説明

顧客情報管理システム

【課題】顧客情報を管理するに当たり、契約に関する書類から特に慎重な取扱いが要請される特定情報の取得を除外することで、顧客情報の取扱い上の負担を軽減し、特定情報が流出される心配がない顧客情報管理システムを提供する。
【解決手段】顧客と会社との間の契約に伴う処理を行なう自動契約機1と、この自動契約機1に通信回線を介して接続された顧客情報を管理する管理サーバ3とを用い、自動契約機1において、スキャナ7によって読み取られた顧客の契約に関する書類の画像から文字列を認識させ、この認識された文字列の中から特定情報の前後に付される第1の定型単語と第2の定型単語を認識してこれらの定型単語の間に存在する文字情報を抽出し、この抽出された文字情報を除外した顧客情報を管理サーバ3へ送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報を扱う消費者金融会社等の金融機関が取得する顧客情報を管理する場合に適した顧客情報管理システムに関し、特に機微(センシティブ)情報の取扱いを考慮した管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人向けの融資を行なっている消費者金融等の金融業界では、店舗等に設置されている自動契約機を使用した契約手続きが行なわれており、この契約手続きにおいて、運転免許証や健康保険被保険者証などの本人確認書類をスキャナで読み取り、本人確認を行なっている。この際、従来においては、スキャナで読み取った本人確認書類のイメージデータを保存することで、免許証番号などの顧客データを管理することが行なわれている。本人確認に関する書類のイメージデータを保存する技術としては、下記する文献等が公知となっている。
【特許文献2】特開2004−252737号公報
【特許文献3】特開2005−173752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、顧客から同意を得て提示される本人確認書類をそのままイメージデータとして保存する場合には、本籍地情報等の機微(センシティブ)情報が含まれている場合がある。個人情報保護法や金融庁ガイドラインでは、業務遂行上必要な範囲でセンシティブ情報を取得することは認められているが、その取扱いについては、慎重な対応が要請されている。
また、免許証番号などをイメージデータとして保存している場合には、この顧客情報を利用する際にオペレータが業務端末に入力し直す必要があり、その際、入力間違いが生じやすいという不都合もある。
【0004】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、顧客情報を管理するに当たり、契約に関する書類から特に慎重な取扱いが要請される特定情報の取得を除外することで、顧客情報の取扱い上の負担を軽減し、また、万が一生じ得る情報漏洩等の不慮の事態に対して特定情報が流出される心配がない顧客情報管理システムを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために、この発明に係る顧客情報管理システムは、顧客と会社との間の契約に伴う処理を行なう自動契約機と、この自動契約機に通信回線を介して接続され、前記自動契約機から受信した顧客情報を管理する管理サーバとを有して構成されるシステムであって、前記自動契約機は、前記顧客の契約に関する書類の画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段によって読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識する文字列認識手段と、前記文字列認識手段により認識された文字列の中から特定情報の前後に付される第1の定型単語と第2の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を抽出する特定文字情報抽出手段と、前記文字列認識手段により認識された文字列の中から前記特定文字情報抽出手段によって抽出された文字情報を除外した顧客情報を得る特定文字情報除外手段と、の特定文字情報除外手段によって得られた顧客情報を前記管理サーバへ送信する顧客情報送信手段とを有することを特徴としている(請求項1)。
【0006】
したがって、顧客の契約に関する書類上に含まれる機微(センシティブ)情報などの特定情報は、特定文字情報抽出手段によって抽出され、顧客情報が管理サーバへ送信される前に特定文字情報除外手段により顧客情報から除外されるので、管理サーバが受ける顧客情報の中に前記特定情報が含まれることがなくなる。
【0007】
