説明

顔撮影装置

【課題】異なる時期に同じ人物の顔撮影を行う場合に、同一条件での撮影を行うことが可能な顔撮影装置を提供する。
【解決手段】顔を所定位置に保持させる顔保持手段と、保持されている顔を撮影する撮影カメラ4と、撮影された顔画像のデータを記憶する顔画像データ保存部36と、同じ顔について撮影カメラ4を移動させながら再度撮影して得られた2以上の顔画像群から、顔画像データ保存部36に記憶されている第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出する抽出手段30cとを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌の状態を診断する場合などに使用される顔撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる顔撮影装置は、美容皮膚科、美容外科、形成外科などにおいて使用されており、定期的に人の顔を撮影することで肌の状態の経時的な変化を観察し、化粧品や肌治療の効果を確認する目的で使用されている(例えば、下記特許文献1)。具体的には、得られた顔画像からシミ・シワ・毛穴・色ムラなどの評価を行なうものであり、さらには、紫外線を使用したポルフィリン・かくれジミなどの評価も行なわれている。このような肌状態の評価を行なうために、以前に撮影した顔画像と今回撮影した顔画像とを画像処理技術(ソフトウェア)を用いて比較することが行なわれている。従って、以前の顔画像と現在の顔画像が同じ条件で撮影されている必要がある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−148540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、顔を保持する顔保持手段は、通常はあごの部分と額の部分を保持するのみであり、日を開けて顔を保持させた場合、同じ状態で顔を保持できているとは限らない。上記の特許文献1においては、あご載せ台の高さと、額押さえの高さ及び前後位置をスケールで読み取ることが開示されているが、あご載せ台の高さと、額押さえの高さ及び前後位置が同じ状態にセットされていたとしても、保持されている顔の角度が前回撮影時とは変わっている可能性もあり、再現性という点では不十分な面があった。従って、対応させるべきシミ・シワなどの位置が異なってしまい、正しい評価を行なうことができなくなる可能性があった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、異なる時期に同じ人物の顔撮影を行う場合に、同一条件での撮影を行うことが可能な顔撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明に係る顔撮影装置は、
顔を所定位置に保持させる顔保持手段と、
この顔保持手段に保持されている顔を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された顔画像のデータを記憶する顔画像データ記憶手段と、
同じ顔について前記撮影手段を移動させながら再度撮影して得られた2以上の顔画像群から、前記顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出する抽出手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
かかる構成による顔撮影装置の作用・効果について説明する。顔保持手段(例えば、額押さえ部とあご載せ台)により顔を所定位置に保持し、撮影手段により顔の撮影を行う。撮影された顔画像を特定するために、識別ID、氏名、撮影日、顔画像ID等の情報を関連付けて記憶しておくことが好ましい。そして、後日の、同一人物の顔画像を撮影する場合において、顔画像データ記憶手段に記憶されている顔画像をモニター等に読み出す際に、識別ID、氏名、撮影日、顔画像ID等の情報から同一人物の顔画像を特定することが容易となる。しかし、同一人物の顔画像を特定できたとしても、前回と今回とで、撮影位置(アングル撮影)が微妙に異なる場合があり、前回の顔画像の撮影位置と同じような撮影位置の顔画像を得るために、本発明では、同一人物が後日に顔画像を再度撮影する場合に、2以上の顔画像を撮影し、この2以上の顔画像群と、前回撮影済みの顔画像とを比較し、前回撮影済みの顔画像(第1顔画像と称する)と同じまたは最近似の顔画像(第2顔画像と称する)を抽出するように構成されている。すなわち、顔と撮影手段の相対的位置、撮影手段の撮影姿勢を正確に定めてから再度撮影するのではなく、おおよその撮影位置から撮影を開始して撮影手段を移動させながら2以上の顔画像を撮影して、この撮影した2以上の顔画像群から、所望の顔画像を抽出するものであるので、顔と撮影手段の相対位置、撮影手段の撮影姿勢を正確に定めるような煩雑な作業を撮影前に行なわないですむ。その結果、異なる時期に同じ人物の顔撮影を行う場合に、同一条件での顔画像が撮影されることが可能な顔撮影装置を提供することができる。
【0008】
なお、本発明において、「同じまたは最近似の撮影位置」とは、前回の顔画像の撮影位置と今回の顔画像の撮影位置が完全に一致する場合と、2以上の顔画像群の撮影位置の中で最も近い撮影位置の場合とを含む概念である。
【0009】
