説明

顕微鏡画像撮影装置

【課題】汎用されているスライドホルダ単位で、スライドガラス標本の配列状態を確認しながら、個々のスライドガラス標本の撮像条件を設定し、撮像した画像を観察する等の情報管理を効率的に行える顕微鏡画像撮影装置の提供。
【解決手段】スライドガラス標本を撮像する顕微鏡画像撮影装置であって、複数のスライドガラス標本が配列されているスライドホルダの全体像を撮像するスライドホルダ撮像部10、スライドガラス標本の全体像を取得するスライドガラス標本マクロ取得部20、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を所定の撮像条件で撮像するスライドガラス標本ミクロ撮像部30、撮像条件を設定する為の撮像条件設定手段及びスライドガラス標本の全体像を表示する為の表示領域をスライドホルダ内のスライドガラス標本の配置に対応させて表示するスライドガラス標本情報管理画面を生成する撮像処理制御部40と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドガラス標本の顕微鏡画像を撮像する顕微鏡画像撮影装置に関し、より詳しくは、スライドガラス標本の配列・整理・保管等に用いられる、マッペと呼ばれるスライドホルダに配列されているスライドガラス標本の顕微鏡画像を撮像する顕微鏡画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、細胞や組織診といった病理診断においては、診断箇所の見落としを防止するために観察体の全体像を把握したいという要請がある。また、情報処理技術の発達により、このような病理診断においても画像の電子情報化が促進されており、ビデオカメラ等を介して取り組む顕微鏡観察像についても旧来の銀塩フィルム並の高い解像度を得たいという要請がある。
【0003】
これらの要望を実現するために、予め観察体の撮像対象領域を小区画に分割し、分割した夫々の小区画の領域を高解像度に撮像し、得られた小区画の領域毎の顕微鏡画像を繋ぎ合わせることにより、観察体の画像を再構築するいわゆるバーチャル顕微鏡システムがある。このような顕微鏡システムを用いれば、実際に観察体が存在しない環境でも観察体の顕微鏡観察を行うことができる。
【0004】
ところで、病院や研究所におけるこのような顕微鏡画像の撮像は、多量のスライドガラス標本に対して行われるものであるため、その膨大な量のスライドガラス標本の顕微鏡画像への取り込みや標本情報の記録と管理、スライドガラス標本の管理を効率的に行うことが求められている。
【0005】
しかるに、従来、大量のスライドガラス標本の顕微鏡画像への取り込みを効率的に行うために、スライドローダーを用いて、スライドガラス標本の収納部から顕微鏡画像撮像位置への搬送や、撮像終了後のスライドガラス標本の収納部への搬送を自動的に行う装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、このような装置では、スライドイガラス標本の収納部として、例えば、特許文献2に記載のような専用のカートリッジを用いるようになっている(図23参照)。
【0006】
また、従来、スライドガラス標本の管理を容易化するために、各患者の既往歴等の情報を標本情報として、スライドガラス上に磁気又はバーコード等で記録した識別子を貼付し、その識別子を、リーダを用いて読み取る技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、病院や検査センターにおける病理検査では、大量の情報の管理を容易化するために、大量のスライドガラス標本を、マッペと呼ばれる汎用の紙製又は木製のスライドホルダに配列した状態で収納し、スライドホルダ単位で管理することが行なわれている(例えば、非特許文献1,2参照)。
汎用の紙製スライドホルダ1は、例えば、図24に示すように、スライドガラス標本を収納する底浅の収納溝1an(nは1から当該スライドホルダに配列可能な最大数までの自然数)を備えた厚紙製の本体部1aと、本体部1aに折り畳み可能に接続する厚紙製のカバー部1bを有する。カバー部1bは、紙製スライドホルダ1を保管する時には、スライドガラス標本を収納する側に折り畳まれることによって、スライドガラス標本を保護する役割を果たす。また、紙製スライドホルダ1を使用する時には、カバー部1bは、スライドガラス標本を収納する側とは反対側に折り畳まれる。
木製スライドホルダ1’は、例えば、図25に示すように、スライドガラス標本を載置するシート状の底部1a’に個々のスライドガラス標本を区画する格子状の木枠1b’を備えている。
【0008】
また、大量のスライドガラス標本の顕微鏡画像への取り込みの際の作業効率をより向上させるために、各区画の底部にスライドガラス標本を移送や持ち上げることのできる特殊構造を備えたシステムマッペに対してスライドガラス標本を配置及び搬出するマッペ収納移送装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−248176号公報
【特許文献2】特開2007−84111号公報
【特許文献3】特開平05−215969号公報
【特許文献4】特開2007−147399号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】株式会社硝英製作所ホームページ 商品一覧 マッペ類 ボール紙マッペ 20枚用 [online] http://www2u.biglobe.ne.jp/~shoeiss/CIMG1882.JPG
【非特許文献2】株式会社硝英製作所ホームページ 商品一覧 マッペ類 ボール紙マッペ 20枚用 [online] http://www2u.biglobe.ne.jp/~shoeiss/CIMG1885.JPG
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、病院等では、上述のように、大量のスライドガラス標本を汎用のスライドホルダ単位で管理している。
このため、病院等において、特許文献1に記載の装置を用いてスライドガラス標本の顕微鏡画像への取り込みを行う場合には、操作者がスライドホルダに配列されているスライドガラス標本を取り出して特許文献2に記載のような専用カートリッジに収納し、装置が専用カートリッジからスライドガラス標本を抜き出して顕微鏡画像を取り込み、取り込み後にスライドガラス標本をカートリッジの元の位置に戻すという動作を行ない、スライドガラス標本の顕微鏡画像への取り込み作業終了後に、操作者がスライドガラス標本を専用カートリッジからスライドホルダに移し替える必要があり、スライドガラス標本の抜き出し及び収納作業に二度手間が生じていた。また、操作者が専用カートリッジからスライドガラス標本を抜き出してスライドホルダに戻す際に、スライドホルダ内におけるスライドガラス標本の位置を間違えるおそれがあった。
【0012】
また、特許文献4に記載の装置は、システムマッペからスライドガラス標本を取り出して顕微鏡画像を取り込むことができるものの、システムマッペは汎用されているスライドホルダとは異なり、構造が特殊であって単価が高いため、大量のスライドガラス標本をスライドホルダ単位で保管するためのコストが非常に高くなってしまう。また、汎用のスライドガラス標本からスライドガラス標本を特殊な構造のシステムマッペへ移し替えるようにしても、それでは、特許文献1に記載の装置と同様、作業が煩雑化するとともにスライドホルダ内におけるスライドガラス標本の位置を間違えるおそれがある。
【0013】
また、特許文献1,4に記載の装置等、従来のスライドガラス標本を撮像する装置における、スライドガラス標本の撮像条件(例えば、撮影倍率や、明視野観察、蛍光観察などの検鏡法)の設定は、個々のスライドガラス標本に対して行なっていた。
上述のように、病院等では、大量のスライドガラス標本を汎用のスライドホルダに収納し、スライドホルダ単位で保管している。顕微鏡画像の取り込みにおいては、病理検査の性質に応じて、スライドガラス標本の撮像条件の設定を切替える必要が生ずるが、スライドガラス標本単位で撮像条件の設定を行うのでは、個々のスライドガラス標本が収納されているスライドホルダの対応付けや、スライドホルダ内でのスライドガラス標本の収納位置の確認等が煩雑化して非効率的であり、設定条件を誤って撮影するおそれがある。
【0014】
また、病院等では、一人の患者から採取して作成した複数のスライドガラス標本を一つのスライドホルダに収納して保管する場合がある。このため、スライドホルダ単位でスライドガラス標本の画像情報や識別情報を管理できることが望ましい。
【0015】
そのためには、スライドガラス標本を撮像する装置において、病院等で管理されているスライドホルダ単位で、スライドホルダ内のスライドガラス標本の配列状態を確認しながら、個々のスライドガラス標本の撮像条件を設定し、撮像した個々のスライドガラス標本の画像を観察できることが望まれるが、従来、そのような装置は存在しなかった。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、汎用されているスライドホルダ単位で、スライドホルダ内のスライドガラス標本の配列状態を確認しながら、個々のスライドガラス標本の撮像条件を設定し、撮像した個々のスライドガラス標本の画像を観察する等の情報管理を効率的に行うことの可能な顕微鏡画像撮影装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明による顕微鏡画像撮像装置は、スライドガラス標本を撮像する顕微鏡画像撮影装置であって、複数のスライドガラス標本が配列されているスライドホルダの全体像を撮像するスライドホルダ撮像部と、スライドガラス標本の全体像を取得するスライドガラス標本マクロ取得部と、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を所定の撮像条件で撮像するスライドガラス標本ミクロ撮像部と、前記撮像条件を設定する為の撮像条件設定手段及び前記スライドガラス標本の全体像を表示する為の表示領域を前記スライドホルダ内のスライドガラス標本の配置に対応させて表示するスライドガラス標本情報管理画面を生成する撮像処理制御部と、を有することを特徴としている。
【0018】
また、本発明の顕微鏡画像撮像装置においては、前記撮像処理制御部は、前記スライドガラス標本ミクロ撮像部により撮像されたスライドガラス標本における標本領域のミクロ像を前記スライドガラス標本マクロ取得部で取得されたスライドガラス標本の全体像に対応させて表示するスライドガラス標本情報管理画面を生成するのが好ましい。
【0019】
また、本発明による顕微鏡画像撮像装置は、スライドガラス標本を撮像する顕微鏡画像撮影装置であって、スライドガラス標本が配列されているスライドホルダの全体像を撮像するスライドホルダ撮像部と、スライドガラス標本の全体像を取得するスライドガラス標本マクロ取得部と、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を所定の撮像条件で撮像するスライドガラス標本ミクロ撮像部と、スライドホルダ及びスライドガラス標本の撮像処理を制御する撮像処理制御部と、を有し、前記撮像処理制御部は、画面表示制御部と撮像制御部とを備え、前記画面表示制御部は、スライドガラス標本情報表示領域を、スライドホルダ内のスライドガラス標本に対応した配列で備えたスライドガラス標本情報管理画面と、スライドホルダの全体画像を表示するスライドホルダ全体画像表画面と、スライドガラス標本の標本領域におけるミクロ画像の表示を所望する部位を設定するための設定領域及び該設定領域に設定された部位のミクロ画像を拡大表示するための表示領域を備えたミクロ画像表示画面と、所定の撮像処理及び画面表示を指示する指示画面と、を生成し、前記撮像制御部は、前記指示画面中で撮像処理指示がされたときに、前記スライドホルダ撮像部を駆動して、スライドホルダの全体像を撮像させると共に、前記スライドガラス標本マクロ取得部を駆動して、スライドガラス標本の全体像を撮像させ、次いで、前記スライドガラス標本ミクロ撮像部を駆動して、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を撮像させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、汎用されているスライドホルダ単位で、スライドホルダ内のスライドガラス標本の配列状態を確認しながら、個々のスライドガラス標本の撮像条件を設定し、撮像した個々のスライドガラス標本の画像を観察する等の情報管理を効率的に行うことの可能な顕微鏡画像撮影装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態にかかる顕微鏡画像撮影装置の全体構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における搬送及び撮像装置の具体的な外観構成を示す斜視図である。
【図3】図2の装置を3方向からみた要部の説明図で、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。
【図4】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置に備わる多関節アームの先端部の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図5】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置に備わる紙製スライドホルダ把持部の一構成例の全体構成を示す斜視図である。
【図6】図5の例の紙製スライドホルダ把持部における紙製スライドホルダの把持状態を示す部分説明図で、(a)は紙製スライドホルダの保持を解除した状態を示す図、(b)は紙製スライドホルダを保持した状態を示す図である。
【図7】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置が紙製スライドホルダを搬送する様子を示す部分説明図である。
【図8】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置に備わる木製スライドホルダ把持部の一構成例を示す説明図で、(a)は下方からみた斜視図、(b)は上方からみた斜視図である。
【図9】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置が木製スライドホルダを搬送する様子を示す部分説明図である。
【図10】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるマクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置に備わるスライドガラス標本把持部の一構成例を示す斜視図である。
【図11】図10の例のスライドガラス標本把持部が多関節アームの先端部に取り付けられた状態を示す説明図である。
【図12】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるマクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置に備わる多関節アームの先端部に取り付けられた図10の例のスライドガラス標本把持部にスライドガラス標本が把持されて搬送される様子を示す部分説明図である。
【図13】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わるスライドガラス標本情報管理画面及び指示画面の構成を示す説明図である。
【図14】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わるスライドホルダ全体画像表示画面の構成を示す説明図である。
【図15】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わる撮像条件設定画面の構成を示す説明図である。
【図16】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わるミクロ画像表示画面の構成を示す説明図である。
【図17】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わる進行状況表示画面の構成を示す説明図である。
