説明

額縁付箱

【課題】組み立てが容易な額縁付箱を提供する。
【解決手段】第1外側パネル14を裏面側から押し立てることで、第1折曲補助線L1にて底パネル13と第1外側パネル14とが略直角に折り曲げられ、第3折曲補助線L3にて第1額縁パネル15と第1内側パネル16とが略直角に折り曲げられ、さらに、第4折曲補助線L4にて第1内側パネル16と糊代パネル17とが略直角に折り曲げられて一対の第1二重側面が形成される額縁付箱において、第1二重側面を構成する第1内側パネル16に、第4折曲補助線L4を切断するように切り欠き部Cを複数設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側パネルと外側パネルとで構成される2対の二重側面を備える額縁付箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1枚のブランク紙を折り畳んで形成する額縁付箱は、矩形の底パネルと、第1内側パネル、第1額縁パネル、第1外側パネルとで構成される1対の第1二重側面と、第2内側パネル、第2額縁パネル、第2外側パネルとで構成される1対の第2二重側面などで構成される。
【0003】
このような額縁付箱を組み立てる際には、まず、それぞれの第1外側パネルと第1額縁パネルとの境界に形成された第2折曲補助線にて第1額縁パネルおよび第1内側パネルを第1外側パネルに向けて折り畳む。そして、第1内側パネルの先端に形成された糊代パネルを底パネルに貼着する。次に、第1外側パネルを裏面側から押し立てることで、第1折曲補助線にて底パネルと第1外側パネルとが略直角に折り曲げられ、第3折曲補助線にて第1額縁パネルと第1内側パネルとが略直角に折り曲げられ、さらに第4折曲補助線にて第1内側パネルと糊代パネルとが略直角に折り曲げられて一対の第1二重側面が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−79938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来の額縁付箱では、第1二重側面を形成するに際し、第1外側パネルを裏面側から押し立てようとすると、第1内側パネルと糊代パネルとを第4折曲補助線に沿って略直角に十分に折り曲げることができず、第1二重側面を所望の形状に形成することができなかった。したがって、容易に額縁付箱を形成することができないという問題があった。これは、第4折曲補助線に沿った折り曲げ強度が強すぎることに起因するものであった。そこでこの発明の目的は、組み立てが容易な額縁付箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため請求項1に記載の発明は、略矩形の底パネルと、
該底パネルの左右両側にそれぞれ第1折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1外側パネルと、
該それぞれの第1外側パネルと第2折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1額縁パネルと、
該それぞれの第1額縁パネルと第3折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1内側パネルと、
該それぞれの第1内側パネルと第4折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の糊代パネルと、
前記底パネルの前後両側にそれぞれ第5折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2外側パネルと、
該それぞれの第2外側パネルと第6折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2額縁パネルと、
該それぞれの第2額縁パネルと第7折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2内側パネルとを備え、
前記第1額縁パネルを前記第2折曲補助線にて前記第1外側パネルに折り畳んだ後、前記糊代パネルを前記底パネルの前記第1折曲補助線近傍に貼着し、
前記第1外側パネルを裏面側から押し立てることで、前記第1折曲補助線にて前記底パネルと前記第1外側パネルとが略直角に折り曲げられ、前記第3折曲補助線にて前記第1額縁パネルと前記第1内側パネルとが略直角に折り曲げられ、さらに、前記第4折曲補助線にて前記第1内側パネルと前記糊代パネルとが略直角に折り曲げられて一対の第1二重側面が形成され、
