説明

音響再生装置

【課題】車室内における音像定位のアンバランス感、音場のこもり感を軽減する。
【解決手段】音像定位補正処理部1は、Lチャンネルのオーディオ信号、Rチャンネルのオーディオ信号、Lチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号との加算信号に対して、聴取位置となる座席数に応じてそれぞれ遅延処理を施し、遅延処理が施された加算信号を、遅延処理が施された各チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ加算する。音質改善処理部2は、音像定位補正処理部1からの各チャンネルの信号をそれぞれ高域、中域、低域の3つのバンドに帯域分割し、各バンドに帯域分割された信号にそれぞれダイナミックレンジ圧縮処理を施す。時間遅延補正部3は、音質改善処理部2からの各チャンネルの信号に対して、聴取位置の座席に応じて遅延処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用の音響再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用の音響再生装置においては、座席によりスピーカに対する位置関係が異なることから、スピーカから聴取位置への到達時間に差が生じ、これにより音像定位のアンバランス感が生じていた。
【0003】
また、車室のような閉じた空間内の音場では、定在波が存在することで、こもり感が存在する。さらに、車種によってはスピーカがドアにマウントされ、低い位置から音が再生されることで、こもり感に影響を与えることがある。
【0004】
従来、音像定位のアンバランス感を軽減するために、レベル補正(フェーダー機能)により左右前後の再生バランスを補正していた。さらに、スピーカから聴取位置までの距離から、スピーカ再生音の受聴タイミングを合わせるディレイ処理を行う技術も知られている。
【0005】
また、こもり感を軽減するためには、グラフィックイコライザーにより周波数補正処理を行う技術が知られている。また、低域側、高域側で設定レベルを越えたときその再生信号にそれぞれの信号を加算して音場補正し、こもり感を改善する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平3−212000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、音像定位のアンバランス感を軽減するために、レベル補正やディレイ処理を行う場合、特定の聴取位置に対する処理しか行えないため、その効果対象者が1人に限定されてしまうという問題があった。
【0007】
また、こもり感を軽減するために周波数補正処理を行う技術や、特許文献1に開示された技術では、車種やスピーカ構成によっては効果があまり得られないことがあった。さらに、ツイータが装着されている場合、周波数補正処理を行うと、高音域が強調されすぎることにより、音質が変化していた。特に、ツイータがピラーマウントされている場合は、ツイータが聴取者の近くにあるため、音質の変化が顕著に感じられる。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、車載用の音響再生装置において、音像定位のアンバランス感を、1箇所の聴取位置に限らず軽減することを目的とする。
【0009】
また、車種やスピーカ構成によらず、さらには、ツイータが装着されていても音源本来の音質を過度に変化させることなく、車内の音場のこもり感を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の音響再生装置は、2チャンネルのオーディオ信号を再生する音響再生装置において、一方のチャンネルのオーディオ信号と他方のチャンネルのオーディオ信号とを加算して加算信号を生成する第1の加算手段と、前記一方のチャンネルのオーディオ信号、前記他方のチャンネルのオーディオ信号、前記加算信号にそれぞれ遅延処理を施す第1の遅延手段と、この第1の遅延手段から出力された前記加算信号を、前記第1の遅延手段から出力された各チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ加算する第2の加算手段と、この第2の加算手段で前記加算信号が加算された前記各チャンネルのオーディオ信号をそれぞれ高域、中域、低域の3つのバンドに帯域分割し、各バンドに帯域分割された信号にそれぞれダイナミックレンジ圧縮処理を