【図18】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置を用いたスライドガラス標本の撮像手順を示すフローチャートである。
【図19】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ及びスライドガラス標本の搬送に関係する各部材の位置関係を概略的に示すブロック図である。
【図20】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドガラス標本マクロ撮像装置により撮像されたスライドガラス標本の全体画像、スライドガラス標本識別情報検出装置により検出されたスライドガラス標本の識別情報のスライドガラス標本情報管理画面内での表示状態の一例を示す説明図である。
【図21】本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドガラス標本ミクロ撮像装置によりミクロ画像が撮像された後のスライドガラス標本情報管理画面内でのスライドガラス標本の全体画像の表示状態の一例を示す説明図である。
【図22】本実施形態の変形例の顕微鏡画像撮像装置を用いたスライドガラス標本の撮像手順を示すフローチャートである。
【図23】従来のスライドローダーを用いた顕微鏡画像撮像装置に用いられる専用のカートリッジの一例を示す説明図である。
【図24】一般に用いられている紙製スライドホルダを示す説明図である。
【図25】一般に用いられている木製スライドホルダを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の顕微鏡画像撮影装置のように、複数のスライドガラス標本が配列されているスライドホルダの全体像を撮像するスライドホルダ撮像部と、スライドガラス標本の全体像を取得するスライドガラス標本マクロ取得部と、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を所定の撮像条件で撮像するスライドガラス標本ミクロ撮像部と、前記撮像条件を設定する為の撮像条件設定手段及び前記スライドガラス標本の全体像を表示する為の表示領域を前記スライドホルダ内のスライドガラス標本の配置に対応させて表示するスライドガラス標本情報管理画面を生成する撮像処理制御部とを有して、スライドホルダの全体像の撮像、スライドガラス標本の全体像の取得、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像の撮像、撮像されたスライドホルダの全体画像の表示、取得されたスライドガラス標本の全体画像の表示又は撮像されたスライドガラス標本における標本領域のミクロ画像の表示をすることができるようにすれば、病院内で管理されているスライドホルダ単位で、画面上で、スライドホルダ内のスライドガラス標本の配列状態を確認しながら、個々のスライドガラス標本の撮像条件の設定や、撮像した個々のスライドガラス標本の画像情報等の確認ができ、スライドガラス標本の取り違えによる誤撮影を防止するとともに、スライドガラス標本の情報管理を効率的に行うことができる。
【0023】
装置全体の概略構成
図1は本発明の一実施形態にかかる顕微鏡画像撮影装置の全体構成を概念的に示すブロック図である。図2は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における搬送及び撮像装置の具体的な外観構成を示す斜視図である。図3は図2の装置を3方向からみた要部の説明図で、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。なお、図2及び図3中、1(1’)はスライドホルダ、2はスライドガラス標本である。
本実施形態の顕微鏡画像撮影装置は、図1に示すように、スライドホルダ撮像部10と、スライドガラス標本マクロ取得部20と、スライドガラス標本ミクロ撮像部30と、撮像処理制御部40を有する。なお、スライドガラス標本マクロ取得部20は、本実施例の通りCCDなどの撮像手段をスライドガラス標本ミクロ撮像部30とは別に備えてもよいが、スライドガラス標本ミクロ撮像部30における撮像手段を併用し、撮像光学系に備えられた対物レンズの倍率を変更する構成としてもよい。
【0024】
スライドホルダ撮像部の概略構成
スライドホルダ撮像部10は、スライドホルダ搬送装置11と、スライドホルダ撮像装置12とで構成されている。
スライドホルダ撮像装置12は、スライドガラス標本2が配列されているスライドホルダ1の全体像を撮像することができるように構成されている。
【0025】
スライドホルダ搬送装置11は、所定の準備位置P1に載置されているスライドホルダ1をスライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に搬送する第1の搬送動作と、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に位置するスライドホルダ1を所定の準備位置に戻す第6の搬送動作とを行なうことができるように構成されている。
【0026】
より詳しくは、スライドホルダ搬送装置11は、図2に示すように、例えば、3次元方向に移動可能な多関節アーム11aと、スライドホルダ把持部11bを有して構成されている。
多関節アーム11aは、例えば、パラレルリンクロボット等、公知の多関節ロボットのアームで構成されている。多関節アーム11aは、上方から下方へ向けて設けられている。また、多関節アーム11aの先端部11a1は、スライドホルダ把持部11bを着脱可能に構成されている。
スライドホルダ把持部11bは、スライドホルダ1を上方から把持及び把持解除可能に構成されている。また、スライドホルダ把持部11bは、一般に用いられているスライドホルダ1のタイプ別(紙製スライドホルダ、木製スライドホルダ)に複数種類備えられている。
【0027】
なお、ここでは、説明の便宜上、紙製スライドホルダ、木製スライドホルダは、図24、図25で示した、夫々スライドガラス標本を20枚収納できるものが用いられるものとし、スライドホルダ把持部11bも、それらに対応して設計されたものが備えられているものとする。
【0028】
多関節アームの先端部の構成例
図4は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置に備わる多関節アームの先端部の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
多関節アーム11aの先端部11a1は、図4に示すように、吸着部11a11を有している。吸着部11a11は、磁気又は空気を介した吸着及び吸着解除可能に構成されている。
【0029】
紙製スライドホルダ把持部の構成
図5は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置に備わる紙製スライドホルダ把持部の一構成例の全体構成を示す斜視図である。図6は図5の例の紙製スライドホルダ把持部における紙製スライドホルダの把持状態を示す部分説明図で、(a)は紙製スライドホルダの保持を解除した状態を示す図、(b)は紙製スライドホルダを保持した状態を示す図である。図7は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置が紙製スライドホルダを搬送する様子を示す部分説明図である。
【0030】
図5の例の紙製スライドホルダ把持部11bは、例えば、図7に示す紙製スライドホルダ1に対する長手方向に沿う両側面からの挟み込み及び挟み込み解除可能に構成された紙製スライドホルダ把持機構11b1と、当接片11b2と、第1の被吸着溝11b3を有している。
【0031】
紙製スライドホルダ把持機構11b1は、細長の板状部11b11と、一対のフック状部材11b12と、一対の貫通穴11b13と、一対の棒状部材11b14と、一対の空気注入・排出部11b15を有して構成されている。
一対のフック状部材11b12は、板状部11b11の両端に該板状部の短手方向に沿って設けられた軸Oを中心として回動可能に夫々取り付けられている。
一対の貫通穴11b13は、夫々のフック状部材11b12の一端に夫々設けられている。
一対の棒状部材11b14は、板状部11b1の長手方向に沿って夫々設けられている。また、一対の棒状部材11b14は、夫々、夫々のフック状部材11b12に設けられた夫々の貫通穴11b13を遊嵌状態に貫通するとともに、夫々のフック状部材11b12における夫々の貫通穴11b13の周囲の内側面を押圧可能な内側面押圧部11b141及び夫々のフック状部材11b12における夫々の貫通穴11b13の周囲の外側面を押圧可能な外側面押圧部11b142を有している。
一対の空気注入・排出部11b15は、空気圧を介して一対の棒状部材11b14を互いに離れる方向及び互いに近づく方向に付勢させることができるように構成されている。
なお、図5の例の紙製スライドホルダ把持機構11b1においては、これに加えて、さらに、一対の棒状部材11b14が互いに近づく方向に付勢させるバネ(図示省略)を備えてもよい。
【0032】
また、図5の例の紙製スライドホルダ把持機構11b1は、さらに、紙製スライドホルダ吸着部11b16を有している。
紙製スライドホルダ吸着部11b16は、紙製スライドホルダ1の上面中央のスライドガラス標本を外れた部位の吸着及び吸着解除可能に構成されている。
当接片11b2は、紙製スライドホルダ把持機構11b1に挟み込まれた紙製スライドホルダ1の上面中央のスライドガラス標本を外れた領域に当接可能に設けられている。
第1の被吸着溝11b3は、多関節アーム11aの吸着部11a11の先端を嵌入されて吸着及び吸着解除がされるように構成されている。
【0033】
紙製スライドホルダ把持部の動作
図5の例の紙製スライドホルダ把持部11bによる紙製スライドホルダ1の把持及び把持解除は、次のようにして行われる。
【0034】
紙製スライドホルダ1を把持する場合には、紙製スライドホルダ把持機構11b1による紙製スライドホルダ1に対する長手方向に沿う両側面からの挟み込みが可能な位置において、まず、紙製スライドホルダ吸着部11b16が、紙製スライドホルダ1を吸着する。すると、紙製スライドホルダ1の本体部1aが、長手方向に沿って裏側に折り畳まれているカバー部1bとともに浮き上がる。次いで、一対の空気注入・排出部11b15を介して空気を注入する。すると、一対の棒状部材11b14が、互いに離れる方向に付勢されて移動し、夫々の内側面押圧部11b141が、夫々のフック状部材11b12の内側面を押圧する。すると、一対のフック状部材11b12が、軸Oを中心として閉じ方向に回転し、紙製スライドホルダ把持機構11b1は、紙製スライドホルダ1を長手方向に沿う両側面から挟み込む。また、このとき、当接片11b2が、紙製スライドホルダ把持機構11b1に挟み込まれた紙製スライドホルダ1の上面中央のスライドガラス標本を外れた領域に当接する。これにより、紙製スライドホルダ把持部11bの紙製スライドホルダ1に対する把持が完了する。
【0035】
紙製スライドホルダ1の把持を解除する場合には、紙製スライドホルダ把持機構11b1による紙製スライドホルダ1に対する長手方向に沿う両側面からの挟み込み解除が可能な位置において、まず、一対の空気注入・排出部11b15を介して空気を抜く。すると、一対の棒状部材11b14が、互いに近づく方向に付勢されて移動し、夫々の外側面押圧部11b142が、夫々のフック状部材11b12の外側面を押圧する。すると、一対のフック状部材11b12が、軸Oを中心として開き方向に回転し、紙製スライドホルダ把持機構11b1は、紙製スライドホルダ1に対する長手方向に沿う両側面からの挟み込みを解除する。次いで、紙製スライドホルダ吸着部11b16が、紙製スライドホルダ1の吸着を解除する。すると、紙製スライドホルダ1の本体部1aが、長手方向に沿って裏側に折り畳まれているカバー部1bとともに下方に沈む。これにより、紙製スライドホルダ把持部11bの紙製スライドホルダ1に対する把持の解除が完了する。
【0036】
その他、図5の例の紙製スライドホルダ把持部11bは、把持状態検出センサ11b4を有している。
把持状態検出センサ11b4は、紙製スライドホルダ1が紙製スライドホルダ把持機構11b1に把持された状態のときに、その先端部11b41が紙製スライドホルダ1と当接するように設けられていている。そして、先端部11b41への押圧力等を計測することで、紙製スライドホルダ1に対する把持の有無、及び紙製スライドホルダ1の把持状態を検出可能に構成されている。
【0037】
木製スライドホルダ把持部の構成
図8は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置に備わる木製スライドホルダ把持部の一構成例を示す説明図で、(a)は下方からみた斜視図、(b)は上方からみた斜視図である。図9は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ搬送装置が木製スライドホルダを搬送する様子を示す部分説明図である。なお、図9中、1’は木製スライドホルダである。
【0038】
図8の例の木製スライドホルダ把持部11b’は、木製スライドホルダ把持機構11b1’と、第2の被吸着溝11b2’を有している。
【0039】
木製スライドホルダ把持機構11b1’は、円柱部材11b11’と、断面がT字状の溝11b12’と、断面がT字状の嵌合部材11b13’と、木枠当接部11b14’と、通路11b15’と、空気注入・排出部11b16’を有して構成されている。
断面がT字状の溝11b12’は、円柱部材11b11’の上端部に円柱部材11b11’の円の半径方向に沿って対称に4つ設けられている。
断面がT字状の嵌合部材11b13’は、夫々の断面がT字状の溝11b12’の内部を所定量移動可能に夫々嵌め込まれている。
木枠当接部11b14’は、例えば、ゴムなどの弾性を有する部材を用いて構成され、夫々の断面がT字状の嵌合部材11b13’における円柱部材11b11’の円の中心側端部に夫々設けられている。
通路11b15’は、円柱部材の11b11’内部に設けられていて円柱部材11b11’の円の中心側から夫々の断面がT字状の溝11b12’に連通している。
空気注入・排出部11b16’は、通路11b15’内への空気の注入及び排出可能に設けられ、空気圧を介して夫々の嵌合部材11b13’を互いに離れる方向及び互いに近づく方向に付勢させることができるように構成されている。
これに加えて、さらに、夫々の断面がT字状の嵌合部材11b13’が互いに近づく方向に付勢させるバネ(図示省略)を備えてもよい。
第2の被吸着溝11b2’は、多関節アーム11aの吸着部11a11の先端を嵌入されて吸着及び吸着解除がされるように構成されている。
【0040】
木製スライドホルダ把持機構の動作
図8の例の木製スライドホルダ把持部11b’による木製スライドホルダ1’の把持及び把持解除は、次のようにして行われる。
【0041】
木製スライドホルダ1’を把持する場合には、木製スライドホルダ把持機構11b1’による木製スライドホルダ1’の中央部における十文字状リブ部分1b1’(即ち、図25に示す格子状の木枠部1b’における中央位置で十文字状に交差している部位)に対する四方向からの挟む込みが可能な位置において、まず、空気注入・排出部11b16’が、通路11b15’内から空気を抜く。すると、夫々の断面がT字状の嵌合部材11b13’が、互いに近づく方向に付勢されて、夫々の断面が、T字状の溝11b12’内を移動し、夫々の木枠当接部11b14’は、木製スライドホルダ1’の中央部における十文字状リブ部分1b1’を四方向から挟み込む。これにより、木製スライドホルダ把持部11b’の木製スライドホルダ1’に対する把持が完了する。
【0042】
木製スライドホルダ1’の把持を解除する場合には、木製スライドホルダ把持機構11b1’による木製スライドホルダ1’の中央部における十文字状リブ部分1b1’に対する四方向からの挟む込み解除が可能な位置において、まず、空気注入・排出部11b16’を介して通路11b15’内に空気を注入する。すると、夫々の断面がT字状の嵌合部材11b13’が、互いに離れる方向に付勢されて、夫々の断面が、T字状の溝11b12’内を移動し、夫々の木枠当接部11b14’は、木製スライドホルダ1’の中央部における十文字状リブ部分1b1’に対する四方向からの挟み込みを解除する。これにより、木製スライドホルダ把持部11b’の木製スライドホルダ1’に対する把持の解除が完了する。
