靴用の支援プレート具
複数の長手方向にジグザグ状で、略横に向っている切り出し部を有するプレート挿入物を備えている履き物が記載されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に履き物に関する。特に、本発明は履き物の品目における、支援具としての可撓プレートの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
活動用の履き物をデザインする際に考慮する内の大部分は、危険(例えば、石及び岩)についてである。石、岩石又は他の小さな凹凸物(これ以後、「岩石」と称す)は、靴底の小さな面積部分に力を集中させ、それにより該面積部分の圧力又は応力を増加します。石又は岩石は、集中した応力がかかったときに靴底を突き破り、履く者に不快感を起させると言われている。
【0003】
履き物の一部分に掛る応力の程度及びそれと結び付く突き破りの危険は、岩石の大きさ(例えば、小さいか、中ぐらいか、大きいか等)に依存している。概して、小さな岩石は、靴底の局部領域にのみ限定された集中応力を引き起こす。例えば、図1を見ると、通常、これら集中応力は靴底にクッション材料を使用することによって容易に消散する。大きな岩石もまた、大きな岩石が大きな接触面積を提供するので、概して突き破りの危険性を少なくしている。例えば、図2を見ると、大きな接触面積によって、接触によって生じる内部応力の分布を大きく(すなわち、少ない集中)することができ、それにより、突き破りの危険を最小限にする。
【0004】
しかしながら、中間の大きさの岩石は、概して突き破りの危険が最も大きい。例えば、図3を見ると、中間の大きさの岩石によって生じる応力は、概して使用者に苦痛をもたらすに十分な程度に集中化される。中間の大きさの岩石は、1〜6cmのものである。
【0005】
岩石による突き破りは、主として前足部の問題である。概してかかとは、靴のかかとの厚いクッションと履く者のかかとの下に新規に置かれた、厚く、平坦なパッドの両者によって保護されている。この多層のクッションが、概して岩石による突き破りに対する相応の保護以上のものを提供しており、かつ接触によって生じる力又は応力を分散するのに役立っている。しかしながら、前足部においては、堅い組織(例えば、骨)が地面近くにあり、クッション性の軟かい組織によってあまり保護されていない。さらに、現在の靴のデザインは、靴底において前足部を薄くするようにしばしば要求しており、それにより、岩石による突き破りに対する抵抗が少なくなっている。
【0006】
図4を参照すると、従来の靴構造が示されている。ブーツ110は、外底(アウトソウル)112、中底(ミッドソウル)114、土踏まず部116及びシェル118とを含んでいる。かかとのクッション120と前足部クッション122とは、中敷き(インソウル)124とシェル118との間に配置されている。甲部126もまた設けられ、かつ締めひも128が適宜設けられている。好ましくは、土踏まず部116は、中底114の凹部114aに配置される一方、クッション120,122は、中敷き124の凹部に配置されている。
【0007】
従来例においては、外底112は、カーボンゴムから作られている一方で、中底114は、モールドされた発泡エチルビニルアセテートから作られている。土踏まず部116は、熱可塑性ポリウレタンから作られる一方で、甲部126は、皮、織布、発泡体及び他の適当な絶縁材から作られている。様々なポリマー要素が互いに接着剤又は他のボンド剤で結合されている一方で、甲部126は、例えば、縫い合わせを用いることによって、甲部126の皮革部130の下部縁に近接するシェル118に結合されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
岩石による突き破りを防止するため、靴内に堅いプレートを挿入することができる。プレートは岩石に対する物理的な障壁を示しており、中底を圧縮し、突き破るのをある程度減少している。更に、プレートは集中応力を再分配することによって緩衝ルートの役目を果たし、それにより、底材の内部応力及び足に作用するピーク圧力を減少する。
【0009】
プレート構造の効果は、いろいろな能力パラメーターによって計測できる。これらの能力パラメーターには、可撓性、捩り撓み/捩り抵抗、均一性、重量及び復原性を含んでいる。可撓性は、数ある中でも、曲げているときのプレートの堅さによって計測できる。捩り撓み/捩り抵抗は、数ある中でも、プレートをその長手方向に沿って曲げているときのプレートの堅さによって計測できる。均一性は、典型的にはプレートのボディを横切って均等に受けた応力を分配するプレートの能力に関係する。復原性は、典型的には靴の内側部/側方部及び中心部との間の堅さの差に関係する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
