説明

鞍乗り型車両

【課題】他部材の配置等への影響を抑えてコンパクトにABSモジュールを配置すると共に、ABSモジュールに対する外乱の影響等を抑えることができる鞍乗り型車両を提供する。
【解決手段】ピリオンステップブラケット54が、車体フレームのブラケット固定部(締結ボス67b、締結ブラケット68b)から車幅方向外側方へ広がるように設けられ、ABSモジュール61は、前記ブラケット固定部よりも車幅方向外側方でピリオンステップブラケット54の車幅方向外側端T2よりも車幅方向内側方に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車等の鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アンチロックブレーキシステム(Anti-lock Brake System、以下、ABSという)を備えた自動二輪車が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来は、ABSを機能させるべくブレーキ液圧の減圧を行うABSモジュールが高価かつ大型であったため、部品スペースが比較的確保し易い大排気量の自動二輪車に適用されてきた。特許文献1記載の車両では、左右のピボットフレームの間にABSモジュールを配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−8375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年ではABSモジュールが廉価かつ小型になりつつあることから、種々の車両に搭載できるようにすることが望まれている。また、ABSモジュールを左右ピボットフレーム間等の車体内側に配置することは、ABSモジュールに外乱が及び難いという点で有利である。
しかし、車体内側は種々の部品が配置されていることから、ABSモジュールを配置するには他部品の配置変更が必要であった。他方、ABSモジュールを車体外側に配置する場合、ABSモジュールに対する外乱の影響等を考慮することも必要であり、ABSモジュールの搭載方法の工夫が必要とされる。
【0005】
そこで本発明は、他部材の配置等への影響を抑えてコンパクトにABSモジュールを配置すると共に、ABSモジュールに対する外乱の影響等を抑えることができる鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体フレーム(5)に固定されると共に後部同乗者用のピリオンステップ(54a)を支持するピリオンステップブラケット(54)と、車輪(2,9)に制動力を与える液圧式ブレーキ(56,57)と、前記車輪(2,9)のスリップを回避するべく前記液圧式ブレーキ(56,57)に作用する液圧を減圧可能なABSモジュール(61)とを備える鞍乗り型車両(1)であって、前記ピリオンステップブラケット(54)は、前記車体フレーム(5)におけるブラケット固定部(67b,68b)から車幅方向外側方へ広がるように設けられ、前記ABSモジュール(61)は、前記ブラケット固定部(67b,68b)よりも車幅方向外側方で前記ピリオンステップブラケット(54)の車幅方向外側端(T2)よりも車幅方向内側方に配置されることを特徴とする。
なお、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記ABSモジュール(61)を前記ピリオンステップブラケット(54)及び前記車体フレーム(5)の少なくとも一方に支持すると共に前記ABSモジュール(61)の少なくとも下方及び車幅方向内側方を覆うモジュールブラケット(71)と、前記ABSモジュール(61)の少なくとも車幅方向外側方を覆うモジュールカバー(75)とを備えることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記モジュールブラケット(71)は、前記ピリオンステップブラケット(54)と共に前記ブラケット固定部(67b,68b)に共締め固定されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記ABSモジュール(61)は、前記液圧式ブレーキ(56,57)及びこの液圧式ブレーキ(56,57)に対応するマスターシリンダ(58,59)をそれぞれ接続可能な複数の液圧ポート(62a,62b,63a,63b)を有し、前記モジュールブラケット(71)には、前記各液圧ポート(62a,62b,63a,63b)からそれぞれ延びる複数の中継配管(74a)を接続すると共にこれら複数の中継配管(74a)に前記液圧式ブレーキ(56,57)及びマスターシリンダ(58,59)からそれぞれ延びる複数の液圧配管(58a,58b,59a,59b)を接続可能とする配管継手(74)が取り付けられることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、車体の車幅方向一側に偏倚してバッテリ(38)を備え、前記ABSモジュール(61)は、車幅方向で前記バッテリ(38)と同側に配置されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記液圧式ブレーキ(56,57)は、車輪(2,9)と共に回動するブレーキディスク(56a,57a)と、前記ブレーキディスク(56a,57a)を挟圧するキャリパ(56b,57b)とを備え、前記ブレーキディスク(56a,57a)及びキャリパ(56b,57b)は、車輪(2,9)の車幅方向一側に配置されると共に、前記ABSモジュール(61)は、車幅方向で前記ブレーキディスク(56a,57a)及びキャリパ(56b,57b)と同側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、ABSモジュールを車体フレームのブラケット固定部よりも車幅方向外側方かつピリオンステップブラケットの車幅方向外側端よりも車幅方向内側方に配置することで、車体内側に位置する他部材の配置等への影響を抑えてABSモジュールを搭載できると共に、ABSモジュールに車幅方向外側方から外力が至ることを抑えることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、ABSモジュールに土砂や雨水等が掛かったり外力が至ることを抑え、かつABSモジュールを目立たなくして車両外観への影響を抑えることができる。
請求項3に記載した発明によれば、ABSモジュール及びモジュールブラケットを強固かつ合理的な構造で車体フレームに取り付けることができる。
請求項4に記載した発明によれば、ABSモジュール、モジュールブラケット、各中継配管及び配管継手を一体のユニットとすることができ、かつABSモジュールに対する液圧式ブレーキ及びマスターシリンダから延びる各液圧配管の接続は配管継手を介して簡便に行うことができる。
請求項5に記載した発明によれば、比較的単価が高い電気配線を短くしてコスト低減を図ることができる。
請求項6に記載した発明によれば、液圧配管を短くしてコスト低減を図ると共に液圧配管の取り回しを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における自動二輪車の左側面図である。
【図2】上記自動二輪車の車体フレーム等の平面図(上面図)である。
【図3】上記自動二輪車の車体フレーム等の正面図(前面図)である。
【図4】上記自動二輪車のブレーキシステムの構成図である。
【図5】上記自動二輪車のピリオンステップ周辺の右側面図である。
【図6】図5に示す部位の平面図である。
【図7】上記自動二輪車のABSモジュール及びモジュールブラケットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
【0012】
図1に示す自動二輪車1において、その前輪2は左右フロントフォーク3の下端部に軸支され、左右フロントフォーク3の上部はステアリングステム4及びトップブリッジ4aを介して車体フレーム5前端部のヘッドパイプ6に操向可能に枢支される。トップブリッジ4a上には操向用バーハンドル7が取り付けられる。左右フロントフォーク3間にはフロントフェンダ8が支持される。
【0013】
自動二輪車1の後輪9は、車体後部下側で前後に延びるスイングアーム11の後端部に軸支される。スイングアーム11の前端部は、車体フレーム5下部のピボットパイプ12に上下揺動可能に枢支される。後輪9は、自動二輪車1の原動機であるエンジン13に対し、車体後部左側に配置された例えばチェーン式の伝動機構14を介して連係される。
【0014】
車体フレーム5は、前記エンジン13を取り囲むクレードル形のもので、複数種の鋼材を溶接等により一体に結合してなる。
図2,3を併せて参照し、車体フレーム5は、前記ヘッドパイプ6と、ヘッドパイプ6の後部から下後方へ側面視で比較的緩傾斜をなして延びる単一のメインフレーム15と、メインフレーム15の前端部両側から左右に分岐するように下後方へ側面視で比較的急傾斜をなして延びる左右ダウンフレーム16と、左右ダウンフレーム16の下端部から後方へ湾曲して延びる左右ロアフレーム17と、左右ダウンフレーム16の上部間を連結するフロントアッパクロスパイプ18と、左右ロアフレーム17の前部間を連結するフロントロアクロスパイプ19と、左右ロアフレーム17の後端部間を連結するリアロアクロスパイプ21とを有する。なお、図中符号CLは車体左右中心線を示す。
【0015】
