説明

顔料分散体の製造方法

【課題】小粒径かつより均一な粒径分布を有し、発色性が良い顔料分散体を容易に得ることができ、省スペース化が容易で、スムーズな量産移行が可能な顔料分散体の製造方法を提供する。
【解決手段】2色以上の顔料と分散剤とが、アルカリ存在下に非プロトン性有機溶剤を含む溶剤に溶解している溶液を用意する工程;2色以上の顔料の沈殿媒体を用意する工程;溶液と該沈殿媒体とを別々のマイクロ流路に供給する工程;および、別々のマイクロ流路からそれぞれ流出する該溶液の流れおよび沈殿媒体の流れ同士を合流させることにより、2色以上の顔料を析出させる工程を有する顔料分散体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録材料として有用な特色顔料分散体や黒色顔料分散体に好適な顔料分散体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術やインクジェット技術といわれるものがその代表例であるが、近年オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めつつある。
【0003】
インクジェット技術はその中でも直接記録方法として、コンパクト、低消費電力という大きな特徴がある。また、ノズルの微細化等により急速に高画質化が進んでいる。インクジェット技術の一例は、インクタンクから供給されたインクをノズル中のヒーターで加熱することで発泡し、インクを吐出させて記録媒体に画像を形成させるという方法である。その他にピエゾ素子を振動させることでノズルからインクを吐出させる方法である。このような、インクジェット方式を用いて、色材を記録に用いる様々な用途に利用することが出来る。具体的には、文房具、カラープリンタ、カラープロッター、ポスター印刷、看板印刷、軽印刷、捺染、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ等である
これらの方法には、これまで水溶性の染料インクが適用されてきたが、にじみやフェザリング、耐候性といわれる現象が現れたりする場合があった。これらを改善するために顔料分散インクを使用することが、特許文献1に開示されている。
【0004】
ところが顔料インクは長期保存安定性やインクジェットヘッドからの吐出安定性において、染料インクと比較して劣る場合が多い。また、顔料粒子による光散乱や光反射が生じるため、一般に顔料インクにより形成された画像は染料インクによる画像と比較して発色性が低いという傾向がある。また、粗大顔料粒子はインクジェットヘッドのノズル詰まりの要因となる。これら顔料インクの課題を改善する方法のひとつとして顔料粒子を微細化する試みがなされている。100nm以下に微細化された顔料は、光散乱の影響が小さく、かつ比表面積が増大するため、発色性の改善が期待されている。顔料を微細化する方法として一般的にはサンドミルやロールミル、ボールミルといった磨砕を行うが、100nm以下で粒径分布の小さい顔料分散体を得るには多大なエネルギーと時間を要し、必ずしも容易な方法ではない。
【0005】
又、更なる画質と色再現性向上の手段として、従来から使用されているイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの他にオレンジ、グリーン、ブルー等といった特色インクを用いるカラープリンターがラージフォーマット、捺染等の分野で上市されてきている。特色インクとして用いる顔料としてイエロー、マゼンタ、シアン以外の発色を示す単一な顔料を用いる一方で、混色にて特色顔料を製造する方法も開示されている。例えば赤色有機顔料と黄色有機顔料とを共磨砕することによって黄味の赤色顔料を製造する方法が開示されている(特許文献2参照)。また、銅フタロシアニンとジオキサンバイオレットを共磨砕もしくは共に濃硫酸に溶解させた溶解液を水に注入し再沈殿するアシッドペースト法にて紺藍色顔料を製造する方法が開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
黒色顔料においてはカーボンブラックが最も広く使用されており、高い着色力を有することが知られている。一方、特許文献4では、カーボンブラックは発がん性多環縮合化合物を含有すると指摘され、カーボンブラックの代替となる黒色ペリレン系顔料の製造方法が開示されている。これによると黒色ペリレン系顔料は真空中または不活性ガス雰囲気下で高温焼成して製造しているため、粒径、粒径分布の制御は必ずしも容易ではなく粒径の揃った分散体を得るという点においてなお多くの改善が望まれる。
【特許文献1】米国特許第5085698号公報
【特許文献2】特開2004−91602号公報
【特許文献3】特開2002−3739号公報
【特許文献4】特開2003−41144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、小粒径かつより均一な粒径分布を有し、発色性が良い顔料分散体を容易に得ることができ、省スペース化が容易で、スムーズな量産移行が可能な顔料分散体の製造方法を提供することである。さらには、特色顔料分散体もしくはカーボンブラック代替黒色顔料分散体として好適な顔料分散体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、2色以上の顔料と分散剤とが、アルカリ存在下に非プロトン性有機溶剤を含む溶剤に溶解している溶液を用意する工程;
