説明

音声再生装置、映像音声再生装置、及びその音場モード切り替え方法

【課題】従来のオーディオアンプでは、音場モードを切り替える際に、ある期間だけオーディオアンプの出力をミュートして、あるいは無音再生期間を設けて、変更後のオーディオ属性に対応するようにオーディオアンプの動作条件を変更するようにしていた。このため、オーディオアンプの出力を切り替える際に再生音が途切れたり不連続になったりして、滑らかに切り替えすることができず使用者に違和感を与えるという問題があった。
【解決手段】本発明の音声再生装置は、複数の音場モードで音声出力することができる音声再生装置において、音場モードを前記複数の音場モード間で遷移させて他の音場モードに切り替える際、ゲインの変更のみで他の音場モードに遷移することが可能な特定の音場モードを介して切り替える音場モード切り替え手段を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声再生装置、映像音声再生装置、及びその音場モードの切り替え方法に係り、特に音場モードを切り替える際に違和感のない音場モードの切り替えを実現する音声再生装置、映像音声再生装置、及びその音場モードの切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送を受信するテレビ受信機では、テレビ番組とそれに付加されたジャンル情報やチャンネル情報を受信している。テレビ受信機はこれら付加情報を基に番組内容に適した音場モードに切り替えるなどの制御を行うことができる。例えば特開2005−84459号公報(特許文献1)によれば、入力されたオーディオ信号からオーディオの属性の変更があったことを検出すると、リアフィルのオン/オフを切り替えたり、オリジナルコンテンツのオーディオフォーマットに応じてプロロジック(登録商標)等のオン/オフを切り替える技術が記載されている。
【特許文献1】特開2005−84459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された従来技術は、オーディオ属性の変更を検出してオーディオアンプの出力を切り替える際に、ある期間だけオーディオアンプの出力をミュートして、あるいは無音再生期間を設けて、変更後のオーディオ属性に対応するようにオーディオアンプの動作条件を変更するようにしている。したがって、オーディオアンプの出力を切り替える際に再生音が途切れたり不連続になったりして、滑らかに切り替えすることができず使用者に違和感を与えるという問題があった。
【0004】
また、音場モードを切り替える際、切り替え先の音場モードになるよう直接遷移するように切り替えると、切り替え遷移経路が多くなり、その処理が複雑になる。音場モードはVSモード、PL2モード、PL2+VSモード、ピュア再生モード、声強調モード、OFFモードなど複数のモードがあり、例えば10種類以上もの音場モードが設定されている。この場合、切り替え先の音場モードになるように直接切り替えるようにすると、数十通りもの遷移経路ができてしまう。したがって、切り替え方法を効率よく行わないと処理が複雑になり、また、同じ音場モードに切り替える場合でも、番組のジャンルと入力チャンネル数の取得タイミングによっては異なる遷移経路を辿って切り替えが行われるなどの問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、オーディオアンプの出力を切り替える際に再生音が途切れたり不連続になったりすることがなく、オーディオアンプの出力状態を滑らかに切り替えることができる音声再生装置、映像音声再生装置、及びその音場モードの切り替え方法を提供することにある。また、音場モードの切り替え処理を簡単化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の音声再生装置又は映像音声再生装置は、複数の音場モードで音声出力することができる音声再生装置において、音場モードを前記複数の音場モード間で遷移させて他の音場モードに切り替える際、特定の音場モードを介して切り替える音場モード切り替え手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の音声再生装置又は映像音声再生装置は、前記特定の音場モードが、ゲインの変更のみで他の音場モードに遷移することが可能な音場モードであることを特徴とする。
また、本発明の音声再生装置又は映像音声再生装置は、入力チャンネル数ごとに前記特定の音場モードを存在させたことを特徴とする。
また、本発明の音声再生装置又は映像音声再生装置は、入力チャンネル数が変化したとき前記特定の音場モードを経由して切り替え先の音場モードに遷移させることを特徴とする。
また、本発明の音声再生装置又は映像音声再生装置は、前記特定の音場モードが、スピーカ出力状態を同じにしたことを特徴とする。
また、本発明の音声再生装置又は映像音声再生装置は、前記特定の音場モードが、VOL処理ブロック、BASS処理ブロック、AnalogVOL処理ブロック、Mixer処理ブロックで構成されたことを特徴とする。
また、本発明の音声再生装置又は映像音声再生装置は、前記特定の音場モードが、OFFモードであることを特徴とする。
また、本発明の音場モード切り替え方法は、複数の音場モードで音声再生することができる音声再生装置又は映像音声再生装置の音場モード切り替え方法において、音場モードを前記複数の音場モード間で遷移させて他の音場モードに切り替える際、特定の音場モードを介して切り替えることを特徴とする。
また、本発明の音場モード切り替え方法は、前記特定の音場モードが、ゲインの変更のみで他の音場モードに遷移することが可能であることを特徴とする。
また、本発明の音場モード切り替え方法は、入力チャンネル数ごとに前記特定の音場モードを存在させたことを特徴とする。
また、本発明の音場モード切り替え方法は、入力チャンネル数が変化したとき前記特定の音場モードを経由して切り替え先の音場モードに遷移させることを特徴とする。
また、本発明の音場モード切り替え方法は、前記特定の音場モードが、スピーカ出力状態を同じにしたことを特徴とする。
また、本発明の音場モード切り替え方法は、前記特定の音場モードが、VOL処理ブロック、BASS処理ブロック、AnalogVOL処理ブロック、Mixer処理ブロックにより再生される音場モードであることを特徴とする。
また、本発明の音場モード切り替え方法は、前記特定の音場モードが、OFFモードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、音場モードを切り替える際に再生音が途切れたり不連続になったりすることがなく、オーディオアンプの出力状態を滑らかに切り替えることができる効果を奏する。また、音場モードを切り替える際の切り替え処理を簡単化することができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0009】
図1乃至図3は、本発明をテレビ受信機1、オーディオ機器2、レコーダ3〜5などを、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子10〜17を備えたHDMIケーブル6〜9や光ケーブル18などで接続し、映像信号、音声信号、制御信号の授受を行い、映像や音声の再生を行い、そして再生される音場モードの切り替えを行うための第1〜第3の実施の形態を示している。
【0010】
図1はテレビ受信機1とオーディオ機器2をHDMIケーブル6と光ケーブル18で接続した第1の実施の形態であり、図2はテレビ受信機1と2台のレコーダ3、4をHDMIケーブル7及びHDMIケーブル8で接続した第2の実施の形態であり、図3はテレビ受信機1とオーディオ機器2をHDMIケーブル6と光ケーブル18で接続し更にオーディオ機器2とレコーダ5をHDMIケーブル9で接続した第3の実施の形態である。
【0011】
HDMI端子10〜17は、ディスプレイ接続技術のDVI(Digital Visual Interface)端子をAV向けにアレンジして開発されたもので、次世代テレビ向けのインターフェース規格に基づいた接続端子である。HDMI端子では1本のケーブルで映像信号、音声信号、制御信号を合わせて送ることができ、制御信号は双方向にも伝送させることができるため、機器間をシンプルに接続でき、1台のリモコンで複数のAV機器を制御することができるようになる。
【0012】
図1乃至図3におけるHDMIケーブル6〜9部分の詳細な接続関係を図4に示す。
【0013】
図4において、21は映像データと音声データの送り側であるHDMIソース、22は映像データと音声データの受け側のHDMIシンクを示している。例えば図2で言えばレコーダ3とレコーダ4がHDMIソース21に相当し、テレビ受信機1がHDMIシンク22に相当している。HDMIソース21にはHDMI送信機23が備わり、HDMIシンク22にはHDMI受信機24が備わっている。25は両端にHDMI端子26、27を備えたHDMIケーブルである。
【0014】
HDMI送信機23に入力された映像信号、音声信号、及び制御状態信号がTMDSチャンネル28(TMDSチャンネル0〜2とTMDSクロックチャンネル)を通してHDMIシンク22にシリアル伝送される。HDMIシンク22ではTMDSクロックチャンネルを通して送られたクロック信号を基に同期を取り、TMDSチャンネル28を通して送られた映像信号、音声信号、制御状態信号を再生する。なお、音声信号と制御状態信号は映像信号のブランキング期間を利用して伝送される。
【0015】
また、HDMIケーブル25にはCEC(Consumer Electronics Control)ライン29とDDC(Display Data Channel)ライン30も配置されている。CECライン29とDDCライン30は双方向ラインであり、これらの信号ラインを通じ機器間で制御信号のやり取りが行われる。
【0016】
例えば、後述するように、テレビ受信機1やオーディオ機器2の音場モードを切り替えるため、テレビ受信機1、オーディオ機器2、及びレコーダ3〜5の間で、番組ジャンル情報や入力チャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じた制御信号がCECライン29を通してやり取りされる。また例えば、テレビ受信機1やレコーダ3〜5は、自己に直接的又は間接的に外部接続された機器の映像表示仕様や音声出力仕様などを、EDID(Extended Display Identification)−ROM31からDDCライン30を通して読み取り、接続されている機器の仕様にあった映像信号と音声信号を送信するようになっている。
【0017】
図5は、図3の第3の実施の形態を、概略の制御ブロック図で示したものである。
【0018】
図5において、41〜43はホストCPUである。また、44はモニターマイコン、45、46はフロントマイコンである。47〜49はインターフェース回路である。また、50、51はHDMI受信用LSIである。また、52、53はHDMI送信用LSIである。インターフェース47、48、49間はCECラインで接続されている。HDMI受信用LSI50、51はHDMI受信機24をLSI化したもの、HDMI送信用LSI52、53はHDMI送信機23をLSI化したものである。
【0019】
HDMI送信用LSI53には送信先としてHDMI受信用LSI50が接続されている。またHDMI送信用LSI52には送信先としてHDMI受信用LSI51が接続されている。またHDMI送信用LSI53は、HDMI受信用LSI51がHDMI送信用LSI52から受信したデータを受け取ることができるように、HDMI受信用LSI51に接続されている。
【0020】
ホストCPU41〜43は、モニターマイコン44、フロントマイコン45、46、インターフェース回路47〜49、CECラインを介して相互に通信することができる。また、ホストCPU41〜43は、HDMI送信用LSI52、53を制御し、TMDSチャンネル28を介して映像信号、音声信号、制御状態信号を送信することができる。またホストCPU41〜43は、HDMI受信用LSI50、51を制御し、TMDSチャンネル28を介して映像信号、音声信号、制御状態信号を受信することができる。
【0021】
HDMIケーブル6は、映像信号、音声信号、制御状態信号の伝送方向が一方向のみ可能なので、テレビ受信機1が放送局から受信した番組の音声をオーディオ機器2のスピーカで再生する場合には、テレビ受信機1からオーディオ機器2へ音声データを送る光ケーブル18が設けられる。54,55は光ケーブル用インターフェースである。
【0022】
例えば、ユーザによって操作されるリモコン(図示なし)からの指令により、テレビ受信機1がレコーダ5の映像信号、音声信号を受信して映像表示及び音声出力する場合には、テレビ受信機1のホストCPU41はレコーダ5のホストCPU43に対して映像信号と音声信号を送信するよう制御信号を送る。
【0023】
この制御信号はモニターマイコン44、インターフェース回路47、CECライン、インターフェース回路49、フロントマイコン46を介してホストCPU43に伝達される。ホストCPU41からの制御信号を受け取ったホストCPU43はHDMI送信用LSI52を制御してテレビ受信機1に向けて映像信号と音声信号を送信する。HDMI送信用LSI52から送信された映像信号と音声信号は一旦オーディオ機器2のHDMI受信用LSI51で受信される。このときホストCPU42は受信された信号が自己向けでないと判断し、再びHDMI送信用LSI53からテレビ受信機1に向けて映像信号と音声信号を送信する。HDMI送信用LSI53から送信された映像信号と音声信号はテレビ受信機1のHDMI受信用LSI50で受信され、ホストCPU41が自己向けに送信された信号と判断したら受信したデータを取り込む。
【0024】
テレビ受信機1はこのようにしてレコーダ5からの映像信号と音声信号を基に映像表示、音声出力を行うことができる。また、レコーダ5で再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)をレコーダ5のホストCPU43からテレビ受信機1のホストCPU41に、フロントマイコン46、インターフェース回路49、CECライン、インターフェース回路47、モニターマイコン44を介して送信する。テレビ受信機1は、上記番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じてスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。別の手段として、レコーダ5から再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)そのものを送るのではなく、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるよう制御情報を送っても良い。
【0025】
