説明

音響信号処理方法および装置

【課題】 音像の定位を明確にし、位相周波数特性の乱れを小さくし、スピーカ間隔が狭い場合でも、スピーカの外側に音像が明確に定位するように知覚されるようにする。
【解決手段】 L−R信号から低域成分を取り出した信号とL+R信号とを加算してL側差信号強調信号とし、R−L信号から低域成分を取り出した信号とR+L信号とを加算してR側差信号強調信号とし、R側差信号強調信号を遅延させ低音域と高音域を取り除き所定の増幅率で増幅した信号をクロストークキャンセル用としてL側差信号強調信号から減算してL側出力信号とし、L側差信号強調信号を遅延させ低音域と高音域を取り除き所定の増幅率で増幅した信号をクロストークキャンセル用としてR側差信号強調信号から減算してR側出力信号とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、L信号(左信号)とR信号(右信号)の2チャンネルのステレオ信号を入力して、2つのスピーカによるステレオ音像を拡大する技術に係り、特にL信号とR信号の差信号を強調した上で、短い遅延時間のクロストークキャンセル処理を加えることにより、音像が2つのスピーカの外側に定位するようにした音響信号処理方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間が聴取できる音声周波数分布は、その大半が300Hz〜3.5kHz付近に集中しており、会話での明瞭度に重要とされているのは1kHzであり、その波長は30cmである。よって、仮に音声が頭の左横方向から到達すると、左耳に比べて右耳は約15cm離れているため、右耳には左耳と逆位相で到達することになるので、左側と右側から同じ音響が到達する場合、聴取者は音像が正面にあると感じる。
【0003】
しかし、L−R信号は、R信号に対して位相の変化と音量差を生じているため、人間は1kHz付近でのL−R信号の音像を左180度の範囲で左横に定位することになり、左真横から来るように感じる。また、R−L信号は、L信号に対して位相の変化と音量差を生じているため、人間は1kHz付近でのR−L信号の音像を右180度の範囲で右横に定位することになり、右真横から来るように感じる。
【0004】
図2は従来のサラウンド再生回路(例えば、特許文献1参照)を示す図であり、入力端子31、32から入力するステレオのL信号とR信号から加算器35によりL−R信号であるL側サラウンド信号を生成し、僅かのボーカルの高い周波数成分と反響音が主であるこの差信号を、ローパスフィルタ36に入力させて耳障りな信号成分を除去し、演算増幅器37で元の信号への加算量を調整し、加算器38でL−R信号成分を元のL信号にL側サラウンド信号として加算し、加算器39でL−R信号成分を反転して元のR信号にR側サラウンド信号として加算し、出力端子42、43に出力し、サラウンド効果を実現していた。33、34、40、41はバッファである。
【0005】
以上のように、人間の耳で強調される方向感が判りやすい音声信号成分を除去し、方向感の判りにくい周波数帯の残響音や反射音を増強してL信号やR信号にミキシングし、位相の変化と音量差を強調することでサラウンド効果を得ていた。
【特許文献1】特開2002−354595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術であるサラウンド再生回路は、L−Rの差信号成分を強調していたため、一方の耳に入る音響信号は、一方のスピーカから発せられた信号のみでなく、2つのスピーカから発せられた信号の加算結果であり、耳における位相周波数特性に乱れが生じていたため、広がり感はあるが、その定位が明確ではなくなるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、音像の定位を明確にし、位相周波数特性の乱れを小さくし、またスピーカ間隔が狭い場合でもスピーカの外側に音像が明確に定位して知覚されるようにした音響信号処理方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1にかかる発明の音響信号処理方法は、R側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号をL側入力信号から減算しその低域成分を取り出した信号と、前記R側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