説明

顎義歯

【課題】 日常の口腔の手入れ時に簡単にかつ苦痛に感じることなく装着及び取外しができるようにした顎義歯を提供する。
【解決手段】 義歯床(11)の粘膜側に栓塞子(14)を設ける。栓塞子は膨張・収縮可能な材料を用いて密閉した袋状に製作し、義歯床の粘膜側の受け部(13)に着脱可能に取付ける。栓塞子の受け部から突出した部分(14A)は栓塞子の膨張時に上顎及び/又は下顎の骨欠損部内方の欠損空間の立体形状をほぼ模した中空立体形状となし、栓塞子には内部に気体を注入して保持する注入弁(15)を取付ける。注入弁によって栓塞子内に気体を注入し保持することにより栓塞子の受け部から突出した部分を欠損空間の立体形状に膨らませて骨欠損部内方の欠損空間を塞ぎ、栓塞子内の気体を注入弁から放出させることにより栓塞子を収縮させて骨欠損部内方の欠損空間から抜き取り、栓塞子及び義歯床の洗浄又は清掃を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顎義歯に関し、特に日常の口腔の手入れ時に簡単にかつ苦痛に感じることなく装着及び取外しができるようにした顎義歯に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腫瘍等によって上顎骨や頬骨に欠損が生じることがある。また、病気の治療のために、施術によって上顎骨や頬骨を切除する必要が生じることがある。かかる場合、上顎骨や頬骨の欠損に起因して顔面の筋肉や皮膚組織が収縮して傷跡が残り、いわゆる瘢痕収縮が起こることが多く、手術を受けた患者の心理的負担が非常に大きいばかりでなく、開口障害を起こし,日常の会話に不便をきたすことがある。
【0003】
そこで、合成樹脂材料、例えば義歯床用レジンを用いて上顎骨や頬骨の欠損部分及びその欠損空間を補綴する形状の中空状の栓塞子を製作し、栓塞子を義歯床に固定し、上顎骨の欠損箇所から内方の欠損空間内に差し込み、もって瘢痕収縮を軽減するようにした顎義歯が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、参照)。
【特許文献1】特公昭51−13956号公報
【特許文献2】特開平02−124157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の顎義歯では合成樹脂材料、例えば義歯床用レジンを用いて栓塞子を所定形状に成形しているので、日常の口内の手入れ、例えば歯磨きをする際に顎義歯の装着及び取外しが非常に煩雑であるばかりでなく、装着及び取外し時に栓塞子が上顎骨や頬骨の表面の粘膜に触れ、使用者に激痛を与えるという問題があった。また、レジン製の栓塞子では硬くて欠損空間の隅々まで入れにくく、顔面(頬部)の動きや経時的な変化に対応できないという問題があった。
【0005】
これに対し、本件出願人は、上顎義歯床に人工歯を設ける一方、上顎義歯床の粘膜側に栓塞子を設けてなる顎義歯において、膨張・収縮可能な材料を用い、膨張時には上顎骨欠損部内方の欠損空間の立体形状をほぼ模した中空立体形状をなす栓塞子を製作し、栓塞子を上顎義歯床の粘膜側の受け部に気密的に結合し、注入弁によって気体を注入して保持し、栓塞子を所定の立体形状に膨らませて上顎骨欠損部内方の欠損空間を塞ぎ、栓塞子内の気体を注入弁から放出させて栓塞子を収縮させて上顎骨欠損部内方の欠損空間から抜き取れるようにした顎義歯を開発し出願するに至った(特願2002−367446号)。
【0006】
