説明

顔料顆粒の調製方法およびその使用

【課題】顔料顆粒の調製方法およびその使用を提供する。
【解決手段】顔料顆粒とその調製方法とその使用とに関し、プレッシングまたはブリケッティングされたコアと、顆粒化により適用された少なくとも1層の外層とからなり、a)前記コアが少なくとも1種の有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物と、少なくとも1種の助剤とを含み、b)顆粒化により適用された1層の前記外層または顆粒化により適用された複数層の前記外層が、少なくとも1種の(場合によりプレッシングまたはブリケッティングされた)有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物を含有し、かつ顆粒化により適用された1層の前記外層または顆粒化により適用された複数層の前記外層がいずれの場合も少なくとも1種の助剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料顆粒とその調製方法とその使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
顔料顆粒の処理は、最適色彩印象を達成するために、一次粒子を与えるように顔料をミリングすることを必要とする。それにより形成される粉末は、非常に多量の粉塵を生成し、その微粉特性に起因して、計量ユニット内に付着したり詰まったりする傾向がある。したがって、毒性学的有害物質の場合、処理時、生成する粉塵からヒトおよび環境が被る危険を回避するための対策を講じる必要がある。しかしながら、たとえば酸化鉄顔料などの安全な不活性物質の場合でさえも、粉塵公害の回避が市場によりますます望まれるようになってきている。
【0003】
したがって、粉塵を回避することならびに建築材料および有機媒体で使用したときに定性的に均一な色彩印象を達成すべく良好な流動特性に基づいて計量の改良を行うことは、顔料を取り扱う際の目標である。この目標は、多かれ少なかれ、顆粒化プロセスを顔料に適用することにより達成される。たとえば、ペレット化またはスプレー顆粒化が使用される。しかしながら、近年では、ブリケット顆粒およびプレス顆粒が市場に次第に定着しうる可能性もでてきている。これらの顆粒は、現在、商業的に非常に成功を収めている。
【0004】
顔料の場合、市場は、原理的には、顔料顆粒を使用するときに2つの相反する特性(すなわち、顆粒の機械的安定性および使用媒体中への良好な分散性)を必要としている。機械的安定性は、製造業者と使用者との間の輸送時における良好な輸送性と、顔料の使用時における良好な計量性および流動性と、の両方に関与する。それは、強力な接着力により生成され、そしてたとえばバインダーの量またはプレス成形時の圧力に依存する。一方、分散性は、顆粒化前の十分なミリング(湿式ミリングおよび乾式ミリング)、組込み時の機械的エネルギー(剪断力)、および媒体中への組込み時に乾燥顆粒の接着力を即時的に減少させる分散剤により、影響される。しかしながら、顔料の場合、より多量の分散剤の使用は、助剤/顔料コスト比により制限される。さらに、助剤の比率を高くすると、それに応じて色強度または散乱能が減少する。たとえば、建築材料を着色する場合、色強度の変動は一般的には±5%であるので、添加剤の使用は、接着促進剤かつ分散剤として同時に作用したとしても、制限される。さらに、添加剤は、最終製品(たとえば、建築材料、プラスチック、仕上げ材など)の性能特性(たとえば、コンクリートの場合の圧縮強度または硬化挙動、アスファルトの場合の圧縮強度または耐摩耗性、さらにはプラスチックの場合の強度またはノッチ付き衝撃強度、エラストマー(ポリマー)の場合の弾性、ならびにペイントおよび仕上げ材の場合のレオロジー特性)を不利な形で変化させてはならない。
【0005】
先行技術によれば、たとえば、並流法もしくは向流法によるスプレー顆粒化(ディスクもしくはノズルによるスプレー乾燥)およびペレット化(ミキサー、流動床グラニュレーター、ディスクもしくはドラム)またはコンパクティングプロセスは、顔料顆粒の製造方法として好適である。
【0006】
スプレー乾燥による顆粒化は、バインダーを用いた顔料懸濁液から開始される。適切な方法については、種々の特許に記載されている。水溶性バインダーが主に使用される。その際、(特許文献1)、(特許文献2)、および(特許文献3)では、たとえば、リグニンスルホネート、ホルムアルデヒド縮合物、グルコン酸、および硫酸化ポリグリコールエーテルなどの有機物質が出発原料として使用され、一方、(特許文献4)および(特許文献5)によれば、たとえば、ケイ酸塩およびリン酸塩などの無機塩が出発原料として使用される。また、スプレー顆粒化とペレット化との組合せは、(特許文献6)に記載されている。(特許文献1)および(特許文献2)では、コンパクティングプロセスの使用が排除されている。
【0007】
(特許文献7)および(特許文献8)には、疎水性親油性添加剤としてポリオルガノシロキサンを用いたスプレー顆粒化が記載されている。記載のアトマイゼーション乾燥機を用いると、一般的には、小さすぎる粒度および多量の微粉画分を生じる。このことは、乾燥機から送出される材料の実質的部分が直接使用可能な顆粒として得られるわけではなく、最初に、微粉画分としてフィルター中に保持し、次に、プロセスに再循環しなければならないことを意味する。疎水化後続処理を行うと、スプレー顆粒化生成物の場合、非常に自由流動性であるがきわめて多量の粉塵を生じる顆粒が得られる。
【0008】
(特許文献9)には、公知の強力ミキサーを用いた製造運転による低粉塵細顆粒の調製が開示されている。ここでは、水性ディスパージョンを適用することにより、乳化剤および湿潤剤と組み合わせて低含有量のワックスが使用される。一般的には、20〜50%超の含水量が得られる。これらの顆粒は、最初に乾燥させてからオーバーサイズおよびアンダーサイズのものと分離しなければならない。
【0009】
(特許文献10)には、低粉塵流動性無機顔料顆粒が記載されている。この顆粒は、熱(40〜60℃)の作用下で液体になるようにバインダーと混合してからスクリーニング補助手段(圧力)を用いてスクリーンプロセスにより顆粒化されたものである。スループットの約10〜20%は、<0.1mmの微粉画分として得られる。
【0010】
(特許文献11)には、低粉塵顔料顆粒が開示されている。この顆粒は、フィルタースラリーから出発して、0.5〜10%の界面活性物質およびさらに鉱油または可塑化点まで昇温されて液体になるワックスを添加することにより、約50%の水と50〜200℃で混合されたものである。プロセスは、強力ミキサーを用いて行われ、できるかぎり後続の顆粒化および後続の乾燥も行われる。水は、最終生成物中に10〜15%の量で存在する。これは、プラスチック中に組み込むには不利である。
【0011】
他の方法もまた、その用途が限られる。液滴形成のために、スプレー顆粒化は、易流動性(すなわち低粘度)懸濁液の使用を必要とする。したがって、乾燥プロセスでは、繁用流動床乾燥のときよりも多量の水を高圧搾顔料フィルターペーストから蒸発させることが必要である。このため、エネルギーコストが高くなる。事前に仮焼により調製された顔料の場合、スプレー顆粒化は、高いエネルギーコストを要する追加のプロセス工程を意味する。さらに、多かれ少なかれある量の微粉材料がスプレー顆粒化時に粉塵フィルター中に得られ、これを製造に再循環しなければならない。
【0012】
(特許文献12)には、流動床中における顆粒化助剤を用いた顔料の顆粒化が記載されている。この場合、乾燥顔料粉末に水をスプレーする。
【0013】
ペレット化もまた、ほとんどの場合、欠点を有する。それは、顔料粉末から出発して、流動床プロセスによりまたはディスク顆粒化およびドラム顆粒化により、高乱流ミキサーを用いて行うことが可能である。これらのプロセスのすべてに共通することは、バインダー(一般的には水)の必要量が多い点である。その結果、追加のプロセス工程として乾燥を後続的に行わなければならない。この場合もまた、とくに、粉末の量に対して利用可能なバインダーが不十分な場合、さまざまなサイズの顆粒が得られたり、または実際の分布が最適でなかったりする。その場合、特定量の顆粒は大きすぎる可能性があり、他方では、過度に小さい(したがって依然として粉塵状態の)画分が存在する。したがって、オーバーサイズおよびアンダーサイズのものを再循環させながら形成された顆粒を分級することが必要とされる。
【0014】
ディスク顆粒化では、広い粒度範囲の顆粒が得られる。大きすぎる粒子の不十分な分散性に起因してこれが望ましくない場合、徹底的監視により顆粒化プロセスを人的に監視しなければならず、しかも核の量を手動制御することにより顆粒製造を最適化しなければならない。この場合もまた、通常、オーバーサイズおよびアンダーサイズのものを再循環させながら分級が行われる。
【0015】
(特許文献13)には、無機顔料顆粒でアスファルトを着色する方法が開示されている。この場合、バインダーとして油が使用される。これは、単純な顆粒化プロセスである。
【0016】
(特許文献14)および(特許文献15)には、1種以上の助剤と混合し、コンパクティングし、細粒化などのさらなる後続の工程にかけ、粗大材料および/または微粉材料のスクリーニングおよび再循環を行うことにより、乾燥顔料(たとえば完成材料)から得られる無機顔料顆粒が記載されている。コンパクティング工程では、0.1〜50kN/cmのニップ力でコンパクティングが行われる。安定性の増大にまたは処理時の補助手段として役立つ追加の層により、得られた顆粒を包囲することが可能である。
【0017】
DE4336613A1およびDE4336612A1には、バインダーと混合し、コンパクティングし、スクリーングラニュレーターによる破砕などのさらなる後続の工程にかけ、続いて回転ディスクまたは回転ドラムを用いてペレット化することにより、乾燥顔料(たとえば完成材料)から得られる無機顔料顆粒が記載されている。コンパクティング工程では、0.1〜15kN/cmのニップ力でコンパクティングが行われる。
【0018】
(特許文献14)、(特許文献15)、(特許文献16)、および(特許文献17)の教示に従って調製される顆粒は、第1のプロセス工程で顔料粉末に添加される1種もしくは複数種の助剤だけを含む。顆粒粒子が追加の層で包まれる場合でさえも、それらは、第1のプロセス工程で顔料粉末に添加される1種もしくは複数種の助剤だけを内部に含む。顆粒粒子は、顔料と1種もしくは複数種の助剤との均一混合物をそれらの内部に含む。しかしながら、ある適用媒体では製品特性を改良する非常に良好な分散性をもたらす助剤であっても、他の適用媒体では効果がはるかに少ないこともあり、特定の状況では、不相溶性が観測される可能性さえもあることが知られている。その際、たとえば、強疎水性助剤は、プラスチック中またはアスファルト中に組み込む場合には有利でありうるが、水性エマルジョンペイント中に組み込む場合または水性スラリーの調製時には、顆粒が水によりごくわずかに湿潤されるにすぎないので、困難を生じる。このため、(特許文献15)、(特許文献16)、および(特許文献17)の教示に従って調製される顆粒は、すべての適用媒体に同時に同程度に好適であるわけではない。したがって、調製時、すべての適用媒体でできるかぎり良好な処理適性を与えうる複数の助剤を添加することが必要であろう。これは、経済的観点からみて、あまり得策ではなく、さらに、複数の異なる添加剤は、相互不相容性を生じる可能性がある。(特許文献15)、(特許文献16)、または(特許文献17)の教示に従って顔料混合物から顆粒を調製した場合、これらの顆粒化プロセスのさらなる欠点が見いだされる。最初に、異なる顔料の混合物を調製し、次に、それらをバインダーおよび他の助剤と混合し、そしてさらに処理することが必要である。
【特許文献1】DE3619363A1
【特許文献2】EP0268645A1
【特許文献3】EP0365046A1
【特許文献4】DE3918694A1
【特許文献5】米国特許第5,215,583A1号明細書
【特許文献6】EP0507046A1
【特許文献7】EP0257423A1
【特許文献8】DE3841848A1
【特許文献9】EP0424896A1
