説明

音響トランスデューサを含む合成器

【課題】音響トランスデューサを含む合成器を提供する。
【解決手段】第1の入力ポートPと第2の入力ポートPにそれぞれ接続された少なくとも1つの第1と第2の素子と、出力ポートPsに接続された第3の素子を含み、電気信号は入出力ポート間で伝播される。合成器は媒体を含み、第1、第2、第3の素子は音響波トランスデューサである。第1と第3のトランスデューサは、一方では出力ポートにおける建設的干渉を生成し、他方ではポートにおける音響波の相殺的干渉により第1と第2の入力ポートを絶縁し(2k+1)λ/4の音響距離だけ離され(kは0以上の整数、λは音響伝播波長)、第2と第3のトランスデューサは(2k’+1)λ/4の音響距離だけ離され(k’は0以上の整数)、第1と第2のトランスデューサは(2k’’+2)λ/4の音響距離だけ分離される(k’’は0以上の整数)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にRF電力の電力合成機能を実行すると同時に、アクセスポート間の高絶縁性を維持することを目的として電気信号の伝搬を利用する電気機械装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの信号の電力を合成するために、このような装置は数百kHz〜数GHzの範囲の周波数で動作し、無線(例えば、RFおよびマイクロ波)送信システムにおいて使用される。例えば、高度な増幅器アーキテクチャは複数の枝路から生じた増幅信号を合成するためにこの種の装置を必要とする。これらは特に、非線形部品を使用する線形増幅器(linear amplifiers using non−linear components:LINC)であってよい。
【0003】
一般的に言えば、合成器は2つ以上の個別信号を単一信号に合成することができる装置である。無線システムとの関連では、RF信号の場合、この装置は図1に概略的に示すように一組の信号を合成することができる。合成器のアーキテクチャに依存するが、入力ポート間を絶縁することが可能である。この絶縁は各枝路の他のポートへの影響および効果を制限する。従来の合成器は個別の受動素子または伝送線からなる。
【0004】
移動体電話通信などの移動体無線通信との関連では、回路を小型化する必要がある。しかしながら従来の解決策は大きな容積を占めており、小型化するのが困難である。例えば、個別部品による解決策は、その高損失のために集積化するのが困難な高価な部品を必要とする。一方、伝送線解決策は、電気的長さに依存して長い線路を必要とする。数GHzより低い周波数の範囲では、必要とされるこれらの物理的な長さは1センチメートルより大きく、従って集積回路内に想定することは困難である。
【0005】
したがって移動体電話型システムおよび移動体無線システムのアプリケーションのための電力(特にはRF電力)の合成を必要とする多数のアーキテクチャの開発を可能にするために、集積化可能(すなわち、小型化可能)な解決策を見出す危急の要請がある。
【0006】
このため、この状況では、本出願人は、特には小さい(音響的長さが電気的長さより短く、したがって著しい小型化を可能にする)という利点を発揮する音響部品を使用した新しいタイプの合成器を提案する。
【0007】
一般的に言えば、主としてフィルタリングに使用される音響部品は電界印加下で変形する圧電材料の容量を利用する。交流電気信号がある場合、音響波が材料内に生成される。これらの音響波の大きな利点は電磁波と比較して極めて遅い伝搬速度であることから生ずる。したがって音響波長は極めて短く、波長が次のように定義されれば、かなりの小型化が可能となる。
【数1】

【0008】
ここでλは波長、Vは波の音響伝搬速度、fは周波数である。一例として、約5000m/sの伝搬速度に対し、波長は1GHzの周波数では5μmであり、これは電磁波のものよりもかなり短い。比較のために、シリコン上のCPW(共平面導波路:coplanar waveguide)線では、波長は1GHzで12cmである。
【0009】
電気信号を音響形式に変換することにより、電気信号を処理し、電気信号に影響を与え、その伝播信号を利用することが可能である。この原理は、「FBAR」(膜バルク音響波:Film Bulk Acoustic Wave)、「SMR」(ソリッドマウント共振器:Solidly Mounted Resonator)および「SAW」(表面弾性波:Surface Acoustic Wave)タイプの音響共振器およびRFフィルタの開発で広く使用されてきた。初めの2つのタイプの装置はバルク波と呼ばれる波を使用するが、これはそれらが圧電層の厚さ内で伝播するためである。したがって波が共振して入力される空胴は、単純には、電気信号を部品に印加できるようにする2つの電極間に挟まれた圧電層である。「FBAR」または「SMR」などの装置は、共振空胴の境界を定めるために使用される方法が異なる。第1の場合は空気空胴が音響波の全反射を可能にし、第2の場合、光学分野で使用されるブラッグミラー(Bragg mirror)と類似の音響ミラーとして振る舞う積層が使用される。
【0010】
表面弾性波すなわち「SAW」装置に関する限り、それらは、電極を絡み合った櫛(interleaved combs)の形式で圧電基板の表面に配置することにより、最も単純な形式で作製される。いずれにせよ、境界条件は、共振振動数において構造の一部分内に音響波を閉じ込めることにより建設的定在波(constructive standing wave)を生成する。この原理により、コンパクトなRFフィルタを優れた品質係数でもって作製できるようになる。さらに材料内の音響波の伝搬は遅延線路の実装に利用されてきた。
