説明

音響処理装置、音響再生装置、及び音響処理方法

【課題】共鳴特性を軽減する補正を行う。
【解決手段】利用者の外耳道の音響特性を表す周波数特性から、周波数帯域別に異なる共鳴特性を基準としてモデリングした複数の帯域別音響モデルを生成する第1の部分音響モデル適応部1401、第2の部分音響モデル適応部1403と、生成された複数の帯域別音響モデルから、前記周波数帯域の周波数成分を抽出する第1の周波数帯域分割フィルタ1402、第2の周波数帯域分割フィルタ1404と、抽出された前記部分音響モデル毎の周波数成分を組み合わせ、音響モデルを生成する組合せ部1406と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共鳴特性に基づいて音響モデルを生成する音響処理装置、音響再生装置、及び音響処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、音響信号の共鳴ピークを低減させるための処理を行う音響補正装置、音響測定装置、音響再生装置、音響補正方法及び音響測定方法に関するものである。
【0003】
従来から、ヘッドホンを用いて音楽などの再生音声を聞くことが可能な、携帯性に優れた音響再生装置が広く普及している。このような音響再生装置においては、利用者は自分の好みの音量で、音楽などを聴くことが多い。これにより、比較的大音量で、長時間聴くという状況が生じている。このような状況下においては、音楽などを聴いている利用者の聴力を低下させる恐れがある。そこで、これを防ぐために様々な技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載された技術では、周波数帯域に分割して補正を容易にする技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】WO1995/020866パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1の従来技術は、単に反射ノイズについて補正する技術であり、共鳴特性まで考慮している技術ではない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被測定対象物の共鳴特性に基づいた処理を行うことを可能とする音響処理装置、音響再生装置、及び音響処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる音響処理装置は、被測定対象物の音響特性を表す周波数特性から、周波数帯域別に異なる共鳴特性を基準としてモデリングした複数の帯域別音響モデルを生成する生成手段と、前記複数の帯域別音響モデルから、前記周波数帯域の周波数成分を抽出するフィルタリング手段と、前記抽出された前記部分音響モデル毎の周波数成分を組み合わせ、音響モデルを生成する組合せ手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる音響再生装置は、被測定対象物の音響特性を表す周波数特性から、周波数帯域別に異なる共鳴特性を基準としてモデリングした複数の帯域別音響モデルを生成する生成手段と、前記複数の帯域別音響モデルから、前記周波数帯域の周波数成分を抽出するフィルタリング手段と、前記抽出された前記部分音響モデル毎の周波数成分を組み合わせ、音響モデルを生成する組合せ手段と、前記被測定対象物に対して出力する音響信号を生成する信号生成手段と、前記組合せ手段により組み合わされた前記音響モデルを用いて、生成された前記音響信号の音響特性を補正する補正手段と、を備えること特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる音響処理方法は、音響処理装置で実行される音響処理方法であって、生成手段が、被測定対象物の音響特性を表す周波数特性から、周波数帯域別に異なる共鳴特性を基準としてモデリングした複数の帯域別音響モデルを生成する生成ステップと、フィルタリング手段が、前記複数の帯域別音響モデルから、前記周波数帯域の周波数成分を抽出するフィルタリングステップと、組合せ手段が、前記抽出された前記部分音響モデル毎の周波数成分を組み合わせ、音響モデルを生成する組合せステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周波数帯域毎に生成した音響モデルを組み合わせることで、共鳴ピークの間隔が整数倍にならずとも、被測定対象物の音響特性に適した音響モデルを生成できるので、適切な補正処理が可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる音響処理装置、音響再生装置、及び音響処理方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の音響特性補正装置を適用された音響再生装置100の例を示した図である。図1に示す例では、音響再生装置100は、音響特性補正装置150と、携帯電話端末110と、で構成されている。そして、音響特性補正装置150は、イヤホン120と、筐体部130と、を備える。
【0014】
