説明

音声データ受信装置および音声データ受信方法

【課題】番組の提供者がもっと自由度の高い音声の提供方法を考えていても、実現することができない。
【解決手段】音声データ受信装置1は、番組情報と、前記音声データID及びURL情報とを対応付けたネット接続紐付データを受信する受信部と、受信された前記番組情報を表示させる表示制御部と、表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理部21と、管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記ネット接続紐付データから対応するURL情報を取得するURL取得部23と、前記取得されたURL情報に基づいて、前記音声データサーバから音声データを取得する音声データ取得部24と、前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御部26とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声データ受信装置および音声データ受信方法に関し、更に詳しくは、番組情報等の放送局から送信される情報を音声出力する際に、自由度の高い音声データに基づいて音声出力することが可能な音声データ受信装置及び音声データ受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン番組などの番組表を受信する機能を持つ番組受信機が増えている。番組受信機の使用方法としては、例えば、受信した番組表をディスプレイに表示するなどの使用が挙げられる。
【0003】
番組受信機の利用者は、ディスプレイに番組表を表示しながら、リモコンなどを用いて、番組表上のカーソルを操作し、カーソルで選択した番組の選局や録画予約の登録をすることができる。
【0004】
ここで、特許文献1には、番組名または番組表の内容を音声で読み上げる機能を有する番組受信機が開示されている。
【0005】
このようにすれば、利用者は番組表の文字が見づらくても、番組表の内容を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−67595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら前記従来の技術では、番組受信機は番組表の内容を解読し、それを合成音声で読み上げていた。
【0008】
よって、番組の提供者が、例えば番組の出演者などの声で番組の内容を読み上げて欲しいと考えていても、または番組のテーマソングの音声データを再生したいと考えていても、実現することができなかった。
【0009】
つまり、番組の提供者がもっと自由度の高い音声の提供方法を考えていても、実現することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、番組の提供者が自由度の高い音声を提供する為の音声データ受信装置および音声データ受信方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決する為に、本発明の音声データ受信装置は、番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報と、前記音声データID及び前記音声データを提供する音声データサーバにアクセスするためのURL情報とを対応付けたネット接続紐付データを受信する受信部と、受信された前記番組情報を表示させる表示制御部と、表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理部と、管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記ネット接続紐付データから対応するURL情報を取得するURL取得部と、前記取得されたURL情報に基づいて、前記音声データサーバから音声データを取得する音声データ取得部と、前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御部と、を具備することを特徴とする音声データ受信装置とした。
【0012】
また、本発明の音声データ受信装置は、番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報と、前記音声データと、前記音声データIDに前記音声データのファイル名を対応付けたデータ放送蓄積紐付データを受信する受信部と、受信された前記番組情報を表示させる表示制御部と、表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理部と、管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記データ放送蓄積紐付データにおいて対応するファイル名が存在するか否かを判断するファイル検索部と、前記ファイル検索部において、対応するファイル名が存在すると判断した場合に、前記ファイル名に基づいて対応する音声データを取得するファイル取得部と、前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御部と、を具備することを特徴とする音声データ受信装置ともした。
【0013】