【0011】
これらの音響原理の利用は他のRF装置に拡張可能であり、改善された性能特性を有する集積化解決策を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
より正確には、本発明の主題は、第1の入力ポートと第2の入力ポートにそれぞれ接続された少なくとも1つの第1の素子と第2の素子と、出力ポートに接続された第3の素子とを含む電気信号合成器であって、電気信号は入力ポートと出力ポート間で伝播され、
− 合成器は媒体を含み、
− 第1、第2、第3の素子は音響波トランスデューサであり、電気信号は媒体内の入力ポートと出力ポート間で伝播される音響波により運ばれる。
【0013】
したがって本発明は、音響材料内の音響伝搬の特性を利用するために特にRF波またはマイクロ波の音響波への変換の原理を利用する。したがって本発明の音響合成器は、圧電材料等の音響材料内のバルク音響波、表面弾性波、または音響ラム波、またはそうでなければ他のタイプの導波(板波、一般化ラム波等)のいずれかであってよい導波間の音響結合を利用する。
【0014】
本発明の1つの有利な実施形態によると、音響合成器はさらにアクセスポート間の高絶縁を維持することができる。アクセスポート間の絶縁は、合成器の枝路の他のポートへの最小影響を保証できるようにし、したがって高度に小型化された音響合成器の製作を可能にし、移動体電話システムと移動体システムのアプリケーションを集積化可能および利用可能にする。本音響合成器は、一方では出力ポートにおける建設的干渉(constructive interference)を生成するようなやり方で、他方では出力ポートにおける音響波の相殺的干渉(destructive interference)により第1と第2の入力ポートを絶縁するようなやり方で、
− 第1のトランスデューサと第3のトランスデューサは(2k+1)λ/4の音響距離だけ離され、ここでkは0以上の整数、λは伝搬の音響波長であり、
− 第2のトランスデューサと第3のトランスデューサは(2k’+1)λ/4の音響距離だけ離され、ここでk’は0以上の整数であり、
− 第1と第2のトランスデューサは(2k’’+2)λ/4の音響距離だけ離され、ここでk’’は0以上の整数である、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の一変形実施形態によると、伝播媒体は音響波の伝搬を可能にする少なくとも1つの材料層(特には圧電材料層)を含む。
【0016】
本発明の一変形実施形態によると、トランスデューサはラム波トランスデューサである。
【0017】
本発明の一変形実施形態によると、伝播媒体はラム波を閉じ込めるようなやり方で懸垂皮膜構造(suspended membrane structure)を含み、皮膜(membrane)は少なくとも一層の積層圧電材料と少なくとも1系列の電極を含む。
【0018】
積層は、非圧電層と、その上または下に単一系列の電極あるいはその上と下とに一系列の電極を含むことができる。さらに、一系列の電極は単一の連続電極であってよい。
【0019】
本発明の一変形実施形態によると、合成器はブラッグミラー構造と、少なくとも一層の圧電材料層と少なくとも1系列の電極との積層と、を含む。
【0020】
本発明の一変形実施形態によると、合成器は、それぞれが第1および第2の入力トランスデューサと出力トランスデューサとを含む一系列のトランスデューサのサブセットを含む。
【0021】
本発明の一変形実施形態によると、第1のポートに接続された第1のトランスデューサは、相殺的干渉を生成するために、第1のポートP1において2つの第2のトランスデューサにより放射された波が180°逆相となるやり方で、第2のポートに接続された2つの第2のトランスデューサの間に配置される。
【0022】
本発明の一変形実施形態によると、合成器は、第1のトランスデューサと出力トランスデューサと第2のトランスデューサとをそれぞれ含む各i番目のサブセット間に、
− 第1のポートに接続され、i番目のサブセットに属する第2のトランスデューサからλに等しい音響距離に配置された第1の二次トランスデューサと、
− 第2のポートに接続され、第1の二次トランスデューサからλ/2に等しい音響距離に、かつ(i+1)番目のサブセットの第1のトランスデューサからλに等しい音響距離に配置された第2の二次トランスデューサと、を含む。
【0023】
本発明の一変形実施形態によると、合成器は、音響波の経路が折り返されるように、トランスデューサのアセンブリの始めと終わりにそれぞれ配置された少なくとも1つの第1と第2の反射器を含む。
【0024】
本発明の一変形実施形態によると、トランスデューサは例えば0.5%を越える(好ましくは10%を越える)高い圧電結合係数を有する圧電材料を含む。
【0025】
本発明の一変形実施形態によると、トランスデューサはバルク音響波トランスデューサであり、入力トランスデューサと出力トランスデューサが積層された伝播媒体を含む。
【0026】
本発明の一変形実施形態によると、合成器は、
− 下部トランスデューサを含む第1のレベルと、
− 第1の入力ポートに接続された第1の中間トランスデューサと第2のポートに接続された第2の中間トランスデューサとを含む第2のレベルであって、中間トランスデューサは第1の中間層により下部トランスデューサから離される、第2のレベルと、
