説明

音声案内応答方法

【課題】各利用者に応じ音声案内及び音声応答を適切に行うことができる音声案内応答方法を提供する。
【解決手段】車両利用者の個人認証を行い、利用者ごとの各種機器7における各利用者音声による操作回数と各音声案内の中断回数に応じた音声案内及び音声応答を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声案内応答方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、自動車の現在位置と目的地を車内のディスプレイに表示する車載航法装置であるカーナビゲーションシステムや、音楽再生やビデオ再生等が可能なAV機器等の各種機器が搭載される場合がある。そして、これら各種機器には、各種機器の操作方法について音声による音声案内を行うことで、利用者による各種機器の操作を容易にする音声案内装置を備えるものが知られている。
【0003】
しかし、従来の音声案内装置は、各種機器の操作方法に慣れた利用者の場合であっても各種の操作に際して度々音声案内を行うため、音声案内が煩わしくなるという問題があった。このため、音声案内装置による音声案内の出力途中に中断操作を受けた場合には、音声案内の出力を中断して中断回数を加算し、加算された中断回数と判断用の所定の閾値とを比較し、中断回数が判断用の所定の閾値を超えた場合に音声案内を出力しないように音声案内の出力設定を変更する方法が知られている(下記特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特願2007−241122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、各種機器の利用者が複数又は不特定の場合、単に中断回数のみを計測するだけでは、操作方法に慣れていない利用者が使用する際にも音声案内が行われない設定となってしまう場合があるという問題がある。
【0006】
また、利用者によっては、しばらく利用していない各種機器の操作について、操作方法を忘れてしまうこともあるため、単に中断回数のみを計測するだけでは、しばらく利用していない各種機器の操作方法を忘れた利用者が使用する際にも音声案内が行われない設定となってしまう場合があるという問題がある。
【0007】
また、利用者によっては操作方法に慣れていたとしても、音声案内を最後まで聞く、つまり、操作方法に慣れていたとしても、音声案内を中断しない利用者もいるため、単に中断回数のみを計測するだけでは、操作方法に慣れていたとしても音声案内を最後まで聞く利用者が使用する際にも音声案内が行われる設定となってしまう場合があるという問題がある。
【0008】
以上のことから、本発明は、各利用者に応じ音声案内を適切に行うことができる音声案内応答方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する第1の発明に係る音声案内方法は、車両利用者の個人認証を行い、利用者ごとの各種機器における各利用者音声による操作回数と各音声案内の中断回数に応じた音声案内及び音声応答を行うことを特徴とする。
【0010】
これにより、利用者が複数又は不特定の場合であっても、各利用者のデータに基づき音声案内及び音声応答の設定を行う設定又は行わない設定、もしくは、音声案内及び音声応答の内容が簡略な内容の設定(以下、省略モード)又は音声案内及び音声応答の内容が詳細な内容の設定(以下、詳細モード)とを自動的に適宜変更することができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内及び音声応答を行うことができる。
【0011】
上記の課題を解決する第2の発明に係る音声案内応答方法は、第1の発明に係る音声案内応答方法において、さらに、各種機器における各利用者の音声による操作の最近の使用頻度に応じた音声案内及び音声応答を行うことを特徴とする。
【0012】
これにより、しばらく利用していない各種機器の操作方法を忘れた利用者が使用する際に、音声案内及び音声応答が行われなくなることを防ぐことができる。したがって、しばらく利用していない各種機器の操作方法については音声案内及び音声応答が行われるため、しばらく利用していない各種機器を操作する場合であっても、気楽に操作することができる。
【0013】
上記の課題を解決する第3の発明に係る音声案内応答方法は、第1の発明又は第2の発明に係る音声案内応答方法において、さらに、各種機器における各音声案内及び音声応答による操作の音声利用回数と、該利用回数から音声案内の不成立を正しく認識できなかった回数を除いた回数との比である成功率に応じた音声案内及び音声応答を行うことを特徴とする。
【0014】