また、本発明の音声データ受信方法は、番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報を受信する番組情報受信ステップと、前記音声データIDに前記音声データを提供する音声データサーバにアクセスするためのURL情報を対応付けたネット接続紐付データを受信するネット接続紐付データ受信ステップと、受信された前記番組情報を表示させる表示制御ステップと、表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理ステップと、管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記ネット接続紐付データから対応するURL情報を取得するURL取得ステップと、前記取得されたURL情報に基づいて、前記音声データサーバから音声データを取得する音声データ取得ステップと、前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御ステップと、を有することを特徴とする音声データ受信方法とした。
【0014】
また、本発明の音声データ受信方法は、番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報を受信する番組情報受信ステップと、前記音声データを受信する音声データ受信ステップと、前記音声データIDに前記音声データのファイル名を対応付けたデータ放送蓄積紐付データを受信するデータ放送蓄積紐付データ受信ステップと、受信された前記番組情報を表示させる表示制御ステップと、表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理ステップと、管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記データ放送蓄積紐付データにおいて対応するファイル名が存在するか否かを判断するファイル検索ステップと、前記ファイル検索ステップにおいて、対応するファイル名が存在すると判断した場合に、前記ファイル名に基づいて対応する音声データを取得するファイル取得ステップと、前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御ステップと、を有することを特徴とする音声データ受信方法ともした。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、音声データサーバ上に保存された音声データを、番組表または視聴中の番組に対応させて提供することができ、その際、音声データサーバ上の音声データは出演者の音声や番組テーマソング等に適宜工夫することが可能であるから、自由度の高い音声データを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1にかかる音声データ受信装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1にかかる音声データ受信装置の音声データ再生処理を示すフローチャート
【図3】実施の形態1にかかるモニタの表示状態遷移を表す図
【図4】実施の形態2にかかる音声データ受信装置の構成を示すブロック図
【図5】実施の形態2にかかる音声データ受信装置の音声データ再生処理を示すフローチャート
【図6】実施の形態2にかかるモニタの表示状態遷移を表す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1から図3を参照しながら、実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる音声データ受信装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
音声データ受信装置1は、チューナー3、DEMUX回路4、デコード部5、メインメモリ6、映像出力回路7、音声合成回路8、番組表表示制御部9、リモコン受光部10、モニタ11、音声出力回路12、スピーカ13、カーソル位置管理部21、音声ID取得部22、URL取得部23、音声データ取得部24、音声データ記憶部25、音声データ制御部26からなる。
【0020】
チューナー3は、アンテナ(図示しない)が受信した放送信号を受け、復調などの処理を行い、復調した信号をDEMUX回路4に送るものである。なお、チューナー3は受信部を構成する。
【0021】
DEMUX回路4は、チューナー3から受けた信号を、番組の映像および音声の情報からなるMPEGデータと、番組表などの情報からなる番組付属情報とに分離するものである。MPEGデータはデコード部5に送られる。番組付属情報はメインメモリ6に送られる。なお、本実施の形態では、番組付属情報として、番組の番組識別情報、番組名(タイトル)、開始時刻、番組継続時間の他、音声データを識別するための音声データID及び音声データを音声データサーバから取得するためのアクセス情報(音声データURL)が送信される。ここで、音声データIDに音声データURLを対応付けたデータをネット接続紐付データと呼ぶ。
【0022】
デコード部5は、MPEGデータを復調し、復調された映像信号を映像出力回路7に送り、復調された音声信号を音声合成部8に送るものである。
【0023】
メインメモリ6は、番組付属情報を記憶するものである。番組付属情報は番組表表示制御部9から参照される。
【0024】
