説明

音声処理装置及びそのプログラム

【課題】 ダイレクトモードを備えるAVアンプにおいて、ユーザが低域スピーカーからの音声の再生を所望する場合には、低域スピーカーから音声を再生すること。
【解決手段】 低域スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されていると判断された場合、ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを禁止し、低域スピーカーの使用有無設定が使用無に設定されていると判断された場合、ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを許可する。従って、ユーザが低域スピーカーからの音声再生を所望するにも関わらず、誤ってダイレクトモードがオン状態に設定されたために、低域スピーカーから音声が再生されないという問題を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイレクトモードを備える音声処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプは、DVDプレーヤ等から複数チャンネルの音声データが入力され、これらの音声データに所定の音声処理を実行し、接続される複数のスピーカーに音声データを出力するものである。例えば、AVアンプに6つのスピーカー(例えば、左スピーカー、右スピーカー、中央スピーカー、低域スピーカー、サラウンド左スピーカー、サラウンド右スピーカー)が接続されている場合に、AVアンプに2chの音声データ(左音声データおよび右音声データ)が入力されると、AVアンプは左音声データおよび右音声データから、DSPにおいて、これら6つのスピーカーに出力するための6ch分の音声データを生成する。その結果、AVアンプに2chの音声データが入力された場合でも、6つのスピーカーから音声を再生することができる。
【0003】
AVアンプにはダイレクトモードと呼ばれるモードが設けられている。ダイレクトモードは、2chの音声データが入力された場合に、上記のDSPによる6ch分の音声データを生成する処理を実行せずに、そのまま2chの音声データを増幅して左スピーカーおよび右スピーカーのみに出力するモードである。ダイレクトモードでは、中央スピーカー、低域スピーカー、サラウンド左スピーカー、およびサラウンド右スピーカーから音声を再生できないが、左スピーカーおよび右スピーカーから再生される音声の音質を向上することができる。
【0004】
ここで、ユーザがAVアンプに例えば低域スピーカーを接続し、低域スピーカーからの音声の再生を所望する場合に、誤ってダイレクトモードがオン状態に設定されてしまうと、上記の理由により、低域スピーカーから音声が再生されないために、ユーザに違和感を与えるという問題が生じる。また、中央スピーカー、サラウンド左スピーカー、サラウンド右スピーカーについても同様である。
【0005】
特に、AVアンプには低域スピーカー内蔵のAVアンプという製品が存在する。このような製品は低域スピーカーが内蔵されているため、ユーザは低域スピーカーから音声が再生されると理解しているが、上記のようにダイレクトモードがオン状態に設定されると、低域スピーカーから音声が再生されず、上記の問題は特に顕著になる。また、最近では、左スピーカー、右スピーカー、中央スピーカー、低域スピーカー及びAVアンプ内蔵のTVラックが販売されている。このような製品においても、ダイレクトモードがオン状態に設定されると、中央スピーカー及び低域スピーカーから音声が再生されないという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2007−53553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ダイレクトモードを備え、ユーザが第2チャンネルスピーカーからの音声の再生を所望する場合には、第2チャンネルスピーカーから音声を再生することができる音声処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態による音声処理装置は、第1チャンネル音声データが入力される入力手段と、ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するモード設定手段と、前記第1チャンネル音声データから、前記第1チャンネル音声データ及び第2チャンネル音声データを生成する音声処理手段と、ダイレクトモードがオン状態に設定されている場合に、前記音声処理手段による前記生成処理が実行されず、前記第1チャンネル音声データを第1チャンネルスピーカーに出力し、ダイレクトモードがオフ状態に設定されている場合、前記音声処理手段による前記生成処理が実行され、前記第1チャンネル音声データを前記第1チャンネルスピーカーに出力し、前記第2チャンネル音声データを前記第2チャンネルスピーカーに出力する出力手段と、ユーザ操作に応じて前記第2スピーカーの使用有無を設定するスピーカー設定手段と、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されているか否かを判断する判断手段と、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されていると判断された場合、前記ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを禁止し、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無に設定されていると判断された場合、前記ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを許可する設定制御手段とを備える。
【0009】
