説明

音発生手段を有するディスプレイ装置及びディスプレイスクリーンを備えるモニタディスプレイ

ディスプレイ装置は、音発生手段と、ディスプレイスクリーンを備えるモニタディスプレイパネルとを有する。それはフット部分(4)を含み、フット部分は、ディスプレイパネル(2)及びフット部分(4)を機械的に結合するための機械的カップリング手段(4b)を備える。フット部分は、音発生手段(6)を備える。音発生手段は、フット部分の底で音響カップラ(7)に、並びに、1つ又はそれ以上の音響デカップラ(8)を介してフット部分(4)自体に結合される。フット部分は、モニタカップリング手段(4b)を備える端部(4a)と反対側の端部(4c)に、音響デカップラ(8)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音発生手段を有するディスプレイ装置、及び、ディスプレイスクリーンを備えるモニタディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置は、例えば、薄く細い(LC)ディスプレイパネルを有する種類であり、そのような薄く細い(LC)ディスプレイパネルでもある。デスクトップPC内のラウドスピーカ環境は、一般的に、比較的大きなフットプリント領域を占める。従って、ラウドスピーカは、(より)頻繁に、モニタ筐体自体に、一般的には、モニタの両側に一体化される。
【0003】
現代的な薄く細いLCDパネルラウドスピーカを使用するとき、モニタ筐体内への一体化はより面倒である、即ち、極めて薄い内蔵ラウドスピーカが必要とされる。これは極めて可能であるが、分散モードラウドスピーカ(DML)を利用する傾向がある。
【0004】
しかしながら、薄く細い(LC)ディスプレイの両側の大領域DMLの存在は、これらのディスプレイの特性及び美しさに寄与しない。その上、DMLを使用するときには、100Hzの周波数未満の構造モデルは実現が極めて困難なので、(サブ)ウーファによって生成されるような低周波数を生成し得ない。よって、DMLのより低い周波数範囲は、しばしば200〜250Hzに限定される。
【0005】
音響短絡を回避するために、極めて低い周波数は、普通、ボックス内に封入される空気の大容量の移動と共に、大きな表面領域反射を必要とすることも留意されるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
排他的ではないが、具体的には、薄く細い(LC)ディスプレイパネルに関して、前述の問題を解決し或いは少なくとも軽減すると同時に、モニタディスプレイパネル又は装置全体によって示されるフットプリント領域又はサイズの大幅な増大せずに、低周波数音の発生を可能にすることが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明に従ったディスプレイ装置はフット部分を含み、フット部分は、モニタディスプレイパネル及びフット部分を機械的に結合するための機械的カップリング手段を備える1つの端部を有し、フット部分は音発生手段を備え、音発生手段は、機械的カップリング手段を備える端部と反対側の端部で音響カップラに結合され、音発生手段は、1つ又はそれ以上の音響デカップラを介してフット部分に結合され、フット部分は、機械的カップリング手段と反対側の端部に、音響デカップラを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明は、大きな剛的な物体、例えば、テーブルトップをより小さな励振器を用いて振動することが可能であるので、もし十分な音響カップリングが保証されるならば、それは装置に起源する音よりも大きな音を生成するという認識に基づいている。励振されるべき物体及び音響カップリングの特性に依存して、おそらく励振器と比べられるときにテーブルのより一層大きな表面領域の故に、より大きな物体は、励振器のみに比べ、より大きく且つより豊かな音の強さを有し得る。よって、テーブルは励振器自体よりも一層小さな励振振幅を有するにも拘わらず、低周波数音さえも生成し得る。これを達成するために、適当な音響カップリングが、音発生手段とより大きな物体との間に構築されなければならない。本出願において、この現象は、共振動及び/又は共励振という用語によっても表示される。モニタフット部分内の音発生手段は、(音響デカップラを介して)モニタから音響的に分離され、音響カップラを介してモニタフットが配置される物体に結合される。
【0009】