リモコン受光部10は、リモコン(図示しない)の操作を受け、番組表表示制御部9に対して番組表に関する指示を与えるものである。
【0025】
番組表表示制御部9は、リモコン受光部10から受けた指示に従ってメインメモリ6に記憶された番組付属情報を参照して番組表を構成し、映像出力回路7に番組表をOSD(On Screen Display)信号として送るものである。また、映像出力回路7を制御することで選択された番組にカーソルを表示させるとともに、カーソル位置管理部21にカーソルで選択された番組の番組情報(位置情報)を通知するものである。なお、番組表表示制御部9は、表示制御部を構成する。
【0026】
カーソル位置管理部21は、番組表表示制御部9から通知されたカーソルで選択された番組の番組情報(位置情報)を管理するとともに、音声ID取得部22に通知するものである。ここで、位置情報としてはカーソルで選択された番組の番組識別情報を通知する。
【0027】
音声ID取得部22は、カーソル位置管理部21から通知された番組情報(位置情報)及びメインメモリ6に記憶された番組付属情報に基づいて、カーソルで選択された番組に対応付けられた音声データIDを取得し、URL取得部23に通知するものである。
【0028】
URL取得部23は、音声ID取得部22で取得した音声データIDに対応する音声データURLをメインメモリ6に記憶されたネット接続紐付データから取得し、音声データ取得部24に通知するものである。
【0029】
音声データ取得部24は、URLにアクセスする機能を有しており、URL取得部23から通知されたURLにアクセスし、音声データをダウンロードするものである。
【0030】
音声データ記憶部25は、音声データ取得部24がダウンロードした音声データを記憶するものである。
【0031】
音声データ制御部26は、音声データ記憶部25に記憶された音声データを再生制御管理するものであり、音声データから音声信号を生成し、音声合成部8に送るものである。
【0032】
映像出力回路7はデコード部5から送られた映像信号をモニタ11に表示させるものである。また、番組表表示制御部9から送られたOSD信号を映像信号に合成してモニタ11に表示させるものである。
【0033】
音声合成部8は、デコード部5および音声データ制御部26から送られた音声信号を合成し、合成した音声信号を音声出力回路12へ送るものである。
【0034】
音声出力回路12は、音声信号をスピーカ13から再生させるものである。モニタ11は、プラズマディスプレイパネル、または液晶ディスプレイパネルなどからなり映像信号表示機能を有するものである。スピーカ13は、音声信号を再生する機能を有するものである。なお、本実施の形態では、モニタ11及びスピーカ13を音声データ受信装置1の構成要素として説明しているが、音声データ受信装置1は、映像出力回路7及び音声出力回路12からの映像信号及び音声信号を、音声データ受信装置1の外部装置として設けられたモニタ及びスピーカに出力する構成であってもよい。
【0035】
次に、図2および図3を用いて音声データ再生処理を説明する。図2は、実施の形態1にかかる、音声データ受信装置1の音声データ再生処理を示すフローチャートである。図3は、モニタ11の表示状態遷移を表す図である。以下、フローチャートに沿って音声データ受信装置1の内部動作を詳述する。
【0036】
まず、モニタ11には図3(a)のように番組表が表示されているとする(ステップS1)。ここで、番組表は次のようにしてモニタ11に表示されるものである。まず、チューナー3で受信された放送信号に重畳された番組付加情報をDEMUX回路5が復号する。続いてメインメモリ6が番組付加情報を保存する。そして番組表表示制御部9が映像出力回路7を介してモニタ11に番組表を表示するという手順である。
【0037】
図3(a)に表示されている番組表は複数の番組が放送局を横軸、時間を縦軸にしてレイアウトされている。ひとつの番組は番組タイトルと番組内容が対となって番組表に掲載されている。そのうちひとつの番組がカーソルによって視覚的に特徴づけられている。そして、番組表の上部には、カーソルで選択された番組の詳細情報が別領域に表示されている。図3(a)では、カーソルで選択された番組「○×□クイズ」の番組タイトル、開始時刻等の情報が別領域に表示されている。ここで、カーソルが番組を視覚的に特徴づける手段としては、番組枠の内部の色を強調色に変更する方法、番組タイトルまたは番組内容のフォントを変更する方法などがある。
【0038】
続いて、任意のタイミングで音声データ受信装置1の利用者がリモコンを操作し、カーソルを移動させる。ここでは、カーソルを下にひとつ移動する要求を出したとする。この場合、リモコン受光部10は、リモコンの操作を受けると、番組表表示制御部9に対して番組カーソルをひとつ下に移動するように指示を与える(ステップS2)。前記指示に応じて、番組表表示制御部9は、カーソル位置管理部21に、カーソルをひとつ下に移動させた先の番組の番組情報(位置情報)を通知する。
【0039】
ここで番組情報は、図3(b)のように、少なくとも番組タイトル、開始時刻、音声データIDを含むものである。音声データIDは所定のルールによって、番組に対して固有に定められたものである。ここで所定のルールとは、例えば番組に対して固有のIDを与えるように、番組表提供事業者、または番組提供事業者と取り決めるようにしておいてもよいし、番組表にあらかじめ他の目的で付加されている固有のIDを使用してもよいし、音声データ受信装置1の利用者が決めたものでもよい。つまり音声データIDは、番組を固有に識別付けるものであればよい。