また、本発明の他の好適な一実施形態として、顔画像データ記憶手段は、当該撮影された顔画像の撮影位置を顔画像のデータと関連付けて記憶するように構成され、再度同じ顔の撮影を行う際に、当該顔画像データ記憶手段に記憶されている撮影位置に基づいて、前記撮影手段の位置を設定可能にするための撮影位置設定手段と、
再度の撮影の際に、撮影手段を微調整するための微調整設定手段と、をさらに備え、
前記撮影位置設定手段は、撮影手段と顔保持手段との相対位置を制御する相対位置制御部および撮影手段の撮影姿勢を制御する姿勢制御部とに指令を行い、
前記微調整設定手段は、前記姿勢制御部に指令を行うことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、前回の撮影位置を記憶しておき、再度撮影時に、記憶された撮影位置(相対位置、撮影姿勢)に撮影手段を移動させてから撮影できるので、前回撮影時に近い撮影位置(相対位置、撮影姿勢)から撮影が開始できる。そして、再度撮影時に撮影手段を微調整しながら2以上の顔画像を撮影することができる。これは、実際には顔の保持角度等が完全に同一にできないため、前回の撮影位置であっても完全に同一位置にはなっていないため、撮影手段の撮影姿勢を微調整する必要があるからである。この構成によって、前回撮影時に近い撮影位置から撮影が開始できるため、撮影枚数を少なくでき、撮影時間を短縮でき、撮影効率が良くなる。
【0011】
また、本発明の他の好適な一実施形態として、前記撮影位置は、顔保持手段と撮影手段との相対的3次元座標である相対位置と、撮影手段の3軸周りの回転角度である撮影姿勢とで定義され、前記顔保持手段と撮影手段との相対的3次元座標を検出する第1検出手段と、前記撮影手段の3軸周りの回転角度を検出する第2検出手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、顔保持手段と撮影手段との相対的3次元座標と、撮影手段の撮影姿勢を検出することができ、これらを撮影位置のデータとして顔画像に関連づけて記憶させることで、再度の撮影の際に有効に利用することができる。
【0013】
本発明の好適な一実施形態として、前記撮影手段は、同じ顔の再度の撮影の際に、撮影位置を微調整しながら低解像度で2以上撮影し、前記抽出手段は、当該低解像度の2以上の顔画像群から、前記顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、再度の撮影の際には、低解像度で2以上の撮影を行い、この低解像度の顔画像群から所望の第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することができる。低解像度での撮影であるため、メモリ容量を小さく抑えられ、かつ抽出処理効率が向上する。
【0015】
また、上記実施形態において、前記同じ顔の再度の撮影の際に、当該撮影された低解像度の顔画像の撮影位置を、低解像度の顔画像のデータと関連付けて記憶する低解像度顔画像データ記憶手段を備え、前記抽出手段によって低解像度の第2顔画像が抽出された場合に、前記低解像度顔画像データ記憶手段に記憶されている当該抽出された低解像度の第2顔画像の撮影位置で高解像度の顔画像の撮影ができるように構成することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、抽出された低解像度の第2顔画像の撮影位置で、高解像度での顔画像を撮影する際に、低解像度の顔画像の撮影位置が記憶されているので、この記憶されている撮影位置に撮影手段を移動させることで、高解像度の顔画像を簡単に素早く撮影することができ、顔を固定していることによる撮影時の疲労を軽減できる。
【0017】
また、本発明の他の好適な一実施形態として、前記撮影手段は、再度の撮影の際に、撮影位置を微調整しながら同じ顔の動画を撮影し、前記抽出手段は、当該撮影された動画から、前記顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、再度の撮影の際に、撮影位置を微調整しながら顔の動画を撮影して、当該撮影された動画から、顔画像データ記憶手段に記憶されている所望の第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することができる。例えば、動画から所定のタイミングで静止画を2以上切り出し(例えば、所定のタイミングで所定容量のフレームメモリ(VRAM、SRAM等)に記憶させて静止画像を構成し)、顔画像として保持させ、そして、第1顔画像と比較することで、同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することができる。
【0019】
また、本発明の他の好適な一実施形態として、前記撮影の際に、顔は顔保持手段によって固定され、前記撮影手段によって撮影された顔画像の所定点間の距離及び水平度を画像解析して顔の傾きを算出する顔傾き算出手段を備え、前記顔傾き算出手段は、顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像の第1顔傾きと、再度撮影時に撮影された第2顔画像の第2顔傾きとを算出するように構成し、第2顔傾きが第1顔傾きに一致するように撮影手段を移動させるよう制御する顔傾き制御手段を備えていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、第1顔画像の第1顔傾きと、再度撮影時に撮影された第2顔画像の第2顔傾きとが算出され、第2顔傾きが第1顔傾きに一致するように撮影手段が移動できるため、再度の撮影回数を少なく行なえ、第1回目の撮影で第2顔傾きが算出されて、第1顔傾きになるように撮影手段を移動(回転を含む)させれば、次の2回目の撮影のみでよく、撮影効率が良く好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施形態1)