号を前記L側入力信号に加算した信号とを加算してL側差信号強調信号とし、前記L側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号を前記R側入力信号から減算しその低域成分を取り出した信号と、前記L側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号を前記R側入力信号に加算した信号とを加算してR側差信号強調信号とし、前記R側差信号強調信号を遅延させ低音域と高音域を取り除き所定の増幅率で増幅した信号をクロストークキャンセル用として前記L側差信号強調信号から減算してL側出力信号とし、前記L側差信号強調信号を遅延させ低音域と高音域を取り除き所定の増幅率で増幅した信号をクロストークキャンセル用として前記R側差信号強調信号から減算してR側出力信号とする、 ことを特徴とする。
【0009】
請求項2にかかる発明の音響信号処理装置は、差信号強調部とクロストークキャンセル部とを有する音響信号処理装置であって、前記差信号強調部は、L側入力信号を所定の増幅率で増幅する第1の増幅器と、R側入力信号を所定の増幅率で増幅する第2の増幅器と、前記L側入力信号から前記第2の増幅器の出力信号を減算する第1の減算器と、前記R側入力信号から前記第1の増幅器の出力信号を減算する第2の減算器と、前記第1の減算器の出力側に接続される第1のローパスフィルタと、前記第2の減算器の出力側に接続される第2のローパスフィルタと、前記L側入力信号を所定の増幅率で増幅する第3の増幅器と、前記R側入力信号を所定の増幅率で増幅する第4の増幅器と、前記第1のローパスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第5の増幅器と、前記第2のローパスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第6の増幅器と、前記L側入力信号と前記第4の増幅器の出力信号を加算する第1の加算器と、前記R側入力信号と前記第3の増幅器の出力信号を加算する第2の加算器と、前記第1の加算器の出力信号と前記第5の増幅器の出力信号を加算する第3の加算器と、前記第2の加算器の出力信号と前記第6の増幅器の出力信号を加算する第4の加算器とを有し、前記クロストークキャンセル部は、前記第3の加算器の出力信号を遅延させる第1の遅延回路と、前記第4の加算器の出力信号を遅延させる第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路の出力側に接続される第1のバンドパスフィルタと、前記第2の遅延回路の出力側に接続される第2のバンドパスフィルタと、前記第1のバンドスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第7の増幅器と、前記第2のバンドパスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第8の増幅器と、前記第3の加算器の出力信号から前記第8の増幅器の出力信号を減算する第3の減算器と、前記第4の加算器の出力信号から前記第7の増幅器の出力信号を減算する第4の減算器とを有する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の音響信号処理装置において、前記第1および第2の増幅器の利得は0.75〜1であり、前記第3および第4の増幅器の利得は0〜0.5であり、前記第5および第6の増幅器の利得は0〜2.0であり、前記第7および第8の増幅器の利得は0〜0.5であり、前記第1および第2の遅延回路の遅延時間は略0.1ms以下(但し、0を含まない)であり、前記第1および第2のローパスフィルタのカットオフ周波数は略7KHz〜略11KHzであり、前記第1および第2のバンドパスフィルタは低域側のカットオフ周波数が略100Hz〜略300Hz、高域側のカットオフ周波数が略7KHz〜略11KHzである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、L+R信号に高域成分を減衰させたL−R信号を加算してL−R信号を強調したL側差信号強調信号と、R+L信号に高域成分を減衰させたR−L信号を加算してR−L信号を強調したR側差信号強調信号をそれぞれ独立して生成するので、音像の定位を明確にすることができる。
【0012】