施し、前記各チャンネルのオーディオ信号の再生にツイータを用いる場合には、高域の信号レベルを他の帯域に比べて低くする圧縮手段と、この圧縮手段から出力された前記各チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ遅延処理を施す第2の遅延手段と、前記各チャンネルのオーディオ信号を再生するスピーカの位置と再生音の聴取位置とに応じて、前記第1の遅延手段および前記第2の遅延手段において各信号に与える遅延時間を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一方のチャンネルのオーディオ信号と他方のチャンネルのオーディオ信号とを加算して加算信号を生成し、一方のチャンネルのオーディオ信号、他方のチャンネルのオーディオ信号、加算信号に対して聴取位置に応じてそれぞれ遅延処理を施し、遅延処理が施された加算信号を、遅延処理が施された各チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ加算し、加算信号が加算された各チャンネルのオーディオ信号に対して聴取位置に応じてそれぞれ遅延処理を施すので、1箇所の聴取位置に限らず音像定位のアンバランス感を軽減することができる。
【0012】
また、加算信号が加算された各チャンネルのオーディオ信号をそれぞれ高域、中域、低域の3つのバンドに帯域分割し、各バンドに帯域分割された信号にそれぞれダイナミックレンジ圧縮処理を施すので、音源自体の音質を改善することができ、車種やスピーカ構成によらず、さらには、ツイータが装着されていても音源本来の音質を過度に変化させることなく、車内の音場のこもり感を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の音響再生装置を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態に係る音響再生装置を示す構成図である。図1に示すように本実施の形態の音響再生装置は、Lチャンネル、Rチャンネルのオーディオ信号に対して定位感の改善処理を行う音像定位補正処理部1と、音源の特性を解析し音質改善処理を行う音質改善処理部2と、オーディオ信号に遅延処理を施す時間遅延補正部3と、ユーザの操作入力を受けて操作信号を出力する入力部4と、装置に設けられた各部を制御する制御部5とを備える。
【0015】
図2は図1に示す音響再生装置の音像定位補正処理部を示す構成図である。図1に示すように音像定位補正処理部1は、入力後2つに分岐されたLチャンネルのオーディオ信号の一方に係数を乗算する乗算器11Aと、Lチャンネルのオーディオ信号の他方に係数を乗算する乗算器11Bと、入力後2つに分岐されたRチャンネルのオーディオ信号の一方に係数を乗算する乗算器11Cと、Rチャンネルのオーディオ信号の他方に係数を乗算する乗算器11Dと、乗算器11Aの出力信号と乗算器11Cの出力信号とを加算する加算器12Aと、乗算器11Bの出力信号に調整処理を施す調整用フィルタ13Aと、加算器12Aの出力信号に調整処理を施す調整用フィルタ13Bと、乗算器11Dの出力信号に調整処理を施す調整用フィルタ13Cと、調整用フィルタ13Aの出力信号に遅延処理を施す遅延回路14Aと、調整用フィルタ13Bの出力信号に遅延処理を施す遅延回路14Bと、調整用フィルタ13Cの出力信号に遅延処理を施す遅延回路14Cと、遅延回路14Aの出力信号に係数を乗算する乗算器11Eと、遅延回路14Cの出力信号に係数を乗算する乗算器11Fと、2つに分岐された遅延回路14Bの出力信号のそれぞれに係数を乗算する乗算器11G,11Hと、乗算器11Eの出力信号と乗算器11Gの出力信号とを加算する加算器12Bと、乗算器11Fの出力信号と乗算器11Hの出力信号とを加算する加算器12Cとを備える。
【0016】
図3は図1に示す音響再生装置の音質改善処理部における基本部を示す構成図である。音質改善処理部2には各チャンネルに応じて基本部が2つ含まれているが、それぞれ同じ構成であるため、一方の基本部を例にその構成を説明する。
【0017】