また、他の例として、例えば、ユーザによって操作されるリモコン(図示なし)からの指令により、レコーダ5の映像信号を基にテレビ受信機1で映像表示し、レコーダ5の音声信号を基にオーディオ機器2で音声出力する場合には、ホストCPU41はレコーダ5のホストCPU43に対して、映像信号をテレビ受信機1に送信し音声信号をオーディオ機器2に送信するよう制御信号を送る。
【0026】
この制御信号はモニターマイコン44、インターフェース回路47、CECライン、インターフェース回路49、フロントマイコン46を介してホストCPU43に伝達される。ホストCPU41からの制御信号を受け取ったホストCPU43はHDMI送信用LSI52を制御してテレビ受信機1に向けて映像信号を送信し、オーディオ機器2に向けて音声信号を送信する。HDMI送信用LSI52から送信された映像信号と音声信号は一旦オーディオ機器2のHDMI受信用LSI51で受信される。このときホストCPU42は受信された信号の内映像信号は自己向けでないと判断し、映像信号を再びHDMI送信用LSI53からテレビ受信機1のHDMI受信用LSI50に向けて映像信号を送信する。HDMI送信用LSI53から送信された映像信号はテレビ受信機1のHDMI受信用LSI50で受信される。このときホストCPU41は自己向けに送信された映像信号と判断し、受信したデータを取り込む。
【0027】
このようにしてテレビ受信機1は自己の表示部に映像を表示する。
【0028】
一方ホストCPU42は音声信号が自己向けであると判断するので自己向け音声データとして取り込み、オーディオ機器2は取り込んだ音声データを基に自己のスピーカから音声を出力する。また、レコーダ5で再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)をレコーダ5のホストCPU43からオーディオ機器2のホストCPU42に、フロントマイコン46、インターフェース回路49、CECライン、インターフェース回路48、フロントマイコン45を介して送信する。オーディオ機器2は、上記番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じてスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。別の手段として、レコーダ5から再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)そのものを送るのではなく、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるよう制御情報を送っても良い。
【0029】
このようにレコーダ5の映像信号、音声信号を基に、テレビ受信機1で映像表示し、オーディオ機器2で音声を出力することができる。また、ホストCPU43はHDMIケーブル9のCECラインを介して番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)もしくは、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるような制御情報を送る。
これらの情報を受信して、オーディオ機器2はスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。
【0030】
また、更に他の例として、例えば、テレビ受信機1のホストCPU41が、ユーザによって操作されるリモコン(図示なし)からの指令により、テレビ受信機1が放送局からの放送番組を受信して映像をテレビ受信機1で表示し、音声をオーディオ機器2から出力する場合には、テレビ受信機1の通常の処理でテレビ受信機1の表示部に映像を表示し、音声はテレビ受信機に備わるスピーカからの出力を停止し、代わりに光ケーブル18を通して音声データをオーディオ機器2へ送る。
【0031】
また、ホストCPU41は番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)をテレビ受信機1のホストCPU41からオーディオ機器2のホストCPU42に、モニターマイコン44、インターフェース回路47、CECライン、インターフェース回路48、フロントマイコン45を介して送信する。オーディオ機器2は、上記番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じてスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。別の手段として、テレビ受信機1は番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)そのものを送るのではなく、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるよう制御情報を送っても良い。
【0032】
これにより、テレビ受信機1が受信した放送番組の映像をテレビ受信機1の表示機により表示し、放送番組内容に対応した音場モードでオーディオ機器2のスピーカから音声を出力することができるようになる。
【0033】
このように、HDMIケーブルと光ケーブルにより相互接続されたテレビ受信機1、オーディオ機器2、レコーダ5は、リモコンでテレビ受信機1に操作信号を送ることにより種々の再生モードを実現できるようになる。上記再生モードの例の他にも種々の再生モードが考えられ、この場合、種々の再生モードを実現するに当たり音声データを双方向に送受信することが必要な箇所には光ケーブルが追加的に備えられる。
【0034】
図6は、図3に示した第3の実施の形態における、テレビ受信機1、オーディオ機器2、レコーダ5の制御構成を更に詳細に示した図である。
【0035】
図6を参照すると、本実施の形態のテレビ受信機1は、アンテナ104と、チューナ105と、多重化復元部106と、映像復号部107と、音声復号部120と、コンテンツ情報復号部111と、表示部109と、オーディオ制御部121と、システムコントローラ115と、左右のフロントスピーカ129、130と、センタスピーカ131と、サブウーファ132と、リモコン受光部116と、リモコン117と、アンプ125〜128と、ボリューム124と、メモリ118と、操作部119と、セレクタ108、112と、HDMI受信用LSI110と、デジタルオーディオインターフェース変調部113と、発光素子114と、双方向インターフェース回路133と、EDID−ROM134を具備している。
【0036】
チューナ105は、アンテナ104によって受信された放送信号から所望の周波数のチャンネルを選局し、復調処理を行う。なお、アンテナ104によって受信される放送信号は、地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送等であり、チューナ105によって復調される信号は、コンテンツの映像信号と音声信号および当該コンテンツに関する付加情報が時分割複合化された多重化信号として多重化復元部106に出力される。また、コンテンツとは、放送局からの放送信号によって供給される番組に限らず、インターネット等のネットワークを介して得られる番組を含むものとし、この場合には、ネットワークからコンテンツの映像信号と音声信号および当該コンテンツに関する付加情報が時分割複合化された多重化信号が多重化復元部106に出力される。
【0037】
多重化復元部106は、チューナ105(もしくはネットワーク、記録媒体の再生装置)から入力された多重化信号を基に、視聴したい番組の映像信号、音声信号、付加情報を分離する。分離した映像信号は映像復号部107に出力され、分離した音声信号は音声復号部120に出力され、分離した付加情報はコンテンツ情報復号部111に出力される。なお、付加情報は、入力信号に多重されているジャンルコードや、EPG(Electronic Programming Guide)等の情報であり、コンテンツのジャンル(「映画」、「ドラマ」、「音楽」、「ドキュメンタリ」、「ニュース」等)が含まれているものとする。
【0038】
映像復号部107は、多重化復元部106から入力された映像信号を復号化し、復号化された映像信号はセレクタ108を介して表示部109に出力され映像表示される。表示部109としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT等の表示手段が用いられる。
【0039】
音声復号部120は、セレクタ112を介して多重化復元部106から入力された音声信号を復号化し、復号化された音声信号は、オーディオ制御部121によって加工された後、ボリューム124を介してアンプ125〜128で増幅され、左右のフロントスピーカ129、130と、センタスピーカ131と、サブウーファ132とから音声出力される。
【0040】
コンテンツ情報復号部111は、多重化復元部106から入力された付加情報を復号化すると共に、復号化された付加情報からジャンルを抽出し、抽出したジャンルがコンテンツ情報としてシステムコントローラ115に出力される。なお、同一のコンテンツに複数のジャンルが設定されている場合、すなわち付加情報として同一のコンテンツに複数のジャンルが含まれている場合には、抽出した複数のジャンルがシステムコントローラ115に出力される。
【0041】
オーディオ制御部121は、音声復号部120によって復号化された音声信号に加工を施す音質調整手段であり、チャンネル数変換処理部191と、音場変更処理部192と、強調処理部193と、イコライザ処理部194とからなる。
【0042】
チャンネル数変換処理部191は、音声復号部120によって復号化された音声信号の入力チャンネル数を変換する機能を有し、チャンネル数変換処理として、例えば、5.1chの音声信号を3.1ch又は1chに、2chの音声信号を1chに、3.1chの音声信号を1chにそれぞれ変換するダウンミックス処理、5.1chの音声信号を3.1ch又は2chに変換するバーチャルサラウンド処理、2chの音声信号を3.1ch又は5.1chに変換するマトリクスデコード処理、1chの音声信号を2chに変換するステレオ変換処理が行われる。
【0043】
音場変更処理部192は、音場、すなわちリスニング環境を変更する機能を有し、例えば、後方にスピーカが存在しないにもかかわらず、あたかも後方に音源があるかのように感じるバーチャルサラウンド処理、仮想的なスピーカ位置をスピーカの外側に移動させるスピーカ位置変更処理などを行なう。
【0044】
チャンネル数変換処理部191と音場変更処理部192による処理はバーチャルサラウンドやプロロジック2(登録商法)などの各音場モードを実現する処理であり、以下バーチャルサラウンドにより実現される音場モードを「VSモード」、プロロジック2により実現される音場モードを「PL2モード」と言うことにする。
【0045】
強調処理部193は、センタスピーカ131からの音声出力を他のスピーカからの音声出力よりも強調する機能を有し、例えば、センタスピーカ131から出力される音声信号のみを増幅するセンタ強調処理、センタスピーカ131から出力される音声信号を増幅すると共に、他のスピーカから出力される音声信号を減幅するバランス調整処理が行われる。このセンタスピーカ131からの音声出力を他のスピーカからの音声出力よりも強調する音場モードを「声強調モード」と言うことにする。
【0046】
イコライザ処理部194は、周波数帯域毎に、ゲインを増減して音質をコントロールする機能を有し、フロントスピーカ129、130の指向性による周波数特性を補正する指向性補正処理を行うと共に、低音を増幅する低音増強処理を行う。
【0047】
ボリューム124はシステムコントローラ115の指示にしたがって各スピーカの音圧(音量)を制御する。
【0048】
リモコン受光部116は、リモコン117からの操作信号(赤外線)を受信し、受信した操作信号を電気信号に変換してシステムコントローラ115に出力する。
【0049】
メモリ118は、コンテンツ情報復号部111によって抽出されたコンテンツ情報が記憶されると共に、コンテンツのジャンルおよびチャンネル数に応じた音場モードが定義されている音場モードテーブルが記憶されている(後述の図9参照)。
【0050】
HDMI受信用LSI110はHDMIケーブル6を介して受信した信号から映像信号と映像信号を分離再生し、映像信号をセレクタ108へ出力し、音声信号をセレクタ112へ出力する。
【0051】
セレクタ108はシステムコントローラ115からの指示により映像復号部107からの映像信号、又はHDMI受信用LSI110からの映像信号のいずれか一方を選択して表示部109へ出力する。またセレクタ112はシステムコントローラ115からの指示により多重化復元部106からの音声信号、又はHDMI受信用LSI110からの音声信号のいずれか一方を選択して音声復号部120とデジタルオーディオインターフェース変調部113へ出力する。
【0052】
デジタルオーディオインターフェース変調部113はセレクタ112から入力した音声データを光ケーブル伝送用信号に変調して発光素子114に出力する。発光素子114はデジタルオーディオインターフェース変調部113からの信号に応じて発光し、この光は光ケーブル18によりオーディオ機器2に向けて伝送される。
【0053】
また、双方向インターフェース回路133がシステムコントローラ115とHDMIケーブル6のCECラインとの間に備わり、送受信される信号の双方向バッファ回路を構成する。
【0054】
EDID−ROM134には、テレビ受信機1の映像表示仕様や音声出力仕様が記憶されており、HDMIケーブル6、9のDDCラインを介してオーディオ機器2やレコーダ5にこれらの映像表示仕様又は音声出力仕様情報を伝達する。図示はしていないが、HDMI端子にはホットプラグ検出端子が備わっているので、HDMI端子が接続されたときにホットプラグ検出機能を使用してこれらの映像表示仕様又は音声出力仕様情報がオーディオ機器2あるいはレコーダ5に伝達される。
【0055】
また、本実施の形態のオーディオ機器2は、システムコントローラ156と、セレクタ142と、音声復調部143と、オーディオ制御部144と、ボリューム147と、アンプ148〜151と、左右のフロントスピーカ152、153と、センタスピーカ154と、サブウーファ155と、HDMI受信用LSI159と、HDMI送信用LSI160と、受光素子140と、デジタルオーディオインターフェース復調部141と、双方向インターフェース回路157と、EDID−ROM158を具備している。
【0056】
光ケーブル18を介して発光素子114からの音声信号がオーディオ機器2の受光素子140に入力されると、受光素子140は光信号を電気信号に変換して、デジタルオーディオインターフェース復調部141に出力する。デジタルオーディオインターフェース復調部141は光伝送用に変調された信号を復調し、該復調された信号はセレクタ142を介して音声復調部143に入力されて音声信号として復調される。復調された音声信号はオーディオ制御部144に入力される。
【0057】