また、自動契約機は、前記顧客の契約に関する書類の画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段によって読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識する文字列認識手段と、前記文字列認識手段により認識された文字列の中から特定情報を含むページに対して付された定型単語を認識し、そのページに存在する文字情報を抽出する特定文字情報抽出手段と、前記文字列認識手段により認識された文字列の中から前記特定文字情報抽出手段によって抽出された文字情報を除外した顧客情報を得る特定文字情報除外手段と、この特定文字情報除外手段によって得られた顧客情報を前記管理サーバへ送信する顧客情報送信手段とを有する構成としてもよい(請求項2)。
【0008】
したがって、このような構成によれば、顧客の契約に関する書類上に含まれる機微(センシティブ)情報などの特定情報を含むページの文字情報が、特定文字情報抽出手段によって抽出され、顧客情報が管理サーバへ送信される前に特定文字情報除外手段により顧客情報から除外されるので、管理サーバが受ける顧客情報の中に特定情報が含まれることがなくなる。
【0009】
さらに、自動契約機は、上述の構成に加えて、前記文字列認識手段により認識された文字列の中から前記特定情報以外の管理対象情報の前後に付される第3の定型単語と第4の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を抽出する管理対象情報抽出手段と、前記管理対象情報抽出手段により抽出された文字情報を前記第3の定型単語及び前記第4の定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とする属性割当手段とを更に有し、前記属性割当手段によって得られた顧客属性情報を前記顧客情報の一部としてもよい(請求項3)。
【0010】
このような構成によれば、文字情報抽出手段によって認識された文字列の中から第3の定型単語と第4の定型単語との間に存在する文字情報が抽出され、属性割当手段によって、抽出された文字情報を前記第3の定型単語及び前記第4の定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とし、その上で、この顧客属性情報を含む顧客情報を管理サーバへ送信するようにしているので、顧客情報の管理及び利用が容易となる。
【0011】
また、自動契約機は、前記顧客の契約に関する書類の特定情報が記載された領域を除く画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段によって読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識する文字列認識手段と、前記文字列認識手段により認識された文字列の中から管理対象情報の前後に付される第3の定型単語と第4の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を抽出する管理対象情報抽出手段と、前記管理対象情報抽出手段により抽出された文字情報を前記第3の定型単語及び前記第4の定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とする属性割当手段と、前記属性割当手段によって得られた前記顧客属性情報を含む顧客情報を前記管理サーバへ送信する顧客情報送信手段とを有する構成としてもよい(請求項4)。
【0012】
このような構成によれば、顧客の契約に関する書類上に含まれる機微(センシティブ)情報などの特定情報は、画像読取手段によって読み取られた画像中に含まれることがないので、管理サーバが受ける顧客情報の中に特定情報が含まれることがなくなる。
【0013】
尚、いずれの顧客管理システムにおいても、自動契約機に、属性割当手段によって得られた顧客属性情報を表示し、顧客属性情報の正否を顧客に確認させる属性確認手段と、属性確認手段による確認の結果、顧客属性情報に誤りがあると認められた場合に、顧客属性情報の修正を可能とする属性修正手段とを更に具備するようにしてもよい (請求項5)。
【0014】
このような構成によれば、属性確認手段により顧客に顧客属性の正否を確認させ、顧客属性に誤りがあると認められた場合に、属性修正手段により顧客属性を修正することが可能となるので、誤った属性をもとに審査や管理が行なわれる不都合がなくなる。
【0015】
また、前記顧客の契約に関する書類は、顧客の正確な情報を入手するために、例えば、運転免許証などの本人確認を行なうための定型書類であることが好ましい(請求項6)。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように、本発明によれば、自動契約機から管理サーバへ顧客の契約に関する書類に含まれる顧客情報を送信するに当たり、機微(センシティブ)情報などの特定情報が含まれることがなくなるので、顧客情報の取扱い上の負担を軽減することが可能となる。また、万が一生じ得る情報漏洩等の不慮の事態に対して特定情報の流出する虞がなくなる。