図3に示すように音質改善処理部2の基本部は、音像定位補正処理部1から入力される一方(例えばLチャンネル)のオーディオ信号の低域成分を取り出す低域通過フィルタ21と、入力オーディオ信号の中域成分を取り出す中域通過フィルタ22と、入力オーディオ信号の高域成分を取り出す高域通過フィルタ23と、低域通過フィルタ21の出力信号にダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮部24Aと、中域通過フィルタ22の出力信号にダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮部24Bと、高域通過フィルタ23の出力信号にダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮部24Cと、ダイナミックレンジ圧縮部24Aの出力信号に係数を乗算する乗算器25Aと、ダイナミックレンジ圧縮部24Bの出力信号に係数を乗算する乗算器25Bと、ダイナミックレンジ圧縮部24Cの出力信号に係数を乗算する乗算器25Cとを備える。
【0018】
図4は図1に示す音響再生装置の時間遅延補正部を示す構成図である。図4に示すように時間遅延補正部3は、音質改善処理部2から入力されるLチャンネルのオーディオ信号に遅延処理を施す遅延回路31Aと、音質改善処理部2から入力されるRチャンネルのオーディオ信号に遅延処理を施す遅延回路31Bとを備える。
【0019】
次に、本実施の形態の音響再生装置の動作を説明する。
【0020】
Lチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号が音像定位補正処理部1に入力されると、それぞれが2つに分岐される。乗算器11Aは、2つに分岐されたLチャンネルのオーディオ信号の一方に係数を乗算し、加算器12Aに出力する。乗算器11Bは、2つに分岐されたLチャンネルのオーディオ信号の他方に係数を乗算し、調整用フィルタ13Aに出力する。
【0021】
また、乗算器11Cは、2つに分岐されたRチャンネルのオーディオ信号の一方に係数を乗算し、加算器12Aに出力する。乗算器11Dは、2つに分岐されたLチャンネルのオーディオ信号の他方に係数を乗算し、調整用フィルタ13Cに出力する。
【0022】
そして、加算器12Aは、それぞれ係数が乗算されたLチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号とを加算して加算信号を生成し、この加算信号を調整用フィルタ13Bに出力する。調整用フィルタ13A〜13Cは、それぞれ入力された信号に対して、低高音域の強調やセンターボーカル成分の抽出などの調整処理を施す。
【0023】
次いで、遅延回路14A〜14Cは、調整用フィルタ13A〜13Cから出力された信号に対して遅延処理を施す。遅延回路14A〜14Cで与えられる遅延時間は、制御部5によって制御され、音像定位補正処理の対象の座席がいくつあるかに応じて調整される。音像定位補正処理の対象の座席数は、ユーザにより入力部4に入力され、入力部4は制御部5に操作信号を出力する。制御部5は、この操作信号を判断し、遅延回路14A〜14Cに対する制御を行う。
【0024】
例えば、音像定位補正処理の対象の座席が、運転席と助手席との2つと設定されたとする。この場合、制御部5は、Lチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号とを加算信号に対して遅らせるために、Lチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号とに遅延時間を与え、加算信号には遅延時間を与えないように遅延回路14A〜14Cを制御する。
【0025】
また、音像定位補正処理の対象の座席が、運転席か助手席かのどちらか1つと設定されたとすると、制御部5は、加算信号をLチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号とに対して遅らせるために、加算信号に遅延時間を与え、Lチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号とには遅延時間を与えないように遅延回路14A〜14Cを制御する。
【0026】
そして、乗算器11Eは、遅延回路14Aから出力されたLチャンネルのオーディオ信号に係数を乗算し、加算器12Bに出力する。乗算器11Fは、遅延回路14Cから出力されたRチャンネルのオーディオ信号に係数を乗算し、加算器12Cに出力する。
【0027】
遅延回路14Bから出力された加算信号は、2つに分岐される。そして、乗算器11Gは、一方の加算信号に係数を乗算し、加算器12Bに出力する。乗算器11Hは、他方の加算信号に係数を乗算し、加算器12Cに出力する。
【0028】