携帯電話端末110は、内部の(図示しない)音声データ生成部が、音声データを生成(再生)し、音響特性補正装置150に出力する。音響特性補正装置150は、入力された音声データ(音源信号)に対して共鳴特性の補正した後、補正された音響信号を、イヤホン120から非対象測定物に対して出力する。本実施の形態では、非対象測定物が、利用者の外耳道の例とする。また、イヤホン120には、マイクロホンが内蔵されている。次にイヤホン120について説明する。
【0015】
図2は、本実施形態における、共鳴特性の補正に用いるイヤホン120と周囲の環境を示した概念図である。図2に示すように、外耳道入り口にイヤホン120が装着されている。そして、イヤホン120の音響出力部201(音筒部)の近傍には、マイクロホンの音響入力部202が配置されている。そして、イヤホン120の音響出力部201と、マイクロホンの音響入力部202とは、それぞれ音響特性補正装置150の筐体部130と電気的に接続されている。そして、音響出力部201が出力した音響信号は、外耳道の鼓膜位置250まで届けられる。
【0016】
なお、図2では、マイクロホンの音響入力部202は、視認しやすいようにイヤホン120の音響出力部201と別構成として表現した。実際はイヤホン120内部であって、音響出力部201近傍に備えられているものとする。
【0017】
図3は、第1の実施の形態にかかる音響特性補正装置150の構成を示すブロック図である。本図に示すように、音響特性補正装置150は、筐体部130とイヤホン120とで構成される。
【0018】
イヤホン120は、電気/音響変換部303と、音響出力部201と、マイクロホン330とを備える。そしてマイクロホン330は、音響入力部202と、音響/電気変換部306と、を備える。
【0019】
電気/音響変換部303は、筐体部130から入力された電気信号である音源信号を、音響信号に変換する。音響出力部201は、音響信号を出力する。
【0020】
マイクロホン330の音響入力部202は、人の外耳道内からの音響信号を入力処理する。本実施の形態においては、音響出力部201から測定用の音響信号(以下、測定音響信号と称す)が出力された場合に、当該測定音響信号に対応する応答音響信号を入力処理する。上述したように、音響入力部202は、音響出力部201の近傍に設けられている。
【0021】
音響/電気変換部306は、入力処理された音響信号(応答音響信号)を、電気信号に変換する。本実施の形態では、電気信号に変換された応答音響信号を応答信号とする。
【0022】
ところで、鼓膜位置の共鳴周波数を打ち消すことができれば、利用者にとって適切な補正を行ったことになるが、利用する度に利用者の鼓膜位置にマイクロホンを配置するのは難しい。このため、本実施の形態では、マイクロホンをイヤホン120近傍に配置した。
【0023】
本実施の形態では、このようにイヤホン120を装着した状態で、外耳道の共鳴特性を計測する。ところで、図4は、イヤホンを装着していないときの外耳道を示した概念図である。図4に示すように、イヤホンを装着していない段階では、外耳道は片側閉管として表すことができる。図5は、イヤホンを装着していないときの外耳道の周波数特性を示した図である。図5に示すように、外耳道の周波数特性として、複数の共鳴ピークを有している。
【0024】
図6は、イヤホンを装着しているときの外耳道を示した概念図である。図6に示すように、イヤホンを装着している段階では、外耳道は両側閉管として表すことができる。図7は、イヤホンを装着しているときの外耳道の周波数特性を示した図である。図7に示すように、外耳道の周波数特性として、複数の共鳴ピークを有している。
【0025】
そして、図5に示す外耳道の周波数特性と、図7に示す外耳道の周波数特性とを比較すると共鳴ピークととる共鳴周波数と、当該共鳴周波数の利得とが、イヤホンの非装着と装着との間で異なることが確認できる。このように、利用者のイヤホンの装着により外耳道が、片側閉管から両側閉管となり、スペクトル構造に変化が見られる。
【0026】
このようなスペクトル構造の変化において、特に共鳴周波数の変化は聴感上有害な影響を与える場合がある。そこで、本実施の形態では、被測定対象物が外耳道の場合であって、イヤホン到着により変化した共鳴周波数を補正することとした。
【0027】
図8は、イヤホンが装着された外耳道を、イヤホンと壁(鼓膜)で塞がれた一様共鳴管と仮定した場合の概念を示している。この場合、図9に示すような基本振動の共鳴周波数(第1共鳴ピーク)や、図10に示すような2倍振動の共鳴周波数(第2共鳴ピーク)など、無数の共鳴周波数が生じる。
【0028】
図11は、外耳道を表した一様共鳴管の周波数特性を示した図である。図11に示すように、基本振動の整数倍に聴感上有害な共鳴周波数が存在する。これら共鳴周波数を除去する補正を行う必要がある。このような周波数特性の場合には、図12に示すような一様共鳴管の逆特性を用いれば、共鳴を抑止できる。
【0029】
図12に示した周波数特性を有するフィルタは、一般にくし型フィルタと呼ばれる。図13は、当該くし型フィルタの構成を示した図である。図13に示すように、くし型フィルタは、n個の遅延素子(z1〜zn)と、増幅素子(b1〜bn)と、の組合せで実現できる。
【0030】