− 第2の中間層により中間トランスデューサから分離された、出力ポート(Ps)に接続された上部トランスデューサを含む第3のレベルと、を含む3レベルの積層バルク波共振器を有する構造を含み、
− 上部トランスデューサと第2の中間層の厚さは合計(2k+1)λ/4となり、ここでkは0以上の整数であり、
− 中間トランスデューサおよび第1の中間層の厚さは合計(2k’+2)λ/4となり、ここでk’は0以上の整数である。
【0027】
本発明の一変形実施形態によると、トランスデューサはAlNの圧電層を含み、中間層はSiOで構成される。
【0028】
ラム音響波またはバルク音響波に関し、選択される圧電材料は有利にはAlNであるが、圧電材料はまたLiNBOまたはLiTaO、または代わりにBST、STO、PZT等であってよい。中間層については、これらは圧電材料またはSiOまたはSiNまたは金属で構成されてよい。
【0029】
本発明の一変形実施形態によると、合成器はRF合成器である。
【0030】
本発明は、添付図面に基づいて以下の説明を読むとさらに良く理解され他の利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】RF信号用の合成器の回路図を示す。
【図2】本発明による音響RF合成器を示す。
【図3】本発明による音響RF合成器の一変形実施形態を示す。
【図4】図3に示すトランスデューサ構造を一般化した一変形実施形態を示す。
【図5】図2に示すような入力ポート同士が絶縁されていない従来の合成器の周波数応答を示す。
【図6】図3に示すような本発明の合成器内の基本セルの絶縁合成器の周波数応答を示す。
【図7】本発明による合成器内に一系列の3つのトランスデューサのサブセットを有する性能特性を示す。
【図8】本発明によるラム波を使用した音響合成器の概略図である。
【図9a−9b】皮膜の表面上にラム波装置を含む本発明によるRF合成器の一例の断面図を示す。
【図10a−10k】図9aと9bに示すような懸垂皮膜を含むラム波RF合成器を作製する方法の様々な工程を示す。
【図11a−11b】ブラッグミラー構造により閉じ込められたラム波を使用した装置を含む本発明によるRF合成器の図を示す。
【図12a−12i】図11aと11bに示すような合成器を作製する方法の様々な工程を示す。
【図13a−13c】本発明によるバルク波を使用した音響合成器内の、共振器および関連ポートと、ポートPから出力ポートPsへの信号の伝搬と、ポートPからポートPへの信号の伝搬とをそれぞれ示す。
【図14a−14b】本発明によるバルク波RF合成器の技術的積層の断面図と平面図を示す。
【図15a−15t】図14aと14bに示す合成器を作製する方法の様々な工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、以下ではRFタイプの合成器について説明するが、本発明が他のタイプの周波数に適用可能であることはよく理解される。
【0033】
通常、本発明の音響合成器は、圧電材料中の導波(圧電層中のバルク波、ラム波、またはそうでなければ他のタイプの導波(板波、一般化ラム波等)のいずれか)間の音響結合に基づいてよい。
【0034】
合成器の構造は、少なくとも3つのトランスデューサ(電気信号を起点として媒体(音響媒体Mと称する)内で音響波を生成することができる(または逆もまた同様)装置)と、第1の入力ポートP1eに接続された第1のトランスデューサTと、第2の電気入力ポートP2eに接続された第2のトランスデューサTと、電気的出力ポートPsに接続された第3のトランスデューサTと、を含む。
【0035】
ポートP1e、P2eに対応するトランスデューサの主目的は電気信号を運ぶ波を生成することである。これらの波は図2に示すように出力ポートに対応するトランスデューサ内で建設的に相互作用する。
【0036】
先に説明した合成器構造を最適化するために、入力ポートに接続されたトランスデューサが任意の特定の位置に配置されない場合に入力ポート間の絶縁を改善することは特に有利であろう。
【0037】
本発明の一変形実施形態によると、RF合成器はRF信号電力を出力において合成することができる入力表面波トランスデューサと出力表面波トランスデューサを含む。このためおよび本発明によると、入力ポートの相互絶縁が図3に示すように導入される。したがってRF合成器は、第1の入力ポートPに接続された第1のトランスデューサTと、第2の入力ポートPに接続された第2のトランスデューサTと、第3の出力ポートPsに接続された第3のトランスデューサTと、を含む。第1のトランスデューサは、第2のトランスデューサがλ/4に等しい距離だけ第3のトランスデューサから離されるのと全く同様に、λ/4に等しい距離だけ第3のトランスデューサから離される。
【0038】
したがって、提供される基本構造は、音響伝送系内の様々な入力ポート間で伝播される信号の相殺的干渉により生成されるポートの絶縁に依存する。この目的のため、「各トランスデューサは常に2つの対向方向に波を放射する」という事実が活用される。したがって1つのポート(例えばP)のトランスデューサは、ポートPにおいて別のポート(例えばP)の2つのトランスデューサにより放射された波が180°逆相となる(したがって相殺的干渉を生成する)ように配置されたポートPの2つのトランスデューサ間に置かれる。逆に、出力トランスデューサは、これらポートのそれぞれにより放射された波の位相差が等しい(したがって出力において建設的干渉を生成する)位置のポートPとPのトランスデューサ間に置かれる。