また、車体フレーム5は、メインフレーム15の後端部両側から左右に分岐するように下後方へ側面視で比較的急傾斜をなして延びた後に下前方へ湾曲してリアロアクロスパイプ21に接合される左右ミドルフレーム22と、左右ミドルフレーム22の下部前側に接合されるマウントブラケット23と、マウントブラケット23の下部にこれを貫通した状態で接合される前記ピボットパイプ12と、左右ミドルフレーム22の上端部よりも後方でメインフレーム15の後端部両側から左右に分岐するように上後方へ側面視で比較的緩傾斜をなして延びる左右シートフレーム24と、左右ミドルフレーム22の下部湾曲部の後側から上後方へ側面視で比較的急傾斜をなして延びて左右シートフレーム24の前後中間部に接合される左右サポートフレーム25と、左右シートフレーム24の前部間、前後中間部間及び後部間をそれぞれ連結するフロントクロスブラケット26、センタークロスブラケット27及びリアクロスブラケット28とを有する。
【0016】
メインフレーム15は、例えば左右分割体を一体に接合してなり、左右幅に対して上下幅を広げた縦長の断面形状を有し、車体左右中心線CLに沿って前後に延びる。メインフレーム15は、その前後端に渡って左右幅が略一定なのに対し、後側ほど上下幅が狭まるように形成される。メインフレーム15の前端部下側には、側面視で左右ダウンフレーム16に沿うように下方へ突出するガセット部15aが形成される。ガセット部15aの下端部は、フロントアッパクロスパイプ18に上方から接合される。
【0017】
左右ダウンフレーム16は、下側ほど車幅方向(左右方向)外側方へ広がるように下方へ延び、その下端部が左右ロアフレーム17の前部湾曲部に接続される。左右ロアフレーム17は、その前半部が側面視で比較的緩傾斜をなして下後方へ延び、後半部が略水平に後方へ延びる。左右ダウンフレーム16及び左右ロアフレーム17は、それぞれ車体左右毎に丸鋼管に曲げ加工等を施して一体形成される。なお、各クロスパイプ、左右ミドルフレーム22、左右シートフレーム24及び左右サポートフレーム25も、それぞれ丸鋼管に曲げ加工等を施してなる。
【0018】
左右ダウンフレーム16の直前には、側面視でこれに沿うように傾斜したフロントガードバー29が配置される。フロントガードバー29は丸鋼管に曲げ加工等を施してなり、正面視で概ね矩形状に形成される。左右ダウンフレーム16の間でフロントアッパクロスパイプ18の下方にはフロントアッパプレート18aが設けられ、このフロントアッパプレート18aにフロントガードバー29の上部が締結固定される。左右ダウンフレーム16の下端部(左右ロアフレーム17の前部湾曲部)には左右フロントロアブラケット29aが設けられ、これら左右フロントロアブラケット29aにフロントガードバー29の下部が締結固定される。
【0019】
左右ロアフレーム17は、その前半部が後側ほど車幅方向内側方に位置するように平面視で傾斜し、後半部が左右位置を略一定にして前後に延びる。左右ロアフレーム17の前部湾曲部は、車体フレーム5の下部における左右幅が最も広い最幅広部Wを形成する。左右ロアフレーム17の後部の車幅方向外側には左右メインステップブラケット31が固設され、左ロアフレーム17の後端部の車幅方向外側にはサイドスタンド支持ブラケット32が固設される。左右ミドルフレーム22の下端部後側にはメインスタンド支持ブラケット33が固設される。
【0020】
左右ミドルフレーム22は、メインフレーム15の後端部両側から下後方へ左右位置を略一定にして延びる。左右ミドルフレーム22の下部湾曲部には、その内周方からマウントブラケット23が接合される。マウントブラケット23は、その上下にエンジン13のクランクケース48の上端部及び後端部をそれぞれ支持すると共に、上下中間部にピボットパイプ12を挿通保持する。
【0021】
左右シートフレーム24は、側面視では後上がりの直線状をなして後方へ延びる。また、左右シートフレーム24は、その前半部が平面視で後側ほど車幅方向内側方に位置するように傾斜し、後半部が左右位置を略一定にして前後に延びる。なお、図中符号36は左右シートフレーム24とスイングアーム11の左右アームとの間に介設される左右リアクッションを示す。
【0022】
左右ミドルフレーム22、左右シートフレーム24の前半部及び左右サポートフレーム25は、側面視逆三角形状の空間を形成する。前記空間の左側にはエンジン吸気部品であるエアクリーナボックス37が配置され、前記空間の右側には車載電源であるバッテリ38が配置される。前記空間の車幅方向外側方は、合成樹脂製の左右サイドカバー39によりそれぞれ覆われる。
【0023】
車体上部前側には、メインフレーム15及び左右シートフレーム24の前部に支持される燃料タンク41が配置される。車体上部後側であって燃料タンク41の後方には、左右シートフレーム24に支持される鞍乗りシート42が配置される。鞍乗りシート42は、運転者用の前シートと後部同乗者用の後シートとを一体に有する。車体上後端部には、後シートの後端部の外方を囲うように形成されたグラブレール43が配設されると共に、後シートの後方及び左右下方を外方から覆うように形成されたテールカウル44が配設される。
