説明

音楽再生装置

【課題】 信頼性の高い新たな演奏評価機能を備えた音楽再生装置を提供する。
【解決手段】 複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付ける評価情報受付手段120と、その評価情報受付手段120により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏実績に応じて重み付けする評価情報重み付け手段122と、その評価重み付け手段122により重み付けされた評価情報に基づいて演奏を評価する演奏評価手段124とを、含むことから、同席している利用者等を主体として人的な演奏評価を行い得ることに加え、各投票者の過去の演奏実績を反映した評価の重み付けが可能とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カラオケボックスで使用されるカラオケ装置等の音楽再生装置に関し、特に、演奏評価機能の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲から選択された所定のカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
ところで、近年普及しているカラオケ装置には、上述のような音楽再生装置としての機能のみならず、マイクから入力される音声情報に基づいて歌唱力等を評価(採点)する演奏評価機能を備えたものがある。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、音程、テンポ、音量等を基準としてマイクロフォンから入力される音声情報とカラオケ演奏曲の演奏情報とを比較することで、その入力される音声情報に応じて歌唱の評価を採点することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−101794号公報
【0005】
しかし、近年においては、演奏評価機能を備えたカラオケ装置が広く普及したことにより、前述した従来の演奏評価機能は特に目新しいものではなくなった。更には、その機能が音程、テンポ、音量等を基準として演奏を評価するものであることが広く知られるようになり、高得点を出すための選曲や歌い方が確立する等した結果、演奏としてはあまり上手くないのに高評価が下される場合が多くなり、演奏評価の信頼性が低下するに至った。このため、信頼性の高い新たな演奏評価機能を備えた音楽再生装置の開発が求められていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、信頼性の高い新たな演奏評価機能を備えた音楽再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択された所望の演奏曲を出力させる音楽再生装置であって、複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付ける評価情報受付手段と、その評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏実績に応じて重み付けする評価情報重み付け手段と、その評価重み付け手段により重み付けされた評価情報に基づいて演奏を評価する演奏評価手段とを、含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付ける評価情報受付手段と、その評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏実績に応じて重み付けする評価情報重み付け手段と、その評価重み付け手段により重み付けされた評価情報に基づいて演奏を評価する演奏評価手段とを、含むことから、同席している利用者等を主体として人的な演奏評価を行い得ることに加え、各投票者の過去の演奏実績を反映した評価の重み付けが可能とされる。すなわち、信頼性の高い新たな演奏評価機能を備えた音楽再生装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏評価に応じて重み付けするものである。このようにすれば、各投票者の過去の演奏評価を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を更に高めることができる。
【0010】
また、好適には、前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏評価が高いほど重い評価とするように重み付けするものである。このようにすれば、実用的な態様で各投票者の過去の演奏評価を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を可及的に高めることができる。
【0011】
また、好適には、前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた各評価情報の投票者の過去の演奏回数に応じて重み付けするものである。このようにすれば、各投票者の過去の演奏回数を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を更に高めることができる。
【0012】
また、好適には、前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた各評価情報の投票者の過去の演奏回数が多いほど重い評価とするように重み付けするものである。このようにすれば、実用的な態様で各投票者の過去の演奏評価を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を可及的に高めることができる。