しかしながら、外耳道は狭窄部を含む複雑な形状をしており、共鳴周波数が一様音響管のように整数倍で現れないことがある。このように、外耳道が周波数軸上で平坦でない音響特性を有する場合、一様音響管を仮定したモデルでは対応しきれないことになり、上述した一様共鳴管の逆特性を用いても、共鳴を適切に抑止することは難しい。
【0031】
図14は、周波数軸上で平坦でない音響特性を有する外耳道の周波数特性と、一様共鳴管の逆特性と、を示した図である。図14に示す例では、基本振動の周波数をnとした場合に、2倍振動の周波数は2nとならず、3倍振動の周波数も3nとならない。すなわち、図14に示した一様共鳴管の逆特性を用いた場合に、第1の共鳴ピークの共鳴は抑止できるが、第2以降の共鳴ピークについて共鳴を抑止できない。
【0032】
つまり、上述した手法では、外耳道が周波数軸上で平坦でない音響特性を有する場合、全ての共鳴ピークの共鳴を抑止することができない。共鳴を抑止するために、外耳道の共鳴特性の周波数の同定を行えばよいが、計算処理が重くなると共にコストが高くなる。さらには、耳の特性以外の要因を拾う可能性があるため、外耳道の正確な周波数の同定が行えるとは限らない。
【0033】
そこで、本実施の形態では、上述した問題点を解決するために、周波数帯域毎に異なる音響モデルを構築することとした。まずは、図3に戻り、各構成について説明する。
【0034】
筐体部130は、音源入力部301と、音源出力モード処理部302と、補正設定モード処理部307と、切替部308と、を備える。
【0035】
本実施の形態にかかる音響特性補正装置150においては、2種類の処理モードを備える。これら処理モードのうち、一方は、補正設定モードとし、利用者の外耳道の周波数特性を測定し、音響モデル適応フィルタ311で用いられる音響モデルのパラメータを特定するモードとする。他方のモードを、音源出力モードとし、上記のパラメータが適用された音響モデルを用いた音響モデル適応フィルタ311で音源信号の補正処理を行った後、音響信号として出力するモードとする。
【0036】
音響モデルとは、利用者の外耳道の周波数特性をモデリングしたものとする。本実施の形態にかかる音響モデルは、利用者の外耳道の周波数特性のうち、特に共鳴ピークを基準に生成する。
【0037】
切替部308は、補正設定モードと、音源出力モードと、を切り換える。そして、補正設定モードの場合には、補正設定モード処理部307による補正フィルタで用いる音響モデル構築するための処理が行われる。一方、音源出力モードの場合には、音源入力部301に対して入力された音源信号に対して、音源出力モード処理部302が処理した後、被測定対象に対して、音響信号が出力される。
【0038】
本実施の形態においては、携帯電話端末110から音声データとして入力された電気信号を音源信号とする。そして、音響信号は、イヤホン120の音響出力部201から出力される音とする。
【0039】
補正設定モード処理部307は、測定信号生成部321と、パラメータ特定部322と、特性特定部323と、応答データ取得部324と、を備える。本実施の形態においては、切替部308により音源出力モードに切り換えられた場合に、測定信号生成部321の測定基準信号の生成をトリガとして、各構成の処理が行われる。
【0040】
測定信号生成部321は、外耳道の共鳴特性(周波数特性)を測定するための電気信号を示す測定基準信号を生成する。この測定基準信号は、外耳道の共鳴特性を測定するために予め定められた電気信号とする。
【0041】
そして、測定信号生成部321で生成された測定基準信号は、電気/音響変換部303で、音響信号に変換される。音響信号に変換された測定基準信号を、測定用音響信号とする。この本実施の形態にかかる測定用音響信号は、単位パルス、タイムストレッチトパルス、白色雑音、測定帯域を含む帯域雑音、又は測定帯域内の正弦波のうちいずれか一つ以上を含む複数の正弦波で合成された信号とする。
【0042】
そして、電気/音響変換部303で変換された測定用音響信号は、音響出力部201から出力される。その後、出力した当該測定用音響信号に対応する(反射音である)応答音響信号を、音響入力部202が、入力処理する。そして、入力処理された応答音響信号は、音響/電気変換部306で電気信号に変換する。変換された電気信号を、応答信号とする。
【0043】
応答データ取得部324は、応答信号を取得する。応答信号は、外耳道で反射された応答音響信号を電気信号に変換された信号である。
【0044】
特性特定部323は、取得した応答信号の周波数特性を分析し、外耳道の共鳴特性を特定する。本実施の形態にかかる特性特定部323は、応答信号を分析することで、共鳴ピーク毎の共鳴周波数を特定する。なお、共鳴周波数の特定手法は、周知の手法を問わず、あらゆる手法を用いて良い。
【0045】
本実施の形態にかかる特性特定部323は、周波数帯域毎の共鳴特性を特定する。例えば、特性特定部323は、第1共鳴ピークを含む周波数帯域の共鳴特性を特定し、第2共鳴ピークを含む周波数帯域の共鳴特性を特定する。本実施の形態にかかる特性特定部323は、共鳴特性として、各共鳴ピークの利得や、共鳴周波数等を特定する。
【0046】
