化1】

【0030】
【化2】

【0031】
【化3】

【0032】
【化4】

【0033】
【化5】

【0034】
【化6】

【0035】
【化7】

【0036】
【化8】

【0037】
【化9】

【0038】
そして、このように作製した有機EL素子を市販の分光放射輝度計(コニカミノルタ社製:CS−1000)にセットして、この有機EL素子を発光させると共に、上記の透光性基板の法線方向に対する角度を変化させながら、各傾斜角度における輝度と分光スペクトルとを測定して、波長620nmの赤色、波長525nmの緑色、波長458nmの青色における配光輝度特性を求め、その結果を図2に示した。
【0039】
ここで、上記の有機EL素子においては、透光性基板の法線方向における赤色、緑色、青色の正面輝度をそれぞれ1にした場合において、上記の法線方向に対して50度傾斜した方向における相対輝度は、青色では0.69、緑色では0.58、赤色では0.49になっており、青色が一番大きくなっていた。なお、この実施例においては、各色の発光材料を含有する複数の発光層を、出射面から順に、青、赤、緑の順序で積層させた有機EL素子を用いることにより、有機EL素子の透光性基板の法線方向に対して50度傾斜した方向における青色の相対輝度を最も大きくしている。このように面発光素子の膜構成や材料を適宜選択して設定することにより、各色の配光輝度特性をある程度変化させることができる。なお、発光層は各色の発光材料を含む単一の発光層であってもよいが、この実施例のように複数の発光層を積層させるようにすると、その積層順序や各発光層の膜厚など調整し得る選択肢が多くなるため、各色の配光輝度特性を制御するのに適している。また、有機EL素子においては、概して緑色発光材料に比べて、青色発光材料や赤色発光材料、特に青色発光材料の寿命や輝度特性が劣っているため、この実施例のように青色に相当する波長の光の正面輝度を向上させることにより、発光材料に求められる性能レベルを引き下げることができる。
【0040】
また、この実施例1においては、集光板として、図3に示すように、基板21aの表面に断面三角形状のレンズ列21bが連続して形成された集光板21を2枚用いるようにし、具体的には、市販のプリズムシート(スリーエム社製:BEF II)を用いるようにした。
【0041】
そして、この実施例1の面発光体においては、図4に示すように、上記の有機EL素子10における透光性基板11の出射面11a上に拡散板22をセットし、この拡散板22の上に、上記の第1の集光板21をその表面における断面三角形状のレンズ列21bが有機EL素子10と反対側に位置するようにセットし、さらにこの第1の集光板21の上に、第2の集光板21をその表面における断面三角形状のレンズ列21bを上にして、このレンズ列21bが上記の第1の集光板21のレンズ列22bと直交するようにセットした。
【0042】
(比較例1)
この比較例1の面発光体においては、面発光素子として、実施例1と同じ有機EL素子10を用いる一方、この有機EL素子10に拡散板や集光板を設けないようにした。
【0043】
そして、上記の実施例1及び比較例1の各面発光体について、上記の分光放射輝度計(コニカミノルタ社製:CS−1000)を用い、透光性基板の法線方向における各波長の正面輝度を測定し、実施例1の面発光体の結果を実線で、比較例1の面発光体の結果を破線で図5に示した。
【0044】
また、比較例1の面発光体に対する実施例1の面発光体の各波長における正面輝度の倍率を求め、その結果を図6に示した。
【0045】
この結果、比較例1の面発光体に対する実施例1の面発光体における正面輝度の倍率は、波長が458nmの青色では1.86倍、波長が525nmの緑色では1.54倍、波長が620nmの赤色では1.40倍となっており、前記のように透光性基板の法線方向における正面輝度に対する法線方向から50度傾斜した方向における輝度の比が一番大きくなった波長458nmの青色において、正面輝度が大きく向上していた。
【0046】
(実施例2)
この実施例2の面発光体においても、面発光素子としては、実施例1と同じ有機EL素子10を用いるようにした。
【0047】
また、この実施例2においては、集光板として、図7(A),(B)に示すように、ポリスチレンで構成された基板23aの片面に四角錘台状になったプリズム23bが多数突出されて配列されると共に、基板23aの反対側の面において、上記のプリズム23bが交差する点に平面円形状になったレンズ23cの中心がくるようにして、このようなレンズ23cを多数配列させたものを用いるようにした。なお、この集光板23においては、上記の基板23aの厚みを0.8mmにし、また上記のプリズム23bにおける基板側の一辺の長さを0.8mm,突出した高さを0.4mm,突出した先端面の一辺の長さを0.4mmにし、また上記のレンズ23cの直径を0.8mm,突出した部分の曲率半径を5mmにした。
【0048】
そして、この実施例2の面発光体においては、図8に示すように、上記の有機EL素子10における透光性基板11の上に、上記の集光板23におけるプリズム23bの突出した先端面を接着剤により接着させた。
【0049】