【0013】
また、好適には、前記音楽再生装置を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記音楽再生装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを有する電子早見本装置を備え、前記評価情報受付手段、評価情報重み付け手段、及び演奏評価手段は、その電子早見本装置に機能的に備えられたものである。このようにすれば、前記音楽再生装置と連携動作する電子早見本装置を用いて実用的な態様で前記演奏評価を行うことができる。
【0014】
また、好適には、前記評価情報受付手段は、複数の携帯電話機から送信される評価情報を各携帯電話機と関連付けて受け付けるものである。このようにすれば、実用的な態様で複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付けることができる。
【0015】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の音楽再生装置の一実施例であるカラオケ装置10の構成を説明するブロック線図である。この図1に示すように、本実施例のカラオケ装置10は、CRT等の映像表示装置12と、映像情報デコーダ14と、ビデオミキサ16と、アンプミキサ18と、スピーカ20と、音声入力装置であるマイクロフォン22と、操作パネル24と、中央演算処理装置であるCPU26と、ROM28と、RAM30と、記憶装置であるハードディスク32と、モデム34と、CRTコントローラ36と、上記操作パネル24等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス38と、音源であるシンセサイザ40と、携帯電話機46、リモコン装置48、及び電子早見本装置50等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部42と、上記携帯電話機46や電子早見本装置50等との間で無線通信を行うための無線通信部44とを、備えて構成されている。
【0017】
上記CPU26は、上記RAM30の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM28に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記携帯電話機46や電子早見本装置50等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM30に設けられた予約曲リストに登録したり、その予約曲リストの演奏順に従って上記ハードディスク32から上記RAM30に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM30から上記シンセサイザ40へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記CRTコントローラ36へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記CRTコントローラ36へ送ったり、上記映像情報デコーダ14を制御して所定の背景映像を再生させる等の基本的な制御を実行する。
【0018】
前記操作パネル24は、前記カラオケ装置10の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置10には、前記操作パネル24の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置48及び電子早見本装置50が備えられており、前記リモコン受信部42は、それら入力装置から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU26へ供給する。また、後述するようにリモコン送信部94等の情報送信機能を備えた携帯電話機46も同様に遠隔操作装置として機能する。また、前記無線通信部44は、前記携帯電話機46や電子早見本装置50との間で無線LAN通信或いはブルートゥース通信等の無線通信を行うことによりそれら遠隔操作装置からの選曲入力を受け付けたり、前記カラオケ装置10から前記携帯電話機46や電子早見本装置50へ所定の処理を実行させるための指令を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置10と携帯電話機46や電子早見本装置50等の遠隔操作装置との間における相互の情報のやりとりを行う。なお、前記リモコン装置48や電子早見本装置50等の遠隔操作装置は、前記カラオケ装置10の備品として音楽再生装置の一部を構成するものである。
【0019】