本発明の目的は、音発生手段、例えば、1つ又はそれ以上の励振器を(LCD)モニタ/ラップトップのフット部分内に一体化することによって達成される。明瞭に、これはディスプレイパネル又は装置全体によって占められるフットプリント領域を増大しないが、それは可聴(ステレオ)音の発生を低周波数でさえ可能にする。励振器又は複数の励振器の偏向は、より大きな表面とフット部分内の音発生装置(励振器、加振機)との間に存在する音響カップラ、例えば、機械的アダプタを用いて、テーブル内に結合される。よって、モニタフット/ラップトップフット部分は、励振されるべき物体によって増強される低周波音をもたらし得る。より高周波音は、中周波及び高周波の双方の範囲内において、フットによって、或いは、例えば、ディスプレイパネルに一体化され或いは取り付けられた音発生手段のような、如何なる他の既知の手段によってもたらされ得る。
【0010】
ドライバは、モニタフット/ラップトップを、デスクトップ、PCケーシング、又は、モニタフットを保持するのに十分な大きさの如何なる他の物体の上に配置することによって簡単に活性化される。次に、(LC)ディスプレイパネル/ラップトップ自体の振動を阻止するために、ディスプレイパネル自体は励振器から分離される。音発生手段とフット部分の残部との間、或いは、フット部分とディスプレイパネルとの間に音響デカップラを設けることによって、音発生手段及びディスプレイの音響デカップリングを実現し得る。
【0011】
音響カップラの使用は、フットプリント領域を増大せずに、低周波数で音の強さの極めて大幅な増大、即ち、10、15dBより上、20dBより上さえもの増大をもたらす。
【0012】
音響カップラを介して並びに物体の上に配置されているとき、フット(加振機)内の音発生手段は、物体を励振する。これは音レベルを大幅に増大する。音響デカップラは、音発生手段(及び/又はテーブル自体)によって生成される振動がディスプレイパネルに伝達されるのを阻止する。ディスプレイパネルは、例えば、CRT又はLCDパネルであれ、ディスプレイパネルの品質を低下する振動に対して敏感である。
【0013】
音発生手段は、フット部分が表面と接触しないときに、音響カップラがフット自体の正接平面を僅かに越えて延びるよう、好ましくは、フット部内に可撓に配置される。
【0014】
フット部分が表面の上に位置するとき、音響カップラは表面に接触し、音発生手段とフット部分との間の接続の可撓性の故に、フット部分自体を持ち上げることなしに、表面に対して押し付けられる。良好な機械的接触、故に、良好が音響カップリングが可能である。
【0015】
他の好適実施態様において、音響カップラは、通常位置において、フット部分の外形線の内側に引っ込められ、フット部分は、音発生手段を音響カップラを介して押し付け、或いは、音響カップラ自体を静止表面に対して押し付けるための手段を含む。音響カップラをフット部分の外形線の内側に引っ込めることは、音響カップラ及び/又は音発生手段に損傷を与える機会を減少する。しかしながら、音響カップラがフット部分の外形線の内側に引っ込められるとき、表面との接触は困難になる。音響カップラを直接的に或いは音発生手段を介して静止表面に対して押し付けるための活性化手段の提供は、良好な音再生を可能にする。
【0016】
好適実施態様において、装置は、フット部分を支持物体の上に押し付けるための手段を含む。この機能は2つの効果を有する。即ち、ディスプレイはある力でテーブル上に押圧され、固定位置を保証する。さらに、良好な機械的接触が達成され、良好な音響カップリングが得られる。1つの実施態様において、そのような手段は、例えば、1つ又はそれ以上の吸引カップによって形成される。冷蔵庫ドアの縁部に類似する構造を用い得る。そのような実施態様では、音発生のために、好ましくは平面的な表面を備える非水平物体を用い得る。吸引装置の提供は、装置が配置され得る物体及び位置の数を増大し、よって、概して、使用の容易さを強化し、音の強さの最大可能な増大に寄与する。
【0017】
代替的に或いは追加的に、好適実施態様において、装置は、フット部分を支持物体に対して押し付けるための永久磁石を備える。人が装置を付着し或いは配置することを望むテーブルトップ又は他の表面は、時々、金属から成る。装置に影響磁石を設けることは、吸引を用いて或いは用いないで、磁化可能な表面の上で音増大が容易に得られることを可能にする。表面が比較的粗いときでさえ、良好な接触をなし得る。装置が位置付けられる物体が磁化可能な金属から成るとき、永久磁石の提供は、良好か機械的接触、故に、良好な音響カップリングを保証する。
【0018】
好適実施態様において、装置は音記録素子を備え、登録された音と放射された音信号との間の比較を行うための手段を含む。
【0019】
本発明者は、フット部分が他の物体に音響的に結合されるとき、元の信号を記録された音の信号と比較することによって、音再生の品質を向上するために、音記録手段を用い得ることに気付いた。この比較を幾つかの方法で有利に用い得る。1つの実施態様では、信号を周波数に亘ってディスプレイに再分配するために、記録された音は元の音と比較される。音の周波数再分配を、例えば、以下のために用い得る。