多くの場合、前述した規準を最大限に利用する、支援となる、弾性力のある、岩石に対する抵抗性があるプレート構造を提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、足の足底面への小さな曲率の岩石の影響例を示している。
【図2】図2は、足の足底面への大きな曲率の岩石の影響例を示している。
【図3】図3は、足の足底面への中ぐらいの曲率の岩石の影響例を示している。
【図4】図4は、従来の靴の構造例を提供している。
【図5】図5は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図6】図6は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図7】図7は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する透視図である。
【図8】図8は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する透視図である。
【図9】図9は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する上方視図である。
【図10】図10は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する下方視図である。
【図11】図11は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図12】図12は、かかと受け入れ部を組み入れている、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図13】図13は、かかと受け入れ部を組み入れている、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図14】図14は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を組み入れている標準的なランニングシューズを説明する分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図示されている、本発明の1つ又はそれ以上の実施例の詳細な説明は、図面内に図示されている例示の通りである。本発明の各々の例及び実施例が説明されているが、これによって本発明が限定されるものではない。例えば、1つ実施例の特徴又はその一部として説明したものが、別の実施例に利用され、さらなる実施例を生み出すこともできる。本発明は、これらの及び他の修正及び変更を含んでいる。
【0013】
図5は、足プレートの実施例を示している。この足プレートは、複数の長手方向にジグザグ状で、かつ横方向の切り出し部を含んでおり、これらの切り出し部は、図に示されるように、前後に往復したプレート構造となっている。長手方向の軸は、Y−Y線で示され、一方、横方向の軸は、X−X線で示されている。この蛇行状又は連続したS(又はZ)形状が、十分な捩り撓みをもたらし、その一方で圧縮を減少し、かつ突き破りを防止している。
【0014】
或る実施例においては、蛇行形状は、延長部又は張出し部501に沿って、集中した外部応力を再分配することができる。張出し部501は、長手方向にジグザグ状で、かつ略横方向の切り出し部504によって形成されている。実際には、張出し部501の蛇行形状は、足の外側部分へと応力を分配する助けとなっている。これが、プレート上の靴底材中の内部応力を減少し、足への圧力を軽減している。蛇行形状の足プレートの実施例は、さらなる応力の消失を助ける、支持リブ502と、使用者の足を支えかつ囲むポスティング(書き込み部)503ともまた含んでいる。
【0015】
実施例の蛇行形状は、捩り撓みを増加することができる。これらの実施例では、蛇行形状は、長手方向の軸に沿って置かれた力に対して抵抗が少ない。このことが、危険に直面する運動選手が、長手方向の軸に沿って一層効果的に「弾力性(ギブ)」を利用すること及び使用中のバランスを維持することを可能にしている。
【0016】
更に、プレートの蛇行形状が、プレートの水平軸に沿って最大の可撓性を提供する助けとなっている。蛇行形状のおかげで、プレートがかかとからつま先まで非常に積極的に曲がることが可能となり、このことは、かかとで体重を支えるこれらの使用者に大きな利益をもたらす。また、蛇行形状のおかげで、着用者がそのバランスを維持又は取り戻す助けとなっている。
【0017】
ここに記載されているような実施例の蛇行形状の足プレートは、軽量のままでいる限り、これらの利益を提供するのに最大限に利用できる。特に、典型的な堅いプレートと比較した場合、ここに記載されているような実施例の蛇行形状の足プレートでは、出来るだけ多くの不必要な材料を取り去ることができる一方で、上述した利益をまだ提供できる。