第2チャンネルスピーカーの使用有無設定が使用有に設定されており、ユーザが第2チャンネルスピーカーからの音声再生を所望する場合には、設定制御手段によって、ダイレクトモードがオン状態に設定されることが禁止される。従って、ユーザが第2チャンネルスピーカーからの音声再生を所望するにも関わらず、ダイレクトモードがオン状態に設定されたために、第2チャンネルスピーカーから音声が再生されないという問題を防止することができる。
【0010】
好ましくは、前記音声処理装置が、ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するためのダイレクトモード設定画面を表示する表示手段をさらに備え、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されていると判断された場合、前記設定制御手段が、前記ダイレクトモード設定画面を前記表示手段に表示させず、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無に設定されていると判断された場合、前記設定制御手段が、前記ダイレクトモード設定画面を前記表示手段に表示させる。
【0011】
好ましくは、前記判断手段が、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたか否かをさらに判断し、ダイレクトモードがオン状態に設定されている際に、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたと判断された場合、前記設定制御手段が、ダイレクトモードをオン状態からオフ状態に設定変更させる。
【0012】
ダイレクトモードがオン状態のときに、ユーザ操作によって第2チャンネルスピーカーの使用有無設定が使用有に変更された場合、ユーザが第2チャンネルスピーカーからの音声再生を所望するにも関わらず、第2チャンネルスピーカーから音声が再生されないことになるが、本例では、設定制御手段がダイレクトモードを自動的にオフ状態に設定することによってこの問題を解決することができる。
【0013】
好ましくは、前記第1チャンネル音声データが左音声データ及び右音声データであり、前記第1チャンネルスピーカーが左スピーカー及び右スピーカーであり、前記第2チャンネル音声データが低域音声データ又は中央音声データを含み、前記第2チャンネルスピーカーが低域スピーカー又は中央スピーカーを含み、前記低域スピーカー又は前記中央スピーカーを前記音声処理装置の内部に備える。
【0014】
低域スピーカー又は中央スピーカーが音声処理装置に内蔵されている場合、ダイレクトモードがオン状態に設定されているために、低域スピーカー又は中央スピーカーから音声が再生されないと、内蔵されている低域スピーカー又は中央スピーカーが無駄になってしまうので、低域スピーカー又は中央スピーカーを内蔵する場合に上記の効果が特に顕著になる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態による音声処理装置は、第1チャンネル音声データが入力される入力手段と、ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するモード設定手段と、前記第1チャンネル音声データから、前記第1チャンネル音声データ及び第2チャンネル音声データを生成する音声処理手段と、ダイレクトモードがオン状態に設定されている場合に、前記音声処理手段による前記生成処理が実行されず、前記第1チャンネル音声データを第1チャンネルスピーカーに出力し、ダイレクトモードがオフ状態に設定されている場合、前記音声処理手段による前記生成処理が実行され、前記第1チャンネル音声データを前記第1チャンネルスピーカーに出力し、前記第2チャンネル音声データを前記第2チャンネルスピーカーに出力する出力手段と、ユーザ操作に応じて前記第2スピーカーの使用有無を設定するスピーカー設定手段と、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたか否かを判断する判断手段と、ダイレクトモードがオン状態に設定されている際に、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたと判断された場合、ダイレクトモードをオン状態からオフ状態に設定変更させる設定制御手段とを備える。
【0016】
ダイレクトモードがオン状態のときに、ユーザ操作によって第2チャンネルスピーカーの使用有無設定が使用有に変更された場合、ユーザが第2チャンネルスピーカーからの音声再生を所望するにも関わらず、第2チャンネルスピーカーから音声が再生されないことになるが、本例では、設定制御手段がダイレクトモードを自動的にオフ状態に設定することによってこの問題を解決することができる。
【発明の効果】
【0017】
第2チャンネルスピーカーの使用有無設定が使用有に設定されており、ユーザが第2チャンネルスピーカーからの音声再生を所望する場合には、設定制御手段によって、ダイレクトモードがオン状態に設定されることが禁止される。従って、ユーザが第2チャンネルスピーカーからの音声再生を所望するにも関わらず、誤ってダイレクトモードがオン状態に設定されたために、第2チャンネルスピーカーから音声が再生されないという問題を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ100について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0019】
