説明

音声表示機能を備える携帯型メモリおよびその音声表示方法

【課題】音声表示機能を備える携帯型メモリを提供する。
【解決手段】携帯型メモリのメモリブロック1にROM11、隠しセクタ12およびリライタブルセクタ13などのブロックが設け、ROM11にはメモリブロック内の他のプログラムを呼び出すことができる自動再生プログラム111が内蔵され、隠しセクタ12は使用者の生年月日、時刻、保存するファイルのデータなどの特殊データ121を保存し、ホスト端末2のシステムデータと比較することができる。リライタブルセクタ13の特定カテゴリには音声データ132が保存され、リライタブルセクタ13の比較プログラム131を通じて音声データ132をホスト端末2または携帯型メモリに内蔵されたスピーカから再生させることにより、携帯型メモリに保存する際に保存データに関する音声表示や音楽再生などの動作を自動的に行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型メモリが自動再生プログラムを通じて比較プログラムを呼び出し、比較プログラムが特殊データとホスト端末のシステムデータとの比較を行い、さらに、対応後の音声データをホスト端末または携帯型メモリに内臓されたスピーカから再生する音声表示機能を備える携帯型メモリおよびその音声表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市場に出回っているメモリは、DRAM、SRAM、SDRAMおよびフラッシュメモリであり、パーソナルコンピュータに応用するものではフラッシュメモリ技術が急速に成長している。近年、業者はさらに大容量のフラッシュメモリを開発しており、フラッシュメモリはUSBメモリ、MP3プレーヤおよびマルチメディアプレーヤに広く応用されている。
【0003】
フラッシュメモリカードが広く使用されているマルチメディアプレーヤ、USBメモリまたはMP3プレーヤなどのデジタル製品は、データをホスト端末から上述のメモリに伝送後、これらのメモリの保存内容などについて格別の表示がなされないので、使用者は携帯型メモリの使用状態を知ることができなかった。
【0004】
これに対して、改良後のマルチメディアプレーヤ、USBメモリまたはMP3プレーヤなどのデジタル製品においては、データがホスト端末から上述の携帯型メモリに伝送されたとき、携帯型メモリに設置されたLEDモニタに伝送データの日時、時間、ファイルの大きさまたは残容量などを表示することができる。しかしながら、これらの従来技術においても使用者は意識的にホスト端末と携帯型メモリの伝送状況に注意を払う必要があり、不便であった。
【0005】
上述の従来技術の欠点は本業界の解決すべき課題であり、関連業者による更なる改良が必要であった。
【特許文献1】特開2006−216011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、携帯型メモリが自動的に比較プログラムを利用して特殊データとホスト端末のシステムデータとの比較を行い、さらに、対応後の音声データをホストまたは携帯型メモリに内臓されたスピーカから再生することによって使用者が意識的にホスト端末と携帯型メモリの伝送状況に注意を払うことなく、これらの状態を知ることができるようにしたもので、携帯型メモリにおいても従来の表示に必要としたLEDモニタに掛かるコストを節約できる携帯型メモリを提供することを目的とする。
本発明は、さらに比較プログラムによって予め設置された特殊データ(例えば使用者の誕生日)とシステムデータ(システム日時)との比較を行い、さらに音声データ(誕生日の歌)などを再生し、マルチメディアデータ保存特性を備える携帯型メモリの娯楽性を高めることができる携帯型メモリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、請求項1の発明は、予め設けられたホスト端末と接続され、音声データをホスト端末に設けられたスピーカまたは携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて再生し、携帯型メモリのメモリブロックにはROM、隠しセクタおよびリライタブルセクタなどのブロックが設けられ、ROMは、記憶機能を備える集積回路であり、ROMには自動再生プログラムが内臓され、メモリブロック内のもう一つのプログラムを呼び出し、隠しセクタは、特殊データが保存されるセクタであり、特殊データはホスト端末のシステムデータと比較され、リライタブルセクタは、書き換え可能な特性を備え、リライタブルセクタの特定カテゴリは音声データの保存または消去を行い、また、リライタブルセクタには比較プログラムが設けられ、比較プログラムは特殊データとホスト端末のシステムデータとの比較を行うことを特徴とする音声表示機能を備える携帯型メモリである。
【0008】
請求項2の発明は、隠しセクタの特殊データは、日付、時間、ファイルデータまたはプログラム執行信号などであることを特徴とする請求項1記載の音声表示機能を備える携帯型メモリである。
【0009】
