説明

音量抑制システムおよび携帯端末装置

【課題】横断歩道の領域に合わせて音量を低下させることができる音量抑制システムおよび携帯端末装置を提供する。
【解決手段】音量抑制システムにおいて、複数の横断歩道RFIDタグ21,22および携帯端末装置10を備え、横断歩道RFIDタグの各々は、横断歩道C1における渡り始めおよび渡り終わりの両端それぞれに設置され、両端の少なくとも相互判別が可能な端判別情報A,Bを無線送信し、携帯端末装置10は耳に装着される音声発生部101と、音声発生部に音声信号を入力する音声信号入力部112と、通信部111と、通信部を介して横断歩道RFIDタグ21から端判別情報Aを取得する端判別情報取得部116と、端判別情報が取得された場合に音声の音量を抑制し、逆の端に設置されている横断歩道RFIDタグ22から端判別情報Bが端判別情報取得部によって取得されるまで音量抑制を維持する音量抑制部116とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音量抑制システムおよび携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表される携帯端末装置には、音楽再生機能を備えたタイプのものがあり、携帯端末装置を携帯するユーザは、ヘッドホンやイヤホンを耳に装着し、屋外でも音楽を楽しむことができる。しかし、ユーザがヘッドホン等で音楽を聴きながら屋外を歩くとき、横断歩道も音楽を聴きながら渡ってしまう場合があり、この場合に再生の音量を抑え、接近する自動車の音やクラクションの音を聞こえやすくすることが望まれている。
【0003】
音量を制御するシステムとして、例えば、ユーザが携帯端末機器を用いてテレビ放送を視聴するためのシステムにおいて、この携帯端末機器が全地球測位システム(GPS)衛星からの電波によって位置を判断し、公共の場にあるときには音量を抑止するといったシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−254012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このシステムでは、GPSの情報によって大まかな位置を判断するので、横断歩道だけでなく周辺の領域を含む広い領域で音量が抑止されてしまう。
【0005】
上記事情に鑑み、本明細書に記載する実施形態は、横断歩道の領域に合わせて音量を低下させることができる音量抑制システムおよび携帯端末装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載する音量抑制システムの基本形態は、
横断歩道における渡り始めおよび渡り終わりの両端それぞれに少なくとも1つずつ設置された、上記両端の少なくとも相互判別が可能な端判別情報を各々が無線送信する複数の横断歩道RFID(Radio Frequency IDentification)タグ;および
音声信号が入力されて音声を発する、耳に装着される音声発生部と、
上記音声発生部に音声信号を入力する音声信号入力部と、
RFIDタグと無線通信する通信部と、
上記通信部を介して上記横断歩道RFIDタグから上記端判別情報を取得する端判別情報取得部と、
上記端判別情報取得部によって上記端判別情報が取得された場合に上記音声の音量を抑制し、上記横断歩道の両端のうちその端判別情報が取得された横断歩道RFIDタグが設置されている端とは逆の端に設置されている横断歩道RFIDタグから端判別情報が上記端判別情報取得部によって取得されるまで音量抑制を維持する音量抑制部とを備えた携帯端末装置;
を備えている。
【0007】
また、本明細書に記載する携帯端末装置の基本形態は、音声信号が入力されて音声を発する、耳に装着される音声発生部と、
上記音声発生部に音声信号を入力する音声信号入力部と、
RFIDタグと無線通信する通信部と、
横断歩道における渡り始めおよび渡り終わりの両端それぞれに少なくとも1つずつ設置された、上記両端の少なくとも相互判別が可能な端判別情報を各々が無線送信する複数の横断歩道RFIDタグから上記通信部を介して上記端判別情報を取得する端判別情報取得部と、
上記端判別情報取得部によって上記端判別情報が取得された場合に上記音声の音量を抑制し、上記横断歩道の両端のうちその端判別情報が取得された横断歩道RFIDタグが設置されている端とは逆の端に設置されている横断歩道RFIDタグから端判別情報が上記端判別情報取得部によって取得されるまで音量抑制を維持する音量抑制部とを備えている。
【0008】