【0039】
使用する波を、提案された基本発明の周期的繰り返しで伝搬させることができると有利である。バスBとBはすべてのポートPとすべてのポートP間の配線を提供する。これは、図4に示すように基本構造を物理的に繰り返すことにより、および/または好適な反射器を使用することにより波の経路を折り返すことにより、得られる。このようにして、電気−音響変換により生成される損失が低減される。また、トランスデューサのアレイから逃げることができる波が生成されることによるエネルギーの漏損は、このようにして回避される。基本セルの周期は、信号の位相を保つようにおよび最大電力を回復するようなやり方で固定される。
【0040】
より正確には、図4は一系列のサブセットSi−1、S、Si+1を強調表示する。各サブセットは、第1のトランスデューサTと出力トランスデューサTと第2のトランスデューサTとをそれぞれ含む各i番目のサブセット間に、
− 第1のポートに接続されi番目のサブセットに属する第2のトランスデューサからλに等しい音響距離に配置された第1の二次トランスデューサT1sと、
− 第2のポートに接続され第1の二次トランスデューサからλ/2に等しい音響距離におよび(i+1)番目のサブセットの第1のトランスデューサからλに等しい音響距離に配置された第2の二次トランスデューサT2sと、を含む。
【0041】
圧電材料の選択は挿入損レベルに大きな影響を与えるということに留意されたい。電気機械結合係数は有り得る送信に直接影響を与える。したがって、高い圧電結合係数を有する材料を使用することにより、必要とされる周期数を最小化することが可能である。
【0042】
懸垂皮膜部品(suspended membrane component)内にラム波トランスデューサを含むRF合成器の例示的実施形態
この例によると、RF合成器は、板内で伝播する波に対応するラム波であって固体/空気界面におけるその反射により板内に閉じ込められるラム波の伝搬を利用する。
【0043】
より正確には、合成器はラム波が伝播される圧電材料の板を含む。この材料はAlNタイプのものであってよくその厚さは2000nmである。下部電極は200nm厚のモリブデン層内に画定され、上部電極は同じく200nm厚のAlSi層内に画定される。すべてのトランスデューサは500nmのSiO保護膜で覆われる。
【0044】
このような積層内では、ラム波は、上部金属が存在する場合は7800m/sの速度で、上部電極が存在しない場合は8400m/sで伝播する。これらの速度は、文献に記載された様々な方法:有限要素法により、あるいは例えば、特にA.Reinhardt,V.Laude,M.Solal,S.Ballandras and W.Steiche,Investigation of spurious resonances in Thin Film Bulk Acoustic Wave Resonators,Proceedings of the 2004 IEEE Ultrasonics Symposium and S.Ballandras,V.Laude,Simulation of transverse effects in FBAR devices,2005 IEEE MTT6S Digestに記載されたような散乱行列法などの数値法により計算することができる。
【0045】
したがって合成器の構造は、第1の入力ポートと第2の入力ポートと出力ポートとにそれぞれ接続された3系列の電極櫛を含む。櫛の電極は一般的にはフィンガと呼ばれる。さらに、各櫛は下部と上部フィンガー(すなわち電極)を含む。
【0046】
入力ポート同士が絶縁された最もコンパクトな合成器の構造は、すべてのフィンガが図3と図4に示すように存在しなくても、1波長当たり4つのフィンガを有する構造に対応する(フィンガ中心からフィンガ中心まで4分の1波長を有するようなやり方で)。
【0047】
櫛の幅は、櫛下の波の波長の1/8、すなわち3.5GHzの周波数では約300nmに等しい。
【0048】
櫛間距離は、3つのトランスデューサの系列を画定するために櫛のアレイ内の位置の関数として可変である。
【0049】
入力トランスデューサT、Tと称する2つのトランスデューサと出力トランスデューサTとを含むサブセット内では、第1の櫛フィンガと出力櫛フィンガとの距離bは300nmに等しく、櫛同士は4分の1波長だけ離される。
【0050】
二次的トランスデューサT1sに対応する第1の櫛フィンガと二次的トランスデューサT2sに対応する第2の櫛フィンガとの距離cは900nmに等しく、櫛同士は半波長だけ離される。
【0051】
二次的トランスデューサT1sに対応する第1の櫛フィンガと二次的トランスデューサT2sに対応する第2の櫛フィンガとの距離dは2.1μmに等しく、櫛同士は1波長だけ離される。
【0052】
位相差が2πを法として一定のままである限り、櫛間の距離を変えることはもちろん可能である。
【0053】
入力ポート同士が絶縁された合成器の性能特性と入力ポート同士が絶縁されていないRF合成器のものとを比較した。
【0054】
入力ポート同士が絶縁されていないRF合成器構造について、図5は図2に示した構成の計算応答を示す。入力ポートで放射された音響波の閉じ込めがないので、このような構造では損失が大きい。ポートPとP間の絶縁の欠落にも注意されたい。ポート1からポート2とポート3への信号の送信にそれぞれ対応する曲線S(1,2)とS(1,3)はほとんど同じである。