上述の顎義歯は、日常の口腔の手入れ時に簡単にかつ苦痛に感じることなく装着及び取外しができるという点で、従来の顎義歯に比して優れているものの、栓塞子と上顎義歯床との取付け箇所に汚れが残りやすく、清掃や洗浄がし難いことがあり、この点が改良の余地があった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑み、上顎及び/又は下顎の骨欠損部内方の欠損空間への装着及び取外しが簡単にできて日常の口腔の手入れ時に簡単にかつ苦痛に感じることなく行うことができ、しかも清掃や洗浄を隅々まで簡単に行うことができるようにした顎義歯を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る顎義歯は、義歯床に人工歯を設ける一方、上記義歯床の粘膜側に栓塞子を設けてなる顎義歯において、上記栓塞子は膨張・収縮可能な材料を用いて密閉した袋状に製作されるとともに、上記義歯床の粘膜側の受け部に着脱可能に取付けられ、上記栓塞子の義歯床の受け部から突出した部分は上記栓塞子の膨張時に骨欠損部内方の欠損空間の立体形状をほぼ模した中空立体形状をなし、上記栓塞子には内部に気体を注入して保持する注入弁が取付けられ、該注入弁は上記受け部又は義歯床に支持されており、上記注入弁によって上記栓塞子内に気体が注入され保持されることにより上記栓塞子の義歯床の受け部から突出した部分が欠損空間の立体形状に膨らんで上記骨欠損部内方の欠損空間を塞ぎ、上記栓塞子内の気体が上記注入弁から放出されることにより上記栓塞子が収縮して上記骨欠損部内方の欠損空間から抜き取り可能となっている一方、上記栓塞子が上記義歯床の受け部から取外されることによって上記栓塞子及び義歯床の洗浄又は清掃が可能となっていることを特徴とする。
【0009】
本発明の特徴の1つは栓塞子を気体の注入によって膨張させ、気体の放出によって収縮させるようにした点にある。
【0010】
これにより、栓塞子を収縮させて上顎及び/又は下顎の骨欠損部からその内方の欠損空間に簡単に挿入し抜き取ることができるとともに、栓塞子を膨張させて骨欠損部内方の欠損空間を塞ぐことができる。
【0011】
その結果、瘢痕収縮を確実に防止することができ、又日常の口内の手入れをする際に顎義歯を簡単に取外し装着することができ、しかも装着及び取外しの際に栓塞子が上顎骨や頬骨の表面の粘膜に触れて使用者に激痛を与えることもない。さらには栓塞子が膨張収縮できるので、顔面の動きや経時的な変化にも迅速に対応できる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は栓塞子を密閉した袋状とし、義歯床の粘膜側の受け部に着脱可能に取付けるようにした点にある。
【0013】
これにより、栓塞子を義歯床の受け部から取外し、栓塞子及び義歯床を隅々まで清掃し洗浄することができ、顎義歯を清潔に保つことができる。
【0014】
栓塞子の材料は膨張・収縮可能な材料であればよく、例えば天然ゴム、合成ゴムあるいはプラスチック等の高分子を乳化させた各種ラテックス、ポリエステル等を用いることができる。
【0015】
義歯床及び人工歯は従来公知のものでよい。義歯床の受け部は義歯床の製作時に一体的に形成してもよく、別体に製作して義歯床に固定するようにしてもよい。特に、後者の場合には既に使用中の義歯床に受け部を固定することによって本発明に係る顎義歯とすることができる。
【0016】
注入弁は気体を注入して保持し放出操作によって気体を放出できるものであればどのような構造や方式でもよい。また、この注入弁は栓塞子を上顎(及び/又は下顎)の骨欠損部内方の欠損空間にセットした状態で栓塞子に気体を注入し又気体を放出させる必要があり、安定に支持される必要があるので、義歯床又は受け部に形成した挿通穴に挿通するのがよい。
【0017】
栓塞子を膨張・収縮可能な材料、例えば天然ゴム、合成ゴムあるいはプラスチック等の高分子を乳化させた各種ラテックス、ポリエステル等で製作した場合、栓塞子が口中の唾液によって絶えず濡らされると、栓塞子にピンホールが発生しやすく、耐久性の低下が懸念される。そこで、栓塞子の表面には唾液に対する耐性を有する軟質の合成樹脂材料、例えばポリウレタンを用いて保護膜をコーティングするのがよい。
【0018】