該2色以上の顔料の沈殿媒体を用意する工程;
該溶液と該沈殿媒体とを別々のマイクロ流路に供給する工程;および、
該別々のマイクロ流路からそれぞれ流出する該溶液の流れおよび該沈殿媒体の流れ同士を合流させることにより、該2色以上の顔料を析出させる工程
を有する顔料分散体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、小粒径かつより均一な粒径分布を有し、発色性が良い顔料分散体を容易に得ることができ、省スペース化が容易で、スムーズな量産移行が可能な顔料分散体の製造方法が提供される。さらには、特色顔料分散体もしくはカーボンブラック代替黒色顔料分散体として好適な顔料分散体の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の形態について詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0011】
本発明の顔料分散体の製造方法は、2色以上の顔料と分散剤とが、アルカリ存在下の非プロトン性有機溶剤を含む溶剤に溶解している溶液(以下、反応液Aという)を用意する工程;反応液Aに溶解している顔料の沈殿媒体(以下、反応液Bという)を用意する工程;反応液Aと反応液Bとを別々のマイクロ流路に供給する工程;および、上記別々のマイクロ流路からそれぞれ流出する反応液Aの流れおよび反応液Bの流れ同士を合流させることにより、上記顔料を析出させる工程を有する。この方法によれば反応液Aに溶解した顔料は沈殿媒体である反応液Bと反応場(反応液Aの流れと反応液Bの流れが合流した個所)において接触し混合されることによって顔料の溶解度が低下し、顔料粒子が析出する。ここで反応液Aに分散剤が共存しているため析出した顔料は分散剤により被覆され顔料の成長や凝集が抑制され粒径の小さな顔料分散体を得ることができる。
【0012】
ここで反応液Aと反応液Bとを反応場に別々のマイクロ流路から供給することにより、反応液Aと反応液Bとはマイクロ流体同士の反応になり、混合及び反応が瞬時に進行する。反応液Bは反応液Aに溶解している顔料の沈殿媒体であり、且つ反応場において反応液Aと反応液Bとが瞬時に混合されるため、反応液Aに溶解している2色以上の顔料は略同時に析出する。これによって多数の核が生じ、それに基づき多数の粒子が成長するため、顔料の結晶化がスムーズに行なわれ一次粒径の小さい顔料粒子が形成される。通常一度溶解した顔料をこのような沈殿媒体との接触により結晶化する場合、結晶化が十分に進まないことがあるが、マイクロ流体同士の効率の良い混合では結晶化がスムーズに行なわれる。また、一般に中和再沈殿という手法で沈殿媒体に酸を用い結晶化を促進させることが知られているが、アニオン性の界面活性剤を分散剤として用いた場合、分散能が低下してしまうことがある。本発明の製造方法によれば中和再沈殿を用いなくても結晶化がスムーズに行なわれるため、用いる分散剤の選択の幅を広げることができる。また、反応液Aと反応液Bとが常に同じタイミングで接し、混合ないし反応が進行していくことができ、これにより均一な混合や反応の秩序性を維持することができる。また、反応に秩序性があることにより粒度分布を狭く抑えることができ、品質がより一定した特色顔料分散体、黒色顔料分散体を製造することができる。
【0013】
その際、反応液Aに溶解していた2色以上の顔料は析出し微細な顔料同士が集まり、2色以上の顔料からなる分子会合体の顔料粒子を形成することができる。2色以上の顔料が共存し溶解し、更に分散剤を共存させておくことにより、析出してきた2色以上の顔料同士は分子会合体にて分散されると推定される。本発明者らの検討によればこれら分散体生成後、長期保存しておいても分散液の色が分離しないこと等からそう推定している。ここでいう2色以上の顔料とは分光スペクトルにおいて吸収波長が異なる或いは色相が異なる顔料を指す。さらに共存する分散剤によって瞬時に析出した分子会合体からなる顔料粒子が被覆されるため粒子径は小さくなる。ここで反応液Aに2色以上の顔料と分散剤とが、アルカリ存在下の非プロトン性有機溶剤を含む溶剤に均一に溶解し、且つ前述のように反応液Aと反応液Bとが常に同じタイミングで接し、混合ないし反応が進行することができる。その結果、均一な混合や反応の秩序性により、得られる分散体に含まれるそれぞれの顔料粒子中の顔料比も揃う。これにより顔料分散インク中における分散された顔料粒子の発色のばらつきが小さくなる。上述のように本発明の製造方法によれば顔料粒子の粒子径の小さい分散体が製造できるため顔料分散体は、光散乱の影響が小さく、かつ比表面積が増大するため、発色性が高まる効果を奏する。また、粒径と着色力は反比例の関係にあることから(Annalen der Physik、25巻、377頁、1908年)、粒径が大きいと着色力が低下してしまうことがある。このため本発明においては、粒子の平均粒径は好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。
【0014】