続けて、前記第2外側パネルを前記第5折曲補助線にて前記底パネルに対して折り曲げて略直立させ、前記第2額縁パネルを前記第6折曲補助線にて前記第2外側パネルに対して略直角に折り曲げ、前記第2内側パネルを前記第7折曲補助線にて前記第2額縁パネルに対して略直角に折り曲げることで一対の第2二重側面が形成される額縁付箱において、
前記第1二重側面を構成する前記第1内側パネルに、前記第4折曲補助線を切断するように切り欠き部を複数設けることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の額縁付箱において、前記切り欠き部の形状が、前記第4折曲補助線側にて幅が広く、該第4折曲補助線から遠ざかるにつれて幅が狭くなるように構成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の額縁付箱において、前記切り欠き部の、前記第4折曲補助線から最も遠い部分が円弧状に構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の額縁付箱において、前記第1内側パネルの、前記隣接する切り欠き部の間に補強部を形成することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の額縁付箱において、前記補強部が複数のエンボスからなり、
該エンボスは、前記第1内側パネルの前記第1外側パネルとは反対側に突出して形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の額縁付箱において、前記補強部が押罫からなり、
該押罫は、前記第1内側パネルの前記第1外側パネルとは反対側に突出して形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の額縁付箱において、前記第1外側パネルを裏面側から押し立てて前記第1二重側面を形成する際に、前記第1外側パネルを前記第1折曲補助線にて前記底パネルに対して略直角に折り曲げやすくするための折曲補助片を備え、
該折曲補助片を前記切り欠き部の下方で、かつ、前記糊代パネルに連続して設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、略矩形の底パネルと、底パネルの左右両側にそれぞれ第1折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1外側パネルと、それぞれの第1外側パネルと第2折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1額縁パネルと、それぞれの第1額縁パネルと第3折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1内側パネルと、それぞれの第1内側パネルと第4折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の糊代パネルと、底パネルの前後両側にそれぞれ第5折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2外側パネルと、それぞれの第2外側パネルと第6折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2額縁パネルと、それぞれの第2額縁パネルと第7折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2内側パネルとを備え、第1額縁パネルを第2折曲補助線にて第1外側パネルに折り畳んだ後、糊代パネルを底パネルの第1折曲補助線近傍に貼着し、第1外側パネルを裏面側から押し立てることで、第1折曲補助線にて底パネルと第1外側パネルとが略直角に折り曲げられ、第3折曲補助線にて第1額縁パネルと第1内側パネルとが略直角に折り曲げられ、さらに、第4折曲補助線にて第1内側パネルと糊代パネルとが略直角に折り曲げられて一対の第1二重側面が形成され、続けて、第2外側パネルを第5折曲補助線にて底パネルに対して折り曲げて略直立させ、第2額縁パネルを第6折曲補助線にて第2外側パネルに対して略直角に折り曲げ、第2内側パネルを第7折曲補助線にて第2額縁パネルに対して略直角に折り曲げることで一対の第2二重側面が形成される額縁付箱において、第1二重側面を構成する第1内側パネルに、第4折曲補助線を切断するように切り欠き部を複数設ける。
【0014】