また、注入弁と栓塞子との材質の相違から、注入弁の取付け部位からエアーが洩れるおそれがある。そこで、栓塞子には筒状の取付け部を設け、取付け部内には注入弁を差し込み、取付け部の外側には熱収縮性のチューブを嵌めて収縮させることによって注入弁を栓塞子に気密的に取付けるようにするのがよい。この場合、例えば合成樹脂製の紐を巻き付けるなどして注入弁の外面に環状の突起を設けると、注入弁と取付け部との間が強固に密着し、気密性をより一層向上させることができる。
【0019】
義歯床に人工歯を設けるとともに義歯床の粘膜側に栓塞子を設けてなる顎義歯を製造する場合、上顎及び/又は下顎の骨欠損部内方の欠損空間の立体形状をほぼ模した模型及び義歯床の受け部の凹状に嵌まり得る形状の模型を製作し、模型の表面に膨張・収縮可能な材料を塗布又は付着させ、膨張・収縮可能な材料を模型から剥がし、2つを相互に接着剤等で接着することにより、膨張・収縮可能な材料を用いて密閉した袋状に製作されるとともに、義歯床の受け部から突出した部分が膨張時に骨欠損部内方の欠損空間の立体形状をほぼ模した中空立体形状をなし収縮時に骨欠損部内方の欠損空間から抜き取り可能な中空状の栓塞子を製作し、栓塞子内に気体を注入し放出する注入弁を設け、義歯床の受け部に栓塞子を着脱可能に取付けるようにする。
【0020】
欠損空間の模型は例えば公知の印象材を用いて上顎及び/又は下顎の骨欠損部内方の欠損空間の印象を採取し、採取した印象を用いて石膏模型を造型することができる。この模型の段階で、栓塞子が粘膜に触れる箇所や栓塞子の強度が必要な箇所をチェックし、模型を修正するのがよい。受け部の凹状部分の模型についても欠損空間の模型と同様に製作することができる。
【0021】
膨張・収縮可能な材料は欠損空間の模型の表面に塗布してもよく、膨張・収縮可能な材料の中に模型を浸漬することにより模型の表面に付着させるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係る顎義歯の好ましい実施形態を示す。図において、顎義歯10は義歯床11に人工歯120気密的に固定するとともに義歯床11の粘膜側の受け部13に栓塞子14の下側部分14Bを着脱可能に嵌め込んで構成されている。
【0023】
義歯床11はレジンを用いて製作され、人工歯12にはレジン歯又は陶歯が採用されているが、公知のものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
栓塞子14はその全体が密閉した袋状に製作され、下側部分14Bは義歯床11の粘膜側の受け部13の凹状部分に嵌まり得る形状をなす一方、上側部分14A、即ち義歯床11の受け部13から突出した部分は栓塞子14の膨張時に上顎骨欠損部内方の欠損空間の立体形状をほぼ模した中空立体形状をなし、市販のラテックス(例えば SPECIAL EFFECT SUPPLY CO.社製 商品名 MASK LATEX IUSQt.)を用いて膨張・収縮可能に製作され、栓塞子11の表面には唾液に対する耐性を有する軟質の合成樹脂材料、例えばポリウレタン樹脂を用いて保護膜がコーティングされている。
【0025】
また、義歯床11には注入弁15が取付けられている。即ち、栓塞子14の下側部分14Bには筒状の取付け部14Cが一体的に形成されている一方、注入弁15の外側面にはラテックス製の紐14Dを巻き付けるなどによって突状の段部が形成され、該注入弁15は栓塞子11の取付け部14C内に差し込まれ、取付け部14Cの外側には熱収縮性のチューブ14Eが嵌められて収縮されることによって注入弁15が栓塞子14に気密的に取付けられている。
【0026】
この注入弁15は栓塞子14内にエアー(気体)を注入して保持する一方、必要に応じてエアーを放出する構造となっている。例えば、注入弁15には図2に示されるように、筒体20内にロッド21を挿通させ、ロッド21の一端に筒体20の開口を封鎖する弁部22を設け、ロッド21には弁部21を閉鎖方向に付勢するばね部材23を外挿してなる構造を採用することができる。