【0024】
グラブレール43は例えば丸鋼管に曲げ加工等を施してなり、その後方には各種鋼材からなるリアキャリア45が接合される。テールカウル44の内方には、後輪9の上方を間隔を空けて覆うリアフェンダ(不図示)が配置される。前記リアフェンダの後部からは、テールカウル44よりも下方で後輪9の上後方を間隔を空けて覆う後尾フェンダ47が延出する。テールカウル44、前記リアフェンダ及び後尾フェンダ47はそれぞれ合成樹脂製とされる。
【0025】
側面視でメインフレーム15、ミドルフレーム22、ダウンフレーム16及びロアフレーム17に囲まれる部位には、前記エンジン(内燃機関)13が搭載される。
エンジン13は、クランクシャフト(不図示)の回転中心軸線(クランク軸線)C1を左右方向(車幅方向)に沿わせた空冷単気筒エンジンであり、クランクケース48の前端部からシリンダ49を略水平に(詳細にはやや前上がりに傾斜させて)前方に突出させた構成を有する。なお、図中符号C2はシリンダ49の突出方向に沿うシリンダ軸線を示す。シリンダ49は、側面視でシリンダ軸線C2の延長線が前輪2と交差する範囲で傾斜する。
【0026】
シリンダ49は、前記突出方向でクランクケース48側から順にシリンダ本体49a、シリンダヘッド49b及びヘッドカバー49cを有する。シリンダ本体49a内にはピストン(不図示)が往復動可能に嵌装され、このピストンの往復動がクランクケース48前部内の前記クランクシャフトの回転動に変換される。クランクシャフトの回転動力は、クランクケース48後部内のクラッチ及びトランスミッション(何れも不図示)を介してクランクケース48の後部左側に出力され、前記チェーン式の伝動機構14を介して後輪9に伝達される。
【0027】
シリンダ49の上方には、キャブレター(吸気調整装置)51が吸気通路を略水平にして配置される。キャブレター51は、車体左右中央部(平面視でメインフレーム15と重なる位置)に配置され、その前端部が下方に向けて湾曲する接続管51aを介してシリンダヘッド49b上側の吸気ポートに接続される。キャブレター51の後端部には、前記エアクリーナボックス37から前方へ延びるコネクティングチューブ37aが接続される。なお、キャブレター51に代わりスロットルボディを用いた構成としてもよい。
【0028】
シリンダヘッド49b下側の排気ポートには、排気管52の基端部が接続される。前記排気ポートは、シリンダヘッド49b下側で右下方に向けて斜めに開口する。排気管52は、前記排気ポートからシリンダヘッド49bの右下方に向けて延びた後に後方へ湾曲し、右ロアフレーム17の車幅方向外側方を略水平に後方へ延びる。排気管52の後端部は、車体下部右側でやや後上がりに傾斜して延在する筒状のサイレンサ52aの前端部に接続される。
【0029】
なお、図中符号53はシリンダ49の上方かつメインフレーム15の下方に配置される物品収納ボックスを、符号31aは左右ロアフレーム17の後部に支持される運転者用の左右メインステップを、符号54aは左右メインステップ31aの後方に離間して配置される左右ピリオンステップを、符号54はピボットパイプ12の左右端部及び左右サポートフレーム25の中間部に支持されて後端部に左右ピリオンステップ54aを支持する左右ピリオンステップブラケットを、符号55は車体後部左側に配置されて左シートフレーム24及び左ピリオンステップブラケット54に支持されるドレスガードを、符号55aはドレスガード55の下端部と左ピリオンステップブラケット54の後端部との間に介在して車幅方向外側方に張り出す足置きをそれぞれ示す。
【0030】
図4に示すように、自動二輪車1は、油圧式(液圧式)の前後輪ブレーキ56,57を備える。
前輪ブレーキ56は、前輪2のハブ部右側に一体回転可能に設けられるフロントディスク56aと、右フロントフォーク3の下部に支持されてフロントディスク56aを挟圧可能なフロントキャリパ56bとを有する。フロントキャリパ56bは、油圧の供給によりフロントディスク56aを挟圧して前輪2の回転を制動する。フロントキャリパ56bに油圧を供給するフロントマスターシリンダ58は、操向用バーハンドル7の右グリップ近傍に取り付けられる。フロントマスターシリンダ58が発生する油圧は、前上流油圧配管58a、ABSモジュール61の油圧回路部、及び前下流油圧配管58bを介してフロントキャリパ56bに供給される。
【0031】
後輪ブレーキ57は、後輪9のハブ部右側に一体回転可能に設けられるリアディスク57aと、スイングアーム11の右アームの後部に支持されてリアディスク57aを挟圧可能なリアキャリパ57bとを有する。リアキャリパ57bは、油圧の供給によりリアディスク57aを挟圧して後輪9の回転を制動する。リアキャリパ57bに油圧を供給するリアマスターシリンダ59は、車体下部右側の右メインステップ31a近傍に取り付けられる。リアマスターシリンダ59が発生する油圧は、後上流油圧配管59a、ABSモジュール61の油圧回路部、及び後下流油圧配管59bを介してリアキャリパ57bに供給される。