加算器12Bは、乗算器11Eから出力されたLチャンネルのオーディオ信号に乗算器11Gから出力された加算信号を加算して出力する。また、加算器12Cは、乗算器11Fから出力されたRチャンネルのオーディオ信号に乗算器11Hから出力された加算信号を加算して出力する。
【0029】
加算器12B,12Cから出力されたLチャンネル、Rチャンネルのオーディオ信号は、音質改善処理部2に入力され、それぞれに音質改善処理が施される。以下、Lチャンネルのオーディオ信号の処理について説明するが、Rチャンネルのオーディオ信号についても同様の処理が施される。
【0030】
図3に示す音質改善処理部の基本部に加算器12Bから出力されたLチャンネルのオーディオ信号が入力されると、低域通過フィルタ21は入力オーディオ信号の低域成分を取り出し、中域通過フィルタ22は中域成分を取り出し、高域通過フィルタ23は高域成分を取り出す。低域通過フィルタ21、中域通過フィルタ22、高域通過フィルタ23により低域、中域、高域の3つのバンドに帯域分割されたオーディオ信号は、それぞれダイナミックレンジ圧縮部24A〜24Cに入力され、ダイナミックレンジ圧縮処理が施される。
【0031】
ダイナミックレンジ圧縮部24A〜24Cは、入力信号に対して、それぞれ各帯域の入力信号の周波数軸上での信号レベルを監視して、信号レベルが所定の閾値より高いときは、信号レベルを下げ、信号レベルが閾値より低いときは、信号レベルを上げる。このようにして、全周波数帯域で信号レベルを一定の範囲内に圧縮する。
【0032】
ダイナミックレンジ圧縮部24A〜24Cからの出力信号は、それぞれ乗算器25A〜25Cで係数が乗算されてゲイン調整される。その後、各帯域の信号は加算されて出力される。
【0033】
図5は音質改善処理部の入力信号の特性概念図、図6は音質改善処理部の出力信号の特性概念図である。図5に示すような入力信号に対してダイナミックレンジ圧縮処理を施すことにより、図6に示すような、全周波数帯域で信号レベルが一定の範囲内に圧縮された信号が出力される。
【0034】
ここで、車室内にツイータが装着されている場合は、出力信号における高域の信号レベルは、他の帯域に比べて低く抑えるようにする。ツイータの有無は、ユーザにより入力部4に入力され、入力部4は制御部5に操作信号を出力する。制御部5は、この操作信号を判断し、ツイータが有るときは、高域用のダイナミックレンジ圧縮部24Cに対して、閾値を他の帯域より低く設定するように制御する。
【0035】
音質改善処理部2から出力されたLチャンネルのオーディオ信号は、時間遅延補正部3の遅延回路31Aに入力され、音質改善処理部2から出力されたRチャンネルのオーディオ信号は、時間遅延補正部3の遅延回路31Bに入力される。遅延回路31A,31Bは、それぞれ入力されたオーディオ信号に対して、遅延処理を施す。
【0036】
遅延回路31A,31Bで与えられる遅延時間は、制御部5によって制御され、音像定位補正処理の対象の座席がどこであるかに応じて調整される。音像定位補正処理の対象の座席は、ユーザにより入力部4に入力され、入力部4は制御部5に操作信号を出力する。制御部5は、この操作信号を判断し、遅延回路31A,31Bに対する制御を行う。
【0037】
例えば、音像定位補正処理の対象の座席が、運転席(右側の座席)と設定されたとする。この場合、制御部5は、Rチャンネルのオーディオ信号をLチャンネルのオーディオ信号に対して遅らせるために、Rチャンネルのオーディオ信号に遅延時間を与え、Lチャンネルのオーディオ信号には遅延時間を与えないように遅延回路31A,31Bを制御する。
【0038】
また、音像定位補正処理の対象の座席が、助手席(左側の座席)と設定されたとすると、制御部5は、Lチャンネルのオーディオ信号をRチャンネルのオーディオ信号に対して遅らせるために、Lチャンネルのオーディオ信号に遅延時間を与え、Rチャンネルのオーディオ信号には遅延時間を与えないよう遅延回路31A,31Bを制御する。
【0039】
音像定位補正処理の対象の座席が運転席と助手席の両方と設定された場合、制御部5は、各チャンネルのオーディオ信号には遅延時間を与えずにそのまま出力するように、遅延回路31A,31Bを制御する。
【0040】