【0055】
図6は、本発明による絶縁ポートを有する合成器の基本セルの結果を示す。この図は、チャネル間の高絶縁性を提供すると言う点で、本明細書で詳述された本発明の妥当性を示す。
【0056】
図7の結果は、挿入損を低減するためのいくつかの基本セルの図4に示すような周期的組み合わせの利点を示す。セル数を増加することにより、挿入損をかなり最小化することができる。
【0057】
配線ネットワークを備えたラム波トランスデューサを含むこのようなRF合成器の一実施形態について以下でさらに詳細に説明する。
【0058】
合成器の構造は、第1の入力ポートPの素子と第2の入力ポートPの素子と出力ポートPsの素子とにそれぞれ接続された3系列の電極櫛を含み、各櫛は図8に示すように下部電極と上部電極とを含む。破線で示された2つの枠は、一方ではラム波の伝搬を許容する懸垂皮膜下の空胴の境界線Lを画定し、他方では配線の絶縁材料の開口の境界線Lintを画定する。
【0059】
3つのポートは異なるパターンにより表される。
【0060】
図9aと9bは、部品の2つの断面図:一方は合成器のアクティブ部分の断面を示す断面C−C’に沿ったもの、他方は配線の構成を示す軸D−D’に沿った断面図を示す。
【0061】
櫛間の寸法と間隔は「数値例」の章に示すように計算される。
【0062】
より正確には、部品は酸化物層1を含む基板Sの上に懸垂された皮膜を含む。懸垂皮膜は、そのいずれかの側にポートP、P、Psに接続された電極と、下部電極E1i、Esi、E2iと、上部電極E1s、Ess、E2sとが形成された圧電材料層3を含む。電極E1i、E1sは第1の入力ポートに接続された第1の入力共振器を画定し、電極E2i、E2sは第2の入力ポートに接続された第2の入力共振器を画定し、電極Esi、Essは出力ポートに接続された共振器を画定する。
【0063】
2つの入力共振器はλ/2の音響距離だけ離され、各入力共振器はλ/4の音響距離だけ出力共振器から離される。
【0064】
絶縁層5が一組の上部電極の表面に堆積される。
【0065】
配線層6、8は必要な接触層を形成できるようにし、絶縁層7により互いに絶縁される。
【0066】
図10a〜10kには、このようなRF合成器の製作の様々な工程を示す。
【0067】
図10aに示す第1の工程によると、SOI(Silicon On Insulator)基板Sから始まり、溝Viが形成される。SOI基板は集積化SiO層1を有するシリコン基板であり公知の技術により作製される。
【0068】
図10bに示す第2の工程によると、二酸化珪素SiOで構成される上部層とウェルとを画定するように熱酸化処理がなされ、2つの酸化物層1、2を生じる。
【0069】
図10cに示す第3の工程によると、モリブデンの下部電極E1i、E2i、Esiが第1の接続レベルに対応して堆積され構築される。
【0070】
図10dに示す第4の工程によると、AlNで構成された圧電材料層3が堆積され、モリブデンの上部層4が堆積される。
【0071】
図10eに示す第5の工程によると、層4の加工による上部電極E1s、E2s、Essの形成、すなわち第2接続レベルがフッ素ベースのドライエッチングにより行なわれる。
【0072】
図10fに示す第6の工程によると、ビアVjを形成するためにAlN材料はHPO湿式エッチングによりエッチングされる。
【0073】
図10gに示す第7の工程によると、圧電材料の層を保護するように設計されたSiN層5が堆積され、その後フッ素ベースのドライエッチングを使用して接点を開口する。
【0074】
図10hに示す第8の工程によると、アルミニウム層6が堆積され、HPO湿式エッチングによりエッチングされ第3接続レベルを画定することができる。
【0075】
図10iに示す第9の工程によると、SiO層7が堆積され、その後例えば配線を画定するためにHFを使用した湿式エッチング工程が行われる。
【0076】
図10jに示す第10の工程によると、アルミニウム層8が堆積され、その構築により第4接続レベルを画定することができる。
【0077】
図10kに示す第11の工程によると、皮膜はXeFガスによるシリコンのエッチングにより剥離され、懸垂皮膜を剥離する空胴Caによりラム波音響装置を形成できるようにする。
【0078】
アクティブ部分を保護するSiN層を局所的エッチングすることによる部品の周波数調整の工程を想定してもよい。この目的のために、例えば原子クラスタービーム(例えばNFを使用した)を使用するエッチング装置の一つを採用する。
【0079】
ブラッグミラー構造を含む部品内のラム波トランスデューサを含むRF合成器の例示的実施形態
こうして音響RF合成器は、ブラッグミラー構造の使用により閉じ込められた圧電層内の導波を利用することに基づく。このような波は一見すると先に検討されたラム波と同じである。
【0080】
したがってこのような構造の設計は同じやり方で行なわれる。すなわち、ラム波に使用されたものと類似の方法により金属部分と非金属部分で使用される波の速度を計算し、次に、同じ方法に従って、絡み合った櫛パターンを設計する。
【0081】
このような部品に関しては、図8の表現は、合成器下に形成される空胴の境界をなくすことを除き全く同一である。
【0082】
