説明

顧客案内システム、サーバ装置、プログラム及び顧客案内方法

【課題】顧客が目的の商品が陳列された場所まで辿り着くことを容易とする。
【解決手段】実施形態の顧客案内システムは、店舗に陳列する陳列商品に対応して配置された表示装置と、陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と、表示装置及び受付端末と通信する通信手段、受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、受付端末から指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出手段、算出された経路をもとに、その経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定手段、特定された表示装置に経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知手段を有するサーバ装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、顧客案内システム、サーバ装置、プログラム及び顧客案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗において顧客に商品の陳列場所を案内する顧客案内システムでは、店舗に設置された受付端末で顧客が陳列場所を知りたい商品を選択すると、その商品が置いてある陳列場所が受付端末に表示されるものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来技術では、目的の商品が置いてある陳列場所までの案内が、受付端末での表示により顧客に対して行われるだけであり、受付端末から目的の商品が陳列された陳列場所までの経路上では行われない。したがって、顧客は、受付端末から目的の商品が陳列された陳列場所までの経路を受付端末で十分に確認する必要があり、目的の商品が陳列された陳列場所まで辿り着くことが容易ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、実施形態の顧客案内システムは、店舗に陳列する陳列商品に対応して配置された表示装置と、陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と、前記表示装置及び前記受付端末と通信する通信手段、前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出手段、前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定手段、前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知手段を有するサーバ装置と、を備える。
【0005】
実施形態のサーバ装置は、店舗に陳列する商品に対応して配置された表示装置及び陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と通信する通信手段と、前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出手段と、前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定手段と、前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知手段とを備える。
【0006】
実施形態のプログラムは、店舗に陳列する商品に対応して配置された表示装置及び陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と通信する通信手段を有するサーバ装置のコンピュータを、前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出手段と、前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定手段と、前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知手段として機能させる。
【0007】
実施形態の顧客案内方法は、店舗に陳列する商品に対応して配置された表示装置と、陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と、前記表示装置及び前記受付端末と通信するサーバ装置とを有する顧客案内システムの顧客案内方法であって、前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出工程と、前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定工程と、前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施形態にかかる顧客案内システムの概要を示す模式図である。
【図2】図2は、受付端末の外観を示す斜視図である。
【図3】図3は、商品陳列棚に取り付けられた状態の情報表示装置の斜視図である。
【図4】図4は、実施形態にかかる顧客案内システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図5−1】図5−1は、タグ配置位置ファイルのデータ構造を示す模式図である。
【図5−2】図5−2は、タグ配置位置ファイルにおける配置位置の指定方法の一例を示す模式図である。
【図6】図6は、商品データファイルのデータ構造を示す模式図である。
【図7】図7は、実施形態にかかる顧客案内システムの動作の一例を示すラダーチャートである。