【0040】
また、番組表表示制御部9は、映像出力回路7にもカーソルが強調する番組の位置を通知し、映像出力回路7の動作によってモニタ11では図3(c)のようにカーソルがひとつ下に移動したように表示が切り替わる(ステップS3)。
【0041】
続いてカーソル位置管理部21が、カーソル位置が変化したことを音声ID取得部22に通知する。音声ID取得部22は、カーソルが強調する番組の番組情報(位置情報)に対応する番組付属情報をメインメモリ6から取得し、取得した番組付属情報から音声データIDを取得する(ステップS4)。
【0042】
ここで、音声データIDは、対応する音声データURLが図3(d)のように紐付けられている(ネット接続紐付データ)。対応づけの方法としては、音声データIDをアドレスの一部に用いてもよいし、音声データIDに対する対応規則を別途策定してもよい。音声データURLは、インターネット上の音声データサーバに音声データが格納されている箇所を特定するものである。音声データは番組表情報提供事業者または放送事業者などが音声データサーバにアップロードしたものである。
【0043】
続いてURL取得部23が、音声ID取得部22が取得した音声データIDに対応するURLをネット接続紐付データから取得し、音声データ取得部24に通知する(ステップS5)。
【0044】
続いて音声データ取得部24が、URL取得部23が取得した音声データURLに通信機能を介して接続し、音声データ記憶部25に音声データサーバからダウンロードした音声データを記憶させる(ステップS6)。この際の音声データの内容は、番組表の内容を番組の出演者が喋るものであったり、番組のテーマソングであったりと様々な要素で構成することが可能である。
【0045】
そして、音声データ制御部26が音声データ記憶部25にダウンロードされた音声データを音声信号に復号して、音声合成部8に送り、音声信号の内容は音声出力回路12を介してスピーカ13から再生される(ステップS7)。
【0046】
以上のように、本実施の形態の音声データ受信装置1によれば、音声データ受信装置1が再生する音声データは音声データサーバ上にアップロードされたものであって、番組表情報提供事業者や放送事業者の嗜好によって適宜内容を変化させることができる。すなわち、音声データ受信装置1の利用者は興味のある番組に対して番組カーソルを移動させた際に音声データの内容を再生することによって、番組表に表示されている情報をただ知覚するだけでなく、その音声の話者が番組の出演者だったり、その音声の内容が番組のダイジェストや次回予告だったり、その音声が番組のテーマソングだったりと、予期できない様々な内容を知覚することができるのである。
【0047】
また、音声ID取得部22が音声データIDを取得(ステップS4)して、音声データを音声データ記憶部25にダウンロードする(ステップS6)までの処理は、本実施の形態ではカーソルが音声データIDを番組情報にもつ番組に移動してから行ったが、これに限定されるものではない。つまり、番組表表示時にダウンロード可能な全ての番組について音声データをダウンロードしてもよいし、番組表を表示していなくても音声データ受信装置1の電源が入っている際に全ての番組をダウンロードしてもよい。このようにすると、音声データサーバからのダウンロードが回線状況によって混雑している際でも、音声データ受信装置1の利用者を待たせず、音声の再生を行うことが可能である。
【0048】
また、1度にダウンロード可能な全ての番組について音声データをダウンロードするのではなく、1日分、または所定時間分の音声データのみをダウンロードするようにしてもよい。このようにすると、音声データ記憶部25の記憶容量を無駄に大きくすることを防ぎ、音声データ制御部26の制御効率を向上させることができる。
【0049】
また、本実施の形態では、カーソル位置管理部21が管理するものは番組表に記載された複数の番組のひとつであったが、本発明は、番組を示す標識を視覚的に特徴づけることのできる技術分野にも幅広く適用可能なものであり、例えば、番組を示す標識としての番組バナーなどをカーソルで視覚的に特徴づける場合にも同様の処理が可能である。このようにすると、例えばモニタ11ではメインの番組を表示しており、モニタ11の端枠に表示された番組広告には関連する番組の挿絵などが表示されているときに、広告をカーソルで視覚的に特徴づけることによって関連する番組に関する音声データが再生され、より自由度の高い音声データの提供が可能となる。
【0050】
また、本実施の形態では、音声データID及びネット接続紐付データを番組付属情報として放送信号に重畳して送信しているが、番組付属情報には音声データIDのみを付加し、ネット接続紐付データについては、音声データサーバからダウンロードして音声データ記憶部25に記憶しておき、URL取得部23での音声データURL取得に利用してもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、番組表表示状態においてリモコン操作後にフォーカスされた番組について対応する音声データを再生しているが、番組表表示開始時において最初にフォーカスされた番組についても同様に音声データを再生するようにしてもよい。
【0052】