1. より自然な音を得る。音発生手段の音波は、例えば、テーブルトップに結合される。音の強さを増大する以外に、ある周波数での強さを他の周波数でよりも大きな程度増大することによって、このカップリングは音も変更し得る。強さの周波数再分配によって、これを相殺し得る。装置自体がもたらし得るよりも良好で自然な音を得るためにさえも、それを用い得る。
2. 最大の音の強さを得る。記録された音と放射された音との比較は、音増大効果が最も顕著である周波数を構築する可能性をもたらす。もし目的が最大音レベルを得ることであるならば、殆どのエネルギーをこれらの周波数に向け得る。
【0020】
これらの実施態様において、装置は、フット部分が正に「音カップリング」モードで使用されることを構築するための手段を有する。それを行うための幾つかの簡単な手段は、スイッチ又は使用者が装置をこのモードに設定する動作であろうし、或いは、極めて簡単に、音レベル自体の比較(元の音対記録された音)が引き金となり得る。
【0021】
本発明は、請求項10に定められるようなフット部分にも関する。
【0022】
本発明のこれらの及び他の目的は、以下に記載される実施態様を参照して明瞭に解明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図面は原寸で描写されていない。一般的に、図面中、同一の構成素子は、同一の参照番号によって指し示されている。
【0024】
図1A及び1Bは、既知の装置を例証している。図1Aでは、ラウドスピーカ3は、装置1のディスプレイパネル2の側方に位置している。ディスプレイパネルは、フット部分4の上に置かれ、テーブル5の上に位置している。図1Bでは、ラウドスピーカは、別体のラウドスピーカ3aである。問題が両方の種類の既知の装置で直面される。
【0025】
デスクトップPC環境における(図1B中のラウドスピーカ3aのような)ラウドスピーカは、一般的に、比較的大きなフットプリント領域を占める。従って、ラウドスピーカは、頻繁に、モニタ筐体自体に、一般的には、モニタの両側に一体化される。現代の薄く細い設計のLCDパネルラウドスピーカにおいて、モニタ筐体内への一体化はより面倒であり、即ち、極めて薄い内蔵ラウドスピーカが必要とされる。これは極めて可能であるが、分散モードラウドスピーカ(DML)を利用する傾向がある。
【0026】
しかしながら、薄く細い(LC)ディスプレイの両側の(図1A中のDML3のような)大領域DMLの存在は、これらのディスプレイの特性及び美しさに寄与しない。その上、100Hzの周波数未満の構造モデルは実現が極めて困難なので、DMLを使用することでは、(サブ)ウーファによって生成される低周波数を発生し得ない。よって、DMLのより低い周波数範囲は、しばしば約200〜250Hzに限定される。
【0027】
音響短絡を回避するために、極めて低い周波数は、普通、ボックス内に封入された空気の大容量の移動と共に、大きな表面領域反射を必要とする。
【0028】
図2は、本発明に従った装置を概略的に例証している。装置(1)は、ディスプレイパネル(2)及びフット部分(4)を機械的に結合するための機械的カップリング手段(4b)を備えた1つの端部(4a)を有するフット部分(4)を含み、そのフット部分は、機械的カップリング手段(4b)を備える端部(4a)と反対の端部(4c)にある音響カップラ(7)に結合される音発生手段(6)を備え、音発生手段(6)は、1つ又はそれ以上の音響デカップラ(8)を介してフット部分(4)に結合され、フット部分(4)は、機械的カップリング手段(4b)を備える端部(4a)と反対の端部(4c)に音響デカップラ(8)を備える。
【0029】
日常用語では、端部4aは、おそらく上方側又は上側と呼ばれ、端部4cは、底側、或いは、単に底と呼ばれるであろう。フット部分は、モニタ(LCD又は他の種類のモニタ)が置かれる台であり得る。その場合には、機械的カップリング手段は、クランプ又はスイベルであり得る。機械的カップリング手段は、ディスプレイパネル及びフット部分を互いに付着するが、実施態様において、可逆カップリング手段でもあり得る、即ち、それらはディスプレイパネル及びフット部分が組み立てられ且つ分解されるのを可能にする。装置がラップトップであるならば、フット部分はラップトップの底部分でもあり得る。その場合には、カップリング手段は、ラップトップ装置の底部分とディスプレイ部分との間の蝶番であり或いは蝶番を含む。音響デカップラは、例えば、天然若しくは合成材料のゴム若しくはゴム性材料又はフェルト脚のような音響ダンパである。音響カップラは、音発生手段6によって生成される音波を装置が載せられている物体に伝える。
【0030】