図1は、本実施形態における、AVアンプ100、ディスプレイ装置200、及び、各スピーカーの配置の一例を説明する図である(DVDプレーヤは省略している)。AVアンプ100は、低域スピーカーSSWが内蔵されており、ディスプレイ装置200、左スピーカーSL、右スピーカーSR、中央スピーカーSC、サラウンド左スピーカーSSL、および、サラウンド右スピーカーSSRが接続されている。なお、低域スピーカーSSWはAVアンプに内蔵されておらず、AVアンプ100に外部接続されてもよい。AVアンプ100には、例えばDVDプレーヤから供給される2chのアナログ又はデジタル音声データ(左音声データ及び右音声データ)が入力される。後述するダイレクトモードがオン状態に設定されている場合、左音声データ及び右音声データに基づいて、左スピーカーSL及び右スピーカーSRからそれぞれ音声を再生する。ダイレクトモードがオフ状態に設定されている場合、左音声データ及び右音声データに基づいて、左スピーカーSL、右スピーカーSR、中央スピーカーSC、低域スピーカーSSW、サラウンド左スピーカーSSL、および、サラウンド右スピーカーSSRから音声を再生する。
【0020】
図2は、AVアンプ100の構成を示す概略ブロック図である。なお、図2では、説明を簡単化するために、中央スピーカーSC、サラウンド左スピーカーSSL、及び、サラウンド右スピーカーSSRに対応する部分(ボリューム調整部や増幅処理部)は省略しているが、低域スピーカーSSWに対応する部分と同様であり、説明を援用する。また、図2では、電源回路等のAVアンプ100としての一般的な構成は割愛している。
【0021】
AVアンプ100は、制御部1と、スイッチ部2、3と、ボリューム調整部4(4L,4R,4SW)と、増幅処理部5(5L,5R,5SW)と、アナログ−デジタル変換部(以下、ADCという。)6と、スイッチ部7と、デジタル信号処理部(以下、DSPという。)8と、デジタル−アナログ変換部(以下、DACという。)11と、変換部(以下、DIRという。)12と、メモリ13と、表示部14と、操作部15とを備える。DSP8は、その内部に、音声処理部9とスイッチ部10とを有する。
【0022】
制御部1は、メモリ13に格納されているAVアンプ100の動作プログラムに基づいて、AVアンプ100の各部を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータやCPU等である。制御部1は、操作部15からのユーザ操作入力または各部からの制御データに基づいて各種処理を実行する。
【0023】
スイッチ部2は、例えばDVDプレーヤ等からアナログ左音声データが入力され、アナログ左音声データをボリューム調整部4Lに出力するか、又は、ADC6に出力するかを制御部1からの指示に応じて選択する。同様に、スイッチ部3は、例えばDVDプレーヤ等からアナログ右音声データが入力され、アナログ右音声データをボリューム調整部4Rに出力するか、又は、ADC6に出力するかを制御部1からの指示に応じて選択する。
【0024】
ボリューム調整部4Lは、スイッチ部2から供給されるアナログ左音声データ、又は、DAC11から供給されるアナログ左音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Lに出力する。増幅処理部5Lは、ボリューム調整部4Lから供給されるアナログ左音声データに増幅処理を実行し、外部に接続されている左スピーカーSLに出力する。
【0025】
ボリューム調整部4Rは、スイッチ部3から供給されるアナログ右音声データ、又は、DAC11から供給されるアナログ右音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Rに出力する。増幅処理部5Rは、ボリューム調整部4Rから供給されるアナログ右音声データに増幅処理を実行し、外部に接続されている右スピーカーSRに出力する。
【0026】
ボリューム調整部4SWは、DAC11から供給されるアナログ低域音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5SWに出力する。増幅処理部5SWは、ボリューム調整部4SWから供給されるアナログ低域音声データに増幅処理を実行し、内蔵されている低域スピーカーSSWに出力する。
【0027】
ADC6は、スイッチ部2から供給されるアナログ左音声データ、及び、スイッチ部3から供給されるアナログ右音声データを例えばI2S(the Inter−IC
Sound bus)形式のデジタル音声データ(デジタル左音声データおよびデジタル右音声データ)に変換し、スイッチ部7のノード7aに出力する。
【0028】
DIR12は、例えばDVDプレーヤ等から2chのデジタル音声データ(左デジタル音声データ及び右デジタル音声データ、例えばSPDIF(Sony/Philips Digital
InterFace)形式)が入力され、SPDIF形式をI2S形式のデジタル音声データに変換する。DIR12は、変換したI2S形式のデジタル音声データをスイッチ部7のノード7bに出力する。
【0029】
スイッチ部7は、ADC6から供給されるデジタル音声データ、及び、DIR12から供給されるデジタル音声データの中から、制御部1からの指示に応じて、1つのデジタル音声データを選択し、DSP8の音声処理部9およびスイッチ部10に出力する。
【0030】
音声処理部9は、スイッチ部7から供給される2chのデジタル音声データに基づいて、例えば、左音声データ、右音声データ、中央音声データ、低域音声データ、サラウンド左音声データ、サラウンド右音声データを含む6chのデジタル音声データを生成し、スイッチ部10のノード10aに出力する。また、必要に応じて、音声処理部9は、上記のデジタル音声データに対して、ユーザ操作によって選択されたリスニングモードに対応する所定の音声処理(例えば、信号処理、遅延処理、イコライザ処理等)を実行してもよい。
【0031】
スイッチ部10は、制御部1からの指示に応じて、スイッチ部7から音声処理部9を介さずに供給される2chのデジタル音声データ、及び、音声処理部9から供給される6chのデジタル音声データの中から、1つのデジタル音声データを選択し、DAC11に出力する。
【0032】