図11aと11bには、軸C−C’に沿った断面図と軸D−OFに沿った断面図を示す。トランスデューサのすべてを形成できるようにする圧電層3と電極の構造は、積層で構成されるブラッグミラー構造MRの表面に限定される。層5、6、7、8は図9aと9bを参照して説明したものに対応する。
【0083】
1つの例示的な製作方法を図12a−12iにより示す。
【0084】
図12aに示す方法の第1の工程によると、ブラッグミラーは、高抵抗率シリコン基板上のブラッグミラーMRを構成するSiN層とSiOC層の連続堆積により形成される。
【0085】
図12bに示す第2の工程によると、これらの堆積が行われ、続いて、モリブデンで構成されしたがって第1の接続レベルを画定する下部電極E1i、E2i、Esiの構築が行なわれる。
【0086】
図12cに示す第3の工程によると、上部電極の形成のために、AlNで構成された圧電材料の層3が堆積され、モリブデンの上部層4が堆積される。
【0087】
図12dに示す第4の工程によると、上部電極E1s、E2s、Essを形成するために、上記層の構築はフッ素ベースのドライエッチングにより行なわれる。
【0088】
図12eに示す第5の工程によると、圧電AlN材料層のエッチングはHPOによる湿式エッチングにより行なわれ、ビアViが得られる。
【0089】
図12fに示す第6の工程によると、SiN層5が堆積され、次にフッ素ベースのドライエッチングにより接点を開口する。
【0090】
図12gに示す第7の工程によると、アルミニウム層6が堆積され、次に、HPO湿式エッチングによりエッチングされ、第3接続レベルが画定される。
【0091】
図12hに示す第8の工程によると、SiO層7が堆積され、その後配線を画定するために例えばHFにより湿式エッチングする工程が行われる。
【0092】
図12iに示す第9の工程によると、その構築が第4接続レベルを画定するアルミニウム層8が堆積される。
【0093】
アクティブ部分を保護するSiN層を局所的エッチングすることによる部品の周波数調整の工程を想定してもよい。この目的のために、例えば原子クラスタービーム(例えばNFを使用した)を使用するエッチング装置の一つを採用する。
【0094】
バルク波トランスデューサを含むRF合成器の例示的実施形態
この例では、音響RF合成器はバルク音響波を使用する。この目的のため、積層内で垂直に伝播する波が利用される。絡み合った櫛を利用して波を励起する代わりに、標準的なBAW共振器と類似の金属/圧電/金属積層が使用される。但し、その厚さは、従来のBAW共振器の場合が通常そうであるように半波長以下である。
【0095】
一方、製作方法を複雑化し過ぎないために、すべての共振器は順に重ねて(伝搬方向に整合して)配置されるのではなく、構造内で電気形式および音響形式で同時に伝播する信号の経路を「折り返す」技術が採用される。
【0096】
概略図を図13a、13b、13cにより示す。それぞれが3レベルの積層共振器で構成される2つの部分が使用され、その間には、中間層と呼ばれる1つまたは複数の層が挿入される。その目的は構造内を伝搬中に音響波に位相シフトを与えることである。
【0097】
より正確には、下部共振器(浮遊電位にあるその電極のために浮遊共振器と呼ばれる)と、第1の入力ポートPと第2の入力ポートPにそれぞれ接続される中間レベルの2つの共振器R、Rと、出力共振器と呼ばれる共振器Rと、が画定される。
【0098】
共振器RとRは第1の中間層Ci1に結合され、出力共振器は第2の中間層Ci2に結合される。
【0099】
矢印はこのような構造内のバルク音響波の伝搬を示し、経路が入力ポートから直接出力され対向ポートから出力されるということを概略的に示す。
【0100】
したがって上部出力共振器の厚さと第1の中間層の厚さは、波が横切るとπ/2の位相シフトを与えるようなやり方で計算される。入力共振器の厚さと第2の中間層の厚さに関しては、これらの厚さは波が横切るとπの位相シフトを与えるように計算される。上部共振器の2つの電極は部品の出力ポートに接続され、上記2つの部分全体にわたって同時に伸びる。
【0101】
ポートPとPはそれぞれ中間共振器の電極に接続される。下部共振器は、これもまた2つの部分全体にわたって同時に伸びるが、その電極は浮遊しているままである。
【0102】
以前と同じパターン表記法を用いる技術的積層の断面図と平面図を図14aと14bに示す。
【0103】
このようなバルク音響波RF合成器を作製できる方法の例について以下に説明する。
【0104】
図15aに示す第1の工程によると、ブラッグミラーMRを構成するSiN層とSiOC層がCVDにより高抵抗率シリコン基板S上に堆積される。
【0105】
図15bに示す第2の工程によると、電極ERfiがモリブデンのスパッタリングにより堆積され、フッ素ベースのドライエッチングにより画定される。
【0106】
図15cに示す第3の工程によると、圧電AlN材料の第1層31の堆積はパルス反応スパッタリングにより行なわれ、層40の堆積はモリブデンスパッタリングにより行われる。
【0107】
図15dに示す第4の工程によると、2つの電極ERfiとERfs間に下部バルク波共振器(浮遊共振器と呼ばれる)を画定するようなやり方で、フッ素ベースのドライエッチングにより電極が画定される。
【0108】
図15eに示す第5の工程によると、SiO層Ci10がCVDにより堆積され、その後平坦化工程が行われる。
【0109】
図15fに示す第6の工程によると、CVDにより堆積されたSiOの第1の中間厚層Ci1に対応して伝播媒体の堆積が行なわれる。
【0110】