本発明に係る顔撮影装置の好適な実施形態1を図面を用いて説明する。図1は、顔撮影装置の内部構成を示す横断面図を示し、図2は、図1に示す顔撮影装置の縦断面図である。図3は、撮影カメラの回転移動機構の詳細を示す図である。
【0022】
この顔撮影装置Aは、美容皮膚科、美容外科、形成外科などにおいて使用されている。定期的あるいは適度な期間を開けて人の顔を撮影することで肌の状態の経時的な変化を観察し、化粧品や肌治療の効果を確認する目的で使用される。この装置は、得られた顔画像からシミ・シワ・毛穴・色ムラなどの評価を行なう機能を有し、さらには、紫外線を使用したポルフィリン・かくれジミなどの評価を行なうこともできる。
【0023】
<顔撮影装置の構成>
図1において、顔撮影装置Aは、略立方体形状の筐体1を備えており、顔の撮影を行う時は筐体1内の所定箇所に顔を保持させた状態で行い、室内光などが筐体1内部に侵入しにくいような構造が採用されている。筐体1の正面には開口部1aが形成されており、ここから顔を挿入させる。人の顔を所定位置に保持するための顔保持手段として、あご載せ台2と額押さえ3が設けられている。あご載せ台2と額押さえ3は、人の顔の大きさや形状などに対応できるように手動で位置調整ができるように構成されている。開口部1aからの外光進入を防止するためにカーテン1bが設けられる。
【0024】
顔を撮影するための撮影手段として撮影カメラ4が設けられており、カメラ支持体5に保持されている。図1に示すように、撮影カメラ4による顔の撮影位置は、正面位置P0と左右の側面位置P1、P2の3箇所が設定されている。正面位置P0は、ちょうど撮影カメラ4が顔と向かい合う位置であり、側面位置P1,P2は正面位置P0に対して45゜に設定された位置である。ただし、この45゜という角度については、この数値に限定されるものではなく、他の角度に設定してもよく、また、側面位置P1,P2も2箇所だけでなく、更に多くの側面位置が設定されていてもよい。例えば、30゜,45゜,60゜,75゜に設定されていてもよい。P3は、後述する移動機構によって撮影カメラ4が回転移動する軌跡を示している。
【0025】
撮影カメラ4は、デジタルカメラが使用されるが、どのようなタイプのものを使用してもよい。必要に応じてビデオ機能を有するものを使用してもよく、静止画像を撮影可能なビデオカメラを使用してもよい。
【0026】
このように、複数個所での顔画像を撮影するために、撮影カメラ4は顔位置を中心として回転移動できるように構成されている。撮影カメラ4の回転中心Bは、あご載せ台2の位置に設定されている。
【0027】
また、カメラ支持体5と撮影カメラ4の間に、撮影カメラ4下部を中心として3軸に自由回転できる3軸回転機構5aを介在させている。撮影カメラ4下部を中心として3軸に自由回転できることにより、撮影カメラ4の撮影姿勢を微調整することができる。3軸回転機構5aは、公知の機構が制限されず適用でき、例えば、3軸自由回転構造と自由回転を駆動する3軸駆動のモータ等で構成できる。
【0028】
また、この3軸回転機構5aによる3軸自由回転角度を検出するために、3軸角度センサー331(第2検出手段に相当する)が撮影カメラ4に設置されている。この3軸角度センサー331によって3軸(X,Y,Z軸、またはロール角、ピッチ角、ヨー角との称する)の角度が検出され、その検出信号が姿勢制御部321に送られて、姿勢制御部321によって3軸回転機構5aが制御される。この3軸周りの回転角度は、撮影位置データを構成する撮影姿勢に相当する。なお、3軸角度センサー331は、公知の3軸角度センサーで構成される。
【0029】
顔を照明するための光源8が筐体1内の複数個所に配置されている。光源8は、顔の位置を中心として円周方向に沿って顔に面するように配置されていると共に、図2に示すように、上方にも複数個所に配置される。光源8には、可視光を照射する光源と紫外線を照射するブラックライトがあり、目的に応じて使い分けもしくは両方が使用される。可視光を照射する光源8は、ハロゲンランプ、蛍光灯、LEDなど適宜のものを使用することができる。光源8として、フラッシュ光源を使用してもよい。
【0030】
光源8から照射される光を均一に拡散するための拡散板9が光源8と顔の間に配置される。拡散板9は、図1に示す横断面形状は円弧形状(半円形状)である。図2に示すように、拡散板9は、顔の正面だけでなく天井部と底面部にも配置されており、従って、この拡散板9により顔が包囲されるような形態となる。なお、拡散板9は、半円形でなくてもよく、多角形、楕円形状を呈していてもよい。撮影カメラ4は、拡散板9の背後側に移動することになるため、正面位置P0と側面位置P1,P2において撮影を可能にするため矩形の開口部9aが形成される。
【0031】
<カメラ移動機構>
次に、撮影カメラ4の移動機構の詳細を図3、図4により説明する。回転中心Bには駆動モータ10と駆動軸11が設けられており、この駆動軸11にアーム12が連結される。アーム12の先端部12aに2本の連結軸13が垂直方向に植設され、この連結軸13の上部先端にカメラ支持体5が結合される。カメラ支持体5は、側面視で略コの字形状を有しており、コの字形状の内側に撮影カメラ4が配置されている。