そして、この実施例2の面発光体についても、上記の分光放射輝度計(コニカミノルタ社製:CS−1000)を用い、透光性基板の法線方向における各波長の正面輝度を測定し、前記の比較例1の面発光体の結果と合わせて実施例2の面発光体の結果を実線で図9に示した。
【0050】
また、比較例1の面発光体に対する実施例2の面発光体の各波長における正面輝度の倍率を求め、その結果を図10に示した。
【0051】
この結果、比較例1の面発光体に対する実施例2の面発光体における正面輝度の倍率は、波長が458nmの青色では1.55倍、波長が525nmの緑色では1.00倍、波長が620nmの赤色では1.27倍となっており、上記の実施例1の場合と同様に、透光性基板の法線方向における正面輝度に対する法線方向から50度傾斜した方向における輝度の比が一番大きくなった波長458nmの青色において、正面輝度が大きく向上していた。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の実施例1,2及び比較例1において用いた有機EL素子の概略説明図である。
【図2】上記の有機EL素子における波長620nmの赤色、波長525nmの緑色、波長458nmの青色の配光輝度特性を示した図である。
【図3】実施例1の面発光体に使用した集光板の概略説明図である。
【図4】実施例1の面発光体を示した概略説明図である。
【図5】実施例1及び比較例1の面発光体における各波長の正面輝度を示した図である。
【図6】比較例1の面発光体に対する実施例1の面発光体の各波長における正面輝度の倍率を示した図である。
【図7】実施例2の面発光体に使用した集光板の概略平面図及び概略正面図である。
【図8】実施例2の面発光体を示した概略説明図である。
【図9】実施例2及び比較例1の面発光体における各波長の正面輝度を示した図である。
【図10】比較例1の面発光体に対する実施例2の面発光体の各波長における正面輝度の倍率を示した図である。
【符号の説明】
【0053】
10 有機EL素子(面発光素子)
11 透光性基板
12 ホール注入電極
13a ホール注入層
13b ホール輸送層
14a 青色発光層
14b 赤色発光層
14c 緑色発光層
15a 第1中間層
15b 第2中間層
15c 第3中間層
16a 電子輸送層
16b 電子注入層
17 電子注入電極
21 集光板
21a 基板
21b レンズ列
22 拡散板
23 集光板
23a 基板
23m プリズム
23c レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子を備えた面発光体において、上記の面発光素子における発光層からの配光輝度特性を発光波長によって異ならせると共に、上記の透光性基板の出射面に、表面に凹凸が設けられた透光性の集光板を設けたことを特徴とする面発光体。
【請求項2】
請求項1に記載の面発光体において、上記の集光板として、その表面に断面三角形状のレンズ列が複数形成されたものを用い、2つの集光板における上記のレンズ列が直交するようにして、2つの集光板を上記の透光性基板の出射面に積層させたことを特徴とする面発光体。
【請求項3】
光を出射する透光性基板の出射面と反対側の面に異なった複数の波長の発光を行う発光層が設けられた面発光素子を備え、この面発光素子における発光層からの配光輝度特性を発光波長によって異ならせると共に、上記の透光性基板の出射面に、凹凸が設けられた面における凸部を接触させるようにして透光性の集光板を設けたことを特徴とする面発光体。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の面発光体において、上記の面発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする面発光体。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の面発光体において、上記の面発光素子が青色に発光する青色発光材料と赤色に発光する赤色発光材料と緑色に発光する緑色発光材料とを備え、上記の集光板を設ける前において、上記の透光性基板の法線方向における青色の正面輝度をIb0、赤色の正面輝度をIr0、緑色の正面輝度をIg0とし、上記の法線に対して50度傾斜した方向における青色の輝度をIb1、赤色の輝度をIr1、緑色の輝度をIg1とした場合に、Ib1/Ib0>Ir1/Ir0及び/又はIb1/Ib0>Ig1/Ig0の条件を満たすことを特徴とする面発光体。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の面発光体において、上記の面発光素子が白色に発光することを特徴とする面発光素子。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の面発光体において、上記の面発光素子が、異なった波長の発光を行う複数の発光層を備えることを特徴とする面発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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