パラメータ特定部322は、特性特定部323により特定された周波数帯域毎の共鳴特性(周波数特性)に基づいて、周波数帯域毎の音響モデルに設定するパラメータを特定する。本実施の形態にかかるパラメータ特定部322は、第1共鳴ピークを基準とした音響モデルに設定するパラメータと、第2共鳴ピークを基準とした音響モデルに設定するパラメータと、を特定する。以下、各共鳴ピークを基準として構築される音響モデルを部分音響モデルと称す。
【0047】
本実施の形態にかかるパラメータ特定部322は、周波数帯域毎の音響モデルに設定するためのパラメータとして、音響モデル毎の伝搬時間を特定する。具体的には、パラメータ特定部322は、第1共鳴ピークを含む周波数帯域の共鳴特性から、第1共鳴ピークを基準とした第1の部分音響モデルに設定する伝搬時間を特定する。さらに、パラメータ特定部322は、第2共鳴ピークを含む周波数帯域の共鳴特性から、第2共鳴ピークを基準とした第2の音響モデルに設定する伝搬時間を特定する。なお、伝搬時間は、周知の手法を用いて特定する。
【0048】
さらに、パラメータ特定部322は、検出した共鳴周波数から、各共鳴ピークの大きさから、音響モデル毎の反射率を特定する。具体的には、パラメータ特定部322は、第1共鳴ピークの大きさから、第1の部分音響モデルに設定する反射率を特定する。さらに、パラメータ特定部322は、第2共鳴ピークの大きさから、第2の部分音響モデルに設定する反射率を特定する。なお、当該反射率も、周知の手法を用いて特定できる。
【0049】
このように、パラメータ特定部322は、特性特定部323により特定された各共鳴特性から、部分音響モデル毎のパラメータを設定する。これにより、周波数帯域に適切な補正処理が可能となる。これにより、例えば、基本振動の共鳴周波数のn倍が、n倍振動の共鳴周波数とならない場合であっても、適切な補正を行うことができる。
【0050】
音源入力部301は、外耳道に供給される音響信号の元となる音源信号を入力処理する。
【0051】
音源出力モード処理部302は、音響モデル適応フィルタ311を備える。音源出力モードに切り換えられた場合、音源入力部301が入力処理した音源信号に対して、以下に示す音響モデル適応フィルタ311、電気/音響変換部303、及び音響出力部201による処理が行われる。
【0052】
音響モデル適応フィルタ311は、入力処理された音源信号に対して、パラメータが設定された複数の部分音響モデルを組み合わせて、フィルタリング処理を行う。これにより補正処理を行うことができる。図15は、音響モデル適応フィルタ311において、音響モデルを適応した例を示した図である。
【0053】
図15に示すように、音響モデル適応フィルタ311は、第1の部分音響モデル適応部1401と、第1の周波数帯域分割フィルタ1402と、第2の部分音響モデル適応部1403と、第2の周波数帯域分割フィルタ1404と、組合せ部1406と、を備えている。
【0054】
第1の部分音響モデル適応部1401では、パラメータ特定部322によるパラメータの設定に基づいて、第1の共鳴ピークを基準として、共鳴ピークの逆特性となる第1の部分音響モデルを生成する。第2の部分音響モデル適応部1403は、パラメータ特定部322によるパラメータの設定に基づいて、第2の共鳴ピークを基準として、共鳴ピークの逆特性となる第2の部分音響モデルを生成する。
【0055】
第1の周波数帯域分割フィルタ1402は、第1の部分音響モデル適応部1401により生成された第1の部分音響モデルから、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域の周波数成分を抽出する。本実施の形態では、低周波数帯域を抽出するローパスフィルタとする。
【0056】
第2の周波数帯域分割フィルタ1404は、第2の部分音響モデル適応部1403により生成された第2の部分音響モデルから、第2以降の共鳴ピークを含む周波数帯域の周波数成分を抽出する。本実施の形態では、高周波数帯域を抽出するハイパスフィルタとする。
【0057】
なお、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域と、第2以降の共鳴ピークを含む周波数帯域とを区切る周波数は、基本振動となる第1の共鳴周波数と、2倍振動となる第2の共鳴周波数との間の周波数から適切な周波数が設定されればよい。
【0058】
組合せ部1406は、第1の部分音響モデル適応部1401からの、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域の周波数成分と、第2の部分音響モデル適応部1403からの、第2以降の共鳴ピークを含む周波数帯域の周波数成分と、を組み合わせている。つまり、組合せ部1406は、第1の部分音響モデルにおける、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域の周波数成分と、第2の部分音響モデルにおける、第2の共鳴ピークを含む周波数帯域の周波数成分と、を組み合わせて、音響モデルを生成していることを意味する。
【0059】
図16は、音響モデル適応フィルタ311内に構築される音響モデルの概念を示した図である。図16に示した、第1の部分音響モデル1601は、第1の部分音響モデル適応部1401が生成した第1の部分音響モデルであり、第2の部分音響モデル1602は、第2の部分音響モデル適応部1403が生成した第2の部分音響モデルである。