【0043】
その他、図8の例の木製スライドホルダ把持部11b’は、把持状態検出センサ11b3’を有している。
把持状態検出センサ11b3’は、木製スライドホルダ1’が木製スライドホルダ把持機構11b1’に把持された状態のときに、その先端部11b31’が木製スライドホルダ1’と当接するように設けられていている。そして、先端部11b31’への押圧力等を計測することで、木製スライドホルダ1’に対する把持の有無、及び木製スライドホルダ1’の把持状態を検出可能に構成されている。
【0044】
スライドガラス標本マクロ取得部の概略構成
スライドガラス標本マクロ取得部20は、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21と、スライドガラス標本マクロ撮像装置22とで構成されている。
スライドガラス標本マクロ撮像装置22は、スライドガラス標本の全体像を撮像することができるように構成されている。
マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21は、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置に位置するスライドホルダから所定のスライドガラス標本を取り出して、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に搬送する第2の搬送動作とスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に位置するスライドガラス標本をスライドホルダ撮像装置12の撮像位置に位置するスライドホルダにおける元の位置に戻す第5の搬送動作とを行なうことができるように構成されている。
【0045】
より詳しくは、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21は、図2に示した多関節アーム11aと、図10に示す後述のスライドガラス標本把持部21aを少なくとも有して構成されている。なお、上述の通り、スライドガラス標本マクロ取得部20は、本実施例の通りCCDなどの撮像手段をスライドガラス標本ミクロ撮像部30とは別に備えてもよいが、スライドガラス標本ミクロ撮像部30における撮像手段を併用し、撮像光学系に備えられた対物レンズの倍率を変更する構成としてもよい。この場合、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21と、スライドガラス標本マクロ撮像装置22は省略することができる。
【0046】
スライドガラス標本把持部の構成
図10は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるマクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置に備わるスライドガラス標本把持部の一構成例を示す斜視図である。図11は図10の例のスライドガラス標本把持部が多関節アームの先端部に取り付けられた状態を示す説明図である。図12は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるマクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置に備わる多関節アームの先端部に取り付けられた図10の例のスライドガラス標本把持部にスライドガラス標本が把持されて搬送される様子を示す部分説明図である。なお、図10中、2はスライドガラス標本、2aはスライドガラス標本における標本領域(カバーガラスが被されている領域)、2bはスライドガラス標本に貼り付けられたバーコード等の識別子である。
【0047】
図10の例のスライドガラス標本把持部21aは、スライドガラス標本吸着部21a1と、第3の被吸着溝21a2を有している。
スライドガラス標本吸着部21a1は、スライドガラス標本2における標本領域2aを外れた所定部位の吸着及び吸着解除可能に構成されている。
第3の被吸着溝21a2は、図11に示すように、多関節アーム11aの吸着部11a11の先端を嵌入されて吸着及び吸着解除がされるように構成されている。
【0048】
その他、図10の例のスライドガラス標本把持部21aは、スライドガラス標本把持位置検出センサ21a3を有している。
スライドガラス標本把持位置検出センサ21a3は、ファイバセンサ等からなり、例えば、スライドガラス標本2に貼付された識別子2bを検出することで、スライドガラス標本2におけるスライドガラス標本吸着部21a1の吸着位置として、スライドガラス標本2における標本領域2aを外れた所定部位を検出可能に構成されている。
【0049】
このように、多関節アーム11aの先端部11a1は、複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’及びスライドガラス標本把持部21aの夫々を、上方から自動的に着脱可能に構成されている。
なお、複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’及びスライドガラス標本把持部21aは、多関節アーム11aの先端部11a1に取り付けられていないときは、例えば、図2、図3(c)、図7、図9、図12に示す所定の退避位置P0に配置されるようになっている。
【0050】
スライドガラス標本ミクロ撮像部の概略構成
スライドガラス標本ミクロ撮像部30は、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31と、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32とで構成されている。
スライドガラス標本ミクロ撮像装置32は、いわゆるバーチャルスライド顕微鏡撮像装置からなり、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を、後述の画面表示制御部41を介して設定された所定の撮像条件(撮像倍率、検鏡法)でもって、撮像対象領域を小区画に分割し、分割した夫々の小区画の領域を高解像度に撮像することができるように構成されている。
ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31は、例えば、公知のXYZステージ(図示省略)を有し、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に位置するスライドガラス標本をスライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置に搬送する第3の搬送動作とスライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置に位置するスライドガラス標本をスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に搬送する第4の搬送動作とを行なうことができるように構成されている。
【0051】
撮像処理制御部の概略構成
撮像処理制御部40は、図1に示すように、画面表示制御部41と、撮像制御部42を有している。
【0052】
画面表示制御部の構成
画面表示制御部41は、撮像処理制御部40に接続されるディスプレイ上への表示の為のスライドガラス標本情報管理画面41a、スライドホルダ全体画像表示画面41b、撮像条件設定画面41c、ミクロ画像表示画面41d、所定の撮像処理及び画面表示を指示する指示画面41e、進行状況表示画面41fなどを生成する。
【0053】
スライドガラス標本情報管理画面の構成
図13は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わるスライドガラス標本情報管理画面及び指示画面の構成を示す説明図である。
スライドガラス標本情報管理画面41aは、図13に示すように、スライドガラス標本情報表示領域41a1−n(但し、nは1から当該スライドホルダに配列可能な最大数までの自然数)を、スライドホルダ内のスライドガラス標本に対応した配列で備えている。
スライドガラス標本情報表示領域41a1−nは、スライドホルダ内のスライドガラス標本についてのミクロ像の撮像条件(撮像倍率、検鏡法)の表示領域41a1a−nと、スライドガラス標本の全体画像を表示するための表示領域41a1b−nと、撮像条件設定画面表示タブ41a1c−nと、ミクロ画像表示画面切替えタブ41a1d−nを有している。また、スライドガラス標本情報表示領域41a1−nは、さらに、スライドガラス標本の識別情報を表示するための表示領域41a1e−nを有している。なお、図13中、41a1f−nは、スライドホルダにおけるスライドガラス標本の配列番号を表示するための表示領域である。
【0054】
撮像条件設定画面表示タブ41a1c−nは、クリックすることで図15に示す撮像条件設定画面41cを表示させることができるように構成されている。
なお、図13の例では、表示領域41a1f−n又は表示領域41a1a−nが、撮像条件設定画面表示タブ41a1c−nとしての機能を兼ねている。従って、表示領域41a1f−n又は表示領域41a1a−n及び撮像条件設定画面表示タブ41a1c−nのいずれか一方又は双方を撮像条件設定手段とすることができる。
【0055】
ミクロ画像表示画面切替えタブ41a1d−nは、クリックすることでミクロ画像表示画面41dへ切替え表示させることができるように構成されている。
なお、図13の例では、表示領域41a1b−nが、ミクロ画像表示画面切替えタブ41a1d−nとしての機能を兼ねている。
また、図13の例では、表示領域41a1b−nは、スライドガラス標本の全体像が撮像されたときに、スライドガラス標本の全体画像を表示し、標本領域のミクロ像が撮像された後には、スライドガラス標本における標本領域の全体画像を表示するように、スライドガラス標本に対する撮像処理の段階に応じて表示画像を切替える機能も備えている。
【0056】
スライドホルダ全体画像表示画面の構成
図14は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わるスライドホルダ全体画像表示画面の構成を示す説明図である。
スライドホルダ全体画像表示画面41bは、図14に示すように、スライドホルダの全体画像を表示するための表示領域41b1を備えている。なお、図14の例においては、表示領域41b1には、スライドガラス標本が配列された紙製スライドホルダの全体画像が表示されている。
【0057】
撮像条件設定画面の構成
図15は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わる撮像条件設定画面の構成を示す説明図である。
撮像条件設定画面41cは、図15に示すように、所定のスライドガラス標本についてのミクロ像の撮像条件(撮像倍率及び検鏡法)を設定するための設定領域41c1を備えている。なお、図15中、41c2は、設定対象となっているスライドガラス標本の配列番号を表示するための表示領域である。
設定領域41c1は、撮像倍率設定領域41c1aと、検鏡法設定領域41c1bと、指示ボタン41c1cを有している。
図15の例では、撮像倍率設定領域41c1aは、20倍、40倍のいずれかの倍率を選択することのできる選択ボタン41c1a1,41c1a2を備えている。また、検鏡法設定領域41c1bは、明視野観察、蛍光観察のいずれかを選択することのできる選択ボタン41c1b1,41c1b2を備えている。
指示ボタン41c1cは、設定ボタン41c1c1と、設定取消ボタン41c1c2と、全設定ボタン41c1c3を有している。
設定ボタン41c1c1は、クリックすることで、表示領域41c2に表示されている配列番号のスライドガラス標本の撮像条件として、撮像倍率設定領域41c1a及び検鏡法設定領域41c1bに設定されている内容を図示しない記憶領域に取り込む。設定取消ボタン41c1c2は、クリックすることで、撮像倍率設定領域41c1a及び検鏡法設定領域41c1bに設定されている内容を初期化する。全設定ボタン41c1c3は、クリックすることで、表示領域41c2に表示されている配列番号以降の当該スライドホルダ内の全てのスライドガラス標本の撮像条件として、撮像倍率設定領域41c1a及び検鏡法設定領域41c1bに設定されている内容を図示しない記憶領域に取り込む。
【0058】
ミクロ画像表示画面の構成
図16は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わるミクロ画像表示画面の構成を示す説明図である。
ミクロ画像表示画面41dは、図16に示すように、スライドガラス標本の標本領域におけるミクロ画像の表示を所望する部位を設定するための設定領域41d1と、設定領域41d1に設定された部位のミクロ画像を拡大表示するための表示領域41d2とを備えている。
【0059】
指示画面の構成
指示画面41eは、例えば、図13に示すように、第1の撮像処理指示ボタン41e1と、スライドホルダ全体画像表示画面切替えタブ41e2と、第2の撮像処理指示ボタン41e3と、進行状況表示画面切替えタブ41e4と、スライドガラス標本情報管理画面切替えタブ41e5と、スライドホルダのタイプ(木製スライドホルダ又は紙製スライドホルダ)を選択するための選択領域41e6を有している。
第1の撮像処理指示ボタン41e1は、クリックすることでスライドホルダの全体像の撮像を指示可能に構成されている。
スライドホルダ全体画像表示画面切替えタブ41e2は、クリックすることで図14に示すスライドホルダ全体画像表示画面41bへの切替え表示を指示可能に構成されている。
第2の撮像処理指示ボタン41e3は、クリックすることで所望のスライドホルダに配列されている全てのスライドガラス標本の全体像及び標本領域のミクロ像の撮像を指示可能に構成されている。
進行状況表示画面切替えタブ41e4は、クリックすることで図17に示す進行状況表示画面41fへ切替え表示させることができるように構成されている。
スライドガラス標本情報管理画面切替えタブ41e5は、クリックすることで図13に示すスライドガラス標本情報管理画面41aへ切替え表示させることができるように構成されている。
【0060】
その他、図13の例では、指示画面41eは、更新指示ボタン41e7、第1の撮像処理中断指示ボタン41e8、第2の撮像処理中断指示ボタン41e9を有している。
更新指示ボタン41e7は、クリックすることでスライドホルダの全体像の撮像のやり直しを指示可能に構成されている。
第1の撮像処理中断指示ボタン41e8は、クリックすることでスライドホルダの全体像の撮像処理の中断を指示可能に構成されている。
第2の撮像処理中断指示ボタン41e9は、クリックすることで所望のスライドホルダに配列されている全てのスライドガラス標本の全体像及び標本領域のミクロ像の撮像の中断を指示可能に構成されている。
【0061】
進行状況表示画面の構成
図17は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置における画面表示制御部に備わる進行状況表示画面の構成を示す説明図である。
進行状況表示画面41fは、図17に示すように、スライドホルダ及びスライドガラス標本の撮像処理の進行状況を示すための所定の表示領域を備えている。
詳しくは、進行状況表示画面41fは、スライドホルダ準備位置での進行状況表示部41f1と、スライドホルダ撮像位置での進行状況表示部41f2と、後述の回転台21bの位置での進行状況表示部41f3と、スライドガラス標本マクロ撮像位置での進行状況表示部41f4と、スライドガラス標本ミクロ撮像位置での進行状況表示部41f5を有している。
【0062】
スライドホルダ準備位置での進行状況表示部41f1は、準備位置でのスライドホルダの載置状況を、例えば、色等、所定の識別子を介して表示可能に構成されている。
ここでは、スライドホルダ準備位置での進行状況表示部41f1は、スライドホルダ番号表示領域41f11と、スライドホルダ載置状態表示領域41f12を有している。
スライドホルダ番号表示領域41f11は、後述のスライドホルダカウント装置51によってカウントされた準備位置でのスライドホルダの枚数分の番号を最上部に位置するスライドホルダを1番とする続き番号で表示する。スライドホルダ載置状態表示領域41f12は、夫々の番号のスライドホルダの現在の準備位置での有無(存在又は不存在)を色で表示する。
