説明

顧客からサービス提供者への通信をリアルタイムで動的にルーティングするための方法

動的通信ルーティングシステムは、複数のサービス提供者の口座の開設を含む。サービス提供者は通信当たりの料金を入札する。最高入札者から最低入札者まで順位付けされた通信リストが生成される。潜在的顧客から受信した通信は、通信リストの最高順位入札サービス提供者にルーティングされる。通信に対して応答がなされないか、又は通信が拒否された場合には、通信は、通信リストの次に順位の高いサービス提供者に再ルーティングされる。通信を受信したサービス提供者の口座は、サービス提供者による通信当たりの入札額が課金される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、例えば電話呼びのルーティングといった顧客からの通信のルーティングに関する。より詳細には、本発明は、顧客からの通信を受ける機会を得ようとしているサービス提供者に顧客からの通信を動的にルーティングするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サービスを受けることに関心のある消費者は、まず要求されるサービスを提供することができるサービス提供者を捜さなければならない。典型的には、これは、電話帳をたどり、多くの場合長いものであるサービス提供者のリストからサービス提供者を選ぶことを意味する。この国のいくつかの地域では、どのサービス提供者が、消費者に対して、合理的な時間枠及び合理的費用で必要性を満たすのに十分なだけ地理的に近いかを、消費者の側で判断する必要がある。このようなプロセスは、苛立たしく時間のかかるものとなる可能性があり、これは、消費者が、該消費者の電話に現在の時点で応対することができないサービス提供者に対して伝言を残さなければならない場合に、特に言えることである。そのような場合、消費者は、伝言を残してサービス提供者がすぐに通信してくるのを期待するか、又は通話可能なサービス提供者が捕まるまで多数のサービス提供者に多数の伝言を残し、既に必要でなくなったサービス提供者からの折り返し電話に応対することになるかの選択に直面する。
【0003】
多くの消費者は、現在では自身のコンピュータを所有し、インターネットへアクセスすることができる。サービス提供者の検索はインターネット上で可能である。サービス提供者の中には、消費者にとって価値のある情報を提供するウェブサイトを有する者もいる。従来、インターネット上のサービス提供者その他の事業者は、それらのウェブサイトに到達するための「ヒット(hit)」の各々、すなわち、オンラインユーザがクリックその他の手法でリンクを選択する時点の各々に対して支払いをしてきた。この方法では、ウェブサイト上のサービス提供者を特定し、次いで電話をかけ又は電子メールで要求を出すという2つの段階が必要である。更には、オンラインユーザは、いくつかのウェブサイトを選択し閲覧することによりインターネットサーフィンをしてから、会社すなわちサービス提供者に電話をすることができるので、そのようなヒットはそれ程有望なものではないことが分かってきた。従って、そのような「ヒット」は、しばしば典型的には、得たヒットから取引を得る見込みがなさそうであるのに、ウェブサイト所有者に数セントの負担をかけるだけである。
【0004】
しかしながら、オンラインショッピングには、サービス提供者が提供するオンラインショッピングをする消費者に課せられる多くの不利益がある。第一に、問題のサービス提供者にたどり着くために適切なインターネット検索がなされなければならない。次に、オンライン顧客は、どのサービス提供者が自分の地理的位置にあるか又は自分のサービスニーズに合うかを判断し、複数のサービス提供者の中からの選択をしなければならない。もちろん、これは、顧客がコンピュータ及び必要なインターネット接続を有していることが前提である。更には、70%の中小企業がアクセス可能なウェブサイトを有していないとみられている。すなわち、何百万ものレストラン、配管業者その他の小企業といったサービス提供者がオンライン取引をしておらず、又は何らのウェブ上での提示(presence)を行っていない。
【0005】
インジニオ社は、米国特許明細書第6,704,403号に開示されるように、消費者から広告主への電話呼びをルーティングするための、オンラインベースのペイ・パー・コール(呼び回数課金)システムを開発した。サービス提供者といった広告主は、名称及び電話番号(典型的には、その特定のサービス提供者/広告主固有のフリーダイヤル番号)がインターネット上で示されるようにするために、登録を行う。オンライン顧客が特定のサービスを検索すると、サービス提供者/広告主のリストが該顧客に提示される。顧客は、このリストから選択し、該サービス提供者の電話番号にダイヤルすることができる。もし該サービス提供者が応対できなければ、伝言が該サービス提供者に残される。該サービス提供者への各呼び毎に所定の定額料金が課金される。この403特許には、この料金が潜在的顧客によって支払われ、該サービス提供者は、該顧客の呼びを受ける時間に対する補償を受けることが記載されている。403特許は更に、例えば10分といった初期時間後は、該サービス提供者又は潜在的顧客のいずれかに毎分の料金が課金されることが開示されている。この料金の背後にある理論は、もし潜在的顧客が相当時間サービス提供者と電話しているとすれば、該サービス提供者が現実に顧客に商品を販売し又はサービスを提供する見込みが大きくなるであろうというものである。したがって、サービス提供者は、見込みのない「ヒット」に対して支払いをする必要がなく、又はウェブサイト若しくは他のインターネット上での提示を維持する必要がない。
【0006】
しかしながら、インジニオ社のシステムは又、いくつかの欠点がある。第一に、消費者は、コンピュータ及びインターネットへのアクセスを有していなければならない。次に、消費者は、該消費者が必要としているサービスについてサービス提供者のリストを見出すためにオンライン上で検索を行わなければならない。これには消費者の地理的位置が考慮されていない。次いで消費者は、一つのサービス提供者を選択し、もしそのサービス提供者が応対できない場合には、伝言を残さなければならない。403特許は、サービス提供者が消費者の電話呼びに返事をしやすくする技術を開示するものではあるが、消費者には、消費者の呼びに対するサービス提供者の返事を待つか、又はリストの他のサービス提供者に電話をするか、の選択がなお不可避的に残されている。インジニオ社のシステムは、他にはインターネット上での提示をもたない様々なサービス提供者には利益をもたらすが、消費者にはほとんど利益をもたらさない。更には、403特許は、例えば衛星を利用した音声リンク、VOIP通信、電子メッセージといった他の通信又は消費者からの通信手段を考慮に入れていない。
【0007】
従って、受信した通信についてのみサービス提供者が課金されるが、システムのニーズをも同様に満たす、動的な通信ルーティングシステムが引き続き必要とされている。本発明は、これらのニーズを満たし、他の関連する利点を提供する。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、顧客からサービス提供者への通信を動的にルーティングするための方法にある。本発明の方法は、顧客が伝言を残し、サービス提供者が電話呼び又は通信に返信するのを待つことに代えて、潜在的顧客に対し生の通話又は即時のフィードバックを与えるものである。