したがって、第1内側パネルと糊代パネルとを連結する第4折曲補助線の長さを短くすることができる。すなわち、第4折曲補助線における第1内側パネルと糊代パネルとの間の折り曲げ強度を小さくすることができる。このため、第1二重側面を形成するにあたり、第1外側パネルを裏面側から押し立てようとしたとき、第1内側パネルと糊代パネルとを第4折曲補助線に沿って略直角に折り曲げやすくなり、第1二重側面を適切に形成することができる。したがって、組み立てが容易な額縁付箱を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、切り欠き部の形状が、第4折曲補助線側にて幅が広く、第4折曲補助線から遠ざかるにつれて幅が狭くなるように構成されるので、第1内側パネルの強度を保ちつつ、第4折曲補助線における第1内側パネルと糊代パネルとの間の折り曲げ強度を小さくすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、切り欠き部の、第4折曲補助線から最も遠い部分が円弧状に構成されるので、鋭角状に形成されるのに比べて切り欠き部にかかる力を分散することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、第1内側パネルの、隣接する切り欠き部の間に補強部を形成するので、第1二重側面を形成する際や、第1額縁パネルに上方から力が加えられたときなどに、第1内側パネルが撓むのを抑止することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、補強部が複数のエンボスからなり、エンボスは、第1内側パネルの第1外側パネルとは反対側に突出して形成されるので、工程を複雑にすることなく補強部を形成することができる。また、エンボスが、第1内側パネルの第1外側パネルとは反対側に突出して形成されることから、第1内側パネルが第1外側パネル側に撓むのを効果的に抑止することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、補強部が押罫からなり、押罫は、第1内側パネルの第1外側パネルとは反対側に突出して形成されるので、工程を複雑にすることなく補強部を形成することができる。また、押罫が、第1内側パネルの第1外側パネルとは反対側に突出して形成されることから、第1内側パネルが第1外側パネル側に撓むのを効果的に抑止することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、第1外側パネルを裏面側から押し立てて第1二重側面を形成する際に、第1外側パネルを第1折曲補助線にて底パネルに対して略直角に折り曲げやすくするための折曲補助片を備え、折曲補助片を切り欠き部の下方で、かつ、糊代パネルに連続して設ける。したがって、工程を複雑にすることなく第1外側パネルの折り曲げを容易にする折曲補助片を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一例の額縁付箱の斜視図である。
【図2】その展開図である。
【図3】(a)は図2の一部拡大図、(b)は(a)のさらに部分拡大図、(c)は(a)のX矢視断面図である。
【図4】(a),(b)は額縁付箱を組み立てる手順を説明するための図である。
【図5】(a),(b)は額縁付箱をさらに組み立てる手順を説明するための図である。
【図6】額縁付箱を組み立てた状態の一部拡大図である。
【図7】この発明の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1には、この発明の額縁付箱の一例の斜視図を示す。額縁付箱10は、矩形の底パネル13を囲むようにして、一対の第1二重側面11,11と、一対の第2二重側面12,12などを備え、上部に開口を形成してなる。
【0023】
図2には、額縁付箱10の展開図を示す。額縁付箱10を形成するためのブランク紙(ブランクシート)Bには、矩形の底パネル13を備え、その底パネル13の左右両辺(長辺)に、それぞれ第1折曲補助線(罫線)L1を介して連続して設けられる矩形の第1外側パネル14、第1外側パネル14と第2折曲補助線(罫線)L2を介して連続して設けられる略矩形の第1額縁パネル15、それぞれの第1額縁パネル15と第3折曲補助線(罫線)L3を介して連続して設けられる略矩形の第1内側パネル16、それぞれの第1内側パネル16と第4折曲補助線(罫線)L4を介して連続して設けられる略矩形の糊代パネル17を備える。
【0024】