【0018】
実施例の蛇行形状の足プレートは、エラストマーのポリマー(弾性重合体)(例えば、ハイトレル(Hytrel)(商標)、ペバックス(Pebax)(商標)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)等)又は複合材料(例えば、炭素繊維(カーボンファイバー)、TPU複合材)の単一片から形成されており、かつ曲った蛇又はいくつかの連続した蛇行形状として形成されている(上述したように)。
【0019】
或る実施例では、蛇行形状の足プレートは、足に沿って延びている一方で、他の実施例では、つま先の領域から足の中間の領域まで延びている。例えば、図6を参照すると、図6に示されている蛇行形状の足プレートの実施例では、延長部又は張出し部601を含んでいる。
【0020】
実施例の蛇行形状の足プレートは、プレートの上下に置かれたクッション材と共に、内底(ミッドソウル)の頂部、底部又は中間部近くに設置されている。
【0021】
或る実施例では、張出し部は、靴の水平な縁部へと延在している一方で、他の実施例では、完全にではなく略、水平な縁部へと延在している。
【0022】
或る実施例では、張出し部は、略同様な横幅からなっている。例えば、図5を参照しなさい。他の実施例では、張出し部は、靴の全体の構造に合わせて、次第に細くなっている(足の中間又はつま先に向かって)。例えば、図6を参照しなさい。
【0023】
つま先の領域から足の中間にまで延びている、実施例の蛇行形状の足プレートは、つま先で体重のバランスをとっている運動選手(例えば、上り坂の走者)にとって特に効果的である。例えば、上り坂の走者は、少なくとも2つの理由で最大の捩り撓みを必要とする。先ず第1に、走者の体重は、非常に小さな領域(即ち、つま先領域)で支えられている。そのようにして、走者は、バランスを維持し、絶えず移動する体重を支えるのを助けるための最大量の可撓性を必要とする。第2に、比較的に小さな領域での石の突き破りによって、走者がバランスを崩すのを減少できる。つま先の領域から延びている、実施例の蛇行形状の足プレートは、つま先の領域でのこれらの集中した応力を消散する助けとなる。
【0024】
1つの実施例では、蛇行形状の足プレートの1つの張出し部の中間点と次の張出し部の中間点との間の距離は、0.5mm〜20.0mmの間である。
【0025】
図7〜11は、様々の方向から見た、蛇行形状の足プレートの実施例を示している。図7は、運動靴の一部としての蛇行形状の足プレートの実施例の透視図である。図8は、蛇行形状の足プレートの実施例の別の透視図である。図9は、蛇行形状の足プレートの実施例の上方視図である。図10は、蛇行形状の足プレートの実施例の下方視図である。図11は、足の中間までのみ延在している、蛇行形状の足プレートの実施例を示している。
【0026】
図12〜13は、強化かかと受け入れ部を組み入れている、蛇行形状の足プレートの実施例を提供している。図12は、強化かかと受け入れ部1202から分かれている、蛇行形状の足プレート1201を含む靴底1200を示している。図13は、一緒になっている、連続して形成されている蛇行形状の足プレート1301と強化かかと受け入れ部1302とを含む靴底1300を示している。
【0027】
図14は、蛇行形状の足プレートの実施例を組み入れている、典型的な運動靴を説明する分解図である。甲部1401と外底1405とが、中底1402と蛇行形状の足プレート1404とを挟み込んでいる。中底1402は、さらに中底クッション1403を備えていてもよい。
【0028】
本発明の実施例が、前述の出願を参考にして説明されているが、この実施例の説明は、限定した意味で解釈されることを意味するものではない。本発明の実施例の全ての形態が、様々な原則及び変更に依存していて、ここで説明された特定の記述、形状又は寸法に限定されるものではない。開示された器具の形態及び細部の様々な修正、及び本発明の実施例の変更は、現在の開示を参考にするなら当業者にとって明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に履き物に関する。特に、本発明は履き物の品目における、支援具としての可撓プレートの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
活動用の履き物をデザインする際に考慮する内の大部分は、危険(例えば、石及び岩)についてである。石、岩石又は他の小さな凹凸物(これ以後、「岩石」と称す)は、靴底の小さな面積部分に力を集中させ、それにより該面積部分の圧力又は応力を増加します。石又は岩石は、集中した応力がかかったときに靴底を突き破り、履く者に不快感を起させると言われている。
【0003】