このように本実施の形態によれば、音像定位補正処理部1は、Lチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号とを加算して加算信号を生成し、Lチャンネルのオーディオ信号、Rチャンネルのオーディオ信号、加算信号に対して、聴取位置となる座席数に応じてそれぞれ遅延処理を施し、遅延処理が施された加算信号を、遅延処理が施された各チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ加算し、時間遅延補正部3は、加算信号が加算されたLチャンネルのオーディオ信号およびRチャンネルのオーディオ信号に対して、聴取位置の座席に応じて遅延処理を施すので、1箇所の聴取位置に限らず、聴取位置の座席に応じて音像定位のアンバランス感を軽減することができる。
【0041】
また、音質改善処理部2は、音像定位補正処理部1からの各チャンネルのオーディオ信号を、それぞれ高域、中域、低域の3つのバンドに帯域分割し、各バンドに帯域分割された信号にそれぞれダイナミックレンジ圧縮処理を施すので、音源自体の音質を改善することができ、車種やスピーカ構成によらず、車内の音場のこもり感を軽減することができる。
【0042】
また、車室内にツイータが装着されている場合、高域用のダイナミックレンジ圧縮部24Cの閾値を他の帯域より低く設定し、出力信号における高域の信号レベルを他の帯域に比べて低く抑えるようにするので、ツイータが装着されていても高域が強調されすぎることを抑え、音質を過度に変化させることなく、車内の音場のこもり感を軽減することができる。
【0043】
なお、上記説明では、入力信号がLチャンネルのオーディオ信号とRチャンネルのオーディオ信号である場合について説明したが、入力信号はこれに限らず、例えば、マルチチャンネル5.1ch信号におけるダウンミックスされた2ch信号でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態に係る音響再生装置を示す構成図である。
【図2】図1に示す音響再生装置の音像定位補正処理部を示す構成図である。
【図3】図1に示す音響再生装置の音質改善処理部における基本部を示す構成図である。
【図4】図1に示す音響再生装置の時間遅延補正部を示す構成図である。
【図5】音質改善処理部の入力信号の特性概念図である。
【図6】音質改善処理部の出力信号の特性概念図である。
【符号の説明】
【0045】
1 音像定位補正処理部
2 音質改善処理部
3 時間遅延補正部
4 入力部
5 制御部
11A〜11H,25A〜25C 乗算器
12A〜12C 加算器
13A〜13C 調整用フィルタ
14A〜14C,31A,31B 遅延回路
21 低域通過フィルタ
22 中域通過フィルタ
23 高域通過フィルタ
24A〜24C ダイナミックレンジ圧縮部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2チャンネルのオーディオ信号を再生する音響再生装置において、
一方のチャンネルのオーディオ信号と他方のチャンネルのオーディオ信号とを加算して加算信号を生成する第1の加算手段と、
前記一方のチャンネルのオーディオ信号、前記他方のチャンネルのオーディオ信号、前記加算信号にそれぞれ遅延処理を施す第1の遅延手段と、
この第1の遅延手段から出力された前記加算信号を、前記第1の遅延手段から出力された各チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ加算する第2の加算手段と、
この第2の加算手段で前記加算信号が加算された前記各チャンネルのオーディオ信号をそれぞれ高域、中域、低域の3つのバンドに帯域分割し、各バンドに帯域分割された信号にそれぞれダイナミックレンジ圧縮処理を施し、前記各チャンネルのオーディオ信号の再生にツイータを用いる場合には、高域の信号レベルを他の帯域に比べて低くする圧縮手段と、
この圧縮手段から出力された前記各チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ遅延処理を施す第2の遅延手段と、
前記各チャンネルのオーディオ信号を再生するスピーカの位置と再生音の聴取位置とに応じて、前記第1の遅延手段および前記第2の遅延手段において各信号に与える遅延時間を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする音響再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−184758(P2007−184758A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1377(P2006−1377)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】