【0027】
注入弁15は口腔内においてエアーの注入と放出を操作する必要があるので、口腔内で操作し得る部位、具体的には義歯床11に形成した貫通穴11Aに挿通されて支持されている。
【0028】
本例の顎義歯を製作する場合、例えばアルジネート印象材を用い、歯槽及び上顎骨欠損部位の印象を採取し、得られた印象から石膏模型を造型する。この模型を用い、人工歯を配列しかつ歯肉を形成した蝋義歯を製作し、蝋義歯を石膏中に埋設し、蝋を溶解させて流出させた後、その空所に例えばメタリックレジンを充填し、例えば電子レンジによってマイクロ波を照射して重合を行わせ、人工歯12を固定しかつ粘膜側に受け部13を形成した義歯床11が得られるので、この義歯床11を取り出す。なお、受け部13を形成する以外、義歯の製作は従来と同様であるので、他の方法で製作することもできる。
【0029】
得られた義歯床11の所定の部位、例えば口腔内で操作しやすい部位から受け部13に向けて貫通穴11Aをあけた後、義歯床11を研磨する。
【0030】
他方、上顎骨欠損部より内方の欠損空間についてもアルジネート印象材を用いて印象を採取し、例えば石膏材料を用い、得られた印象から欠損空間の模型を造型する。この時、栓塞子14が粘膜に触れると痛みを覚える箇所や栓塞子14の補強すべき箇所をチェックし、対応する箇所が凹状又は凸状となるように模型の修正を行う。
【0031】
同様に、義歯床11の受け部13内の空間についても例えばアルジネート印象材を用いて印象を採取し、例えば石膏材料を用い、得られた印象から受け部13の内部空間を模した模型を造型する。この時、栓塞子14の下側部分14Bの全体又は上端部分(上側部分14Aを収縮させた時に受け部13から外れないように厚肉に形成するのがよい)が受け部13にピッタリと嵌まり込むように、又栓塞子14の下側部分14Bに取付け部14Cが形成されるように模型の修正を行う。
【0032】
こうして模型が得られると、得られた模型にラテックス(例えば SPECIAL EFFECT SUPPLY CO.社製 商品名 MASK LATEX IUSQt.)を塗布し、ラテックスが固まると、これを模型から剥がすと、栓塞子14の上側部分14A及び下側部分14Bが得られるので、上側部分14Aと下側部分14Bとを合わせて接着した後、液状のポリウレタンに浸漬し、乾燥させると、ほぼ密閉した袋状の栓塞子14が得られる。
【0033】
次に、あるいは上側部分14Aと下側部分14Bとを接着する前に、注入弁15の外側にラテックスの紐14Dを巻き付け、これを下側部分14Bの筒状の取付け部14Cに差し込み、その上側から熱収縮製のチューブ14Eを被せ、チューブ14Eを加熱して収縮させ、チューブ14Eによって栓塞子14の取付け部14Cに注入弁15を気密的に取付ける。
【0034】
こうして得られた栓塞子14を義歯床11の受け部13に着脱可能に嵌め込み、注入弁15を義歯床11の貫通穴11Aに挿通して支持する。最後に、注入弁15からエアーを注入し、エアー漏れがないか否かをチェックし、エアー漏れがなければ患者に試用させ、装着時や取外し時、あるいは咬合時に痛みを感じる否かをチェックし、痛みがなければ目的とする顎義歯10が得られた訳である。
【0035】
本例の顎義歯10を装着する場合、栓塞子14を収縮させた状態にして、栓塞子14を上顎骨欠損部から内方の欠損空間に挿入させながら顎義歯10を口腔内に装着する。すると、栓塞子14が収縮した状態であるので、上顎骨欠損部や欠損空間の粘膜に触れることはなく、使用者は痛みをほとんど感じることなく栓塞子14を上顎骨欠損部からその内方の欠損空間に簡単に挿入することができる。
【0036】