【0063】
スライドホルダ撮像位置での進行状況表示部41f2は、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置でのスライドホルダの搬送状況及び当該スライドホルダ内におけるスライドガラス標本の処理状況を、例えば、色等、所定の識別子を介して表示可能に構成されている。
ここでは、スライドホルダ撮像位置での進行状況表示部41f2は、表示領域41f21と、表示領域41f22を有している。
表示領域41f21は、スライドホルダ番号表示領域41f21aと、スライドホルダ載置状態表示領域41f21bを有している。
スライドホルダ番号表示領域41f21aは、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置に搬送されたスライドホルダの枚数分の番号を最下部に位置するスライドホルダを1番とする続き番号で表示する。スライドホルダ載置状態表示領域41f21bは、当該番号のスライドホルダの現在のスライドホルダ撮像装置12の撮像位置での有無(存在又は不存在)を色で表示する。
表示領域41f22は、スライドガラス標本番号表示領域41f22aと、スライドガラス標本処理状態表示領域41f22bを有している。
スライドガラス標本番号表示領域41f22aは、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置に搬送されたスライドホルダ内に配列されるスライドガラス標本の枚数分の番号を、図13の表示領域41a1f−nと同様、スライドホルダ内のスライドガラス標本に対応した配列の続き番号で表示する。
スライドガラス標本処理状態表示領域41f22bは、夫々の番号のスライドガラス標本の現在の処理状況等(撮像処理中、撮像処理終了、存在又は不存在)を色で表示する。
【0064】
回転台21bの位置での進行状況表示部41f3は、回転台21bの位置でのスライドガラス標本の搬送状況を、例えば、色等、所定の識別子を介して表示可能に構成されている。
ここでは、回転台21bの位置での進行状況表示部41f3は、スライドガラス標本番号表示領域41f31と、スライドガラス標本処理状態表示領域41f32を有している。
スライドガラス標本番号表示領域41f31は、現在、撮像処理対象となっているスライドガラス標本の番号を表示する。
スライドガラス標本処理状態表示領域41f32は、回転台21bの位置でのスライドガラス標本の有無(存在又は不存在)を色で表示する。
【0065】
スライドガラス標本マクロ撮像位置での進行状況表示部41f4は、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置でのスライドガラス標本の搬送状況を、例えば、色等、所定の識別子を介して表示するとともに、スライドガラス標本の識別情報を表示するように構成されている。
ここでは、スライドガラス標本マクロ撮像位置での進行状況表示部41f4は、スライドガラス標本番号表示領域41f41と、スライドガラス標本処理状態表示領域41f42と、スライドガラス標本識別情報表示領域41f43を有している。
スライドガラス標本番号表示領域41f41は、現在、撮像処理対象となっているスライドガラス標本の番号を表示する。
スライドガラス標本処理状態表示領域41f42は、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置でのスライドガラス標本の有無(存在又は不存在)を色で表示する。
スライドガラス標本識別情報表示領域41f43は、スライドガラス標本がスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に搬送されている場合において、スライドガラス標本識別情報検出装置52が検出したスライドガラス標本の識別情報を表示する。
【0066】
スライドガラス標本ミクロ撮像位置での進行状況表示部41f5は、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置に搬送されているスライドガラス標本の有無を例えば、色等、所定の識別子を介して表示するとともに、スライドガラス標本の識別情報を表示するように構成されている。
ここでは、スライドガラス標本ミクロ撮像位置での進行状況表示部41f5は、スライドガラス標本番号表示領域41f51と、スライドガラス標本処理状態表示領域41f52と、スライドガラス標本識別情報表示領域41f53を有している。
スライドガラス標本番号表示領域41f51は、現在、撮像処理対象となっているスライドガラス標本の番号を表示する。
スライドガラス標本処理状態表示領域41f52は、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置でのスライドガラス標本の有無(存在又は不存在)を色で表示する。
スライドガラス標本識別情報表示領域41f53は、スライドガラス標本がスライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置に搬送されている場合において、スライドガラス標本識別情報検出装置52が検出したスライドガラス標本の識別情報を表示する。
【0067】
なお、スライドホルダ載置状態表示領域41f12,41f21b、スライドガラス標本処理状態表示領域41f22b,41f32,41f42,41f52は、当該スライドホルダ又は当該スライドガラス標本の搬送及び撮像処理中にエラーが発生した場合、当該表示領域に、エラーの警告を色で表示するように構成されている。
【0068】
撮像制御部の構成
撮像制御部42は、パーソナルコンピュータの中央処理演算装置等で構成されており、初期表示制御部42aと、第1の撮像駆動制御部42bと、第2の撮像駆動制御部42cを有している。
【0069】
初期表示制御部42aは、スライドガラス標本情報管理画面41aを指示画面41eとともに初期表示させる機能を備えている。
第1の撮像駆動制御部42bは、第1の撮像処理指示ボタン41e1がクリックされたときに、スライドホルダ撮像用駆動制御を、全てのスライドホルダに対して順に行なう機能を備えている。
スライドホルダ撮像用駆動制御は、次のような制御である。スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第1の搬送動作を行なわせ、次いで、スライドホルダ撮像装置12を駆動して、スライドホルダの全体像を撮像させる。
【0070】
第2の撮像駆動制御部42cは、第2の撮像処理指示ボタン41e3がクリックされたときに、スライドガラス標本撮像用駆動制御からスライドホルダ交換用駆動制御を、一枚のスライドホルダに対して行なう機能を備えている。
スライドガラス標本撮像用駆動制御は、次のような制御である。マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第2の搬送動作を行なわせる。次いで、スライドガラス標本マクロ撮像装置22を駆動して、スライドガラス標本の全体像を撮像させる。次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を駆動して、第3の搬送動作を行なわせる。次いで、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32を駆動して、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を撮像させる。次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を駆動して、第4の搬送動作を行なわせる。次いで、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第5の搬送動作を行なわせる。このスライドガラス標本撮像用駆動制御は、スライドホルダ内に配列されている全てのスライドガラス標本に対して順に行なう。
また、スライドホルダ交換用駆動制御は、スライドホルダ内に配列されている全てのスライドガラス標本に対するスライドガラス標本撮像用駆動制御が完了後に、スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第6の搬送動作を行なわせる制御である。
【0071】
撮像制御部のその他の構成
なお、本実施形態の顕微鏡画像撮影装置では、撮像制御部42は、さらに、第3の撮像駆動制御部42dと、第4の撮像駆動制御部42eと、第5の撮像駆動制御部42fを有している。
第3の撮像駆動制御部42dは、更新指示ボタン41e7がクリックされたときに、スライドホルダ撮像用駆動制御を、全てのスライドホルダに対して順に行ない、その直前のスライドホルダ撮像用駆動制御により図示しない所定の記憶領域に記憶されているスライドホルダの全体画像を、スライドホルダ撮像装置12の駆動により撮像された最新のスライドホルダの全体画像に置き換える。
第4の撮像駆動制御部42eは、第1の撮像処理中断指示ボタン41e8がクリックされたときに、スライドホルダ撮像用駆動制御を中断するとともに、スライドホルダ撮像用駆動制御の中断時にスライドホルダ撮像装置12の撮像位置に搬送されている全てのスライドホルダを対象として、スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第6の搬送動作を行なわせる。
第5の撮像駆動制御部42fは、第2の撮像処理中断指示ボタン41e9がクリックされたときに、スライドガラス標本撮像用駆動制御を中断する。そして、スライドガラス標本撮像用駆動制御の中断時にスライドガラス標本ミクロ撮像部30を介して処理されているスライドガラス標本がある場合には、そのスライドガラス標本を対象として、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を駆動して、第4の搬送動作を行なわせ、次いで、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第5の搬送動作を行なわせる。あるいは、スライドガラス標本撮像用駆動制御の中断時にスライドガラス標本マクロ取得部20を介して処理されているスライドガラス標本がある場合には、そのスライドガラス標本を対象として、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第5の搬送動作を行なわせる。
【0072】
なお、撮像制御部42は、スライドホルダ撮像装置12、スライドガラス標本マクロ撮像装置22及びスライドガラス標本ミクロ撮像装置32の夫々で撮像された画像を記憶する所定の記憶領域に接続しており、その所定の記憶領域から夫々の撮像装置で撮像された画像を、画像入力表示装置41のスライドガラス標本情報管理画面41a、スライドホルダ全体画像表示画面41b及びミクロ画像表示画面41dにおける当該表示領域に表示させる機能を備えている。
また、第1の撮像駆動制御部42b、第2の撮像駆動制御部42cは、夫々、駆動時に、多関節アーム11aの先端部11a1に、選択領域41e6で選択されたスライドホルダのタイプに応じたスライドホルダ把持部11b(又は11b’)の着脱及びスライドガラス標本把持部21aの着脱を自動的に行わせる機能も備えている。
【0073】
その他の構成(回転台、スライドガラス標本配置方向検査部)
なお、本実施形態の顕微鏡画像撮影装置では、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21は、さらに、回転台21bと、スライドガラス標本配置方向検査部21cと、公知のXYZステージ(図示省略)を備えている。
回転台21bは、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置の手前に設けられている。スライドガラス標本配置方向検査部21cは、回転台21bの位置に搬送されたスライドガラス標本に対し、例えば、スライドガラス標本におけるバーコードの位置等を検出することで、所定の向きで配置されているか否かを判別するように構成されている。回転台21bは、スライドガラス標本配置方向検査部21cによる判別の結果、スライドガラス標本の配置方向が所定の向きとは逆である場合に回転して、スライドガラス標本の配置方向を所定の向きにするように構成されている。
公知のXYZステージ(図示省略)は、回転台21bの位置に搬送された、配置方向が所定の向きを向いているスライドガラス標本をスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に搬送可能に構成されている。
なお、上記構成の変形例として、回転台21bをスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に設け、公知のXYZステージを省略してもよい。
【0074】
なお、スライドガラス標本配置方向検査部21cを設ける代わりに、スライドガラス標本情報管理画面41aのスライドガラス標本情報表示領域41a1−n内に手動でスライドガラス標本の配置方向の変更を手動で指示するための指示領域を備え、配置方向の変更の指示のあったスライドガラス標本に対して、回転台21bが回転して、スライドガラス標本の配置を所定の向きにするようにしてもよい。この場合における、配置方向の変更を要するスライドガラス標本の判別は、操作者がスライドホルダ全体画像表示画面41bに表示されるスライドホルダの全体画像で確認することができる。
或いは、スライドガラス標本配置方向検査部21cを設ける代わりに、スライドホルダ撮像装置12で撮像されたスライドホルダの全体画像に対し画像解析を行って個々のスライドガラス標本の配置方向を自動的に検出・判別する装置を備え、回転台21bが、その装置の判別結果に応じて、必要に応じて回転し、スライドガラス標本の配置方向を所定の向きにするようにしてもよい。
【0075】
その他の構成(スライドホルダカウント装置、スライドガラス標本識別情報検出装置)
また、本実施形態の顕微鏡画像撮影装置は、さらに、スライドホルダカウント装置51と、スライドガラス標本識別情報検出装置52を有している。
スライドホルダカウント装置51は、所定の準備位置に載置されているスライドホルダの枚数を、例えば、重ねられたスライドホルダの厚みを検出することにより、自動的にカウント可能に構成されている。なお、本実施形態の顕微鏡画像撮影装置では、スライドホルダカウント装置51は、指示画面41eの選択領域41e6で選択されたタイプのスライドホルダ一枚の厚みを基準として、所定の準備位置に載置されているスライドホルダの枚数をカウントする。
なお、本実施形態の顕微鏡画像撮影装置において、スライドホルダの枚数は、例えば、画面入力等、手動により設定する構成であってもよい。
スライドガラス標本識別情報検出装置52は、例えば、バーコード読取装置等からなり、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置に搬送されたスライドガラス標本に貼付されているバーコードラベルを読み取ることで、スライドガラス標本の識別情報を検出可能に構成されている。
【0076】
また、画像入力表示装置41は、さらに、スライドホルダカウント装置によりカウントされたスライドホルダの枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)を有することができるように構成されている。
スライドホルダの枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)は、夫々、スライドガラス標本情報管理画面対応ホルダ切替えタブ41a2(m)を有している。
スライドガラス標本情報管理画面対応ホルダ切替えタブ41a2(m)は、クリックすることで当該スライドガラス標本情報管理画面41a(m)(但し、mは1以上の自然数)を最上面に表示させることができるように構成されている。
【0077】
また、初期表示制御部42aは、スライドホルダカウント装置51によりカウントされたスライドホルダの枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)を重ねた状態で初期表示させるように構成されている。