また、本実施の形態では、音声データの提供は番組表を番組カーソルで視覚的に特徴付けることを契機に行われたが、視聴中の番組に関して、リアルタイムに音声データを提供するようにすることも可能である。そのためには、カーソル位置管理部21を、チューナー3が現在復調している番組のチャンネル情報を取得して現在視聴中の番組の番組情報を特定し、特定された番組情報に含まれる音声データIDを音声ID取得部22に通知する視聴番組管理部として構成すればよい。この場合、音声データの再生のタイミングは様々なものが考えられる。例えば、視聴番組を切り替えた直後のタイミングとすれば、利用者が即座に未知の番組に対する情報を得ることができる。また、たとえば「音声情報再生ボタン」のようなボタンをリモコンに配置すれば、利用者の入力に応じて任意のタイミングで音声データを再生することができる。このようにすると、利用者が音声データを聞き逃したときも、繰り返し手軽に音声データを聴きなおすことができる。
【0053】
(実施の形態2)
図4から図6を参照しながら、実施の形態2について説明する。図4は、本発明の実施の形態2にかかる音声データ受信装置の構成を示すブロック図である。
【0054】
音声データ受信装置100は、チューナー201、DEMUX回路202、デコード部5、メインメモリ203、映像出力回路7、音声合成回路8、番組表表示制御部9、リモコン受光部10、モニタ11、音声出力回路12、スピーカ13、カーソル位置管理部21、音声ID取得部22、ファイル検索部31、URL取得部32、音声データ取得部24、音声データ記憶部25、ファイル取得部33、音声データ制御部34からなる。
【0055】
実施の形態1ではインターネット等の通信手段を用いて音声データを音声データサーバよりダウンロードしているが、実施の形態2ではデータ放送より音声データを取得し、データ放送で取得できない場合にインターネット等の通信手段を用いて音声データサーバより音声データを補完する。ここで、図4において、図1と同機能を有するものは同符号を付して説明を省略する。
【0056】
チューナー201は、アンテナ(図示しない)が受信したデータ放送信号を含む放送信号を受け、復調などの処理を行い、復調した信号をDEMUX回路4に送るものである。なお、チューナー201は受信部を構成する。
【0057】
DEMUX回路202は、チューナー201から受けた信号を、番組の映像および音声の情報からなるMPEGデータと、番組表、音声データなどの情報からなる番組付属情報と、データ放送データとに分離するものである。MPEGデータはデコード部5に送られる。番組付属情報およびデータ放送データはメインメモリ203に送られる。なお、本実施の形態では、データ放送データとして、音声データ本体及び音声データを識別するための音声データIDが送信される。ここで、データ放送として送信される、音声データIDに音声データを示すファイル名を対応付けたデータをデータ放送蓄積紐付データと呼ぶ。
【0058】
メインメモリ203は、番組付属情報およびデータ放送データを記憶するものである。番組付属情報は番組表表示制御部9、ファイル検索部31から参照される。データ放送データは、ファイル検索部31、ファイル取得部32から参照される。
【0059】
ファイル検索部31は、音声ID取得部22から通知された音声データIDに対応するファイル名をデータ放送蓄積紐付データから取得し、メインメモリ203にファイル名に対応するファイルが存在するか否かの判定を行う。音声データIDに対応するファイルが存在する場合は、ファイル取得部32に対して、取得すべき音声データのファイル名を通知する。音声データIDに対応するファイルが存在しない場合は、URL取得部32に対して、音声データIDを通知する。
【0060】
URL取得部32は、ファイル検索部31から取得した音声データIDに対応する音声データURLをメインメモリ6に記憶されたネット接続紐付データから取得し、音声データ取得部24に通知するものである。
【0061】
ファイル取得部33は、ファイル検索部31から取得したファイル名に対応する音声データをメインメモリ203から取得し、音声データ制御部34へ通知する。
【0062】
音声データ制御部34は、音声データ記憶部25に記憶された音声データ、または、ファイル取得部33が取得した音声データを再生制御管理するものであり、音声データから音声信号を生成し、音声合成部8に送るものである。
【0063】
次に、図5および図6を用いて音声データ再生処理を説明する。図5は、実施の形態2にかかる、音声データ受信装置100の音声データ再生処理を示すフローチャートである。図6は、モニタ11の表示状態遷移を表す図である。以下、フローチャートに沿って音声データ受信装置100の内部動作を詳述する。なお、図5において図3と同符号を付したものは同処理を行うため説明を簡略化する。
【0064】
まず、モニタ11には図6(a)のように番組表が表示されているとする(ステップS1)。
【0065】
続いて、任意のタイミングで音声データ受信装置100の利用者がリモコンを操作し、カーソルを移動させる(ステップS2)。ここでは、カーソルを下にひとつ移動したとする。
【0066】
リモコン受光部10はリモコンの操作を受け、番組表表示制御部9に対してカーソルをひとつ下に移動するように指示を与える(ステップS3)。すると番組表表示制御部9は、カーソル位置管理部21に、番組表の情報およびカーソルが強調する番組の番組情報を通知する。