請求項3の発明は、ROMに内臓された自動再生プログラムまたはリライタブルセクタの比較プログラムは、ホスト端末のオペレーションシステム内に常駐することを特徴とする請求項1記載の音声表示機能を備える携帯型メモリである。
【0010】
請求項4の発明は、携帯型メモリとメインシステムに内臓されたプログラムとのコミュニケーションは、(a):携帯型メモリとホスト端末を接続し、(b):ホスト端末がROMの自動再生プログラムを呼び出し、自動再生プログラムをホスト端末のオペレーションシステムプログラム内に常駐させ、(c):自動再生プログラムがリライタブルセクタの比較プログラムを呼び出し、比較プログラムをホスト端末のオペレーションプログラム内に常駐させ、(d):使用者がホスト端末内のオペレーションシステムに内臓されたオペレーションシステムプログラムを執行し、執行が完了した後、システム信号をオペレーションシステム内に常駐する比較プログラムに伝送し、(e):比較プログラムがオペレーションシステムプログラムに伝送されたシステム信号と隠しセクタに保存された特殊データとの比較を行い、比較が一致しない場合、音声表示を終了し、(f):比較プログラムが対応後リライタブルセクタ内に保存された音声データを探し、ホスト端末または携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて音声を出力し、(g):音声表示を終了するステップで行われることを特徴とする音声表示機能を備える携帯型メモリの音声表示方法である。
【0011】
請求項5の発明は、携帯型メモリの特殊データとホスト端末のシステムデータとの比較は、(a):携帯型メモリとホスト端末とを接続し、(b):ホスト端末がROMの自動再生プログラムを呼び出し、自動再生プログラムをホスト端末のオペレーションシステムプログラム内に常駐させ、(c):自動再生プログラムがリライタブルセクタの比較プログラムを呼び出し、比較プログラムをホスト端末のオペレーションプログラム内に常駐させ、(d):比較プログラムがオペレーションシステムのシステムデータとメモリブロック内の隠しセクタの特殊データとの比較を行い、比較が一致しない場合、音声表示を終了し、
(e):比較プログラムが対応後リライタブルセクタ内に保存された音声データを探し、ホスト端末または携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて音声を出力し、(f):音声表示を終了するステップで行われることを特徴とする音声表示機能を備える携帯型メモリの音声表示方法である。
【発明の効果】
【0012】
1 本発明は携帯型メモリおよびホスト端末が能動的に使用者とコミュニケーションを行うので、使用者は特にホスト端末と携帯型メモリとの伝送または使用状況に注意を払う必要がない。また、携帯型メモリの製造者にとってはLEDモニタの製造コストを節約できる。
2 本発明は予め設定した特殊データ(例えば使用者の誕生日)とシステムデータ(例えばシステム日時)との比較を行うことができ、さらに音声データ(例えば誕生日歌)を再生し、マルチメディアデータ保存特性を備える携帯型メモリに娯楽性を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の目的、特徴および効果を示す実施例を図に沿って詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明を示すブロック図である。メモリブロック1内は、ROM11、隠しセクタ12およびリライタブルセクタ13の各ブロックから構成される。メモリブロック1は、USBメモリ、MP3プレーヤまたはマルチメディアプレーヤに内臓させるものであって、本実施例においてはUSBメモリのメモリブロックを例として、本発明の主要な特徴の詳細を下記に示す。
【0015】
ROM11は、記憶機能を備える集積回路であり、ROM11はデータの読み出しのみを行うことができ、さらにROM11は電源を切った後もデータが保存されるという特性を備える。ROM11には自動再生プログラム111が内蔵され、自動再生プログラム111はメモリブロック1内の特定のプログラムを起動する。隠しセクタ12は、例えば特別な日時(使用者の生年月日)、時間、ファイルの大きさまたは数字などの特殊データ121を隠しセクタとして保存するセクタである。
また、リライタブルセクタ13は書き換え可能なセクタであって、リライタブルセクタ13の特定カテゴリには特定の音楽データを保存でき、この特定カテゴリの音楽データは任意に削除、置換または交換ができる。また、リライタブルセクタ13は比較プログラム131を備え、比較プログラム131は自動再生プログラム111によって起動され、ホスト端末の例えば日付、時間、ファイルデータまたはプログラム執行信号システムデータなどのデータとの比較または結合を行う。
【0016】
上述のリライタブルセクタ13に保存される特定の音楽データは、音声、音色または音楽などのその他の音声データであり、使用者に対する表示の為の音声または娯楽性を備える効果音を保存する。音声データのファイル形式は、ADPCM、MIDI、MP3またはWAVEなどの公知・公用の形式を採用する。保存するファイル形式など格別の制約はなく、本発明に応用可能である。