前記映像情報デコーダ14は、所定の映像情報に基づいてその映像情報に対応する映像を再生(デコード)する映像再生装置であり、例えば、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク32に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生する。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ14により再生された背景映像は、前記ビデオミキサ16へ送られる。前記CRTコントローラ36は、前記CPU26において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置であり、前記ビデオミキサ16は、前記CPU26において生成され且つ前記CRTコントローラ36から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ14により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置12に表示させる映像合成装置である。
【0020】
前記シンセサイザ40は、前記ハードディスク32から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式で圧縮されたMIDIデータであり、そのMIDIデータに応じて前記シンセサイザ40により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ18へ送られる。そのアンプミキサ18では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン22を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ20から出力される。
【0021】
図2は、前記カラオケ装置10のハードディスク32に設けられた各種データベースについて説明する図である。この図2に示すように、前記カラオケ装置10のハードディスク32には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース52と、背景映像を出力させるための複数の背景映像情報を記憶する背景映像データベース54と、利用者(演奏者)毎の演奏実績を記憶する演奏実績データベース55とが設けられている。この演奏実績とは、利用者が過去に前記カラオケ装置10等を用いて行ったカラオケ演奏の演奏評価(例えば、評価得点)の平均や、過去に前記カラオケ装置10等を用いて行ったカラオケ演奏の演奏回数等であり、必ずしも前記カラオケ装置10を用いての演奏実績のみを記憶するものではなく、他のカラオケ装置を用いての演奏実績をも記憶し得るものである。また、好適には、上記演奏実績データベース55は、前記カラオケ装置10への入力装置として用いられる前記携帯電話機46の識別情報(例えばuid等)をインデックスとして各利用者の演奏実績を記憶するものである。
【0022】
図1に戻って、カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた前記カラオケ装置10は、前記モデム34を介して公衆電話回線等の通信回線56に接続されており、そのカラオケ装置10によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、或いは所定の背景映像が出力可能とされるように、随時新たなカラオケ情報及び背景映像情報等が図示しないカラオケサービス提供会社のセンタ装置から上記通信回線56を介して配信され、前記ハードディスク32のカラオケデータベース52及び背景映像データベース54等に記憶されるようになっている。また、前記カラオケ装置10を用いての演奏実績が上記通信回線56を介してセンタ装置へ送信されると共に、そのセンタ装置により統計管理される複数のカラオケ装置を用いての利用者毎の統括的な演奏実績が上記通信回線56を介して配信され、前記ハードディスク32の演奏実績データベース55に記憶されるようになっている。すなわち、前記カラオケ装置10は、所定の通信回線を介してカラオケ情報をはじめとするコンテンツを取得する通信カラオケ装置である。
【0023】
図3は、前記電子早見本装置50の外観を大まかに示す斜視図である。この図3に示すように、前記電子早見本装置50は、前記カラオケ装置10を遠隔操作するために、所定の画像(映像)を表示させると共に利用者の接触に応じてそのカラオケ装置10への入力を行うタッチパネルディスプレイ58を備えている。また、前記カラオケ装置10との間でデータの送受信や同期を実行したり、前記電子早見本装置50に内蔵されたバッテリを充電する等の動作を行うスタンド型の接続架台(ドッキングテーブル)であるクレイドル60を備えている。前記電子早見本装置50は、上記クレイドル60に取り付けられた状態又はそのクレイドル60から取り外された状態で用いられ、取り付けられた状態においては、そのクレイドル60及び図示しないLANケーブルを介して前記カラオケ装置10に接続されるようになっている。
【0024】
図4は、前記電子早見本装置50の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、前記電子早見本装置50は、タッチパネルディスプレイ58に所定の映像を表示させる表示装置62と、その表示装置62による表示を制御する表示制御部64と、利用者の指等によるタッチパネルディスプレイ58への接触により入力を行うタッチパネル66と、そのタッチパネル66による入力を制御する入力制御部68と、中央演算処理装置であるCPU70と、ROM72と、RAM74と、フラッシュROM等の記憶部76と、インターフェイス78と、リモコン送信部80と、無線通信部82とを、備えて構成されている。前記クレイドル60には、前記電子早見本装置50と接続するためのコネクタが設けられており、前記電子早見本装置50は、前記クレイドル60に載置されることで、上記インターフェイス78を介して前記クレイドル60と接続されるようになっている。また、上記記憶部76には、前記カラオケ装置10のカラオケデータベースに記憶された多数のカラオケ情報それぞれに対応して曲名、アーティスト名、歌詞の歌い出し部分等の選曲案内情報を選曲番号毎に記憶する演奏曲データベースが設けられている。