上記音量抑制システムおよび携帯端末装置の基本形態によれば、横断歩道の両端のうち一方の端に設置された横断歩道RFIDタグから端判別情報を取得すると音量を抑制し、他方の端に設置された横断歩道RFIDタグから端判別情報を取得するまで音量の抑制が維持されるので、横断歩道の領域に合わせて音楽の音量が低下する。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、開示の音量抑制システムおよび携帯端末装置によれば、横断歩道の領域に合わせて音量を低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
上記説明した音量抑制システムおよび携帯端末装置に対する具体的な実施形態を、以下図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、音量抑制システムの具体的な一実施形態を示す概観図である。
【0012】
図1に示す音量抑制システム1は、交差点の各所に配置されたRFIDタグ21,22,23,31,32,33,34,35,36,37,38,39と、ユーザに携帯される携帯電話10とを有している。ここで、携帯電話10は、上述した基本形態における携帯端末装置の一例に相当する。
【0013】
RFIDタグ21〜39のそれぞれは、携帯電話10が近接するとこの携帯電話10と無線で通信し、内部に記憶された情報を携帯電話10に送信するように構成されている。図1には、RFIDタグ21〜39のそれぞれが携帯電話10と通信可能な範囲が一点鎖線で示されている。RFIDタグ21〜39の詳細な構成については後述する。
【0014】
図1に示す交差点には、第1の横断歩道C1、第2の横断歩道C2、および第3の横断歩道C3が設けられている。RFIDタグ21〜39のうち第1のRFIDタグ21および第2のRFIDタグ22は、第1の横断歩道C1における渡り始めおよび渡り終わりの両端それぞれに1つずつ設置されている。より詳細には、第1のRFIDタグ21および第2のRFIDタグ22は、第1の横断歩道C1の両端に配置された信号機51,52の支柱に取り付けられている。上記第2のRFIDタグ22はまた、第2の横断歩道C2における両端のうち一方の端に設置されており、第2の横断歩道C2における他端には、第3のRFIDタグ23が設置されている。より詳細には、第3のRFIDタグ23は地面に設置されている。また、この第3のRFIDタグ23と第1のRFIDタグ21は、第3の横断歩道C3における両端に設置されている。
【0015】
また、RFIDタグ21〜39のうち、上記3つのRFIDタグ21,22,23を除く他のRFIDタグ31〜39は、上記横断歩道C1,C2,C3とは別の場所に設置されている。横断歩道C1,C2,C3とは別の場所に設置されているRFIDタグ31〜39を別RFIDタグ31〜39と称する。別RFIDタグ31〜39は、図1に示す交差点の外に配置されている、
ここで、第1のRFIDタグ21、第2のRFIDタグ22、および第3のRFIDタグ23のそれぞれは、上述した基本形態における横断歩道RFIDタグの一例に相当する。
【0016】
各RFIDタグにはA〜Zのいずれかの値が付与されている。値A〜ZのうちA〜Eは横断歩道、より詳細には横断歩道の端を表し、F〜Zは横断歩道以外を表している。A〜Eのそれぞれは、グループを表していて、同じ値のグループに属するRFIDタグは横断歩道の同じ端に設置されている。図1における各RFIDタグの符号A,B,C,Zは、RFIDタグに記憶された値を表している。第1のRFIDタグ21、第2のRFIDタグ22、および第3のRFIDタグ23に記憶された端判別情報としての値A,B,Cによって横断歩道の両端の相互判別が可能となっている。例えば、第1のRFIDタグ21に記憶された値Aと、第2のRFIDタグ22に記憶された値Bとによって、第1の横断歩道C1の端が相互に判別できる。また、第2のRFIDタグ22に記憶された値Bと、第3のRFIDタグ23に記憶された値Cとによって、第2の横断歩道C2の端が相互に判別できる。また、第3のRFIDタグ23に記憶された値Cと、第1のRFIDタグ21に記憶された値Aとによって、第3の横断歩道C3の端が相互に判別できる。
【0017】
別RFIDタグ31〜39は、交差点の外に配置されており、より詳細には、横断歩道C1,C2,C3、および横断歩道C1,C2,C3の両端を取り囲む領域に配置されている。別RFIDタグ31〜39には区別情報としての値Zが記憶されており、横断歩道の両端に配置された第1のRFIDタグ21、第2のRFIDタグ22、および第3のRFIDタグ23との区別が可能となっている。
【0018】
携帯電話10は、電話機能に加え音楽再生機能を有しており、携帯電話10を携帯する図示しないユーザはヘッドホン101を耳に装着して音楽を聞くことができる。携帯電話10は、ユーザが横断歩道を渡るのに伴い、横断歩道に沿って移動することとなる。
【0019】