【0017】
図1、2に、本発明の携帯型メモリの音声表示方法の音声表示とメインシステムに内蔵されたプログラムとのコミュニケーションのステップを示す。
(101):携帯型メモリとホスト端末2を接続し、ステップ(102)を執行する。
(102):ホスト端末2がメモリブロック1内のROM11区域の自動再生プログラム111を呼び出し、自動再生プログラム111をホスト端末2のオペレーションシステムプログラム211内に常駐させ、ステップ(103)を執行する。
(103):オペレーションシステム21に常駐する自動再生プログラム111がメモリブロック1内のリライタブルセクタ13の比較プログラム131を呼び出し、比較プログラム131をホスト端末2のオペレーションシステムプログラム211内に常駐させ、ステップ(104)を執行する。
(104):使用者がホスト端末2内のオペレーションシステム21に内臓されたオペレーションシステムプログラム211(例えばファイルマネージャ)を執行し、オペレーションシステムプログラム211の執行が完了した後、システム信号をオペレーションシステム21内に常駐する比較プログラム131に伝送し、ステップ(105)を執行する。
(105):比較プログラム131がオペレーションシステムプログラム211に伝送されたシステム信号とメモリブロック1内の隠しセクタ12に保存された特殊データ121との比較を行い、比較が一致する場合ステップ(106)を執行し、比較が一致しない場合、ステップ(107)を執行する。
(106):比較プログラム131が対応後リライタブルセクタ13内に保存された音声データ132を探し、音声出力22または携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて音声を再生し、ステップ(107)を執行する。
(107):音声表示が終了する。
【0018】
図1、3は、本発明の携帯型メモリの音声表示方法における特殊データ121とホスト端末2のシステムデータとの比較時のステップを示す。
(201):携帯型メモリとホスト端末2とを接続し、ステップ(202)を執行する。
(202):ホスト端末2がメモリブロック1内のROM11区域の自動再生プログラム111を呼び出し、自動再生プログラム111をホスト端末2のオペレーションシステムプログラム211内に常駐させ、ステップ(203)を執行する。
(203):オペレーションシステム21に常駐する自動再生プログラム111がメモリブロック1内のリライタブルセクタ13の比較プログラム131を呼び出し、比較プログラム131をホスト端末2のオペレーションプログラム211内に常駐させ、ステップ(204)を執行する。
(204):比較プログラム131がオペレーションシステム21のシステムデータとメモリブロック1内の隠しセクタ12に保存された特殊データ121との比較を行い、比較が一致する場合ステップ(205)を執行し、比較が一致しない場合、ステップ(206)を執行する。
(205):比較プログラム131が対応後リライタブルセクタ13内に保存された音声データ132を探し、音声出力22または携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて音声を再生し、ステップ(206)を執行する。
(206):音声表示が終了する。
【0019】
上述のホスト端末2は、パーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータまたはPDAなどのオペレーションシステムを備える作業プラットホームであり、前述の効果を達成できる形式はすべて本発明の範囲に含まれ、これらの簡易な修飾および同等効果の構造の変更はすべて本発明の範囲に含まれる。
【0020】
上述の説明から分かるように、本発明の音声表示機能を備える携帯型メモリおよびその音声表示方法は、携帯型メモリのメモリブロック1をROM11、隠しセクタ12およびリライタブルセクタ13に分け、リライタブルセクタ13の比較プログラム131がオペレーションシステムプログラム211が生成する信号と特殊データ121との比較を行い、対応後の音声データ132をホスト端末2または携帯型メモリに内臓されたスピーカから再生するものであり、本発明は下記の長所を備える。
【0021】
1 本発明は、携帯型メモリおよびホスト端末2が能動的に使用者とコミュニケーションを行うので、使用者は特にホスト端末2と携帯型メモリとの伝送または使用状況に注意を払う必要がない。また、携帯型メモリについて表示用のLEDモニタが必要ない。
【0022】
2 本発明は、予め設定した特殊データ121(例えば使用者の誕生日)とシステムデータ(例えばシステム日時)との比較を行うことができ、さらに音声データ(例えば誕生日歌)を再生し、マルチメディアデータ保存特性を備える携帯型メモリに娯楽性を持たせることができる。
【0023】