【図8】図8は、情報表示装置による案内表示の一例を示す概念図である。
【図9】図9は、情報表示装置による案内表示の一例を示す概念図である。
【図10】図10は、情報表示装置による案内表示の一例を示す概念図である。
【図11】図11は、情報表示装置による案内表示の一例を示す概念図である。
【図12】図12は、情報表示装置による案内表示の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、実施形態にかかる顧客案内システム、サーバ装置、プログラム及び顧客案内方法を図面を参照して説明する。本実施形態では、スーパーマーケット等の店舗に導入された顧客案内システムへの適用例について説明する。
【0010】
図1は、実施形態にかかる顧客案内システム101の概要を示す模式図である。スーパーマーケット102は、客(顧客)に向けて商品103(図3参照)が陳列されている売場空間104と、店員が自由に出入りできるバックヤード105とに区切られている。本実施形態の顧客案内システム101は、このようなスーパーマーケット102に導入され、受付端末2、サーバ装置106、情報表示装置107、POS端末108(POS:Point Of Sale)及び無線アクセスポイント110を備えて構成されている。スーパーマーケット102において、受付端末2、情報表示装置107、POS端末108及び無線アクセスポイント110は売場空間104に配置されている。サーバ装置106はバックヤード105に配置されている。
【0011】
売場空間104には、図1に示すように、客が通行するための通路111に沿って設置されている商品陳列棚112と、客が購入しようとする商品103(図3参照)の登録や精算を行うPOS端末108が設置されたチェックアウトカウンタ113と、会計後の商品103を客が袋詰めするための袋詰め台114とが設置されている。商品陳列棚112には情報表示装置107が取り付けられており、この情報表示装置107には商品陳列棚112に陳列されている商品103に関する商品情報156(図3参照)が表示されている。
【0012】
また、売場空間104には、顧客が出入りする出入口(図示しない)近傍などに、顧客が操作する情報端末として受付端末2を設置している。受付端末2では、顧客から陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける。
【0013】
図2は、受付端末2の外観を示す斜視図である。図2に示すように、受付端末2は、本体ハウジング20を有しており、その本体ハウジング20の正面側には、ディスプレイ21、タッチパネル22などのユーザインタフェースが設けられている。ディスプレイ21は、各種情報を含む画面を表示する表示装置であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成される。タッチパネル22は、ディスプレイ21に積層されており、ディスプレイ21に表示された各種ボタンアイコンなどの各種項目をタッチ操作で選択するための入力インタフェースである。受付端末2は、サーバ装置106が管理する商品データファイルF3(図4参照)を参照し、売場空間104において陳列される商品103をディスプレイ21に一覧表示するなどして、陳列場所までの案内を行う商品103の選択指定をタッチパネル22より受け付ける。
【0014】
図1に戻り、バックヤード105に設置されているサーバ装置106はコンピュータ装置であり、キーボード126やポインティングデバイス127等の入力デバイス、及び、ディスプレイ128等の出力デバイスを備えて構成されている。このサーバ装置106にはHDD129(HDD:Hard Disk Drive)も備わっている。HDD129には、オペレーティングシステムOSや各種のドライバプログラムDP、アプリケーションプログラムAP等の各種のプログラムがインストールされ、サーバ装置106のCPU160a(図4参照)は、これらの各種のプログラムに従った処理を実行する。HDD129には、地図ファイルF1をはじめとする各種のデータファイルも格納されている(いずれも図4参照)。
【0015】
スーパーマーケット102には、LANネットワーク130(LAN:Local Area Network)が配設されている。このLANネットワーク130は、サーバ装置106、受付端末2、POS端末108及び無線アクセスポイント110をデータ通信自在にネットワーク接続している。無線アクセスポイント110は、サーバ装置106から送信された表示データや制御命令を受信すると、無線信号に変換して出力する。情報表示装置107に備わる無線通信ユニット154(図4参照)でこの無線信号が受信されると、情報表示装置107ではその無線信号が復元され、復元された表示データが表示されたり、復元された制御命令に基づいた制御が行われたりする。また、無線アクセスポイント110は、情報表示装置107から送信される無線信号を受信すると、その無線信号を復元してサーバ装置106に送信する。すなわち、サーバ装置106及び情報表示装置107の間では、データ通信自在となっている。
【0016】
LANネットワーク130には、ルータ131も接続されている。そのため、サーバ装置106は、LANネットワーク130、ルータ131及びWANネットワーク132(WAN:Wide Area Network)を介して、本部サーバ133ともデータ通信可能となっている。
【0017】