履き物の一部分に掛る応力の程度及びそれと結び付く突き破りの危険は、岩石の大きさ(例えば、小さいか、中ぐらいか、大きいか等)に依存している。概して、小さな岩石は、靴底の局部領域にのみ限定された集中応力を引き起こす。例えば、図1を見ると、通常、これら集中応力は靴底にクッション材料を使用することによって容易に消散する。大きな岩石もまた、大きな岩石が大きな接触面積を提供するので、概して突き破りの危険性を少なくしている。例えば、図2を見ると、大きな接触面積によって、接触によって生じる内部応力の分布を大きく(すなわち、少ない集中)することができ、それにより、突き破りの危険を最小限にする。
【0004】
しかしながら、中間の大きさの岩石は、概して突き破りの危険が最も大きい。例えば、図3を見ると、中間の大きさの岩石によって生じる応力は、概して使用者に苦痛をもたらすに十分な程度に集中化される。中間の大きさの岩石は、1〜6cmのものである。
【0005】
岩石による突き破りは、主として前足部の問題である。概してかかとは、靴のかかとの厚いクッションと履く者のかかとの下に新規に置かれた、厚く、平坦なパッドの両者によって保護されている。この多層のクッションが、概して岩石による突き破りに対する相応の保護以上のものを提供しており、かつ接触によって生じる力又は応力を分散するのに役立っている。しかしながら、前足部においては、堅い組織(例えば、骨)が地面近くにあり、クッション性の軟かい組織によってあまり保護されていない。さらに、現在の靴のデザインは、靴底において前足部を薄くするようにしばしば要求しており、それにより、岩石による突き破りに対する抵抗が少なくなっている。
【0006】
図4を参照すると、従来の靴構造が示されている。ブーツ110は、外底(アウトソウル)112、中底(ミッドソウル)114、土踏まず部116及びシェル118とを含んでいる。かかとのクッション120と前足部クッション122とは、中敷き(インソウル)124とシェル118との間に配置されている。甲部126もまた設けられ、かつ締めひも128が適宜設けられている。好ましくは、土踏まず部116は、中底114の凹部114aに配置される一方、クッション120,122は、中敷き124の凹部に配置されている。
【0007】
従来例においては、外底112は、カーボンゴムから作られている一方で、中底114は、モールドされた発泡エチルビニルアセテートから作られている。土踏まず部116は、熱可塑性ポリウレタンから作られる一方で、甲部126は、皮、織布、発泡体及び他の適当な絶縁材から作られている。様々なポリマー要素が互いに接着剤又は他のボンド剤で結合されている一方で、甲部126は、例えば、縫い合わせを用いることによって、甲部126の皮革部130の下部縁に近接するシェル118に結合されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
岩石による突き破りを防止するため、靴内に堅いプレートを挿入することができる。プレートは岩石に対する物理的な障壁を示しており、中底を圧縮し、突き破るのをある程度減少している。更に、プレートは集中応力を再分配することによって緩衝ルートの役目を果たし、それにより、底材の内部応力及び足に作用するピーク圧力を減少する。
【0009】
プレート構造の効果は、いろいろな能力パラメーターによって計測できる。これらの能力パラメーターには、可撓性、捩り撓み/捩り抵抗、均一性、重量及び復原性を含んでいる。可撓性は、数ある中でも、曲げているときのプレートの堅さによって計測できる。捩り撓み/捩り抵抗は、数ある中でも、プレートをその長手方向に沿って曲げているときのプレートの堅さによって計測できる。均一性は、典型的にはプレートのボディを横切って均等に受けた応力を分配するプレートの能力に関係する。復原性は、典型的には靴の内側部/側方部及び中心部との間の堅さの差に関係する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
多くの場合、前述した規準を最大限に利用する、支援となる、弾性力のある、岩石に対する抵抗性があるプレート構造を提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、足の足底面への小さな曲率の岩石の影響例を示している。
【図2】図2は、足の足底面への大きな曲率の岩石の影響例を示している。
【図3】図3は、足の足底面への中ぐらいの曲率の岩石の影響例を示している。
【図4】図4は、従来の靴の構造例を提供している。
【図5】図5は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図6】図6は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図7】図7は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する透視図である。