また、本発明の顔料分散体の量産については必要な生産量に応じてマイクロ流路を並べること(numbering−up)によって容易に対応が可能となる。その際にマイクロ流路を複数個並べるに要するスペースは小さくて済む。
【0015】
本発明の顔料分散体の製造方法において反応液Aまたは反応液Bを反応場に供給するマイクロ流路の開口形状は丸型、楕円型、正方形等の多角形、長方形の何れでもよい。反応液Aを供給するマイクロ流路と反応液Bを供給するマイクロ流路の各々の開口面積は等しくても、それぞれ異なっていてもよい。
【0016】
反応場へ供給するマイクロ流路の開口径の短辺は混合効率の観点から好ましくは3000μm以下であり、より好ましくは1000μm以下であり、さらに好ましくは500μm以下であり、最も好ましくは100μm以下である。また、マイクロ流路からの流出のさせやすさと流体の粘性等の観点から好ましくは10μm以上であり、より好ましくは50μm以上である。ここでいう開口径の短辺とは開口部の開口面における最も短い辺を指す。例えば100μm×1cm長方形の開口形状であった場合の短辺は100μmとなる。開口径が小さいほど、反応場に供給される反応液Aおよび反応液Bの液幅が小さくなり、混合が効率良く行なわれる。一方、開口径が大きくなると液幅も大きくなり混合の効率は低下する傾向がある。反応液の粘性が高いものを扱う場合、開口径の小さいものを用いると圧力損失が大きくなり吐出が難しくなることもあるが、扱う反応液に応じた開口径を設定することができる。
【0017】
本発明の顔料分散体の製造方法におけるマイクロ流路を構成する材料の例を挙げれば、金属、ガラス、シリコン、テフロン(登録商標)、セラミックス、プラスチックなどである。耐熱、耐圧および耐溶剤性が必要な場合として金属、ガラス、シリコン、テフロン、セラミックスであるが、好ましくは金属である。金属の例としてステンレス、ハステロイ(Ni−Fe系合金)ニッケル、金、白金、タンタル等が挙げられるが本発明に用いる混合装置のノズルの金属材料はこれらに限定するものでない。吐出する流体に対して耐食性のある材料から適宜選定することができる。
【0018】
本発明により特色顔料分散体を製造し、これを顔料分散インクに用いる場合、この顔料分散インクは、従来から使用されているブラック、シアン、マゼンタ、イエロー等のインクと併用して用いることができる。このような好ましいインクの組合せとしては、下記に示す如く6色ないしは7色の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
・ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、グリーン、ブルー、
・ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、オレンジ、ブルー、
・ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、オレンジ、グリーン、ブルー。
【0019】
本発明により、2色以上の顔料の加法混色にて形成される色を呈する顔料分散体を得ることができる。
【0020】
例えば、本発明により特色顔料分散体を製造することができるが、この特色顔料分散体は2色以上の顔料の加法混色により形成される色を呈する。例えば本発明の製造方法によればグリーンの顔料をシアンとイエローの顔料を加法混色にて製造することができ、オレンジの顔料はレッドとイエローの顔料を加法混色にて製造することができるが、本発明はこれらの色の組合わせに限定するものではない。また本発明によればグリーンやオレンジ等の特色顔料を新たに調達することなく加法混色にて特色を呈する顔料分散体を製造することができる。また、反応液Aを調製する際に、溶解させる顔料の比率をコントロールすることによって所望の色相を呈する特色顔料分散体を得ることができる。ここで2色以上の顔料が溶解した反応液Aと顔料の沈殿媒体である反応液Bとをマイクロ流路から反応場に供給することによって、小粒径で粒径分布の小さい特色顔料分散体を得ることができる。
【0021】
本発明により黒色顔料分散体を製造することもできる。この場合反応液Aに溶解させる顔料としてシアン、マゼンタ、イエローの顔料もしくはブルー、グリーン、レッドの顔料を用いることができる。そして、シアン、マゼンタ、イエローの3色もしくはブルー、グリーン、レッドの3色の顔料が加法混色によって黒色を呈する顔料分散体を得ることができる。シアン、マゼンタ、イエローの3色もしくはブルー、グリーン、レッドの3色の顔料が溶解した反応液Aと顔料の沈殿媒体である反応液Bとをマイクロ流路から反応場に供給することによって、小粒径で粒径分布の小さい黒色顔料分散体を得ることができる。本発明にて製造される黒色顔料分散体は上記に示すような顔料より構成されるため高い耐候性を有する。また、加法混色によって黒を形成することができるため、カーボンブラックを含まない黒色顔料分散体を得ることができる。
【0022】