【0017】
また、管理端末へ送られる顧客情報を顧客属性に割り当てられた文字情報としての顧客属性情報を含む情報としたので、顧客情報を利用したい場合に、この顧客属性情報を利用することで、オペレータが業務端末へ入力し直す操作が不要となり、入力操作に煩わされることがなくなる。また、オペレータの業務端末への入力間違いが生じることもなくなる。
【0018】
さらに、自動契約機は、顧客属性情報を表示させてその正否を顧客に確認させ、確認の結果、顧客属性情報に誤りがあると認められた場合に、顧客属性情報の修正を可能とするので、誤った属性に基づいて顧客情報が管理されることがなくなる。
【0019】
また、顧客の契約に関する書類を、運転免許証や健康保険被保険者証などの本人確認を行なうための定型書類とすれば、顧客の正確な情報を入手することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の顧客管理システムの実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1において、1は顧客と金融機関等の会社との間の契約締結に必要な処理を行なうための自動契約機であり、インターネット等の通信回線2を介して管理サーバ3と接続され、この管理サーバ3との間で種々の情報の授受を行なうことにより、貸付契約等に関する諸手続きを自動で行なうようにしている。
【0022】
自動契約機1は、無人店舗等に設置されているもので、この契約機で処理される各種情報を入力する入力部5と、入力された情報を表示したり利用者の操作を誘導するための表示部6とを有し、この例では、入力部5と表示部6は、表示部6の上に重なるように入力部5が実装されたタッチパネル式ディスプレイによって構成されている。
【0023】
また、自動契約機1は、顧客の本人確認を行なうための書類など(免許証や健康保険被保険者証など)のイメージを読み取るスキャナ7と、通信回線2を介して管理サーバ3との間でデータの通信処理を行なうルータなどによって構成される通信制御部8と、これらスキャナ7や通信制御部8、及び、前記入力部5や表示部6を制御するマイクロプロセッサやプログラム等を記憶した記憶部などにより構成される制御部9とを有している。
【0024】
自動契約機1の制御部9は、同図に示されるように、インストールしたソフトウェアにより、顧客の操作がきっかけとなって顧客の契約に関する書類の画像を読み取る画像読取処理と、画像読取処理によって読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識する文字列認識処理と、認識された文字列の中から機微(センシティブ)情報を抽出するセンシティブ情報抽出処理と、認識された文字列の中から機微(センシティブ)情報以外の管理対象情報を抽出する管理対象情報抽出処理と、この管理対象抽出処理によって抽出された管理対象情報を顧客属性に割り当てて顧客属性情報とする属性割当処理と、顧客属性に割り当てられた顧客属性情報を表示部6に表示させ、顧客属性情報の正否を顧客に確認させる属性表示処理と、表示部6に表示された顧客属性情報に誤りがあると認められた場合に、顧客の入力部5の操作に基づき、顧客属性情報の修正を可能とする属性修正処理と、顧客の契約に関する書類から抽出した情報以外の必要聴取項目に関する情報を抽出可能とする必要聴取項目抽出処理と、顧客属性情報を含む顧客情報を管理サーバ3へ送信する顧客情報送信処理等を行なう機能を有する。
【0025】
これに対して、管理サーバ3は、CPU,ROM,RAM等を有する情報処理装置であり、メモリに保持された所定のプログラムにより、受信した顧客情報を利用して与信判定を行なうと共に顧客情報を管理するもので、通信回線2を介して自動契約機1との間でデータの通信処理を行なうルータなどによって構成される通信制御部11と、この通信制御部11を制御するマイクロプロセッサやプログラム等を記憶した記憶部などにより構成される制御部12とを有している。
【0026】
管理サーバ3の制御部12は、同図に示されるように、インストールしたソフトウェアにより、自動契約機1から送信される顧客情報に基づき、所定の与信テーブルを用いて自動与信額を算出するなどの与信判定処理や、顧客情報を記録する記録処理等を行なう機能を有する。また、管理サーバ3は、自動契約機1から送信される顧客情報や与信判定結果等を格納する顧客データベース13を備える。
【0027】