【図8】図8は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する透視図である。
【図9】図9は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する上方視図である。
【図10】図10は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明する下方視図である。
【図11】図11は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図12】図12は、かかと受け入れ部を組み入れている、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図13】図13は、かかと受け入れ部を組み入れている、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を説明している。
【図14】図14は、典型的な蛇行形状の足プレートの実施例を組み入れている標準的なランニングシューズを説明する分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図示されている、本発明の1つ又はそれ以上の実施例の詳細な説明は、図面内に図示されている例示の通りである。本発明の各々の例及び実施例が説明されているが、これによって本発明が限定されるものではない。例えば、1つ実施例の特徴又はその一部として説明したものが、別の実施例に利用され、さらなる実施例を生み出すこともできる。本発明は、これらの及び他の修正及び変更を含んでいる。
【0013】
図5は、足プレートの実施例を示している。この足プレートは、複数の長手方向にジグザグ状で、かつ横方向の切り出し部を含んでおり、これらの切り出し部は、図に示されるように、前後に往復したプレート構造となっている。長手方向の軸は、Y−Y線で示され、一方、横方向の軸は、X−X線で示されている。この蛇行状又は連続したS(又はZ)形状が、十分な捩り撓みをもたらし、その一方で圧縮を減少し、かつ突き破りを防止している。
【0014】
或る実施例においては、蛇行形状は、延長部又は張出し部501に沿って、集中した外部応力を再分配することができる。張出し部501は、長手方向にジグザグ状で、かつ略横方向の切り出し部504によって形成されている。実際には、張出し部501の蛇行形状は、足の外側部分へと応力を分配する助けとなっている。これが、プレート上の靴底材中の内部応力を減少し、足への圧力を軽減している。蛇行形状の足プレートの実施例は、さらなる応力の消失を助ける、支持リブ502と、使用者の足を支えかつ囲むポスティング(書き込み部)503ともまた含んでいる。
【0015】
実施例の蛇行形状は、捩り撓みを増加することができる。これらの実施例では、蛇行形状は、長手方向の軸に沿って置かれた力に対して抵抗が少ない。このことが、危険に直面する運動選手が、長手方向の軸に沿って一層効果的に「弾力性(ギブ)」を利用すること及び使用中のバランスを維持することを可能にしている。
【0016】
更に、プレートの蛇行形状が、プレートの水平軸に沿って最大の可撓性を提供する助けとなっている。蛇行形状のおかげで、プレートがかかとからつま先まで非常に積極的に曲がることが可能となり、このことは、かかとで体重を支えるこれらの使用者に大きな利益をもたらす。また、蛇行形状のおかげで、着用者がそのバランスを維持又は取り戻す助けとなっている。
【0017】
ここに記載されているような実施例の蛇行形状の足プレートは、軽量のままでいる限り、これらの利益を提供するのに最大限に利用できる。特に、典型的な堅いプレートと比較した場合、ここに記載されているような実施例の蛇行形状の足プレートでは、出来るだけ多くの不必要な材料を取り去ることができる一方で、上述した利益をまだ提供できる。
【0018】
実施例の蛇行形状の足プレートは、エラストマーのポリマー(弾性重合体)(例えば、ハイトレル(Hytrel)(商標)、ペバックス(Pebax)(商標)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)等)又は複合材料(例えば、炭素繊維(カーボンファイバー)、TPU複合材)の単一片から形成されており、かつ曲った蛇又はいくつかの連続した蛇行形状として形成されている(上述したように)。
【0019】
或る実施例では、蛇行形状の足プレートは、足に沿って延びている一方で、他の実施例では、つま先の領域から足の中間の領域まで延びている。例えば、図6を参照すると、図6に示されている蛇行形状の足プレートの実施例では、延長部又は張出し部601を含んでいる。
【0020】
実施例の蛇行形状の足プレートは、プレートの上下に置かれたクッション材と共に、内底(ミッドソウル)の頂部、底部又は中間部近くに設置されている。
【0021】