また、R側差信号強調信号を遅延し低域と高域を除去した信号をL側差信号強調信号から減算するので、R側スピーカからのクロストーク成分がL側スピーカによってキャンセルされる。また、L側差信号強調信号を遅延し低域と高域を除去した信号をR側差信号強調信号から減算するので、L側スピーカからのクロストーク成分がR側スピーカによってキャンセルされる。これにより、位相周波数特性の乱れを低減でき、また音像が2つのスピーカの外側に明確に定位するように知覚させることができる。また、簡単な構成で上記の効果を得られるため、少ない処理量で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明では、まず、差信号強調部において、L信号とR信号の差信号成分であるL−R信号に基づくL側差信号強調信号(L側信号にL−Rの差信号が加算された信号)、及びR信号とL信号の差信号成分であるR−L信号に基づくR側差信号強調信号(R側信号にR−Lの差信号が加算された信号)を、それぞれ個別に生成する。
【0014】
この差信号強調部では、L−R信号を生成するときにR信号の利得を0.75〜1.0の範囲で変えられるようにして、R信号成分をL≧Rの利得とすることで、L信号とR信号の合成信号を強調成分として使用しても音像の定位が明確になるようにする。また、R−L信号でも、R−L信号を生成するときにL信号の利得を0.75〜1.0の範囲で変えられるようにして、L信号成分をL≦Rの利得とすることで、L−R信号と同様に合成信号を強調成分として使用しても音像の定位が明確になるようにする。L−R信号、R−L信号は反響音などの高い周波数成分がほとんどであり、ボーカル成分はほとんど含まれていない。
【0015】
また、L−R信号、R−L信号の高い周波数成分内には、耳障りと認識される信号成分が含まれているため、その信号成分をローパスフィルタにより除去する。また、ローパスフィルタの出力信号の利得を0〜2.0の範囲で変えられるようにして、加算する強調成分の大きさを変えられるようにする。このローパスフィルタは、カットオフ周波数が略7KHz〜略11KHzであればよい。
【0016】
また、L信号とR信号の和信号成分であるL+R信号、R+L信号を生成する。これは、L−R信号、R−L信号の強調成分にはボーカル成分がほとんど含まれていないため、元の信号に加算したときの音の中抜けを防止することが目的で、L+R信号を生成するときにR信号の利得を0〜0.5の範囲で変えることでL>Rの利得とし、またR+L信号を生成するときにL信号の利得を0〜0.5の範囲で変えることでL<Rの利得とする。
【0017】
この中抜け防止用のL+R信号、R+L信号を、差信号強調用のL−R信号、R−L信号と加算することで、L側差信号強調信号、R側差信号強調信号を生成して、より音像の定位を明確にする。以上により、入力信号を強調しつつ尚且つ音像の定位を明確にする。
【0018】
次に、クロストークキャンセル部において、L−R信号とL+R信号を加算したL側差信号強調信号をクロストークキャンセル部のL側入力信号とし、R−L信号とR+L信号を加算したR側差信号強調信号をクロストークキャンセル部のR側入力信号とする。
【0019】
R側差信号強調信号は0.1ms以下(但し、0ではない)の短い遅延時間を持たせることで位相をずらし、その信号を、L信号側での高域側減衰防止を目的とするローパスフィルタとL信号側での低域側減衰防止を目的とするハイパスフィルタに通過させる(つまりバンドパスフィルタを通過させる)ことで信号成分の補正を行い、その信号を反転させ、逆相成分にしてL側入力信号に加算することで、スピーカからの出力(音場)において発生する、R側へのクロストーク成分を除去する。
【0020】
また、同様に、L側差信号強調信号は0.1ms以下(但し、0ではない)の短い遅延時間を持たせることで位相をずらし、その信号を、R信号側での高域側減衰を目的とするローパスフィルタとR信号側での低域側減衰を目的とするハイパスフィルタに通過させる(つまりバンドパスフィルタを通過させる)ことで信号成分の補正を行い、その信号を反転させ、逆相成分にしてR側入力信号に加算することで、スピーカからの出力(音場)において発生する、L側へのクロストーク成分を除去する。位相周波数特性の乱れを低減する。
【0021】
また、上記のように遅延時間を0.1ms以下と短い時間にすることで、出力するスピーカの間隔が狭い場合でもその効果を十分に発揮させる。なお、0.1ms以下で遅延させた信号は、その利得が0.5を超えると音像が頭の中に定位するので、その利得は0〜0.5の範囲とする。