図15gに示す第7の工程によると、モリブデン電極がスパッタリングにより堆積され、フッ素ベースのドライエッチングにより画定され、2つの入力共振器の下部電極E1iとE2iが形成される。
【0111】
図15hに示す第8の工程によると、AlN材料の第2の層32はパルス反応スパッタリングにより堆積され、層41はモリブデンスパッタリングにより堆積される。
【0112】
図15iに示す第9の工程によると、電極E1sとE2sはフッ素ベースのドライエッチングにより画定される。
【0113】
図15jに示す第10の工程によると、SiO層Ci20はCVDにより堆積され、次に平坦化される。
【0114】
図15kに示す第11の工程によると、CVDにより堆積されたSiOの第2の中間層Ci2に対応して伝播媒体の堆積が行なわれる。
【0115】
図15lに示す第12の工程によると、モリブデン層42の堆積はスパッタリングにより行なわれ、フッ素ベースのドライエッチングにより画定される。
【0116】
図15mに示す第13の工程によると、圧電AlN材料の第3の層33はパルス反応スパッタリングにより堆積され、電極はモリブデンスパッタリングにより堆積され、下部電極Esiの上に出力共振器を画定する。
【0117】
図15nに示す第14の工程によると、電極Essはフッ素ベースのドライエッチングにより画定される。
【0118】
図15oに示す第15の工程によると、ビアVkはHPO湿式エッチングによりAlN内に開口される。
【0119】
図15pに示す第16の工程によると、SiNの不活性化層50がPVDにより堆積される。
【0120】
図15qに示す第17の工程によると、ビアVqがフッ素ベースのドライエッチングにより不活性化層内に開口される。
【0121】
図15rに示す第18の工程によると、ビアVrがフッ素ベースのドライエッチングにより伝搬層内に開口される。
【0122】
図15sに示す第19の工程によると、電極E2iへのアクセスを可能にする開口Vsに至るAlNのHPO湿式エッチングが行なわれる。
【0123】
図15tに示す第20の工程によると、AlCuで構成される接点が層60のスパッタリングにより形成され、H3P04湿式エッチングにより画定される。
【符号の説明】
【0124】
1,2:酸化物層
3:圧電材料層
4:モリブデンの上部層
5:SiN層
6,8:配線層
7:SiO
32:第2の層
33:第3の層
41,42:モリブデン層
50:不活性化層
60:AlCu層
Ca:空洞
i10:SiO
i1:第1の中間層
i2:第2の中間層
i20:SiO
,B:バス
1i、Esi、E2i,E1i、E2i、Esi:下部電極
Rfi,ERfs:電極
1s、Ess、E2s:上部電極
int:開口の境界線
:空胴の境界線
M:音響媒体
MR:ブラッグミラー
,P1e:第1の入力ポート
,P2e:第2の入力ポート
Ps:出力ポート
,R,R:共振器
S:基板
i−1、S、Si+1:サブセット
:第1のトランスデューサ
:第2のトランスデューサ
:第3のトランスデューサ
Vi,Vj,Vk,Vq,Vr:ビア
Vs:開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力ポート(P)と第2の入力ポート(P)にそれぞれ接続された少なくとも1つの第1の素子と第2の素子と、出力ポート(Ps)に接続された第3の素子と、を含む電気信号合成器であって、電気信号は前記入力ポートと前記出力ポート間で伝播され、
− 前記合成器は媒体を含み、
− 前記第1、第2、第3の素子は音響波トランスデューサであり、前記電気信号は前記媒体内の前記入力ポートと前記出力ポート間で伝播される音響波により運ばれる、ことを特徴とする合成器。
【請求項2】
− 前記第1のトランスデューサと前記第3のトランスデューサは(2k+1)λ/4の音響距離だけ離され、ここでkは0以上の整数、λは音響伝播波長であり、
− 前記第2のトランスデューサと前記第3のトランスデューサは(2k’+1)λ/4の音響距離だけ離され、ここでk’は0以上の整数であり、
− 前記第1と第2のトランスデューサは、一方では前記出力ポートにおける建設的干渉を生成するようなやり方で、他方では前記ポートにおける音響波の相殺的干渉により前記第1と第2の入力ポートを絶縁するようなやり方で、(2k’’+2)λ/4の音響距離だけ離され、ここでk’’は0以上の整数である、ことを特徴とする請求項1に記載の合成器。
【請求項3】
前記伝播媒体は、音響波の伝搬を可能にする少なくとも1つの材料層(特には圧電材料層)を含む、ことを特徴とする請求項1と2のいずれか一項に記載の合成器。
【請求項4】
前記トランスデューサはラム波トランスデューサである、ことを特徴とする請求項3に記載の合成器。
【請求項5】
前記伝播媒体は前記ラム波を閉じ込めるように懸垂皮膜構造を含み、前記皮膜は少なくとも一層の積層圧電材料と少なくとも1系列の電極を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の合成器。
【請求項6】
ブラッグミラー構造と、少なくとも一層の圧電材料層と、少なくとも1系列の電極の積層と、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の合成器。
【請求項7】
それぞれが第1および第2の入力トランスデューサと出力トランスデューサとを含む一系列のトランスデューサのサブセットを含む、ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の合成器。