【0009】
本発明の方法は、一般的には、複数のサービス提供者の口座を開設することを含む。サービス提供者は、通信当たりの料金を競争入札する。受信された各通信について、通信当たりの最低料金が設定されるものとすることができる。最高入札者から最低入札者までランク付けされた複数のサービス提供者を含む通信リストが生成される。通信が顧客から受信されると、該通信は、該顧客から、該通信リスト上の最高順位にランクされた入札サービス提供者へルーティングされる。次いで、この通信を受信したサービス提供者の口座には、該サービス提供者によって入札された通信当たりの額が課金される。
【0010】
顧客からの通信は、電話リンク、ボイスオーバ・インターネット・プロトコル(VOIP)又は衛星を利用した音声リンクといったリアルタイム通信リンクを介した生の通話を含むことができる。これに代えて、該通信は、顧客からの電子メッセージを含むことができる。該電子メッセージは、テキストメッセージ、SMSメッセージ、電子メールメッセージ等を含むことができる。
【0011】
顧客発信の通信が電話呼びである場合には、電話番号は、サービス提供者のグループを示唆するフリーダイヤル番号であることが好ましい。電話番号又は他の通信情報の広告を消費者に対して行うため、及びサービス提供者の口座を得るために、プロモータ(promoter)を使用することができる。そのような場合、システムの主催者すなわち本方法の所有者及び本方法のプロモータは、通信当たりの料金を分け合うものとする。
【0012】
サービス提供者は、典型的には、自身の口座に資金を預託し、それによって該サービス提供者が通信を受信した後に、該サービス提供者の口座から自動的に通信当たりの料金が引き落とされる。該口座の状態は、電子メール、口座へのログイン、電話、顧客サポート又は手紙によってサービス提供者が参照可能である。サービス提供者の通信当たり入札額がサービス提供者の口座残高を超えるような、該口座残高によっては受信された通信について支払いができない段階に該口座残高が達した場合には、該サービス提供者は通信リストから削除される。サービス提供者の口座残高によっては受信された通信について支払いができない段階に該口座残高が達した場合、該サービス提供者に通知がなされる。
【0013】
特に好ましい実施形態においては、サービス提供者間の入札は続けられ、サービス提供者は通信当たりの料金について新たな入札を行うことができる。通信リストの入札ランクに変化があったときには、サービス提供者に通知がなされる。通信リストは、典型的には、サービス提供者の種類及び地理的位置に従って生成されるが、例えばサービス提供者が複数のサービスを提供し、又は複数の地理的位置に展開している場合には、サービス提供者が一又はそれ以上の通信リストを選択できるようにすることを、本発明は考えている。
【0014】
典型的には、顧客が通信又は問合せを発すると、顧客の地理的位置に基づいて通信リストを選択するために該顧客の地理的位置が判定される。これは、顧客の電話通信識別番号から地理的位置を引き出すことにより自動的に行われるものとすることができる。顧客の地理的位置は又、GPSによる位置、三角測量、オペレータによる位置若しくは携帯電話会社による位置によって判定され又は抽出されるようにすることもできる。これに代えて、サービス提供者を対応する地理的位置に関する通信リストにルーティングするための地理的位置情報を提供することを顧客が促されるようにすることができる。これは、例えば音声認識又は電話のキーパッド入力によって達成される。場合によっては、顧客の通信を適切にルーティングしやすくするために、サービス提供者にルーティングされる前に、又はサービス提供者にルーティングされた後に、顧客は選択を促されるものとすることができる。これは、音声認識又は電話のキーパッド入力によってなされるものとすることができる。
【0015】
顧客の通信は、通信リストの最高順位にランクされた入札サービス提供者に向けられる。しかしながら、該最高順位にランクされたサービス提供者が、該通信に返答又は応答しない場合には、該顧客の通信は、通信リストの次の上位にランクされたサービス提供者にルーティングされる。代わりに、最高順位にランクされたサービス提供者は、音声認識又は電話のキーパッド入力により、通信を受け入れ、又は拒否するようにすることができる。本発明は、サービス提供者が通信の受入れ及び拒否の時間を設定できるようにすることを考えている。該最高順位にランクされたサービス提供者が、通信を受け入れない場合には、該顧客の通信は、通信リストの次の上位にランクされたサービス提供者にルーティングされる。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を例示的に示す添付の図面と併せて、以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付の図面は本発明を図示する。
【0018】
例示を目的とする添付の図面に示されるように、本発明は、商品又はサービスを必要とする顧客とそのようなサービスの提供者とを結びつけるための動的な通信ルーティング方法にある。ここで以下において更に十分に説明されるように、本発明は、潜在的顧客並びにサービス提供者の両者に対して恩恵をもたらす。ここにおける用語「顧客」は、あらゆる商品、サービス又は情報を求めるあらゆる種類の顧客を指すことが理解されるであろう。「サービス提供者」とは、ここで以下において更に十分に説明されるように、そのようなサービス、商品又は情報を提供するものであって、ここで更に十分に説明されるように口座を開設することにより本システムに属するものとされたあらゆる団体又は個人をいう。
【0019】
図1を参照すると、本発明が概括的に説明されている。まず、顧客からの通信が発せられる(10)。これは、多くの形をとることができる。特に好ましい実施形態においては、この通信は、極めて古い形態の電話サービス(POTS)による電話呼びであるが、これは、衛星を利用した音声リンク、音声起動ダイヤルリンク、VOIP等のリアルタイム通信リンクを介した非POTSの生の通話とすることもできる(12)。衛星を利用した通信すなわち音声リンクの例としては、OnStar(登録商標)があり、そこでは、車の運転者又は旅客は、ボタンを押すとOnStar(登録商標)のオペレータと通信をとることができる。ユーザは、望みの商品又はサービスを指示することができ、本発明のシステムは、ここで更に十分に説明されるように、この通信をルーティングする。もちろん、顧客からの通信は又、テキストメッセージ、電子メール又はSMSメッセージ(14)といった電子メッセージを含むことができることは分かるであろう。そのような電子メッセージは、ユーザのコンピュータ、携帯電話、PDA、カーナビゲーション装置等から発信することができる。
【0020】
次いで、顧客の位置が求められる(16)。これは、多くの方法でなされることができる。地理的位置は、顧客の電話識別番号、GPSによる位置、三角測量、オペレータによる位置若しくは携帯電話による位置を用いて自動的に求めることができる。これに代えて、顧客は、地理的位置情報を提供することを促され、これは音声認識又はキーパッド入力を用いて自動的に行われるものとすることができる。