また、第2の撮像駆動制御部42cは、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21の駆動による第2の搬送動作から、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31の駆動による第3の搬送動作までの間に、スライドガラス標本マクロ撮像装置22を駆動してスライドガラス標本の全体像を撮像させるとともに、スライドガラス標本識別情報検出装置52を駆動してスライドガラス標本の識別情報を検出させるように構成されている。
【0078】
ところで、本実施形態の顕微鏡画像撮影装置は、上述したように、第1の撮像駆動制御部42bは、スライドホルダ撮像用駆動制御を、全てのスライドホルダに対して順に行なう機能を備えている。このため、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置には、スライドホルダが重なることになる。スライドホルダが重なると、重ねるスライドホルダごとに、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置における高さが異なるため、撮影領域と倍率が異なる。特に、最上段と最下段とでは顕著に異なってくる。そこで、スライドホルダの段数に応じて生じる撮影領域と倍率の変動を自動的に補正する補正手段を備えるのが好ましい。具体的には、例えば、スライドホルダ撮像装置12に備わる光学系全体がスライドホルダの段数に応じて、スライドホルダとの相対的な距離を保って移動する機構を備えるとよい。あるいは、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置にZステージを備え、スライドホルダの段数に応じて、スライドホルダとの相対的な距離を保って移動するようにZステージを制御してもよい。
【0079】
スライドガラス標本の撮像手順
このように構成された本実施形態の顕微鏡画像撮影装置を用いたスライドガラス標本の撮像は、次のような手順で行う。
図18は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置を用いたスライドガラス標本の撮像手順を示すフローチャートである。図19は本実施形態の顕微鏡画像撮影装置におけるスライドホルダ及びスライドガラス標本の搬送に関係する各部材の位置関係を概略的に示すブロック図である。
【0080】
ここでは、所定タイプのスライドホルダが、所定の準備位置P1に複数枚、重ねて載置されているものとする。
初期設定画面の表示(ステップS1)
装置の電源をONし、例えば、図示しない起動初期化画面において初期化処理を選択する。すると、撮像制御部42の初期表示制御部42aが、スライドホルダカウント装置51によりカウントされたスライドホルダの枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)を重ねた状態で初期表示する(ステップS1)。
【0081】
なお、本実施形態の顕微鏡画像撮影装置では、スライドガラス標本情報管理画面41a(m)の表示領域41a1a−n(m)には、所定の撮像条件(撮像倍率、検鏡法)がディフォルト表示されるようになっている。また、初期表示時にはスライドホルダカウント装置51は、ディフォルトのタイプのスライドホルダ一枚の厚みを基準として、所定の準備位置P1に載置されているスライドホルダの枚数をカウントするようになっている。操作者が、選択領域41e6におけるスライドホルダのタイプを選択すると、スライドホルダカウント装置51は、選択されたタイプのスライドホルダ一枚の厚みを基準として、所定の準備位置P1に載置されているスライドホルダの枚数をカウントする。そして、初期表示制御部42aが、スライドホルダカウント装置51によりカウントされたスライドホルダの枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)を重ねた状態で初期表示し直す。
【0082】
スライドホルダの全体像の撮像指示(ステップS2)
操作者は、スライドガラス標本情報管理画面対応ホルダ切替えタブ41a2(m)を介してスライドホルダの枚数を確認した後、第1の撮像処理指示ボタン41e1をクリックする(ステップS2)。
【0083】
スライドホルダの全体像の撮像処理(ステップS3〜S5)
第1の撮像処理指示ボタン41e1がクリックされると、撮像制御部42の第1の撮像駆動制御部42bがスライドホルダ撮像部10を駆動して、スライドホルダの全体像を撮像させるスライドホルダ撮像用駆動制御を全てのスライドホルダに対して順に行なう(ステップS3〜S5)。
【0084】
スライドホルダ撮像用駆動制御の詳細
スライドホルダ撮像用駆動制御により、スライドホルダ搬送装置11及びスライドホルダ撮像装置12は、次のように駆動させられる。
【0085】
まず、多関節アーム11aが、先端部11a1を、所定の退避位置P0に配置されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)のうち、選択領域41e6で選択したタイプのスライドホルダ把持部11b(又は11b’)の上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、先端部11a1に備わる吸着部11a11の先端を、下方に移動させながら第1の被吸着溝11b3(又は第2の被吸着溝11b2’)に嵌入させる。吸着部11a11は、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を吸着する。
【0086】
次いで、スライドホルダ搬送装置11及びスライドホルダ撮像装置12が、第1の搬送動作を行なう。詳しくは、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、所定の準備位置P1に載置されているスライドホルダの上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、下方に移動させ、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)が、スライドホルダを把持する。次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)に把持されたスライドホルダを、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2の上方に移動する。次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、下方に移動させ、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)が、スライドホルダの把持を解除する。これにより、スライドホルダ搬送装置11による第1の搬送動作が完了し、スライドホルダがスライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に載置される。
【0087】
次いで、スライドホルダ撮像装置12が、スライドホルダの全体像を撮像する。
【0088】
スライドガラス標本の撮像条件設定(ステップS6)
次いで、操作者は、スライドホルダ内のスライドガラス標本ごとの撮像条件を設定する(ステップS6)。
【0089】
撮像条件設定の詳細
詳しくは、図13に示すスライドガラス標本情報管理画面41aにおける夫々のスライドガラス標本情報表示領域41a1−nに対して、撮像条件設定画面表示タブ41a1c−n(図13の例では、表示領域41a1f−n又は表示領域41a1a−nが兼ねている)をクリックし、図15に示す撮像条件設定画面41cを表示させる。そして、撮像倍率設定領域41c1aにおいて倍率を選択し、検鏡法設定領域41c1bにおいて検鏡法を選択した後、設定ボタン41c1c1(配列番号以降の当該スライドホルダ内の全てのスライドガラス標本について同じ設定をするときは、全設定ボタン41c1c3)をクリックする。
【0090】
スライドホルダの全体画像の確認
なお、操作者は、スライドホルダ内のスライドガラス標本ごとの撮像条件の設定に際し、随時、撮像したスライドホルダの全体画像を確認できる。
詳しくは、スライドホルダ全体画像表示画面切替えタブ41e2をクリックする。スライドホルダ全体画像表示画面切替えタブ41e2がクリックされると、スライドホルダ全体画像表示画面41bが表示される。操作者は、表示領域41b1に表示されたスライドホルダの全体画像を観察し、スライドホルダに配列されている個々のスライドガラス標本の有無や配置方向等を点検・確認できる。
【0091】
スライドガラス標本のマクロ像及びミクロ像の撮像指示(ステップS7)
スライドホルダ内のスライドガラス標本ごとの撮像条件の設定が完了後、操作者は、第2の撮像処理指示ボタン41e3をクリックする(ステップS7)。
【0092】
スライドガラス標本のマクロ像及びミクロ像の撮像処理(ステップS8〜S13)
第2の撮像処理指示ボタン41e3がクリックされると、撮像制御部42の第2の撮像駆動制御部42cがスライドガラス標本マクロ取得部20、スライドガラス標本ミクロ撮像部30及びスライドホルダ撮像部10を駆動して、スライドガラス標本撮像用駆動制御からスライドホルダ交換用駆動制御を、一枚のスライドホルダに対して行なう(ステップS8〜S13)。
【0093】
スライドガラス標本撮像用駆動制御の詳細
スライドガラス標本撮像用駆動制御により、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21、スライドガラス標本マクロ撮像装置22、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31及びスライドガラス標本ミクロ撮像装置32は、次のように駆動させられる。
【0094】
まず、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、所定の退避位置P0の上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、下方に移動させて所定の退避位置P0に配置した後に、先端部11a1に備わる吸着部11a11のスライドホルダ把持部11b(又は11b’)との吸着を解除する。次いで、多関節アーム11aが、先端部を上方に移動させ、先端部11a1に備わる吸着部11a11の先端を、第1の被吸着溝11b3(又は第2の被吸着溝11b2’)から引き抜く。
次いで、多関節アーム11aが、先端部11a1を、所定の退避位置P0に配置されているスライドガラス標本把持部21aの上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、先端部11a1に備わる吸着部11a11の先端を、下方に移動させながら第3の被吸着溝21a2に嵌入させる。吸着部11a11は、スライドガラス標本把持部21aを吸着する。
【0095】
次いで、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21が、第2の搬送動作を行なう。詳しくは、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に載置されているスライドホルダにおけるその時点での処理対象となっているスライドガラス標本の上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、下方に移動させ、スライドガラス標本把持部21aが、スライドガラス標本を把持する。次いで、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aに把持されたスライドガラス標本を、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置P3の手前に設けられている回転台21bの上方に移動する。次いで、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、下方に移動させ、スライドガラス標本把持部21aが、スライドガラス標本の把持を解除する。これにより、スライドカラス標本が回転台21bの位置に搬送される。次いで、スライドガラス標本配置方向検査部21cが、スライドガラス標本に対し、所定の向きで配置されているか否かを判別する。スライドガラス標本配置方向検査部21cによる判別の結果、スライドガラス標本の配置方向が所定の向きとは逆である場合は、回転台21bが回転して、スライドガラス標本の配置方向を所定の向きにする。次いで、図示しない公知のXYZステージが、回転台21bの位置に搬送された、配置方向が所定の向きを向いているスライドガラス標本をスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置P3に搬送する。これにより、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21による第2の搬送動作が完了する。
【0096】
次いで、スライドガラス標本マクロ撮像装置22が、スライドガラス標本を撮像する。また、スライドガラス標本識別情報検出装置52が、スライドガラス標本に貼付されているバーコードラベルを読み取ることで、スライドガラス標本の識別情報を検出する。
スライドガラス標本マクロ撮像装置22により撮像されたスライドガラス標本の全体画像、スライドガラス標本識別情報検出装置52により検出されたスライドガラス標本の識別情報は、例えば、図20に示すように、スライドガラス標本情報管理画面41a(m)のスライドガラス標本情報表示領域41a1−n(m)における表示領域41a1b−n(m),41a1e−n(m)に、夫々表示される。
【0097】
次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31が、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置P3に位置するスライドガラス標本をスライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置P4に搬送する(第3の搬送動作)。
【0098】
次いで、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32が、撮像条件設定画面41cを介して設定されたミクロ像の撮像条件(撮像倍率及び検鏡法)でスライドガラス標本の標本領域のミクロ像を撮像する。
このとき、スライドガラス標本情報管理画面41a(m)のスライドガラス標本情報表示領域41a1−n(m)における表示領域41a1b−n(m)には、図21に示すように、スライドガラス標本における標本領域の全体画像が表示される。
【0099】
次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31が、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置P4に位置するスライドガラス標本をスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置P3に搬送する(第4の搬送動作)。
【0100】
次いで、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21が、第5の搬送動作を行なう。詳しくは、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置P3に搬送されているスライドガラス標本の上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、下方に移動させ、スライドガラス標本把持部21aが、スライドガラス標本を把持する。次いで、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aに把持されたスライドガラス標本を、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に載置されているスライドホルダにおけるその時点での処理対象となっているスライドガラス標本の収納位置の上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、下方に移動させ、スライドガラス標本把持部21aが、スライドガラス標本の把持を解除する。