図3は、商品陳列棚112に取り付けられた状態の情報表示装置107の斜視図である。図3に示すように、情報表示装置107は、商品陳列棚112に陳列された商品103に対応して配置された電子棚札である。情報表示装置107は、表示部としての電子ペーパー151と、電子ペーパー151を縁取るフレーム152と、商品陳列棚112に設けられた取付用溝112aに情報表示装置107を取り付けるためのフック153とを備える。情報表示装置107の内部には、無線アクセスポイント110との無線通信を実現する無線通信ユニット154(図4参照)と、制御部としてのマイクロコンピュータ155(図4参照)と、電子ペーパー151のバックライトとしてのLED光源157(図4参照、LED:Light Emitting Diode)と、バッテリ(図示せず)とを備えて構成されている。無線通信ユニット154とマイクロコンピュータ155とは、情報表示装置107の背面に取り付けられている。このような構成を備えた情報表示装置107は、フック153が商品陳列棚112の取付用溝112aに掛けられることで、商品陳列棚112の前面に取り付けられる。その結果、電子ペーパー151は通路111側に向けられた状態となる。このように商品陳列棚112に取り付けられた情報表示装置107は、LED光源157を点灯/消灯させることで、顧客へ経路の案内を行う(詳細は後述する)。
【0018】
図1に戻り、実施形態の顧客案内システム101において、サーバ装置106は、情報表示装置107に行う表示を統括管理している。より詳細には、サーバ装置106は、表示データ及び制御命令を情報表示装置107に向けて送信する。送信された表示データや制御命令は、LANネットワーク130、無線アクセスポイント110を経由して情報表示装置107に備わる無線通信ユニット154に到達した後、電子ペーパー151に表示されたり、情報表示装置107のCPU155a(図4参照)が制御命令に応じた処理を実行する際のトリガとなったりする。なお、情報表示装置107に備わるROM155b(図4参照、ROM:Read Only Memory)には、個々の情報表示装置107を特定するための特定コードが記憶されている。そこで、サーバ装置106から表示データとともに特定コードを送信することで、その特定コードが割り当てられている情報表示装置107に所望の表示データを表示させたり、その情報表示装置107のみを制御したりすることができる。そのため、商品陳列棚112に陳列されている商品103の近傍に情報表示装置107を取り付け、その商品103に関する商品情報156(商品の名称や価格、プロモーション情報等)を特定コードに対応付けてサーバ装置106から送信することで、その商品103に関するさまざまな情報を情報表示装置107に表示させることができる。同様に、特定コードとともにLED光源157(図4参照)の点灯/消灯にかかる表示データを送信することで、特定の情報表示装置107のLED光源157を点灯/消灯させることができる。
【0019】
図4は、実施形態にかかる顧客案内システム101の電気的構成を示すブロック図である。顧客案内システム101は、受付端末2とサーバ装置106とPOS端末108と無線アクセスポイント110とルータ131とがLANネットワーク130を介してネットワーク接続しており、さらに、無線アクセスポイント110と情報表示装置107とが無線接続して構成されている。
【0020】
受付端末2は、上述したディスプレイ21、タッチパネル22の他、CPU23(CPU:Central Processing Unit)、ROM24、RAM25、LANインタフェイス26を備える。CPU23は、ROM24等の記憶装置に記憶されたプログラムをRAM25の作業領域に展開して順次実行することで、受付端末2の動作を中央制御する。LANインタフェイス26は、CPU23の制御のもと、LANネットワーク130とデータ通信可能に接続する通信インタフェイスである。
【0021】
情報表示装置107は、情報表示装置107の各部を制御する制御部としてのマイクロコンピュータ155を備えている。マイクロコンピュータ155は、CPU155aと、ROM155bと、RAM155c(RAM:Random Access Memory)とを備えて構成される。CPU155aは、演算処理を実行する。ROM155bには、各種のプログラム155baを含むデータが予め固定的に格納されている。プログラム155baには、CPU155aに、無線通信ユニット154が受信した無線信号を復元してCPU155aに入力する機能や、入力された表示データをRAM155cに記憶する機能や、RAM155cに記憶された表示データをもとに電子ペーパー151への表示やLED光源157の点灯/消灯を行う機能や、入力された制御命令に応じた処理を実行する機能を実現させるためのものも含まれている。RAM155cは、可変的なデータを書き換え自在に記憶し、CPU155aのワークエリアとして機能する。このRAM155cは、バッテリ(図示せず)によりバックアップされる不揮発性メモリであり、電子ペーパー151に表示される表示データを複数記憶できるだけのメモリ容量を有している。
【0022】
情報表示装置107に備わるマイクロコンピュータ155は、入出力回路(図示せず)を介して、電子ペーパー151、無線通信ユニット154のそれぞれとバス接続している。無線通信ユニット154は、例えば、巻回されたコイルを備えて構成されている。無線通信ユニット154で受信された無線アクセスポイント110からの無線信号は、入出力回路(図示せず)を介して、マイクロコンピュータ155に入力される。なお、情報表示装置107は、タイマ回路(図示せず)により計時を行っており、CPU155aが電子ペーパー151に表示する表示データの切り替えやLED光源157の点灯/消灯を切り替える処理を行う際には、計時されたタイミングでその切り替えを行っている。
【0023】