【0025】
上記CPU70は、上記RAM74の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM72に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記記憶部76の演奏曲データベース等から選曲案内情報を読み出し、上記表示装置62を介してその選曲案内情報に基づく所定の案内映像を上記タッチパネルディスプレイ58に表示させたり、そのタッチパネルディスプレイ58に表示された案内映像に従って上記タッチパネル66による選曲入力が行われた場合、所定のカラオケ演奏曲を予約するための選曲信号(選曲予約信号)を上記無線通信部82等を介して前記カラオケ装置10に送信する選曲制御等の基本的な制御に加えて、後述する演奏評価制御(投票採点処理制御)を実行する。
【0026】
図5は、前記携帯電話機46の構成を例示するブロック線図である。この図5に示す制御部84は、ROM86に予め記憶されたプログラムに従って入力信号を処理するマイクロコンピュータであり、所定の文字ボタン等を備えた操作部88からの入力に従って文字入力が実行されるように制御したり、その操作部88から入力された電話番号に従って通信或いは通話チャンネルを成立させると共に相互の通信或いは通話が可能となるように制御したり、その操作部88から入力されたURLに従って所定のウェブサイトにアクセスしたり、メールの作成及び送受信を制御する等の基本的な制御に加えて、リモコン送信部94や無線通信部96等を介して前記カラオケ装置10や電子早見本装置50との間での情報通信制御を実行する。
【0027】
前記携帯電話機46の通話状態においては、アンテナ98aを介して送受信部100に受けた通話信号等がモデム部102を介して音声コーディック部104においてデジタルコード信号から音声信号に変換され、アナログフロントエンド106により音声出力装置であるスピーカ108が駆動されて音声が出力される。同時に、音声入力装置であるマイクロフォン110により音声から変換された音声信号が上記アナログフロントエンド106を介して上記音声コーディック部104に送られてそこでデジタル信号に変換され、上記モデム部102、送受信部100、及びアンテナ98aを介して送信される。また、通信状態において、上記制御部84は、上記操作部88から入力された信号を通信先へ送信すると同時に、通信先から受信された信号を表示部90に表示させる。また、他の通信端末からの着信があったと判定される場合には、フラッシュROM等の記憶部92に予め記憶されたメロディ情報に基づいて所定のメロディ(呼出音)を上記スピーカ108から出力させたり、呼出音非出力モードにおいては図示しないバイブレータを駆動させて振動を発生させたりする。
【0028】
また、図5に示すように、前記制御部84には、所定のアプリケーションがインストールされることでリモコン信号送信手段112及び無線通信手段114が機能的に備えられている。このリモコン信号送信手段112は、前記カラオケ装置10に対して選曲入力や各種調整を行うためのリモコン信号を上記リモコン送信部94を介して送信する。また、無線通信手段114は、アンテナ98bを介して前記カラオケ装置10や電子早見本装置50との間で無線LAN通信或いはブルートゥース通信等の無線通信を行う。このように、前記携帯電話機46は、前記操作パネル24の一部機能を遠隔で実行するための入力装置(遠隔操作装置)として機能すると共に、前記電子早見本装置50等との間で無線による情報通信が可能とされている。
【0029】
図6は、前記カラオケ装置10及び電子早見本装置50の連携動作について説明する図である。この図6に示すように、前記電子早見本装置50は、前記カラオケ装置10との間で無線通信を行うことにより連携動作を行い、そのカラオケ装置10から送信される情報に応じて前記タッチパネルディスプレイ58に所定の映像を表示させると共に、前記CPU70による制御結果を前記カラオケ装置10における動作に反映させる等の制御を実行する。また、同様に複数の携帯電話機46との間で無線通信を行い得るものであり、それら携帯電話機46からの選曲入力を受け付けて前記カラオケ装置10に転送したり、後述する評価情報を受け付けたりといった情報受信制御を実行する。このようにして、前記カラオケ装置10、複数の携帯電話機46、及び電子早見本装置50は、無線通信等を介してカラオケ演奏制御及びそれに付随する制御のためのネットワーク116を構成する。
【0030】
図7は、前記電子早見本装置50のCPU70に備えられた制御機能について説明する機能ブロック線図である。この図7に示す評価情報受付手段120は、前記無線通信部82等を介して複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付ける。この評価情報受付手段120により受け付けられる評価情報は、例えば、100点満点における0〜100点の点数を示す情報、或いは複数段階評価(例えば、「とても上手い」、「上手い」、「普通」、「少し下手」、「とても下手」の5段階評価)のうち何れかの評価を示す情報等であり、所定の利用者(演奏者)が前記カラオケ装置10によりカラオケ演奏を行っている間乃至はその前後において、同席している利用者(投票者)を主体として所定の入力装置により入力されるものである。この入力装置は、好適には、前記リモコン送信手段112や無線通信手段114を有する前記携帯電話機46であり、上記評価情報受付手段120は、前記複数の携帯電話機46から送信される評価情報を各携帯電話機46の識別情報(例えばuid等)と関連付けて受け付ける。