【0032】
アーム12の先端側の裏面には、ローラ支持体14がアーム先端部12aに対して垂直方向を軸として回転自在に取り付けられており、ローラ15が回転自在に保持されている。このローラ15は、筐体1の底面に接地するように構成され、これにより、回転中心Bに対して撮影カメラ4をスムーズに回転移動させることができる。撮影カメラ4と顔保持手段との相対位置は、カメラ位置センサー33(第1検出手段に相当する)によって検出され、この検出信号が相対位置制御部32に送信されて、駆動モータ10を制御するように構成されている。相対位置は、回転中心Bを基点とした撮影カメラ4の相対的3次元座標である。すなわち、顔保持手段(あご載せ台2と額押さえ3)を回転中心として撮影カメラ4を回転移動するように構成されている。相対位置は、撮影位置データを構成している。なお、撮影カメラ4の回転移動機構については、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。
【0033】
図1に戻り、制御装置20は、顔撮影装置Aの動作を制御する機能と、撮影カメラ4により撮影された顔画像に関する画像処理を行う機能を有する。モニター21には、撮影された顔画像が表示される。キーボード22は、顔撮影装置Aに対する種々の動作指令入力や画像処理を行なうための種々の動作指令やデータ入力などを行なう。制御装置20、モニター21、キーボード22は、汎用のコンピュータ(パソコン)により構成してもよい。
【0034】
<制御関係>
次に、顔撮影装置Aの主要な制御機能について図6の制御ブロック図により説明する。コントローラ30は、顔撮影装置Aを統括的に制御する機能を提供するものであり、CPU、メモリ、その他の必要なプログラム等により構成される。照明制御部31は、光源8の点灯・消灯制御を行なう。光源8は、顔画像の撮影を行う時に点灯される。可視光と紫外線を使い分ける場合に、そのいずれを点灯させるのか、あるいは両方を点灯させるのかについての制御も行われる。
【0035】
相対位置制御部32は、撮影カメラ4を正面位置P0、側面位置P1、P2の各位置に停止させるための移動制御を行うものであり、駆動モータ10に対する動作指令を行なう。撮影カメラ4を所定の位置に停止させるために、カメラ位置センサー33が設けられている。カメラ位置センサー33としては、上記3つの撮影位置を検出するためのセンサーが設けられており、例えば、アーム12の位置を光センサーやマイクロスイッチなどにより検出するように構成できる。
【0036】
また、上記3つの撮影位置だけではなく、それらの中間的な位置も検出することができるようにしている。例えば、駆動モータ10に連動して回転するエンコーダからの信号や、駆動モータ10(パルスモータ)へ供給する駆動パルスのカウント値などに基づいて、細かいステップで撮影カメラ4の位置を検出することができる。従って、撮影カメラ4が移動可能な全範囲について位置検出を行なうことができる。
【0037】
基本的には、相対位置制御部32による撮影カメラ4の位置制御は正面位置P0、側面位置P1、P2の3箇所で停止させるように行なわれ、撮影姿勢の微調整は、姿勢制御部321によって実行される。
【0038】
姿勢制御部321は、予め記憶手段(不図示)記憶されている微調整設定値に基づいて、撮影カメラ4の姿勢を変えるように3軸回転機構5aに指令を行なう。この際に3軸角度センサー331からの検出信号と、微調整設定値とを照合しながら3軸回転機構5aに指令を行う。微調整設定値は、撮影カメラ4の撮影姿勢を微調整するための設定値であり、例えば、3軸ごとに初期角度(撮影1回目の角度)を基準にして−1から+1度の範囲で、0.01間隔で設定されていることが微調整の観点から好ましい。
【0039】
カメラ制御部34は、撮影カメラ4の動作を制御するものであり、具体的にはシャッターを切ることで顔画像の撮影を行う。顔画像の撮影は、正面位置P0,側面位置P1,P2の3箇所において夫々行なわれる。また、カメラ制御部34は、低解像度、高解像度での撮影動作を制御することができる。高解像度は、肌の状態を診断できうる解像度を意味し、低解像度は、この高解像度よりも低い解像度であって、高解像度での顔画像と同一性判断ができる程度以上の解像度を意味しており、装置によって適宜設定可能に構成される。また、撮影カメラ4が動画を撮影することができる場合にも、カメラ制御部34はその動作を制御することができる。動画撮影された場合、所定の撮影位置での静止画が切り出せるように制御される。
【0040】
顔画像データ保存部36(顔画像データ記憶手段に相当する)は、撮影カメラ4により撮影された顔画像データが保存される。顔画像データは、デジタルのカラー画像データであり、JPEG等の適宜のファイル形式で保存される。顔画像データは、正面画像・左右側面画像(顔画像IDで特定できる)ごとに保存され、人物を特定する人物ID(識別情報)・撮影年月日、及び撮影位置(相対的3次元座標、撮影姿勢)と共に保存される。
【0041】
低解像度顔画像データ保存部361(低解像度顔画像データ記憶手段に相当する)は、撮影カメラ4により撮影された低解像度顔画像データが保存される。低解像度顔画像データは、撮影位置(相対的3次元座標、撮影姿勢)と共に保存される。
【0042】