本発明は、大きな剛的な物体、例えば、テーブルトップをより小さな励振器を用いて振動することが可能であるので、もし十分な音響カップリングが保証されるならば、それは装置に起源する音よりも大きな音を生成するという認識に基づいている。励振されるべき物体及び音響カップリングの特性に依存して、おそらく励振器と比べられるときにテーブルのより一層大きな表面領域の故に、より大きな物体は、励振器のみに比べ、より大きく且つより豊かな音の強さを有し得る。よって、テーブルは励振器自体よりも一層小さな励振振幅を有するにも拘わらず、低周波数音さえも生成し得る。これを達成するために、十分に大きな正の音響カップリングが、音発生手段とより大きな物体との間に構築されなければならない。本出願において、この現象は、共振動及び/又は共励振という用語によっても表示される。モニタフット部分内の音発生手段は、(音響デカップラを介して)モニタから音響的に分離され、音響カップラを介してモニタフットが配置される物体に結合される。
【0031】
本発明の目的は、音発生手段、例えば、1つ又はそれ以上の励振器を(LCD)モニタ/ラップトップのフット部分内に一体化することによって達成される。明瞭に、これはディスプレイパネル又は装置全体によって占められるフットプリント領域を増大しないが、それは可聴(ステレオ)音の発生を低周波数でさえ可能にする。励振器又は複数の励振器の偏向は、より大きな表面とフット部分内の音発生装置(励振器)との間に存在する音響カップラ、例えば、機械的アダプタを用いて、テーブル内に結合される。よって、モニタフット/ラップトップフット部分は、励振されるべき物体によって増強される低周波音をもたらし得る。より高周波音は、中周波及び高周波の双方の範囲内において、フットによって、或いは、如何なる他の既知の手段によってもたらされ得る。
【0032】
ドライバは、モニタフット/ラップトップを、デスクトップ、PCケーシング、又は、モニタフットを保持するのに十分な大きさの如何なる他の物体の上に配置することによって簡単に活性化される。次に、(LC)ディスプレイパネル/ラップトップ自体の振動を阻止するために、ディスプレイパネル自体は励振器から分離される。音発生手段とフット部分の残部との間、或いは、フット部分とディスプレイパネルとの間に音響デカップラを設けることによって、音発生手段及びディスプレイの音響デカップリングを実現し得る。
【0033】
音響カップラの使用は、フットプリント領域を増大せずに、低周波数で音の強さの極めて大幅な増大、即ち、10、15dBより上、20dBより上さえもの増大をもたらす。装置をテーブル上に配置することによって音の増大を容易に測定可能であり、音の強さを測定し、次に、装置が空中にあるときに(或いは、例えば、厚いフェルトパッド上にあるときに)同一のことを行い、よって、フット部分とテーブルとの間の音響カップリングを解消し得る。
【0034】
添付図面は、幾つかの好適実施態様を例証している。
【0035】
フット部分が表面と接触しないときに、音響カップラがフット自体の正接平面を僅かに越えて延びるよう、音発生手段は、好ましくは、フット部分内に可撓に配置される。
【0036】
フット部分が表面上に位置付けられるとき、音響カップラは表面と接触し、音発生手段とフット部分との間の接続の可撓性の故に、フット部分自体を持ち上げずに、表面に対して押圧される。良好な機械的接触、故に、良好な音響カップリングが可能である。この実施態様の実施例は、図3中に概略的に例証されており、点線はフットの正接平面を指し示している。
【0037】
図4中に一例として概略的に示される他の好適実施態様において、音響カップラは、通常位置において、フット部分の外形線内に引っ込められ、フット部分は、音響カップラを介して音発生手段を、或いは、音響カップラ自体を静止表面に対して押し込むための手段を含む。音響カップラをフット部分の外形線内に引っ込めることは、音響カップラ及び/又は音発生手段に損傷を及ぼす機会を減少する。しかしながら、音響カップラがフット部分の外形線内に引っ込められるとき、表面との接触は困難になる。音響カップラを静止面に対して直接的に或いは音発生手段を介して押し込む(図4中に力Fによって概略的に指し示されている)ための活性化手段の提供は、良好な音の再生を可能にする。そのような手段は、励振器及び音響カップラをテーブルトップに対して押し込むために内側に押し込まれ得る楔、切り替えられるレバー、又は、力を作用させるコイル活性化された磁石のような電気機械的手段のような簡単な機械的手段であり得る。
【0038】