或る実施例では、張出し部は、靴の水平な縁部へと延在している一方で、他の実施例では、完全にではなく略、水平な縁部へと延在している。
【0022】
或る実施例では、張出し部は、略同様な横幅からなっている。例えば、図5を参照しなさい。他の実施例では、張出し部は、靴の全体の構造に合わせて、次第に細くなっている(足の中間又はつま先に向かって)。例えば、図6を参照しなさい。
【0023】
つま先の領域から足の中間にまで延びている、実施例の蛇行形状の足プレートは、つま先で体重のバランスをとっている運動選手(例えば、上り坂の走者)にとって特に効果的である。例えば、上り坂の走者は、少なくとも2つの理由で最大の捩り撓みを必要とする。先ず第1に、走者の体重は、非常に小さな領域(即ち、つま先領域)で支えられている。そのようにして、走者は、バランスを維持し、絶えず移動する体重を支えるのを助けるための最大量の可撓性を必要とする。第2に、比較的に小さな領域での石の突き破りによって、走者がバランスを崩すのを減少できる。つま先の領域から延びている、実施例の蛇行形状の足プレートは、つま先の領域でのこれらの集中した応力を消散する助けとなる。
【0024】
1つの実施例では、蛇行形状の足プレートの1つの張出し部の中間点と次の張出し部の中間点との間の距離は、0.5mm〜20.0mmの間である。
【0025】
図7〜11は、様々の方向から見た、蛇行形状の足プレートの実施例を示している。図7は、運動靴の一部としての蛇行形状の足プレートの実施例の透視図である。図8は、蛇行形状の足プレートの実施例の別の透視図である。図9は、蛇行形状の足プレートの実施例の上方視図である。図10は、蛇行形状の足プレートの実施例の下方視図である。図11は、足の中間までのみ延在している、蛇行形状の足プレートの実施例を示している。
【0026】
図12〜13は、強化かかと受け入れ部を組み入れている、蛇行形状の足プレートの実施例を提供している。図12は、強化かかと受け入れ部1202から分かれている、蛇行形状の足プレート1201を含む靴底1200を示している。図13は、一緒になっている、連続して形成されている蛇行形状の足プレート1301と強化かかと受け入れ部1302とを含む靴底1300を示している。
【0027】
図14は、蛇行形状の足プレートの実施例を組み入れている、典型的な運動靴を説明する分解図である。甲部1401と外底1405とが、中底1402と蛇行形状の足プレート1404とを挟み込んでいる。中底1402は、さらに中底クッション1403を備えていてもよい。
【0028】
本発明の実施例が、前述の出願を参考にして説明されているが、この実施例の説明は、限定した意味で解釈されることを意味するものではない。本発明の実施例の全ての形態が、様々な原則及び変更に依存していて、ここで説明された特定の記述、形状又は寸法に限定されるものではない。開示された器具の形態及び細部の様々な修正、及び本発明の実施例の変更は、現在の開示を参考にするなら当業者にとって明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履き物が、複数の長手方向にジグザグ状で、略横方向の切り出し部を有したプレート挿入物を備えているところの履き物。
【請求項2】
長手方向にジグザグ状で、略横方向の該切り出し部が、連続した、繰り返しのS字形状を形成している請求項1に記載の履き物。
【請求項3】
該プレート挿入物が、複数の張出し部を備えている請求項1に記載の履き物。
【請求項4】
複数の該張出し部が、略同様な横幅からなっている請求項3に記載の履き物。
【請求項5】
複数の該張出し部が、幅が次第に細くなっている請求項3に記載の履き物。
【請求項6】
該プレート挿入物が、応力の消散の助けとなる支持リブを備えている請求項1に記載の履き物。
【請求項7】
該プレート挿入物が、使用者の足を支えかつ囲むためのポスティングを備えている請求項1に記載の履き物。
【請求項8】
該プレート挿入物が、エラストマーのポリマーから形成されている請求項1に記載の履き物。
【請求項9】
該プレート挿入物が、炭素繊維と熱可塑性ポリウレタンから形成されている請求項1に記載の履き物。
【請求項10】
複数の張出し部が、靴の略側縁へと延びている請求項1に記載の履き物。
【請求項11】
履き物が、
甲部と、
前記甲部に結合された中底と、
前記中底に結合された強化かかと受け入れ部と、
複数の長手方向にジグザグ状で、略横に向っている切り出し部を有するプレート挿入物と、
を備えているところの履き物。
【請求項12】
長手方向にジグザグ状で、略横方向の該切り出し部が、連続した、繰り返しのS字形状を形成している請求項11に記載の履き物。
【請求項13】
該プレート挿入物が、複数の張出し部を備えている請求項11に記載の履き物。
【請求項14】
複数の該張出し部が、略同様な横幅からなっている請求項13に記載の履き物。
【請求項15】
複数の該張出し部は、幅が次第に細くなっている請求項13に記載の履き物。