以上の説明は、本発明の実施例を示したものであり、本発明の特許請求の範囲を制限するものではなく、本発明の特許請求の範囲を運用した同等効果の変更および修飾は本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【0024】
以上の説明から分かるように、本発明の音声表示機能を備える携帯型メモリおよびその音声表示方法は、確実にその効果および目的を達成でき、特許の申請要件を満たすものであり、産業上の利用性、新規性および進歩性を備える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を示すブロック図である。
【図2】本発明を示す流れ図である。
【図3】本発明を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0026】
1 メモリブロック
11 ROM
111自動再生プログラム
12 隠しセクタ
121特殊データ
13 リライタブルセクタ
131比較プログラム
132音声データ
2 ホスト端末
21 オペレーションシステム
211オペレーションシステムプログラム
22 音声出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト端末と接続され、音声データをホスト端末に設けられたスピーカまたは携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて再生する携帯型メモリであって、
前記携帯型メモリのメモリブロックに記憶機能を備える集積回路からなるROM、隠しセクタおよびリライタブルセクタの各ブロックを設け、
前記ROMにはメモリブロック内の他のプログラムを呼び出す自動再生プログラムが内臓され、
前記隠しセクタは、ホスト端末のシステムデータと比較される特殊データが保存されるセクタであり、
前記リライタブルセクタは、書き換え可能であってリライタブルセクタの特定カテゴリは音声データの保存または消去を行い、また、該リライタブルセクタには特殊データとホスト端末のシステムデータとの比較を行う比較プログラムが設けられている、
ことを特徴とする音声表示機能を備える携帯型メモリ。
【請求項2】
前記隠しセクタの特殊データは、日付、時間、ファイルデータまたはプログラム執行信号などであることを特徴とする請求項1記載の音声表示機能を備える携帯型メモリ。
【請求項3】
前記ROMに内臓された自動再生プログラムまたはリライタブルセクタの比較プログラムは、ホスト端末のオペレーションシステム内に常駐することを特徴とする請求項1記載の音声表示機能を備える携帯型メモリ。
【請求項4】
前記携帯型メモリとメインシステムに内臓されたプログラムとのコミュニケーションは、
(a):携帯型メモリとホスト端末を接続し、
(b):ホスト端末がROMの自動再生プログラムを呼び出し、自動再生プログラムをホスト端末のオペレーションシステムプログラム内に常駐させ、
(c):自動再生プログラムがリライタブルセクタの比較プログラムを呼び出し、比較プログラムをホスト端末のオペレーションプログラム内に常駐させ、
(d):使用者がホスト端末内のオペレーションシステムに内臓されたオペレーションシステムプログラムを執行し、執行が完了した後、システム信号をオペレーションシステム内に常駐する比較プログラムに伝送し、
(e):比較プログラムがオペレーションシステムプログラムに伝送されたシステム信号と隠しセクタに保存された特殊データとの比較を行い、比較が一致しない場合、音声表示を終了し、
(f):比較プログラムが対応後リライタブルセクタ内に保存された音声データを探し、ホスト端末または携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて音声を出力し、
(g):音声表示を終了する
ステップで行われることを特徴とする音声表示機能を備える携帯型メモリの音声表示方法。
【請求項5】
前記携帯型メモリの特殊データとホスト端末のシステムデータとの比較は、
(a):携帯型メモリとホスト端末とを接続し、
(b):ホスト端末がROMの自動再生プログラムを呼び出し、自動再生プログラムをホスト端末のオペレーションシステムプログラム内に常駐させ、
(c):自動再生プログラムがリライタブルセクタの比較プログラムを呼び出し、比較プログラムをホスト端末のオペレーションプログラム内に常駐させ、
(d):比較プログラムがオペレーションシステムのシステムデータとメモリブロック内の隠しセクタの特殊データとの比較を行い、比較が一致しない場合、音声表示を終了し、
(e):比較プログラムが対応後リライタブルセクタ内に保存された音声データを探し、ホスト端末または携帯型メモリに内臓されたスピーカを通じて音声を出力し、
(f):音声表示を終了する
ステップで行われることを特徴とする音声表示機能を備える携帯型メモリの音声表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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