【特許文献10】DE3132303A1
【特許文献11】EP0144940A1
【特許文献12】DE2844710A1
【特許文献13】DE4214195A1
【特許文献14】DE19638042A1
【特許文献15】DE19649756A1
【特許文献16】DE4336613A1
【特許文献17】DE4336612A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明の目的は、無機顔料または有機顔料に適用したときにコンパクティング顆粒化のこれまでに報告されている欠点を回避するとともにさまざまな適用媒体中で良好な分散性を備えた十分に安定で計量可能な低粉塵顆粒を提供する方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的は、プレッシングまたはブリケッティングされたコアと顆粒化により適用された少なくとも1層の外層とからなる顔料顆粒により達成された。ただし、
a)前記コアは、少なくとも1種の有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物と少なくとも1種の助剤とを含み、
b)顆粒化により適用された1層の前記外層または顆粒化により適用された複数層の前記外層は、少なくとも1種の(場合によりプレッシングまたはブリケッティングされた)有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物を含有し、かつ顆粒化により適用された1層の前記外層または顆粒化により適用された複数層の前記外層は、いずれの場合も、少なくとも1種の助剤を含有し、
c)顆粒化により適用された1層の前記外層中または顆粒化により適用された複数層の前記外層中には、
1)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の顔料以外の少なくとも1種の有機顔料もしくは無機顔料が存在するか、あるいは
2)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の助剤以外の少なくとも1種の助剤が存在するか、あるいは
3)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の顔料以外の少なくとも1種の有機顔料もしくは無機顔料が存在しかつプレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の助剤以外の少なくとも1種の助剤が存在するか、あるいは
4)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中のものと同一の1種の有機顔料もしくは無機顔料または同一の複数種の有機顔料もしくは無機顔料が同一の助剤と共に存在するが、その場合、顆粒化により適用された少なくとも1層の外層中の顔料の少なくとも1種は、プレッシングされておらずかつブリケッティングされていない。
【0021】
このようにすれば、後続の適用媒体に依存せずに、均一なプレッシングされたコア画分またはブリケッティングされたコア画分を常に使用しうるので、プレス顆粒およびブリケット顆粒を改良して調製プロセスを実質的に最適化することが可能である。この均一なコア画分は、好適な容器中に充填して一時的に貯蔵したり後続のさらなる処理が行われる場所に輸送したりすることが可能である。さらなる処理では、少なくとも1種の顔料粉末を含む少なくとも1層の外層が、顆粒化によりさらなるプロセス工程で均一なコア画分に適用される。コア画分を構成する顔料粉末と顆粒化により適用される外層を構成する顔料粉末とは、必ずしも同一である必要はない。このことは、顔料混合物から顆粒を調製するうえでとくに有利である。なぜなら、それぞれの顔料の前混合を行わずにすますことが可能になるからである。その場合、たとえば、赤色酸化鉄顔料と黄色酸化鉄顔料とを混合することにより、種々の橙色色調を作成することが可能であり、または黄色酸化鉄顔料とフタロシアニンブルー顔料とを混合することにより、種々の緑色色調を作成することが可能である。したがって、橙色酸化鉄顆粒を調製する場合、顆粒化により赤色酸化鉄顔料を添加することにより赤色酸化鉄顔料をコンパクティングされた黄色酸化鉄顔料(コア画分)に外層として適用するか、または顆粒化により黄色酸化鉄顔料を添加することにより黄色酸化鉄顔料を、コンパクティング化赤色酸化鉄顔料(コア画分)に外層として適用するかのいずれかが可能である。図1は、この原理を例示したものである。それは、コンパクティングされ続いてローリングされた黄色酸化鉄顔料(図1中で「A」と記されたコア画分)に顆粒化により外層(図1中で「B」と記された部分)として赤色酸化鉄顔料が適用された橙色酸化鉄顆粒の光学顕微鏡写真を示している。光学顕微鏡写真を作成するために、顆粒粒子を樹脂中にキャスティングして粉砕した。
【0022】
本発明に係る多段階法の場合に重要なことは、第1の工程で、1種もしくは複数種の助剤を1種以上の有機顔料粉末または無機顔料粉末に添加することにより、十分な凝集性の均一材料を作製することである。一般的には、この目的のためにミキサーが使用されるが、それぞれの場合において、ミルの使用が有利なこともある。次に、第2の工程で、プレッシングまたはブリケッティングを1回または複数回行う。コア画分は、たとえばスクリーン顆粒化などの細粒化工程により作製され、場合により分離工程により単離され、そしてラウンディングまたはコーティングを施すことが可能である。しかしながら、細粒化工程で得られた粉末は顆粒化によりコア画分に直接適用しうるので、コア画分を単離するための分離工程は、絶対に不可欠であるというわけではない。本発明に係る方法における実質的なプロセス工程は、1種以上の有機顔料もしくは無機顔料または顔料混合物を添加して行われる後続のローリングである。この場合、1種もしくは複数種の顔料または顔料混合物は、添加前または添加中に1種以上の助剤と混合され、そのうえ少なくとも1層の外層が顆粒化により適用されるようにする。顆粒化による外層の適用は、流動床中または流体床中で行うことが可能である。使用される1種もしくは複数種の助剤は、それぞれの適用媒体中でできるかぎり良好な処理適性を与えうるものでなければならない。
【0023】
本発明に係る方法のさらなる利点は、とくに、乾燥され、場合によりミリングされた顔料粉末から開始しうることである。このことは、とくに、顔料が、たとえば黒色酸化鉄または黄色酸化鉄の仮焼による赤色酸化鉄の調製などの乾式合成により調製される場合、とりわけ経済的である。スプレー顆粒化では、たとえば、スラリーのさらなる調製およびその後の追加の乾燥工程が必要である。さらに、スラリーの調製に使用された水の蒸発による除去は、非常にエネルギーを消費する。
【0024】
使用される無機顔料は、好ましくは、酸化鉄顔料、二酸化チタン顔料、酸化クロム顔料、酸化亜鉛顔料、およびルチル混合相顔料、ならびにカーボンブラック(炭素顔料)である。使用される有機顔料は、好ましくは、アゾ顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、およびペリレン顔料、ならびにインジゴイド類である。好ましくは無機顔料が使用される。しかしながら、充填剤を使用することも可能である。
【0025】
無機物質および有機物質はいずれも、助剤として使用可能である。
【0026】
水、塩(リン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ホウ酸塩、チタン酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ステアリン酸塩、酢酸塩からなる群から選択される)、多糖類、セルロース誘導体(たとえば、好ましくは、セルロースエーテルもしくはセルロースエステル)、ホスホノカルボン酸、変性シラン、シリコーン油、生物栽培由来の油(好ましくは、ナタネ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヤシ油、ヒマワリ油)、精製パラフィン系および/もしくはナフテン系鉱油、合成調製油、アルキルフェノール、グリコール、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリグリコール誘導体、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー、タンパク質/脂肪酸縮合物、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、リグニンスルホネート、硫酸化ポリグリコールエーテル、メラミン/ホルムアルデヒド縮合物、ナフタレン/ホルムアルデヒド縮合物、グルコン酸、ポリアクリレート、ポリカルボキシレートエーテル、ポリヒドロキシ化合物、ポリヒドロキシアミノ化合物、またはそれらの溶液もしくは混合物もしくは懸濁液もしくはエマルジョンが、好ましくは、助剤として使用される。
【0027】
本発明の枠内では、乳化剤、湿潤剤、および分散剤もまた、助剤であるとみなされる。
【0028】
好ましくは、水系を含む建築材料(たとえば、コンクリートなど)に使用される乳化剤としては、7〜40、特に7〜18のHLB値を有し、かつアルキル基またはアクリル基と、親水性の中間基および末端基(たとえば、アミド、アミン、エーテル、ヒドロキシル、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、ホスフェート、ホスホネート、アミン塩、ポリエーテル、ポリアミド、またはポリホスフェート)と、を含有する乳化剤が好適である。物質は、そのHLB値に応じて、単独でまたは組み合わせて使用することが可能である。
【0029】
好ましくは、アルキルベンゼンスルホネート、脂肪族アルコールスルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、分枝状および/もしくは直鎖状のアルカンスルホネートまたはオレフィンスルホネート、分枝状および/もしくは直鎖状のアルカンスルフェートまたはオレフィンスルフェート、ならびにスルホスクシネートが、湿潤剤として好適である。
【0030】
好ましくは、リグニンスルホネート、メラミンスルホネート、ナフタレンスルホネート、石鹸、金属石鹸、ポリビニルアルコール、ポリビニルスルフェート、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリカルボキシレートエーテル、中鎖および長鎖のアルカンスルフェートまたはアルカンスルホネートまたはアルカンスルホスクシネート、ならびに中鎖および長鎖のアルカンホスフェートまたはアルカンホスホネートが、分散剤として使用される。
【0031】
助剤は、好ましくは、さらなる添加剤(たとえば、消泡剤、保持助剤、または芳香剤など)と組み合わせて使用することが可能である。
【0032】
また、顔料顆粒の重量を基準にして0.01〜1重量%の濃度の保存剤を、好ましくは混合時に、顔料顆粒に添加することも可能である。例としては、ホルムアルデヒド脱離性化合物、フェノール系化合物、またはイソチアゾリノン調製物が挙げられうる。
【0033】
顔料顆粒は、顔料の全量を基準にして、好ましくは0.001〜10重量%、とくに好ましくは0.01〜5重量%、なかでもとくに好ましくは0.1〜5重量%の全量で助剤を含有する。
【0034】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層は、好ましくは、いずれの場合も無機顔料またはいずれの場合も有機顔料を含有する。
【0035】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層は、好ましくは、同一の顔料を含有するが、顆粒化により適用された外層の少なくとも1層は、a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコア中のものと量またはタイプが異なる助剤を含有する。
【0036】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層は、好ましくは、同一の顔料を含有し、顆粒化により適用された外層の少なくとも1層中の顔料は、プレッシングされておらずかつブリケッティングされていない。