顎義歯10がセットできると、注入弁15からエアーを注入する。すると、注入弁15のロッド21がばね部材23のばね力に抗して押されて弁部22が筒体20の開口を開き、エアーが栓塞子14内に注入され、栓塞子14の上側部分14Aは膨張して上顎骨欠損部内方の欠損空間を塞ぐ。エアーの注入を停止すると、注入弁15のロッド21がばね部材23のばね力によって前方に押され、弁部22が筒体20の開口を封鎖し、栓塞子14内のエアーは保持され、栓塞子14の上側部分14Aは膨らんだ立体形状を保持されるので、顔面の筋肉や皮膚組織に膨らみを与えるので、瘢痕収縮が軽減されることとなる。
【0037】
顎義歯10を取り外す場合には注入弁15のロッド21を押すと、弁部22が筒体20の開口を開き、栓塞子14内のエアーは外方に放出され、栓塞子14の上側部分14Aは収縮するので、後は通常のように顎義歯10を口腔外に取り出せばよい。この時、栓塞子14の上側部分14Aが収縮しているので、取外しの際に上顎骨欠損部や欠損空間の粘膜に触れることはなく、使用者は痛みをほとんど感じることはない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る顎義歯の好ましい実施形態における組立て状態を示す斜視図である。
【図2】上記実施形態における注入弁の取付け例を示す断面図である。
【図3】上記実施形態の組み立てられた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
10 顎義歯
11 義歯床
11A 貫通穴
12 人工歯
13 受け部
14 栓塞子(ラテックス、バルーン)
14A 上側部分
14B 下側部分
14C 取付け部
14D 紐
14E 熱収縮性チューブ
15 注入弁(エアーバルブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
義歯床に人工歯を設ける一方、上記義歯床の粘膜側に栓塞子を設けてなる顎義歯において、
上記栓塞子は膨張・収縮可能な材料を用いて密閉した袋状に製作されるとともに、上記義歯床の粘膜側の受け部に着脱可能に取付けられ、上記栓塞子の義歯床の受け部から突出した部分は上記栓塞子の膨張時に骨欠損部内方の欠損空間の立体形状をほぼ模した中空立体形状をなし、上記栓塞子には内部に気体を注入して保持する注入弁が取付けられ、該注入弁は上記受け部又は義歯床に支持されており、
上記注入弁によって上記栓塞子内に気体が注入され保持されることにより上記栓塞子の義歯床の受け部から突出した部分が欠損空間の立体形状に膨らんで上記骨欠損部内方の欠損空間を塞ぎ、上記栓塞子内の気体が上記注入弁から放出されることにより上記栓塞子が収縮して上記骨欠損部内方の欠損空間から抜き取り可能となっている一方、
上記栓塞子が上記義歯床の受け部から取外されることによって上記栓塞子及び義歯床の洗浄又は清掃が可能となっていることを特徴とする顎義歯。
【請求項2】
上記栓塞子の表面には唾液に対する耐性を有する軟質の合成樹脂材料を用いて保護膜がコーティングされている請求項1記載の顎義歯。
【請求項3】
上記栓塞子には筒状の取付け部が設けられ、該取付け部内には上記注入弁が差し込まれ、上記取付け部の外側には熱収縮性のチューブが嵌められて収縮されることによって上記注入弁が上記栓塞子に気密的に取付けられている請求項1記載の顎義歯。
【請求項4】
上記注入弁は上記受け部又は義歯床に形成された挿通穴に挿通されている請求項1記載の顎義歯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−342(P2006−342A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179111(P2004−179111)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(502457940)
【Fターム(参考)】