【0021】
次いで、顧客からの通信は、サービス提供者に動的にルーティングされ(18)、該サービス提供者は、顧客からの通信又は要求を受信し又はそれらに対し応答する(20)。この通信は、ここで更に十分に説明されるように、顧客の望む商品又はサービス、該顧客の地理的位置及びサービス提供者の階層的通信リストに従って、動的にルーティングされる。
【0022】
ここで図2を参照すると、本発明の通信ルーティングシステム及び方法が先ず確立される。本発明に対する権利の所有者が、全国的に又は所定の地理的地域において主催者としての役目を果たすことができるであろうが、より典型的には、プロモータ(P)が本システムにおける口座を開設するために用いられる(100)。すなわち、プロモータは、特定の地理上の領域又は特定の種類のサービス提供者を持つように交渉することができる。プロモータは、例えばインターネット、電話又は手紙さえも用いて、本発明のシステムの主催者又は所有者との間に口座を開設することになるであろう。本発明の方法は、プロモータが通信ルーティング事業をどのように企画するかということに基づいて、顧客からの通信を様々なサービス提供者にルーティングすることができるようにするシステムを生成する能力を該プロモータに与える。
【0023】
プロモータの口座が生成されると、プロモータは該口座に預金する。これは、小切手若しくは為替を送り、又はクレジットカードを提示することで主催者に信用が確立することによってなされる。これに代えて、プロモータの口座には何らの預金も必要とされず、プロモータが、主催者に対して定期的に、例えば毎月、サービス提供者によって受信された通信に対する支払い及びサービス提供者の口座によって生じた収入の取り分に対する支払いをするものとすることができる。
【0024】
プロモータは、サービス提供者(SP)が本システムの通信リストに掲載されるようにするために支払わなければならないであろう最低入札額又はリスト掲載料を設定することができる(102)。
【0025】
次いで、プロモータは、受信した通信が、音声プロンプトにより返答されるべきか、直接サービス提供者にルーティングされるべきか、又はその組み合わせとすべきかを定める(104)。電話呼びによる通信の場合には、プロモータ又は主催者のどちらでもよいが、サービス提供者のグループを示唆する電話番号を有することが好ましい。電話番号は、1−800又は1−866といったフリーダイヤル番号であることがより好ましい。例えば、該電話番号は、1−800−配管業者、1−800−花屋、1−800−弁護士等とすることができる。典型的には、プロモータが、電話番号若しくは他の通信先情報及びシステムのサービスの広告を、例えばその地理的地域において行って、潜在的サービス提供者及び顧客の両者が知ることができるようにする。その広告は、インターネット、電話帳、広告板、大量の郵便広告等によってなされることができる。したがって、サービス提供者は、インターネット上の提示のために必要な高度な知識又は料金を必要とせず、潜在的顧客は、システムに属するサービス提供者のグループの通信先情報を知るためのコンピュータ及びインターネットへのアクセスを必要としない。示唆的なフリーダイヤル番号は、潜在的顧客が容易にその番号を覚えるであろうし、そのサービスが必要となった時に、記憶からその番号を呼び起こし、何らの更なる資料を参照する必要がなくなるであろうから、最も望ましいものである。しかしながら、その電話番号は、フリーダイヤル又は示唆的なものである必要はない。通信先情報は、ウェブサイトのアドレス、電子メールのアドレス、又は他のいかなる手段といった電話番号以外の情報を含むものとすることができることも又、分かるであろう。例えば、衛星を利用した通信が、顧客にますます利用可能となっている。このような通信のよりよく知られた種類の一つは、OnStar(登録商標)サービスであり、そこでは、車の運転者又は旅客は、ボタンを押すとOnStar(登録商標)のオペレータと通信をとることができ、OnStar(登録商標)は現在、事故又は修理支援、道案内等のサービスを提供している。本発明を実行することによって、車の運転者又は旅客は、所定の地理的位置にあるレストラン、ホテル、修理業者等に要求を行うことができるようになるであろう。
【0026】
図1を参照すると、通信に対して音声プロンプトにより返答すべきであるとプロモータが判断した場合には、プロモータは、特定の事業上の要求に適合する特定のプロンプトメニューを設計する(106)。例えば、もし潜在的顧客が1−800−弁護士に電話をしたとすると、プロンプトメニューは、該潜在的顧客に、知的財産権、不動産、家族法、又は刑法といった法領域を選択するように促すことができる。システムは、音声認識又は電話のキーパッドにおける所定の番号若しくはボタンを押すように該潜在的顧客に促すことのいずれかによる選択を受信するように設計することができる。プロンプトメニューは、典型的には、前記電話番号に電話されると直ちに、サービス提供者にルーティングされる前に消費者に提示されるが、サービス提供者がその電話通信をとる前に所定の情報を得ることができるようにするために、通信がルーティングされた後に提供されるようにすることもできる。
【0027】
これに代えて、又はこれに加えて、潜在的顧客が通信を発信した場合、該顧客の電話番号を含む通信識別番号によって該発信者が識別される(108)ようにシステムが設計される。このようにして、システムは、通信をしている顧客の地理的位置を検知し、地理的位置に基づいた適切なサービス提供者通信リストを決定することができる。
【0028】
システムは又、ここで更に十分に説明されるように、発信者識別が遮断された(110)場合には、音声プロンプトの開始、顧客サービス代理人(customer service representative)への通話接続等の他の手段をとることの両方ができるように設計することができる。
【0029】
プロモータ及び/又は主催者がソフトウエアにより動作するメニューを確定すると、プロモータは、通信ルーティングシステムサービスの広告を行う。上述したように、プロモータは、電話番号の広告を潜在的顧客及びサービス提供者に対して行う(112)。そのようにして、システムに入りたいと望むサービス提供者は、顧客による通信が彼らに向けられる(114)ようにするために、様々な通信リストに彼らを加えるよう電話をすることができる。もちろん、サービス提供者は又、ウェブサイトへの訪問、プロモータの通信先への電話又は登録用紙のプロモータ又は主催者へのFAX送信等といった異なる方法でプロモータ又は主催者に通信することができる。ここで更に十分に説明されるように、顧客は又、図4により十分に説明されるように、サービス提供者に向けられる(116)ために、固有の電話番号又は他の通信手段に通信を行う。
【0030】