また、底パネル13の前後両辺(短辺)には、それぞれ第5折曲補助線(罫線)L5を介して連続して設けられる矩形の第2外側パネル21、第2外側パネル21と第6折曲補助線(罫線)L6を介して連続して設けられる略矩形の第2額縁パネル22、それぞれの第2額縁パネル22と第7折曲補助線(罫線)L7を介して連続して設けられる略矩形の第2内側パネル23、第2内側パネル23と第8折曲補助線(罫線)L8を介して連続して設けられる略矩形の延設パネル24などを備える。
【0025】
第1外側パネル14の両短辺にそれぞれ第9折曲補助線(罫線)L9を介して連続してフラップパネル31A,31Bを設ける。また、第1内側パネル16の両短辺にそれぞれ第10折曲補助線(罫線)L10を介して連続してフラップパネル32A,32Bを設ける。
【0026】
また、第1額縁パネル15の両端には矩形の張出部15A,15Bを直角方向外側に張り出して設ける。この張出部15A,15Bは、後述するように、額縁付箱10を組み立てたとき、第2額縁パネル22の両端22A,22Bにそれぞれ重なりあうものである。なお、第1額縁パネル15および第2額縁パネル22の短辺方向の幅は略同一である。
【0027】
さらに、第1内側パネル16の(短辺側の)両端にはそれぞれ、段状の切り込み16Cを設ける。一方、第2内側パネル23の(短辺側の)両端にはそれぞれ、段状の突出部23A,23Bを設ける。この突出部23A,23Bは、後述するように、額縁付箱10を組み立てたとき、切り込み16Cが形成する間隙16A,16Bに嵌り込み、第1二重側面11と第2二重側面12とを略直角に隣接させた状態でロックするためのものである。
【0028】
第1内側パネル16には、図3(a),(b)に示すように、複数の切り欠き部Cを有する。この切り欠き部Cは、第4折曲補助線L4を切断するように一定間隔で設けられている。切り欠き部Cは、下端部の幅W1が上部の幅W2よりも広く形成されている。すなわち、切り欠き部Cの形状が、第4折曲補助線L4側にて幅が広く、第4折曲補助線L4から遠ざかるにつれて幅が狭くなるように構成される。そして、切り欠き部Cの、第4折曲補助線L4から最も遠い部分(頂部CT)が円弧状に構成される(なお、頂部CTの頂点と第1内側パネル16の上端との距離は適宜設定されるものとするが、例えば、第1内側パネル16の高さが4cmの場合には1cm程度とする)。
【0029】
切り欠き部Cの下端部で、かつ、糊代パネル17に隣接して折曲補助片17Aを備える。この折曲補助片17Aは、隣接する第4折曲補助線L4,L4の間に形成される仮想線VL4にその下端が配置される。また、両側は、第1内側パネル16に隣接する。折曲補助片17Aと第1内側パネル16との間は、切断されていて不連続である。折曲補助片17Aは、後述するように、第1外側パネル14を裏面側から押し立てて第1二重側面11を形成する際に、第1外側パネル14を第1折曲補助線L1にて底パネル13に対して略直角に折り曲げやすくするためのものである。なお、第1二重側面11を形成した際、第1外側パネル14と第1内側パネル16とは、略同一高さとなる。
【0030】
隣接する切り欠き部C,Cの間の第1内側パネル16には、エンボス(補強部)Eを複数備える。エンボスEは、図2において、裏側から表側に向けて(すなわち、第1内側パネル16の第1外側パネル14とは反対側に)略半球状に突出するように形成される(図3(c))。これは、第1二重側面11を形成する際に、第1内側パネル16が第1外側パネル14側に向かって撓むのを防止するためのものである。特に、第1内側パネル16には、複数の切り欠き部Cが形成されていることから、撓みに対する抵抗力が弱くなっている。エンボスEは、これを補強するために形成されるものである。
【0031】
このように構成されたブランク紙Bを折り曲げて額縁付箱10を形成するには、まず、左右の第1額縁パネル15,15をそれぞれ第2折曲補助線L2にて第1外側パネル14に向けて折り畳む。このとき、第1額縁パネル15に連接された第1内側パネル16、第1内側パネル16に連接された糊代パネル17とフラップ32A,32Bおよび折曲補助片17Aも同様に、第1外側パネル14に向けて折り畳まれる。すると、図4(a)に示すように、糊代パネル17が底パネル13上で、かつ、第1折曲補助線L1近傍に重なる。また、折曲補助片17Aの上端は、第1折曲補助線L1よりわずかに底パネル13側に配置される。このような状態で、糊代パネル17に接着剤を塗布して底パネル13と接着する。
【0032】