【0067】
ここで番組情報は、図6(b)のように、図3(b)と同様に、番組タイトル、開始時刻、音声データIDを含むものである。音声データIDは所定のルールによって、番組に対して固有に定められたものである。
【0068】
また、番組表表示制御部9は、映像出力回路7にもカーソルが強調する番組の位置を通知し、映像出力回路7の動作によってモニタ11では図6(c)のように番組カーソルがひとつ下に移動したように表示が切り替わっている。
【0069】
続いてカーソル位置管理部21が、カーソル位置が変化したことを音声ID取得部22に通知する。音声ID取得部22はカーソルが強調する番組の番組情報をカーソル位置管理部21から取得する。そして、番組について音声データIDを取得する(ステップS4)。
【0070】
音声データIDに対しては、対応するURLが図6(d)のように紐付けられている(ネット接続紐付データ)。また対応するファイル名が図6(e)のように紐付けられている(データ放送蓄積紐付データ)。対応づけの方法としては、音声データIDをファイル名およびURLの一部に用いてもよいし、音声データIDに対する対応規則を別途策定してもよい。ファイル名はメインメモリ203上に格納されている音声データの名称を特定するものである。音声データは番組表情報提供事業者または放送事業者などが音声データサーバにアップロードし、音声データサーバから放送信号に重畳してデータ放送データとして音声データ受信装置100に受信させたものである。URLはインターネット上の音声データサーバに音声データが格納されている箇所を特定するものである。音声データは番組表情報提供事業者または放送事業者などが音声データサーバにアップロードしたものである。
【0071】
続いてファイル検索部31が、音声ID取得部22が取得した音声データIDに対応するファイル名の取得処理を実行する(ステップS21)。ファイル検索部31が、メインメモリ203において音声データIDに対応するファイル名が存在する、すなわち対応するファイルが存在すると判断した場合は(ステップS22で「Yes」)、ファイル取得部33に対してファイル名を通知する。ファイル取得部33は、取得したファイル名に対応する音声データをメインメモリ203から音声データを取得し(ステップS23)、音声データ制御部34に対して取得した音声データを出力する。音声データ制御部34は、ファイル取得部33で取得された音声データを音声信号に復号して、音声合成部8に送り、音声信号の内容は音声出力回路12を介してスピーカ13から再生される(ステップS24)。
【0072】
一方、ファイル検索部31が、音声データIDに対応するファイルがメインメモリ203に存在しないと判断した場合は(ステップS22で「No」)、URL取得部32に音声データIDを通知し、URL取得部32での対応する音声データURL取得処理(ステップS25)、音声データ取得部24での音声データ取得処理(ステップS26)、音声データ制御部34での音声データ復号処理等の音声処理(ステップS24)を実行する。
【0073】
このように音声データ受信装置100が動作すると、実施の形態1で述べた利点に加えて次のような利点がある。
【0074】
すなわち、音声データ受信装置100では音声データを、次の2通りの手段で記憶する。ひとつはデータ放送信号として放送経由で受信して記憶する手段と、もうひとつはインターネットに代表される双方向通信等を使用して、音声データ受信装置100の要求によってダウンロードし、記憶する手段である。
【0075】
ここで、本実施の形態における音声データ受信装置100の動作では、機器の要求によってダウンロードをする場面は限定的であり、あくまで放送経由での音声データ受信の補完的位置づけとなっている。つまり、放送信号から音声データを受信していなかった場面のみである。
【0076】
このようにすると、音声データ受信装置100が普段の番組の受信に使用する放送信号を、音声データの取得にも利用することができる。よってインターネット回線等、他の通信機能を有していても、通信容量が限られている場合は音声データをより良い通信環境で取得することができる。また、通信機能に電源の停止や、通信業者側の障害があって通信機能が使用できない場合であっても、音声データを取得することができる。しかも、放送信号によって音声データを取得していない場合であっても、音声データ受信装置100の要求によって音声データをインターネット経由でダウンロードすることができるので、音声データを確実に確保することができる。
【0077】
なお、放送信号によって音声データを取得していない場合に、さらに現在受信している放送信号から音声データを取得するように音声データ受信装置100を構成しても良い。このようにすると、音声データ受信装置100が他の通信機能を保有せずとも、音声データを取得することができる。一方で、本実施の形態のようにURLを用いて音声データをダウンロードするようにすると、チューナー201が所望の音声データを含む放送信号を受信していない場合であっても、音声データをダウンロードできるという利点がある。
【0078】