次に図3を参照すると、本発明のシステムのプロモーションを行うときに、潜在的サービス提供者は、潜在的顧客からの通信が実際に受信された場合にのみ、プロモータ及び/又は主催者に支払いをしなければならないことを知らされる。これにより、電話帳への電話番号の掲載又は「ヒット」に対するインターネット広告者への支払いに関する多くの不確実さが取り除かれる。サービス提供者はまず、プロモータ及び/又は主催者に関して新しい口座を開設する(200)。該口座は、少なくとも該サービス提供者を特定し、電話番号、電子メールアドレス等といった通信先情報を含み、そのサービス提供者の通信先に通信が直接提供されることができるであろう。次いで、サービス提供者は、例えばクレジットカード、小切手等により、資金を該口座に預託する(202)。
【0031】
口座を設定した後、サービス提供者は、どの通信リストに加わるかを選択する(204)。システムは、サービス提供者の地理的位置によって、該サービス提供者と特定の通信リストが自動的に関連付けられるように設計されることができる。他の例においては、何らの地理的地域の制限がなく、したがって、サービス提供者は、全国的通信リスト又は全州的通信リストに掲載される。サービス提供者は、多数の事務所を有し、その多数の事務所が位置する多数の地理的位置を表わす多数の通信リストを選択できるものとすることができる。更には、サービス提供者は、それどころか複数種類のサービスを提供することができる。例えば、サービス提供者が法律事務所であったとすると、該法律事務所は、刑法、不動産、訴訟等における代理を提供するから、単一の地理的位置においても多数の通信リストについての資格があるものとすることができる。サービス提供者は又、異なる地理的位置に対して、異なる額を入札することができる。すなわち、例えば、地理的位置が大都市地域である場合、通信リストがより具体的に定義されている場合、特定の都市対低地すなわち地方等、他の通信リストに所属するよりも特定の通信リストに所属する方に価値がある場合がある。
【0032】
次いで、サービス提供者は、リスト掲載料金すなわち設定された最低及び/又は現在の市場価格に基づいた通信当たりの料金を選ぶ(206)。典型的には、最低通信当たり受信料金は、プロモータ及び/又は主催者によって設定される。これは、サービス提供者が受信する顧客からの通信についての通信当たりの最低料金である場合がある。例えば、これを通信当たり1ドルと設定することができる。
【0033】
しかしながら、本発明の特に好ましい実施形態において、サービス提供者は、「高い」入札額の通信当たりの額に競争入札することができる。よって、サービス提供者は、最低の通信当たりのリスト掲載料金だけでなく、最大の、すなわち最高の通信リストについての入札額を考慮することができる。サービス提供者は又、この情報を検索するために顧客サービス番号等といった電話番号に電話をすることができる。ここで更に十分に説明されるように、通信リストは、最高入札者から最低入札者までがランク付けされ、それに従って顧客からの通信がルーティングされる。従って、最低のリスト掲載料金すなわち通信当たりの料金が1ドルであるとすることができるとしても、サービス提供者が、最高順位にランクされ、大多数の顧客からの通信を受信する可能性があるものとするために進んで支払う市場価格は、通信当たり2ドル又は更にはそれ以上といった、ずっと高いものであるとすることができる。この点、サービス提供者は、通信リストにおいて、通信当たりの料金を選択し、競争入札することができる。サービス提供者は、第一位へ移るために高い入札額を支払うこと、又はリストにおける低い順位に位置させるであろう、より低い入札額を支払うことを選ぶことができる。サービス提供者が選択することができる最低限の価格は、設定された最低入札額である。顧客からの通信がサービス提供者にルーティングされると、最低入札額又はサービス提供者による入札額のいずれか通信当たりの料金が該サービス提供者の口座から引き落とされる。
【0034】
所定のサービス提供者の営業時間は、午前8時から午後5時までといった通常の営業時間とすることができるから、午前8時よりも前又は午後5時以降には顧客からの通信は、そのサービス提供者にはルーティングされないであろうと本発明は考えている。システムは、サービス提供者が、例えば午前8時から正午の間に受信した通信といったように、日中の所定の時間に対して値を付けて最高の入札額を受け入れる一方、午後に受信した通信に対してはより低い入札額を受け入れ、営業時間以外の時間に対してはゼロの値を付けることができるように設計することができる。それに加えて、又はそれに代えて、サービス提供者は、週のどの日及び一日のどの時間に通信を受信可能かを示し、顧客からの通信が受信できないサービス提供者にルーティングされないようにすることができる。
【0035】
サービス提供者の各々は、インターネット、電話等を介してログオンすることにより、各々の口座にアクセスすることが許される。その口座は、インターネットを介して利用可能であり、その情報がプロモータ又は主催者のウェブサイトにおいて完全に利用可能であることが好ましい。ログインに成功しない場合には、顧客サービス代理人は、サービス提供者を支援し、又はパスワードが電子的にサービス提供者へメールされることができる(210)。
【0036】
サービス提供者が口座へのログインに成功すると、口座に資金を加え、現在の順位を決定し、通信当たりの入札額を増やし、口座残高をチェックし、料金及び通信の履歴をチェックし、及び他の口座の状態をチェックする(212)。このように、通信当たりの料金の入札額は、常に変更することができ、口座に登録されたままではないようにすることが好ましい。このようにして、サービス提供者は、通信リストの自身の順位を変更することができ、自由市場によって、受信された通信当たりの上限の価格が決定され、プロモータ又は主催者の収入が最大化され、サービス提供者は受信される通信の数についてある程度制御することができるであろう。
【0037】
サービス提供者の「リスト掲載料金」すなわち入札額が、該サービス提供者の口座の利用可能な資金よりも大きい場合には(214)、サービス提供者は、通信リストから削除される(216)。資金不足を知らせる通知が、通信リストへの再掲載のために口座に資金を追加するようにとの案内と共に該サービス提供者に送信される(218)。そのような通知は、電子メール、インスタントメッセージ、電話でのメッセージ、葉書等を送ることにより、自動的になされる。次いで、サービス提供者は、例えばプロモータ又は主催者に対するクレジットカード取引の承認、小切手の送付、又は他の支払いによって、口座に資金を追加することが許される(220)。該サービス提供者が、例えば2日後といった所定の期間後も口座に資金を預託しない場合には、通信リストへの再掲載のために口座に資金を追加するようにとの通知が、該サービス提供者に送信されるものとすることができる(218)。サービス提供者が通信リストへの再掲載を望まない場合には、該サービス提供者がシステムに再登録するよう説得するために、その期間に何人の顧客が他のサービス提供者に向けられたのかを示すメッセージが、好ましくは定期的に該サービス提供者に送られる(226)。サービス提供者が通信リストへの再掲載を望む場合には、該サービス提供者に最大すなわち最高入札額が示され、新たな入札額を入力するか、又は設定された最低入札額を選択するかが尋ねられる(228)。次いで、サービス提供者は、リストに再掲載される(230)。通信リストに掲載されると、サービス提供者には、本発明に従って顧客からの通信がルーティングされる。
【0038】