DAC11は、DSP8のスイッチ部10から供給されたデジタル音声データをアナログ音声データにデジタル−アナログ変換し、ボリューム調整部4に出力する。スイッチ部10がノード10bを選択しており、2chのデジタル音声データがDAC11に供給される場合、DAC11はアナログ左音声データをボリューム調整部4Lに、アナログ右音声データをボリューム調整部4Rに出力する。一方、スイッチ部10がノード10aを選択しており、6chのデジタル音声データがDAC11に供給される場合、DAC11はアナログ左音声データをボリューム調整部4Lに、アナログ右音声データをボリューム調整部4Rに、アナログ低域音声データをボリューム調整部4SWに出力する(なお、同様に、DAC11はアナログ中央音声データ、アナログサラウンド左音声データ、アナログサラウンド右音声データもそれぞれ対応するボリューム調整部4に出力する)。
【0033】
AVアンプ100にはダイレクトモードと呼ばれるモードが設けられている。ダイレクトモードは、2chのアナログ音声データ又はデジタル音声データが入力された場合に、音声処理部9によって6chのデジタル音声データを生成し6chの音声を再生するのではなく、2chの音声データを音声処理部9で処理せずに、左スピーカーSLおよび右スピーカーSRのみに直接出力するモードである。ダイレクトモードでは、中央スピーカーSC、低域スピーカーSSW、サラウンド左スピーカーSSL、およびサラウンド左スピーカーSSRから音声が再生できないが、左スピーカーSLおよび右スピーカーSRから再生される音声の音質を向上できる(音質向上とは、例えばノイズや歪みを低減することである)。
【0034】
ダイレクトモードをオン状態にするか、又は、オフ状態にするかは、ユーザ操作によって設定され、その設定内容がメモリ13に保存される。ダイレクトモードを設定する場合、例えば図3に示すようなダイレクトモード設定画面が表示部14に表示され、ユーザ操作によってオン状態またはオフ状態に設定可能になっている。図3(a)はダイレクトモードがオン状態に設定された場合を、図3(b)はダイレクトモードがオフ状態に設定された場合を示している。
【0035】
また、AVアンプ100にはスピーカーの使用有無の設定が設けられている。例えば、図4に示すように、低域スピーカーSSWの使用有無の設定画面が表示部14に表示される。低域スピーカーSSWの使用をユーザが所望する場合には、図4(a)のようにユーザ操作によって「YES(使用有)」に設定され、低域スピーカーSSWの使用をユーザが所望しない場合には、図4(b)に示すようにユーザ操作によって「NO(使用無)」に設定される。なお、設定内容はメモリ13に保存され、ディスタンス設定、遅延時間の設定、信号処理設定などの各種の処理に使用される。
【0036】
本実施形態では、低域スピーカーSSWの使用有無の設定が「YES」に設定されている場合に、制御部1は、図3に示すダイレクトモードの設定画面を表示部14に表示させないことにより、ユーザ操作によってダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを禁止する。これにより、ユーザが低域スピーカーSSWからの音声再生を所望する場合には、ダイレクトモードがオン状態に設定されないことによって、誤ってダイレクトモードがオン状態に設定され低域スピーカーSSWから音声が再生されないことを防止することができる。なお、ダイレクトモードの設定画面を表示部に表示させないのではなく、ダイレクトモードの設定画面をグレイアウト(通常の表示と異なる色で表示し、設定禁止を告知すること)で表示してもよい。
【0037】
一方、低域スピーカーSSWの使用有無の設定が「NO」に設定されている場合に、制御部1は、図3に示すダイレクトモードの設定画面を表示部に表示させることにより、ユーザ操作によってダイレクトモードがオン状態に設定されることを許可する。これにより、ユーザが低域スピーカーからの音声再生を所望せず、ダイレクトモードでの音声再生を所望する場合には、ダイレクトモードがオン状態に設定されることによって、ダイレクトモードで左スピーカーSL及び右スピーカーSRのみから音声を再生することができる。
【0038】
また、ダイレクトモードがオン状態に設定されている場合、ユーザ操作によって、低域スピーカーSSWの使用有無の設定が「NO」から「YES」に変更された場合、制御部1は、ダイレクトモードを自動的にオン状態からオフ状態に設定変更することによって、低域スピーカーSSWから音声が再生される状態に制御する。
【0039】
以上の構成を有するAVアンプ100についてその動作を説明する。まずは、図2を参照し、ダイレクトモードがオン状態、オフ状態それぞれの場合における、音声データの処理について説明する。
[ダイレクトモードがオン状態であり、アナログ左音声データ及びアナログ右音声データが入力される場合]
制御部1からの指示によって、スイッチ部2がボリューム調整部4L側(ノード2a)を選択し、スイッチ部3がボリューム調整部4R側(ノード3a)を選択する。その結果、入力されるアナログ左音声データは、スイッチ部2を介してボリューム調整部4Lに供給される。ボリューム調整部4Lは、アナログ左音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Lに供給する。増幅処理部5Lは、供給されたアナログ左音声データを増幅処理して、左スピーカー端子を介して、外部に接続されている左スピーカーSLに出力する。また、入力されるアナログ右音声データは、スイッチ部3を介してボリューム調整部4Rに供給される。ボリューム調整部4Rは、アナログ右音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Rに供給する。増幅処理部5Rは、供給されたアナログ右音声データを増幅処理して、右スピーカー端子を介して、外部に接続されている右スピーカーSRに出力する。その結果、低域スピーカーSSWから音声が再生されないが、音声データは音声処理部9によって処理されないので、高音質の音声を左スピーカーSL及び右スピーカーSRから再生することができる。