【0037】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層は、好ましくは、いずれの場合も複数種の無機顔料および/またはいずれの場合も複数種の有機顔料を含有する。
【0038】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層は、好ましくは、同一の有機顔料または無機顔料を含有するが、量またはタイプがコアと異なる少なくとも1種の助剤を含有する。
【0039】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層は、好ましくは、同一の有機顔料および/または無機顔料を含有し、顆粒化により適用された外層の少なくとも1層中の顔料は、プレッシングされておらずかつブリケッティングされていない。
【0040】
好ましくは、b)およびc)に基づく顆粒化により適用された外層を形成する1種もしくは複数種の顔料は、合計で、a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアの重量を基準にして同重量の4倍以下、好ましくは同一重量以下である。
【0041】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアは、好ましくは、b)およびc)に基づく顆粒化により適用された外層中の助剤以外の助剤を含有する。
【0042】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアは、好ましくは、1種以上の助剤で1回または複数回コーティングされる。
【0043】
b)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層は、好ましくは、いずれの場合も1種以上の助剤で1回または複数回コーティングされる。
【0044】
b)およびc)に基づく顆粒化により適用された外層のうち最外層だけが、1種以上の助剤で1回または複数回コーティングされていることが好ましい。
【0045】
好ましくは、無機顔料顆粒は、0.3〜4.0g/cmの範囲内、好ましくは0.5〜2.0g/cmの範囲内の嵩密度を有し、カーボンブラックまたは有機顔料を含有する顔料顆粒は、好ましくは0.1〜2.5g/cmの範囲内の嵩密度を有する。
【0046】
好ましくは、顔料顆粒の少なくとも85%は、80〜3000μmの範囲内、好ましくは100〜1500μmの範囲内の粒度を有する。
【0047】
好ましくは、顔料顆粒は、4%重量未満、好ましくは2重量%未満の残留水含量を有する。本発明の枠内では、残留水とは、残留湿分を意味するものと解釈される。
【0048】
顔料顆粒は、好ましくは、保存剤、消泡剤、保持助剤、沈降防止剤、および/または芳香剤をさらに含有する。
【0049】
本発明はまた、
a)1種以上の有機顔料または無機顔料を1種以上の助剤と混合し、
b)スキャブ(scab)を得るために、この混合物を少なくとも1回のプレッシング工程またはブリケッティング工程に付し、
c)上記スキャブを少なくとも1回の工程で細粒化して核および粉末を与え、
d1)核を粉末から分離し、80μm超、好ましくは100μm超の画分をコア画分として用い、場合により、
(i)ラウンディング工程に付し、かつ/または
(ii)1種以上の助剤でコーティングし、
工程d1(ii)をd1(i)の前に行うことも可能であるか、または両方の工程を同時に行うことが可能であり、得られた生成物は、製造プロセスに残存させるが、他の画分は、プロセスから除去するかもしくは再循環させ、または
d2)核をコア画分として用い、細粒化時に形成された粉末を後続のローリングによる顆粒化によりこのコア画分に完全に適用し、場合により、1種以上の助剤を添加し、得られたかつ顆粒化により完全に適用された生成物を1種以上の助剤でコーティングすることが可能であり、
e)そして1種以上の有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物を添加して得られた生成物に少なくとも1層の外層を後続のローリングによる顆粒化により適用し、
後続的にローリングされた顆粒を得るために、
(i)1種もしくは複数種の有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物を1種以上の助剤とあらかじめ混合しておき、かつ/あるいは
(ii)後続のローリング時に1種以上の助剤を添加し、かつ/あるいは
(iii)1種もしくは複数種の有機顔料もしくは無機顔料または有機顔料もしくは無機顔料の混合物、および少なくとも1種の助剤を1回以上のプレッシング工程またはブリケッティング工程にあらかじめ付しておき、
f)場合により、このように後続的にローリングされた顆粒を助剤で1回または複数回コーティングする、
ことを特徴とする顔料顆粒の調製方法に関する。
【0050】
プレッシング時またはブリケッティング時(コンパクティング時、工程b))、重要な特徴は、ロール幅1cmあたりのプレス力(kN)(ニップ力)である。ロール間コンパクティング時、プレス領域を規定できず、したがって、圧力(kN/cm)を計算できないので、プレス力の線形伝達を仮定する。
【0051】
好ましくは、プレッシング工程またはブリケッティング工程b)は、0.1〜50kN/cm、好ましくは0.1〜20kN/cmのニップ力で、ロールプレスまたはマトリックスプレスを用いて行われる。
【0052】
複数回のプレッシング工程またはブリケッティング工程を行う場合、同一のもしくは異なるニップ力を使用することが可能である。異なるニップ力の使用は、たとえば、有機顔料および/または無機顔料が非常に低い嵩密度を有することに起因して、第1のプレッシング工程またはブリケッティング工程で予備コンパクションを行う場合、とくに有利である。
【0053】
好ましくは、複数回のプレッシング工程またはブリケッティング工程b)を連続して逐次的に行い、同一のもしくは異なるプレッシングユニットまたはブリケッティングユニットを使用し、0.1〜50kN/cm、好ましくは0.1〜20kN/cmの範囲内の同一のもしくは異なるニップ力でプレッシング工程またはブリケッティング工程を行う。
【0054】
好ましくは、弱いニップ力でコンパクティングを行う。使用されるニップ力は、一般に好ましくは、市販の装置の低領域内である。市販の装置は、たとえば、ドイツ国ラインガルテンのベペックス(Bepex GmbH,Leingarten,Germany)製のファルマパクター(Pharmapaktor)200/50である。
【0055】
工程c)の細粒化は、クラッシャー、歯付きロール、摩擦装置を備えたロール、または材料をシーブに通して押圧するスクリーングラニュレーターもしくはスクリーン型ミル(いわゆる粗グラインダー)などのあらゆる市販の細粒化ユニットを用いて行うことが可能である。ローターは、一般に知られているように、0.05m/秒〜10m/秒、好ましくは0.3〜5m/秒の周速度で、回転または揺動する。ローターと、スクリーンまたは有孔ディスクとの距離は、0.1〜15mm、好ましくは0.1〜5mm、とくに好ましくは1〜2mmである。
【0056】
好ましくは、工程c)の細粒化は、0.5〜4mm、好ましくは1〜2mmのメッシュサイズを有するシーブを細粒化ユニットとして用いて行われる。
【0057】
特定の状況下では、細粒化工程c)を逐次的に数回行うことが有利である。この目的のために、複数のスクリーングラニュレーターまたはスクリーン型ミル(好ましくは、異なるメッシュサイズのシーブを有する)を直列に接続することが可能である。
【0058】
好ましくは、シーブを用いた複数回の細粒化工程c)を連続して逐次的に行い、異なるメッシュサイズのシーブを使用し、最後の細粒化工程で、0.5〜4mm、好ましくは1〜2mmのメッシュサイズを有するシーブを使用する。
【0059】
複数回の細粒化工程c)を連続して逐次的に行う場合、異なる細粒化ユニットを相互に組み合わせることも可能である。したがって、たとえば、スクリーングラニュレーターまたはスクリーン型ミルの使用前に、ロールまたはジョークラッシャーを用いたスキャブの粗粒化を最初に行うことが可能である。とくに、それにより細粒化生成物の粒度分布に影響を及ぼすことが可能である。好ましくは、異なる細粒化ユニットを用いて、複数回の細粒化工程c)を連続して逐次的に行う。
【0060】
工程c)の細粒化の前に、b)から得られたスキャブを好ましくは2つの画分に分離し、粒子の少なくとも85%が500μm超、好ましくは600μm超である粗粉画分を工程c)に供給して1回以上の工程で細粒化し、微粉画分を工程c)から得られた核および粉末とは別にまたはそれらと一緒に工程d1)に供給し、工程d1)で再び2つ以上の画分に分離するようにして、コア画分を形成する。
【0061】
工程c)から得られた細粒化生成物の核および粉末を工程d1)で好ましくは2つの画分に分離し、80μm未満、好ましくは100μm未満、なかでもとくに好ましくは250μm未満の微粉画分を除去するかまたはプロセスに再循環し、80μm超、好ましくは100μm超、なかでもとくに好ましくは250μm超の粗粉画分をプロセスでさらに変換されるコア画分として用いる。
【0062】
工程c)から得られた細粒化生成物の核および粉末を、工程d1)で好ましくは3つの画分に分離し、微粉画分および粗粉画分を除去するかまたは再循環し、80〜2000μmの範囲内、好ましくは100〜1500μmの範囲内、なかでもとくに好ましくは250〜1000μmの範囲内の中粉画分をプロセスでさらに変換されるコア画分として用い、場合によりラウンディング工程に付しかつ/またはさらにコーティングする。ラウンディング工程d1(i)は、好ましくは、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、コーティングドラム中もしくは回転ドラム(ペレッティングドラム)中で、スクリーンユニット中で、または流動床中もしくは流体床中で行われる。この場合、粉塵画分は、吸引により除去可能であるか、または流動床中で空気を用いて排出可能である。粉塵画分は、他の時点でプロセスに再循環することが可能である。
【0063】
工程c)の細粒化の後で、微粉画分の除去を省略することも可能である(工程d2)。その代わりに、細粒化工程c)で形成された核を、細粒化工程で形成された粉末が後続のローリングによる顆粒化により完全に適用されるコア画分として用いる。d2)に規定される後続のローリング工程は、好ましくは、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、コーティングドラム中で、または回転ドラム(ペレッティングドラム)中で行われる。場合により、その後、1種以上の助剤でコーティングを行うことも可能である。
【0064】
工程e)の前に、工程d1)から得られたコア画分を好ましくは2つの画分に分離し、微粉画分または粗粉画分を除去するかまたは再循環し、80〜2000μmの範囲内、好ましくは100〜1500μmの範囲内の画分を工程e)に供給する。
【0065】
工程e)の前に、工程d1)から得られたコア画分を好ましくは3つの画分に分離し、微粉画分および粗粉画分を除去するかまたは再循環し、80〜2000μmの範囲内、好ましくは100〜1500μmの範囲内の中粉画分を工程e)に供給する。
【0066】