本発明で使用する顔料の種類は特に限定されず、公知の顔料を用いることができる。例示すると、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンおよびその誘導体、ハロゲン化銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料およびその誘導体;不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ系顔料;キナクリドン系顔料;イソインドリノン系顔料;インダンスロン系顔料;ジケトピロロピロール系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリレン系顔料;ペリノン系顔料;アントラキノン系顔料等が挙げられるが、使用可能な顔料はこれらに限定されるわけではない。
【0023】
上記顔料としては、市販されている顔料を用いても良く、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を以下に例示した。
【0024】
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
マゼンタやレッドの顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207、C.I.Pigment Red−210、C.I.Pigment Red−242、C.I.Pigment Red−253、C.I.Pigment Red−254、C.I.Pigment Red−256、等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.PigmentYellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
グリーンの顔料としては、C.I.Pigment Green−7、C.I.Pigment Green−36等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本発明で使用する顔料の溶解溶媒の一例として、非プロトン性有機溶剤としては、アルカリ存在下で有機顔料を溶解させるものであればいかなるものでも使用可能である。なかでも、水に対する溶解度が5質量%以上である有機溶剤が好ましく利用され、さらには水に対して自由に混合する有機溶剤が好ましい。水に対する溶解度が5質量%以上の溶剤を用いて顔料を可溶化することにより、水と混合する際に有機顔料が析出しやすく、粗大な粒子になりにくい。また、得られる顔料分散体の分散安定性も優れる。
【0029】
非プロトン性有機溶媒の例として、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶剤として挙げられ、中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリルが好ましい。また、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
【0030】
アルカリとして、非プロトン性有機溶剤中で有機顔料を可溶化するものであればいかなるものでも使用可能である。なかでも、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシド及び有機強塩基が、有機顔料の可溶化能力の高さから好ましい。具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、カリウム−tert−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,8−ジアザビシクロ[4,3,0]−7−ノネン、グアニジンなどを使用することが出来るがこれらに限定するものではない。また、これらのアルカリは、1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
【0031】
溶解させる顔料に対する非プロトン性有機溶媒とアルカリの割合は溶解させる顔料種や所望の分散粒径によって適宜選択することができる。本発明者らの検討によると溶解させる顔料に対し非プロトン性有機溶媒とアルカリの割合が大きいほど顔料溶解液中における顔料密度が大きくなり分散粒径は大きくなるという傾向がみられている。
【0032】
沈殿媒体の例を挙げると、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒類、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなどの炭化水素類を用いることもできる。
【0033】
水もpHに関しても全ての範囲で使用可能であるが、好ましくはpHは1から14の間である。また、これらの沈殿媒体は1種類単独でまたは2種類以上の混合物として用いてもよい。
【0034】
さらに沈殿反応速度や得られる顔料分散体の分散安定性を増すために、上記沈殿媒体中に酸やアルカリを添加して用いてもよい。
【0035】
弱酸等を添加した酸性の水を用いると溶解した顔料の析出は中性の水に比べ速くなるがアニオン性界面活性剤の分散剤を用いた場合は、分散能が低下してしまうことがある。カチオン性や非イオン性の界面活性剤の分散剤を使用する場合には酸性の水を用いると好適な場合もある。
【0036】