【0060】
そして、第1の部分音響モデル1601は、第1の周波数帯域分割フィルタ1603により、第1の共鳴ピークを含む低周波数帯域の周波数成分のみ抽出される。一方、第2の部分音響モデル1602は、第2の周波数帯域分割フィルタ1604により、第2の共鳴ピークを含む高周波数帯域の周波数成分のみ抽出される。そして、組合せ部1406が抽出された各周波数成分の部分音響モデルを組み合わせることで、音響モデル適応フィルタ311で用いる音響モデル1605が生成される。そして、音響モデル適応フィルタ311では、生成された音響モデル1605を用いて、音源信号のフィルタリングを行う。
【0061】
具体的には、第1の部分音響モデル適応部1401には、生成した第1の部分音響モデルに基づく第1のくし形フィルタが生成されている。なお、このくし形フィルタの遅延素子(z1〜zn)と、増幅素子(b1〜bn)には、特定された伝搬時間及び反射率に基づく値が設定される。一方、第2の部分音響モデル適応部1403には、生成した第2の部分音響モデルに基づく第2のくし形フィルタを生成されている。
【0062】
そして、第1の部分音響モデル適応部1401に入力された音源信号は、第1のくし型フィルタにより補正された後、第1の周波数帯域分割フィルタ1402に入力され、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域の音源信号のみ抽出される。
【0063】
一方、第2の部分音響モデル適応部1403に入力された音源信号は、第2のくし型フィルタによりフィルタリングされた後、第2の周波数帯域分割フィルタ1404に入力され、第2以降の共鳴ピークを含む周波数帯域の音源信号のみ抽出される。
【0064】
その後、組合せ部1406にて、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域の音源信号と、第2以降の共鳴ピークを含む周波数帯域の音源信号と、が組み合わされる。これにより、各共鳴ピークの共鳴を抑止するように補正された音源信号を生成できる。
【0065】
次に、本実施の形態にかかる音響特性補正装置150の全体的な処理手順について説明する。図17は、音響特性補正装置150の上述した処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
まず、切替部308が、周波数特性を計測するか否かを判定する(ステップS1701)。音響特性を計測すると判定した場合(ステップS1701:Yes)、補正設定モード処理部307が補正設定モードによる処理を行う(ステップS1702)。
【0067】
一方、周波数特性を測定しないと判定した場合(ステップS1701:No)、又はステップS1702の処理が終了した後、音源出力モード処理部302が音源出力モードによる処理を行う(ステップS1703)。上述した処理手順により、各モードによる処理が実行される。
【0068】
次に、本実施の形態にかかる音響特性補正装置150における補正設定モードによる処理について説明する。図18は、本実施の形態にかかる音響特性補正装置150における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0069】
まず、測定信号生成部321は、外耳道の共鳴特性(周波数特性)を測定するための電気信号を示す測定基準信号を生成する(ステップS1801)。次に、電気/音響変換部303が、測定基準信号を、測定用音響信号に変換する(ステップS1802)。その後、音響出力部201が、測定用音響信号を外耳道に出力する(ステップS1803)。
【0070】
その後、音響入力部202が、外耳道から反射してきた応答音響信号を入力処理する(ステップS1804)。次に、音響/電気変換部306が、応答音響信号を、電気信号である応答信号に変換する(ステップS1805)。
【0071】
そして、応答データ取得部324が、応答信号を取得する。次に、特性特定部323が、応答信号から、各共鳴ピーク(第1共鳴ピーク、第2共鳴ピークなど)の共鳴周波数を含む共鳴特性を特定する(ステップS1806)。その後、パラメータ特定部322が、特定された共鳴特性から、各音響モデルの部分音響モデルのパラメータを特定する(ステップS1807)。その後、パラメータ特定部322が、特定されたパラメータを各部分音響モデルに設定することで、音響モデル適応フィルタ311内に複数の部分音響モデルが生成される(ステップS1808)。本実施の形態では、各共鳴ピークの逆特性となる音響モデルを生成することとした。
【0072】
上述した処理手順により、利用者の外耳道に適切な補正を行うための部分音響モデルが生成された。また、音響モデル適応フィルタ311には、各部分音響モデルの周波数帯域別の周波数成分を組み合わせる構成が備えられているので、部分音響モデルの各周波数成分を組み合わせた音響モデルが構築されたことを意味する。
【0073】