サービス提供者の入札額が、口座の利用可能な資金よりも小さい場合には、サービス提供者は、通信リストに留まる(232)。それに代えて、サービス提供者がオープン・アカウントを有することができ、そこでは、サービス提供者は、例えば月毎といった定期的に請求を受け、該サービス提供者の通信当たりの入札額を支払うのに資金が不十分であったとしても、通信リストに留まる。上述のように、サービス提供者は、自身の口座にアクセスが許され、必要に応じて定期的に資金を追加し、現在の順位を決定し、入札額を増やすことができる。新たなサービス提供者又は通信リスト上に既に存在するサービス提供者が、通信リストにおけるサービス提供者の順位よりも上の順位又は最高順位に移動するために高い入札額で入札した場合には(234)、順位の変更を知らせる通知がそのサービス提供者になされる(236)。当業者に容易に理解されるように、該メッセージは、電子メール、インスタントメッセージ、電話でのボイスメールメッセージ等により自動的に送信される。サービス提供者は、通信リストにおける順位を変更する目的で入札額を増やすために自身の口座にログオンするか、又は何もせずに低い順位のままでいるかを促される(238)。該メッセージの一部として、サービス提供者に現在の最大入札額が示され、サービス提供者は、新たな入札額を入力するよう求められる(240)。例えば、登録時に、サービス提供者は、自身の指示によってプロモータ又は主催者により自動的に勘定を借方に記入されることのできるクレジットカード又は口座番号を提示するものとすることができる。音声認識又はサービス提供者に対するメッセージのウィンドウ表示によって、メニューが提示されるものとすることができ、そのメニューにおいて、サービス提供者は、不十分な残高を補うために、又は受信される通信当たりの入札額を増やすために、口座に資金を追加預金することを選択することができる。このようにして、サービス提供者は、ログオンする必要なく、これら2つの課題を達成する。次いで、自動化システムは、サービス提供者に口座残高及び該サービス提供者による新たな最低入札額を知らせることができる。そのようなステップは、電話によるメッセージがサービス提供者に向けられた場合、又はサービス提供者がプロモータ若しくは主催者の顧客サービス番号に通信した場合に、対話式の音声認識メニューで実行されることができ、又は電子メール、インスタントメッセージ、若しくは該サービス提供者の口座へのログインを介して達成されることができる。もちろん、プロモータ又は主催者が、顧客を支援するのみならず、サービス提供者による口座要求に対する応答を受信することができるオペレータ又は顧客サービス代理人を雇うことができることは理解されるであろう。
【0039】
次に図4を参照すると、顧客から発信された電話での通信をルーティングするための方法が示されている。潜在的顧客は、好ましくは上述のようにフリーダイヤル番号であって、近距離番号若しくは遠距離番号、1−900番号といった特別の番号、又は他の適切な番号であるものとすることができる電話番号に電話をする(300)。次いで、システムは、該番号がメニューによって支援されるものであるか、すなわちメニューの支援が必要であるかを決定する(302)。発信者識別番号によって発信者の地理的位置を識別する(304)ようにシステムが設定されている場合には、呼出リストの第一位のサービス提供者、すなわち最高順位の入札者に、該呼びは自動的にルーティングされる(306)。地理的制限がない例においては、単純に該呼びを呼出リストの第一位のサービス提供者にルーティングすることにより、発信者の電話識別番号を識別することなく、該呼びが自動的にルーティングされることができる。
【0040】
前記番号がメニュー支援のものであって発信者識別が遮断されたものであるか、又はシステムがメニュー方式であるように設計されている場合には、顧客は顧客サービスの選択を促され、又は要求され、それは電話のキーパッドのゼロボタンを押下することにより、又は電話に向かって話すことによりなされる。上述のような催促は、顧客の地理的位置、又はサービスが提供される地理的位置に向けられることができる。そのような場合、顧客は、音声認識又はキーパッド入力によって、地域コード、郵便番号、市、州等を入力することができる。催促が地理的位置に向けられたものではなく、サービスの種類といったいくつかの他の選択に向けられたものである場合には、顧客は、電話に話し掛けるか、電話のキーパッドを押下するかのいずれかによって選択を行うよう要求される(308)。例えば、顧客は、どのような種類の車を借りたいのかを聞かれるものとすることができる。顧客は、高級車、コンパクトカー、ミニバン等の中から選択することができる。これは、上述のように、電話の後又は呼びがルーティングされた後であって、サービス提供者が電話に応答する前に行われる(310)。
【0041】
顧客がメニュー選択をするのが難しい場合には、該顧客は、顧客サービスに向けて「ゼロ」をダイヤルし(312)、又は他に、例えば電話に話し掛けることによって、顧客サービス代理人が呼出リストの第一位のサービス提供者にルーティングする(314)顧客サービスを要求することができる(306)。しかしながら、顧客が、顧客サービスを選択せず、代わりにメニューの質問リストについての催促を受けた場合には、システムは、どこに呼びをルーティングするか、どれが適切な顧客呼出リストの第一位のサービス提供者であるか(306)を決定する(316)。
【0042】
本発明は又、411オペレータへのダイヤルに類似した自動化電話システムである「検索エンジン」を考えている。この実施形態において、自己及び/又は選択された地理的位置への呼びを受信するために高めの順位に入札している多くの異なる企業又はサービス提供者がある。顧客は、電話による質問が必要な電話番号に電話をする。次いで、ここにおいて説明されたように、又は電話に話し掛けることによって特定の企業若しくはニーズを選択することにより、若しくはキーパッド等によって電話に情報を入力することにより、顧客はルーティングされることができる。
【0043】
呼びが、呼出リストの最高順位の第一位のサービス提供者にルーティングされると、サービス提供者は、3回又は4回といった所定の数の呼出音以内に、該呼びに出なければならない。サービス提供者がそのように該呼びに出ない場合には、システムは、「電話がつながるまでお待ちください。」とのプロンプトを提示することができ(320)、該呼びは、呼出リストの次に待っているサービス提供者にルーティングされる(322)。このようにして、サービス提供者が別の呼びに出ているか、又は休みであったりする等の場合には、顧客は、メッセージを残すことなく、直ちにサービス提供者にルーティングされる。これにより、呼出リストの最高順位でないサービス提供者も、呼びを受信することができる。しかしながら、最高順位のサービス提供者は、より多くの顧客からの呼びを受信することが分かるであろう。
【0044】