【0040】
[ダイレクトモードがオフ状態であり、アナログ左音声データ及びアナログ右音声データが入力される場合]
制御部1からの指示によって、スイッチ部2がADC6側(ノード2b)を選択し、スイッチ部3がADC6側(ノード3b)を選択する。その結果、入力されるアナログ左音声データはスイッチ部2を介してADC6に供給され、入力されるアナログ右音声データはスイッチ部3を介してADC6に供給される。ADC6は、アナログ左音声データ及びアナログ右音声データをI2S形式のデジタル音声データに変換し、スイッチ部7のノード7aに出力する。
【0041】
スイッチ部7は、制御部1からの指示によって、ADC6側(ノード7a)を選択する。その結果、スイッチ部7は、ADC6から供給されたデジタル音声データをDSP8の音声処理部9およびスイッチ部10に出力する。音声処理部9は、供給された2chのデジタル音声データ(デジタル左音声データ及びデジタル右音声データ)から、6chのデジタル音声データ(デジタル左音声データ、デジタル右音声データ、デジタル中央音声データ、デジタル低域音声データ、デジタルサラウンド左音声データ、デジタルサラウンド右音声データ)を生成し、スイッチ部10のノード10aに出力する。
【0042】
スイッチ部10は、制御部1からの指示によって、音声処理部9側(ノード10a)を選択する。その結果、スイッチ部10は、音声処理部9から供給された6chのデジタル音声データをDAC11に出力する。DAC11は、スイッチ部10から供給された6chのデジタル音声データを6chのアナログ音声データ(アナログ左音声データ、アナログ右音声データ、アナログ中央音声データ、アナログ低域音声データ、アナログサラウンド左音声データ、アナログサラウンド右音声データ)に変換し、ボリューム調整部4に出力する。例えば、アナログ左音声データがボリューム調整部4Lに、アナログ右音声データがボリューム調整部4Rに、アナログ低域音声データがボリューム調整部4SWに出力される。
【0043】
ボリューム調整部4Lは、アナログ左音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Lに供給する。増幅処理部5Lは、供給されたアナログ左音声データを増幅処理して、左スピーカー端子を介して、外部に接続されている左スピーカーSLに出力する。ボリューム調整部4Rは、アナログ右音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Rに供給する。増幅処理部5Rは、供給されたアナログ右音声データを増幅処理して、右スピーカー端子を介して、外部に接続されている右スピーカーSRに出力する。ボリューム調整部4SWは、アナログ低域音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5SWに供給する。増幅処理部5SWは、供給されたアナログ低域音声データを増幅処理して、内蔵されている低域スピーカーSSWに出力する。なお、中央スピーカーSC、サラウンド左スピーカーSSL、サラウンド左スピーカーSSRからも同様に音声が再生される。この結果、左スピーカーSL及び右スピーカーSRから再生される音声の音質が劣化するものの、低域スピーカーSSWや他のスピーカーからも音声を再生することができる。
【0044】
[ダイレクトモードがオン状態であり、デジタル左音声データ及びデジタル右音声データが入力される場合]
DIR12は、入力されるSPDIF形式の2chのデジタル音声データをI2S形式のデジタル音声データに変換し、スイッチ部7のノード7bに出力する。スイッチ部7は、制御部1からの指示によって、DIR12側(ノード7b)を選択する。その結果、スイッチ部7は、DIR12から供給されたデジタル音声データをDSP8の音声処理部9およびスイッチ部10のノード10bに出力する。
【0045】
スイッチ部10は、制御部1からの指示によって、スイッチ部7側(ノード10b)を選択する。その結果、スイッチ部10は、スイッチ部7から供給された2chのデジタル音声データをDAC11に出力する。DAC11は、スイッチ部10から供給された2chのデジタル音声データを2chのアナログ音声データ(アナログ左音声データ、アナログ右音声データ)に変換し、ボリューム調整部4に出力する。つまり、アナログ左音声データがボリューム調整部4Lに、アナログ右音声データがボリューム調整部4Rに出力される。
【0046】
ボリューム調整部4Lは、アナログ左音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Lに供給する。増幅処理部5Lは、供給されたアナログ左音声データを増幅処理して、左スピーカー端子を介して、外部に接続されている左スピーカーSLに出力する。ボリューム調整部4Rは、アナログ右音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Rに供給する。増幅処理部5Rは、供給されたアナログ右音声データを増幅処理して、右スピーカー端子を介して、外部に接続されている右スピーカーSRに出力する。その結果、低域スピーカーSSWから音声が再生されないが、音声データは音声処理部9によって処理されないので、高音質の音声を左スピーカーSL及び右スピーカーSRから再生することができる。
【0047】
[ダイレクトモードがオフ状態であり、デジタル左音声データ及びデジタル右音声データが入力される場合]
DIR12は、入力されるSPDIF形式の2chのデジタル音声データをI2S形式のデジタル音声データに変換し、スイッチ部7のノード7bに出力する。スイッチ部7は、制御部1からの指示によって、DIR12側(ノード7b)を選択する。その結果、スイッチ部7は、DIR12から供給されたデジタル音声データをDSP8の音声処理部9およびスイッチ部10のノード10bに出力する。音声処理部9は、供給された2chのデジタル音声データ(デジタル左音声データ及びデジタル右音声データ)から、6chのデジタル音声データ(デジタル左音声データ、デジタル右音声データ、デジタル中央音声データ、デジタル低域音声データ、デジタルサラウンド左音声データ、デジタルサラウンド右音声データ)を生成し、スイッチ部10のノード10aに出力する。