後続のペレット化工程e)では、1種以上の助剤とあらかじめ混合された1種以上の有機顔料もしくは無機顔料または有機顔料および/もしくは無機顔料の混合物を、上に記載のプロセス工程から得られた生成物に添加して、後続のローリングによる顆粒化により適用する。e)に規定される後続のローリングは、好ましくは、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、コーティングドラム中で、または回転ドラム(ペレッティングドラム)中で行われる。使用される1種もしくは複数種の助剤は、所望の適用媒体中で良好な処理適性を与えうるように選択される。したがって、プロセス工程e)で使用される1種もしくは複数種の助剤は、プロセス工程a)で添加された1種もしくは複数種の助剤と必ずしも同一である必要はない。同じことが、有機顔料または無機顔料にもあてはまる。プロセス工程e)では、プロセス工程a)のものとは異なる1種もしくは複数種の顔料または顔料混合物を使用することが断然有利なこともある。複数種の顔料をプロセス工程e)で使用する場合、それらを逐次的に添加するかまたは混合物を顔料からあらかじめ調製しておいてこの混合物を工程e)で添加するかは重要でない。また、最初に顔料混合物を調製し、次に、これを1種以上の助剤と混合することにより、または最初に1種以上の顔料を1種以上の助剤と混合し、最後にすでに1種もしくは複数種の助剤と混合されている顔料を混合することにより、1種以上の助剤を含有する顔料混合物を調製するかも重要でない。
【0067】
好ましくは、工程e)で添加される有機顔料および/または無機顔料は、合計で、工程e)で使用されるコア画分の重量を基準にして同重量の4倍以下、好ましくは同一重量以下である。
【0068】
工程e)で使用される有機顔料および/または無機顔料は、好ましくは、プロセス工程a)で使用される有機顔料および/または無機顔料と異なる。
【0069】
工程e)では、好ましくは、有機顔料または無機顔料が添加される。
【0070】
工程eでは、好ましくは、複数種の有機顔料および/または無機顔料が逐次的に添加される。
【0071】
工程e)では、特に、複数種の有機顔料および/または無機顔料が添加され、これらは、あらかじめ相互に混合されたものである。
【0072】
工程e)で使用される有機顔料および/または無機顔料は、好ましくは、単独でまたは1種以上の助剤との混合物としてあらかじめ混合されたものである。
【0073】
好ましくは工程f)の前に、工程e)の後に得られた顆粒を2つの画分に分離し、粒子が80μm超、好ましくは250μm超である画分だけを工程f)に供給し、微粉画分は、プロセスから除去するかまたは再循環させる。
【0074】
好ましくは工程f)の前に、工程e)の後に得られた顆粒を3つの画分に分離し、粒子の少なくとも85%が80μm超、好ましくは100μm超であるかまたは80〜3000μmの範囲内、好ましくは100〜1500μmの範囲内である画分だけを工程f)に供給し、他の画分は、プロセスから除去するかまたは再循環させる。
【0075】
好ましくは、1回以上の乾燥工程をさらに行う。
【0076】
調製方法の一般的な説明
工程a)に記載されている有機顔料または無機顔料と1種以上の助剤との混合は、従来のミキサー中で行うことが可能である。ユニットの数およびユニットのタイプは、当業者に公知である。それぞれの場合において、混合プロセスにミルを使用することが有利なこともある。同じことが、プロセス工程e)で使用される顔料と1種もしくは複数種の助剤との混合物の調製にもあてはまる。
【0077】
工程c)の細粒化の前に、b)から得られたスキャブを好ましくは2つの画分に分離し(中間工程x)、粒子の少なくとも85%が500μm超、好ましくは600μm超である粗粉画分を工程c)に供給して1回以上の工程で細粒化するようにし、微粉画分を工程c)から得られた核および粉末とは別にまたはそれらと一緒に工程d1)に供給して工程d1)で再び2つ以上の画分に分離するようにして、コア画分を形成する。
【0078】
好ましくは、中間工程x)から得られた粗粉画分だけを工程c)で細粒化し、中間工程x)から得られた微粉画分は、工程d1)で2つ以上の画分に分離される。
【0079】
中間工程x)は、好ましくは、分級またはスクリーニング(機械的分離)により行うことが可能である。好ましくは、たとえば、ドラムスクリーン、揺動スクリーン、および振動スクリーンなどのスクリーンが使用される。
【0080】
好ましくは、細粒化生成物の核および粉末を工程d1)で2つの画分に分離し、80μm未満、好ましくは100μm未満、なかでもとくに好ましくは250μm未満の画分を除去するかまたはプロセスに再循環し、80μm超、好ましくは100μm超、なかでもとくに好ましくは250μm超の画分をコア画分として用いる。微粉画分の量は、好ましくは10〜50重量%、とくに好ましくは10〜30重量%である。微粉画分は、プロセスから取り出して、他の時点でプロセスに再循環することが可能である。プロセス中に残存する画分は、コア画分として機能し、場合により、さらなる工程d1(i)でラウンディングされ、かつ/または工程d1(ii)で1種以上の助剤でコーティングされる。
【0081】
とくに好ましくは、細粒化生成物の核および粉末を工程d1)で3つの画分に分離し、微粉画分および粗粉画分をプロセスから除去するかまたはプロセスに再循環し、80〜2000μmの範囲内、とくに好ましくは100〜1500μmの範囲内、なかでもとくに好ましくは250〜1000μmの範囲内の中粉画分をコア画分として用いる。微粉画分および粗粉画分の量は、好ましくは10〜50重量%、とくに好ましくは10〜30重量%である。微粉画分および粗粉画分は、プロセスから取り出して、他の時点でプロセスに再循環することが可能である。プロセス中に残存する画分は、コア画分として機能し、場合により、さらなる工程d1(i)でラウンディングされ、かつ/または工程d1(ii)で1種以上の助剤でコーティングされる。
【0082】
d1)のラウンディング工程は、粉塵画分を除去しながら行うことが可能である。ラウンディング工程d1(i)は、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、コーティングドラム中もしくは回転ドラム(ペレッティングドラム)中で、スクリーンユニット中で、または流動床中もしくは流体床中で行うことが可能である。この場合、粉塵画分は、吸引により除去可能であるか、または流動床中で空気を用いて排出可能である。粉塵画分は、他の時点でプロセスに再循環することが可能である。
【0083】
とくに好ましくは、工程d2)で複数の画分に分離することなく、工程c)から得られた細粒化生成物の核をコア画分として用い、工程c)から得られた細粒化生成物の粉末を後続のローリングによる顆粒化によりコア画分に完全に適用し、場合により、1種以上の助剤を添加し、得られた完全顆粒化生成物を1種以上の助剤でコーティングすることが可能である。
【0084】
d2)に規定される細粒化生成物の後続のローリングおよび完全顆粒化は、好ましくは、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、またはコーティングドラム中で、または回転ドラム(ペレッティングドラム)中で行われる。
【0085】
プロセス工程e)の前に、所望の粒度画分を生成物ストリームから分離するさらなる中間工程y)を行うことが有利なこともある。好ましくは、80〜2000μmの範囲内、なかでもとくに好ましくは100〜1500μmの範囲内の画分だけをプロセス工程e)に供給し、微粉画分および/または粗粉画分は、プロセスから除去するまたはプロセスに再循環させる。工程c)から得られた細粒化生成物を工程d2)に供給する場合、中間工程y)が有利である可能性がある。
【0086】
工程e)の前に、工程d1)から得られたコア画分を好ましくは2つの画分に分離し、微粉画分または粗粉画分を除去するかまたは再循環し、80〜2000μmの範囲内、特に100〜1500μmの範囲内の画分を工程e)に供給する。
【0087】
工程e)の前に、工程d1)から得られたコア画分を好ましくは3つの画分に分離し、微粉画分および粗粉画分を除去するかまたは再循環し、80〜2000μmの範囲内、特に100〜1500μmの範囲内の中粉画分を工程e)に供給する。
【0088】
中間工程y)は、好ましくは、分級またはスクリーニング(機械的分離)により行うことが可能である。好ましくは、たとえば、ドラムスクリーン、揺動スクリーン、および/または振動スクリーンなどのスクリーンが使用される。
【0089】
e)に規定される後続のローリングは、好ましくは、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、またはコーティングドラム中で、または回転ドラム(ペレッティングドラム)中で行われる。
【0090】
プロセス工程e)で使用される有機顔料または無機顔料は、工程a)に記載の有機顔料または無機顔料と同一である必要があるかまたはその必要はない。混合色の作成時、異なる顔料の選択は、とりわけ有利である。
【0091】
工程e)の後に得られた顆粒は、好ましくは、工程f)において1種以上の助剤で1回または複数回コーティングすることも可能である。
【0092】
顔料顆粒のコーティングは、安定性の増大にまたは処理時の補助手段として役立つ。この層は、無機塩溶液、ポリオールもしくはポリエーテルワックス、ポリカルボキシレート、ポリカルボキシレートエーテル、またはセルロース誘導体(好ましくはカルボキシメチルセルロース)を適用することにより作製可能である。
【0093】
プロセス工程e)の後、所望の粒度画分を得られた顆粒から分離するさらなる中間工程z)を行うことが有利なこともある。好ましくは、80μm超、好ましくは100μm超の画分、または80〜3000μmの範囲内、好ましくは100〜2500μmの範囲内、とくに好ましくは250〜1500μmの範囲内の画分を分離し、工程f)に供給する。オーバーサイズおよび/またはアンダーサイズのものをプロセスから除去するかまたは再循環させることが可能である。場合により、工程f)の後にも中間工程z)を行うことが有利なこともある。
【0094】
好ましくは、工程f)の前に、工程e)の後に得られた顆粒を2つの画分に分離し、粒子が80μm超、特に250μm超である画分だけを工程f)に供給し、微粉画分は、プロセスから除去するかまたは再循環させる。
【0095】
好ましくは、工程f)の前に、工程e)の後に得られた顆粒を3つの画分に分離し、粒子の少なくとも85%が80μm超、特に100μm超であるかまたは80〜3000μmの範囲内、特に100〜1500μmの範囲内である画分だけを工程f)に供給し、他の画分は、プロセスから除去するかまたは再循環させる。
【0096】
中間工程z)は、好ましくは、分級またはスクリーニング(機械的分離)により行うことが可能である。好ましくは、たとえば、ドラムスクリーン、揺動スクリーン、および/または振動スクリーンなどのスクリーンが使用される。
【0097】
分離されたオーバーサイズおよび/またはアンダーサイズのものをプロセスに再循環させる処理は、種々の時点で行うことが可能である。それは、とくに、どの助剤を添加するか、全プロセスに1種以上の顔料を使用するか、ならびにオーバーサイズおよびアンダーサイズのものを再循環させることを介する助剤または顔料の混合が望ましいか否かに依存する。しかしながら、当業者であれば、本出願に理想的でありかつ分離されたオーバーサイズおよび/またはアンダーサイズのものを再循環させることがとくに有利である本発明に係る方法におけるプロセス工程は、間違いなくわかるであろう。オーバーサイズのものを再循環させる場合、分離後かつ再循環前に細粒化すれば、有利である可能性がある。
【0098】
本発明に係る方法は、無機顔料および/または有機顔料だけでなく充填剤にも適用可能である。
【0099】
本発明はまた、コンクリート、セメントモルタル、レンダー(render)、およびアスファルトなどの建築材料を着色するための、ならびに仕上げ材、プラスチック、およびカラーペーストなどの有機媒体を着色するための、ならびにエマルジョンペイントおよびスラリーを調製するための、顔料顆粒の使用に関する。
【0100】
顔料顆粒は、好ましくは、セメントを基準にしてまたはアスファルトの場合には全混合材料を基準にして0.1〜10重量%の量で建築材料と混合される。
【0101】
顔料顆粒は、好ましくは、最初に水中に懸濁させ、次に建築材料と混合される。
【0102】
顔料顆粒は、好ましくは、有機媒体と混合される。
【0103】
有機媒体は、好ましくは、プラスチックである。
【0104】
プラスチックは、好ましくは、熱可塑性材料、熱硬化性プラスチック、および/またはエラストマーである。
【0105】
顔料顆粒は、好ましくは、液状プラスチックと混合される。
【0106】