これにより、利用者によっては操作方法に慣れていたとしても、音声案内を最後まで聞く、つまり、操作方法に慣れていたとしても、音声案内を中断しない利用者の場合であっても、適切な音声案内及び音声応答を行うことができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内及び音声応答を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各利用者に応じ音声案内及び音声応答を適切に行うことができる音声案内応答方法を実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る音声案内応答方法の実施形態について、図を参照しながら説明する。ここで、図1は本発明に係る音声案内応答方法が適用される音声案内応答装置の装置構成の模式図、図2は本発明に係る音声案内応答方法における処理の手順を示したフローチャートである。
【0017】
はじめに、本発明に係る音声案内応答方法の概要について説明する。
従来、各種機器の利用者が複数又は不特定の場合、単に中断回数のみを計測するだけでは、操作方法に慣れていない利用者が使用する際にも音声案内及び音声応答が行われないとなってしまう場合があるという問題があった。
【0018】
これに対し、本発明に係る音声案内応答方法においては、声紋、指紋、静脈又は顔認識等の個人認証技術を利用して各利用者の個人認証を行い、各利用者ごとに各種機器における各操作の使用回数や音声案内の中断回数等を演算し、各種機器における各操作の使用回数や音声案内の中断回数等の各利用者のデータを記憶する。
【0019】
これにより、本発明に係る音声案内応答方法によれば、利用者が複数又は不特定の場合であっても、各利用者のデータに基づき音声案内及び音声応答の設定を行う設定又は行わない設定、もしくは、音声案内及び音声応答の内容が簡略な内容の設定(以下、省略モード)又は音声案内及び音声応答の内容が詳細な内容の設定(以下、詳細モード)とを自動的に適宜変更することができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内を行うことができる。
【0020】
ここで、例としてカーナビゲーションシステムにおける省略モード及び詳細モードの内容の一例を説明する。
例えば、カーナビゲーションシステムの操作に慣れていない利用者がルート削除を行う場合には、音声案内及び音声応答の内容は以下のような詳細モードに設定する。
【0021】
詳細モードの例:
ナビ音声:「行き先を探す、地図操作、ルート操作・・・の中からお選び頂き、ピッとなったらお話しください。」
ユーザ発話:「ルート操作」
ナビ音声:「ルート操作ができます。」「ルート変える、ルート消去、ルートプロフィールの中からのコマンドをどうぞ。」
ユーザ発話:「ルート消去」
ナビ音声:「現在のルートを消去しました。」
【0022】
また、利用者が複数回同じ操作を繰り返すことによってカーナビゲーションの操作に十分慣れた場合、音声案内及び音声応答の内容は詳細モードから以下のような省略モード1又は省略モード2へ変更される。なお、カーナビゲーションの操作の慣れの度合に応じて、例えば、以下のような省略モード1から省略モード2の順に入れ替わる。
【0023】
省略モード1の例:
ナビ音声:「ピッとなったらお話しください。」
ユーザ発話:「ルート操作」
ナビ音声:「ルート操作のコマンドをどうぞ。」
ユーザ発話:「ルート消去」
ナビ音声:「現在のルートを消去しました。」
【0024】
省略モード2の例:
ナビ音声:「ピッ」
ユーザ発話:「ルート操作」
ナビ音声:「ピッピ」
ユーザ発話:「ルート消去」
ナビ音声:「現在のルートを消去しました。」
以上がカーナビゲーションシステムにおける省略モード及び詳細モードの内容の一例である。
【0025】
また、従来、利用者によっては、しばらく利用していない各種機器の操作について、操作方法を忘れてしまうこともあるため、単に中断回数のみを計測するだけでは、しばらく利用していない各種機器の各操作方法を忘れた利用者が使用する際にも音声案内及び音声応答が行われない設定となってしまう場合があるという問題があった。
【0026】
これに対し、本発明に係る音声案内応答方法においては、各種機器における各操作の使用回数や音声案内の中断回数のみでなく、各種機器における各操作の最近の使用頻度も考慮し、しばらく使用していなかった操作に際しては音声案内及び音声応答を行わない又は省略モード設定となっていても音声案内及び音声応答を行う又は詳細モード設定に変更するようにする。
【0027】
これにより、本発明に係る音声案内応答方法によれば、しばらく利用していない各種機器の操作方法を忘れた利用者が使用する際に、音声案内及び音声応答が行われなくなることを防ぐことができる。したがって、しばらく利用していない各種機器の操作方法については音声案内及び音声応答が行われるため、しばらく利用していない各種機器を操作する場合であっても、気楽に操作することができる。
【0028】
また、従来、利用者によっては操作方法に慣れていたとしても、音声案内を最後まで聞く、つまり、操作方法に慣れていたとしても、音声案内を中断しない利用者もいるため、単に中断回数のみを計測するだけでは、操作方法に慣れていたとしても音声案内を最後まで聞く利用者が使用する際にも音声案内及び音声応答が行われる設定となってしまう場合があるという問題があった。
【0029】
これは、音声操作を利用する利用者を想定した場合、音声案内を中断して正しいコマンドで発話する利用者と、正しいコマンドで発話するものの音声案内を中断しないで最後まで音声案内を聞く利用者とが存在するためである。