次に、第1外側パネル14を(図2にて)裏面側から押し上げる。すると、第1折曲補助線L1にて底パネル13と第1外側パネル14とが略直角に折り曲げられ、第3折曲補助線L3にて第1額縁パネル15と第1内側パネル16とが略直角に折り曲げられ、さらに、第4折曲補助線L4にて第1内側パネル16と糊代パネル17とが略直角に折り曲げられて第1二重側面11が形成される。このような動作をブランク紙Bの左右に対して行い、一対の第1二重側面11,11を形成する(図4(b))。
【0033】
続けて、第1二重側面11,11のフラップ31A,32Aを内側に向けて、それぞれ第9折曲補助線L9、第10折曲補助線L10にて略直角に折り曲げる。なお、このとき、切り込み16Aが段状に形成されているので、フラップ32A,32Bと第1内側パネル16との間には間隙16A,16Bが形成される(図2参照)。そして、第2外側パネル21を第5折曲補助線L5にて底パネル13に対して折り曲げて略直立させる。さらに、第2額縁パネル22を第6折曲補助線L6にて第2外側パネル21に対して略直角に折り曲げる。このとき、第2額縁パネル22の両端22A,22Bは、それぞれ、第1額縁パネル15の張出部15A,15B上に載置される。
【0034】
そして、第2内側パネル23を第7折曲補助線L7にて第2額縁パネル22に対して略直角に折り曲げ、突出部23A,23Bを間隙16A,16Bに挿入してロックする。さらに、延設パネル24を第8折曲補助線L8にて第2内側パネル23に対して谷折りに略直角に折り曲げることで第2二重側面12が形成される(図5(a))。このような動作をブランク紙Bの前後に対して行い、一対の第2二重側面12,12を形成し、額縁付箱10を完成させる(図5(b))。なお、第2二重側面12を形成した際、第2外側パネル21と第2内側パネル23とは、略同一高さとなる。また、第1二重側面11と第2二重側面12とは、突出部23A,23Bと間隙16A,16Bによってロックされて、略直角に隣接した状態を保持することができる。さらに、延設パネル24は、底パネル13と接着してもよい。
【0035】
このようにして形成された額縁付箱10では、図6に示すように、第1二重側面11を構成する第1内側パネル16と第1外側パネル14とが一定の距離を隔てて略並行に直立して配置されている。第1内側パネル16と第1外側パネル14との距離は、第1額縁パネル15の長辺間の距離D1、および、折曲補助片17Aの長辺間の距離D2と略等しい。このような状態では、折曲補助片17Aは、切り欠き部Cの下方に位置し、かつ、糊代パネル17に連続して設けられている。
【0036】
なお、第1内側パネル16の切り欠き部C,C間に形成する補強部はエンボスEに限定されるものではなく、たとえば、図7に示すように、押罫Kであってもよい。この例では、押罫Kは、切り欠き部Cの両側の縁に沿うように直線的に形成されている。また、押罫Kは、第1内側パネル16の第1外側パネル14とは反対側に突出するように(すなわち、額縁付箱を組み立てたときに、押罫Kが箱の内側に向けて張り出すように)形成される。このように形成することで、第1内側パネル16が第1外側パネル14側に向かって撓むのを防止することができる。
【0037】
エンボスEや押罫Kに代えて、切り欠き部C,C間の第1内側パネル16に厚紙を貼り付けて、補強部としてもよい。なお、このときは、厚紙は、第1内側パネル16上の、第4折曲補助線L4に到達しない程度の範囲に貼り付けるものとする。
ブランク紙Bは、一枚の厚紙を所定の形に切り抜いて形成したものである。額縁付箱10を形成するものはブランク紙Bに限定されるものではなく、例えば、板紙、紙を主体とした複合シート、プラスチックシートなど一定の厚みを持った折り曲げ性にすぐれた材料(部材)で形成されてもよい。また、上述の隣接する各パネルは一体に形成されていることはいうまでもない。
【0038】
なお、上述の例では、切り欠き部Cの形状を、第4折曲補助線L4側にて幅が広く、第4折曲補助線L4から遠ざかるにつれて幅が狭くなるように構成したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第4折曲補助線L4を切断するように設けられていればどのような形状であってもよい。
【0039】
また、切り欠き部Cの頂部CTの形状は、円弧状に形成されることに限定されるものではない。好ましくは、頂部CTは多角形状などで上に凸に形成されるとよい。
さらに、第1折曲補助線L1、第2折曲補助線L2、第3折曲補助線L3、第4折曲補助線L4、第5折曲補助線L5、第6折曲補助線L6、第7折曲補助線L7、第8折曲補助線L8、第9折曲補助線L9、第10折曲補助線L10は、罫線であることに限定されるものではなく、例えば、ハーフカットやミシン目であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 額縁付箱