有機媒体は、好ましくは、ゴム弾性を有するポリマーである。
【0107】
有機媒体は、好ましくは、粉末コーティング材料である。
【0108】
顔料顆粒は、好ましくは、エマルジョンペイントと混合される。
【0109】
本発明の主題は、それぞれの特許請求の範囲の主題からだけでなく、それぞれの特許請求の範囲の相互の組合せからも生じる。同じことが、明細書に開示されているすべてのパラメーターおよびそれらの任意の所望の組合せにもあてはまる。
【0110】
以下の実施例を参照しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、それにより本発明をなんら限定しようとするものではない。
[実施例]
【0111】
I.使用した測定方法の説明
A.建築材料に対する分散性の決定
白色セメントを用いて作製された以下のデータを有するプリズムを比色測定することにより、建築材料に対する分散性の決定をセメントモルタルで行う:
【0112】
セメント−ケイ砂比 1:4、水−セメント値 0.35、セメントを基準にした顔料着色レベル 1.2%、使用したミキサー ベルリンのRKトニ・テクニック(RK Toni Technik,Berlin)製、5Lミキシングボウル付き、デザイン1551、速度140rpm、バッチ 500gのセメント。
【0113】
40s、55s、70s、85s、および100sの混合時間の後、いずれの場合も混合物の(300g)のサンプルを採取し、それから試験試料(5×10×2.5cm)を加圧下(プレス力 114kN、2秒間)で作製する。試験試料の硬度:30℃および相対湿度95%で24時間、続いて60℃で4時間乾燥。石材1個あたり4つの測定点でデータフラッシュ(Dataflash)(登録商標)2000データカラー・インターナショナル(Datacolor International)による測色計測定。得られた平均値を参照サンプルの値と比較する。色差ΔEabおよび色強度(参照サンプル=100%)(DIN5033、DIN6174)を評価する。本出願の枠内では、CIELAB系から公知のように以下の比色略号および計算式を使用する:
・aは、赤色−緑色軸に対応し、Δa=a(サンプル)−a(参照)である。
・bは、黄色−青色軸に対応し、Δb=b(サンプル)−b(参照)である。
・Lは、明度に対応し、ΔL=L(サンプル)−L(参照)である。
・ΔEabは、色差に対応し、(ΔEab=(ΔL)+(Δa+(Δb、すなわち、ΔEab=[(ΔL)+(Δa+(Δb1/2である。
【0114】
%単位の相対色強度については、次式を適用する:
【0115】
【数1A】

【数1B】

ただし、r=0.04およびr=0.6およびYは三刺激値(明度)である。
【0116】
計算は、DIN53234に準拠して行われる。
【0117】
参照サンプルと比較して5%までの色差および1.5単位以下の色差ΔEabであるときは、分散性は良好であると記される。
【0118】
B.アスファルトに対する分散性の決定
次の方法に従って、アスファルトに対する分散性の決定を行った:顔料粉末または顔料顆粒をタイプB80の道路建設用ビチューメン(シエルAG(Shell AG)製の市販品)および添加剤と一緒に180℃で60秒間にわたり加熱可能な実験用ミキサー(レゴ(Rego)ミキサー)中で混合する。マーシャル(Marshall)(「シェル・ビチューメン・ハンドブック(The Shell Bitumen Handbook)」,シェル・ビチューメンU.K.(Shell Bitumen U.K.),1990年,230−232頁)に基づく混合物を用いて試験試料を作製する。赤色値a(ミノルタ・クロマメーターII(Minolta Chromameter II)、標準光源C、CIELAB系、DIN5033、DIN6174)を比較することにより、顔料粉末の所定の比較サンプルと比較したときのマーシャル(Marshall)供試体の色調差を測色評価する。0.5単位未満のa値の差は、肉眼で識別できない。
【0119】
C.プラスチックに対する分散性の決定
DIN EN 13900−2:顔料および充填剤−分散方法およびプラスチック中への分散性の評価、第2部、色特性および二本ロールミリングによる可塑剤含有ポリビニルクロリド(PVC−P)成形材料中への易分散性の測定、に準拠して、プラスチックに対する分散性の決定を行う。顔料および二酸化チタン白色顔料粉末(トロノックス(Tronox)(登録商標)R−FK−2;トロノックス(Tronox)(登録商標)R−FK−2は、トロノックス・インコーポレーテッド(Tronox Incorporated)製の市販品である)を重量比=1:5で含む明色化混合物の形態で試験対象の顔料または顔料顆粒をミキシングロールミルによりPVC中に160±5℃で分散する。得られたミル練り生地を分割し、次に、半分を室温で圧延による高剪断力に付す。室温で圧延した後の色強度の増大パーセントを示す易分散性DHPVC−Pは、着色顔料の場合の分散性の尺度である。基準として冷間圧延PVC練り生地の色強度を100%に固定し、先に述べた式に従って決定する。次に、
【0120】
【数2】

に従って易分散性DHPVC−Pを計算する。ここで、F熱間圧延サンプルは、熱間圧延試験試料の色強度値であり、F冷間圧延サンプルは、それに対応する冷間圧延試験試料の色強度値である。先に述べた式を色強度の計算に適用可能であり、プラスチックの試験の場合、rは0.05325であり、rは0.65である。
【0121】
プラスチック中への分散性の決定では、熱間圧延PVC練り生地と冷間圧延PVC練り生地との間の色差ΔEabをさらに決定する。ΔL、Δa、Δbを計算するために、先に述べたかつCIELAB系から公知の式を適用しうる。この場合、冷間圧延PVC練り生地はまた、参照としても用いる。易分散性の顔料または顔料顆粒は、低剪断力ですでに完全に分散されるが、分散が困難な顔料を完全に分散するためには、低温における圧延を助けるべく、より高い剪断力が必要である。したがって、次の点が適用可能である:易分散性が大きいほど、かつ色差ΔEabが小さいほど、容易に顔料を分散しうる。とくに、顆粒の場合、最初に顆粒粒子をばらばらに破壊しなければならず、そうすれば、プラスチック中に分散可能になるので、分散性は非常に重要である。先に述べた試験法において10%以下の易分散性および1.5単位以下の色差ΔEabであるときには、着色顔料または顆粒化着色顔料のこの分散性は、良好であると記される。
【0122】
D.エマルジョンペイントの分散性の決定
ディゾルバーを用いてエマルジョンペイント中への着色顔料の分散性を決定する。試験媒質は、55%の顔料体積濃度(顔料/充填剤比 40/60)を有するPVAディスパージョン(ビニルアセテート/ビニルバーサテート)をベースとするエマルジョンペイントである。顔料の組込みの後、最初に、180gの白色エマルジョンペイントを導入し、次に、攪拌しながら6.0gの試験対象の着色顔料を入れる(Tronox(登録商標)R−KB−2/着色顔料重量比=5:1;Tronox(登録商標)R−KB−2は、トロノックス・インコーポレーテッド(Tronox Incorporated)製の市販品である)。ディゾルバーディスク(径4cm)を用いて、以下の分散条件を設定する:
10min 1000rpm(2.1m/s)
20min 2000rpm(4.2m/s)
10min 4500rpm(9.4m/s)
【0123】
それぞれの分散時間の後、150μmの湿潤フィルム厚さ(コーティングナイフのギャップ高さ)を有するコートを調製し、室温で乾燥させる。乾燥後、シャープなエッジを有する物品を用いてコート(コーティングフィルム)を剥離除去し、その結果として、非分散顔料粒子が表面上にドットまたはストライプ(スペック)として現れるようにする。レベル1〜5の評価尺度を用いて、顆粒に適用された分散エネルギーを評価する:
レベル1:スペックなし
レベル2:少数のスペック
レベル3:中程度の個数のスペック
レベル4:多数のスペック
レベル5:非常に多くのスペック
【0124】
評価レベル1および2の場合のみ、良好な分散性が存在し;レベル3以降は、適用される分散エネルギーに対する評価は、不十分である。
【0125】
E.スラリーの自己可塑化の決定
スラリーの調製時、最初に、300gの水を導入し、70重量%の固形分含量を有する懸濁液が得られるまで、3.5cmの直径を有するディゾルバーディスクを用いて約1500rpmで攪拌しながら、添加剤のさらなる添加を行うことなく(「自己可塑化」)、試験対象の顔料粉末または顔料顆粒を室温で導入する。100rpmの速度でブルックフィールド測定スピンドルno.4を用いてブルックフィールド粘度計によりこの出発スラリーに対して1000mPa・s超の粘度値が得られた場合、1000mPa・s未満の粘度値に設定されるまで、水を添加することにより5重量%ずつ固形分含量を減少させる。それとは逆に、70重量%の固形分含量を有する出発スラリーが非常に低い粘度を有する場合、1000mPa・s未満の粘度値を常に与えうる最大固形分含量が得られるまで、顔料粉末または顔料顆粒を添加することにより、その固形分含量を5重量%ずつ増大させる。実際の使用時、1000mPa・s以下の粘度を有するスラリーは問題なく取扱い可能(ポンプ圧送可能、計量可能)であると考えられる。スラリーの調製の24時間後、100rpmの速度でスピンドルno.4を用いてブルックフィールド粘度計により再び粘度を測定する。1000mPa・sを超える粘度の増大は、望ましくない。顔料粒子または顔料顆粒からのスラリーの調製時、できるかぎり高い固形分含量とできるかぎり低い粘度とを兼備することが望ましい。したがって、調製されたスラリーができるかぎり高い固形分含量でできるかぎり低い粘度を有するのであれば、顔料顆粒は、スラリーの調製に格別好ましい(「自己可塑化」)。
【0126】
F.流動挙動の決定
ASTM試験D1200−88に準拠して、6mmオリフィスを有する容積100mlの漏斗を通る流出時間を測定することにより、顔料顆粒の流動挙動を決定する。
【0127】
以下の実施例を参照しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、これらの実施例により限定を行おうとするものではない。実施例1、3、および5から得られる顆粒は、先行技術に対応するプロセスにより調製されたものであり、比較例として用いる。
【0128】
II.比較例1
50kgの赤色酸化鉄バイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)160(ランクセス・ドイチュラントGmbH(Lanxess Deutschland GmbH)製の市販品)をミキサー中で1.5%のポリプロピレングリコール(約2000の平均分子量)と15分間混合した。200/50コンパクター(ラインガルテンのベペックス(Bepex,Leingarten)製)を用いて約15kN(3kN/cm)で混合物をプレッシングし、次に、1.25mmのメッシュサイズのスクリーンを有するクラッシャー(スイス国フリブールのフレヴット(Frewitt,Fribourg,Switzerland)製)を用いて細粒化した。250μmのメッシュサイズを有するスクリーンを用いて細粒化生成物をスクリーニングした。オーバーサイズ画分は、約77%であった。種々の媒体で試験する際、いずれの場合も、315μm〜1250μmの画分を使用した(比較例1)。
【0129】
比較例1から得られた顆粒の検査結果を表1にまとめる。
【0130】
III.実施例2
上に記載のバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)160をミキサー中で以下の助剤と15分間混合した:
I. 1.5%のポリプロピレングリコール(約2000の平均分子量)
II. 3.0%のテキサポン(Texapon)(登録商標)842(テキサポン(Texapon)(登録商標)842は、約30%の活性物質を含有するナトリウムオクチルホスフェートの水溶液であり、コグニス・ドイチュラントGmbH & Co.KG(Cognis Deutschland GmbH & Co.KG)製の市販品である)
III. 3.0%の濃度30%のポリエチレングリコール水溶液(約20,000の平均分子量)