しかしながら、サービス提供者が、所定の数の呼出音以内に呼びに答えた場合には(318)、そのサービス提供者には、顧客からの生の呼びが提供され、又はシステムが、サービス提供者が自動化システムから「受け入れるなら1を押して下さい」、「呼びを拒否するなら2を押して下さい」といったメッセージを受けるか、若しくはサービス提供者が、受入れ若しくは拒否を言うように要求され、それが音声認識ソフトウエア等によって翻訳されるようにすることができる(324)。サービス提供者が呼びを拒否した場合には、該サービス提供者は、典型的には、呼出リストから削除され、課金サーバによる課金はなされない(328)。それに代えて、システムは、該サービス提供者が呼出リストから削除されず、その代わりに口座残高が該サービス提供者の最低入札額を下回るまで、すなわち該サービス提供者が口座を閉じるまで、受入れ又は拒否を選択できるようにすることができる。いずれの場合も、システムは、呼出リストの次に順位の高いサービス提供者に呼びをルーティングする(322)。
【0045】
最高順位のサービス提供者が呼びを受け入れた場合、呼びを受け入れることを明確に言うか、若しくは呼びを受け入れるボタンを押すか、又は単に電話呼びに出る(330)ことにより、呼びが確立され課金サーバに登録される(332)。サービス提供者が前に呼び当たりに入札した、サービス提供者の「入札額」が、サービス提供者の口座に課金される(334)。該呼び当たりの課金入札額は、サービス提供者の口座から自動的に引き落とされることが好ましい。次いで、料金はプロモータに分配される(336)。
【0046】
図4に関する上記の説明は、携帯電話又は極めて古い形態の電話サービスの「固定電話」呼びといった電話呼びの顧客からの通信に向けられていたが、本発明は、必ずしもそれに限定されるものではない。上述のように、電話呼びに加えて他の形のルーティングが考えられる。生の音声通話が、インターネットすなわちVOIPリンク、衛星を利用したアップリンク(例えばOnStar(登録商標))、プログラムされた電話又は通信先番号を含む自動ダイヤル、潜在的顧客が実際に電話番号をダイヤルする必要がない他のシステムの一部を介して行われる。テキストメッセージ、SMSメッセージ、電子メールメッセージ等といった非音声の顧客からの通信の動的ルーティングが又、本発明により考えられている。例えば、電子メールによる顧客からの通信又は要求は、適切なサービス提供者の電子メールアドレス、電話装置、SMS装置等にルーティングされる。同様に、SMS又はテキストメッセージによる顧客からの要求は、サービス提供者のSMS装置、電話装置等にルーティングされる。サービス提供者は、電子メッセージ、又は他に、例えば電話による潜在的顧客への通信により応答することができる。顧客により発せられ、且つ顧客の要求に対する応答を受信するサービス提供者にルーティングされる、通信のこれらの型の各々に対して、図4に示されたものと同様のステップを適用することができるであろう。
【0047】
システムを設計する際に、プロモータが、満足度すなわち過去の顧客によるサービス提供者の価値を評価する得点システムを作ることが本発明により考えられている。そのような情報は、顧客が「四つ星」又は「最高順位」のサービス提供者を選択することができ、得点の低いサービス提供者により高い最低入札料金を支払わせ、又はシステムに対する顧客の信頼度を維持するために、システムへの参加を打ち切りさえするといったように、様々に用いることができる。
【0048】
典型的には、プロモータは、主催者又はシステムの知的財産の所有者との間に、システムの設定時にプロモータが新登録のサービス提供者の各々についての定額料金を主催者に支払うか、又は通信当たりの各々の料金の一部をプロモータ及び主催者/知的財産の所有者で分けるかのいずれか、とする内容の契約義務を負う。この支払いは、定期的に請求書を送付すること又は口座残高明細を送付すること等により行うか、或いは、プロモータの口座が、課金された各々の通信等の量に対して自動的に増加されるようにすることによって行うことができる。プロモータが直接サービス提供者の口座を扱い、定期的にシステムに支払いを行うことができるものとするか、又は主催者がシステムを維持し、サービス提供者から直接料金を受け取り、プロモータに定期的に合意した取り分を支払うことができるものとするかのいずれかも、本発明では考えている。
【0049】
本発明は、サービス提供者が、必要度を基準として自身のサービスの広告を行うことができ、よって仕事が必要な場合にのみ広告料を支払い、更に多くの通信を受ける位置を得るために入札に参加できるようにする能力をサービス提供者に与えるものであることを、当業者は理解するであろう。顧客は、直ちに顧客の要求に応答できるサービス提供者に、時間をかけることなく、且つ電話帳から又はインターネット上で特定のサービス提供者を探すというつまらないプロセスを経ずに、直接にルーティングされる。
【0050】
本発明は又、プロモータが、様々な事業/サービス提供者への動的通信ルーティングを提供するという発展性のある事業を打ち立てることができるようにし、一方では、特定の事業上の要求に適合させるためにルーティングシステムを修正することができるようにするものである。
【0051】
例示のためにいくつかの実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正が各々の実施形態に対してなされるものとすることができる。従って、本発明は、付属の特許請求の範囲による以外には制限されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】顧客からサービス提供者への通信のルーティングにおいて、本発明に従って取られるステップを概略的に示したフローチャートである。
【図2】本発明を具体化するシステムの設定において、取られるステップを示したフローチャートである。
【図3】本発明に従った、サービス提供者の口座開設及びサービス提供者の通信当たりの料金の入札のためのステップを示したフローチャートである。
【図4】本発明に従って顧客がサービス提供者に対して通信又は要求を発した場合に取られるステップを示したフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客からサービス提供者への通信を動的にルーティングするための方法であって、
複数のサービス提供者の口座を開設するステップと、
顧客の通信当たりの料金について、前記複数のサービス提供者が競争入札することを認めるステップと、
最高入札サービス提供者から最低入札サービス提供者までの順位付けされたサービス提供者を含む通信リストを生成するステップと、
顧客からの通信を受信するステップと、
前記顧客からの通信を、前記通信リストの最高順位入札サービス提供者へルーティングするステップと、
前記顧客の前記サービス提供者による通信当たりの入札額を、前記通信を受信するサービス提供者の口座に課金するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記通信が、リアルタイム通信リンクを介した生の通話を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記リアルタイム通信リンクが、電話リンク、ボイスオーバ・インターネット・プロトコル・リンク、又は衛星を利用した音声リンクを含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記通信が、顧客からの電子メッセージを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記電子メッセージが、テキストメッセージ、SMSメッセージ、又は電子メールメッセージを含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記顧客からの通信に対して前記最高順位のサービス提供者が応答しない場合に、顧客からの通信を、通信リストの次に順位の高いサービス提供者に再ルーティングするステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