【0048】
スイッチ部10は、制御部1からの指示によって、音声処理部9側(ノード10a)を選択する。その結果、スイッチ部10は、音声処理部9から供給された6chのデジタル音声データをDAC11に出力する。DAC11は、スイッチ部10から供給された6chのデジタル音声データを6chのアナログ音声データ(アナログ左音声データ、アナログ右音声データ、アナログ中央音声データ、アナログ低域音声データ、アナログサラウンド左音声データ、アナログサラウンド右音声データ)に変換し、ボリューム調整部4に出力する。例えば、アナログ左音声データがボリューム調整部4Lに、アナログ右音声データがボリューム調整部4Rに、アナログ低域音声データがボリューム調整部4SWに出力される。
【0049】
ボリューム調整部4Lは、アナログ左音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Lに供給する。増幅処理部5Lは、供給されたアナログ左音声データを増幅処理して、左スピーカー端子を介して、外部に接続されている左スピーカーSLに出力する。ボリューム調整部4Rは、アナログ右音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5Rに供給する。増幅処理部5Rは、供給されたアナログ右音声データを増幅処理して、右スピーカー端子を介して、外部に接続されている右スピーカーSRに出力する。ボリューム調整部4SWは、アナログ低域音声データの音量レベルを調整し、増幅処理部5SWに供給する。増幅処理部5SWは、供給されたアナログ低域音声データを増幅処理して、内蔵されている低域スピーカーSSWに出力する。なお、中央スピーカーSC、サラウンド左スピーカーSSL、サラウンド左スピーカーSSRからも同様に音声が再生される。この結果、左スピーカーSL及び右スピーカーSRから再生される音声の音質が劣化するものの、低域スピーカーSSWからも音声を再生することができる。
【0050】
次に、ダイレクトモードの設定画面の表示処理などについて説明する。
[ユーザ操作によって設定画面の表示指示が入力される際の処理]
図5は、制御部1の処理を示すフローチャートである。制御部1は、ユーザ操作によって各種設定を実行するための設定画面を表示部14に表示する指示が入力されたか否かを監視している(S11)。設定画面の表示指示が入力された場合(S11でYES)、制御部1は、低域スピーカーSSWの使用有無設定が「YES(使用有)」に設定されているか否かをメモリ13に保存されている設定内容を参照して判断する(S12)。
【0051】
低域スピーカーSSWの使用有無設定が「NO(使用無)」に設定されていると判断された場合(S12でNO)、制御部1は、図3に示すように、ダイレクトモードの設定画面を表示部14に表示させる(S13)。従って、ユーザは、ダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定することができる。ユーザ操作によって、ダイレクトモードがオン状態に設定する指示が入力されると、制御部1は、ダイレクトモードをオン状態に設定することにより、上記で説明した通り、ダイレクトモードがオン状態で音声を再生する。一方、ユーザ操作によって、ダイレクトモードがオフ状態に設定する指示が入力されると、制御部1は、ダイレクトモードをオフ状態に設定することにより、上記で説明した通り、ダイレクトモードがオフ状態で音声を再生する(S14)。
【0052】
一方、低域スピーカーSSWの使用有無設定が「YES(使用有)」に設定されていると判断された場合(S12でYES)、制御部1は、図3に示すようなダイレクトモードの設定画面を表示部14に表示させない、もしくは、グレイアウトすることによって、ダイレクトモードのオン状態への設定を禁止する。すなわち、ユーザが低域スピーカーを使用する意思がある場合には、ユーザ操作によって、ダイレクトモードがオフ状態からオン状態に変更することができないようになる。その結果、低域スピーカーSSWから音声再生を所望する場合に、誤ってダイレクトモードがオン状態に設定されたために、低域スピーカーSSWから音声が再生されないことを防止することができる。
【0053】
[低域スピーカーSSWの使用有無設定が変更された場合の処理]
図6は、制御部1の処理を示すフローチャートである。制御部1は、ダイレクトモードがオン状態に設定されているか否かをメモリ13に保存されている設定内容を参照して判断する(S21)。ダイレクトモードがオフ状態に設定されている場合(S21でNO)、処理を終了する。
【0054】
一方、ダイレクトモードがオン状態に設定されている場合(S21でYES)、制御部1は、ユーザ操作によって、低域スピーカーSSWの使用有無設定が「NO」から「YES」に変更されたか否かを判断する(S22)。低域スピーカーSSWの使用有無設定が「NO」から「YES」に変更されない場合(S22でNO)、処理を終了する。低域スピーカーSSWの使用有無設定が「NO」から「YES」に変更された場合(S22でYES)、制御部1は、ダイレクトモードをオン状態からオフ状態に自動的に設定を変更する(S23)。ダイレクトモードがオン状態の時に、ユーザが低域スピーカーSSWからの音声の再生を希望し、低域スピーカーSSWの使用有無設定を「YES」に設定しても、ダイレクトモードがオン状態であるために、低域スピーカーSSWから音声が再生されない。また、ユーザがダイレクトモードの設定に気付いて、ダイレクトモードの設定をオン状態からオフ状態に変更する必要がある。しかし、本例によると、ダイレクトモードがオン状態のときに、低域スピーカーSSWの使用有無設定が「YES」に変更されると、自動的にダイレクトモードがオン状態からオフ状態に変更されるので、低域スピーカーSSWから音声が再生されないという問題を防止できる。さらにユーザ操作によって、ダイレクトモードをオフ状態に変更する必要がない。