【0030】
そして、従来、音声案内の中断回数のみで音声案内及び音声応答の必要性を判断した場合、音声案内を中断して正しいコマンドで発話する利用者については音声案内及び音声応答が行われなくなるように設定が変更されるが、正しいコマンドで発話するものの音声案内を中断しないで最後まで音声案内を聞く利用者については音声案内及び音声応答が行われ続けるという問題があった。
【0031】
これに対し、本発明に係る音声案内応答方法においては、音声案内の中断回数のみで音声案内及び音声応答を行うか否か判断するのではなく、各利用者の各種機器における音声による音声操作の利用回数と、利用回数から声の大小、発話速度及び周囲のノイズ等の原因による音声案内の不成立を正しく認識できなかった回数を除いた回数との比である成功率、つまり、利用者による各種機器における各操作の音声操作が成功した割合である成功率を用いる。
【0032】
なお、音声案内の不成立には、音声認識エンジンの性能による音声案内の不成立と、利用者の音声を正しく認識できなかった場合の利用者が誤ったキーワードで発話したことによる音声案内の不成立の両方を含むものとする。そして、音声案内の中断回数と正しいコマンドで発話した成功率とを用いて音声案内及び音声応答を行うか否か、又は、詳細モードとするか省略モードとするかの判断を行うこととする。
【0033】
ここで、本発明に係る音声案内応答方法における音声案内の中断回数と正しいコマンドで発話した成功率とを用いて音声案内及び音声応答を行うか否かを判断する判断方法について説明する。
従来、音声認識装置を備えたカーナビゲーションシステム等においては、声の大小、発話スピード及び周囲のノイズ等の原因によって音声認識装置の性能により音声認識が不能であるということを判断することができるようになっている。
【0034】
このため、本発明に係る音声案内応答方法によれば、音声案内装置が有する語彙内で発話した回数を、利用回数から音声案内装置の性能により認識できなかった回数を引いた回数で割ることにより成功率を演算することができる。そして、所定の閾値よりも成功率が高いか、又は、所定の閾値よりも音声案内の中断回数が多い場合に、音声案内及び音声応答を行わない又は省略モード設定に変更するようにする。
【0035】
これにより、利用者によっては操作方法に慣れていたとしても、音声案内を最後まで聞く、つまり、操作方法に慣れていたとしても、音声案内を中断しない利用者の場合であっても、適切な音声案内及び音声応答を行うことができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内及び音声応答を行うことができる。
【0036】
次に、本発明に係る音声案内応答方法が適用される音声案内応答装置の装置構成について説明する。
図1に示すように、本発明に係る音声案内応答装置1は、各種の演算処理や判断を行う演算処理部2、各種情報を記憶する記憶部3、利用者の音声を入力する入力部4、音声案内及び音声応答を出力する出力部5とを備えている。
【0037】
また、音声案内応答装置1には、声紋、指紋、静脈又は顔認識等により利用者の個人認証を行う個人認証装置6が接続されている。なお、声紋により利用者の個人認証を行う場合には、音声案内応答装置1において入力部4により利用者の音声を取得し、演算処理部2において声紋を判断する処理を行うようにすることも可能である。
【0038】
このため、本発明に係る音声案内応答装置においては、声紋、指紋、静脈又は顔認識等により利用者の個人認証を行うものや、音声案内応答装置1において入力部4により利用者の音声を取得し、演算処理部2において声紋を判断する処理を行うものを総じて個人認証手段とする。
【0039】
また、音声案内応答装置1には、カーナビゲーションシステムやAV機器等の各種機器7が接続されている。なお、本実施形態においては、音声案内応答装置1は各種機器7と別に設けられる構成として説明するが、音声案内応答装置1は各種機器7が備える演算処理部2、記憶部3、入力部4及び出力部5を用い各種機器7に組み込む構成とすることも可能である。
【0040】
さらに、本実施形態においては、自動車に搭載されるカーナビゲーションシステムやAV機器等を各種機器7として想定しているが、自動車に搭載されるカーナビゲーションシステムやAV機器等以外にも、例えば、家庭用のAV機器等やオフィス用のOA機器等に適用することも可能である。
【0041】
次に、本発明に係る音声案内応答方法における処理の手順について説明する。
図2に示すように、ステップS1において、演算処理部2は、個人認証装置6により個人認証を行う。演算処理部2は、ステップS1の実行後、ステップS2を実行する。
【0042】
ステップS2において、演算処理部2は、記憶部3に記憶された各利用者のデータである成功率、中断回数、成功率と中断回数に対する各閾値、及び、各操作の最近の使用頻度を読み込む。演算処理部2は、ステップS2の実行後、ステップS3を実行する。
【0043】
ステップS3において、演算処理部2は、記憶部3に記憶された音声案内出力設定情報を読み込む。なお、本実施形態においては、音声案内出力設定情報とは、例えば、各操作において詳細な音声案内及び音声応答を行う設定である詳細モードと、各操作において詳細な音声案内及び音声応答を省略する設定である省略モードとを設定する。演算処理部2は、ステップS3の実行後、ステップS4を実行する。