【0101】
このスライドガラス標本撮像用駆動制御は、スライドホルダ内に配列されている全てのスライドガラス標本に対して順に行なう。
【0102】
スライドホルダ交換用駆動制御の詳細
スライドホルダ交換用駆動制御により、スライドホルダ搬送装置11は、次のように駆動させられる。
【0103】
まず、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、所定の退避位置P0の上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、スライドガラス標本把持部21aを、下方に移動させて所定の退避位置P0に配置した後に、先端部11a1に備わる吸着部11a11のスライドガラス標本把持部21aとの吸着を解除する。次いで、多関節アーム11aが、先端部を上方に移動させ、先端部11a1に備わる吸着部11a11の先端を、第3の被吸着溝21a2から引き抜く。
次いで、多関節アーム11aが、先端部11a1を、所定の退避位置P0に配置されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)の上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、先端部11a1に備わる吸着部11a11の先端を、下方に移動させながら第1の被吸着溝11b3(又は第2の被吸着溝11b2’)に嵌入させる。吸着部11a11は、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を吸着する。
【0104】
次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に載置されているスライドホルダの上方に移動させる。次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、下方に移動させ、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)が、スライドホルダを把持する。次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)に把持されたスライドホルダを、所定の準備位置P1の上方に移動する。次いで、多関節アーム11aが、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を、下方に移動させ、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)が、スライドホルダの把持を解除する。
【0105】
これにより、スライドホルダが所定の準備位置P1に載置され、一枚のスライドホルダに対するスライドガラス標本の撮像処理が完了する。
【0106】
以後、操作者は、全てのスライドホルダに対し順次、スライドホルダに対する第2の撮像処理指示ボタン41e3のクリックによるスライドガラス標本の撮像処理を行う。
【0107】
スライドガラス標本マクロ撮像処理後におけるミクロ画像表示画面41dでのミクロ画像の観察
上述したように、スライドガラス標本情報管理画面41a(m)のスライドガラス標本情報表示領域41a1−n(m)における表示領域41a1b−n(m)は、スライドガラス標本の全体像が撮像されたときに、スライドガラス標本の全体画像を表示し、標本領域のミクロ像が撮像された後には、スライドガラス標本における標本領域の全体画像を表示する。
ここで、操作者が、スライドガラス標本における標本領域の全体画像が表示されている表示領域41a1b−n(m)をクリックすると、ミクロ画像表示画面41dが表示される。
そして、操作者が、ミクロ画像表示画面41dの設定領域41d1においてスライドガラス標本の標本領域におけるミクロ画像の表示を所望する部位を設定すると、表示領域41d2に設定領域41d1に設定された部位のミクロ画像が拡大表示される。
【0108】
スライドホルダ及びスライドガラス標本撮像処理時における進行状況表示画面の表示状態
また、操作者が、スライドホルダ及びスライドガラス標本撮像処理時において、進行状況表示画面切替えタブ41e4をクリックすると、進行状況表示画面41fが表示される。
進行状況表示画面41fは、例えば、初期設定画面表示(ステップS1,S2)時には、スライドホルダ準備位置での進行状況表示部41f1に、所定の準備位置P1に載置されているスライドホルダの載置状況を、最上部に位置するスライドホルダを1番とする続き番号で表示する。
また、例えば、スライドホルダ全体像の撮像処理(ステップS4)時には、進行状況表示画面41fは、スライドホルダ撮像位置での進行状況表示部41f2の表示領域41f21に、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に搬送されたスライドホルダの載置状況を、最下部に位置するスライドホルダを1番とする続き番号で表示し、スライドホルダ準備位置での進行状況表示部41f1において存在と表示されていた当該スライドホルダの載置状況の表示を不存在へと変更する。
また、例えば、スライドガラス標本のマクロ画像及びミクロ画像の撮像処理(ステップS7)時には、進行状況表示画面41fは、スライドホルダ撮像位置での進行状況表示部41f2の表示領域41f22に、現在の夫々の番号のスライドガラス標本の現在の処理状況等(撮像処理中、撮像処理終了、存在又は不存在)を表示する。
そして、例えば、当該スライドガラス標本が回転台21bの位置に位置するときには、進行状況表示画面41fは、回転台21bの位置での進行状況表示部41f3のスライドガラス標本処理状態表示領域41f32に、回転台21bの位置でのスライドガラス標本の存在を表示する。
また、例えば、当該スライドガラス標本がスライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置P3に位置するときには、進行状況表示画面41fは、スライドガラス標本マクロ撮像位置でのスライドガラス標本処理状態表示領域41f42に、スライドガラス標本マクロ撮像装置22の撮像位置P3でのスライドガラス標本の存在を表示するとともに、スライドガラス標本識別上方表示領域41f43に、スライドガラス標本識別情報検出装置52が検出したスライドガラス標本の識別情報を表示する。
また、例えば、当該スライドガラス標本がスライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置P4に位置するときには、進行状況表示画面41fは、スライドガラス標本ミクロ撮像位置でのスライドガラス標本処理状態表示領域41f52に、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32の撮像位置P4でのスライドガラス標本の存在を表示するとともに、スライドガラス標本識別上方表示領域41f53に、スライドガラス標本識別情報検出装置52が検出したスライドガラス標本の識別情報を表示する。
【0109】
なお、上記実施形態の顕微鏡画像撮像装置においては、第1の撮像駆動制御部42bが、スライドホルダ撮像用駆動制御を、全てのスライドホルダ1に対して順に行ない、第2の撮像駆動制御部42cが、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対するスライドガラス標本撮像用駆動制御を、一枚のスライドホルダ1に対して行なう構成としたが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、変形例として、第1の撮像駆動制御部42bが、スライドホルダ撮像用駆動制御を、一枚のスライドホルダ1に対して行ない、第2の撮像駆動制御部42cが、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対する前記スライドガラス標本撮像用駆動制御を、一枚のスライドホルダ1に対して行なう構成としてもよい。その場合は、第2の駆動制御部42cが、さらに、全てのスライドホルダ1に対するスライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対するスライドガラス標本撮像用駆動制御が完了後に、スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第6の搬送動作を行なわせるスライドホルダ復帰用駆動制御を、全てのスライドホルダ1に対して順に行なう機能を備える構成とするとよい。
【0110】
即ち、本実施形態の変形例のスライドガラス搬送装置においては、制御部(第1の撮像駆動制御部42b、第2の撮像駆動制御部42c)が、多関節アーム11aの先端部による、複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’の着脱及びスライドガラス標本把持部21aの着脱を次のように制御するように構成するとよい。
第1の撮像駆動制御部42bが、スライドホルダ搬送装置11によるスライドホルダ1(又は1’)に対する第1の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部に、選択領域41e6を有する画面(指示画面41e)で選択されたスライドホルダ1(又は1’)のタイプに応じたスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に装着させる。
また、第2の撮像駆動制御部42cが、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21による当該スライドホルダ1(又は1’)における一枚目のスライドガラス標本2に対する第2の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に取り外させ、次いで、スライドガラス標本把持部21aを自動的に装着させ、最後のスライドガラス標本2に対する第5の搬送動作の終了後に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドガラス標本把持部21aを自動的に取り外させる。
さらに、第2の撮像駆動制御部42cが、スライドホルダ搬送装置11による一枚目のスライドホルダ1(又は1’)に対する第6の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部に、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に装着させ、スライドホルダ搬送装置11による最後のスライドホルダ1に対する第6の搬送動作の終了後に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に取り外させる。
【0111】
そして、本実施形態の変形例の顕微鏡画像撮像装置を用いたスライドガラス標本の撮像は、図22に示すような手順(ステップS1’〜ステップS13’)で行うようにするとよい。
【0112】
本実施形態の効果
本実施形態の顕微鏡画像撮影装置によれば、スライドホルダ撮像部10と、スライドガラス標本マクロ取得部20と、スライドガラス標本ミクロ撮像部30を備え、スライドガラス標本情報表示領域41a1−nを、スライドホルダ1内のスライドガラス標本に対応した配列で備えたスライドガラス標本情報管理画面41aとともに表示可能な指示手段(例えば、指示画面41eにおける指示ボタンやミクロ画像表示画面切替えタブ41a1d−n等)を介して、スライドホルダ1の全体像の撮像、スライドガラス標本2の全体像の撮像、スライドガラス標本2における標本領域のミクロ像の撮像、撮像されたスライドホルダ1の全体画像の表示、撮像されたスライドガラス標本2の全体画像の表示又は撮像されたスライドガラス標本2における標本領域2aのミクロ画像の表示をすることができるようにしたので、病院内で管理されているスライドホルダ単位で、画面上で、スライドホルダ1内のスライドガラス標本2の配列状態を確認しながら、個々のスライドガラス標本2の撮像条件の設定や、撮像した個々のスライドガラス標本2の画像情報等の確認ができ、スライドガラス標本2の取り違えによる誤撮影を防止するとともに、スライドガラス標本2の情報管理を効率的に行うことができる。
【0113】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置によれば、第1の撮像駆動制御部42bが、スライドホルダ撮像用駆動制御を、全てのスライドホルダ1に対して順に行ない、第2の撮像駆動制御部42cが、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対するスライドガラス標本撮像用駆動制御を、一枚のスライドホルダ1に対して行なうようにしたので、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置に複数のスライドホルダ1を積み重ねた状態でスライドガラス標本2の撮像処理を行なうことにより、スライドホルダ1の搬送動作を極力少なく抑えることができ、複数のスライドホルダ1の夫々に対するスライドガラス標本2の撮像を効率よく行うことができる。
【0114】
また、本実施形態の変形例の顕微鏡画像撮像装置によれば、第1の撮像駆動制御部42bが、スライドホルダ撮像用駆動制御を、一枚のスライドホルダ1に対して行ない、第2の撮像駆動制御部42cが、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対するスライドガラス標本撮像用駆動制御を、一枚のスライドホルダ1に対して行なうようにしている。このため、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置に複数のスライドホルダ1を積み重ねた状態でスライドガラス標本2の撮像処理を行なうとともに、全てのスライドホルダ1に対するスライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2の撮像処理が終了後に、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置に複数のスライドホルダ1を積み重ねた状態でスライドホルダ1の準備位置への搬送処理を行なうことにより、スライドホルダ1の搬送動作を極力少なく抑えることができ、複数のスライドホルダ1の夫々に対するスライドガラス標本2の撮像を効率よく行うことができる。
【0115】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置によれば、スライドホルダ搬送装置11、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を備えたので、スライドガラス標本2を専用のカートリッジに移し替える必要がなく、また、特許文献4に記載の装置のような特殊な構造のスライドホルダを用いる必要もなく、病院等で汎用されているスライドホルダ1をそのまま用いてスライドガラス標本2のミクロ画像を撮像することができる。このため、特許文献1に記載の装置に生じていた、スライドホルダとカートリッジとの間でのスライドガラス標本の移し替えの手間が省け、カートリッジからスライドホルダに戻すときのスライドガラス標本の位置の間違えることがなくなる。
【0116】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置によれば、スライドホルダカウント装置51を有し、画面表示制御部41が、スライドホルダカウント装置51によりカウントされたスライドホルダ1の枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)を有し、スライドホルダ1の枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)が、当該スライドガラス標本情報管理画面41a(m)を最上面に表示させるためのスライドガラス標本情報管理画面対応ホルダ切替えタブ41a2(m)を有し、初期表示制御部42aが、スライドホルダカウント装置51によりカウントされたスライドホルダ1の枚数に対応した数のスライドガラス標本情報管理画面41a(m)を重ねた状態で初期表示させるようにしたので、画面上で複数のスライドホルダ1に対し、個々のスライドガラス標本2の撮像条件の設定や、撮像した個々のスライドガラス標本2の画像情報等の確認ができ、画面上でのスライドガラス標本2の情報管理をより効率的に行うことができる。