オーディオ制御部144に入力された音声信号はオーディオ制御部144によって加工された後、ボリューム147を介してアンプ148〜151で増幅され、左右のフロントスピーカ152、153と、センタスピーカ154と、サブウーファ155とから音声出力される。ボリューム147はシステムコントローラ156の指示にしたがって各スピーカの音圧を制御する。
【0058】
オーディオ制御部144は、音声復調部143によって復調された音声信号に加工を施す音質調整手段であり、チャンネル数変換処理部181と、音場変更処理部182と、強調処理部183と、イコライザ処理部184とからなる。
【0059】
チャンネル数変換処理部181は、音声復調部143によって復調された音声信号のチャンネル数を変換する機能を有し、チャンネル数変換処理として、例えば、5.1chの音声信号を3.1ch又は1chに、2chの音声信号を1chに、3.1chの音声信号を1chにそれぞれ変換するダウンミックス処理、5.1chの音声信号を3.1ch又は2chに変換するバーチャルサラウンド処理、2chの音声信号を3.1ch又は5.1chに変換するマトリクスデコード処理、1chの音声信号を2chに変換するステレオ変換処理を行う。
【0060】
音場変更処理部182は、音場、すなわちリスニング環境を変更する機能を有し、例えば、後方にスピーカが存在しないにもかかわらず、あたかも後方に音源があるかのように感じるバーチャルサラウンド処理、仮想的なスピーカ位置をスピーカの外側に移動させるスピーカ位置変更処理などを行う。
【0061】
チャンネル数変換処理部181と音場変更処理部182による処理は、前述のチャンネル数変換処理部191、音場変更処理部192と同様に「VSモード」、「PL2モード」などの各音場モードを実現するための処理である。
【0062】
強調処理部183による処理は、強調処理部193と同様に「声強調モード」を実現するための処理である。
【0063】
イコライザ処理部184は、イコライザ処理部194と同様に、周波数帯域毎に、ゲインを増減して音質をコントロールする機能を有し、フロントスピーカ152、153の指向性による周波数特性を補正する指向性補正処理を行うと共に、低音を増幅する低音増強処理を行う。
【0064】
また、双方向インターフェース回路157がシステムコントローラ156とHDMIケーブル6、9のCECラインとの間に備わり、送受信される信号の双方向バッファ回路を構成する。
【0065】
また、EDID−ROM158には、オーディオ機器2の音声出力仕様が記憶されており、HDMIケーブル6、9のDDCラインを介してテレビ受信機1やレコーダ5にこの音声出力仕様情報を伝達する。図示はしていないが、HDMI端子にはホットプラグ検出端子が備わっているので、HDMI端子が接続されたときにホットプラグ検出機能を使用してこれらの映像表示仕様や音声出力仕様情報がテレビ受信機1あるいはレコーダ5に伝達される。
【0066】
HDMI受信用LSI159は、HDMIケーブルを介して受信したレコーダ5からの映像信号と音声信号を分離再生し、映像信号をHDMI送信用LSI160へ出力し、音声信号をHDMI送信用LSI160とセレクタ142へ出力する。
【0067】
また、HDMI送信用LSI160はHDMI受信用LSI159から入力した映像信号と音声信号をHDMIケーブル6のTMDSチャンネル167を介してテレビ受信機1のHDMI受信用LSI110に出力する。HDMI送信用LSI160からHDMI受信用LSI110に出力される信号は、図4に示したようにHDMI規格に基づいた信号(TMDSリンクといわれる映像、音声、クロック信号)とされて送信される。
【0068】
セレクタ142はシステムコントローラ156からの指示によりデジタルオーディオインターフェース復調部141からの音声信号、又はHDMI受信用LSI159からの音声信号のいずれか一方を選択して音声複合部143へ出力する。
【0069】
また、本実施の形態のレコーダ5は、システムコントローラ172と、HDMI送信用LSI171を具備している。HDMI送信用LSI171はシステムコントローラ172の指示に従い、レコーダ5内部の記憶手段に記憶した映像データ、HDMI送信用LSI171からオーディオ機器2のHDMI受信用LSI159に向けて映像信号と音声データを送信する。また、システムコントローラ172は、図示されていないホットプラグ検出機能を使用して、テレビ受信機1のEDID−ROMに記憶された映像表示仕様、音声出力仕様、あるいはオーディオ機器2のEDID−ROMに記憶された音声出力仕様のデータをDDCライン166を通して読み取ることができる。また、システムコントローラ172はCECライン165を通してテレビ受信機1又はオーディオ機器2のシステムコントローラ115、156と制御信号の授受ができるようになっている。図示していないがレコーダ内部では、CECラインには双方向バッファ、DDCラインにはEDID ROMがTVの133や134と同様の構成で接続されている。
【0070】
次に、ユーザによって操作されるリモコン117からの指令により、テレビ受信機1が放送局からの放送番組を受信してテレビ受信機1の表示部109で映像表示し、オーディオ機器2のスピーカ152〜155から音声出力する場合の、映像信号、音声信号、及び制御信号の流れを、図7にしたがって説明する。図7は図6に示した構成図と同じである。
【0071】
オーディオ機器2の音声出力仕様は、テレビ受信機1がオーディオ機器2にHDMIケーブル6を介して接続された際、システムコントローラ115によりEDID−ROM158の音声出力仕様データが読み取られて、予めメモリ118に記憶されている。
【0072】
まず、テレビ受信機1はアンテナ104からの放送番組を受信できる状態にあるとする。
【0073】
ユーザがリモコンを操作して、テレビ受信機1が放送局からの放送番組を受信して映像をテレビ受信機1の表示部109で表示し、音声をオーディオ機器2のスピーカ152〜155から出力するように切り替えるよう指示すると、リモコン117からの指令を受け取ったシステムコントローラ115は、映像復号部107の信号を選択するようにセレクタ108を切り替える。また、多重化復元部106からの信号を選択するようにセレクタ112を切り替える。また、ボリューム124のゲインを0として音声出力がスピーカ129〜132から出力されないように処理する。なお、このときオーディオ制御部121は動作を停止するとよい。
【0074】
また、システムコントローラ115は、CECラインを通してシステムコントローラ156に音声をオーディオ機器2のスピーカ152〜155から出力するよう指示する。この指令を受け取ったシステムコントローラ156はセレクタ142をデジタルオーディオインターフェース復調部141の信号を選択するように切り替え、また、システムコントローラ115からCECライン169を通して送られてくる放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じて、最適な音場モードになるようにオーディオ制御部144の処理構成を切り替える。
【0075】
したがって、映像復号部107で復号された映像信号はセレクタ108により選択されて表示部109に送られ、これにより表示部109は放送番組の映像を表示する。この映像信号は図7の実線(イ)で示した信号の流れで示される。
【0076】
また、コンテンツ情報復号部111で抽出されたジャンルがシステムコントローラ115に出力される。コンテンツ情報復号部111は、多重化復元部106から入力された付加情報を復号化すると共に、復号化された付加情報からジャンルを抽出してシステムコントローラ115に出力される。また、多重化復元部106からの音声信号はセレクタ112により選択されて音声復号部120とデジタルオーディオインターフェース変調部113に出力される。
【0077】
そして音声復号部120によって音声信号の入力チャンネル数が復号化される。システムコントローラ115は、放送番組のジャンルをコンテンツ情報復号部111から読み取り、また、チャンネル数を音声復号部120から読み取る。システムコントローラ115は、読み取った放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた信号をオーディオ機器2のシステムコントローラ156に送る。この指令は図7の一点鎖線(ロ)で示した信号の流れで示される。
【0078】
この放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた信号を受けたシステムコントローラ156は、オーディオ制御部144に対して、放送番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現するように、オーディオ機器2の出力チャンネル数と音場モードの変更処理を行う。
【0079】
セレクタ112から出力された音声信号はデジタルオーディオインターフェース変調部113にも出力されているので、この音声信号は、デジタルオーディオインターフェース変調部113、発光素子114、光ケーブル18、受光素子140、デジタルオーディオインターフェース復調部141に伝送される。セレクタ142はデジタルオーディオインターフェース復調部141からの信号を選択し音声復調部143に送る。オーディオ制御部144は既に放送番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現する処理構成に切り替えられているので、オーディオ制御部144により加工が施された音声信号を基にスピーカ152〜155から出力される。この音声信号は図7の点線(ハ)で示した信号の流れで示される。
【0080】
スピーカ152〜155から出力される音声は、放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた最適な音場モードを実現する。
【0081】
次に、ユーザによって操作されるリモコン117からの指令により、レコーダ5の録画番組の映像信号を基にテレビ受信機1で映像表示し、レコーダ5の録画番組の音声信号を基にオーディオ機器2で音声出力する場合の、映像信号、音声信号、及び制御信号の流れを、図8にしたがって説明する。図8は図6に示した構成図と同じである。
【0082】
オーディオ機器2の音声出力仕様は、レコーダ5がオーディオ機器2にHDMIケーブル9を介して接続された際、システムコントローラ172によりEDID−ROM158の音声出力仕様データが読み取られて、予めシステムコントローラ172の記憶手段に記憶されている。
【0083】
まず、レコーダ5は放送番組を録画しているとする。このとき、録画情報として放送番組のジャンル情報も記録されている。
【0084】
ユーザがリモコンを操作して、レコーダ5の映像信号を基にテレビ受信機1で映像表示し、レコーダ5の音声信号を基にオーディオ機器2で音声出力するように切り替えるようシステムコントローラ115に指示すると、リモコン117からの指令を受け取ったシステムコントローラ115は、HDMI受信機110の映像信号を選択するようにセレクタ108を切り替える。また、ボリューム124のゲインを0として音声出力がスピーカ129〜132から出力されないように処理する。
【0085】
なお、このときテレビ受信機1の放送受信部(チューナ105と、多重化復元部106と、映像復号部107、コンテンツ情報復号部111、)、音声処理部(音声復号部120、オーディオ制御部121、デジタルオーディオインターフェース変調部113、発光素子114)は動作を停止するとよい。
【0086】
また、システムコントローラ115は、HDMIケーブル6のCECライン169を通してシステムコントローラ156にレコーダ5からの音声信号をオーディオ機器2のスピーカ152〜155で再生するよう指示する。この指令を受け取ったシステムコントローラ156はHDMI送信用LSI159の音声信号を選択するようにセレクタ142を切り替える。また、レコーダ5からHDMIケーブル9のCECライン165を通して送られてくる放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じて、最適な音場モードになるようにオーディオ制御部144の処理構成を切り替える。
【0087】
したがって、レコーダ5のHDMI送信用LSI171、オーディオ機器2のHDMI受信用LSI159、HDMI送信用LSI160、テレビ受信機1のHDMI受信用LSI110を介して送られた映像信号はセレクタ108により選択されて表示部109に送られ、これにより表示部109は放送番組の映像を表示する。この映像信号の流れは図8の実線(ニ)で示される。
【0088】
また、システムコントローラ172で抽出されたジャンルとチャンネル数の情報がオーディオ機器2のシステムコントローラ156に出力される。この制御信号の流れは図8の一点鎖線(ホ)で示される。この放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた信号を受けたシステムコントローラ156は、オーディオ機器2の出力チャンネル数と音場モードの変更処理を行い、録画番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現するように処理構成を切り替える。
【0089】
レコーダ5のHDMI送信用LSI171、オーディオ機器2のHDMI受信用LSI159を介してセレクタ142に入力された音声信号は、セレクタ142で選択されて音声復調部143に送られる。オーディオ制御部144は既に放送番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現する処理構成に切り替えられているので、オーディオ制御部144により加工が施された音声信号を基にスピーカ152〜155から出力される。この音声信号の流れは図8の点線(ヘ)で示される。スピーカ152〜155から出力される音声は、録画番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた最適な音場モードを実現する。
【0090】
次に、オーディオ制御部121、144の処理構成を、ジャンルと入力チャンネル数に応じた最適な音場モードを実現するための処理構成変更について説明する。
【0091】
図9は、入力チャンネル数とジャンルにより音場モードを決めるための音場モードテーブルである。
【0092】
図9に示したように、入力チャンネルが5.1chでジャンルが映画、スポーツ、アニメ、特撮のときには音場モードがVSモードとなり、入力チャンネルが5.1chでジャンルが音楽、劇場、公演のときにはピュア再生モードとなり、入力チャンネルが5.1chでジャンルがニュース、報道、教育、ワイドショーのときには声強調モードとなり、入力チャンネルが5.1chでジャンルがドラマ、バラエティのときには音場モードがOFFモードとなり、入力チャンネルが2chでジャンルが映画、スポーツ、アニメ、特撮のときには音場モードがPL2+VSモードとなり、入力チャンネルが2chでジャンルがドラマ、バラエティのときには音場モードがPL2モードとなり、入力チャンネルが2chでジャンルが音楽、劇場、公演のときには音場モードがピュア再生/OFFモードとなり、入力チャンネルが2chでジャンルがニュース、報道、教育、ワイドショーのときには音場モードが声強調モードとなり、入力チャンネルが1chでジャンルが音楽、劇場、公演のときには音場モードがピュア再生モードとなり、入力チャンネルが1chでジャンルがニュース、報道、教育、ワイドショーのときには音場モードが声強調モードとなり、入力チャンネルが1chでジャンルがドラマ、バラエティのときには音場モードがOFFモードとなる。図9で示した音場モードテーブルは、一例であって、その他の対応関係とすることもできる。