図2に、自動契約機1及び管理サーバ3による動作処理例がフローチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づき自動契約システムの動作処理例を説明する。ここで示される処理例は、自動契約機1及び管理サーバ3で読み取ることが可能な制御プログラムをCD−ROM等の記憶媒体を介して供給することにより、或いは、ネットワークを介して配信すること等によって自動契約機1及び管理サーバ3にインストールし、このインストールされた制御プログラムを実行させることで行なわれる。
【0028】
先ず、顧客が自動契約機1の入力部5を操作し、契約手続きを開始すると、表示部6に商品内容の確認や個人情報利用等の同意を促すメッセージが表示され、確認及び同意が顧客に対して要求される(ステップS1)。
【0029】
この要求に対して、顧客が入力部5を操作して確認及び同意に承諾しない意思表示をした場合には、申込みが取り消され、以後、契約手続きが行なわれずに終了する(ステップS2)。
【0030】
これに対して、顧客が入力部5を操作して確認及び同意に承諾する意思表示をした場合には、契約に関する書類として、例えば、本人確認を行なうための本人確認書類をスキャナの所定位置にセットすることが要求され、この要求に応えて顧客が本人確認書類をスキャナ7の所定位置にセットし(ステップS3)、所定の操作を行い読取処理を開始させる。この例では、本人確認書類として運転免許証からなる定型書類を用いた場合について説明する。
【0031】
自動契約機1はこの操作を受けて、運転免許証の画像イメージ(図3(a))の読取処理を行なう(ステップS4)。
【0032】
その後、自動契約機1は、OCR処理プログラムを用いてステップS3で読み取った本人確認書類(運転免許証)の画像イメージのOCR処理を行ない、図3(b)に示されるように、運転免許証に記載されている全文字列の自動認識処理を行なう(ステップS5)。
【0033】
その後、S5で認識された文字列の中から、機微(センシティブ)情報が記載された文字情報を抽出する(ステップS6)。この文字情報は、認識された文字列の中から機微(センシティブ)情報の前後に記された第1の定型単語と第2の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を取得するやり方により抽出する。
【0034】
尚、ここで、機微(センシティブ)情報とは、政治的見解、信教(宗教、思想及び心情をいう)、労働組合への加盟、人種及び民族、門地及び本籍地、保険医療及び性生活、並びに犯罪歴に関する情報などをいう。
【0035】
例えば、運転免許証の定型書類においては、「本籍」の記載内容のうち、特に都道府県名以下の文字情報が機微(センシティブ)情報として取扱いに注意を要するが、この機微(センシティブ)情報は、「本籍」の記載内容の都道府県名と、「住所」という文字との間に必ず記載されているので、第1の定型単語と第2の定型単語とを図4(a)に示されるように割り当て、この第1の定型単語と第2の定型単語との間に存在する文字情報を抽出する。
【0036】
次に、S5で認識された文字列の中から、前記機微(センシティブ)情報以外の管理対象となる顧客情報が記載された文字情報を抽出する(ステップS7)。
この機微(センシティブ)情報以外の顧客情報は、認識された文字列の中から抽出したい顧客情報の前後に記された第3の定型単語と第4の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を取得するやり方により抽出する。
【0037】
例えば、運転免許証の定型書類では、図3に示されるように、「氏名」という文字と元号を示す「昭和」、「明治」、「大正」、又は「平成」という文字との間に必ず氏名が記載され、また、元号を示す文字と生年月日の表記を示す「日生」という文字との間に必ず生年月日が記載され、「住所」という文字と「交付」という文字との間に必ず住所が記載され、「第」という文字と「号」という文字との間に必ず免許証番号が記載されているので、第3の定型単語と第4の定型単語とを、図4(b)に示されるように割り当て、それぞれの第3の定型単語と第4の定型単語との間に存在する文字情報を抽出する。
【0038】
そして、ステップS7によって抽出された文字情報を、それぞれの第3の定型単語及び第4の定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とする(ステップS8)。即ち、例えば、「氏名」という文字と元号を示す文字との間の文字情報を顧客の顧客属性としての「氏名」に割り当て、この文字情報を顧客の氏名を特定する顧客属性情報とする。
【0039】