図2は、図1に示す交差点音量抑制システムの構成を示すブロック図である。
【0020】
図2には、RFIDタグ21〜39のうち代表として第1のRFIDタグ21の構成が示されているが、図1に示すRFIDタグ21〜39の電気的構成はすべて同じであり、記憶された情報が異なるのみである。また、図2には、通信網60も示されている。
【0021】
携帯電話10は、携帯通信部111、音声処理部112、表示部113、操作部114、記憶部115、制御部116、近距離通信部118、音楽再生部119、歩数計121、およびヘッドホン101を備えている。携帯通信部111、音声処理部112、表示部113、操作部114、記憶部115、制御部116、近距離通信部118、音楽再生部119、および歩数計121は、バス122によって互いに接続されている。ここで、近距離通信部118は、上述した基本形態における通信部の一例に相当し、ヘッドホン101は上述した基本形態における音声発生部の一例に相当する。また、音声処理部112は上述した基本形態における音声信号入力部の一例に相当する。
【0022】
音声処理部112は、マイクロホン103でピックアップされた音声信号を処理するとともに、ユーザに向けて音声を出力するスピーカ102を駆動する音声信号を生成する。また、音声処理部112は、音楽再生部119で生成された再生音楽情報に応じた音声信号も生成する。携帯電話10にヘッドホン101が接続されている場合、音声処理部112は生成した音声信号を、制御部116によって設定された音量でヘッドホン101に入力する。
【0023】
ヘッドホン101は、ユーザの耳に装着されて使用され、音声処理部112から音声信号が入力されて音声を発する。
【0024】
携帯通信部111は、アンテナを介して通信網60と通信することによって、音声処理部112で処理される通話の音声信号の送受信や、音楽情報のダウンロードを行う。ダウンロードされた音楽情報は記憶部115に記憶される。
【0025】
音楽再生部119は、記憶部115に記憶された音楽情報の伸張等の再生処理を行い再生音楽情報を生成し、再生音楽情報を音声処理部112に供給する。携帯通信部111によってダウンロードされ記憶部115に記憶された音楽情報の音楽は、音楽再生部119によって再生処理されて再生音楽情報として音声処理部112に供給され、音声処理部112からヘッドホン101に入力されることによって、ユーザに届く。
【0026】
表示部113は、各種情報を画面に表示する。操作部114は、ユーザによる操作を受け付け、操作に応じた情報を出力する。
【0027】
制御部116は、各種プログラムを実行する機能を有し、携帯電話10全体を制御している。記憶部115は、例えばROM、RAM、および不揮発メモリで構成され、制御部116で実行されることで携帯電話10の動作を制御する各種プログラムやそれら各種プログラムの実行に必要な各種定数、および音楽情報が記憶されている。制御部116は、記憶部115に記憶されたプログラムを記憶部115を作業領域として使いながら実行する。制御部116には、プログラムとして音量抑制プログラムが記憶されている。音量抑制プログラムの詳細については後述する。
【0028】
近距離通信部118は、携帯通信部111に比べ近距離での無線通信を行うブロックであり、RFIDタグ21〜39と無線で通信する。近距離通信部118による無線通信の方式としては、例えば、数メートル〜数十メートルの距離範囲で通信能力を有する方式が採用される。
【0029】
歩数計121は、携帯電話10の振動を測定することによって、ユーザの歩数を計る。
【0030】
通信網60は、携帯電話10の携帯通信部11と無線で通信する基地局61、各種の音楽情報が格納されたサーバ63、および、基地局61とサーバ63とを接続する基地局通信網62を備えている。携帯電話10の制御部116は、携帯通信部111に基地局61と通信をさせることによって、サーバ63から音楽情報をダウンロードし、記憶部115に記憶する。また記憶部115に保存された音量抑制プログラムを実行することによって、音量抑制機能を実現する。
【0031】
RFIDタグ21は例えばタグ状の形態を有しており、通信部211、制御部212、および記憶部213を備えている。通信部211は、アンテナ211aを介して携帯電話10の近距離通信部118と近距離での無線通信を行う。通信可能な距離は数メートルであり、通信可能範囲はアンテナ211aの向きによって調整することができる。制御部212は、各種プログラムを実行する機能を有し、RFIDタグ21を制御している。記憶部213は、例えばROM、RAM、および不揮発メモリで構成され、制御部212で実行される各種プログラムやそれら各種プログラムの実行に必要な各種定数、変数が記憶されている。また、記憶部213には端判別情報A,B,Cおよび区別情報Zのいずれかの情報が記憶されている。第1のRFIDタグ21の記憶部213には端判別情報Aが記憶され、第2のRFIDタグ22の記憶部には端判別情報Bが記憶され、第3のRFIDタグ22の記憶部には端判別情報Cが記憶され、別RFIDタグ31〜39の記憶部には、区別情報Zが記憶されている。