好適実施態様において、装置は、フット部分を支持物体上に押し付ける手段を有する。この機能は2つの効果を有する。即ち、ディスプレイはテーブル上にある力で押圧され、固定位置を保証し、それはカップラ7を介して良好な機械的接触を構築することに役立ち、その結果、良好な音響カップリングを有む。1つの実施態様において、そのような手段は、例えば、1つ又はそれ以上の吸引カップによって形成される。冷蔵庫ドアの縁部と類似する構造を用い得る。そのような実施態様において、好ましくは平面的な表面を備える非水平物体を、音の増大のために用い得る。吸引装置の提供は、装置が配置され得る物体及び位置の数を増大し、よって、概ね、使用の容易性を強化し、且つ、音の強さの最大可能な増大に寄与する。図5では、これは灰色部分8aによって概略的に指し示されている。
【0039】
図6は、本発明に従ったラップトップを例証している。ディスプレイパネルとラップトップのキーボードを含むフット部分とを結合するための機械的カップリング手段は、使用者がラップトップを開閉し得る蝶番によって形成されている。
【0040】
好適実施態様において、装置は、音記録素子を備え、登録された音と放射された音信号との間の比較を行うための手段を含む。
【0041】
本発明者は、フット部分が他の物体に音響的に結合されるとき、元の音を記録された音信号と比較することによって音再生の品質を向上するために、音記録手段を用い得ることに気付いた。1つの実施態様において、記録された音は、周波数に亘って信号をディスプレイに再分配するために、元の音と比較される。音の周波数分布を、例えば、以下のために用い得る。
● より自然な音を得る。音発生手段の音波は、例えば、テーブルトップに結合される。音の強さを増大する以外に、ある周波数での強さを他の周波数でよりも大きな程度増大することによって、このカップリングは音も変更し得る。強さの周波数再分配によって、これを相殺し得る。装置自体がもたらし得るよりも良好で自然な音を得るためにさえも、それを用い得る。
● 最大の音の強さを得る。記録された音と放射された音との比較は、音増大効果が最も顕著である周波数を構築する可能性をもたらす。もし目的が最大音レベルを得ることであるならば、殆どのエネルギーをこれらの周波数に向け得る。
【0042】
これらの実施態様において、装置は、好ましくは、フット部分が「音カップリング」モードにおいて正に用いられることを達成するための手段を有する。それを行うための幾つかの簡単な手段は、スイッチ又は使用者が装置をこのモードに設定する動作であり、或いは、極めて単純に、音レベル自体の比較(元の音対記録された音)が引き金になり得る。
【0043】
図7は、記載された好適実施態様に従った装置の実施例を例証している。特定の周波数は他よりも増幅されるので、振動素子は、音の周波数分配を変更し得る。図7は、生成される音を記録する音記録手段を含む装置を例証している。この音は、比較器C内で、元の音(時間差を計上するために、時間が僅かに遅延される)と比較される。測定された強さの相違、及び、例えば、強さの周波数分配は、増幅器Aに戻って供給され、勿論、測定確度内で、記録された音が元の信号と結局対応するか、或いは、少なくとも元の信号に接近するように、音発生手段への信号を変更する。
【0044】
幾つかの方法で比較を有利に用い得る。1つの実施態様において、信号を周波数に亘ってディスプレイに再分配するために、記録された音は元の音と比較される。音の周波数再分配(等化)を、例えば、以下のために用い得る。
− より自然な音を得る。音の強さを増大する以外に、共振動物体(例えば、テーブルトップ)は、ある周波数での強さを他の周波数でよりも大きな程度増大することによって、音も変更し得る。強さの周波数再分配によって、これを相殺し得る。装置自体がもたらし得るよりも良好で自然な音を得るためにさえも、それを用い得る。例えば、そのような装置は、1kHz未満の極めて限定的な音再生能力のみを有し得る。実験は、周波数スペクトルに亘って大幅な音増大が得られることを示した。これは全ての周波数でより高音量の音の可能性をもたらすが、より自然な音を得るために、より低い周波数で音を選択的に増大することもできる。その場合には、全体的な音増大は、最大未満であるが、音はより自然である。事実、自然な音は、同一の全体的な音の強さでさえ、区別するのが容易である。
【0045】
その場合には、フィードバックループは、等化器として働く。装置が空中で用いられるとき、空中での装置の音の強さは、より低い周波数で鋭く落下する。本発明に従った装置は、低い周波数で音の強さを増大し、入力信号とマイクロホンによって記録される信号との比較は、(少なくとも周波数の範囲内で)音の強さの等化を可能にする。
【0046】
図8は、音強度が測定可能である方法を概略的に示している。装置は、そのフット部分がテーブル上にあり、音響カップリング手段がテーブルに接触した状態で、且つ、もし装置が吸引カップを有するならば、吸引作用を備えて、正しい向きでテーブル81上に位置付けられている。
【0047】