同様に、元号を示す文字と「日生」という文字との間の文字情報を顧客属性としての「生年月日」に割り当て、この文字情報を顧客の生年月日を特定する顧客属性情報とし、「住所」という文字と「交付」という文字との間の文字情報を顧客属性としての「住所」に割り当て、この文字情報を顧客の住所を特定する顧客属性情報とし、また、「第」という文字と「号」という文字との間の文字情報を顧客属性としての「免許証番号」に割り当て、この文字情報を顧客の免許証番号を特定する顧客属性情報とする。
【0040】
このようにして、抽出された機微(センシティブ)情報以外の文字情報を属性に割り当てた後に、この顧客属性情報を、図5に示されるように、属性と対応させて自動契約機1の表示部6に表示する(ステップS9)。
【0041】
この顧客属性情報の表示部6への表示は、内容の確認、及び、表示内容の修正の要請を促すメッセージと共に行なわれ、顧客に対して確認および修正の有無の判断を要求する(ステップS10)。
【0042】
これを受けて、顧客が表示された内容を確認し、確認した結果、顧客属性情報に誤りがあると認めて入力部5を操作した場合(タッチパネルの誤りがある該当項目の表示部分に触れた場合)、画面の指示に従って所定の操作を行なうことにより顧客属性情報の修正を行なう(ステップS11)。
【0043】
これに対して、顧客が顧客属性情報に誤りがないと認定した場合、または、顧客属性情報の修正が完了した場合には、入力部5の所定の操作を行なうことにより、自動契約機1は、運転免許証から得られる顧客属性項目以外の与信を行なうために必要な必要聴取項目(例えば、家族構成や年収、勤務先情報、利用目的等、運転免許証から把握できない項目)を自動抽出し、顧客に対して必要聴取項目に関する情報の入力を促し、この必要聴取項目に関する情報を取得する(ステップS12)。
【0044】
この必要聴取項目に関する情報の取得は、例えば、必要聴取項目に関する情報の入力を促す画面を表示部6に表示させ、これを受けて顧客が入力部5から必要聴取項目に関する情報を文字入力により又は選択することにより入力し、この操作を必要聴取項目毎に順次繰り返して与信に必要となる全ての必要聴取項目に対して行なわれる。
【0045】
その後、ステップS4で読み取られた書類の画像イメージデータと、機微(センシティブ)情報を除いた顧客情報、即ち、機微(センシティブ)情報以外の顧客属性情報とその他の与信に必要な必要聴取項目に関する情報とを通信制御部8を介して管理サーバ3へ送信する(ステップS13)。
【0046】
そして、管理サーバ3では、通信制御部11が自動契約機1から送信された顧客情報を受信すると、この自動契約機1からの顧客情報に基づき、与信判定を実行し(ステップS14)、与信判定結果を自動契約機1へ返信すると共に、顧客に対して会員番号を割り当て、顧客データベース13に、自動契約機1から送信された書類の画像イメージデータ、及び、機微(センシティブ)情報を除いた顧客情報や与信判定結果を会員番号と関連付けて格納する(ステップS15)。
【0047】
したがって、上述の自動契約システムによれば、スキャナ7によって読み取られた本人確認書類(運転免許証)の画像に基づき、画像上の文字列が自動認識され、認識された文字列の中から第1の定型単語と第2の定型単語との間に存在する機微(センシティブ)情報を抽出し、この抽出された機微(センシティブ)情報を、第3の定型単語と第4の定型単語との間に存在する顧客情報と区別し、これを管理サーバへ送信する対象情報から除外したので、そもそも機微(センシティブ)情報が顧客データベースに格納されて管理されることがなくなる。このため、機微(センシティブ)情報に対して、取扱い上の負担が軽減され、また、万が一生じ得る情報漏洩等の不慮の事態に対して機微(センシティブ)情報が流出される虞がなくなる。
【0048】
また、認識された文字列の中から第3の定型単語と第4の定型単語との間に存在する文字情報を抽出し、この抽出された文字情報を第3の定型単語及び第4の定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とし、その上で、顧客に顧客属性情報を確認させて修正が必要な場合に修正させるようにすると共に、与信に必要な必要聴取項目に関する情報を取得し、顧客属性情報および必要聴取項目に関する情報を管理サーバ3へ送信し、管理サーバ3によりこの顧客情報を利用して顧客の与信判定を行なうようにしたので、顧客は、本人確認書類から把握できる顧客属性情報についての入力が不要となり、必要があれば適宜修正すればよいので、顧客属性情報の入力操作に煩わされることがなくなる。このため、契約手続きを必要聴取項目に関する情報の入力へ速やかに移行させることが可能となり、短時間で審査へ移行することが可能となる。
【0049】