【0044】
ステップS4において、演算処理部2は、音声案内出力設定情報が詳細モード設定であるかかどうか判断する。演算処理部2は、音声案内出力設定情報が詳細モード設定である場合、ステップS5を実行する。また、音声案内出力設定情報が詳細モード設定でない場合、ステップS10を実行する。
【0045】
ステップS4において、演算処理部2は、音声案内出力設定情報が詳細モード設定である場合、ステップS5において、演算処理部2は、成功率、中断回数、及び、各操作の最近の使用頻度を演算する。演算処理部2は、ステップS5の実行後、ステップS6を実行する。
【0046】
ステップS6において、演算処理部2は、成功率が所定の閾値より高いか、又は、中断回数が所定の閾値より多いかを判断する。演算処理部2は、成功率が所定の閾値より高いか、又は、中断回数が所定の閾値より多い場合、ステップS7を実行する。また、演算処理部2は、成功率が所定の閾値より高くないか、又は、中断回数が所定の閾値より多くない場合、ステップS9を実行する。
【0047】
ステップS7において、演算処理部2は、最近よく使用する操作であるかどうか判断する。演算処理部2は、最近よく使用する操作である場合、ステップS8を実行する。また、演算処理部2は、最近よく使用する操作でない場合、ステップS9を実行する。
【0048】
ステップS8において、演算処理部2は、音声案内出力設定情報を省略モードに変更し、中断回数を0に変更する。演算処理部2は、ステップS8の実行後、ステップS13を実行する。
ステップS9において、演算処理部2は、音声案内出力設定情報の変更を行わない。演算処理部2は、ステップS9の実行後、ステップS14を実行する。
【0049】
また、ステップS4において、演算処理部2は、音声案内出力設定情報が詳細モード設定でない場合、ステップS10において、演算処理部2は、各操作の最近の使用頻度を演算する。演算処理部2は、ステップS10の実行後、ステップS11を実行する。
【0050】
ステップS11において、演算処理部2は、最近よく使用する操作であるかどうか判断する。演算処理部2は、最近よく使用する操作である場合、ステップS13を実行する。また、演算処理部2は、最近よく使用する操作でない場合、ステップS12を実行する。
【0051】
ステップS12において、演算処理部2は、音声案内出力設定情報の変更を行わない。演算処理部2は、ステップS12の実行後、ステップS14を実行する。
ステップS13において、演算処理部2は、音声案内出力設定情報を詳細モードに変更する。演算処理部2は、ステップS13の実行後、ステップS14を実行する。
【0052】
そして、ステップS14において、演算処理部2は、出力部5により音声案内出力設定情報に応じた音声を出力し音声案内及び音声応答を行う。演算処理部2は、ステップS14の実行後、ステップS15を実行する。
【0053】
ステップS15において、演算処理部2は、入力部4により利用者の音声を取得し音声認識を行う。なお、本実施形態においては、演算処理部2は、利用者の音声を取得することによりコマンドを取得しているが、利用者による各種機器7に設けられたボタンやタッチパネル等の入力装置の操作からコマンドを取得するようにすることも可能である。ステップS15の実行後、ステップS16を実行する。
【0054】
ステップS16において、演算処理部2は、各種機器7の操作における最後の階層に当たる操作であるかどうかを判断する。演算処理部2は、各種機器7の操作における最後の階層に当たる操作である場合、ステップS17を実行する。また、演算処理部2は、各種機器7の操作における最後の階層に当たる操作でない場合、ステップS4を再度実行する。
【0055】
ステップS17において、演算処理部2は、各種機器7の操作を実行する。演算処理部2は、ステップS17の実行後、本発明に係る音声案内方法における一連の処理を終了する。
【0056】
以上のように、本発明に係る音声案内応答方法によれば、車両利用者の個人認証を行い、利用者ごとの各種機器7における各利用者音声による操作回数と各音声案内の中断回数に応じた音声案内及び音声応答を行うことにより、利用者が複数又は不特定の場合であっても、各利用者のデータに基づき音声案内及び音声応答の設定を行う設定又は行わない設定、もしくは、音声案内及び音声応答の内容が簡略な内容の設定(省略モード)又は音声案内及び音声応答の内容が詳細な内容の設定(詳細モード)とを自動的に適宜変更することができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内及び音声応答を行うことができる。
【0057】
また、本発明に係る音声案内応答方法によれば、さらに、各種機器7における各利用者の音声による操作の最近の使用頻度に応じた音声案内及び音声応答を行うことにより、しばらく利用していない各種機器7の操作方法を忘れた利用者が使用する際に、音声案内及び音声応答が行われなくなることを防ぐことができる。したがって、しばらく利用していない各種機器7の操作方法については音声案内及び音声応答が行われるため、しばらく利用していない各種機器7を操作する場合であっても、気楽に操作することができる。