【0022】
このように、差信号強調部で入力信号を強調し、音像の定位を明確にして、さらにクロストークキャンセル部により、位相周波数特性の乱れを低減し、且つ音像が2つのスピーカの外側に明確に定位するように知覚させる。
【実施例】
【0023】
図1は本発明の1つの実施例を示す図で、1はL信号入力端子、2はR信号入力端子、3,4は増幅率が0.75〜1の演算増幅器、5,6は減算器、7,10はカットオフ周波数が略7KHz〜略11KHzのローパスフィルタ、8,9は増幅率が0〜0.5の演算増幅器、11,14は増幅率が0〜2.0の演算増幅器、12,13は加算器、15,16は加算器であり、以上により差信号強調部29が構成されている。
【0024】
また、17,18は遅延時間が略0.1ms以下(但し、0ではない)の遅延回路、19,20はカットオフ周波数が略7KHz〜略11KHzのローパスフィルタ、21,22はカットオフ周波数が略100Hz〜略300Hzのハイパスフィルタ、23,24は増幅率が0〜0.5の演算増幅器、25,26は減算器、27はL信号出力端子、28はR信号出力端子であり、以上によりクロストークキャンセル部30が構成されている。ローパスフィルタ19とハイパスフィルタ21、ローパスフィルタ20とハイパスフィルタ22は、それぞれバンドパスフィルタを構成する。
【0025】
L信号入力端子1からの信号と、演算増幅器4で0.75〜1.0の範囲で利得を変えたR信号入力端子2からの信号を減算器5で減算し、減算器5の出力信号であるL−R信号をローパスフィルタ7に入力して耳障りな高域成分を除去し、その出力信号の利得を演算増幅器11で変え、さらに、L信号入力端子1からの信号と、演算増幅器9で0〜0.5の範囲で利得を変更したR信号入力端子2からの信号を加算器12で加算し、加算器12の出力信号と演算増幅器11の出力信号を加算器15で加算した信号を、差信号強調部29のL側差信号強調信号、つまりクロストークキャンセル部30のL側入力信号とする。
【0026】
また、R信号入力端子2からの信号と、演算増幅器3で0.75〜1.0の範囲で利得を変えたL信号入力端子1からの信号を減算器6で減算し、減算器6の出力信号であるR−L信号をローパスフィルタ10に入力して耳障りな高域成分を除去し、その出力信号の利得を演算増幅器14で変え、さらに、R信号入力端子2からの信号と、演算増幅器8で0〜0.5の範囲で利得を変更したL信号入力端子1からの信号を加算器13で加算し、加算器13の出力信号と演算増幅器14の出力信号を加算器16で加算した信号を、差信号強調部29のR側差信号強調信号、つまりクロストークキャンセル部30のR側入力信号とする。
【0027】
次に、加算器15の出力信号を遅延回路17の入力とし、遅延回路17の出力信号をローパスフィルタ19に入力し、その出力信号をハイパスフィルタ21に入力し、その出力信号の利得を演算増幅器23で変え、加算器16の出力信号と減算器26で減算し、その出力信号をR側出力端子28の出力信号とする。
【0028】
また、加算器16の出力信号を遅延回路18の入力とし、遅延回路18の出力信号をローパスフィルタ20に入力し、その出力信号をハイパスフィルタ22に入力し、その出力信号の利得を演算増幅器24で変え、加算器15の出力信号と減算器25で減算し、その出力信号をL側出力端子27の出力信号とする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の1つの実施例の音響信号処理装置の回路図である。
【図2】従来の音響信号処理装置の回路図である。
【符号の説明】
【0030】
1:L信号入力端子、2:R信号入力端子、3,4:演算増幅器、5,6:減算器、7、10:ローパスフィルタ、8,9:演算増幅器、11,14:演算増幅器、12,13:加算器、15,16:加算器
17,18:遅延回路、19,20:ローパスフィルタ、21,22:ハイパスフィルタ、23,24:演算増幅器、25,26:減算器、27:L信号出力端子、28:R信号出力端子
29:差信号強調部、30:クロストークキャンセル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
R側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号をL側入力信号から減算しその低域成分を取り出した信号と、前記R側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号を前記L側入力信号に加算した信号とを加算してL側差信号強調信号とし、