【0031】
評価情報重み付け手段122は、上記評価情報受付手段120により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏実績に応じて重み付けする。例えば、上記評価情報受付手段120により所定の投票者からの評価情報が受け付けられた場合、前記無線通信部82等を介して前記カラオケ装置10のハードディスク32に備えられた演奏実績データベース55からその評価情報の投票者の演奏実績を読み出し、その演奏実績に応じて評価情報を重み付けする。この重み付けの基準となる演奏実績は、好適には、各評価情報の投票者の過去の演奏評価(乃至はその平均)であり、上記評価情報重み付け手段122は、投票者の過去の演奏評価が高いほど重い評価とするように重み付けするものである。例えば、過去の演奏評価の平均が50点未満である投票者により投票された評価情報は1票分の重み(発言力C)、50〜79点である投票者により投票された評価情報は2票分の重み(発言力B)、80点以上である投票者により投票された評価情報は3票分の重み(発言力A)というように重み付けする。また、上記重み付けの基準となる演奏実績は、好適には、各評価情報の投票者の過去の演奏回数であり、上記評価情報重み付け手段122は、投票者の過去の演奏回数が多いほど重い評価とするように重み付けするものである。例えば、過去の演奏回数が10回未満である投票者により投票された評価情報は1票分の重み(発言力C)、10〜49回である投票者により投票された評価情報は2票分の重み(発言力B)、50回以上である投票者により投票された評価情報は3票分の重み(発言力A)というように重み付けする。
【0032】
演奏評価手段124は、上記評価重み付け手段122により重み付けされた評価情報に基づいて演奏を評価する。例えば、100点満点における0〜100点の点数を示す評価情報に基づく演奏評価に関して、3票分の重みを有する「80点」の評価情報、2票分の重みを有する「65点」の評価情報、及び1票分の重みを有する「50点」の評価情報が投票された場合には、次の式1に示すように、「80点」の評価情報が3票、「65点」の評価情報が2票、「50点」の評価情報が1票投票されたものとして6票分の評価情報を平均する計算を行うことで「70点」の評価(得点)を算出する。また、「とても上手い」、「上手い」、「普通」、「少し下手」、「とても下手」の5段階評価のうち何れかの評価を示す評価情報に基づく演奏評価に関して、3票分の重みを有する「上手い」の評価情報、2票分の重みを有する「とても上手い」の評価情報、及び1票分の重みを有する「少し下手」の評価情報が投票された場合には、「上手い」という評価情報が3票、「とても上手い」という評価情報が2票、「少し下手」という評価情報が1票投票されたものとして最多数(3票)の評価である「上手い」という評価を下す。この演奏評価手段124による評価結果は、前記表示制御部64等を介して前記表示装置62に表示される。例えば、図8に示すような演奏評価画面が前記タッチパネルディスプレイ58に表示され、前記カラオケ装置10の映像表示装置12により歌詞文字映像を含むカラオケ演奏画面を表示させながら、そのカラオケ演奏の演奏評価を視覚的に楽しむことができる。
【0033】
[式1]
(80×3+60×2+50×1)/6=70
【0034】
図9は、前記電子早見本装置50のCPU70による演奏評価制御(投票採点処理制御)について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0035】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記カラオケ装置10から投票採点処理(演奏評価制御)を開始する旨の指令が受信されたか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S1の判断が肯定される場合には、S2において、投票採点処理制御が開始される。次に、S3において、前記タッチパネルディスプレイ58に図8に示すような所定の投票採点画面が表示される。次に、S4において、前記携帯電話機46からの採点投票(評価情報)が受信されたか否かが判断される。このS4の判断が否定される場合には、S4の判断が繰り返されることにより待機させられるが、S4の判断が肯定される場合には、前記評価情報受付手段120の動作に対応するS5において、前記無線通信部82等を介して複数の携帯電話機46から投票される採点投票が各携帯電話機46と関連付けて受け付けられる。次に、S6において、前記無線通信部82等を介して前記カラオケ装置10のハードディスク32に備えられた演奏実績データベース55からその採点投票の投票者の演奏実績が読み出される。次に、前記評価情報重み付け手段122の動作に対応するS7において、S6にて読み出された投票者(携帯電話機46のuidに対応)の過去の演奏実績に応じて採点投票の重み付けが行われる。次に、前記演奏評価手段124の動作に対応するS8において、S7にて重み付けされた採点投票に基づいて歌唱評価(得点)が算出される。次に、S9において、前記タッチパネルディスプレイ58に表示される投票採点画面が更新される。次に、S10において、投票採点処理の結果が前記無線通信手段82等を介して前記カラオケ装置10へ送信される。次に、S11において、投票採点処理終了であるか否かが判断される。このS11の判断が否定される場合には、S4以下の処理が再び実行されるが、S11の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