【0032】
RFIDタグ21の通信部211は、図1に一点鎖線で示す可能範囲に携帯電話10が入ると通信可能となる。制御部212は、通信部221が通信可能状態になると、記憶部213に記憶された情報を携帯電話10に送信する。このようにして、携帯電話10は、その位置に応じてRFIDタグ21〜39から端判別情報を受信する。
【0033】
図3は、図2に示す携帯電話における音声抑制処理を説明するフローチャートである。
【0034】
図2に示す音声抑制処理は繰り返し実行される。音声抑制処理において、制御部116は、近距離通信部118がRFIDタグから情報を受信したか否かを判定する(ステップS11)。RFIDタグから情報を受信するまでこのステップS11の処理を繰り返す(ステップS11でNo)。
【0035】
ユーザに携帯されヘッドホン101から音声を出力している携帯電話10は、例えば図1に示す、第1の横断歩道C1の一方の端に来ると、第1の横断歩道C1の一方の端に設置された第1のRFIDタグ21の通信可能範囲に入る。これにより、近距離通信部118が第1のRFIDタグ21から端判別情報Aを受信する。制御部116は、上記ステップS11でRFIDタグから情報を受信した場合(ステップS11でYes)、交差点識別判定を行う(ステップS12)。より詳細には、制御部116は、近距離通信部118で受信した情報が、別RFIDタグからの区別情報Zである場合には(S12で交差点外)交差点外、つまりユーザが横断歩道の端にいないとみなして、後述するステップS24の処理を行う。この一方、近距離通信部118で受信した情報が、A〜Eのいずれかの端判別情報である場合には(S12で交差点内)、ユーザが横断歩道の端にいるとして、受信した端判別情報を横断開始情報として記憶部115に記憶する(ステップS13)。例えば、図1に示す位置では、第1のRFIDタグ21から受信した端判別情報Aが記憶部115に記憶される。この後、制御部116は、歩数計121の値を、2秒あけて(ステップS15)2回読込み(ステップS14、S16)、読み込んだ歩数計の値の差分を計算する(ステップS17)。計算した差分が2歩未満の場合には(S18で’2歩未満’)、ユーザがまだ横断歩道を渡り始めていないとして上記ステップS14からステップS18までの処理が繰り返される。この一方、差分が2歩以上の場合には(S18で’2歩以上’)、歩行が検知された、すなわちユーザが横断歩道を渡り始めたとして、制御部116が、音楽再生部119に再生する音声の音量抑制を開始する(ステップS19)。図3に示す例では、音楽再生部119で再生される音量は抑止される、すなわちレベル0になる。また、制御部116は表示部113に「横断抑止中」の文字を表示させ、音量の抑制が横断歩道を渡っていることにより実施されていることをユーザに通知する(ステップS20)。このようにして、端判別情報が取得された場合に音声の音量が抑制される。また、歩行の検知により音量の抑制が開始するので、ユーザは、信号待ちの間は、抑制されない音量で音楽を聞くことができる。
【0036】
この後、制御部116は、近距離通信部118がRFIDタグから情報を受信したか否かを判定する(ステップS22)。上記ステップS22でRFIDタグから情報を受信した場合(ステップS22でYes)、制御部116は、交差点識別判定を行う(ステップS23)。このステップでは、近距離通信部118で受信した情報が、別RFIDタグからの区別情報である場合には(S22で交差点外)、交差点外、つまり横断歩道の端にユーザがいないとみなして、後述するステップS24の処理に移る。この一方、近距離通信部118で受信した情報が、第1のRFIDタグ21、第2のRFIDタグ22、および第3のRFIDタグ23のいずれかからの端判別情報である場合(S22で交差点内)、制御部116は、端判別を行う(ステップS23)。具体的には、上記ステップS21で得られた端判別情報と上記ステップS13で記録した端判別情報とを比較する。例えば、携帯電話10を携帯するユーザが、第1の横断歩道C1を渡りきると、携帯電話10は、第1の横断歩道C1の他方の端に設置された第2のRFIDタグ22の通信可能範囲に入り、近距離通信部118が第1のRFIDタグ22から端判別情報Bを受信する。この結果、ステップS23では、ステップS21で得られた第2のRFIDタグ22の端判別情報Bと、上記ステップS13で記録した第1のRFIDタグ21の端判別情報Aとが異なることとなる。この場合、制御部116は音楽再生部119に再生する音声の音量抑制を解除させる(ステップS14)。この結果、ユーザが横断歩道を渡りきると、ヘッドホン101から出力される音声のレベルが横断開始前の状態に復帰する。