コントローラ30は、撮影位置設定手段30a、微調整設定手段30b、抽出手段30c、高解像度撮影指示部30dの機能を有する。撮影位置設定手段30aは、顔画像データ保存部36に記憶されている前回撮影の撮影位置(相対位置、撮影姿勢)に基づいて、相対位置制御部32に指令を出し、撮影カメラ4を前回と同じ撮影条件となる相対位置へ移動させ、姿勢制御部321に指令を出し、前回と同じ撮影姿勢となるように制御する。
【0043】
また、微調整設定手段30bは、再度撮影時において、例えば、微調整設定値に基づいて、撮影カメラ4が自由回転するように姿勢制御部321に指令を行い、3軸回転機構5aを制御する。
【0044】
また、抽出手段30cは、低解像度顔画像データ保存部361に保存されている低解像度の2以上の顔画像群から、顔画像データ保存部36に記憶されている前回画像である第1顔画像(事前に、ID等の照合により読み出されている)と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することができる。同じ又は最近似であるか否かの判断方法は、特に制限されないが、例えば、顔の特定部位(目、鼻、眉毛、口、ほくろ等)を比較判断する方法、複数の特定部位の位置関係を比較判断する方法、特定部位または顔全体の輪郭を比較判断する方法等が例示できる。
【0045】
そして、高解像度撮影指示部30dは、抽出手段30cによって抽出された低解像度の第2顔画像の撮影位置を低解像度顔画像データ保存部361から読み出し、この撮影位置で高解像度の撮影ができるようにカメラ制御部34に指令を行う。撮影位置の微調整は、微調整設定手段30bによって行なわれる。これにより、抽出手段30cによって抽出された低解像度の第2顔画像と同じ撮影位置で高解像度の顔画像を撮影することができる。この高解像度の顔画像は、前回顔画像(第1顔画像)と同じ又は最近似の顔画像であり、これにより後述する画像処理部38による画像処理診断を正確に行なうことができる。
【0046】
画像処理部38は、顔画像データに基づいて、肌治療などの効果を確認するために必要なソフトウェアにより構成される。具体的には、前回撮影した顔画像と今回撮影した顔画像との比較を画像処理技術を用いて行い、例えば、顔の特定部位におけるシミやシワなどの大きさ形状の比較、面積の算出、変色の度合いの解析などを行なう機能を有する。これらの解析結果についてはデータ化されて記憶部(不図示)に記憶される。
【0047】
<作動フローチャート>
次に、実施形態1の顔画像の撮影を行う時の手順を図7、8のフローチャートにより説明する。まず、顔をあご載せ台2と額押さえ3により保持させる(S1)。次に、撮影カメラ4を撮影位置に移動すべく、駆動モータ10により駆動させる(S2)。所定の撮影位置は、正面位置P0になるように設定されている。ステップS1およびS2において、所望の顔画像を撮影するために、あご載せ台2及び額押さえ3を位置固定して顔位置を適宜調整するとともに、撮影カメラ4の位置についても適宜調整する場合がある。次に、撮影位置を、カメラ位置センサー33、3軸角度センサー331によって測定し、プロセッサー30に送信する(S3)。
【0048】
今回の撮影が最初であれば(S4)、顔画像を撮影する(S5)。そして、撮影された顔画像と関連づけてステップS3で測定された撮影位置(相対位置、撮影姿勢)を顔画像データ保存部36に保存する(S6)。なお、人物ID、撮影位置ID、撮影日時等の情報も関連づけられて保存される。
【0049】
次いで、他の撮影位置へ移動するか否かの判断がなされる(S7)。正面以外に、側面P1,P2でも撮影を行なう場合に、ステップS2に処理が戻り、撮影位置を変えて撮影が行なわれる。
【0050】
初めての撮影ではなく、再度の撮影である場合、ステップS4から再度の撮影処理に移行する。初回の撮影時に撮影位置が保存されているため、次回の撮影時に利用できるようになっている。再度撮影処理では、人物ID等の識別情報を入力することで、前回の顔画像データおよび撮影位置のデータを読み出す(S11)。前回と同一の顔をあご載せ台2と額押さえ3により保持させて、ステップS11で読み出された撮影位置に撮影カメラ4を移動する(S12)。ここで、顔はあご載せ台2と額押さえ3により保持されているが、顔位置(角度)が微妙にズレていることが多いために、このまま撮影しても再現性が取れない場合がある。そのため、本実施形態では、以下のステップに示す撮影処理を行なっている。すなわち、撮影位置(相対位置、撮影姿勢)を検出し(S13)、低解像度での撮影を行い(S14)、ステップS13で検出された撮影位置とステップS14で撮影された低解像度顔画像データを低解像度顔画像データ保存部361に保存する(S15)。
【0051】
次いで、撮影位置を微調整して撮影を行なうか否かを判断し(S16)、撮影位置を微調整する場合、ステップS17において、3軸回転機構5aを制御し、微調整設定値に基づいて撮影姿勢を微調整する(S17)。微調整設定値は、例えば、3軸回転機構5aのうち2軸を固定して1軸のみを、初回撮影角度を基準に−0.2度から+0.2度の範囲で0.2度間隔で角度を変更し、これを3軸の各々について行なう(つまり27回の撮影が行なわれる)。次いで、ステップS13に戻り、S16までの処理を繰り返す。撮影の終了判断は、適宜設定できるが、ここでは、微調整設定値での撮影が終了することで終了判断がなされる。なお、微調整移動を数回から数10回に設定するほうが高速処理の観点から好ましい。