【0093】
本実施の形態では、この音場モードテーブルがメモリ118に記憶されており、再生する番組のコンテンツ情報からジャンルと入力チャンネル数を抽出し、この音場モードテーブルを参照して、抽出されたジャンルと入力チャンネル数に応じた音場モードが実現されるようにオーディオ制御部121あるいは144の処理構成が切り替えられる。
【0094】
図10〜図20は、図9の各音場モードにおけるオーディオ制御部121あるいは144の処理を概念的に示したもので、入力チャンネルから出力チャンネルまでの音声信号変換処理が示されている。
【0095】
符号201で示されたブロックはバーチャルサラウンド処理ブロック(以下、VS処理ブロックという)である。また、符号207で示されたブロックはプロロジック2の処理ブロック(以下、PL2処理ブロックという)である。また、符号206で示されたブロックは音声信号を所定のゲインで混合する処理ブロック(以下、Mixer処理ブロックという)である。符号203で示されたブロックは低音の音声信号を合成する処理ブロック(以下、BASS処理ブロックという)である。また、符号202で示されたブロックは音声出力信号L、C、Rのゲインを調整する処理ブロック(以下、VOL処理ブロックという)である。また、符号204で示されたブロックは音声出力信号LFEのゲインを調整する処理ブロック(以下、Analog−VOL処理ブロックという)である。
【0096】
なお、各ブロック内に記入された遷移経路とゲインは、単に入力と出力の間のゲイン関係を示すものである。例えば、VS処理ブロックのバーチャルサラウンド処理はクロストークキャンセル処理を行うので入力信号LS、L、R、C、RSを複雑に組み合わせて処理するが、これらについては表現されていない。
【0097】
本実施の形態は、番組のジャンルと入力チャンネル数に応じて音場モードを変えるときに、再生音が途切れたり不連続になったりすることがなく、オーディオアンプの出力状態が滑らかに切り替わるように、これら図10〜図20に示した各処理ブロック間の接続と、各処理ブロック内の各ゲインを切り替えるものである。
【0098】
まず、図10〜図20において、LSは左サラウンドチャンネルの音声信号、Lは左チャンネルの音声信号、Cはセンタチャンネルの音声信号、Rは右チャンネルの音声信号、RSは右サラウンドチャンネルの音声信号、LFEは低音(20Hz〜120Hz)の効果音の音声信号である。以下の説明で、符号LS、L、R、C、RSを各処理ブロックの入出力に共通に使用するが、各処理ブロックに入力される信号を入力信号(LS入力信号、L入力信号、R入力信号、C入力信号、RS入力信号)、各処理ブロックから出力される信号を出力信号(LS出力信号、L出力信号、R出力信号、C出力信号、RS出力信号)と記載する。また、音声出力用スピーカとしてL出力信号が入力される左スピーカ、R出力信号が入力される右スピーカ、C出力信号が入力されるセンタスピーカの3チャンネル、及び付加的にLFE出力信号が入力される低音用サブウーハスピーカを想定している。
【0099】
まず、図10の5.1ch入力VSモードについて説明する。
【0100】
5.1ch入力VSモードはVS処理ブロック201、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0101】
VS処理ブロック201のLS入力信号とL入力信号は、VS処理ブロック201でそれぞれ−6dBだけ大きさが小さくなって合わせられVS処理ブロック201のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。VS処理ブロック201のC入力信号は、大きさは変わらずにVS処理ブロック201のC出力信号となる。VS処理ブロック201のRS入力信号とR入力信号は、VS処理ブロック201でそれぞれ−6dBだけ大きさが小さくなって合わせられVS処理ブロック201のR出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。
【0102】
VOL処理ブロック202のL入力信号はVOL処理ブロック202で+6dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のC入力信号は、大きさは変わらずにVOL処理ブロック202のC出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号はVOL処理ブロック202で+6dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0103】
また、BASS処理ブロック203にはLFE入力信号、VS処理ブロック201のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号が入力され、入力されたLFE入力信号は−2dB、VS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号は−6dB、VS処理ブロック201のC出力信号は−12dBだけBASS処理ブロック203でそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0104】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0105】
次に、図11の5.1ch入力ピュア再生モードについて説明する。
【0106】
5.1ch入力ピュア再生モードは、Mixer処理ブロック206、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0107】
Mixer処理ブロック206のLS入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、また、L入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずに、これら信号は合わされてMixer処理ブロック206のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。Mixer処理ブロック206のC入力信号は、大きさを変えずにMixer処理ブロック206のC出力信号となる。Mixer処理ブロック206のRS入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、また、R入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずに、これら信号は合わされてMixer処理ブロック206のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)となる。
【0108】
VOL処理ブロック202のL入力信号は、VOL処理ブロック202では大きさを変えずにVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のC入力信号は、大きさを変えずにVOL処理ブロック202のC出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号は、VOL処理ブロック202では大きさを変えずにVOL処理ブロック202のR出力信号として出力される。
【0109】
また、BASS処理ブロック203にはLFE入力信号、Mixer処理ブロック206のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号が入力され、入力されたLFE入力信号は−2dB、Mixer処理ブロック206のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号は−12dBだけBASS処理ブロック203でそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0110】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0111】
次に、図12の5.1ch入力声強調モードについて説明する。
【0112】
5.1ch入力声強調モードは、Mixer処理ブロック206、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0113】
Mixer処理ブロック206のLS入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、また、L入力信号はMixer処理ブロック206で大きさが変わらずに、これら信号は合わされてMixer処理ブロック206のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。Mixer処理ブロック206のC入力信号は、大きさを変えずにMixer処理ブロック206のC出力信号となる。Mixer処理ブロック206のRS入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、また、R入力信号はMixer処理ブロック206で大きさが変わらずに、これら信号は合わされてMixer処理ブロック206のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)となる。
【0114】
VOL処理ブロック202のL入力信号は−3dBだけ大きさが小さくなりVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のC入力信号は、大きさを変えずにVOL処理ブロック202のC出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号は−3dBだけ大きさが小さくなりVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0115】
また、BASS処理ブロック203にはLFE入力信号、Mixer処理ブロック206のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号が入力され、入力されたLFE入力信号は−2dB、Mixer処理ブロック206のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号は−12dBだけBASS処理ブロック203でそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0116】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0117】
次に、図13の5.1ch入力OFFモードについて説明する。
【0118】
5.1ch入力OFFモードは、Mixer処理ブロック206、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0119】
Mixer処理ブロック206のLS入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、L入力信号はMixer処理ブロック206で大きさが変わらずに、また、Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、これら信号は合わされてMixer処理ブロック206のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。Mixer処理ブロック206のRS入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、R入力信号はMixer処理ブロック206で大きさが変わらずに、また、Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で−3dBだけ大きさが小さくなり、これら信号は合わされてMixer処理ブロック206のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)となる。
【0120】
VOL処理ブロック202のL入力信号は、VOL処理ブロック202では大きさを変えずにVOL処理ブロック202のL出力信号として出力される。VOL処理ブロック202のR入力信号は、VOL処理ブロック202では大きさを変えずにVOL処理ブロック202のR出力信号として出力される。
【0121】
また、BASS処理ブロック203にはLFE入力信号、Mixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号が入力され、入力されたLFE入力信号は−2dB、Mixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号はBASS処理ブロック203で−12dBだけそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0122】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0123】
次に、図14の2ch入力PL2+VSモードについて説明する。
【0124】
2ch入力PL2+VSモードは、PL2処理ブロック207、VS処理ブロック201、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0125】
PL2処理ブロック207のL入力信号はPL2処理ブロック207で−3dBだけ大きさが小さくなってPL2処理ブロック207のLS出力信号(VS処理ブロック201のLS入力信号)となる。また、PL2処理ブロック207のL入力信号はPL2処理ブロック207で−3dBだけ大きさが小さくなってPL2処理ブロック207のL出力信号(VS処理ブロック201のL入力信号)となる。PL2処理ブロック207のL入力信号とR入力信号は、PL2処理ブロック207でそれぞれ−6dBだけ大きさが小さくなって合わせられPL2処理ブロック207のC出力信号(VS処理ブロック201のC入力信号)となる。PL2処理ブロック207のR入力信号はPL2処理ブロック207で−3dBだけ大きさが小さくなってPL2処理ブロック207のR出力信号(VS処理ブロック201のR入力信号)となる。また、PL2処理ブロック207のR入力信号はPL2処理ブロック207で−3dBだけ大きさが小さくなってPL2処理ブロック207のRS出力信号(VS処理ブロック201のRS入力信号)となる。