【0055】
以上のように、低域スピーカーSSWが内蔵されているAVアンプ100において、ユーザが低域スピーカーSSWからの音声再生を希望するにも関わらず、ダイレクトモードがオン状態に設定されているために、低域スピーカーSSWから音声が再生されないという問題を防止できる。なお、低域スピーカーSSWが内蔵されておらず、AVアンプ100に外部接続される場合も同様であるが、低域スピーカー内蔵アンプにおいては効果が顕著である。
【0056】
[別の実施形態]
上記の実施形態では、低域スピーカーSSWの使用有無設定が「YES」のときにダイレクトモードの設定画面が表示されないようにしたが、本例では、AVアンプ100が中央スピーカーSCの使用有無設定が可能であり、中央スピーカーSCの使用有無設定が「YES」のときにダイレクトモードの設定画面が表示されず、中央スピーカーSCの使用有無設定が「NO」のときにダイレクトモードの設定画面が表示されるようにする。なお、制御部1の処理や設定画面は、上記実施形態において、低域スピーカーSSWを中央スピーカーSCに置き換えたものになるので、説明を割愛する。本例は、例えば、AVアンプ及び左スピーカーSL、右スピーカーSR、中央スピーカーSCを備えるTVラック等に好適に適用することができる。また、同様に、サラウンド左スピーカーSSL及び/又はサラウンド左スピーカーSSRの使用有無設定が「YES」のときにダイレクトモードの設定画面が表示されないようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、ダイレクトモードをオフ状態からオン状態に設定することを禁止する方法として、AVアンプ100の筐体又はリモコンにダイレクトモードのオン状態/オフ状態を切り換えるボタンが設けられる場合には、当該ボタンが押されてもダイレクトモードをオン状態に切り換えないようにし、その旨を表示部に告知してもよい。ダイレクトモードがオフ状態のときに、音声処理部9が6chではなく、3chのデジタル音声データ(左音声データ、右音声データ、低域音声データ)又は7ch以上の音声データを生成してもよい。また、そのデジタル音声データは、I2S形式に限定されない。また、表示部14は、ダイレクトモード設定画面やスピーカー設定画面をディスプレイ装置200にOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示するOSD出力部であってもよい。また、入力される音声データは、DVDプレーヤからの音声データに限定されず、その他のソース機器からの音声データやTV信号に含まれる音声データでもよい。また、本発明は、AVアンプだけではなく、ディスプレイ装置やゲーム機などにも適用可能である。また、AVアンプ100の上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。また、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムを、AVアンプにファームウェアアップデートという形態で提供されてもよい。さらには、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムが格納された制御部などの電子部品という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、AVアンプ等のオーディオ機器に好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】AVアンプ100と、スピーカーとの配置を説明する図である。
【図2】AVアンプ100の構成を示すブロック図である。
【図3】ダイレクトモード設定画面を示す図である。
【図4】低域スピーカーの使用有無設定画面を示す図である。
【図5】制御部1の処理を示すフローチャートである。
【図6】制御部1の処理を示すフローチャートである
【符号の説明】
【0060】
100 AVアンプ
1 制御部
2 スイッチ部
3 スイッチ部
4 ボリューム調整部
5 増幅処理部
6 ADC
7 スイッチ部
8 DSP
9 音声処理部
10 スイッチ部
11 DAC
12 DIR
13 メモリ
14 表示部
15 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チャンネル音声データが入力される入力手段と、
ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するモード設定手段と、
前記第1チャンネル音声データから、前記第1チャンネル音声データ及び第2チャンネル音声データを生成する音声処理手段と、
ダイレクトモードがオン状態に設定されている場合に、前記音声処理手段による前記生成処理が実行されず、前記第1チャンネル音声データを第1チャンネルスピーカーに出力し、ダイレクトモードがオフ状態に設定されている場合、前記音声処理手段による前記生成処理が実行され、前記第1チャンネル音声データを前記第1チャンネルスピーカーに出力し、前記第2チャンネル音声データを前記第2チャンネルスピーカーに出力する出力手段と、
ユーザ操作に応じて前記第2スピーカーの使用有無を設定するスピーカー設定手段と、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されているか否かを判断する判断手段と、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されていると判断された場合、前記ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを禁止し、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無に設定されていると判断された場合、前記ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを許可する設定制御手段とを備える、音声処理装置。