次に、本実施の形態にかかる音響特性補正装置150における音響信号を出力するまでの処理について説明する。図19は、本実施の形態にかかる音響特性補正装置150における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0074】
まず、音源入力部301が、携帯電話端末110から、電気信号である音源信号を、入力処理する(ステップS1901)。
【0075】
次に、第1の部分音響モデル適応部1401、及び第2の部分音響モデル適応部1403が、それぞれ生成された部分音響モデルを用いたフィルタで、入力された音源信号に対して、補正処理を行う(ステップS1902)。その後、第1の周波数帯域分割フィルタ1402、及び第2の周波数帯域分割フィルタ1404が、各音響モデルを用いたフィルタで補正処理された後の音源信号に対して、各周波数帯域の周波数成分を抽出する(ステップS1903)。
その後、組合せ部1406が、抽出された各周波数帯域の周波数成分の音源信号を組み合わせる(ステップS1904)。これにより、周波数帯域毎に適切な補正が行われた音源信号が生成されたことになる。
【0076】
その後、電気/音響変換部303が、組み合わせた後の音源信号を、音響信号に変換する(ステップS1905)。その後、音響出力部201が音響信号を、外耳道に出力する(ステップS1906)。
【0077】
上述した処理手順により、狭窄部を含む複雑な形状をし、共鳴周波数が一様音響管のように整数倍で現れない外耳道であっても、当該外耳道に応じた補正処理が行われた音響信号を、出力することができる。
【0078】
本実施の形態では、イヤホン120を適用した例について説明したが、イヤホンに制限するものではなく、例えばヘッドホンでも良い。
【0079】
本実施の形態にかかる音響特性補正装置150により、個人の耳の特徴に合わせた補正が可能となる。また、音響特性補正装置150は、左右の耳の違いや挿入状態に合わせた補正も可能となる。
【0080】
さらに、本実施の形態にかかる音響特性補正装置150は、共鳴ピークを抑止する補正を行うので、音質の劣化の少ない補正が可能となる。また、共鳴特性を用い、共鳴特性の同定結果などを用いないため、少ないパラメータで簡単にチューニングが可能となる。また演算処理を軽減することができる。
【0081】
本実施の形態にかかる音響特性補正装置150は、各共鳴ピークを基準として生成した部分音響モデルを組み合わせた。これより、利用者の共鳴特性を同定する場合と比べて、処理負担を軽減し、装置のコストを削減することができる。
【0082】
本実施の形態にかかる音響特性補正装置150は、周波数軸上で平坦でない音響特性をもつ被測定対象物の共鳴特性に対して簡易かつ柔軟な補正を行うことが可能となるので、音響特性を向上させることができる。また、共鳴特性を同定した場合と比べて、耳以外の要因が入らないため、補正の精度を向上し、音質特性を向上させることができる。
【0083】
(変形例)
第1の実施の形態では、共鳴ピークを除去するための音響モデルを適用したフィルタを生成する場合について説明した。しかしながら、このような音響モデルの生成に制限するものではなく、各共鳴ピークを表した音響モデルを生成しても良い。そこで、変形例として、各共鳴ピークを表した音響モデルを構築する例について説明する。なお、他の構成については、第1の実施の形態と同様として説明を省略する。
【0084】
図20は、本変形例にかかる音響モデル適応フィルタ311内に構築される音響モデルの概念を示した図である。図20に示した、第1の部分音響モデル2001は、第1の部分音響モデル適応部1401が生成した音響モデルであり、第2の部分音響モデル2002は、第2の部分音響モデル適応部1403が生成した音響モデルである。
【0085】
そして、第1の部分音響モデル2001は、第1の周波数帯域分割フィルタ2003により、第1の共鳴ピークを含む低周波数帯域の周波数成分のみ抽出される。一方、第2の部分音響モデル2002は、第2の周波数帯域分割フィルタ2004により、第2の共鳴ピークを含む高周波数帯域の周波数成分のみ抽出される。そして、組合せ部1406が抽出された各周波数成分の部分音響モデルを組み合わせることで、音響モデル適応フィルタ311で用いる音響モデル2005が生成される。そして、音響モデル適応フィルタ311では、生成された音響モデル2005を用いて、音源信号のフィルタリングを行う。
【0086】
そして、第1の部分音響モデル適応部1401で生成された第1の部分音響モデルは、第1の周波数帯域分割フィルタ1402に入力され、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域の音響モデルのみ抽出される。一方、第2の部分音響モデル適応部1403に入力された第2の部分音響モデルは、第2の周波数帯域分割フィルタ1404に入力され、第2以降の共鳴ピークを含む周波数帯域の音響モデルのみ抽出される。
【0087】
その後、組合せ部1406にて、第1の共鳴ピークを含む周波数帯域の第1の部分音響モデルと、第2以降の共鳴ピークを含む周波数帯域の第2の部分音響モデルと、が組み合わされる。これにより、各共鳴ピークの共鳴を抑止するように補正された音響モデルを生成できる。
【0088】
上述した処理で、各共鳴ピークを適切に表した音響モデルを構築できるので、当該音響モデルを用いることで、共鳴特性の除去など様々な用途に適用することができる。