また、顧客属性情報は、本人確認書類である運転免許証から抽出され、しかも、顧客に顧客属性情報の正否を確認させ、顧客属性に誤りがあると認められた場合に、顧客属性情報を修正することが可能となるので、誤った顧客属性情報に基づき審査が行なわれる不都合がなくなる。
【0050】
さらに、自動契約機から送信された文字情報としての顧客属性情報は顧客データベースに記録されるので、顧客情報を利用したい場合に、この顧客属性情報を利用すれば、オペレータは顧客の属性情報の業務端末への入力操作に煩わされることもなくなり、また、オペレータの業務端末への入力間違いが生じることもなくなる。
【0051】
尚、上述の構成においては、顧客の属性情報を得るための契約に関する書類として、本人確認書類である運転免許証を用いた例を示したが、ある程度定型化された書類であれば、記載されている文字列のうち、機微(センシティブ)情報に該当する項目やこれに関連づけられている定型単語を特定しやすいため、そのような契約に関する他の書類(パスポート、健康保険被保険者証、住民基本台帳カードなど)を用いてもよい。
【0052】
特に健康保険被保険者証においては、所定のページの全体に特定の定型単語に関連付けられた機微(センシティブ)情報が表示されている場合がある。例えば、健康保険被保険者証の「被保険者療養給付記録」のページには、図6に示されるように、顧客の被扶養者療養給付に関する機微(センシティブ)情報のみが記載されているので、「被保険者療養給付記録」という定型単語が認識された場合には、その定型単語があるページ全体の文字情報を機微(センシティブ)情報として顧客情報から除外するようにしてもよい。また、健康保険被保険者証の「被扶養者療養給付記録」のページも同様に処理するとよい。
【0053】
さらに、上述の構成においては、顧客の契約に関する書類の画像を読み取り、その画像上の文字列を認識した上で機微(センシティブ)情報を抽出し、これを除外するようにしたが、自動契約機は、顧客の契約に関する書類の機微(センシティブ)情報が記載された領域を除いて書類の画像を読み取り、読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識し、この認識された文字列の中から管理対象となる情報の前後に付される定型単語を認識し、その間に存在する文字情報を抽出し、この抽出された文字情報を管理対象となる情報の前後に付される定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とし、この顧客属性情報を含む顧客情報を管理サーバへ送信するようにしてもよい。
【0054】
ここで、特定情報が記載された領域を除いて書類の画像を読み取る手法としては、スキャナ7の読み取り画面に機微(センシティブ)情報が記載されている領域を覆うように目隠しシールを施し、その部分が物理的に読み取れないようにしてもよい。
【0055】
このような手法においては、機微(センシティブ)情報自体が自動契約機1に取り込まれることがないので、機微(センシティブ)情報の取り扱い上の負担を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明に係る顧客管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係る顧客管理システムの動作処理例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、顧客の契約に関する書類として、本人確認書類である運転免許証を用いてスキャナで画像を読み込み、OCR機能で画像上の文字列を自動認識させた例を示す説明図である。
【図4】図4(a)は、運転免許証についての機微(センシティブ)情報についての属性と定型単語との対応関係を示し、図4(b)は、運転免許証についての機微(センシティブ)情報以外についての本人情報の属性と定型単語との対応関係を示す表である。
【図5】図5は、図4の対応関係に基づき、顧客属性情報を表示部に表示させた状態を示す図である。
【図6】図6は、健康保険被保険者証の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 自動契約機
2 通信回線
3 管理サーバ
5 入力部
6 表示部
7 スキャナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客と会社との間の契約に伴う処理を行なう自動契約機と、この自動契約機に通信回線を介して接続され、前記自動契約機から受信した顧客情報を管理する管理サーバとを有して構成される顧客情報管理システムにおいて、
前記自動契約機は、
前記顧客の契約に関する書類の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段によって読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識する文字列認識手段と、