分散剤としては、反応液Aもしくは反応液Bに溶解するもの或いは反応液Aと反応液Bの両方に溶解するものを用いる。分散剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
【0037】
上記親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等が挙げられる。上記疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
【0038】
上記界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。
【0039】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0040】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。
【0041】
カチオン性活性剤の例としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0042】
両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。また両親媒性のブロック共重合体もまた用いることができる。
【0043】
なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
【0044】
以上説明したように、本発明によれば、より均一且つ小粒径で発色の良い、特色顔料分散体や黒色顔料分散体に好適な顔料分散体を安定生産できる製造方法を提供することができる。特に特色を呈する顔料を新たに調達することなく特色を呈する顔料分散体を容易に製造することができる。また小粒径で発色の良い特色顔料分散体、黒色顔料分散体が製造できることは色再現性の高い印刷を実現できる効果を奏する。マイクロ流路を並列に並べることにより容易に量産化可能で、省スペースでスムーズな量産移行が可能になる。さらに異なる特色顔料分散体を同時に省スペースで製造することができる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0046】
〔実施例1〕
本実施例では、図1に示すようなマイクロ流路を利用した。反応場4に反応液Aを供給するマイクロ流路3aはテフロン(登録商標)製の円形チューブで形成し、その開口径は200μm(直径)である。反応場に反応液Bを供給するマイクロ流路3bはガラス製の円形パイプで形成し、その開口径は250μm(直径)である。
【0047】
Copper(II)2、9、16、23−tetra−tert−butyl−29H,31H−phthalocyanine(アルドリッチ社製)のシアン顔料10質量部とC.I.Pigment Yellow 128(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)のイエロービスアゾ顔料10質量部にジメチルスルホキシド(キシダ化学社製)100質量部を加え懸濁させた。つづいて分散剤としてラウリル硫酸ナトリウム(キシダ化学社製)を40質量部加え、これらが溶解するまで25質量%水酸化カリウム水溶液を加えていき反応液Aを調製した。反応液Bにはイオン交換水を用いた。
【0048】
流体供給手段としてシリンジポンプ(不図示)を用いて反応液Aと反応液Bをそれぞれのマイクロ流路3aおよび3bに供給した。反応液Aは流量7ml/minで、反応液Bは流量10ml/minでシリンジポンプから供給した。それぞれのマイクロ流路から流出した反応液Aの流れ1と反応液Bの流れ2とを反応場4(空中)で接触させ、合流させた。再沈殿反応と分散が瞬時に起こりグリーンの色を呈する顔料の分散体を得た。この顔料分散体を、合流点の下方に配した容器に受けた。
【0049】
この分散体の粒子の粒径は非常に揃った均一なものであり平均粒径が40nmであり、分散度指数は0.098であった。このグリーンの顔料分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターS530(商品名。キヤノン社製)のインクタンクに充填し、普通紙に記録するとグリーンの文字の色相が変わらなくきれいに印字できた。
【0050】
〔実施例2〕
本実施例では、図2に示すようなマイクロ流路を利用した。反応場4に反応液Aを供給するマイクロ流路3aはガラス製で流路幅は100μmで、反応場に反応液Bを供給するマイクロ流路3bはガラス製で流路幅は100μmである。これらマイクロ流路の開口径の短辺はいずれも100μmである。本実施例では反応場4(反応液AおよびBが合流する個所)もマイクロオーダーの流路であり流路幅は200μmである。
【0051】
C.I.Pigment Red 254のレッド顔料10質量部とC.I.Pigment Yellow 128のイエロービスアゾ顔料10質量部にジメチルスルホキシド100質量部を加え懸濁させた。つづいて分散剤としてラウリル硫酸ナトリウムを40質量部加え、これらが溶解するまで25質量%水酸化カリウム水溶液を加えていき反応液Aを調製した。反応液Bにはイオン交換水を用いた。
【0052】