入札順位に変更があった場合に、サービス提供者に通知するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記サービス提供者が新たな入札額を入力することを許すステップを含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記口座開設ステップが、前記サービス提供者が一又はそれ以上の通信リストを選択することを許すステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記通信リスト生成ステップが、前記サービス提供者の地理的位置に基づいて通信リストを生成するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記通信ルーティングステップが、前記顧客の前記地理的位置を判定し、該地理的位置に基づいて通信リストを選択するステップを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記地理的位置判定ステップが、顧客により提供される地理的情報、顧客電話発信者識別番号、GPSによる位置、三角測量、オペレータによる位置、又は携帯電話会社による位置を用いて得られるものであることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記地理的位置判定ステップが、前記顧客に地理的位置情報を提供するよう促し、前記顧客を対応する地理的位置に関するサービス提供者通信リストにルーティングするステップを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記顧客が、音声認識又はキーパッド入力を用いて地理的位置情報を提供することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記顧客に選択を行うよう促し、前記顧客からの通信をどのようにして適切にルーティングするかを決定するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記顧客の選択が、音声認識又はキーパッド入力を用いて自動的に遂行されることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
受信された通信の各々について、通信当たりの最低料金の入札額を設定するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記サービス提供者が資金を自身の口座に預託するステップを含み、
前記課金ステップは、前記サービス提供者が通信を受信した後に、前記サービス提供者の口座から前記サービス提供者の通信当たりの入札額を自動的に引き落とすステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
サービス提供者が自身の口座の状態を入手できるようにするステップを含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
サービス提供者の口座残高によって受信された通信についての支払いができない段階に前記サービス提供者の口座残高が達した場合に、前記サービス提供者の通信リストから前記サービス提供者を削除するステップを含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項21】
サービス提供者の口座残高によって受信された通信についての支払いができない段階に前記サービス提供者の口座残高が達した場合に、前記サービス提供者に通知を行うステップを含むことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記顧客からの通信がルーティングされたサービス提供者が、該通信を受け入れ、又は拒否することができるステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記受入れ又は拒否は、音声認識又はキーパッド入力により行われることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記最高順位のサービス提供者が前記通信を受け入れない場合には、前記顧客からの通信を、前記通信リストの次に高い順位のサービス提供者に再ルーティングするステップを含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記サービス提供者が、通信受入れ時間を設定することができるステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項26】
プロモータを用いて、顧客に対して前記サービス提供者通信システムの広告を行い、サービス提供者の口座を獲得するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項27】
システムの主催者及び前記プロモータが、前記サービス提供者の口座に対する通信当たりの料金を分け合うものとすることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項28】
顧客からサービス提供者への通信を動的にルーティングするための方法であって、
複数のサービス提供者の口座を開設するステップと、
顧客の通信当たりの料金について、前記複数のサービス提供者が競争入札することを認めるステップと、
最高入札サービス提供者から最低入札サービス提供者までの順位付けされたサービス提供者の地理的位置に基づいて通信リストを生成するステップと、
リアルタイム通信リンクを介した生の通話を含む、顧客からの通信を受信するステップと、
前記顧客からの通信を、前記通信リストの最高順位入札サービス提供者へルーティングするステップと、
前記顧客の前記サービス提供者による通信当たりの入札額を、前記通信を受信する前記サービス提供者の口座に課金するステップと、
前記最高順位のサービス提供者が前記通信に応答しない場合には、前記顧客からの通信を、前記通信リストの次に高い順位のサービス提供者に再ルーティングするステップと、
入札順位に変更があった場合に、サービス提供者に通知し、該サービス提供者が新たな入札額を入力することを許すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