【0037】
ここで、上記ステップS12およびステップS21のRFIDタグ情報受信処理を実行する制御部116が、上述した基本形態における音声発生部の一例に相当し、音楽再生部119は上述した基本形態における端判別情報取得部の一例に相当し、上記ステップS19およびステップS23のRFIDタグ情報受信処理を実行する制御部116が、上述した基本形態における音声発生部の一例に相当し、音楽再生部119は上述した基本形態における音量抑制部の一例に相当する。また、上記ステップS14からステップS18までの処理を実行する制御部116および歩数計121の組合せが、上述した基本形態における歩行検知部の一例に相当する。また、上記ステップS12およびステップS22の処理を実行する制御部116が、上述した基本形態における区別情報取得部の一例に相当する。
【0038】
このようにして、第1の横断歩道C1の両端のうち一方の端に設置された第1のRFIDタグ21から端判別情報Aを取得すると音量が抑制され、他方の端に設置された第2のRFIDタグ22から端判別情報Bを取得するまで音量の抑制が維持される。したがって、音量の低下が、第1の横断歩道の領域に合わせられる。
【0039】
また、上述したステップS12およびステップS22における交差点識別判定の結果、近距離通信部118で受信した情報が、別RFIDタグからの区別情報Zである場合には、交差点外、つまりユーザが横断歩道の端にいないとみなして、音量抑制が解除される(ステップS24)。例えば、ユーザが横断歩道脇の歩道を歩いている途中で、横断歩道の端を通過することにより、第1のRFIDタグ21から端判別情報Aを受信した場合でも、別RFIDタグからの区別情報Zを受信することにより、音量抑制が維持されることなく解放される。
【0040】
なお、具体的な各実施形態に対する上記説明では、「課題を解決するための手段」で説明した基本形態における携帯端末装置の一例として携帯電話が示されているが、この携帯端末装置は、携帯電話以外にも携帯音楽再生装置であってもよく、あるいは携帯型情報処理装置であってもよい。
【0041】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、「課題を解決するための手段」で説明した基本形態における音声信号入力部の一例として音楽再生部が示されているが、この音声信号入力部は、音楽再生部以外にもラジオやテレビの音声を再生する機能ブロックであってもよく、あるいは通話音を入力する機能ブロックであってもよい。
【0042】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、「課題を解決するための手段」で説明した基本形態における音量の抑制の一例として音量を抑止する処理が示されているが、この音量の抑制は、音量を抑止する処理以外にも音量を低下させる処理であってもよい。
【0043】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、「課題を解決するための手段」で説明した基本形態における音声発生部の一例としてヘッドホンが示されているが、この音声発生部は、ヘッドホン以外にもイヤホンであってもよい。
【0044】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、「課題を解決するための手段」で説明した基本形態における「音声の音量を抑制する」音量抑制部の一例として携帯端末の本体に内蔵された制御部116が示されているが、この音量抑制部は、例えば、ヘッドホンに内蔵されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】音量抑制システムの具体的な一実施形態を示す概観図である。
【図2】図1に示す交差点音量抑制システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す携帯電話における音声抑制処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 音量抑制システム
10 携帯電話(携帯端末装置)
11 携帯通信部
101 ヘッドホン(音声発生部)
111 携帯通信部
112 音声処理部(音声信号入力部)
115 記憶部
116 制御部(端判別情報取得部、音量抑制部、歩行検知部、区別情報取得部)
118 近距離通信部(通信部)
119 音楽再生部
121 歩数計(制御部と合わせて歩行検知部)