流体供給手段としてシリンジポンプ(不図示)を用いて反応液Aと反応液Bをそれぞれのマイクロ流路3aおよびbに供給した。反応液Aは流量70μl/minで、反応液Bは流量70μl/minでシリンジポンプから供給した。反応液Aの流れ1と反応液Bの流れ2とは反応場4(合流点)で接触し、再沈殿反応と分散が瞬時に起こりオレンジの色を呈する顔料の分散体を得た。
【0053】
この分散体の粒子の粒径は非常に揃った均一なものであり平均粒径が50nmであった。このオレンジの顔料分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターS530(商品名。キヤノン社製)のインクタンクに充填し、普通紙に記録するとオレンジの文字の色相が変わらなくきれいに印字できた。
【0054】
〔比較例1〕
第1実施例と同様な反応液Aと反応液Bを用意した。反応液Aを滴下ロートに入れ、7ml/minで、反応液Bが100ml入ったビーカーをメカニカルスタラーで攪拌しながら滴下した。再沈殿反応と分散が起こりグリーンの色を呈する顔料の分散体を得た。その分散体の粒子の粒径は不均一なものであり、100nmを超えるものもあり分散度指数が0.252であった。このグリーンの顔料分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターS530(商品名。キヤノン社製)のインクタンクに充填し、普通紙に記録すると色相が変化してしまったグリーンの文字が見られ、一部の紙面上に青味がかったグリーンの印字が確認された。
【0055】
〔実施例3〕
本実施例では、図1に示すようなマイクロ流路3を利用した。反応場4に反応液Aを供給するマイクロ流路3aはテフロン(登録商標)製円形チューブで形成し、その開口径は300μm(直径)である。反応場に反応液Bを供給するマイクロ流路3bはガラス製円形パイプで形成し、その開口径は350μm(直径)である。
【0056】
Copper(II)2、9、16、23−tetra−tert−butyl−29H,31H−phthalocyanineのシアン顔料10質量部とC.I.Pigment Red122のキナクリドン顔料10質量部とC.I.Pigment Yellow 180のアゾ顔料15質量部にジメチルスルホキシド100質量部を加え懸濁させた。つづいて分散剤としてブロック共重合体の、2−(4−メチルフェニル)エチルビニルエーテルをAセグメントに、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルビニルエーテルをBセグメントに、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ安息香酸エチルをCセグメントにした共重合モル比A/B/C=90/80/14の共重合体であるトリブロック共重合体のCブロックのエチル安息香酸の脱保護を行ったものを80質量部加え、これらが溶解するまで25質量%水酸化カリウム水溶液を加えていき反応液Aを調製した。反応液Bにはイオン交換水を用いた。
【0057】
流体供給手段としてプランジャーポンプ(不図示)を用いて反応液Aと反応液Bをそれぞれのマイクロ流路3aおよび3bに供給した。反応液Aは流量9ml/minで、反応液Bは流量10ml/minでシリンジポンプから供給した。反応液Aの流れ1と反応液Bの流れ2とは反応場4(空中)で接触させ、合流させた。再沈殿反応と分散が瞬時に起こり黒色を呈する顔料の分散体を得た。この顔料分散体を、合流点の下方に配した容器に受けた。
【0058】
この分散体の粒子の粒径も非常に揃った均一なものであり平均粒径が50nmであった。この黒色の顔料分散体は1ヶ月静置しても沈殿物は確認されなかった。この黒色の顔料分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターS530(商品名。キヤノン社製)のインクタンクに充填し、普通紙に記録すると黒色の文字の色相が変わらなくきれいに印字できた。
【0059】
〔比較例2〕
ビーカーにCopper(II)2、9、16、23−tetra−tert−butyl−29H,31H−phthalocyanineのシアン顔料10質量部とC.I.Pigment Red122のキナクリドン顔料10質量部とC.I.Pigment Yellow 180のイエローアゾ顔料10質量部を加え、分散剤としてラウリル硫酸ナトリウムを80質量部を加え、更にイオン交換水を400質量部加え超音波スターラーにて攪拌した。超音波スターラーにての攪拌中は分散液は黒色を呈していた。分散液を一週間静置したところ、層状に色が分離した沈殿物が確認された。
【0060】
〔実施例4〕
本実施例では、図3に示すように、マイクロ流路対(反応液AおよびBを流して合流させる二つのマイクロ流路3aおよび3bの対と、3cおよび3dの対)が並列に二つ並んだものを使用した。反応場4aに反応液A−aを供給するマイクロ流路3aと反応場4bに反応液A−bを供給するマイクロ流路3dはテフロン(登録商標)製円形チューブで形成し、それらの開口径は200μm(直径)である。反応場4aおよび4bにそれぞれ反応液Bを供給するマイクロ流路3bおよび3cはガラス製円形パイプで形成し、それらの開口径は250μm(直径)である。一方(反応場4a側)ではグリーンの分散体を製造し、もう一方(反応場4b側)ではオレンジの分散体を製造する。