前記L側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号を前記R側入力信号から減算しその低域成分を取り出した信号と、前記L側入力信号を所定の増幅率で増幅した信号を前記R側入力信号に加算した信号とを加算してR側差信号強調信号とし、
前記R側差信号強調信号を遅延させ低音域と高音域を取り除き所定の増幅率で増幅した信号をクロストークキャンセル用として前記L側差信号強調信号から減算してL側出力信号とし、
前記L側差信号強調信号を遅延させ低音域と高音域を取り除き所定の増幅率で増幅した信号をクロストークキャンセル用として前記R側差信号強調信号から減算してR側出力信号とする、
ことを特徴とする音響信号処理方法。
【請求項2】
差信号強調部とクロストークキャンセル部とを有する音響信号処理装置であって、
前記差信号強調部は、L側入力信号を所定の増幅率で増幅する第1の増幅器と、R側入力信号を所定の増幅率で増幅する第2の増幅器と、前記L側入力信号から前記第2の増幅器の出力信号を減算する第1の減算器と、前記R側入力信号から前記第1の増幅器の出力信号を減算する第2の減算器と、前記第1の減算器の出力側に接続される第1のローパスフィルタと、前記第2の減算器の出力側に接続される第2のローパスフィルタと、前記L側入力信号を所定の増幅率で増幅する第3の増幅器と、前記R側入力信号を所定の増幅率で増幅する第4の増幅器と、前記第1のローパスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第5の増幅器と、前記第2のローパスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第6の増幅器と、前記L側入力信号と前記第4の増幅器の出力信号を加算する第1の加算器と、前記R側入力信号と前記第3の増幅器の出力信号を加算する第2の加算器と、前記第1の加算器の出力信号と前記第5の増幅器の出力信号を加算する第3の加算器と、前記第2の加算器の出力信号と前記第6の増幅器の出力信号を加算する第4の加算器とを有し、
前記クロストークキャンセル部は、前記第3の加算器の出力信号を遅延させる第1の遅延回路と、前記第4の加算器の出力信号を遅延させる第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路の出力側に接続される第1のバンドパスフィルタと、前記第2の遅延回路の出力側に接続される第2のバンドパスフィルタと、前記第1のバンドスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第7の増幅器と、前記第2のバンドパスフィルタの出力信号を所定の増幅率で増幅する第8の増幅器と、前記第3の加算器の出力信号から前記第8の増幅器の出力信号を減算する第3の減算器と、前記第4の加算器の出力信号から前記第7の増幅器の出力信号を減算する第4の減算器とを有する、
ことを特徴とする音響信号処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の音響信号処理装置において、
前記第1および第2の増幅器の利得は0.75〜1であり、前記第3および第4の増幅器の利得は0〜0.5であり、前記第5および第6の増幅器の利得は0〜2.0であり、前記第7および第8の増幅器の利得は0〜0.5であり、前記第1および第2の遅延回路の遅延時間は略0.1ms以下(但し、0を含まない)であり、前記第1および第2のローパスフィルタのカットオフ周波数は略7KHz〜略11KHzであり、前記第1および第2のバンドパスフィルタは低域側のカットオフ周波数が略100Hz〜略300Hz、高域側のカットオフ周波数が略7KHz〜略11KHzである、ことを特徴とする音響信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−42195(P2006−42195A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222393(P2004−222393)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000191238)新日本無線株式会社 (569)
【Fターム(参考)】