IV. 2.0%の濃度45%のアンモニウムリグニンスルホネート水溶液
【0131】
いずれの場合も、250μmでスクリーニングされた実施例1から得られた1.0kgの画分を、70cmの直径および53°の傾斜を有する顆粒化パンに導入し、34rpmで約3分間ローリングした。いずれの場合も、0.5kgの
a)先に述べた混合物I
b)先に述べた混合物II
c)先に述べた混合物III
d)先に述べた混合物IV
を約3分間かけて回転顆粒化パンに均一に導入し、次に、さらに4分間にわたり全サンプルをさらにローリングした(実施例2a〜2d)。
【0132】
種々の媒体で試験する際、いずれの場合も、常に互いに同一の粒度で比較するために、315μm〜1250μmの画分を使用した。
【0133】
実施例2a〜2dから得られた顆粒の検査結果を表1にまとめる。
【0134】
表1は、試験したすべての性能特性に関して比較例1および実施例2aがきわめて類似した挙動を呈することを示している。したがって、コンパクティングされたコアのものと同一の添加剤を含有する外層の顆粒化による直接的な適用の結果として得られた特性において有意な改良は検出できない。
【0135】
一方、実施例2b〜2dから得られた顆粒は、少なくとも1つの性能特性に関して比較例1および実施例2a)よりも優れた実質的利点を示す。たとえば、実施例2bから得られたサンプルは、実質的により良好に建築材料中に分散可能である。すなわち、使用した粉末を基準にして99%の最終色強度が、わずか55秒後に達成される。比較例1から得られた顆粒は、85秒間の混合時間の後に96%の色強度を与えるにすぎず、実施例2a)から得られた顆粒は、85秒間の混合時間の後に94%の色強度を示すにすぎない。エマルジョンペイント中への組込み時またはスラリーの調製時、実施例2bから得られたサンプルは、比較例1および実施例2aとの実質的な差異を示さない。アスファルト中への分散性は、要件を満たす。
【0136】
自己可塑化の場合、実施例2cから得られた顆粒は、比較例1および実施例2aよりも5%高い固形分含量を与えうる。
【0137】
建築材料中へのそれらの分散性に関して、実施例2dから得られた顆粒は、実施例2bから得られたものと同等であり、したがって、比較例1よりも良好であると評価される。しかしながら、スラリー中への組込みでは、実施例2dから得られた顆粒は、75%という非常に高い固形分含量と非常に低い粘度とを兼備しうる。
【0138】
IV.比較例3
50kgの赤色酸化鉄バイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)110(ランクセス・ドイチュラントGmbH(Lanxess Deutschland GmbH)製の市販品)をミキサー中で1.0%のヴァロセル(Walocel)(登録商標)CRT30P(ヴォルフ・セルロジクスGmbH & Co.KG(Wolff Cellulosics GmbH & Co.KG)製の市販品)と15分間混合し、次に、1mmスクリーンインサートを有するバウエルマイスター(Bauermeister)ミルを用いてホモジナイズした。200/50コンパクターを用いて約5kN(1kN/cm)でホモジナイズ生成物をプレッシングし、次に、1.25mmのメッシュサイズのスクリーンを有するクラッシャーを用いて細粒化した。250μmのメッシュサイズを有するスクリーンを用いて細粒化生成物をスクリーニングした。オーバーサイズ画分は、約87%であった。種々の媒体で試験する際、いずれの場合も、315μm〜1250μmの画分を使用した(比較例3a)。
【0139】
比較例3aから得られた細粒化生成物の一部分を、前スクリーニングを行うことなく、70cmの直径および53°の傾斜を有する顆粒化パンに導入し、約35rpmで非連続的に約10分間ローリングした。250μmのメッシュサイズを有するスクリーンを用いて、ローリングされた材料をスクリーニングした。オーバーサイズ画分は、約94%であった。種々の媒体中で試験する際、常に互いに同一の粒度で比較するために、同様に315μm〜1250μmの画分を使用した(比較例3b)。
【0140】
比較例3aおよび3bから得られた顆粒の検査結果を表1にまとめる。
【0141】
V.実施例4
実施例3で使用したバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)110粉末をミキサー中で以下の添加剤と15分間混合した:
I. 5.0%の濃度20%の低分子量を有する部分加水分解ポリビニルアルコール水溶液
II. 3.0%の濃度約35%のポリカルボキシレートエーテル水溶液
III. 3.0%の濃度約30%のポリアクリレート水溶液
【0142】
次に、いずれの場合も、比較例3aから得られたスクリーニングされた1.0kgの材料(画分>250μm)を、70cmの直径および53°の傾斜を有する顆粒化パンに導入し、約34rpmで約3分間ローリングした。いずれの場合も、0.5kgの
a)先に述べた混合物I
b)先に述べた混合物II
c)先に述べた混合物III
を約3分間かけて回転顆粒化パンに均一に導入し、次に、さらに4分間にわたり全サンプルをさらにローリングした(実施例4a〜4c)。
【0143】
種々の媒体中で試験する際、いずれの場合も、常に互いに同一の粒度で比較するために、315μm〜1250μmの画分を使用した。
【0144】
実施例4a〜4cから得られた顆粒の検査結果を表1にまとめる。
【0145】
表1は、プラスチック中への分散性を除いて試験したすべての性能特性に関して比較例3aおよび3bが不利であることを示している。100秒間の混合時間の後でさえも、それぞれ、91%および88%の最終色強度が得られるにすぎず、したがって、顆粒はまだ完全には分散されていないので、建築材料中への分散性は、不十分である。したがって、コンパクティングされた微粉画分からなりかつコンパクティングされたコアのものと同一の添加剤を含有する外層の顆粒化による直接的適用の結果として、性能特性の有意な改良は見いだされない。比較例3aから得られた顆粒はまた、自己可塑化に関して不満足な挙動を示す。60%の固形分含量で調製されたスラリーは、比較的低い粘度を有するが、1日経過するとかなりの程度まで増粘し、最終的には、粘度>1700mPa・sとなって、もはや取り扱うことができない。
【0146】
一方、実施例4a〜4cから得られた顆粒は、少なくとも1つの性能特性に関して比較例よりも優れた実質的利点を示す。たとえば、実施例4aから得られた顆粒は、実質的により良好に建築材料中に分散可能である。すなわち、使用した粉末を基準にして97%の最終色強度が、70秒間の混合時間の後でさえも達成される。しかしながら、実施例4aから得られた顆粒は、スラリーの調製には適さない。
【0147】
一方、実施例4bおよび4cから得られた顆粒は、異なる挙動を示す。建築材料中に組み込むと、それらは、100秒間の混合時間の後、それぞれ、90%および91%の色強度を達成するにすぎず、したがって、2つの比較例と同等であるが、実施例4bおよび4cから得られた顆粒は、自己可塑化に関しては非常に好適である。実施例4bから得られた顆粒では、60%の固形分含量を有する懸濁液を調製することが可能であり、これはまた、1日保存後、問題なく使用することが可能であり、実施例4cから得られた顆粒は、65%の固形分含量さえも与えうる。
【0148】
VI.比較例5
橙色酸化鉄混合物を調製するために、バイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920およびバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)110を3:2の重量比でミキサー中で混合する。ミキサー中のこの混合物に、1.5%の濃度45%のポリエチレングリコール水溶液(約4000の平均分子量)を添加し、さらに15分間混合する。200/50コンパクターを用いて約16kN(3kN/cm)で混合物をプレッシングし、次に、1.5mmのメッシュサイズのスクリーンを有するクラッシャーを用いて細粒化した。70cmの直径および53°の傾斜を有する顆粒化パンに細粒化生成物を1.0kg部分として導入し、微粉画分が顆粒化により完全に適用されるまで約35rpmでローリングした。
【0149】
種々の媒体で試験する際、常に互いに同一の粒度で比較するために、同様に315μm〜1250μmの画分を使用した(比較例5)。
【0150】
以上に記載の橙色出発混合物は、ポリエチレングリコール溶液の添加前、建築材料中への分散性を調べる際の色強度の参照として用いた。比較例5から得られた顆粒の検査結果を表2にまとめる。
【0151】
VII.実施例6
20kgの実施例5に記載の黄色酸化鉄バイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920にミキサー中で1.5%の濃度45%のポリエチレングリコール水溶液(約4000の平均分子量)を添加し、15分間混合した。200/50コンパクター(ラインガルテンのベペックス(Bepex,Leingarten)製)を用いて約16kN(3kN/cm)で混合物をプレッシングし、次に、1.5mmのメッシュサイズのスクリーンを有するクラッシャー(スイス国フリブールのフレヴット(Frewitt,Fribourg,Switzerland)製)を用いて細粒化した。250μmのメッシュサイズを有するスクリーンを用いて細粒化生成物をスクリーニングした。
【0152】
実施例5で使用したバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)110粉末をミキサー中で以下の助剤と15分間混合した:
I. 4.0%の濃度25%のナトリウムカプリレート溶液(溶媒 水:エタノール 1:1)
II. 3.0%の濃度約30%のポリアクリレート水溶液
III. 3.0%の濃度約30%のポリエチレングリコール水溶液(約20,000の平均分子量)
【0153】
いずれの場合も、0.6kgの先に述べたコンパクティング、細粒化、およびスクリーニングされたバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920顆粒を、70cmの直径および53°の傾斜を有する顆粒化パンに導入し、約34rpmでローリングした。その後、いずれの場合も、0.5mmのメッシュサイズのスクリーンに通して粉末を押圧することにより、0.4kgの
a)先に述べた混合物I
b)先に述べた混合物II
c)先に述べた混合物III
を約3分間かけて回転顆粒化パンに均一に導入した(実施例6a〜6c)。
【0154】
種々の媒体で試験する際、いずれの場合も、315μm〜1250μmの画分を使用した。
【0155】
実施例6a〜6cから得られた顆粒の検査結果を表2にまとめる。
【0156】
比較例5から得られた顆粒は、建築材料中に満足に分散することができない。100秒間の混合時間の後でさえも、使用した橙色出発混合物を基準にしてわずか80%の色強度が得られるにすぎない。一方、実施例6a〜6cから得られた顆粒は、実質的に改良された分散性を示す。
【0157】
VIII.実施例7
以下の粉末混合物をミキサー中で調製した:
I. 3.0%の濃度約35%のポリカルボキシレートエーテル水溶液を含む、プレッシングされたコアを作製するために実施例6で使用したバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920粉末
II. 3.0%の濃度45%のポリエチレングリコール水溶液(約4000の平均分子量)を含む、プレッシングされたコアを作製するために実施例6で使用したバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920粉末と、フタロシアニンブルー顔料(バイプラスト(Bayplast)(登録商標)ブルー、ランクセス・ドイチュラントGmbH(Lanxess Deutschland GmbH)製の市販品)との9:1混合物。
【0158】