【0061】
Copper(II)2、9、16、23−tetra−tert−butyl−29H,31H−phthalocyanineのシアン顔料10質量部とC.I.Pigment Yellow 128のビスアゾ顔料10質量部にジメチルスルホキシド100質量部を加え懸濁させた。つづいて分散剤としてラウリル硫酸ナトリウムを40質量部加え、これらが溶解するまで25質量%水酸化カリウム水溶液を加えていき反応液A−aを調製した。
【0062】
C.I.Pigment Red 254のレッド顔料10質量部とC.I.Pigment Yellow 128のイエロービスアゾ顔料10質量部にテトラヒドロフラン100質量部を加え懸濁させた。つづいて分散剤としてラウリル硫酸ナトリウムを40質量部加え、これらが溶解するまで25質量%水酸化カリウム水溶液を加えていき反応液A−bを調製した。
【0063】
反応液Bにはイオン交換水を用いた。
【0064】
流体供給手段としてプランジャーポンプ(不図示)を用いて反応液A−aと反応液A−bをそれぞれマイクロ流路3aおよび3dに供給し、また、反応液Bをマイクロ流路3bおよび3cに供給した。反応液A−aと反応液A−bは流量7ml/minで、反応液Bは同一のイオン交換水の供給元から分岐されそれぞれ流量20ml/minでひとつのプランジャーポンプから供給した。
【0065】
反応液A−aの流れ1aと反応液Bの流れ2aとを反応場4aで、また、反応液A−bの流れ1bと反応液Bの流れ2bとを反応場4bで接触させ、合流させた。いずれの反応場(空中)においても再沈殿反応と分散が瞬時に起こり、反応液A−aと反応液Bからはグリーンの色を呈する顔料の分散体が得られ、反応液A−bと反応液Bからはオレンジの色を呈する顔料の分散体が同時に並列した系で得られた。そのグリーンとオレンジ分散体の粒子の粒径はそれぞれ非常に揃った均一なものであり、グリーンの顔料分散体の平均粒径が40nmであり、オレンジの顔料分散体の平均粒径が50nmであった。このグリーンとオレンジの顔料分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターS530(商品名。キヤノン社製)の別々のインクタンクに充填し、普通紙に記録するとグリーンとオレンジの文字の色相が変わらなくきれいに印字できた。
【0066】
〔実施例5〕
C.I.Pigment Red 254のレッド顔料の使用量を15質量部に、C.I.Pigment Yellow 128のイエローアゾ顔料の使用量を5質量部に変えた以外は実施例2と同様な操作を行なったところ黄味を帯びた赤色顔料分散体が得られた。得られた顔料分散体は、第2実施例と同様、優れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1および3で行った顔料分散体の製造方法を説明するため模式図である。
【図2】実施例2で行った顔料分散体の製造方法を説明するため模式図である。(a)は使用したマイクロ流路を示す模式的鳥瞰図、(b)はA−A断面を示す模式的断面図である。
【図3】実施例4で行った顔料分散体の製造方法を説明するため模式図である。
【符号の説明】
【0068】
1 反応液Aの流れ
2 反応液Bの流れ
3 マイクロ流路
4 反応場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2色以上の顔料と分散剤とが、アルカリ存在下に非プロトン性有機溶剤を含む溶剤に溶解している溶液を用意する工程;
該2色以上の顔料の沈殿媒体を用意する工程;
該溶液と該沈殿媒体とを別々のマイクロ流路に供給する工程;および、
該別々のマイクロ流路からそれぞれ流出する該溶液の流れおよび該沈殿媒体の流れ同士を合流させることにより、該2色以上の顔料を析出させる工程
を有する顔料分散体の製造方法。
【請求項2】
前記顔料分散体が、前記分散剤で覆われた、前記2色以上の顔料同士の分子会合体を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記顔料分散体が、前記2色以上の顔料の加法混色にて形成される色を呈する請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記沈殿媒体が水である請求項1〜3の何れか一項記載の方法。
【請求項5】
前記マイクロ流路の開口径が3000μm以下である請求項1〜4の何れか一項記載の方法。
【請求項6】
前記顔料分散体が特色顔料分散体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項7】
前記顔料分散体が黒色顔料分散体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の顔料分散体の製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−182518(P2007−182518A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2474(P2006−2474)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】