【0126】
VS処理ブロック201のLS入力信号とL入力信号は、VS処理ブロック201でそれぞれ−6dBだけ大きさが小さくなって合わせられVS処理ブロック201のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。VS処理ブロック201のC入力信号はVS処理ブロック201で大きさを変えずにVS処理ブロック201のC出力信号となる。VS処理ブロック201のRS入力信号とR入力信号は、VS処理ブロック201でそれぞれ−6dBだけ大きさが小さくなって合わせられVS処理ブロック201のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)となる。
【0127】
VOL処理ブロック202のL入力信号はVOL処理ブロック202で+9dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のC入力信号はVOL処理ブロック202で大きさが+3dBだけ増幅されてVOL処理ブロック202のC出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号はVOL処理ブロック202で+9dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0128】
また、BASS処理ブロック203にはVS処理ブロック201のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号が入力され、入力されたVS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号は−3dB、VS処理ブロック201のC出力信号は−9dBだけBASS処理ブロック203でそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0129】
次に、図15の2ch入力PL2モードについて説明する。
【0130】
2ch入力PL2モードは、PL2処理ブロック207、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0131】
PL2処理ブロック207のL入力信号はPL2処理ブロック207で−3dBだけ大きさが小さくなってPL2処理ブロック207のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。PL2処理ブロック207のL入力信号とR入力信号は、PL2処理ブロック207でそれぞれ−6dBだけ大きさが小さくなって合わせられPL2処理ブロック207のC出力信号(VOL処理ブロック202のC入力信号)となる。PL2処理ブロック207のR入力信号はPL2処理ブロック207で−3dBだけ大きさが小さくなってPL2処理ブロック207のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)となる。
【0132】
VOL処理ブロック202のL入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のC入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のC出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0133】
また、BASS処理ブロック203にはPL2処理ブロック207のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号が入力され、入力されたPL2処理ブロック207のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号はBASS処理ブロック203で−9dBだけそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0134】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0135】
次に、図16の2ch入力ピュア再生モード、2ch入力OFFモードについて説明する。
【0136】
2ch入力ピュア再生/OFFモードは、Mixer処理ブロック206、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0137】
Mixer処理ブロック206のL入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずにMixer処理ブロック206のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)なる。Mixer処理ブロック206のR入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずにMixer処理ブロック206のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)なる。
【0138】
VOL処理ブロック202のL入力信号はVOL処理ブロック202で大きさが変わらずそのままVOL処理ブロック202のL出力信号となる。また、VOL処理ブロック202のR入力信号はVOL処理ブロック202で大きさが変わらずそのままVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0139】
また、BASS処理ブロック203にはL入力信号とR入力信号が入力され、入力されたL入力信号とR入力信号はBASS処理ブロック203でそれぞれ−12dBだけ大きさが変えられ加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0140】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0141】
次に、図17の2ch入力声強調モードについて説明する。
【0142】
2ch入力声強調モードは、Mixer処理ブロック206、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0143】
Mixer処理ブロック206のL入力信号はMixer処理ブロック206で−12dBだけ大きさが小さくなりMixer処理ブロック206のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。Mixer処理ブロック206のL入力信号とR入力信号は、Mixer処理ブロック206でそれぞれ−6dBだけ大きさが小さくなって合わせられMixer処理ブロック206のC出力信号(VOL処理ブロック202のC入力信号)となる。Mixer処理ブロック206のR入力信号はMixer処理ブロック206で−12dBだけ大きさが小さくなりMixer処理ブロック206のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)となる。
【0144】
VOL処理ブロック202のL入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のC入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のC出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0145】
また、BASS処理ブロック203にはMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号、及びC出力信号が入力され、入力されたMixer処理ブロック206のL出力信号、R出力信号、及びC出力信号は−9dBだけBASS処理ブロック203でそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0146】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0147】
次に、図18の1ch入力ピュア再生モードについて説明する。
【0148】
1ch入力ピュア再生モードは、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0149】
Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずにMixer処理ブロック206のC出力信号(VOL処理ブロック202のC入力信号)なる。
【0150】
入力されたC入力信号はVOL処理ブロック202で大きさを変えずにそのままVOL処理ブロック202のC出力信号となる。
【0151】
また、BASS処理ブロック203にはC入力信号が入力され、入力されたC入力信号はBASS処理ブロック203で−12dBだけ大きさを変えられて加算器205を通りBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0152】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0153】
次に、図19の1ch入力声強調モードについて説明する。
【0154】
1ch入力声強調モードは、Mixer処理ブロック206、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0155】
Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で−12dBだけ大きさが小さくなってMixer処理ブロック206のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)となる。Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずにそのままMixer処理ブロック206のC出力信号(VOL処理ブロック202のC入力信号)となる。Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で−12dBだけ大きさが小さくなってMixer処理ブロック206のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)となる。
【0156】
VOL処理ブロック202のL入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のC入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のC出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号はVOL処理ブロック202で+3dBだけ大きさが増幅されVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0157】
また、BASS処理ブロック203にはMixer処理ブロック206のL出力信号、R出力信号、C出力信号が入力され、入力されたL、R、Cの各出力信号は−9dBだけBASS処理ブロック203でそれぞれ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0158】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0159】
次に、図20の1ch入力OFFモードについて説明する。
【0160】
1ch入力OFFモードは、Mixer処理ブロック206、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204を含む。
【0161】
Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずにMixer処理ブロック206のL出力信号(VOL処理ブロック202のL入力信号)なる。Mixer処理ブロック206のC入力信号はMixer処理ブロック206で大きさを変えずにMixer処理ブロック206のR出力信号(VOL処理ブロック202のR入力信号)なる。
【0162】
VOL処理ブロック202のL入力信号はVOL処理ブロック202で大きさを変えずにVOL処理ブロック202のL出力信号となる。VOL処理ブロック202のR入力信号はVOL処理ブロック202で大きさを変えずにVOL処理ブロック202のR出力信号となる。
【0163】
また、BASS処理ブロック203にはMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号が入力され、入力されたL、Rの各出力信号はBASS処理ブロック203でそれぞれ−12dBだけ大きさが変えられて加算器205で加算されBASS処理ブロック203のLFE出力信号となる。
【0164】
BASS処理ブロック203のLFE出力信号は更にAnalogVOL処理ブロック204で+18dBだけ増幅されてAnalogVOL処理ブロック204のLFE出力信号となる。
【0165】
次に、各音場モード間の遷移のさせ方を説明する。
図21乃至図23を参照して、5.1ch入力OFFモードと5.1ch入力VSモード間の遷移(この遷移における過渡状態を以下過渡状態Aという)の例を説明する。
【0166】
図21は、図13に示した5.1ch入力OFFモードから図10に示した5.1ch入力VSモードへ遷移させる過渡状態Aの概念図を示している。また、図22は過渡状態Aをタイムチャートで示したものである。また、図23はオーディオ制御部121あるいは144で実現される図13の5.1ch入力OFFモードから図10の5.1ch入力VSモードへの過渡状態Aにおける処理構成の遷移を示したものである。
【0167】
図13に示した5.1ch入力OFFモード(図21〜図23のA1)から図10に示した5.1ch入力VSモード(図21〜図23のA4)に遷移させるときは、過渡的にMixer処理ブロック206(切り替え前の処理ブロック)とVS処理ブロック201の2つの処理ブロック(切り替え後の処理ブロック)を同時に存在させ、音声出力している一方の処理ブロックによる音声信号がフェードアウトしたタイミングで、他方の処理ブロックによる音声出力に切り替えるようにする。このようにすると切り替えによる異音の発生を防ぐことができる。
【0168】
まず時間t1で、図13に示した5.1ch入力OFFモードから図10の5.1ch入力VSモードへの音場モードの切り替えが指示されると、VOL処理ブロック202のC出力信号がフェードアウトした状態(図22のa)で、図23のA2に示したようにMixer処理ブロック206の他にVS処理ブロック201が挿入される。
【0169】