いずれの場合も、実施例6に記載のコンパクティング、細粒化、およびスクリーニングされたバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920顆粒を以下に記載の量で、70cmの直径および53°の傾斜を有する顆粒化パンに導入し、約34rpmでローリングした。その後、いずれの場合も、0.5mmのメッシュサイズのスクリーンに通して粉末または粉末混合物を押圧することにより、以下に記載の量の先に述べた混合物I.またはII.を約3分間かけて回転顆粒化パンに均一に導入した。
a)0.6kgのコンパクティング、細粒化、およびスクリーニングされたバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920顆粒および0.4kgの混合物I。
b)0.8kgのコンパクティング、細粒化、およびスクリーニングされたバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920顆粒および0.2kgの混合物II。
c)0.6kgのコンパクティング、細粒化、およびスクリーニングされたバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)920顆粒および0.4kgの混合物II。
【0159】
種々の媒体を試験する際、いずれの場合も、315μm〜1250μmの画分を使用した。
【0160】
実施例7a〜7cから得られた顆粒の検査結果を表3にまとめる。
【0161】
【表1】

【0162】
【表2】

【0163】
【表3】

【0164】
表1〜3中の「n.d.」は、「未決定」を表す。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】コンパクティングされた黄色酸化鉄顔料がコア画分(図1で「A」と記された部分)として機能し、その上に赤色酸化鉄顔料(図1で「B」と記された部分)が顆粒化により外層として適用されている橙色酸化鉄顆粒の光学顕微鏡写真を示している。顆粒粒子は、樹脂中に埋め込まれ、粉砕されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレッシングまたはブリケッティングされたコアと、顆粒化により適用された少なくとも1層の外層と、からなり、
a)前記コアが、少なくとも1種の有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物と、少なくとも1種の助剤と、を含み、
b)顆粒化により適用された1層の前記外層または顆粒化により適用された複数層の前記外層が、少なくとも1種の(場合によりプレッシングまたはブリケッティングされた)有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物を含有し、かつ顆粒化により適用された1層の前記外層または顆粒化により適用された複数層の前記外層が、いずれの場合も、少なくとも1種の助剤を含有し、
c)顆粒化により適用された1層の前記外層中または顆粒化により適用された複数層の前記外層中には、
1)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の顔料以外の少なくとも1種の有機顔料もしくは無機顔料が存在するか、あるいは
2)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の助剤以外の少なくとも1種の助剤が存在するか、あるいは
3)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の顔料以外の少なくとも1種の有機顔料もしくは無機顔料が存在しかつプレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中の助剤以外の少なくとも1種の助剤が存在するか、あるいは
4)プレッシングもしくはブリケッティングされた前記コア中のものと同一の1種の有機顔料もしくは無機顔料または同一の複数種の有機顔料もしくは無機顔料が同一の助剤と共に存在するが、その場合、顆粒化により適用された少なくとも1層の外層中の顔料の少なくとも1種は、プレッシングされておらずかつブリケッティングされていない、
ことを特徴とする顔料顆粒。
【請求項2】
酸化鉄顔料、二酸化チタン顔料、酸化クロム顔料、酸化亜鉛顔料、ルチル混合相顔料、およびカーボンブラック(炭素顔料)が無機顔料として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の顔料顆粒。
【請求項3】
アゾ顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、およびペリレン顔料、ならびにインジゴイド類が有機顔料として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の顔料顆粒。
【請求項4】
水、塩(リン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ホウ酸塩、チタン酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ステアリン酸塩、酢酸塩からなる群から選択される)、多糖類、セルロース誘導体(たとえば、特に、セルロースエーテルもしくはセルロースエステル)、ホスホノカルボン酸、変性シラン、シリコーン油、生物栽培由来の油(特に、ナタネ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヤシ油、ヒマワリ油)、精製パラフィン系および/もしくはナフテン系鉱油、合成調製油、アルキルフェノール、グリコール、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリグリコール誘導体、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー、タンパク質/脂肪酸縮合物、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、リグニンスルホネート、硫酸化ポリグリコールエーテル、メラミン/ホルムアルデヒド縮合物、ナフタレン/ホルムアルデヒド縮合物、グルコン酸、ポリアクリレート、ポリカルボキシレートエーテル、ポリヒドロキシ化合物、ポリヒドロキシアミノ化合物、またはそれらの溶液もしくは混合物もしくは懸濁液もしくはエマルジョンが助剤として使用されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項5】
顔料顆粒が、顔料の全量を基準にして0.001〜10重量%、特に0.1〜5重量%の全量で助剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項6】
b)およびc)に基づく顆粒化により適用された外層を形成する1種もしくは複数種の顔料が、合計で、プレッシングまたはブリケッティングされたコアの重量を基準にして同重量の4倍以下、特に、同一重量以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項7】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層が、いずれの場合も無機顔料またはいずれの場合も有機顔料を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項8】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層が同一の顔料を含有するが、顆粒化により適用された外層の少なくとも1層中にa)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコア中のものと量またはタイプの異なる助剤が存在することを特徴とする、請求項7に記載の顔料顆粒。
【請求項9】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層が同一の顔料を含有し、顆粒化により適用された外層の少なくとも1層中の顔料がプレッシングされておらずかつブリケッティングされていないことを特徴とする、請求項7に記載の顔料顆粒。
【請求項10】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層が、いずれの場合も複数種の無機顔料またはいずれの場合も複数種の有機顔料を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項11】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層が、同一の有機顔料または無機顔料を含有するが、少なくとも1種の助剤はコアと量またはタイプが異なっていることを特徴とする、請求項10に記載の顔料顆粒。
【請求項12】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアならびにb)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層が同一の有機顔料および/または無機顔料を含有し、顆粒化により適用された外層の少なくとも1層中の顔料がプレッシングされておらずかつブリケッティングされていないことを特徴とする、請求項10に記載の顔料顆粒。
【請求項13】
b)およびc)に基づく顆粒化により適用された外層中の助剤以外の助剤が、a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコア中に存在することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項14】
a)に基づくプレッシングまたはブリケッティングされたコアが1種以上の助剤で1回または複数回コーティングされていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項15】
b)およびc)に基づく顆粒化により適用された1層の外層または顆粒化により適用された複数層の外層がいずれの場合も1種以上の助剤で1回または複数回コーティングされていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項16】
b)およびc)に基づく顆粒化により適用された外層のうち最外層だけが1種以上の助剤で1回または複数回コーティングされていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項17】
無機顔料顆粒が0.3〜4.0g/cmの範囲内、特に0.5〜2.0g/cmの範囲内の嵩密度を有し、かつカーボンブラックまたは有機顔料を含有する顔料顆粒が好ましくは0.1〜2.5g/cmの嵩密度を有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項18】
顔料顆粒の少なくとも85%が80〜3000μmの範囲内、特に100〜1500μmの範囲内の粒度を有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項19】
顔料顆粒が4%重量未満、特に2%重量未満の残留水含量を有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項20】
顔料顆粒が保存剤、消泡剤、保持剤、沈降防止剤、および/または芳香剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の顔料顆粒。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の顔料顆粒を調製する方法であって、
a)1種以上の有機顔料または無機顔料を1種以上の助剤と混合し、
b)スキャブを得るために、この混合物を少なくとも1回のプレッシング工程またはブリケッティング工程に付し、
c)前記スキャブを少なくとも1回の工程で細粒化して核および粉末を与え、
d1)核を粉末から分離し、80μm超、特に100μm超の画分をコア画分として用い、場合により、
(i)ラウンディング工程に付し、かつ/または
(ii)1種以上の助剤でコーティングし、