【0089】
本実施の形態及び変形例にかかる音響特性補正装置150では、イヤホン装着時の外耳道を音響モデルとして生成した例について説明した。本システムにより、イヤホン装着時の特性を意図的に付加したり、またイヤホン非装着時の特性を音響モデルとして生成し、イヤホン装着時の特性を除去したものに、付加してイヤホン非装着時の音響特性を実現することができる。
【0090】
さらに、本実施の形態及び変形例にかかる音響特性補正装置150では、周波数軸上で平坦でない音響特性をもつ被測定対象物の共鳴特性に対して簡易かつ柔軟な補正を行うことが可能となる。さらに、ハードウェア資源などの面で不利な状況や複雑な特性をもつ対象物においても適応できるため、応用範囲が広くなった。
【0091】
イヤホン装着時の外耳道を、図8で示したようなイヤホンと鼓膜(壁)とで、塞がれた無数の共鳴周波数をもつ一様音響管と仮定する場合、聴感上有害な共鳴周波数を除去するのが難しい場合がある。これに対して、本変形例では、各共鳴ピークを適切に表現した音響モデルを構築できるので、当該音響モデルに基づいたフィルタ等を生成することで、聴力上有害な共鳴周波数を適切に除去できる。
【0092】
上述した変形例で示した音響モデル、及び逆フィルタモデルを適用した場合でも、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
図21に示す、音響特性補正装置150は、CPU2101と、ROM(Read Only Memory)2102と、RAM2103と、音源インターフェース2104と、これらを接続するバス2105とを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0094】
なお、上述した実施の形態にかかる音響特性補正装置150で実行される音響特性補正プログラムは、ROM2102等に予め組み込まれて提供される。
【0095】
上述した実施の形態にかかる音響特性補正装置150で実行される音響特性補正プログラムで実行される音響特性計測プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0096】
さらに、上述した実施の形態にかかる音響特性補正装置150で実行される音響特性補正プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述した実施の形態にかかる音響特性補正装置150で実行される音響特性補正プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0097】
上述した実施の形態にかかる音響特性補正装置150で実行される音響特性補正プログラムは、上述した各構成を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU2101が上記ROM2102から音響特性補正プログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM2103上にロードされ、上述した各構成がRAM2103上に生成されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1の実施の形態の音響再生装置の例を示した図である。
【図2】第1の実施の形態における、共鳴特性の補正に用いるイヤホンと周囲の環境を示した概念図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる音響特性補正装置の構成を示すブロック図である。
【図4】イヤホンを装着していないときの外耳道を示した概念図である。
【図5】イヤホンを装着していないときの外耳道の周波数特性を示した図である。
【図6】イヤホンを装着しているときの外耳道を示した概念図である。
【図7】イヤホンを装着しているときの外耳道の周波数特性を示した図である。
【図8】イヤホンが装着された外耳道を、イヤホンと壁(鼓膜)で塞がれた一様共鳴管と仮定した場合の概念を示した図である。
【図9】一様共鳴管における基本振動を表した概念図である。
【図10】一様共鳴管における2倍振動を表した概念図である。
【図11】外耳道を表した一様共鳴管の周波数特性を示した図である。
【図12】一様共鳴管で生じる共鳴の逆特性を表した概念図である。
【図13】共鳴の逆特性を表したくし型フィルタの構成を示した図である。
【図14】周波数軸上で平坦でない音響特性を有する外耳道の周波数特性と、一様共鳴管の逆特性と、を示した図である。
【図15】音響モデル適応フィルタ内で、音響モデルを構築するための各構成を示したブロック図である。
【図16】音響モデル適応フィルタ内に構築される音響モデルの概念を示した図である。
【図17】音響特性補正装置の全体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図18】第1の実施の形態にかかる音響特性補正装置における補正設定モードによる処理手順を示すフローチャートである。