【0058】
また、本発明に係る音声案内応答方法によれば、さらに、各種機器7における各音声案内及び音声応答による操作の音声利用回数と、該利用回数から音声案内の不成立を正しく認識できなかった回数を除いた回数との比である成功率に応じた音声案内及び音声応答を行うことにより、利用者によっては操作方法に慣れていたとしても、音声案内を最後まで聞く、つまり、操作方法に慣れていたとしても、音声案内を中断しない利用者の場合であっても、適切な音声案内及び音声応答を行うことができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内及び音声応答を行うことができる。
【0059】
また、本発明に係る音声案内応答装置によれば、各種の演算処理や判断を行う演算処理部2と、各種情報を記憶する記憶部3と、音声案内及び音声応答を出力する出力部4と、各利用者の個人認証を個人認証手段とを備え、演算処理部2は、個人認証手段により各利用者の個人認証を行い、各利用者ごとに各種機器7における各操作の使用回数や音声案内の中断回数を演算し、各種機器7における各操作の使用回数や音声案内の中断回数を記憶部3に記憶することにより、利用者が複数又は不特定の場合であっても、各利用者のデータに基づき音声案内及び音声応答の設定を行う設定又は行わない設定、もしくは、音声案内及び音声応答の内容が簡略な内容の設定(省略モード)又は音声案内及び音声応答の内容が詳細な内容の設定(詳細モード)とを自動的に適宜変更することができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内及び音声応答を行うことができる。
【0060】
また、本発明に係る音声案内応答装置によれば、前記演算処理部2は、さらに、各種機器7における各操作の最近の使用頻度を演算し、各種機器7における各操作の最近の使用頻度を記憶部3に記憶することにより、しばらく利用していない各種機器7の操作方法を忘れた利用者が使用する際に、音声案内及び音声応答が行われなくなることを防ぐことができる。したがって、しばらく利用していない各種機器7の操作方法については音声案内及び音声応答が行われるため、しばらく利用していない各種機器7を操作する場合であっても、気楽に操作することができる。
【0061】
また、本発明に係る音声案内応答装置によれば、さらに、利用者の音声を入力する入力部4を備え、演算処理部2は、さらに、各利用者の各種機器7における各操作の音声による音声操作の利用回数と、この利用回数から音声を正しく認識できなかった回数を除いた回数との比である成功率を演算し、各種機器7における各操作の成功率を記憶部3に記憶することにより、利用者によっては操作方法に慣れていたとしても、音声案内を最後まで聞く、つまり、操作方法に慣れていたとしても、音声案内を中断しない利用者の場合であっても、適切な音声案内及び音声応答を行うことができる。したがって、各利用者の個人差を考慮し、煩わしくない音声案内及び音声応答を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、例えば、自動車に搭載される各種機器の操作に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る音声案内応答方法が適用される音声案内応答装置の装置構成の模式図である。
【図2】本発明に係る音声案内応答方法における処理の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 音声案内応答装置
2 演算処理部
3 記憶部
4 入力部
5 出力部
6 個人認証装置
7 各種機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両利用者の個人認証を行い、利用者ごとの各種機器における各利用者音声による操作回数と各音声案内の中断回数に応じた音声案内及び音声応答を行う
ことを特徴とする音声案内応答方法。
【請求項2】
さらに、各種機器における各利用者の音声による操作の最近の使用頻度に応じた音声案内及び音声応答を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の音声案内応答方法。
【請求項3】
さらに、各種機器における各音声案内及び音声応答による操作の音声利用回数と、該利用回数から音声案内の不成立を正しく認識できなかった回数を除いた回数との比である成功率に応じた音声案内及び音声応答を行う
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音声案内応答方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−107614(P2010−107614A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277734(P2008−277734)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】