【0052】
次いで、低解像度顔画像データ群から、前回の顔画像と同一のまたは最近似の顔画像を抽出する(S18)。抽出方法として、顔の特定部位の輪郭比較を行なうことにより同一または最近似の第2顔画像を抽出することが好ましい。
【0053】
次いで、抽出された第2顔画像の撮影位置を低解像度顔画像データ保存部361から読み出し、撮影カメラ4をこの撮影位置(撮影姿勢)に微調整する(S19)。そして、高解像度(例えば、前回撮影時の解像度)で顔を撮影する(S20)。次いで、撮影された高解像度の顔画像とその撮影位置を、前回顔画像データと関連づけて顔画像データ保存部36に保存する(S21)。
【0054】
次いで、他の撮影位置へ移動するか否かの判断がなされる(S22)。例えば、正面以外に、側面P1,P2でも撮影を行なう場合に、ステップS12に処理が戻り、撮影位置を変えて撮影が行なわれる。
【0055】
以上の実施形態1において、再度撮影の際に、低解像度で顔画像を2以上撮影し、この低解像度の顔画像群から前回顔画像と同じまたは最近似の顔画像を抽出するように構成され、低解像度の顔画像での抽出処理することにより、高解像度の顔画像を抽出処理するよりもメモリ容量を低くできるとともに、抽出処理速度を速くできる。
【0056】
また、実施形態1では、低解像度の顔画像を撮影するものとして構成されていたが、これに制限されない。本発明では、再度撮影の際に、撮影カメラ4を微調整しながら、前回撮影と同じ解像度で顔画像を2以上撮影し、この2以上の顔画像群から、前回顔画像と同じまたは最近似の顔画像を抽出するように構成することができる。
【0057】
(実施形態2)
本発明に係る顔撮影装置の他の好適な実施形態2について以下に説明をするが、実施形態1と同様の符号で示す機能構成は、実施形態2においても同様の機能を有するので、その説明を省略し、本実施形態2に特有の機能を中心として説明する。
【0058】
図9に示す実施形態2において、撮影カメラ4は、動画撮影を行なう。微調整設定手段30bは、撮影カメラ4による動画撮影において、撮影カメラ4の撮影姿勢が自動的に微調整できるように、姿勢制御部321を制御することができる。また、手動で撮影カメラ4の撮影位置を変えることができ、手動で撮影位置を変えながら動画を撮影するようにも構成できる。
【0059】
コントローラ30は、撮影カメラ4で撮影された動画像から、所定のタイミング(または所定の撮影位置で)で静止画を切り出す処理を行なう静止画切り出し部30eを備えている。静止画切り出し部30eで切り出された静止画の顔画像は、静止画顔画像データ保存部362に、その撮影位置とともに保存される。
【0060】
抽出手段30cは、静止画顔画像データ保存部362から、2以上の顔画像データを読み出し、前回の第1顔画像と照合して、同一または最近似の第2顔画像を抽出する。ここで抽出された第2顔画像を用いて、画像処理部38による画像処理診断を正確に行なうことができる。
【0061】
また、切り出された静止画の解像度が低い場合、高解像度撮影指示部30dによって、高解像度での撮影が行なえるように、抽出された静止画の顔画像の撮影位置(撮影姿勢)を読み出し、この撮影位置(撮影姿勢)に撮影カメラ4を微調整して、高解像度での静止画の撮影を行なう。撮影された高解像度の顔画像は、今回の顔画像として撮影位置とともに、前回撮影の顔画像データと関連づけて保存される。
【0062】
<実施形態2のフローチャート>
図10は、本実施形態2の再度の撮影処理の動作を示すフローチャートである。再度撮影処理において、人物ID等の識別情報を入力することで、前回の顔画像データおよび撮影位置のデータを読み出す(S31)。前回と同一の顔をあご載せ台2と額押さえ3により保持させて、S31で読み出された撮影位置に撮影カメラ4を移動する(S32)。次いで、撮影位置(相対位置、撮影姿勢)を検出し(S33)、撮影位置を移動(微調整移動)しながら動画の撮影を行う(S14)。撮影位置の移動は、予め記憶部(不図示)に記憶された微調整設定値によって設定される。微調整設定値は、上記したように適宜設定できる。
【0063】
動画撮影と同時にリアルタイムまたは所定のタイミングで撮影位置が検出され、この所定のタイミングにおいて動画像から静止画像が切り出される。この切り出された静止画(顔画像)この静止画が撮影された撮影位置を関連付けて静止画顔画像データ保存部362に保存する(S35)。
【0064】
次いで、動画撮影が終了したか否かを判断し(S36)、動画撮影が終了した場合、ステップS37に行き、動画撮影が終了していない場合にはステップS33に戻り、動画撮影を行う。なお、動画撮影は、自動モードと手動モードを設定し、自動モードあるいは手動モードで動画撮影を行なうように構成できる。
【0065】
ステップS37において、静止画顔画像データ保存部362から、2以上の静止画顔画像データを読み出し、前回の顔画像データ(第1顔画像)と同一または最近似の第2顔画像を抽出する(S37)。次いで、抽出された第2顔画像の解像度が前回の顔画像の解像度と同等であるか否かを判断し(S38)、解像度が同等であると判断された場合、ステップS42に行き、他の撮影位置で動画撮影を行なうか否かが判断される。
【0066】