好適実施態様では、加振機が電力有効共振器として作用し、主として1つの周波数(例えば、30〜200Hz、好ましくは、例えば、50〜100Hz)を生成する。他の実施態様では、2つ又はそれ以上のスクイータ(即ち、中音域周波数も生成し得るツイータ)が、フット又はディスプレイのリムに一体化されている。他の実施態様では、フット内の音発生手段は、より広い周波数範囲(例えば、70〜800Hz)を生成する。良好なステレオ幅を備える澄んだ音を提供するよう、モニタのリムに継目なしに一体化し得る多数の極めて小さなツイータ(例えば、10mmの直径を有する2つのツイータ)によって、より高い音周波数(フットの作動周波数(複数周波数)より上)を好適実施態様において生成し得る。そのようなディスプレイ装置は好適実施態様の一例であり、フット部分内の音発生手段が、第一周波数、複数周波数、又は、周波数範囲で音を発生するよう配置され、ディスプレイ部分は、第二周波数範囲で音を発生するための音発生手段を有し、第一周波数範囲は第二周波数範囲の下にある。
【0048】
1m距離での音レベルは、フット内の加振機の作動周波数で測定される。フットは取り除かれ、羊毛布上に配置されるか或いは空中に懸架される。勿論、同一の信号を用いて、音レベルが再び測定される。もし音レベル増大が、好ましくは全ての周波数に関して、フット内の音発生手段(加振機)の1つ又はそれ以上の作動周波数のために6bBより上であるならば、装置は請求項の範囲内である。もしそうでないならば、それは請求項の範囲を越えている。増大は少なくとも10dB、より好ましくは、少なくとも15dB、最も好ましくは、少なくとも20dBである。テーブルは、18mmの厚さを備える90×180cmの木製(合板)テーブルトップを有する。これはほぼオフィス内の標準的なテーブルトップに対応する。
【0049】
標準試験では、18mmの合板テーブルトップ及び90×180cmの静を有するテーブルが用いられた。しかしながら、これはベンチマークを構築する目的のためであるに過ぎない。実験は、例えば、14mm合板及び160×80cmのサイズのテーブル、又は、鋼テーブルトップ及びサイズ100×200mmが用いられたときに、極めて類似の結果が得られることを示した。
【0050】
参照のフレームを構築するために、指定測定値を備える合板テーブルの規格が用いられた。他の種類のテーブルトップの値はおおよそ類似する。
【0051】
本発明の着想内で、装置は、フット部分がテーブル又は他の振動物体上に位置付けられるときに、テーブルが振動するように作成されることが付記される。ある程度、そのような効果は常に生じる。しかしながら、各ラウドスピーカボックスは、通常、そのような効果を可能な限り最小限化するよう作成される、換言すれば、共励振は、可能な限り中和され或いは最小限化される。従来的な設計では、ラウドスピーカは、普通、実際上、極めて良好な振動ダンパを含む、或いは、極めて良好な制動ダンパとして作用する外被内に懸架されているので、ラウドスピーカは、テーブルと接触しないか、或いは、殆ど接触しない。対称的に、共励振器の効果は、本発明の一体的部分である。当業者によって容易に遂行され得る上述の測定は、本発明に従った装置をその範囲を超える装置と区別する。
【0052】
請求項を参照すると、一組の請求項によって定められる様々な特徴的機能は、組み合わせで生じ得ることが留意されるべきである。
【0053】
要約すると、本発明を以下のように記載し得る。
【0054】
ディスプレイ装置は、音発生手段と、ディスプレイスクリーンを備えるモニタディスプレイパネルとを有する。それはフット部分(4)を含み、フット部分は、ディスプレイパネル(2)及びフット部分(4)を機械的に結合するための機械的カップリング手段(4b)を備える。フット部分は、音発生手段(6)を備える。音発生手段は、フット部分の底で音響カップラ(7)に結合され、且つ、1つ又はそれ以上の音響デカップラ(8)を介してフット部分(4)自体に結合される。フット部分は、モニタカップリング手段(4b)を備える端部(4a)と反対の端部(4c)に音響デカップラ(8)を備える。
【0055】
音響カップラを介して、フット(加振機)内の音発生手段は、テーブル上に配置されるときに、テーブルを励振する。これは音レベルを大幅に増大する。音響デカップラは、音発生手段(及びテーブル自体)によって生成される振動がディスプレイパネルに伝達されるのを阻止する。ディスプレイパネルは、例えば、CRT又はLCDディスプレイパネルであれ、ディスプレイパネル上の画像の品質を低減する振動に敏感である。
【0056】