前記文字列認識手段により認識された文字列の中から特定情報の前後に付される第1の定型単語と第2の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を抽出する特定文字情報抽出手段と、
前記文字列認識手段により認識された文字列の中から前記特定文字情報抽出手段によって抽出された文字情報を除外した顧客情報を得る特定文字情報除外手段と、
この特定文字情報除外手段によって得られた顧客情報を前記管理サーバへ送信する顧客情報送信手段と
を有することを特徴とする顧客情報管理システム。
【請求項2】
顧客と会社との間の契約に伴う処理を行なう自動契約機と、この自動契約機に通信回線を介して接続され、前記自動契約機から受信した顧客情報を管理する管理サーバとを有して構成される顧客情報管理システムにおいて、
前記自動契約機は、
前記顧客の契約に関する書類の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段によって読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識する文字列認識手段と、
前記文字列認識手段により認識された文字列の中から特定情報を含むページに対して付された定型単語を認識し、そのページに存在する文字情報を抽出する特定文字情報抽出手段と、
前記文字列認識手段により認識された文字列の中から前記特定文字情報抽出手段によって抽出された文字情報を除外した顧客情報を得る特定文字情報除外手段と、
この特定文字情報除外手段によって得られた顧客情報を前記管理サーバへ送信する顧客情報送信手段と
を有することを特徴とする顧客情報管理システム。
【請求項3】
前記自動契約機は、
前記文字列認識手段により認識された文字列の中から前記特定文字情報抽出手段によって抽出された文字情報以外の管理対象情報の前後に付される第3の定型単語と第4の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を抽出する管理対象情報抽出手段と、
前記管理対象情報抽出手段により抽出された文字情報を前記第3の定型単語及び前記第4の定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とする属性割当手段とを更に有し、
前記属性割当手段によって得られた前記顧客属性情報を前記顧客情報の一部とすることを特徴とする請求項1又は2記載の顧客情報管理システム。
【請求項4】
顧客と会社との間の契約に伴う処理を行なう自動契約機と、この自動契約機に通信回線を介して接続され、前記自動契約機から受信した顧客情報を管理する管理サーバとを有して構成される顧客情報管理システムにおいて、
前記自動契約機は、
前記顧客の契約に関する書類の特定情報が記載された領域を除く画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段によって読み取られた画像に基づき、画像上の文字列を認識する文字列認識手段と、
前記文字列認識手段により認識された文字列の中から管理対象情報の前後に付される第3の定型単語と第4の定型単語とを認識し、その間に存在する文字情報を抽出する管理対象情報抽出手段と、
前記管理対象情報抽出手段により抽出された文字情報を前記第3の定型単語及び前記第4の定型単語の種類から顧客属性に割り当てて顧客属性情報とする属性割当手段と、
前記属性割当手段によって得られた前記顧客属性情報を含む顧客情報を前記管理サーバへ送信する顧客情報送信手段と
を有することを特徴とする顧客情報管理システム。
【請求項5】
前記自動契約機は、
前記属性割当手段によって得られた前記顧客属性情報を表示し、前記顧客属性情報の正否を顧客に確認させる属性確認手段と、
前記属性確認手段による確認の結果、前記顧客属性情報に誤りがあると認められた場合に、前記顧客属性情報の修正を可能とする属性修正手段と
を更に具備することを特徴とする請求項3又は4記載の顧客情報管理システム。
【請求項6】
前記顧客の契約に関する書類は、本人確認を行なうための定型書類であることを特徴とする請求項1,2又は4記載の顧客情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−117058(P2008−117058A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297862(P2006−297862)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(595078415)プロミス株式会社 (99)
【Fターム(参考)】