そして、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に小さく(+0dBから−∞dBにフェードアウト)すると共に、挿入されたVS処理ブロック201のC入力信号をVOL処理ブロック202のC入力信号としてVOL処理ブロック202へ入力し、VOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+0dBにフェードイン)する(図21〜図23のA2)。
【0170】
このときBASS処理ブロック203のL、R入力信号に対するゲインは徐々に小さく(−12dBから−∞dBにフェードアウト)され、またBASS処理ブロック203のC入力信号に対するゲインは徐々に大きく(−∞dBから−12dBにフェードイン)される。
【0171】
次に、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号がフェードアウトしている状態(時間t2における図22のb、c)で、VOL処理ブロック202のL入力信号とR入力信号を、図23のA3に示したようにMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号からVS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号に切り替える。
【0172】
このとき、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号はフェードアウトしているので異音は生じない。
【0173】
その後、VS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+6dBにフェードイン)する(図21〜図23のA3)。このとき、Mixer206からBASS処理ブロック203へ入力されたL、R入力信号のゲインは徐々に大きく(−∞dBから−6dBにフェードイン)される。
【0174】
VS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号のゲインが+6dBになって図23のA4に示した5.1ch入力VSモードの定常状態となる(時間t3〜)。
【0175】
また、5.1ch入力VSモード(図21〜図23のA4)から5.1ch入力OFFモード(図21〜図23のA1)に遷移させるときは、まず、図10で示したVOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に小さくして出力(+6dBから−∞dBにフェードアウト)する(図21〜図23のA5)。このとき、BASS処理ブロック203のL、R入力信号に対するゲインは徐々に小さく(−6dBから−∞dBにフェードアウト)される。なお、このとき図22の時間は右から左に逆行するように見る。
【0176】
次に、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号がフェードアウトしている状態(図22のb、c)でVOL処理ブロック202のL入力信号とR入力信号を、図23のA6に示したようにVS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号からMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号に切り替える。
【0177】
このとき、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号はフェードアウトしているので異音は生じない。
【0178】
その後、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+0dBにフェードイン)すると共に、VS処理ブロック201のC入力信号をVOL処理ブロック202のC入力信号としてVOL処理ブロック202へ入力しているVOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを徐々に小さく(+0dBから−∞dBにフェードアウト)する(図21〜図23のA6)。
【0179】
このとき、BASS処理ブロック203のL、R入力信号に対するゲインは徐々に大きく(−∞dBから−12dBにフェードイン)され、またBASS処理ブロック203へ入力されたC入力信号に対するゲインは徐々に小さく(−12dBから−∞dBにフェードアウト)される。
【0180】
VOL処理ブロック202のC出力信号がフェードアウトしている状態(図22のa)で図23のA1に示したようにVS処理ブロック201が除かれて5.1入力OFFモードの定常状態となる。
【0181】
以上の音場モードの切り替えを図22で見ると、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号は徐々に小さくなって再び徐々に大きくなる。また、複数ある出力チャンネルのうち一部の出力チャンネルの切り替えタイミング(C出力信号の切り替えタイミングt1)を他の出力チャンネルの切り替えタイミング(L出力信号とR出力信号の切り替えタイミングt2)に対してずらして切り替えるようになっており、このとき、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号が過渡状態Aにおいてその大きさが小さくなる変化を補うように、VOL処理ブロック202のC出力信号は大きくなり、したがって全体の音声は途切れることなく、連続的に滑らかに切り替えられている。また、対応する音声出力がフェードアウトしているときVS処理ブロック201及びMixer206の挿入/切り離しが行われるので、挿入/切り離しに伴う異音は生じない。
【0182】
次に、図24、図25を参照して、2ch入力ピュア再生/OFFモードと2ch入力PL2モード間の遷移(この遷移における過渡状態を以下過渡状態Bという)の例を説明する。
【0183】
図24は、図16に示した2ch入力ピュア再生/OFFモードから図15に示した2ch入力PL2モードへ遷移させる過渡状態Bの概念図を示している。また、図25は過渡状態Bをタイムチャートで示したものである。過渡状態BではMixer処理ブロック206とPL2処理ブロック207が共存し、VOL処理ブロック202に対する入力信号がこれらの間で切り替えられる。なお、以下の説明ではBASS処理ブロック203のゲインの変化についての説明は省略する。
【0184】
図16に示した2ch入力ピュア再生/OFFモード(図24、図25のB1)から図15に示した2ch入力PL2モード(図24、図25のB4)に遷移するときは、まず、図16で示したVOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号のゲインを徐々に小さく(+0dBから−∞dBにフェードアウト)すると共に、時間t4におけるVOL処理ブロック202のC出力信号がフェードアウトした状態(図25のd)で挿入されたPL2処理ブロック207のC出力信号のみをVOL処理ブロック202のC入力信号とした後、VOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+3dBにフェードイン)する(図24、図25のB2)。
【0185】
次に、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号がフェードアウトした状態(時間t5における図25のe、f)でVOL処理ブロック202のL入力信号とR入力信号をMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号からPL2処理ブロック207のL出力信号とR出力信号に切り替えた後、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+3dBにフェードイン)する(図24、図25のB3)。
【0186】
VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号が+3dBにフェードアウトした状態で図15で示した2ch入力PL2モードの定常状態となる(時間t6〜)。
【0187】
また、図15に示した2ch入力PL2モード(図24、図25のB4)から図16に示した2ch入力OFFモード(図24、図25のB1)に遷移するとき(このときも、図25の時間は右から左に逆行するように見る)は、まず、PL2処理ブロック207のL出力信号とR出力信号を入力としているVOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号をフェードアウトするために、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に小さくして出力(+6dBから−∞dBにフェードアウト)する(図24、図25のB5)。
【0188】
次に、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号がフェードアウトした状態(図25のe、f)で、VOL処理ブロック202のL入力信号とR入力信号をPL2処理ブロック207のL出力信号とR出力信号からMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号に切り替えた後、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+0dBにフェードイン)すると共に、PL2処理ブロック207のC出力信号を入力としているVOL処理ブロック202のC出力信号をフェードアウトするためにVOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを徐々に小さく(+0dBから−∞dBにフェードアウト)する(図24、図25のB6)。
【0189】
VOL処理ブロック202のC出力信号がフェードアウトした状態(図25のd)でPL2処理ブロック207は除かれ、図16で示した2ch入力ピュア再生/OFFモードの定常状態となる。
【0190】
以上の音場モードの切り替えを図25で見ると、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号は徐々に小さくなって再び徐々に大きくなる。このとき、L出力信号とR出力信号がe、fの点でフェードアウトするが、その大きさが小さくなる変化を補うように、VOL処理ブロック202のC出力信号は大きくなり、したがって全体の音声は途切れることなく、連続的に滑らかに切り替えられている。また、図25のd、e,fのように音声出力がフェードアウトしているときMixer処理ブロック206あるいはPL2処理ブロック207の挿入/切り離しが行われるので、挿入/切り離しに伴う異音は生じない。
【0191】
次に、図26、図27を参照して、2ch入力ピュア再生/OFFモードと2ch入力PL2+VSモード間の遷移(この遷移における過渡状態を以下過渡状態Cという)の例を説明する。
【0192】
図26は、図16に示した2ch入力ピュア再生/OFFモードと図14に示した2ch入力PL2+VSモード間の過渡状態Cの概念図を示している。また、図27は過渡状態Cをタイムチャートで示したものである。過渡状態CではMixer処理ブロック206、PL2処理ブロック207、VS処理ブロック201が共存し、VOL処理ブロック202に対する入力信号がMixer処理ブロック206とVS処理ブロック201の間で切り替えられる。なお、以下の説明ではBASS処理ブロック203のゲインの変化についての説明は省略する。
【0193】
まず時間t7で、図16に示した2ch入力ピュア再生/OFFモード(図26、図27のC1)から図14に示した2ch入力PL2+VSモード(図26、図27のC4)への音場モードの切り替えが指示されると、図16で示したVOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に小さく(+0dBから−∞dBにフェードアウト)すると共に、VOL処理ブロック202のC出力信号がフェードアウトした状態(図27のg)でPL2処理ブロック207とVS処理ブロック201を図14のように挿入し該挿入されたVS処理ブロック201のC出力信号をVOL処理ブロック202のC入力信号とした後、VOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+3dBにフェードイン)する(図26、図27のC2)。
【0194】
次に、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号がフェードアウトした状態(時間t8における図25のh、i)でVOL処理ブロック202のL入力信号とR入力信号をMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号から図14のようなVS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号に切り替えた後、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+9dBにフェードイン)する(図26、図27のC3)。
【0195】
VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号が+9dBにフェードアウトした状態で図14に示した2ch入力PL2+VSモードの定常状態となる(時間t9〜)。
【0196】
また、図14に示した2ch入力PL2+VSモード(図26、図27のC4)から図16に示した2ch入力OFFモード(図26、図27のC1)に遷移するとき(このときも、図27の時間は右から左に逆行するように見る)は、まず、VS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号による音声信号をフェードアウトするためにVOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に小さくして出力(+9dBから−∞dBにフェードアウト)する(図26、図27のC5)。
【0197】
次に、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号がフェードアウトした状態(図27のh、i)で、VOL処理ブロック202のL入力信号とR入力信号をVS処理ブロック201のL出力信号とR出力信号からMixer処理ブロック206のL出力信号とR出力信号に切り替えた後、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号に対するゲインを徐々に大きく(−∞dBから+0dBにフェードイン)すると共に、VS処理ブロック201のC出力信号をVOL処理ブロック202のC出力信号からフェードアウトするためにVOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを徐々に小さく(+3dBから−∞dBにフェードアウト)する(図26、図27のC6)。
【0198】
VOL処理ブロック202のC出力信号がフェードアウトした状態(図27のg)でPL2処理ブロック207とVS処理ブロック201は除かれ、図16で示した2ch入力ピュア再生/OFFモードの定常状態となる。