【0117】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置によれば、スライドガラス標本2の識別情報を検出するスライドガラス標本識別情報検出装置52を有し、夫々のスライドガラス標本情報表示領域41a1−n(m)が、さらに、スライドガラス標本2の識別情報を表示するための表示領域41a1e−n(m)を有したので、患者の既往歴などの患者情報をスライドガラス標本2の画像情報と結びつけることができ、スライドホルダ単位でのスライドガラス標本2の管理がより一層し易くなる。
【0118】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置によれば、画面入力装置41が、さらに、進行状況表示画面41fを有し、指示画面41eが、進行状況表示画面切替えタブ41e4と、スライドガラス標本情報管理画面切替えタブ41e5を有するので、スライドホルダ単位でのスライドガラス標本2の撮像処理の進行状況やスライドホルダ1やスライドガラス標本2の位置を随時把握することができ、スライドホルダ単位でのスライドガラス標本2に対する撮像処理の管理をより効果的に行うことができる。
【0119】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置によれば、指示画面41eが、さらに、スライドホルダ1のタイプを選択するための選択領域41e6を備え、スライドホルダカウント装置51が、選択領域41e6で選択されたタイプのスライドホルダ一枚の厚みを基準として、所定の準備位置P1に載置されているスライドホルダ1の枚数をカウントするようにしたので、厚みの異なる複数種類のスライドホルダ1に応じて、画面上で複数のスライドホルダ1に対する、個々のスライドガラス標本2の撮像条件の設定や、撮像した個々のスライドガラス標本2の画像情報等の確認ができ、画面上でのスライドガラス標本2の情報管理をより一層効率的に行うことができる。
【0120】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、スライドホルダ搬送装置11が、3次元方向に移動可能な多関節アーム11aと、スライドホルダ1,1’の把持及び把持解除可能に構成された複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’を有し、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21が、多関節アーム11aと、スライドガラス標本2の把持及び把持解除可能に構成されたスライドガラス標本把持部21aを少なくとも有し、多関節アーム11aの先端部が、複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’及びスライドガラス標本把持部21aの夫々を着脱可能に構成したので、スライドホルダ搬送装置11(又は11’)全体をスライドホルダのタイプに応じて複数種類備えずに済み、その分のスライドホルダ搬送装置のコストや設置スペースを抑えることができる。また、スライドホルダ搬送装置11(又は11’)とマクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21とにおける一部の構成(多関節アーム11a)を共通化でき、スライドホルダ搬送装置11(又は11’)を設置することに伴う設置スペースの増加も極力抑えることができる。このため、本実施形態のスライドガラス搬送装置によれば、コストや配置スペースを極力抑えながら、異なるタイプの汎用スライドホルダ1,1’をスライドホルダ全体像の撮像位置に搬送可能な顕微鏡画像撮影装置用のスライドガラス搬送装置が実現できる。
【0121】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、多関節アーム11aの先端部が、磁気又は空気を介した吸着及び吸着解除可能に構成された吸着部11a11を有し、紙製スライドホルダ把持部11b、木製スライドホルダ把持部11b’及びスライドガラス標本把持部21aが、夫々、多関節アーム11aの吸着部11a11の先端を嵌入されて吸着及び吸着解除がされるように構成された第1〜第3の被吸着溝11b3,11b2’,21a2を有するので、多関節アーム11aの先端による複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’及びスライドガラス標本把持部21aの夫々の着脱が容易になる。
【0122】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、紙製スライドホルダ把持部11bが、紙製スライドホルダ1に対する両側面からの挟み込み及び挟み込み解除可能に構成された紙製スライドホルダ把持機構11b1と、紙製スライドホルダ把持機構11b1に挟み込まれた紙製スライドホルダ1の上面中央のスライドガラス標本2を外れた領域に当接する当接片11b2を有するので、紙製スライドホルダ1を安定した状態で把持することができる。
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、木製スライドホルダ把持部11b’を、木製スライドホルダ1’の中央部における十文字状リブ部分1b1’に対する四方向からの挟む込み及び挟み込み解除可能に構成したので、把持部の構成を大型化させることなく、木製スライドホルダ1’を安定した状態で把持及び把持解除することができる。
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、スライドガラス標本把持部21aが、スライドガラス標本2における標本領域2aを外れた所定部位の吸着及び吸着解除可能に構成されているので、簡単な構成でスライドガラス標本2を安定した状態で把持及び把持解除することができる。
【0123】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、紙製スライドホルダ把持機構11b1が、さらに、紙製スライドホルダ1の上面中央のスライドガラス標本2を外れた部位の吸着及び吸着解除可能に構成された紙製スライドホルダ吸着部11b16を有するので、紙製スライドホルダ1を把持する際に、紙製スライドホルダ1の本体部1aを浮き上がらせることができ、一対のフック状部材11b12による紙製スライドホルダ1の長手方向に沿う両側面からの挟み込みがし易くなる。また、紙製スライドホルダ1をより一層安定した状態に把持及び把持解除することができる。
【0124】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、スライドホルダのタイプ(木製スライドホルダ1又は紙製スライドホルダ1’)を選択可能な選択領域41e6を有する画面(指示画面41e)と、多関節アーム11aの先端部による、少なくとも複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’の着脱を制御する制御部(第1の撮像駆動制御部42b、第2の撮像駆動制御部42c)を有し、制御部が、スライドホルダ搬送装置11(又は11’)の駆動時に、多関節アーム11aの先端部に、選択領域41e6を有する画面(指示画面41e)で選択されたスライドホルダのタイプに応じたスライドホルダ把持部11b(又は11b’)が装着された状態にするので、タイプの異なるスライドホルダに応じて、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)の多関節アーム11aへの装着を自動的に行うことができる。
【0125】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、制御部(第1の撮像駆動制御部42b、第2の撮像駆動制御部42c)が、多関節アーム11aの先端部による、複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’の着脱及びスライドガラス標本把持部21aの着脱を次のように制御するように構成されている。即ち、制御部(第1の撮像駆動制御部42b、第2の撮像駆動制御部42c)が、スライドホルダ搬送装置11による一枚目のスライドホルダ1(又は1’)に対する第1の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部に、選択領域41e6を有する画面(指示画面41e)で選択されたスライドホルダ1(又は1’)のタイプに応じたスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に装着させ、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21による当該スライドホルダ1(又は1’)における一枚目のスライドガラス標本2に対する第2の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に取り外させ、次いで、スライドガラス標本把持部21aを自動的に装着させ、スライドホルダ搬送装置11による当該スライドホルダ1(又は1’)に対する第6の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドガラス標本把持部21aを自動的に取り外させ、次いで、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に装着させ、スライドホルダ搬送装置11による最後のスライドホルダ1(又は1’)に対する第6の搬送動作の終了後に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に取り外させる。このため、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、複数枚のスライドホルダに対するスライドホルダの全体像の撮像処理から当該スライドホルダにおける全てのスライドガラス標本のミクロ撮像処理に至るまで、異なるタイプのスライドホルダに対応したスライドホルダ把持部11b(又は11b’)及びスライドガラス標本把持部21aの多関節アーム11aへの着脱を自動的に行うことができる。
【0126】
また、本実施形態の変形例の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、制御部(第1の撮像駆動制御部42b、第2の撮像駆動制御部42c)が、多関節アーム11aの先端部による、複数種類のスライドホルダ把持部11b,11b’の着脱及びスライドガラス標本把持部21aの着脱を次のように制御するように構成されている。即ち、スライドホルダ搬送装置11によるスライドホルダ1(又は1’)に対する第1の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部に、選択領域41e6を有する画面(指示画面41e)で選択されたスライドホルダ1(又は1’)のタイプに応じたスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に装着させ、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21による当該スライドホルダ1(又は1’)における一枚目のスライドガラス標本2に対する第2の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に取り外させ、次いで、スライドガラス標本把持部21aを自動的に装着させ、最後のスライドガラス標本2に対する第5の搬送動作の終了後に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドガラス標本把持部21aを自動的に取り外させ、スライドホルダ搬送装置11による一枚目のスライドホルダ1(又は1’)に対する第6の搬送動作の開始時に、多関節アーム11aの先端部に、スライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に装着させ、スライドホルダ搬送装置11による最後のスライドホルダ1に対する第6の搬送動作の終了後に、多関節アーム11aの先端部から、装着されているスライドホルダ把持部11b(又は11b’)を自動的に取り外させる。このため、本実施形態の変形例の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、夫々のスライドホルダに対するスライドホルダの全体像の撮像処理から当該スライドホルダにおける全てのスライドガラス標本のミクロ撮像処理、及び複数枚のスライドホルダの所定の準備位置への復帰処理に至るまで、異なるタイプのスライドホルダに対応したスライドホルダ把持部11b(又は11b’)及びスライドガラス標本把持部21aの多関節アーム11aへの着脱を自動的に行うことができる。
【0127】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、スライドホルダ搬送装置11と、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21と、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を有し、スライドホルダ搬送装置11が、スライドガラス搬送装置の上部から下方に向けて設けられていて、3次元方向に移動可能な多関節アーム11aと、多関節アーム11aの先端部に設けられていて、スライドホルダ1を上方から把持及び把持解除するスライドホルダ把持部11bを有してなる構成としたので、複数枚のスライドホルダ1をスライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に重ねた状態で、夫々のスライドホルダ1に対し、順次、当該スライドホルダ1内の全てのスライドガラス標本2の全体像及びミクロ像の撮像を行なうことが可能となる。このため、スライドホルダ1の一時的な退避スペースを設けずに済み、装置全体の設置スペースを抑えることができる上、スライドホルダ1の退避スペースへ搬送を行なわずに済む分、全体の処理の効率が向上する。
【0128】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21が、多関節アーム11aと、スライドガラス標本2の把持及び把持解除可能に構成されたスライドガラス標本把持部21aを少なくとも有し、多関節アーム11aの先端部が、スライドホルダ把持部11b及びスライドガラス標本把持部21aの夫々を、上方から自動的に着脱可能に構成されているので、スライドホルダ搬送装置11(又は11’)とマクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21とにおける一部の構成(多関節アーム11a)を共通化でき、スライドホルダ1の搬送及びスライドホルダ1からのスライドガラス標本2の取り出し等のための搬送装置の設置スペースを極力抑えることができる。また、スライドホルダ把持部11bとスライドガラス標本把持部21aの交換処理が迅速化でき、その分、全体の処理がより効率する。