【0032】
すなわち、自動二輪車1は、フロントマスターシリンダ58とフロントキャリパ56bとの間、並びにリアマスターシリンダ59とリアキャリパ57bとの間に、共通(単一)のABSモジュール61を備える。ABSモジュール61は、前後輪2,9の制動時のスリップ(ロック)を検出した際にこれを回避するべく対応するキャリパへの供給油圧を減圧し、当該キャリパへの油圧供給が間欠的となるように制御する。
【0033】
図5,6を参照し、左右ピリオンステップブラケット54はそれぞれ、ピボットパイプ12の左右端部から側面視で略水平に後方へ延びる第一パイプ67と、左右サポートフレーム25の長手方向中間部から側面視で後下方へ延びてその下部前側に第一パイプ67の後端を接合する第二パイプ68と、第二パイプ68の下端部の車幅方向外側に接合されるステップ軸支部69とを有し、概ね左右対称に設けられる。サポートフレーム25、第一パイプ67及び第二パイプ68は、側面視で概ね正三角形状の領域Rを形成する。第一及び第二パイプ67,68は、後側ほど車幅方向外側方に位置するように上面視で傾斜して配置される。
【0034】
各パイプ67,68は丸鋼管からなり、第一パイプ67の前端部は左右方向と略直交する平板状に圧潰されてピリオンステップブラケット54の下前締結部67aを形成し、第二パイプ68の前端部は同じく左右方向と略直交する平板状に圧潰されてピリオンステップブラケット54の上前締結部68aを形成する。
【0035】
上前締結部68aは、その車幅方向内側面をピリオンステップブラケット54の車幅方向内側端T1とする。車幅方向内側端T1は、サポートフレーム25の長手方向中間部の車幅方向外側に溶接された締結ブラケット68bの車幅方向外側面に、後述するモジュールブラケット71の上締結部71dを介して当接する。この状態で、上前締結部68a(及び上締結部71d)が締結ブラケット68bに車幅方向内側方を指向するボルト68cにより締結される。
【0036】
下前締結部67aは、その車幅方向内側面を上前締結部68aの車幅方向内側面(車幅方向内側端T1)よりも車幅方向外側方に位置させる。下前締結部67aの車幅方向内側面は、ピボットパイプ12の左右端部内に固定された締結ボス67bの車幅方向外側面に、後述するモジュールブラケット71の下締結部71eを介して当接する。この状態で、下前締結部67a(及び下締結部71e)が締結ボス67bに車幅方向内側方を指向するボルト67cにより締結される。
【0037】
ステップ軸支部69は鋼板に曲げ加工等を施してなり、車幅方向外側方に向けて開放するU字形状に形成され、その両腕間に前上がりに傾斜する支持軸69aを介してピリオンステップ54aを軸支する。ステップ軸視部69の底部は第二パイプ68の下端部の車幅方向外側に溶接される。ステップ軸支部69は、その両腕先端縁をピリオンステップブラケット54の車幅方向外側端T2とする。
【0038】
なお、右ピリオンステップブラケット54のステップ軸支部69の後方には、サイレンサ52a上端の支持板を締結する締結部69cが設けられ、左ピリオンステップブラケット54のステップ軸支部69の後方には、ドレスガード55の前端部を締結する締結部(不図示)が設けられる。
【0039】
ABSモジュール61は、車体下部右側において、側面視で右サポートフレーム25と右ピリオンステップブラケット54とに囲まれる前記領域R内に配置される。
ABSモジュール61は、例えば下側から順に直方体状の電子制御部61a、同じく直方体状の油圧回路部61b、及び円柱状の電動モータ61cを並べて一体のユニットとした構成を有する。電子制御部61aの前部上側には上方に向けてコネクタ61dが突設され、このコネクタ61dにメインハーネスから延びる電気配線(何れも不図示)が接続される。電動モータ61cの中心軸線C3は上下方向と平行になるように配置される。
【0040】
ABSモジュール61は、左右方向では右ピリオンステップブラケット54の車幅方向内側端T1と車幅方向外側端T2との間に配置され、前後方向では右ピリオンステップブラケット54の前端部である下前締結部67aと後端部であるステップ軸支部69との間に配置され、かつ少なくとも一部が上前締結部68aと前後方向位置をラップさせるように配置される。ABSモジュール61は、上下方向では右ピリオンステップブラケット54の上端部である上前締結部68aと下端部である下前締結部67a及びステップ軸支部69との間に配置される。
【0041】