11 第1二重側面
12 第2二重側面
13 底パネル
14 第1外側パネル
15 第1額縁パネル
16 第1内側パネル
17 糊代パネル
17A 折曲補助片
21 第2外側パネル
22 第2額縁パネル
23 第2内側パネル
C 切り欠き部
E エンボス(補強部)
K 押罫(補強部)
L1 第1折曲補助線
L2 第2折曲補助線
L3 第3折曲補助線
L4 第4折曲補助線
L5 第5折曲補助線
L6 第6折曲補助線
L7 第7折曲補助線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の底パネルと、
該底パネルの左右両側にそれぞれ第1折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1外側パネルと、
該それぞれの第1外側パネルと第2折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1額縁パネルと、
該それぞれの第1額縁パネルと第3折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第1内側パネルと、
該それぞれの第1内側パネルと第4折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の糊代パネルと、
前記底パネルの前後両側にそれぞれ第5折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2外側パネルと、
該それぞれの第2外側パネルと第6折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2額縁パネルと、
該それぞれの第2額縁パネルと第7折曲補助線を介して連続して設けられる略矩形の第2内側パネルとを備え、
前記第1額縁パネルを前記第2折曲補助線にて前記第1外側パネルに折り畳んだ後、前記糊代パネルを前記底パネルの前記第1折曲補助線近傍に貼着し、
前記第1外側パネルを裏面側から押し立てることで、前記第1折曲補助線にて前記底パネルと前記第1外側パネルとが略直角に折り曲げられ、前記第3折曲補助線にて前記第1額縁パネルと前記第1内側パネルとが略直角に折り曲げられ、さらに、前記第4折曲補助線にて前記第1内側パネルと前記糊代パネルとが略直角に折り曲げられて一対の第1二重側面が形成され、
続けて、前記第2外側パネルを前記第5折曲補助線にて前記底パネルに対して折り曲げて略直立させ、前記第2額縁パネルを前記第6折曲補助線にて前記第2外側パネルに対して略直角に折り曲げ、前記第2内側パネルを前記第7折曲補助線にて前記第2額縁パネルに対して略直角に折り曲げることで一対の第2二重側面が形成される額縁付箱において、
前記第1二重側面を構成する前記第1内側パネルに、前記第4折曲補助線を切断するように切り欠き部を複数設けることを特徴とする、額縁付箱。
【請求項2】
前記切り欠き部の形状が、前記第4折曲補助線側にて幅が広く、該第4折曲補助線から遠ざかるにつれて幅が狭くなるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の額縁付箱。
【請求項3】
前記切り欠き部の、前記第4折曲補助線から最も遠い部分が円弧状に構成されることを特徴とする、請求項2に記載の額縁付箱。
【請求項4】
前記第1内側パネルの、前記隣接する切り欠き部の間に補強部を形成することを特徴とする、請求項1に記載の額縁付箱。
【請求項5】
前記補強部が複数のエンボスからなり、
該エンボスは、前記第1内側パネルの前記第1外側パネルとは反対側に突出して形成されることを特徴とする、請求項4に記載の額縁付箱。
【請求項6】
前記補強部が押罫からなり、
該押罫は、前記第1内側パネルの前記第1外側パネルとは反対側に突出して形成されることを特徴とする、請求項4に記載の額縁付箱。
【請求項7】
前記第1外側パネルを裏面側から押し立てて前記第1二重側面を形成する際に、前記第1外側パネルを前記第1折曲補助線にて前記底パネルに対して略直角に折り曲げやすくするための折曲補助片を備え、
該折曲補助片を前記切り欠き部の下方で、かつ、前記糊代パネルに連続して設けることを特徴とする、請求項1に記載の額縁付箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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