前記リアルタイム通信リンクが、電話リンク、ボイスオーバ・インターネット・プロトコル・リンク、又は衛星を利用した音声リンクを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記口座開設ステップが、前記サービス提供者が一又はそれ以上の通信リストを選択することを許すステップを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記通信ルーティングステップが、前記顧客の前記地理的位置を判定し、該地理的位置に基づいて通信リストを選択するステップを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記顧客に選択を行うよう促し、前記顧客からの通信をどのようにして適切にルーティングするかを決定するステップを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項33】
受信された通信の各々について、通信当たりの最低料金の入札額を設定するステップを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記サービス提供者が資金を自身の口座に預託するステップを含み、
前記課金ステップは、前記サービス提供者が通信を受信した後に、前記サービス提供者の口座から前記サービス提供者の通信当たりの入札額を自動的に引き落とすステップを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項35】
前記サービス提供者が資金を自身の口座に預託するステップを含み、
前記課金ステップは、前記サービス提供者が通信を受信した後に、前記サービス提供者の口座から前記サービス提供者の通信当たりの入札額を自動的に引き落とすステップを含むことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
サービス提供者の口座残高によって受信された通信についての支払いができない段階に前記サービス提供者の口座残高が達した場合に、前記サービス提供者に通知を行うステップを含むことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記顧客からの通信がルーティングされたサービス提供者が、該通信を受け入れ、又は拒否することができ、前記最高順位のサービス提供者が前記通信を受け入れない場合には、前記顧客からの通信を、前記通信リストの次に高い順位のサービス提供者に再ルーティングするステップを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項38】
前記サービス提供者が、通信受入れ時間を設定することができるステップを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項39】
顧客からサービス提供者への通信を動的にルーティングするための方法であって、
複数のサービス提供者の口座を開設するステップと、
顧客の通信当たりの料金について、前記複数のサービス提供者が競争入札することを認めるステップと、
最高入札サービス提供者から最低入札サービス提供者までの順位付けされたサービス提供者を含む通信リストを生成するステップと、
顧客からの電子メッセージを含む、顧客からの通信を受信するステップと、
前記顧客からの通信を、前記通信リストの最高順位入札サービス提供者へルーティングするステップと、
前記顧客の前記サービス提供者による通信当たりの入札額を、前記通信を受信する前記サービス提供者の口座に課金するステップと、
前記最高順位のサービス提供者が前記通信に応答しない場合には、前記顧客からの通信を、前記通信リストの次に高い順位のサービス提供者に再ルーティングするステップと、
入札順位に変更があった場合に、サービス提供者に通知し、該サービス提供者が新たな入札額を入力することを許すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項40】
前記電子メッセージが、テキストメッセージ、SMSメッセージ、又は電子メールメッセージを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記口座開設ステップが、前記サービス提供者が一又はそれ以上の通信リストを選択することを許すステップを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記通信ルーティングステップが、前記顧客の前記地理的位置を判定し、該地理的位置に基づいて通信リストを選択するステップを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項43】
前記顧客に選択を行うよう促し、前記顧客からの通信をどのようにして適切にルーティングするかを決定するステップを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項44】
受信された通信の各々について、通信当たりの最低料金の入札額を設定するステップを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項45】
前記サービス提供者が資金を自身の口座に預託するステップを含み、
前記課金ステップは、前記サービス提供者が通信を受信した後に、前記サービス提供者の口座から前記サービス提供者の通信当たりの入札額を自動的に引き落とすステップを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項46】
サービス提供者の口座残高によって受信された通信についての支払いができない段階に前記サービス提供者の口座残高が達した場合に、前記サービス提供者の通信リストから前記サービス提供者を削除するステップを含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項47】
サービス提供者の口座残高によって受信された通信についての支払いができない段階に前記サービス提供者の口座残高が達した場合に、前記サービス提供者に通知を行うステップを含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項48】
前記顧客からの通信がルーティングされたサービス提供者が、該通信を受け入れ、又は拒否することができ、前記最高順位のサービス提供者が前記通信を受け入れない場合には、前記顧客からの通信を、前記通信リストの次に高い順位のサービス提供者に再ルーティングするステップを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項49】
前記サービス提供者が、通信受入れ時間を設定することができるステップを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−526111(P2008−526111A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548381(P2007−548381)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/046066
【国際公開番号】WO2006/069039
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507209458)メトロ エンタープライジズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】