ABSモジュール61は、車体左右中心線CLよりも右側方に配置される。すなわち、ABSモジュール61は、車幅方向で前記バッテリ38並びに前後輪ブレーキ56,57と同じ側に配置される。ABSモジュール61は、平面視でスイングアーム11の右アーム11bと一部重なっている。
【0042】
ここで、スイングアーム11は、ピボットパイプ12の締結ボス67bに締結されたボルト67cを挿通する円筒状の左右一対の前端部11aと、左右前端部11aから後方に延出する左右アーム部11bと、左右アーム部11bの前部間を連結するクロスメンバ11cと、左右前端部11a内に保持される左右ベアリング11dとを有する。ベアリング11dのインナレースの車幅方向外側方には、カラー67d、下締結部71e及び下前締結部67aの順にこれらが当接する。ベアリング11dのインナレース、カラー67d、下締結部71e及び下前締結部67aは、前記ボルト67cにより締結ボス67bに締結される。
【0043】
図7を併せて参照し、油圧回路部61bの上面(電動モータ61c側の面)の前側には前マスターポート62aが開口し、この前マスターポート62aにフロントマスターシリンダ58から延びる前上流油圧配管58aがニップル及び中継配管74a並びに配管ターミナル74を介して接続される。油圧回路部61bの上面の後側には後マスターポート63aが開口し、この後マスターポート63aにリアマスターシリンダ59から延びる後上流油圧配管59aがニップル及び中継配管74a並びに配管ターミナル74を介して接続される。
【0044】
油圧回路部61bの右側面の前側には前キャリパポート62bが開口し、この前キャリパポート62bにフロントキャリパ56bから延びる前下流油圧配管58bがニップル及び中継配管74a並びに配管ターミナル74を介して接続される。油圧回路部61bの右側面の後側には後キャリパポート63bが開口し、この後キャリパポート63bにリアキャリパ57bから延びる後下流油圧配管59bがニップル及び中継配管74a並びに配管ターミナル74を介して接続される。
【0045】
ABSモジュール61は、ピリオンステップブラケット54と共に前記締結ブラケット68b及び締結ボス67bに共締め固定されるモジュールブラケット71を介して、車体フレーム5に支持される。
【0046】
モジュールブラケット71は鋼板に曲げ加工等を施してなり、左右方向と略直交する平板状をなしてABSモジュール61の車幅方向内側方を覆う内側壁71aと、上下方向と略直交する平板状をなしてABSモジュール61の下方を覆う下壁71bと、前後方向と略直交する平板状をなしてABSモジュール61の後方を覆う後壁71cと、内側壁71aの上端部を上方に延長して形成される上締結部71dと、下壁71bの前部右側縁から下方に屈曲して延びる下締結部71eとを一体に有する。内側壁71aの前縁は側面視でサポートフレーム25の前縁に沿うように傾斜し、下締結部71eは側面視で前記前縁を下方に延長するように傾斜する。
【0047】
モジュールブラケット71の下壁71bには、油圧回路部61bの後面が、前方を指向するボルト72aによりラバーブッシュ72を介して締結される。モジュールブラケット71の内側壁71aには、油圧回路部61bの車幅方向内側面が、車幅方向外側方を指向するボルト72bによりラバーブッシュ72を介して締結される。
【0048】
モジュールブラケット71の上締結部71dは、車幅方向内側方を指向する前記ボルト68cにより、ピリオンステップブラケット54の上前締結部68aと共に締結ブラケット68bに締結される。モジュールブラケット71の下締結部71eは、車幅方向内側方を指向する前記ボルト67cにより、ピリオンステップブラケット54の下前締結部67aと共に締結ボス67bに締結される。
【0049】
モジュールブラケット71の後壁71cには、前記各油圧配管58a,58b,59a,59bを後方から接続可能とする配管ターミナル74が取り付けられる。配管ターミナル74には、前記各ポート62a,62b,63a,63bから延びる複数の中継配管74aが前方から接続される。この配管ターミナル74により、モジュールブラケット71とABSモジュール61とを一体に組み付けたサブアッセンブリ状態で、各油圧配管58a,58b,59a,59bをABSモジュール61の各ポート62a,62b,63a,63bに接続可能となる。
【0050】
図5,6を参照し、側面視で右サポートフレーム25と右ピリオンステップブラケット54とに囲まれる前記領域Rは、例えば合成樹脂製のカバー部材75により車幅方向外側方から覆われる。カバー部材75は、側面視で領域Rよりも一回り大きい三角形状をなし、車幅方向内側方に向けて開放する容器形状とされる。このカバー部材75により、ABSモジュール61の車幅方向外側方及び前方が覆われる。
【0051】