【0036】
このように、本実施例によれば、複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付ける評価情報受付手段120(S5)と、その評価情報受付手段120により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏実績に応じて重み付けする評価情報重み付け手段122(S7)と、その評価重み付け手段122により重み付けされた評価情報に基づいて演奏を評価する演奏評価手段124(S8)とを、含むことから、同席している利用者等を主体として人的な演奏評価を行い得ることに加え、各投票者の過去の演奏実績を反映した評価の重み付けが可能とされる。すなわち、信頼性の高い新たな演奏評価機能を備えたカラオケ装置10を提供することができる。
【0037】
また、前記評価情報重み付け手段122は、前記評価情報受付手段120により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏評価に応じて重み付けするものであるため、各投票者の過去の演奏評価を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を更に高めることができる。
【0038】
また、前記評価情報重み付け手段122は、前記評価情報受付手段120により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏評価が高いほど重い評価とするように重み付けするものであるため、実用的な態様で各投票者の過去の演奏評価を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を可及的に高めることができる。
【0039】
また、前記評価情報重み付け手段122は、前記評価情報受付手段120により受け付けられた各評価情報の投票者の過去の演奏回数に応じて重み付けするものであるため、各投票者の過去の演奏回数を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を更に高めることができる。
【0040】
また、前記評価情報重み付け手段122は、前記評価情報受付手段120により受け付けられた各評価情報の投票者の過去の演奏回数が多いほど重い評価とするように重み付けするものであるため、実用的な態様で各投票者の過去の演奏評価を反映した評価の重み付けが可能とされ、演奏評価の信頼性を可及的に高めることができる。
【0041】
また、前記カラオケ装置10を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置10への入力を行うタッチパネルディスプレイ58を有する電子早見本装置50を備え、前記評価情報受付手段120、評価情報重み付け手段122、及び演奏評価手段124は、その電子早見本装置50に機能的に備えられたものであるため、前記カラオケ装置10と連携動作する電子早見本装置50を用いて実用的な態様で前記演奏評価を行うことができる。
【0042】
また、前記評価情報受付手段120は、複数の携帯電話機46から送信される評価情報を各携帯電話機46と関連付けて受け付けるものであるため、実用的な態様で複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付けることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0044】
例えば、前述の実施例において、前記評価情報受付手段120、評価情報重み付け手段122、及び演奏評価手段124は、前記電子早見本装置50のCPU70に機能的に備えられたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの制御機能は、前記カラオケ装置10のCPU26に機能的に備えられたものであってもよい。すなわち、前記カラオケ装置10により前述した演奏評価制御を行うものであっても構わない。
【0045】
また、前述の実施例において、前記評価情報受付手段120は、複数の携帯電話機46から送信される評価情報を各携帯電話機46と関連付けて受け付けるものであったが、例えば、前記リモコン装置48等の入力装置により各利用者の識別コードと共に送信される評価情報をその識別コードと関連付けて受け付けるものであってもよい。このようにしても、実用的な態様で複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付けることができる。
【0046】
また、前述の実施例において、前記評価情報重み付け手段122は、前記無線通信部82等を介して前記カラオケ装置10のハードディスク32に備えられた演奏実績データベース55から各評価情報の投票者の演奏実績を読み出し、その演奏実績に基づいて重み付けを行うものであったが、例えば、利用者が前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏を開始してから終了するまでの間の演奏実績等、所定時間内(その場限り)の演奏実績に応じて前記評価情報の重み付けを行うものであってもよい。このようにすれば、前記演奏実績データベース55を設ける必要がないことに加え、初めてカラオケ演奏を行う利用者も好適に演奏評価を楽しめるという利点がある。