【請求項16】
該プレート挿入物が、応力の消散の助けとなる支持リブを備えている請求項11に記載の履き物。
【請求項17】
該プレート挿入物が、使用者の足を支えかつ囲むためのポスティングを備えている請求項11に記載の履き物。
【請求項18】
該プレート挿入物が、エラストマーのポリマーから形成されている請求項11に記載の履き物。
【請求項19】
該プレート挿入物が、炭素繊維と熱可塑性ポリウレタンから形成されている請求項11に記載の履き物。
【請求項20】
複数の張出し部が、靴の略側縁へと延びている請求項11に記載の履き物。
【請求項1】
履き物が、複数の長手方向にジグザグ状で、略横方向の切り出し部を有したプレート挿入物を備えているところの履き物。
【請求項2】
長手方向にジグザグ状で、略横方向の該切り出し部が、連続した、繰り返しのS字形状を形成している請求項1に記載の履き物。
【請求項3】
該プレート挿入物が、複数の張出し部を備えている請求項1に記載の履き物。
【請求項4】
複数の該張出し部が、略同様な横幅からなっている請求項3に記載の履き物。
【請求項5】
複数の該張出し部が、幅が次第に細くなっている請求項3に記載の履き物。
【請求項6】
該プレート挿入物が、応力の消散の助けとなる支持リブを備えている請求項1に記載の履き物。
【請求項7】
該プレート挿入物が、使用者の足を支えかつ囲むためのポスティングを備えている請求項1に記載の履き物。
【請求項8】
該プレート挿入物が、エラストマーのポリマーから形成されている請求項1に記載の履き物。
【請求項9】
該プレート挿入物が、炭素繊維と熱可塑性ポリウレタンから形成されている請求項1に記載の履き物。
【請求項10】
複数の張出し部が、靴の略側縁へと延びている請求項1に記載の履き物。
【請求項11】
履き物が、
甲部と、
前記甲部に結合された中底と、
前記中底に結合された強化かかと受け入れ部と、
複数の長手方向にジグザグ状で、略横に向っている切り出し部を有するプレート挿入物と、
を備えているところの履き物。
【請求項12】
長手方向にジグザグ状で、略横方向の該切り出し部が、連続した、繰り返しのS字形状を形成している請求項11に記載の履き物。
【請求項13】
該プレート挿入物が、複数の張出し部を備えている請求項11に記載の履き物。
【請求項14】
複数の該張出し部が、略同様な横幅からなっている請求項13に記載の履き物。
【請求項15】
複数の該張出し部は、幅が次第に細くなっている請求項13に記載の履き物。
【請求項16】
該プレート挿入物が、応力の消散の助けとなる支持リブを備えている請求項11に記載の履き物。
【請求項17】
該プレート挿入物が、使用者の足を支えかつ囲むためのポスティングを備えている請求項11に記載の履き物。
【請求項18】
該プレート挿入物が、エラストマーのポリマーから形成されている請求項11に記載の履き物。
【請求項19】
該プレート挿入物が、炭素繊維と熱可塑性ポリウレタンから形成されている請求項11に記載の履き物。
【請求項20】
複数の張出し部が、靴の略側縁へと延びている請求項11に記載の履き物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2010−527654(P2010−527654A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508592(P2010−508592)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/063796
【国際公開番号】WO2008/144446
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(503204222)ザ ノース フェイス アパレル コーポレイション (4)
【氏名又は名称原語表記】The North Face Apparel Corp.
【住所又は居所原語表記】3411 Silverside Road,Wilmington,Delaware 19810 U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/063796
【国際公開番号】WO2008/144446
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(503204222)ザ ノース フェイス アパレル コーポレイション (4)
【氏名又は名称原語表記】The North Face Apparel Corp.
【住所又は居所原語表記】3411 Silverside Road,Wilmington,Delaware 19810 U.S.A.
【Fターム(参考)】
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