解像度が同等でないと判断された場合、ステップS40において、高解像度での撮影を行なうように高解像度撮影指示部30dによって実行される(S40)。撮影された高解像度の顔画像は、その撮影位置とともに、前回顔画像データに関連づけられて、顔画像データ保存部36に保存され(S41)、診断に供される。次いで、ステップS42において、他の撮影位置で動画撮影を行なうか否かが判断され、例えば、側面の顔画像についての動画像を撮影する場合に、ステップS32に戻り、上記の動作を繰り返す。
【0067】
(実施形態3)
本発明に係る顔撮影装置の他の好適な実施形態3について以下に説明をするが、実施形態1または2と同様の符号で示す機能構成は、実施形態3においても同様の機能を有するので、その説明を省略し、本実施形態3に特有の機能を中心として説明する。
【0068】
図11において、実施形態3の顔撮影装置は、撮影の際に、顔は顔保持手段によって固定され、撮影カメラ4によって撮影された顔画像の所定点間の距離及び水平度を画像解析して顔の傾き(3軸であるX軸、Y軸、Z軸周りの回転角度)を算出する顔傾き算出手段30fを備える。顔画像の所定点としては、鼻、口、目、眉が例示される。右目と左目を直線で結んだ距離の長短の差によって、顔の垂直軸(Z軸)の回転角度が算出される。また、鼻中心と口中心を結んだ距離の長短の差によって、顔の左右に伸びる水平軸(Y軸)の回転角度が算出される。また水平度(顔の正面軸(X軸)の回転角度)は、例えば、右目と左目の中心を直線で結び、その直線と水平線との傾きで算出される。なお、顔重心を中心としたX軸、Y軸、Z軸を図5に示す。
【0069】
この顔傾き算出手段30fは、顔画像データ保存部36に保存されている第1顔画像の第1顔傾きと、再度撮影時に撮影された第2顔画像の第2顔傾きとを算出するように構成されている。
【0070】
そして、プロセッサー30の一機能要素としての顔傾き制御手段30gは、顔傾き算出手段30fによって算出された第2顔傾きが第1顔傾きに一致するように撮影カメラ4を移動させるよう制御することができる。実施形態1では、予め定められた微調整設定値によって、撮影カメラ4を微調整可能に構成したが、実施形態3では、微調整において、第1顔傾きに一致するように撮影カメラ4の撮影位置(撮影姿勢)を微調整することが可能であり、必要以上に撮影を行なわないで済む。
【0071】
<実施形態3のフローチャート>
図12は、本実施形態2の再度の撮影処理の動作を示すフローチャートである。再度撮影処理において、人物ID等の識別情報を入力することで、前回の顔画像データおよび撮影位置のデータを読み出す(S51)。第1顔画像傾きを算出する(S52)。次いで、前回と同一の顔をあご載せ台2と額押さえ3により保持させて、S51で読み出された撮影位置に撮影カメラ4を移動する(S53)。次いで、撮影位置(相対位置、撮影姿勢)を検出し(S54)、撮影を行う(S55)。
【0072】
次いで、ステップS54で測定された撮影位置とステップS55で撮影された顔画像を関連付けてデータ保存部363に保存する(S56)。次いで、ステップS55で撮影された顔画像の第2顔画像傾きを算出する(S57)。次いで、ステップS52で算出された第1顔画像傾きとステップS57で算出された第2顔傾きが一致するか否かを判断する(S58)。ステップS58による判断は、略一致するように構成してもよく、所定のしきい値以上の一致度で同等であると判断するように構成してもよい。
【0073】
ステップS58で第1顔傾きと第2顔傾きが一致していないと判断された場合、撮影位置を微調整し(S59)、ステップS54に戻り、ステップS54からS58の動作を繰り返す。ここでの微調整は、第1顔傾きと第2顔傾きの差を算出し、算出された差に応じて、顔傾き制御手段30gが姿勢制御部321に指令を行い、3軸回転機構5aを制御して、撮影カメラ4の撮影姿勢を微調整することである。
【0074】
ステップS58で第1顔傾きと第2顔傾きが一致していると判断された場合、ステップ60において、抽出手段30cは、データ保存部363から顔画像データを読み出し、第1顔画像と同一または最近似の第2顔画像を抽出する。ステップS57で最後に算出された第2顔傾きに対応する顔画像が抽出される。したがって、ここでの抽出処理は、第1顔画像との第2顔画像との輪郭判断等の抽出方法を行なわないですむ。そして、抽出された第2顔画像は、その撮影位置と共に、前回顔画像データに関連づけられて顔画像データ保存部36に保存され(S61)、診断に供される。次いで、ステップS62において、他の撮影位置で撮影を行なうか否かが判断され、例えば、側面の顔画像についての動画像を撮影する場合に、ステップS51に戻り、上記の動作を繰り返す。
【0075】
<別実施形態>
本実施形態においては、撮影カメラ4の撮影位置への設定や微調整は自動的に行なっているが、これらを手動で行うようにしてもよい。この場合、正しい位置に撮影カメラ4が設定されたか否かを確認するために外部表示させることが好ましい。例えば、最後の微調整をするに際して撮影カメラ4を移動させた時に、正しい位置に来たときに外部表示をさせるようにする。表示のさせ方としては、LEDなどのランプで表示させたり、ブザーで警告音を発生させるなどの方法がある。また、モニター21に表示させるようにしてもよい。
【0076】
本実施形態では、撮影カメラ4はカメラ支持体5に固定されているが、カメラ支持体5に対して相対移動できるように撮影カメラ4を取り付けてもよい。これにより、撮影カメラ4の微調整を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】顔撮影装置の内部構成を示す横断面図