【0047】
また、前述の実施例において、前記評価情報重み付け手段122は、前記評価情報受付手段120により受け付けられた各評価情報の投票者の過去の演奏評価及び演奏回数のうち何れか一方に応じて重み付けするものであったが、演奏評価及び演奏回数に応じて複合的に重み付けするものであっても構わない。
【0048】
また、前述の実施例において、前記演奏評価手段124は、前記評価情報受付手段120により受け付けられる各投票者からの評価情報のみに基づいて演奏評価を行うものであったが、例えば、斯かる評価情報に基づく演奏評価に加えて、音程、テンポ、音量等を基準として前記マイクロフォン22から入力される利用者(演奏者)の音声情報に基づく従来の演奏評価を行い、それらの評価結果から総合的に演奏を評価するものであっても構わない。
【0049】
また、前述の実施例では、図8に示すように、各投票者により投票された評価情報が前記タッチパネルディスプレイ58に表示されていたが、斯かる評価情報は、必ずしも表示(公開)されるものでなくともよく、それら個別の評価情報の内容を隠したまま、前記演奏評価手段124により演奏評価を行うものであっても構わない。
【0050】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の音楽再生装置の一実施例であるカラオケ装置の構成を説明するブロック線図である。
【図2】図1のカラオケ装置のハードディスクに備えられた各種データベースを説明する図である。
【図3】図1のカラオケ装置に備えられた電子早見本装置の外観を大まかに示す斜視図である。
【図4】図3の電子早見本装置の構成を説明するブロック線図である。
【図5】図1のカラオケ装置の遠隔操作装置として機能する携帯電話機の構成を例示するブロック線図である。
【図6】図1のカラオケ装置及び図3の電子早見本装置の連携動作について説明する図である。
【図7】図4の電子早見本装置のCPUに備えられた制御機能について説明する機能ブロック線図である。
【図8】図3の電子早見本装置のタッチパネルディスプレイに表示される演奏評価画面を例示する図である。
【図9】図4の電子早見本装置のCPUによる演奏評価制御について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
10:カラオケ装置(音楽再生装置)
46:携帯電話機
50:電子早見本装置
58:タッチパネルディスプレイ
120:評価情報受付手段
122:評価情報重み付け手段
124:演奏評価手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択された所望の演奏曲を出力させる音楽再生装置であって、
複数の投票者から投票される評価情報を各投票者と関連付けて受け付ける評価情報受付手段と、
該評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏実績に応じて重み付けする評価情報重み付け手段と、
該評価重み付け手段により重み付けされた評価情報に基づいて演奏を評価する演奏評価手段と
を、含むことを特徴とする音楽再生装置。
【請求項2】
前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏評価に応じて重み付けするものである請求項1の音楽再生装置。
【請求項3】
前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を各評価情報の投票者の過去の演奏評価が高いほど重い評価とするように重み付けするものである請求項2の音楽再生装置。
【請求項4】
前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた各評価情報の投票者の過去の演奏回数に応じて重み付けするものである請求項1の音楽再生装置。
【請求項5】
前記評価情報重み付け手段は、前記評価情報受付手段により受け付けられた各評価情報の投票者の過去の演奏回数が多いほど重い評価とするように重み付けするものである請求項4の音楽再生装置。
【請求項6】
前記音楽再生装置を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記音楽再生装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを有する電子早見本装置を備え、前記評価情報受付手段、評価情報重み付け手段、及び演奏評価手段は、該電子早見本装置に機能的に備えられたものである請求項1から5の何れかの音楽再生装置。
【請求項7】
前記評価情報受付手段は、複数の携帯電話機から送信される評価情報を各携帯電話機と関連付けて受け付けるものである請求項1から6の何れかの音楽再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−178049(P2006−178049A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369073(P2004−369073)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】