また、音声ID取得部22が音声データIDを取得(ステップS4)して、音声データを音声データ記憶部25にダウンロードする(ステップS26)までの処理は、本実施の形態ではカーソルが音声データIDを番組情報にもつ番組に移動し、かつ放送信号として音声データが送信されていないという判断を行ってから実行したが、これに限定されるものではない。つまり、番組表表示時に予めダウンロード可能な全ての番組について音声データをダウンロードしてもよいし、番組表を表示していなくても音声データ受信装置100の電源が入っている際に全ての番組をダウンロードしてもよい。このようにすると、放送信号として音声データが送信されていないと判断された場合でも、迅速に音声の再生を行うことが可能である。また、1度にダウンロード可能な全ての番組について音声データをダウンロードするのではなく、1日分、または所定時間分の音声データのみをダウンロードするようにしてもよい。このようにすると、音声データ記憶部25の記憶容量を無駄に大きくすることを防ぎ、音声データ制御部26の制御効率を向上させることができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、放送信号として音声データが送信されていない場合にインターネット経由で音声データをダウンロードしているが、インターネット経由で音声データがダウンロードできない場合に、放送信号から音声データを取得するようにしてもよい。
【0080】
また、本実施の形態では、カーソル位置管理部21が管理するものは番組表に記載された複数の番組のひとつであったが、本発明は、番組を示す標識を視覚的に特徴づけることのできる技術分野には幅広く適用可能なものであり、例えば、番組を示す標識としての番組広告などをカーソルで視覚的に特徴づける場合にも同様の処理が可能である。
【0081】
このようにすると、例えば表示部11ではメインの番組を表示しており、表示部11の端枠に表示された番組広告には関連する番組の挿絵などが表示されているときに、広告をカーソルで視覚的に特徴づけることによって関連する番組に関する音声データがデータ放送から取得して再生され、より自由度の高い音声データの提供が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の音声データ受信装置及び音声データ受信方法によれば、音声データサーバ上に保存された音声データをインターネット経由あるいは放送経由で取得し、番組表または視聴中の番組に対応させて提供することができ、その際音声データサーバ上の音声データは出演者の音声や番組テーマソング等に適宜工夫することが可能であるから、自由度の高い音声データを提供することができるので、例えばテレビジョン受像機などに適用するものとして有用である。
【符号の説明】
【0083】
1、100 音声データ受信装置
3、201 チューナー
4、202 DEMUX回路
5 デコード部
6、203 メインメモリ
7 映像出力回路
8 音声合成部
9 番組表表示制御部
10 リモコン受光部
11 モニタ
12 音声出力回路
13 スピーカ
21 カーソル位置管理部
22 音声ID取得部
23、32 URL取得部
24 音声データ取得部
25 音声データ記憶部
26、34 音声データ制御部
31 ファイル検索部
32 ファイル取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報と、前記音声データID及び前記音声データを提供する音声データサーバにアクセスするためのURL情報とを対応付けたネット接続紐付データを受信する受信部と、
受信された前記番組情報を表示させる表示制御部と、
表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理部と、
管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記ネット接続紐付データから対応するURL情報を取得するURL取得部と、
前記取得されたURL情報に基づいて、前記音声データサーバから音声データを取得する音声データ取得部と、
前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御部と、を具備することを特徴とする音声データ受信装置。
【請求項2】
前記音声データは、前記所望の番組情報に関連する楽曲であることを特徴とする請求項1に記載の音声データ受信装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、受信された前記番組情報を番組表として表示させ、
前記カーソル位置管理部は、表示された前記番組表において、カーソルで指定された所望番組の番組情報を管理する、ことを特徴とする請求項1に記載の音声データ受信装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、視聴中の番組の番組情報を表示させ、
前記カーソル位置管理部は、前記視聴中の番組の番組情報を管理する、ことを特徴とする請求項1に記載の音声データ受信装置。
【請求項5】
番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報と、前記音声データと、前記音声データIDに前記音声データのファイル名を対応付けたデータ放送蓄積紐付データを受信する受信部と、
受信された前記番組情報を表示させる表示制御部と、
表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理部と、