【0199】
以上の音場モードの切り替えを図27で見ると、VOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号は徐々に小さくなって再び徐々に大きくなる。このとき、L出力信号とR出力信号がh、iの点でフェードアウトするが、その大きさの変化を補うように、VOL処理ブロック202のC出力信号は大きくなる。したがって全体の音声出力は途切れることなく、連続的に滑らかに切り替えられる。また、図27のg、h,iのように音声出力がフェードアウトしているとき、Mixer処理ブロック206、PL2処理ブロック207、VS処理ブロック201の挿入/切り離しが行われるので、挿入/切り離しに伴う異音は生じない。
【0200】
図28は過渡状態Aの変形例である。図28のmで囲った部分のC出力信号に示したように、過渡状態AでVOL処理ブロック202のC出力信号を図22で示したVOL処理ブロック202のC出力信号(図22のnで囲った部分のC出力信号)より大きくして、音声出力の音圧が全体として変化しないようにしたものである。なお、t10は切り替え開始の時間、t11はVOL処理ブロック202のL出力信号とR出力信号をフェードアウトさせる時間、t12は切り替え終了時間を示している。また、j、k、lは図22のa、b、cと同様にVOL処理ブロック202のL、R、C出力信号がフェードアウトしている部分を示している。
【0201】
これは、図23においてA1からA4に遷移させるとき、A2においてVOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを−∞dBから+XdB(XはL出力信号とR出力信号がフェードアウトしたk、l点の音圧を補ってトータルとして音圧が変化しないような値に設定される)に変化させ、A3においてVOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインをXdBから+0dBに変化させる。
【0202】
また、A4からA1に遷移させるときも同様に過渡状態Aにおいて全体の音圧が変化しないようにVOL処理ブロック202のC出力信号に対するゲインを変化させる。これは過渡状態B、Cについても同様に行うことができる。
【0203】
このようにすると音場モードの切り替え時に全体の音圧が変化しないで滑らかに変化させることができ、ユーザにとってより快適な切り替えを実現することができる。
【0204】
次に、複数ある音場モードの切り替えを行う場合、これらの切り替えを効率よく行い、処理プログラムを簡単化することができる切り替え方法について説明する。
【0205】
音場モードはVSモード、PL2モード、PL2+VSモード、ピュア再生モード、声強調モード、OFFモードなど複数のモードがあり、入力チャンネル数によってもこれらの音場モードの処理内容は異なっている。前述の図9に示したのはその一例であり、11種類の音場モードが設定されている。この場合、切り替え先の音場モードになるように直接切り替えるようにすると、55通りの切り替え遷移経路ができる。したがって、切り替え方法を効率よく行わないと処理が複雑になり、また、同じ音場モードに切り替える場合でも、番組のジャンルと入力チャンネル数の取得タイミングによっては複数の切り替え遷移経路ができてしまうなどの問題がある。
【0206】
図29は、各音場モード間を直接切り替えるようにしたときの音場モード遷移図である。このときの切り替え遷移経路は55通りにもなって図に描ききれないので、全ての遷移経路は記載していない。それぞれの遷移経路に対して異なる処理が行われる。遷移経路にA〜Oと記入したものは、先の過渡状態A、B、Cと同程度の複雑な処理が行われるが、遷移経路に「FACTL」と記入したものは、音声信号の処理ブロック内のゲインを滑らかに変化させることのみで、比較的簡単に遷移させることができる処理を表している。
【0207】
図30は図29で示した音場モードの遷移を表に纏めたもので、図30の音場モード遷移表においてA〜Oが記入された欄は、VS処理ブロック201、PL2処理ブロック207が関係する複雑な過渡状態を示している。またFACTLが記入された欄は、VS処理ブロック201、PL2処理ブロック207が関係せず、Mixer処理ブロック206による比較的簡単な処理で行える過渡状態を示している。また、*が記入された欄は、図29に描ききれなかった遷移経路で「FACTL」処理を示している。また**が記入された欄はA〜O相当のVS処理ブロック201、PL2処理ブロック207が関係する複雑な過渡状態を示している。斜線を引いた欄は、これに対応する音場モード切り替えはないということを示している。
【0208】
図30に示した各欄の過渡状態に対して、それぞれ異なる処理が対応している。したがって音場モード切り替えを行うに際して55通りの処理プログラムを用意する必要がある。その内、A〜O相当の複雑な処理プログラムが27通りも含まれる。同じ切り替え遷移経路で行きと帰りを異なる処理プログラムとすれば110通り、A〜O相当の複雑な処理プログラムが54通りにもなる。
【0209】
また、図29に示すような、切り替え先の音場モードに直接遷移させる切り替え方法は、番組のジャンル情報と入力チャンネル数情報の取得タイミングにより、複数の切り替え遷移経路ができてしまうという問題もある。
【0210】
図31は、5.1ch入力VSモードから2ch入力声強調モードに切り替えるとき、番組のジャンル情報と入力チャンネル数情報の取得タイミングにより、複数の切り替え遷移経路ができる一例を示したものである。
【0211】
図31で(ト)で示した遷移経路は、入力チャンネル数情報が先に取得され、その後番組のジャンル情報が取得された場合である。まず、入力チャンネル数情報(2ch入力)が取得されると、5.1ch入力から2ch入力に切り替わる。切り替わり先は番組のジャンルが同じ(図9参照;映画、スポーツ、アニメ、特撮)である2ch入力PL2+VSモードである。その後番組のジャンル情報(図9参照;ニュース、報道、教育、ワイドショー)が取得されるので、2ch入力声強調モードに切り替わる。
【0212】
図31で、(チ)で示した遷移経路は、番組のジャンル情報が先に取得され、その後入力チャンネル数情報が取得された場合である。まず、番組のジャンル情報(図9参照;ニュース、報道、教育、ワイドショー)が取得され声強調モードであると判断されると、同じ5.1ch入力内で声強調モードに切り替わる。その後入力チャンネル数情報(2ch入力)が取得されるので、5.1ch入力から2ch入力に切り替わり、2ch入力声強調モードになる。
【0213】
図31で、(リ)で示した遷移経路は、番組のジャンル情報(図9参照;ニュース、報道、教育、ワイドショー)と入力チャンネル数情報(2ch入力)が同時に取得された場合である。この場合は、切り替え先が2ch入力声強調モードであると判断されて、5.1ch入力VSモードから2ch入力声強調モードに直接切り替わる。
【0214】
このように、図29に示した切り替え先の音場モードに直接遷移させる切り替え方法は、処理プログラムの種類が多くなり、また、番組のジャンル情報と入力チャンネル数情報の取得タイミングにより、複数の切り替え遷移経路ができてしまう場合がある。
【0215】
そこで、これらの処理プログラムを簡単化するために、「FACTL」処理に注目する。「FACTL」処理は、音場モード間を各処理ブロック内のゲインを変えるのみで簡単に他の音場モードに遷移することができ、切り替えの過渡状態においてVOL処理ブロック202の入力信号の切り替えを伴わない処理である。例えば、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204、Mixer処理ブロック206のみで構成される音場モード同士であれば、その音場モード間を各処理ブロック内のゲインを変えるのみで簡単に他の音場モードに遷移することができる。このとき、VOL処理ブロック202のL入力信号、R入力信号、又はC入力信号の切り替え処理は伴わないので処理が簡単になる。
【0216】
図32〜図35は、「FACTL」処理で他の入力チャンネル数のOFFモードに遷移できるOFFモードの基本形、及び各入力チャンネル数におけるOFFモードを示す。図32〜図35において、符号120(143)は音声復号部120、又は音声復調部143を示す。また、符号121(144)はオーディオ制御部121、又は144を示す。また、202はVOL処理ブロック、203はBASS処理ブロック、204はAnalogVOL処理ブロック、206はMixer処理ブロックである。
【0217】
図32はOFFモードの基本形を示す。各処理ブロック内のG0〜G3、GL、GC、GR、Gbass、GLEFはゲインを示している。また、点線の矢印は出力が0であることを示している。
【0218】
図33は図32のOFFモードの基本形のゲインを変化させて5.1ch入力OFFモードとしたものを示す。この場合は、ゲインG0は−3dB、ゲインG1は−3dB、ゲインG2は+0dB、ゲインG3は−12dB、ゲインGLは+0dB、ゲインGCは−∞dB、ゲインGRは+0dB、ゲインGbassは−2dB、ゲインGLEFは+18dBとされる。
【0219】
また、図34は図32のOFFモードの基本形のゲインを変化させて2ch入力OFFモードとしたものを示す。この場合は、ゲインG0は−∞dB、ゲインG1は−∞dB、ゲインG2は+0dB、ゲインG3は−12dB、ゲインGLは+0dB、ゲインGCは−∞dB、ゲインGRは+0dB、ゲインGbassは−∞dB、ゲインGLEFは+18dBとされる。
【0220】
図35は図32のOFFモードの基本形のゲインを変化させて1ch入力OFFモードとしたものを示す。この場合は、ゲインG0は−∞dB、ゲインG1は+0dB、ゲインG2は−∞dB、ゲインG3は−12dB、ゲインGLは+0dB、ゲインGCは−∞dB、ゲインGRは+0dB、ゲインGbassは−∞dB、ゲインGLEFは+18dBとされる。
【0221】
このように、OFFモードには、切り替え処理が複雑なVS処理ブロックやPL2処理ブロックが含まれないので、VOL処理ブロック、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204、Mixer処理ブロック206のゲインを変える「FACTL」処理のみで他の入力チャンネル数のOFFモードに簡単に遷移できることがわかる。
【0222】
また、声強調モード、ピュア再生モードも、VOL処理ブロック202、BASS処理ブロック203、AnalogVOL処理ブロック204、Mixer処理ブロック206のみで構成され、切り替え処理が複雑なVS処理ブロックやPL2処理ブロックが含まれないので、上記OFFモードとの間でゲインの変更のみの「FACTL」処理で簡単に遷移できる。
【0223】
したがって、音場モードを切り替える際に、例えば、OFFモード、声強調モード、ピュア再生モードなどを経由させるようにすると処理が簡単化できることがわかる。
【0224】
図36は、OFFモードを入力チャンネル数が異なる音場モード間の橋渡しをするように配置したものである。また、この場合、同じチャンネル数内の音場モードへの遷移も必ずOFFモードを経由するようにしている。このようにすると、遷移の遷移経路が図29に示したものから格段に減らすことができる。しかも、遷移の処理が複雑な過渡状態はA,B、Cのみで、その他は全て処理の簡単な「FACTL」処理とすることができる。
【0225】
図36の遷移を表に纏めたものが図37である。図37で斜線を引いた欄は、これに対応する音場モード間で直接的に切り替わる場合はないということを示している。但し、間接的に他の音場モードを経由して切り替わる場合はあり得るが、これに対応する処理プログラムは用意する必要がない。
【0226】
図37に示されるように、VS処理ブロック201、PL2処理ブロック207が関係する複雑な過渡状態は、過渡状態A、B、Cの3種類のみとなり、「FACTL」処理で遷移する経路も16となっている。図30と比較してみると明らかなように、複雑な処理が大幅に減って処理プログラムが簡単になり、また、遷移経路も大幅に減っていることがわかる。
【0227】
図38は、5.1ch入力VSモードから2ch入力声強調モードに切り替えるときの、番組のジャンル情報と入力チャンネル数情報の取得タイミングにより、切り替え遷移経路がどのようになるかを示したものである。
【0228】
図38で(ヌ)で示した遷移経路は、入力チャンネル数情報が先に取得され、その後番組のジャンル情報が取得された場合である。まず、入力チャンネル数情報(2ch入力)が取得されると、5.1ch入力OFFモードを経由して2ch入力OFFモードに切り替わる。この場合、2ch入力OFFモードに切り替わるまでに番組のジャンル情報が取得されているときは、次に2ch入力声強調モードに切り替わる。2ch入力OFFモードに切り替わるまでに番組のジャンル情報が取得されていないときは、次に(ワ)で示した遷移経路で番組のジャンルが同じ(図9参照;映画、スポーツ、アニメ、特撮)である2ch入力PL2+VSモードに切り替わるが、番組のジャンル情報が取得されると(ワ)で示した遷移経路を戻って2ch入力声強調モードに切り替わる。
【0229】
図38で、(ル)で示した遷移経路は、番組のジャンル情報が先に取得され、その後入力チャンネル数情報が取得された場合である。まず、番組のジャンル情報(図9参照;ニュース、報道、教育、ワイドショー)が取得され声強調モードであると判断されると、同じチャンネル数内の5.1ch入力OFFモードに切り替わる。この場合、2ch入力OFFモードに切り替わるまでに入力チャンネル数情報が取得されているときは、次に2ch入力ピュア再生/OFFモードを経由して2ch入力声強調モードに切り替わる。2ch入力OFFモードに切り替わるまでに入力チャンネル数情報が取得されていないときは、次に(カ)で示した遷移経路で番組のジャンルが同じ(図9参照;ニュース、報道、教育、ワイドショー)である5.1ch入力声強調モードに切り替わるが、入力チャンネル数情報が取得されると(カ)で示した遷移経路を戻り、2ch入力ピュア再生/OFFモードを経由して2ch入力声強調モードに切り替わる。
【0230】
図38で、(ヲ)で示した遷移経路は、番組のジャンル情報(図9参照;ニュース、報道、教育、ワイドショー)と入力チャンネル数情報(2ch入力)が同時に取得された場合である。この場合は、切り替え先が2ch入力声強調モードであると判断されて、5.1ch入力VSモードから5.1ch入力OFFモード、2ch入力ピュア再生/OFFモードを経由して2ch入力声強調モードに切り替わる。
【0231】
図38と図31を比較して分かるように、図36に示した切り替え方法は、番組のジャンル情報と入力チャンネル数情報の取得タイミングがずれても、遷移経路が大幅に変更になることはなく、切り替え遷移経路の変更が小幅で済むという利点がある。
【0232】