ABSモジュール61は、平面視で車体フレーム5後部の車幅方向外側縁(シートフレーム24の車幅方向外側縁)よりも車幅方向外側方に位置する。このように、ABSモジュール61を車体外側に配置することで、ABSモジュール61が車体内側の他部品のレイアウトによる制約を受け難く、かつ他部品の配置への影響も抑制される。また、ピリオンステップブラケット54内方の空きスペースがABSモジュール61の配置スペースとして有効利用されと共に、ピリオンステップブラケット54によりABSモジュール61に外力が至り難くなる。
【0052】
以上説明したように、上記実施形態における自動二輪車1は、車体フレーム5に固定されると共に後部同乗者用のピリオンステップ54aを支持するピリオンステップブラケット54と、前後輪2,9に制動力を与える液圧式の前後輪ブレーキ56,57と、前記前後輪2,9のスリップを回避するべく前記前後輪ブレーキ56,57に作用する液圧を減圧可能なABSモジュール61とを備える鞍乗り型車両であって、前記ピリオンステップブラケット54が、前記車体フレーム5におけるブラケット固定部(締結ボス67b、締結ブラケット68b)から車幅方向外側方へ広がるように設けられ、前記ABSモジュール61は、前記ブラケット固定部よりも車幅方向外側方で前記ピリオンステップブラケット54の車幅方向外側端T2よりも車幅方向内側方に配置されることを特徴とする。
【0053】
この構成によれば、ABSモジュール61を車体フレーム5のブラケット固定部よりも車幅方向外側方かつピリオンステップブラケット54の車幅方向外側端T2よりも車幅方向内側方に配置することで、車体内側に位置する他部材の配置等への影響を抑えてABSモジュール61を搭載できると共に、ABSモジュール61に車幅方向外側方から外力が至ることを抑えることができる。
【0054】
また、上記自動二輪車1は、前記ABSモジュール61を前記ピリオンステップブラケット54及び前記車体フレーム5の少なくとも一方に支持すると共に前記ABSモジュール61の少なくとも下方及び車幅方向内側方を覆うモジュールブラケット71と、前記ABSモジュール61の少なくとも車幅方向外側方を覆うカバー部材75とを備えることで、ABSモジュール61に土砂や雨水等が掛かったり外力が至ることを抑え、かつABSモジュール61を目立たなくして車両外観への影響を抑えることができる。
【0055】
また、上記自動二輪車1は、前記モジュールブラケット71が、前記ピリオンステップブラケット54と共に前記ブラケット固定部に共締め固定されることで、ABSモジュール61及びモジュールブラケット71を強固かつ合理的な構造で車体フレーム5に取り付けることができる。
【0056】
また、上記自動二輪車1は、前記ABSモジュール61が、前記前後輪ブレーキ56,57及びこれら前後輪ブレーキ56,57に対応するフロント及びリアマスターシリンダ58,59をそれぞれ接続可能な複数のポート62a,62b,63a,63bを有し、前記モジュールブラケット71には、前記各ポート62a,62b,63a,63bからそれぞれ延びる複数の中継配管74aを接続すると共にこれら複数の中継配管74aに前記前後輪ブレーキ56,57及び各マスターシリンダ58,59からそれぞれ延びる油圧配管58a,58b,59a,59bを接続可能とする配管ターミナル74が取り付けられることで、ABSモジュール61、モジュールブラケット71、各中継配管74a及び配管ターミナル74を一体のユニットとすることができ、かつABSモジュール61に対する前後輪ブレーキ56,57及び各マスターシリンダ58,59から延びる各油圧配管58a,58b,59a,59bの接続は配管ターミナル74を介して簡便に行うことができる。
【0057】
また、上記自動二輪車1は、車体の車幅方向一側に偏倚してバッテリ38を備え、前記ABSモジュール61が、車幅方向で前記バッテリ38と同側に配置されることで、比較的単価が高い電気配線を短くしてコスト低減を図ることができる。
【0058】
また、上記自動二輪車1は、前記前後輪ブレーキ56,57が、前後輪2,9と共に回動するフロントディスク56a及びリアディスク57aと、前記各ディスク56a,56bを挟圧するフロントキャリパ56b及びリアキャリパ57bとを備え、前記各ディスク56a,57a及び各キャリパ56b,57bが、前後輪2,9の車幅方向一側に配置されると共に、前記ABSモジュール61が、車幅方向で前記各ディスク56a,57a及び各キャリパ56b,57bと同側に配置されることで、液圧配管を短くしてコスト低減を図ると共に液圧配管の取り回しを容易にすることができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前後輪ブレーキの一方のみ等、複数の液圧式ブレーキの一部のみに対応するABSモジュールを有する鞍乗り型車両や、液圧式のドラムブレーキを有する車両にも適用可能である。ここで、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