本発明の範囲内で多くの変形が可能であることが明らかである。本発明は上記に具体的に示され且つ記載されたものに限定されないことが当業者によって理解されよう。本発明は、あらゆる新規な特徴的機能及びあらゆる特徴的機能の組み合わせに存する。請求項内の参照番号は、それらの保護範囲を限定しない。「含む」という動詞及びその活用形の使用は、請求項中に述べられている素子以外の素子の存在を排除しない。素子に先行する不定冠詞の使用は、そのような素子が複数存在することを排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】Aは、既知の装置を示す概略図であり、Bは、既知の装置を示す概略図である。
【図2】本発明に従った装置を示す概略図である。
【図3】本発明に従った装置の実施態様を示す概略図である。
【図4】本発明に従った装置の実施態様を示す概略図である。
【図5】本発明に従った装置のさらなる実施態様を示す概略図である。
【図6】本発明に従ったラップトップを示す概略図である。
【図7】音記録手段を有する装置を示す概略図である。
【図8】音響カップリングによる音増強を測定するための実験構成を示す概略図である。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
音発生手段と、ディスプレイスクリーンを備えるモニタディスプレイパネルとを有するディスプレイ装置であって、
当該ディスプレイ装置は、フット部分を含み、
該フット部分は、前記モニタディスプレイパネル及び前記フット部分を機械的に結合するための機械的カップリング手段を備える1つの端部を有し、
前記フット部分は、音発生手段を備え、該音発生手段は、前記機械的カップリング手段を備える前記端部と反対側の端部で、音響カップラに結合され、
前記音発生手段は、1つ又はそれ以上の音響デカップラを介して前記フット部分に結合され、
前記フット部分は、前記機械的カップリング手段と反対側の前記端部に、前記音響デカップラを備える、
ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記音発生手段は、前記フット部分内に可撓に配置され、前記音響カップラは、前記フット部自体の正接平面を僅かに越えて延びる、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
通常位置において、前記音響カップラは、前記フット部の外形線の内側に引っ込められ、前記フット部分は、前記音響カップラを介して前記音発生手段を押し、或いは、前記音響カップラ自体を静止表面に対して押すための手段を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記フット部分を支持物体の上に押し付けるための手段を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記押し付けるための手段は、吸引カップによって形成される、請求項4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記押し付けるための手段は、永久磁石を含む、請求項4に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
音記録素子を備え、登録された音と放射された音信号との間の比較を行うための手段を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記フット部内の前記音発生手段は、第一の周波数、複数周波数、又は、周波数範囲で音を発生するようよう構成され、前記ディスプレイ部分は、第二の周波数範囲の内側で音を発生するための音発生手段を有し、前記第一の周波数範囲は、前記第二の周波数範囲の下にある、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第一の周波数又は周波数範囲は、800Hz未満である、請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
上記請求項のうちいずれか1項に記載された前記フット部分の全ての機能を提示し、よって、上記請求項のうちいずれか1項に記載された前記ディスプレイ装置内での使用のために構成され且つ明らかに意図される、フット部分。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−526688(P2007−526688A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553724(P2006−553724)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050473
【国際公開番号】WO2005/083550
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】