図36で示した音場モード切り替え方法は、各入力チャンネル数におけるOFFモード間を経由して他の音場モードに切り替えるようにしたが、このようにすると、OFFモードにおけるVOL処理ブロック202の出力信号がL、RのみでC出力信号がないことが共通にできる(OFFモードは同じL、Rのみのスピーカ出力状態である)。したがって音場モード切り替えの際に図22、図25、図27に示したような過渡状態A、B、Cを経由して切り替わる場合には、切り替えの中間時点でL出力信号、R出力信号をフェードアウトし、C出力信号をフェードインさせることにより、全体の音圧をほぼ一定の状態で切り替えることができる。このようにすると切り替えの違和感がなく滑らかに切り替えられると共に、処理プログラムの統一ができて全体の処理プログラムを簡単化することができる。
【0233】
図36に示した音場モード切り替え方法は、各入力チャンネル数におけるOFFモード間を経由して他の音場モードに切り替えるようにしているが、例えば各入力チャンネル数における声強調モードを図36のOFFモードの代わりとして入れ替えることもできる。但し、この場合には音声強調モードにおけるVOL処理ブロック202のL出力信号、R出力信号の他にC出力信号が出力される(声強調モードはL、R、Cの全てのスピーカが出力状態である)ので、音場モード切り替えの際に図22、図25、図27に示したような過渡状態A、B、Cを経由して切り替わる場合には、切り替えの中間時点でL出力信号、R出力信号をフェードアウトし、C出力信号をフェードインさせることはできない。しかしながら、この場合全てのスピーカが出力状態であるが、VOL処理ブロック202のL、R出力信号をフェードイン、フェードアウトするタイミングと、C出力信号をフェードイン、フェードアウトするタイミングを切り替え期間内で音圧がほぼ一定になるようにずらし、フェードアウトしたタイミングで出力信号を切り替えるようにすれば同様に実施することが可能である。その他の遷移経路は「FACTL」処理となる。このようにすると、切り替えの違和感がなく滑らかに切り替えられると共に、処理プログラムの統一ができて処理プログラムを簡単化することができるという効果を奏する。
【0234】
このように、経由させる音場モードのスピーカ出力状態を同じにすることで処理プログラムの統一ができて処理が簡単になる。したがって、OFFモード、音声強調モードに限らず、スピーカ出力状態が同じ音場モードを経由させることで処理プログラムの統一ができて処理が簡単になる。
【0235】
また、図36で示した音場モード切り替え方法は、各入力チャンネル数におけるOFFモード間を経由して他の音場モードに切り替えるようにしたが、例えば各入力チャンネル数におけるピュア再生モードを図36のOFFモードの代わりとして入れ替えることもできる。ピュア再生モードのスピーカ出力状態は入力チャンネル数ごとにそれぞれ異なっており、多少制御が複雑にはなるが、音場モード切り替えの際に図22、図25、図27に示したような過渡状態A、B、Cを経由して切り替わる場合には、VOL処理ブロック202のL、R出力信号をフェードイン、フェードアウトするタイミングと、C出力信号をフェードイン、フェードアウトするタイミングを切り替え期間内で音圧がほぼ一定になるようにずらし、フェードアウトしたタイミングで出力信号を切り替えるようにすれば同様に実施することが可能である。その他の遷移経路は「FACTL」処理で行うことができる。このようにすると、切り替えの違和感がなく滑らかに切り替えられると共に、処理プログラムを簡単化することができるという効果を奏する。
【0236】
以上の実施の形態の説明では、オーディオ制御部121、144の制御で実現する各音場モードを、図10乃至図20に示すようにしたが、本発明はこれには限定されない。また、入力チャンネル数やジャンルの情報をCECラインを通して伝達する例を説明したが、HDMIケーブルのTMDSチャンネルを利用して伝達することもできる。この場合には伝送先の音声復号部あるいは音声復調部によりこれらの情報を抽出するようにすれば良い。
【0237】
以上、本実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0238】
本発明は、テレビ受信機、パソコン、レコーダ、HDD装置などで番組を録画/再生するような装置に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0239】
【図1】本発明の音声再生装置、映像音声再生装置、音場モードの切り替え方法を実現する第1の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の音声再生装置、映像音声再生装置、音場モードの切り替え方法を実現する第2の実施の形態を示す図である。
【図3】本発明の音声再生装置、映像音声再生装置、音場モードの切り替え方法を実現する第3の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の第1〜第3の実施の形態におけるHDMIケーブルの接続を説明する図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるテレビ受信機、オーディオ機器、レコーダを概略制御ブロックで示した図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるテレビ受信機、オーディオ機器、レコーダをより詳細な制御ブロックで示した図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における、信号の流れを説明する図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における、他の信号の流れを説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態における、音場モードテーブルの一例を示した図である。
【図10】5.1ch入力VSモードの制御処理ブロックを示した図である。
【図11】5.1ch入力ピュア再生モードの制御処理ブロックを示した図である。
【図12】5.1ch入力声強調モードの制御処理ブロックを示した図である。
【図13】5.1ch入力OFFモードの制御処理ブロックを示した図である。
【図14】2ch入力PL2+VSモードの制御処理ブロックを示した図である。
【図15】2ch入力PL2モードの制御処理ブロックを示した図である。
【図16】2ch入力ピュア再生/OFFモードの制御処理ブロックを示した図である。
【図17】2ch入力声強調モードの制御処理ブロックを示した図である。
【図18】1ch入力ピュア再生モードの制御処理ブロックを示した図である。
【図19】1ch入力声強調モードの制御処理ブロックを示した図である。
【図20】1ch入力OFFモードの制御処理ブロックを示した図である。
【図21】本発明の実施の形態における、過渡状態Aの概念を説明する図である。
【図22】本発明の実施の形態における、過渡状態Aを示すタイムチャートである。
【図23】本発明の実施の形態における過渡状態Aの、5.1ch入力OFFモードと5.1ch入力VSモード間の遷移を示した図である。
【図24】本発明の実施の形態における、過渡状態Bの概念を説明する図である。
【図25】本発明の実施の形態における、過渡状態Bを示すタイムチャートである。
【図26】本発明の実施の形態における、過渡状態Cの概念を説明する図である。
【図27】本発明の実施の形態における、過渡状態Cを示すタイムチャートである。
【図28】本発明の実施の形態における、過渡状態Aの他の実施例を示すタイムチャートである。
【図29】切り替え先音場モードに直接遷移させた場合の、音場モード遷移図である。
【図30】切り替え先音場モードに直接遷移させた場合の、音場モード遷移表である。
【図31】切り替え先音場モードに直接遷移させた場合の、番組ジャンル情報と入力チャンネル情報の取得タイミングの違いによる音場モード遷移の説明図である。
【図32】音場モードにおけるOFFモード処理構成の基本形を示す図である。
【図33】5.1ch入力OFFモードの処理構成を示す図である。
【図34】2ch入力OFFモードの処理構成を示す図である。
【図35】1ch入力OFFモードの処理構成を示す図である。
【図36】本発明における、音場モード遷移を示す図である。
【図37】本発明における、音場モード遷移を示す表である。
【図38】本発明における、番組ジャンル情報と入力チャンネル情報の取得タイミングの違いによる音場モード遷移の説明図である。
【符号の説明】
【0240】
1・・・テレビ受信機
2・・・オーディオ機器
3〜5・・・レコーダ
6〜9、25・・・HDMIケーブル
10〜17、26、27・・・HDMI端子
18・・・光ケーブル
21・・・HDMIソース
22・・・HDMIシンク
23・・・HDMI送信機
24・・・HDMI受信機
28・・・TMDSチャンネル
29、165、169・・・CECライン
30、166、170・・・DDCライン
31、134、158・・・EDID−ROM
41〜43・・・ホストCPU
44・・・モニターマイコン
45、46・・・フロントマイコン
47〜49、54、55・・・インターフェース回路
50、51、110、159・・・HDMI受信用LSI
52、53、160、171・・・HDMI送信用LSI
104・・・アンテナ
105・・・チューナ
106・・・多重化復元部
107・・・映像復号部
108、112、142・・・セレクタ
109・・・表示部
111・・・コンテンツ情報復号部
113・・・デジタルオーディオインターフェース変調部
114・・・発光素子
115、156、172・・・システムコントローラ
116・・・リモコン受光部
117・・・リモコン
118・・・メモリ
119・・・操作部
120・・・音声復号部
121、144・・・オーディオ制御部
124、147・・・ボリューム
125〜128、148〜151・・・アンプ
129、152・・・左フロントスピーカ
130、153・・・右フロントスピーカ
131、154・・・センタスピーカ
132、155・・・サブウーファ
133、157・・・双方向インターフェース回路
140・・・受光素子
141・・・デジタルオーディオインターフェース復調部
143・・・音声復調部
161、167・・・TMDSチャンネル
181・・・チャンネル数変換処理部
182・・・音場変更処理部
183・・・強調処理部
184・・・イコライザ処理部
191・・・チャンネル数変換処理部
192・・・音場変更処理部
193・・・強調処理部
194・・・イコライザ処理部
201・・・VS処理ブロック
202・・・VOL処理ブロック
203・・・BASS処理ブロック
204・・・AnalogVOL処理ブロック
205・・・加算器
206・・・Mixer処理ブロック
207・・・PL2処理ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の音場モードで音声出力することができる音声再生装置において、
音場モードを前記複数の音場モード間で遷移させて他の音場モードに切り替える際、特定の音場モードを介して切り替える音場モード切り替え手段を備えたことを特徴とする音声再生装置又は映像音声再生装置。
【請求項2】
前記特定の音場モードは、ゲインの変更のみで他の音場モードに遷移することが可能な音場モードであることを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置又は映像音声再生装置。
【請求項3】
入力チャンネル数ごとに前記特定の音場モードを存在させたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の音声再生装置又は映像音声再生装置。
【請求項4】
入力チャンネル数が変化したとき前記特定の音場モードを経由して切り替え先の音場モードに遷移させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の音声再生装置又は映像音声再生装置。
【請求項5】
前記特定の音場モードは、スピーカ出力状態を同じにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の音声再生装置又は映像音声再生装置。
【請求項6】
前記特定の音場モードは、VOL処理ブロック、BASS処理ブロック、AnalogVOL処理ブロック、Mixer処理ブロックで構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の音声再生装置又は映像音声再生装置。
【請求項7】
前記特定の音場モードは、OFFモードであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の音声再生装置又は映像音声再生装置。
【請求項8】
複数の音場モードで音声再生することができる音声再生装置又は映像音声再生装置の音場モード切り替え方法において、
音場モードを前記複数の音場モード間で遷移させて他の音場モードに切り替える際、特定の音場モードを介して切り替えることを特徴とする音場モード切り替え方法。
【請求項9】
前記特定の音場モードは、ゲインの変更のみで他の音場モードに遷移することが可能であることを特徴とする請求項8に記載の音場モード切り替え方法。
【請求項10】
入力チャンネル数ごとに前記特定の音場モードを存在させたことを特徴とする請求項8又は請求項9のいずれか一項に記載の音場モード切り替え方法。
【請求項11】
入力チャンネル数が変化したとき前記特定の音場モードを経由して切り替え先の音場モードに遷移させることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の音場モード切り替え方法。
【請求項12】
前記特定の音場モードは、スピーカ出力状態を同じにしたことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の音場モード切り替え方法。
【請求項13】
前記特定の音場モードは、VOL処理ブロック、BASS処理ブロック、AnalogVOL処理ブロック、Mixer処理ブロックにより再生される音場モードであることを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載の音場モード切り替え方法。
【請求項14】
前記特定の音場モードは、OFFモードであることを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一項に記載の音場モード切り替え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2008−78888(P2008−78888A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254372(P2006−254372)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】