【図2】顔撮影装置の内部構成を示す縦断面図
【図3】撮影カメラの回転移動機構の詳細構成を示す斜視図
【図4】撮影カメラの回転移動機構の詳細構成を示す側面図
【図5】顔の3軸について説明するための図
【図6】実施形態1の顔撮影装置の制御機能を示すブロック図
【図7】実施形態1の作動フローチャート
【図8】実施形態1の作動フローチャート
【図9】実施形態2の顔撮影装置の制御機能を示すブロック図
【図10】実施形態2の作動フローチャート
【図11】実施形態3の顔撮影装置の制御機能を示すブロック図
【図12】実施形態3の作動フローチャート
【符号の説明】
【0078】
2 あご載せ台
3 額押さえ
4 撮影カメラ
5 カメラ支持体
5a 3軸回転機構
20 制御装置
30 コントローラ
30a 撮影位置設定手段
30b 微調整設定手段
30c 抽出手段
30d 高解像度撮影支持部
30e 静止画切り出し部
30f 顔傾き算出部
30g 顔傾き制御手段
32 相対位置制御部
321 姿勢制御部
33 カメラ位置センサー
331 3軸角度センサー
34 カメラ制御部
36 顔画像データ保存部
361 低解像度顔画像データ保存部
362 静止画顔画像データ保存部
363 データ保存部
38 画像処理部
A 顔撮影装置
P0 正面位置
P1,P2 側面位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔を所定位置に保持させる顔保持手段と、
この顔保持手段に保持されている顔を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された顔画像のデータを記憶する顔画像データ記憶手段と、
同じ顔について前記撮影手段を移動させながら再度撮影して得られた2以上の顔画像群から、前記顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出する抽出手段と、
を備えていることを特徴とする顔撮影装置。
【請求項2】
顔画像データ記憶手段は、当該撮影された顔画像の撮影位置を顔画像のデータと関連付けて記憶するように構成され、
再度同じ顔の撮影を行う際に、当該顔画像データ記憶手段に記憶されている撮影位置に基づいて、前記撮影手段の位置を設定可能にするための撮影位置設定手段と、
再度の撮影の際に、撮影手段を微調整するための微調整設定手段と、をさらに備え、
前記撮影位置設定手段は、撮影手段と顔保持手段との相対位置を制御する相対位置制御部および撮影手段の撮影姿勢を制御する姿勢制御部とに指令を行い、
前記微調整設定手段は、前記姿勢制御部に指令を行うことを特徴とする請求項1に記載の顔撮影装置。
【請求項3】
前記撮影位置は、顔保持手段と撮影手段との相対的3次元座標である相対位置と、撮影手段の3軸周りの回転角度である撮影姿勢とで定義され、
前記顔保持手段と撮影手段との相対的3次元座標を検出する第1検出手段と、
前記撮影手段の3軸周りの回転角度を検出する第2検出手段と、をさらに備える請求項1または2に記載の顔撮影装置。
【請求項4】
前記撮影手段は、同じ顔の再度の撮影の際に、撮影位置を微調整しながら低解像度で2以上撮影し、
前記抽出手段は、当該低解像度の2以上の顔画像群から、前記顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の顔撮影装置。
【請求項5】
前記同じ顔の再度の撮影の際に、当該撮影された低解像度の顔画像の撮影位置を、低解像度の顔画像のデータと関連付けて記憶する低解像度顔画像データ記憶手段を備え、
前記抽出手段によって低解像度の第2顔画像が抽出された場合に、前記低解像度顔画像データ記憶手段に記憶されている当該抽出された低解像度の第2顔画像の撮影位置で高解像度の顔画像の撮影ができるように構成したことを特徴とする請求項4に記載の顔撮影装置。
【請求項6】
前記撮影手段は、再度の撮影の際に、撮影位置を微調整しながら同じ顔の動画を撮影し、
前記抽出手段は、当該撮影された動画から、前記顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像と同じ又は最近似の撮影位置で撮影された第2顔画像を抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の顔撮影装置。
【請求項7】
前記撮影の際に、顔は顔保持手段によって固定され、前記撮影手段によって撮影された顔画像の所定点間の距離及び水平度を画像解析して顔の傾きを算出する顔傾き算出手段を備え、
前記顔傾き算出手段は、顔画像データ記憶手段に記憶されている第1顔画像の第1顔傾きと、再度撮影時に撮影された第2顔画像の第2顔傾きとを算出するように構成し、
第2顔傾きが第1顔傾きに一致するように撮影手段を移動させるよう制御する顔傾き制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の顔撮影装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−161322(P2008−161322A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352375(P2006−352375)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】