工程d1(ii)をd1(i)の前に行うことも可能であり、または両方の工程を同時に行うことも可能であり、得られた生成物は、製造プロセスに残存させるが、他の画分は、プロセスから除去するかもしくは再循環させ、または
d2)前記核をコア画分として用い、細粒化時に形成された粉末を後続のローリングによる顆粒化によりこのコア画分に完全に適用し、場合により、1種以上の助剤を添加し、得られたかつ顆粒化により完全に適用された生成物を1種以上の助剤でコーティングすることが可能であり、
e)そして1種以上の有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物を添加して得られた生成物に少なくとも1層の外層を後続のローリングによる顆粒化により適用し、
後続的にローリングされた顆粒を得るために、
(i)1種もしくは複数種の有機顔料もしくは無機顔料またはそれらの混合物を1種以上の助剤とあらかじめ混合しておき、かつ/あるいは
(ii)後続のローリング時に1種以上の助剤を添加し、かつ/あるいは
(iii)1種もしくは複数種の有機顔料もしくは無機顔料または有機顔料もしくは無機顔料の混合物および少なくとも1種の助剤を1回以上のプレッシング工程またはブリケッティング工程にあらかじめ付しておき、
f)場合により、このように後続的にローリングされた顆粒を助剤で1回または複数回コーティングしてもよい、
ことを特徴とする、方法。
【請求項22】
プレッシング工程またはブリケッティング工程b)がロールプレスまたはマトリックスプレスを用いて0.1〜50kN/cm、特に0.1〜20kN/cmのニップ力で行われることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
複数回のプレッシング工程またはブリケッティング工程b)が連続して逐次的に行われ、同一のもしくは異なるプレッシングユニットまたはブリケッティングユニットが使用され、かつ0.1〜50kN/cm、特に0.1〜20kN/cmの範囲内の同一のもしくは異なるニップ力でプレッシング工程またはブリケッティング工程が行われることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
工程c)において、細粒化が、0.5〜4mm、特に1〜2mmのメッシュサイズを有するシーブを細粒化ユニットとして用いて行われることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
シーブを用いた複数回の細粒化工程c)が連続して逐次的に行われ、異なるメッシュサイズのシーブが使用され、かつ最後の細粒化工程において0.5〜4mm、特に1〜2mmのメッシュサイズを有するシーブが使用されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
複数回の細粒化工程c)が連続して逐次的に行われ、異なる細粒化ユニットが使用されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
工程c)の細粒化の前に、b)から得られたスキャブが2つの画分に分離され、粒子の少なくとも85%が500μm超、特に600μm超である粗粉画分が、工程c)に供給されて1回以上の工程で細粒化され、かつ微粉画分が、工程c)から得られた核および粉末とは別にまたはそれらと一緒に工程d1)に供給されて、工程d1)で再び2つ以上の画分に分離されコア画分が形成されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
工程c)から得られた細粒化生成物の核および粉末が工程d1)において2つの画分に分離され、80μm未満、特に250μm未満の微粉画分が除去されるかまたはプロセスに再循環され、かつ80μm超、特に250μm超の粗粉画分がコア画分として機能することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
工程c)から得られた細粒化生成物の核および粉末が工程d1)において3つの画分に分離され、微粉画分および粗粉画分が除去されるかまたはプロセスに再循環され、かつ80〜2000μm、特に250〜1000μmの中粉画分がコア画分として機能することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
工程e)の前に、工程d1)から得られたコア画分が2つの画分に分離され、微粉画分または粗粉画分が除去されるかまたは再循環され、かつ80〜2000μmの範囲内、特に100〜1500μmの範囲内の画分が工程e)に供給されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
工程e)の前に、工程d1)から得られたコア画分が3つの画分に分離され、微粉画分および粗粉画分が除去されるかまたは再循環され、かつ80〜2000μmの範囲内、特に100〜1500μmの範囲内の中粉画分が工程e)に供給されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
工程e)で添加される有機顔料および/または無機顔料が、合計で、工程e)で使用されるコア画分の重量を基準にして同重量の4倍以下、特に同一重量以下であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
工程e)で使用される有機顔料および/または無機顔料が、プロセス工程a)で使用される有機顔料および/または無機顔料と異なることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
有機顔料または無機顔料が工程e)において添加されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
複数種の有機顔料および/または無機顔料が工程e)において逐次的に使用されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
複数種の有機顔料および/または無機顔料が工程e)において添加され、これらがあらかじめ相互に混合されたものであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
工程e)で使用される有機顔料および/または無機顔料が、単独でまたは1種以上の助剤との混合物としてあらかじめ混合されたものであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
工程f)の前に、工程e)の後に得られた顆粒が2つの画分に分離され、粒子が80μm超、特に250μm超である画分だけが、工程f)に供給され、一方、微粉画分が、プロセスから除去されるかまたは再循環されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項39】
工程f)の前に、工程e)の後に得られた顆粒が3つの画分に分離され、粒子の少なくとも85%が80μm超、特に100μm超であるかまたは80〜3000μmの範囲内、特に100〜1500μmの範囲内である画分だけが、工程f)に供給され、一方、他の画分が、プロセスから除去されるかまたは再循環されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項40】
ラウンディング工程d1(i)が、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、コーティングドラム中もしくは回転ドラム(ペレッティングドラム)中で、スクリーンユニット中で、または流動床中もしくは流体床中で行われることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項41】
d2)に規定される後続のローリング工程が、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、コーティングドラム中で、または回転ドラム(ペレッティングドラム)中で行われることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項42】
e)に規定される後続のローリング工程が、回転ディスク(ペレッティングディスク)上で、コーティングドラム中で、または回転ドラム(ペレッティングドラム)中で行われることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項43】
1回以上の乾燥工程がさらに行われることを特徴とする、請求項21〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
コンクリート、セメントモルタル、レンダー、およびアスファルトなどの建築材料を着色するための、ならびに仕上げ材、プラスチック、およびカラーペーストなどの有機媒体を着色するための、ならびにエマルジョンペイントおよびスラリーを調製するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の顔料顆粒および請求項21〜43のいずれか一項に記載の方法により調製された顔料顆粒の使用。
【請求項45】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の顔料顆粒であって請求項21〜43のいずれか一項に記載の方法により調製された顔料顆粒で建築材料を着色する方法であって、
顔料顆粒がセメントを基準にしてまたはアスファルトの場合には全混合材料を基準にして0.1〜10重量%の量で建築材料と混合されることを特徴とする、方法。
【請求項46】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の顔料顆粒であって請求項21〜43のいずれか一項に記載の方法により調製された顔料顆粒で建築材料を着色する方法であって、
顔料顆粒が最初に水中に懸濁され、次に建築材料と混合されることを特徴とする、方法。
【請求項47】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の顔料顆粒であって請求項21〜43のいずれか一項に記載の方法により調製された顔料顆粒で有機媒体を着色する方法であって、
顔料顆粒が有機媒体と混合されることを特徴とする、方法。
【請求項48】
有機媒体がプラスチックであることを特徴とする、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
プラスチックが熱可塑性材料、熱硬化性プラスチック、および/またはエラストマーであることを特徴とする、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
顔料顆粒が液状プラスチックと混合されることを特徴とする、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
有機媒体が、ゴム弾性を有するポリマーであることを特徴とする、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
有機媒体が粉末コーティング材料であることを特徴とする、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の顔料顆粒であって請求項21〜43のいずれか一項に記載の方法により調製された顔料顆粒でエマルジョンペイントを着色する方法であって、
顔料顆粒がエマルジョンペイントと混合されることを特徴とする、方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−291386(P2007−291386A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−101754(P2007−101754)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(505422707)ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー (220)
【Fターム(参考)】