【図19】第1の実施の形態にかかる音響特性補正装置における音響信号を出力するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図20】変形例にかかる音響モデル適応フィルタ内に構築される音響モデルの概念を示した図である。
【図21】音響特性補正装置のハードウェア構成を示した図である。
【符号の説明】
【0099】
100 音響再生装置
110 携帯電話端末
120 イヤホン
130 筐体部
150 音響特性補正装置
201 音響出力部
202 音響入力部
301 音源入力部
302 音源出力モード処理部
303 電気/音響変換部
306 音響/電気変換部
307 補正設定モード処理部
308 切替部
311 音響モデル適応フィルタ
321 測定信号生成部
322 パラメータ特定部
323 特性特定部
324 応答データ取得部
330 マイクロホン
1401 部分音響モデル適応部
1402 第1の周波数帯域分割フィルタ
1403 第2の部分音響モデル適応部
1404 第2の周波数帯域分割フィルタ
1406 組合せ部
2101 CPU
2102 ROM
2103 RAM
2104 音源インターフェース
2105 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象物の音響特性を表す周波数特性から、周波数帯域別に異なる共鳴特性を基準としてモデリングした複数の帯域別音響モデルを生成する生成手段と、
前記複数の帯域別音響モデルから、前記周波数帯域の周波数成分を抽出するフィルタリング手段と、
前記抽出された前記部分音響モデル毎の周波数成分を組み合わせ、音響モデルを生成する組合せ手段と、
を備えることを特徴とする音響処理装置。
【請求項2】
前記組合せ手段により組み合わされた前記音響モデルを用いて、前記被測定対象物に対して出力する音響信号の音響特性を補正する補正手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の音響処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、共鳴ピークの基本振動を含む周波数帯域と、共鳴ピークの複数倍の振動を含む周波数帯域との、それぞれに対して前記帯域別音響モデルを生成すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の音響処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、周波数帯域毎の共鳴ピークの逆特性を表した帯域別音響モデルを生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の音響処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、周波数帯域毎の共鳴ピークの特性を表した帯域別音響モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の音響処理装置。
【請求項6】
被測定対象物の音響特性を表す周波数特性から、周波数帯域別に異なる共鳴特性を基準としてモデリングした複数の帯域別音響モデルを生成する生成手段と、
前記複数の帯域別音響モデルから、前記周波数帯域の周波数成分を抽出するフィルタリング手段と、
前記抽出された前記部分音響モデル毎の周波数成分を組み合わせ、音響モデルを生成する組合せ手段と、
前記被測定対象物に対して出力する音響信号を生成する信号生成手段と、
前記組合せ手段により組み合わされた前記音響モデルを用いて、生成された前記音響信号の音響特性を補正する補正手段と、
を備えること特徴とする音響再生装置。
【請求項7】
前記生成手段は、共鳴ピークの基本振動を含む周波数帯域と、共鳴ピークの複数倍の振動を含む周波数帯域との、それぞれに対して前記部分音響モデルを構築すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の音響処理装置。
【請求項8】
音響処理装置で実行される音響処理方法であって、
生成手段が、被測定対象物の音響特性を表す周波数特性から、周波数帯域別に異なる共鳴特性を基準としてモデリングした複数の帯域別音響モデルを生成する生成ステップと、
フィルタリング手段が、前記複数の帯域別音響モデルから、前記周波数帯域の周波数成分を抽出するフィルタリングステップと、
組合せ手段が、前記抽出された前記部分音響モデル毎の周波数成分を組み合わせ、音響モデルを生成する組合せステップと、
を有することを特徴とする音響処理方法。
【請求項9】
補正手段が、前記組合せステップにより組み合わされた前記音響モデルを用いて、前記被測定対象物に対して出力する音響信号の音響特性を補正する補正ステップを、さらに有することを特徴とする請求項8に記載の音響処理方法。
【請求項10】
前記生成ステップは、共鳴ピークの基本振動を含む周波数帯域と、共鳴ピークの複数倍の振動を含む周波数帯域との、それぞれに対して前記帯域別音響モデルを生成すること
を特徴とする請求項8又は9に記載の音響処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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