【0129】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、スライドホルダ1及びスライドガラス標本2の撮像処理を制御する撮像処理制御部(撮像制御部42)を有し、撮像制御部42が、第1の撮像駆動制御部42bと、第2の撮像駆動制御部42cを有し、第1の撮像駆動制御部42bが、スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第1の搬送動作を行なわせ、次いで、スライドホルダ撮像装置12を駆動して、スライドホルダ1の全体像を撮像させるスライドホルダ撮像用駆動制御を、全てのスライドホルダ1に対して順に行ない、第2の撮像駆動制御部42cが、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第2の搬送動作を行なわせ、次いで、スライドガラス標本マクロ撮像装置22を駆動して、スライドガラス標本2の全体像を撮像させ、次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を駆動して、第3の搬送動作を行なわせ、次いで、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32を駆動して、スライドガラス標本2における標本領域2aのミクロ像を撮像させ、次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を駆動して、第4の搬送動作を行なわせ、次いで、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第5の搬送動作を行なわせるスライドガラス標本撮像用駆動制御を、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対して順に行ない、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対するスライドガラス標本撮像用駆動制御が完了後に、スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第6の搬送動作を行なわせるスライドホルダ交換用駆動制御を行い、これらスライドガラス標本撮像用駆動制御からスライドホルダ交換用駆動制御を、一枚のスライドホルダに対して行なうように構成されている。このため、スライドホルダ1の一時的な退避スペースを設けることなく、装置全体の設置スペースを抑えながら、複数枚のスライドホルダ1をスライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に重ねた状態で、夫々のスライドホルダ1に対し、順次、当該スライドホルダ1内の全てのスライドガラス標本2の全体像及びミクロ像の撮像を行なう顕微鏡撮像装置を実現できる。
【0130】
また、本実施形態の変形例の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置によれば、スライドホルダ1及びスライドガラス標本2の撮像処理を制御する撮像処理制御部(撮像制御部42)を有し、撮像制御部42が、第1の撮像駆動制御部42bと、第2の撮像駆動制御部42cを有し、第1の撮像駆動制御部42bが、スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第1の搬送動作を行なわせ、次いで、スライドホルダ撮像装置12を駆動して、スライドホルダ1の全体像を撮像させるスライドホルダ撮像用駆動制御を、一枚のスライドホルダ1に対して行ない、第2の撮像駆動制御部42cが、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第2の搬送動作を行なわせ、次いで、スライドガラス標本マクロ撮像装置22を駆動して、スライドガラス標本2の全体像を撮像させ、次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を駆動して、第3の搬送動作を行なわせ、次いで、スライドガラス標本ミクロ撮像装置32を駆動して、スライドガラス標本2における標本領域2aのミクロ像を撮像させ、次いで、ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置31を駆動して、第4の搬送動作を行なわせ、次いで、マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置21を駆動して、第5の搬送動作を行なわせるスライドガラス標本撮像用駆動制御を、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対して順に行なうとともに、スライドホルダ1内に配列されている全てのスライドガラス標本2に対するスライドガラス標本撮像用駆動制御が完了後に、スライドホルダ搬送装置11を駆動して、第6の搬送動作を行なわせるスライドホルダ復帰用駆動制御を、全てのスライドホルダ1に対して順に行なうように構成されている。このため、スライドホルダ1の一時的な退避スペースを設けることなく、装置全体の設置スペースを抑えながら、複数枚のスライドホルダ1をスライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に重ねた状態で、夫々のスライドホルダ1に対し、順次、当該スライドホルダ1の全体像の撮像、当該スライドホルダ1内の全てのスライドガラス標本2の全体像及びミクロ像の撮像を行なう顕微鏡撮像装置を実現できる。
【0131】
また、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置に備わるスライドガラス搬送装置において、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に位置するスライドホルダ1の段数に応じて生じるスライドホルダ撮像装置12の撮影領域と倍率の変動を自動的に補正する補正手段(図示省略)を備えれば、スライドホルダ撮像装置12の撮像位置P2に複数のスライドホルダ1を重ねたときの、個々のスライドホルダ1の全体画像を一定の大きさで得るための調整作業が不要となり、全体の処理の効率がより一層向上する。
【0132】
なお、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置では、スライドガラス標本情報管理画面40a(m)を指示画面41eとともに表示し、撮像条件設定画面表示タブ41a1c−n(m)を介して、撮像条件設定画面41cにおける標本領域のミクロ像の撮像条件の設定ができるようにするとともに、撮像処理指示ボタン41e1,41e2を介して、スライドホルダ撮像部10、スライドガラス標本マクロ取得部20、スライドガラス標本ミクロ撮像部30に対し、夫々所定の撮像処理を行なわせ、得られた夫々の画像を用いて、スライドホルダ全体画像表示画面切替えタブ41e2を介して、スライドホルダの全体画像をスライドホルダ全体画像表示画面41bに表示し、また、スライドガラス標本の全体画像をスライドガラス標本全体画像表示領域41a1b−n(m)に表示し、さらに、ミクロ画像表示画面切替えタブ41a1d−n(m)を介して、標本領域のミクロ画像をミクロ画像表示画面41dに表示するように構成されている。即ち、本実施形態の顕微鏡画像撮像装置では、スライドガラス標本の全体画像、スライドホルダの全体画像、標本領域のミクロ画像の切替え表示が、スライドガラス標本情報管理画面40a(m)を表示させた状態での所定の撮像指示に連動した撮像部の撮像処理を前提としたものとなっているが、スライドガラス標本情報管理画面40a(m)を表示させた状態でのスライドガラス標本の全体画像、スライドホルダの全体画像、標本領域のミクロ画像の切替え表示を、これらの撮像部による撮像処理から独立させた構成としてもよい。
例えば、予め取得されて所定の記憶領域に記憶されているスライドホルダの全体画像、スライドガラス標本の全体画像、標本領域のミクロ画像を用いて、スライドガラス標本情報管理画面40a(m)のスライドガラス標本全体画像表示領域41a1b−n(m)にスライドガラス標本の全体画像を表示し、スライドホルダ全体画像表示画面切替えタブ41e2を介して、スライドホルダの全体画像をスライドホルダ全体画像表示画面41bに表示し、ミクロ画像表示画面切替えタブ41a1d−n(m)を介して、標本領域のミクロ画像をミクロ画像表示画面41dに表示するように構成してもよい。
このようにしても、病院内で管理されているスライドホルダ単位で、画面上で、スライドホルダ内のスライドガラス標本の配列状態を確認しながら、撮像した個々のスライドガラス標本の画像情報等の確認ができ、スライドガラス標本の取り違えによる誤撮影を防止するとともに、スライドガラス標本の情報管理を効率的に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明の顕微鏡画像撮影装置は、病院や研究所等の病理診断での用途に限定されるものではなく、スライドホルダに収納したスライドガラス標本の画像を撮像することが求められるあらゆる分野の用途に有用である。
【符号の説明】
【0134】
1 (紙製)スライドホルダ
1a 本体部
1an 収納溝
1b カバー部
1’ 木製スライドホルダ
1a’ 底部
1b’ 木枠
1b1’ 中央部における十文字状リブ部分
2 スライドガラス標本
2a 標本領域
2b 識別子
10 スライドホルダ撮像部
11 スライドホルダ搬送装置
11a 多関節アーム
11a1 先端部
11a11 吸着部
11b (紙製)スライドホルダ把持部
11b1 紙製スライドホルダ把持機構
11b11 板状部
11b12 フック状部材
11b13 貫通穴
11b14 棒状部材
11b141 内側面押圧部
11b142 外側面押圧部
11b15 空気注入・排出部
11b16 紙製スライドホルダ吸着部
11b2 当接片
11b3 第1の被吸着溝
11b4 把持状態検出センサ
11b41 先端部
11b’ 木製スライドホルダ把持部
11b1’ 木製スライドホルダ把持機構
11b11’ 円柱部材
11b12’ 断面がT字状の溝
11b13’ 断面がT字状の嵌合部材
11b14’ 木枠当接部
11b15’ 通路
11b16’ 空気注入・排出部
11b2’ 第2の被吸着溝
12 スライドホルダ撮像装置
20 スライドガラス標本マクロ取得部
21 マクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置
21a スライドガラス標本把持部
21a1 スライドガラス標本吸着部
21a2 第3の被吸着溝
21a3 スライドガラス標本把持位置検出センサ
21b 回転台
21c スライドガラス標本配置方向検査部
22 スライドガラス標本マクロ撮像装置
30 スライドガラス標本ミクロ撮像部
31 ミクロ撮像用スライドガラス標本搬送装置
32 スライドガラス標本ミクロ撮像装置
40 撮像処理制御部
41 画面表示制御部
41a(m) スライドガラス標本情報管理画面
41a1−n(m) スライドガラス標本情報表示領域
41a1a−n(m) スライドガラス標本撮像条件表示領域
41a1b−n(m) スライドガラス標本全体画像表示領域
41a1c−n(m) 撮像条件設定画面表示タブ
41a1d−n(m) ミクロ画像表示画面切替えタブ
41a1e−n(m) スライドガラス標本識別情報表示領域
41a1f−n(m) スライドガラス標本配列番号表示領域
41a2(m) スライドガラス標本情報管理画面対応ホルダ切替えタブ
41b スライドホルダ全体画像表示画面
41b1 スライドホルダ全体画像表示領域
41c 撮像条件設定画面
41c1 スライドガラス標本撮像条件設定領域
41c1a 撮像倍率設定領域
41c1a1,41c1a2 倍率選択ボタン
41c1b 検鏡法設定領域
41c1b1,41c1b2 検鏡法選択ボタン
41c1c 指示ボタン
41c1c1 設定ボタン
41c1c2 設定取消ボタン
41c1c3 全設定ボタン
41c2 スライドガラス標本配列番号
41d ミクロ画像表示画面
41d1 表示部位設定領域
41d2 設定部位拡大表示領域
41e 指示画面
41e1 第1の撮像処理指示ボタン
41e2 スライドホルダ全体画像表示画面切替えタブ
41e3 第2の撮像処理指示ボタン
41e4 進行状況表示画面切替えタブ
41e5 スライドガラス標本情報管理画面切替えタブ
41e6 ホルダタイプ選択領域
41e7 更新指示ボタン
41e8 第1の撮像処理中断ボタン
41e9 第2の撮像処理中断ボタン
41f 進行状況表示画面
41f1 スライドホルダ準備位置での進行状況表示部
41f11 スライドホルダ番号表示領域
41f12 スライドホルダ載置状態表示領域
41f2 スライドホルダ撮像位置での進行状況表示部
41f21 表示領域
41f21a スライドホルダ番号表示領域
41f21b スライドホルダ載置状態表示領域
41f22 表示領域
41f22a スライドガラス標本番号表示領域
41f22b スライドガラス標本処理状態表示領域
41f3 回転台位置での進行状況表示部
41f31 スライドガラス標本番号表示領域
41f32 スライドガラス標本処理状態表示領域
41f4 スライドガラス標本マクロ撮像位置での進行状況表示部
41f41 スライドガラス標本番号表示領域
41f42 スライドガラス標本処理状態表示領域
41f43 スライドガラス標本識別情報表示領域
41f5 スライドガラス標本ミクロ撮像位置での進行状況表示部
41f51 スライドガラス標本番号表示領域
41f52 スライドガラス標本処理状態表示領域
41f53 スライドガラス標本識別情報表示領域
42 撮像制御部
42a 初期表示制御部
42b 第1の撮像駆動制御部
42c 第2の撮像駆動制御部
42d 第3の撮像駆動制御部
42e 第4の撮像駆動制御部
42f 第5の撮像駆動制御部
51 スライドホルダカウント装置
52 スライドガラス標本識別情報検出装置
O 軸
P1 所定の準備位置
P2 スライドホルダ撮像装置の撮像位置
P3 スライドガラス標本マクロ撮像装置の撮像位置
P4 スライドガラス標本ミクロ撮像装置の撮像位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドガラス標本を撮像する顕微鏡画像撮影装置であって、
複数のスライドガラス標本が配列されているスライドホルダの全体像を撮像するスライドホルダ撮像部と、
スライドガラス標本の全体像を取得するスライドガラス標本マクロ取得部と、
スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を所定の撮像条件で撮像するスライドガラス標本ミクロ撮像部と、
前記撮像条件を設定する為の撮像条件設定手段及び前記スライドガラス標本の全体像を表示する為の表示領域を前記スライドホルダ内のスライドガラス標本の配置に対応させて表示するスライドガラス標本情報管理画面を生成する撮像処理制御部と、
を有することを特徴とする顕微鏡画像撮影装置。
【請求項2】
前記撮像処理制御部は、前記スライドガラス標本ミクロ撮像部により撮像されたスライドガラス標本における標本領域のミクロ像を前記スライドガラス標本マクロ取得部で取得されたスライドガラス標本の全体像に対応させて表示するスライドガラス標本情報管理画面を生成する請求項1に記載の顕微鏡画像撮影装置。
【請求項3】
スライドガラス標本を撮像する顕微鏡画像撮影装置であって、
スライドガラス標本が配列されているスライドホルダの全体像を撮像するスライドホルダ撮像部と、
スライドガラス標本の全体像を取得するスライドガラス標本マクロ取得部と、
スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を所定の撮像条件で撮像するスライドガラス標本ミクロ撮像部と、
スライドホルダ及びスライドガラス標本の撮像処理を制御する撮像処理制御部と、を有し、
前記撮像処理制御部は、画面表示制御部と撮像制御部とを備え、
前記画面表示制御部は、
スライドガラス標本情報表示領域を、スライドホルダ内のスライドガラス標本に対応した配列で備えたスライドガラス標本情報管理画面と、
スライドホルダの全体画像を表示するスライドホルダ全体画像表画面と、
スライドガラス標本の標本領域におけるミクロ画像の表示を所望する部位を設定するための設定領域及び該設定領域に設定された部位のミクロ画像を拡大表示するための表示領域を備えたミクロ画像表示画面と、
所定の撮像処理及び画面表示を指示する指示画面と、を生成し、
前記撮像制御部は、
前記指示画面中で撮像処理指示がされたときに、前記スライドホルダ撮像部を駆動して、スライドホルダの全体像を撮像させると共に、
前記スライドガラス標本マクロ取得部を駆動して、スライドガラス標本の全体像を撮像させ、次いで、前記スライドガラス標本ミクロ撮像部を駆動して、スライドガラス標本における標本領域のミクロ像を撮像させることを特徴とする顕微鏡画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−177805(P2012−177805A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40824(P2011−40824)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】