2 前輪(車輪)
5 車体フレーム
9 後輪(車輪)
38 バッテリ
54 ピリオンステップブラケット
54a ピリオンステップ
56 前輪ブレーキ(液圧式ブレーキ)
56a フロントディスク(ブレーキディスク)
56b フロントキャリパ(キャリパ)
57 後輪ブレーキ(液圧式ブレーキ)
57a リアディスク(ブレーキディスク)
57b リアキャリパ(キャリパ)
58 フロントマスターシリンダ
58a 前上流油圧配管(液圧配管)
58b 前下流油圧配管(液圧配管)
59 リアマスターシリンダ
59a 後上流油圧配管(液圧配管)
59b 後下流油圧配管(液圧配管)
61 ABSモジュール
62a 前マスターポート(液圧ポート)
62b 前キャリパポート(液圧ポート)
63a 後マスターポート(液圧ポート)
63b 後キャリパポート(液圧ポート)
67b 締結ボス(ブラケット固定部)
68b 締結ブラケット(ブラケット固定部)
T2 車幅方向外側端
71 モジュールブラケット
74 配管継手
74a 中継配管
75 カバー部材(モジュールカバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(5)に固定されると共に後部同乗者用のピリオンステップ(54a)を支持するピリオンステップブラケット(54)と、車輪(2,9)に制動力を与える液圧式ブレーキ(56,57)と、前記車輪(2,9)のスリップを回避するべく前記液圧式ブレーキ(56,57)に作用する液圧を減圧可能なABSモジュール(61)とを備える鞍乗り型車両(1)であって、
前記ピリオンステップブラケット(54)は、前記車体フレーム(5)におけるブラケット固定部(67b,68b)から車幅方向外側方へ広がるように設けられ、前記ABSモジュール(61)は、前記ブラケット固定部(67b,68b)よりも車幅方向外側方で前記ピリオンステップブラケット(54)の車幅方向外側端(T2)よりも車幅方向内側方に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記ABSモジュール(61)を前記ピリオンステップブラケット(54)及び前記車体フレーム(5)の少なくとも一方に支持すると共に前記ABSモジュール(61)の少なくとも下方及び車幅方向内側方を覆うモジュールブラケット(71)と、前記ABSモジュール(61)の少なくとも車幅方向外側方を覆うモジュールカバー(75)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記モジュールブラケット(71)は、前記ピリオンステップブラケット(54)と共に前記ブラケット固定部(67b,68b)に共締め固定されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記ABSモジュール(61)は、前記液圧式ブレーキ(56,57)及びこの液圧式ブレーキ(56,57)に対応するマスターシリンダ(58,59)をそれぞれ接続可能な複数の液圧ポート(62a,62b,63a,63b)を有し、
前記モジュールブラケット(71)には、前記各液圧ポート(62a,62b,63a,63b)からそれぞれ延びる複数の中継配管(74a)を接続すると共にこれら複数の中継配管(74a)に前記液圧式ブレーキ(56,57)及びマスターシリンダ(58,59)からそれぞれ延びる複数の液圧配管(58a,58b,59a,59b)を接続可能とする配管継手(74)が取り付けられることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
車体の車幅方向一側に偏倚してバッテリ(38)を備え、
前記ABSモジュール(61)は、車幅方向で前記バッテリ(38)と同側に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記液圧式ブレーキ(56,57)は、車輪(2,9)と共に回動するブレーキディスク(56a,57a)と、前記ブレーキディスク(56a,57a)を挟圧するキャリパ(56b,57b)とを備え、
前記ブレーキディスク(56a,57a)及びキャリパ(56b,57b)は、車輪(2,9)の車幅方向一側に配置されると共に、前記ABSモジュール(61)は、車幅方向で前記ブレーキディスク(56a,57a)及びキャリパ(56b,57b)と同側に配置されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の鞍乗り型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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