管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記データ放送蓄積紐付データにおいて対応するファイル名が存在するか否かを判断するファイル検索部と、
前記ファイル検索部において、対応するファイル名が存在すると判断した場合に、前記ファイル名に基づいて対応する音声データを取得するファイル取得部と、
前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御部と、を具備することを特徴とする音声データ受信装置。
【請求項6】
前記受信部は、前記音声データIDに前記音声データを提供する音声データサーバにアクセスするためのURL情報を対応付けたネット接続紐付データを更に受信し、
管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記ネット接続紐付データから対応するURL情報を取得するURL取得部と、
前記取得されたURL情報に基づいて、前記音声データサーバから音声データを取得する音声データ取得部と、を更に備え、
前記ファイル検索部は、前記データ放送蓄積紐付データにおいて対応するファイル名が存在しないと判断した場合に、前記URL取得部へ前記音声データIDを出力し、
前記音声データ制御部は、前記音声データ取得部が取得した音声データを再生する制御を行う、ことを特徴とする請求項5に記載の音声データ受信装置。
【請求項7】
番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報を受信する番組情報受信ステップと、
前記音声データIDに前記音声データを提供する音声データサーバにアクセスするためのURL情報を対応付けたネット接続紐付データを受信するネット接続紐付データ受信ステップと、
受信された前記番組情報を表示させる表示制御ステップと、
表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理ステップと、
管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記ネット接続紐付データから対応するURL情報を取得するURL取得ステップと、
前記取得されたURL情報に基づいて、前記音声データサーバから音声データを取得する音声データ取得ステップと、
前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御ステップと、
を有することを特徴とする音声データ受信方法。
【請求項8】
前記表示制御ステップは、受信された前記番組情報を番組表として表示させるステップであり、
前記カーソル位置管理ステップは、表示された前記番組表において、カーソルで指定された所望番組の番組情報を管理するステップである、
ことを特徴とする請求項7に記載の音声データ受信方法。
【請求項9】
前記表示制御ステップは、視聴中の番組の番組情報を表示させるステップであり、
前記カーソル位置管理ステップは、前記視聴中の番組の番組情報を管理するステップである、
ことを特徴とする請求項7に記載の音声データ受信方法。
【請求項10】
番組毎に音声データを識別する音声データIDを含む番組情報を受信する番組情報受信ステップと、
前記音声データを受信する音声データ受信ステップと、
前記音声データIDに前記音声データのファイル名を対応付けたデータ放送蓄積紐付データを受信するデータ放送蓄積紐付データ受信ステップと、
受信された前記番組情報を表示させる表示制御ステップと、
表示された前記番組情報において、カーソルで指定された所望の番組情報を管理するカーソル位置管理ステップと、
管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記データ放送蓄積紐付データにおいて対応するファイル名が存在するか否かを判断するファイル検索ステップと、
前記ファイル検索ステップにおいて、対応するファイル名が存在すると判断した場合に、前記ファイル名に基づいて対応する音声データを取得するファイル取得ステップと、
前記取得された音声データを再生する制御を行う音声データ制御ステップと、
を有することを特徴とする音声データ受信方法。
【請求項11】
前記音声データIDに前記音声データを提供する音声データサーバにアクセスするためのURL情報を対応付けたネット接続紐付データを受信するネット接続紐付データ受信ステップと、
管理された前記所望の番組情報に含まれる音声データIDに基づいて、前記ネット接続紐付データから対応するURL情報を取得するURL取得ステップと、
前記ファイル検索ステップが、前記データ放送蓄積紐付データにおいて対応するファイル名が存在しないと判断した場合に、前記取得されたURL情報に基づいて、前記音声データサーバから音声データを取得する音声データ取得ステップと、を更に備え、
前記音声データ制御ステップは、前記音声データ取得ステップにおいて取得した音声データを再生する制御を行う、
ことを特徴とする請求項10に記載の音声データ受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−188170(P2011−188170A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50251(P2010−50251)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】