A,B,C 端判別情報
C1,C2,C3 横断歩道
21〜22 RFIDタグ(横断歩道RFIDタグ)
31〜39 別RFIDタグ
Z 区別情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断歩道における渡り始めおよび渡り終わりの両端それぞれに少なくとも1つずつ設置された、前記両端の少なくとも相互判別が可能な端判別情報を各々が無線送信する複数の横断歩道RFIDタグ;および
音声信号が入力されて音声を発する、耳に装着される音声発生部と、
前記音声発生部に音声信号を入力する音声信号入力部と、
RFIDタグと無線通信する通信部と、
前記通信部を介して前記横断歩道RFIDタグから前記端判別情報を取得する端判別情報取得部と、
前記端判別情報取得部によって前記端判別情報が取得された場合に前記音声の音量を抑制し、前記横断歩道の両端のうちその端判別情報が取得された横断歩道RFIDタグが設置されている端とは逆の端に設置されている横断歩道RFIDタグから端判別情報が前記端判別情報取得部によって取得されるまで音量抑制を維持する音量抑制部とを備えた携帯端末装置;
を備えたことを特徴とする音量抑制システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置が、この携帯端末装置の携帯者の歩行を検知する歩行検知部を備えたものであり、
前記音量抑制部は、前記端判別情報取得部によって前記端判別情報が取得された場合に、前記歩行検知部によって歩行が検知されたことを契機として前記音声の音量抑制を開始するものであることを特徴とする請求項1記載の音量抑制システム。
【請求項3】
この音量抑制システムが、前記横断歩道とは別の場所に設置された、前記複数の横断歩道RFIDタグとの少なくとも区別が可能な区別情報を無線送信する別RFIDタグを備えたものであり、
前記携帯端末装置が、前記通信部を介して前記別RFIDタグから前記区別情報を取得する区別情報取得部を備えたものであり、
前記音量抑制部が、音量抑制を維持している期間中に前記区別情報取得部によって前記区別情報が取得されると、前記逆の端に設置されている横断歩道RFIDタグから端判別情報が前記端判別情報取得部によって取得されるのを待たずに音量抑制を解除するものであることを特徴とする請求項1または2記載の音量抑制システム。
【請求項4】
音声信号が入力されて音声を発する、耳に装着される音声発生部と、
前記音声発生部に音声信号を入力する音声信号入力部と、
RFIDタグと無線通信する通信部と、
横断歩道における渡り始めおよび渡り終わりの両端それぞれに少なくとも1つずつ設置された、前記両端のどちらに設置されているかが少なくとも判別可能な端判別情報を各々が無線送信する複数の横断歩道RFIDタグから前記通信部を介して前記端判別情報を取得する端判別情報取得部と、
前記端判別情報取得部によって前記端判別情報が取得された場合に前記音声の音量を抑制し、前記横断歩道の両端のうちその端判別情報が取得された横断歩道RFIDタグが設置されている端とは逆の端に設置されている横断歩道RFIDタグから端判別情報が前記端判別情報取得部によって取得されるまで音量抑制を維持する音量抑制部とを備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
この携帯端末装置の携帯者の歩行を検知する歩行検知部を更に備え、
前記音量抑制部は、前記端判別情報取得部によって前記端判別情報が取得された場合に、前記歩行検知部によって歩行が検知されたことを契機として前記音声の音量抑制を開始するものであることを特徴とする請求項4記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記横断歩道とは別の場所に設置された、前記複数の横断歩道RFIDタグとの少なくとも区別が可能な区別情報を無線送信する別RFIDタグから前記通信部を介して前記区別情報を取得する区別情報取得部を備え、
前記音量抑制部が、音量抑制を維持している期間中に前記区別情報取得部によって前記区別情報が取得されると、前記逆の端に設置されている横断歩道RFIDタグから端判別情報が前記端判別情報取得部によって取得されるのを待たずに音量抑制を解除するものであることを特徴とする請求項4または5記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−232104(P2009−232104A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74280(P2008−74280)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】