【請求項2】
ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するためのダイレクトモード設定画面を表示する表示手段をさらに備え、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されていると判断された場合、前記設定制御手段が、前記ダイレクトモード設定画面を前記表示手段に表示させず、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無に設定されていると判断された場合、前記設定制御手段が、前記ダイレクトモード設定画面を前記表示手段に表示させる、請求項1に記載の音声処理装置。
【請求項3】
前記判断手段が、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたか否かをさらに判断し、
ダイレクトモードがオン状態に設定されている際に、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたと判断された場合、前記設定制御手段が、ダイレクトモードをオン状態からオフ状態に設定変更させる、請求項1または2に記載の音声処理装置。
【請求項4】
前記第1チャンネル音声データが左音声データ及び右音声データであり、
前記第1チャンネルスピーカーが左スピーカー及び右スピーカーであり、
前記第2チャンネル音声データが低域音声データ又は中央音声データを含み、
前記第2チャンネルスピーカーが低域スピーカー又は中央スピーカーを含み、
前記低域スピーカー又は前記中央スピーカーを前記音声処理装置の内部に備える、請求項1〜3のいずれかに記載の音声処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の音声処理装置の動作プログラムであって、
ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するモード設定ステップと、
ユーザ操作に応じて前記第2スピーカーの使用有無を設定するスピーカー設定ステップと、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されているか否かを判断する判断ステップと、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用有に設定されていると判断された場合、前記ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを禁止する禁止ステップと、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無に設定されていると判断された場合、前記ユーザ操作に応じてダイレクトモードがオフ状態からオン状態に設定されることを許可する許可ステップとをコンピュータに実行させる、音声処理プログラム。
【請求項6】
第1チャンネル音声データが入力される入力手段と、
ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するモード設定手段と、
前記第1チャンネル音声データから、前記第1チャンネル音声データ及び第2チャンネル音声データを生成する音声処理手段と、
ダイレクトモードがオン状態に設定されている場合に、前記音声処理手段による前記生成処理が実行されず、前記第1チャンネル音声データを第1チャンネルスピーカーに出力し、ダイレクトモードがオフ状態に設定されている場合、前記音声処理手段による前記生成処理が実行され、前記第1チャンネル音声データを前記第1チャンネルスピーカーに出力し、前記第2チャンネル音声データを前記第2チャンネルスピーカーに出力する出力手段と、
ユーザ操作に応じて前記第2スピーカーの使用有無を設定するスピーカー設定手段と、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたか否かを判断する判断手段と、
ダイレクトモードがオン状態に設定されている際に、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたと判断された場合、ダイレクトモードをオン状態からオフ状態に設定変更させる設定制御手段とを備える、音声処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の音声処理装置の動作プログラムであって、
ユーザ操作に応じてダイレクトモードをオン状態又はオフ状態に設定するモード設定ステップと、
ユーザ操作に応じて前記第2スピーカーの使用有無を設定するスピーカー設定ステップと、
前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたか否かを判断する判断ステップと、
ダイレクトモードがオン状態に設定されている際に、前記第2スピーカーの使用有無設定が使用無から使用有に変更されたと判断された場合、ダイレクトモードをオン状態からオフ状態に設定変更させるステップとをコンピュータに実行させる、音声処理装置プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−253923(P2009−253923A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102952(P2008−102952)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】