【請求項8】
前記第1のポートに接続された前記第1のトランスデューサは、相殺的干渉を生成するために、前記第1のポートPにおいて2つの第2のトランスデューサにより放射された波が180°逆相となるようなやり方で、前記第2のポートに接続された2つの第2のトランスデューサの間に配置される、ことを特徴とする請求項7に記載の合成器。
【請求項9】
第1のトランスデューサ(T)と出力トランスデューサ(T)と第2のトランスデューサ(T)とをそれぞれ含む各i番目のサブセット間に、
− 前記第1のポートに接続され、前記i番目のサブセットに属する前記第2のトランスデューサからλに等しい音響距離に配置された第1の二次トランスデューサ(T1s)と、
− 前記第2のポートに接続され、前記第1の二次トランスデューサからλ/2に等しい音響距離に、かつ(i+1)番目のサブセットの前記第1のトランスデューサからλに等しい音響距離に配置された第2の二次トランスデューサ(T2s)と、を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の合成器。
【請求項10】
音響波の経路が折り返されるように、前記一組のトランスデューサの始めと終わりにそれぞれ配置された少なくとも1つの第1と第2の反射器を含む、ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の合成器。
【請求項11】
前記トランスデューサは例えば0.5%を越える(好ましくは10%を越える)高い圧電結合係数を有する圧電材料を含む、ことを特徴とする請求項4〜10のいずれか一項に記載の合成器。
【請求項12】
前記トランスデューサはバルク音響波トランスデューサであり、前記入力トランスデューサと前記出力トランスデューサとが積層された伝播媒体を含む、ことを特徴とする請求項1と2のいずれか一項に記載の合成器。
【請求項13】
− 下部トランスデューサを含む第1のレベルと、
− 第1の入力ポート(P)に接続された第1の中間トランスデューサと第2のポート(P)に接続された第2の中間トランスデューサとを含む第2のレベルであって、前記中間トランスデューサは第1の中間層によって下部トランスデューサから離される、第2のレベルと、
− 第2の中間層によって前記中間トランスデューサから分離された、出力ポート(Ps)に接続された上部トランスデューサを含む第3のレベルと、を含む3レベルの積層バルク波共振器を有する構造を含み、
− 前記上部トランスデューサと前記第2の中間層の厚さは合計(2k+1)λ/4となり、ここでkは0以上の整数であり、
− 前記中間トランスデューサおよび前記第1の中間層の厚さは合計(2k’+2)λ/4となり、ここでk’は0以上の整数である、ことを特徴とする請求項9に記載の合成器。
【請求項14】
前記トランスデューサはAlNの圧電層を含み、前記中間層はSiOで構成される、ことを特徴とする請求項13に記載の合成器。
【請求項15】
RF合成器である請求項1〜14のいずれか一項に記載の合成器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a−9b】
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【図10a−10d】
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【図10e−10h】
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【図10i−10k】
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【図11a−11b】
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【図12a−12d】
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【図12e−12g】
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【図12h−12i】
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【図13a−13c】
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【図14a−14b】
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【図15a−15d】
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【図15e−15h】
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【図15i−15k】
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【図15l−15n】
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【図15o−15q】
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【図15r−15t】
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