サーバ装置106は、情報処理を実行する情報処理部160を備える。情報処理部160は、CPU160aとROM160bとRAM160cとを備えて構成されている。この情報処理部160は、入出力回路(図示せず)を介してキーボード126、ポインティングデバイス127、ディスプレイ128、LANインタフェイス161のそれぞれとバス接続している。LANインタフェイス161は、情報処理部160をLANネットワーク130に接続して通信を実行する。さらに、情報処理部160は、大容量のデータを記憶保持するHDD129と接続している。HDD129には、オペレーティングシステムOS、ドライバプログラムDP、各種のアプリケーションプログラムAPを含む各種のプログラムや、地図ファイルF1とタグ配置位置ファイルF2(図5−1参照)と商品データファイルF3(図6参照)とを含む各種のデータファイルを記憶している。アプリケーションプログラムAPには、CPU160aに、LANインタフェイス161が受信した信号を復元してCPU160aに入力する機能や、図8に示す各処理を行う機能を実現させるためのものも含まれている。
【0024】
ルータ131は、スーパーマーケット102に配設されているLANネットワーク130とスーパーマーケット102の外側で構築されているWANネットワーク132とを仲介し、サーバ装置106と本部サーバ133との間のデータ通信を実現する。
【0025】
地図ファイルF1は、スーパーマーケット102の売場空間104の地図が記述されたデータファイルである。具体的には、地図ファイルF1には、通路111、商品陳列棚112、受付端末2、チェックアウトカウンタ113、袋詰め台114の売場空間104における座標などが記述される。したがって、顧客案内システム101では、地図ファイルF1を参照することで、受付端末2から通路111を通って所定の商品陳列棚112までに至る経路を算出することができる。なお、商品103の商品陳列棚112への配置位置は後述するタグ配置位置ファイルF2、商品データファイルF3により地図ファイルF1と紐付けられている。したがって、顧客案内システム101では、地図ファイルF1、タグ配置位置ファイルF2、商品データファイルF3を参照することで、受付端末2から所定の商品103が陳列された商品陳列棚112に至る経路も算出することができる。
【0026】
図5−1は、タグ配置位置ファイルF2のデータ構造を示す模式図である。図5−2は、タグ配置位置ファイルF2における配置位置の指定方法の一例を示す模式図である。タグ配置位置ファイルF2は、情報表示装置107にそれぞれ割り当てられている特定コードに対応付けて、その情報表示装置107が売場空間104のどの位置に配置(陳列)されているかを示す配置位置を記憶可能な構造を有している。すなわち、タグ配置位置ファイルF2は、特定コードとこの特定コードにより特定される情報表示装置107が配置される売場空間104内の配置位置とを対応付けて記憶している。一例として、図5−2に示すように、予め売場空間104が所定のエリアA〜Lに分割されており、情報表示装置107が属しているエリアA〜Lの記号A〜Lを、配置位置としてタグ配置位置ファイルF2に設定する。より詳細には、例えば配置位置がエリアGである場合には、エリアGにおける棚位置G1〜G8の中で情報表示装置107が設置されている陳列棚がタグ配置位置ファイルF2に設定されている。なお、上下方向に複数の陳列棚が設けられている場合には、上下方向においていずれの陳列棚に情報表示装置107が設置されているかをタグ配置位置ファイルF2に設定してよい。
【0027】
図6は、商品データファイルF3のデータ構造を示す模式図である。商品データファイルF3は、売場空間104にて陳列される商品103を特定する商品コードに対応付けて、その商品コードにより特定される商品(以下、被特定商品)の名称、被特定商品の単価、被特定商品が陳列される商品陳列棚112に取り付けられる情報表示装置107の特定コード、被特定商品に関する情報表示装置107に表示される表示データを記憶可能な構造を有している。したがって、商品データファイルF3の中のいずれかの商品103を特定し、タグ配置位置ファイルF2、地図ファイルF1を順次参照することで、その商品103が陳列された商品陳列棚112の位置を得ることができる。
【0028】
次に、顧客案内システム101の動作について詳細に説明する。図7は、実施形態にかかる顧客案内システム101の動作の一例を示すラダーチャートである。図7に示すように、受付端末2では、受付端末2から陳列された位置までの案内を行う商品103を受け付ける(S1)。具体的には、受付端末2は、サーバ装置106が管理する商品データファイルF3を参照し、売場空間104において陳列される商品103をディスプレイ21に一覧表示する。次いで、受付端末2は、陳列された位置までの案内を行う商品103の選択指定をタッチパネル22より受け付ける。次いで、受付端末2は、受け付けた商品103を示す商品コードをサーバ装置106へ通知する。
【0029】
次いで、サーバ装置106は、受付端末2で受け付けた商品103の位置を特定する(S2)。具体的には、サーバ装置106の情報処理部160は、受付端末2から通知された商品コードをもとに、商品データファイルF3を参照して商品コードに対応した商品103が陳列される商品陳列棚112に取り付けられる情報表示装置107の特定コードを取得する。次いで、情報処理部160は、取得した特定コードでタグ配置位置ファイルF2を参照して配置位置を取得し、商品103の位置を特定する。
【0030】
次いで、サーバ装置106の情報処理部160は、地図ファイルF1を参照して、受付端末2から案内を行う商品103に至るまでの経路を算出する(S3)。例えば、図5−2に例示した右下の受付端末2より案内を行う商品103が受け付けられ、その商品103の位置がエリアKであると特定された場合は、受付端末2から商品103に至るまでの経路として、受付端末2→エリアI→エリアH→エリアG→エリアL→エリアKの経路が算出される。
【0031】
次いで、サーバ装置106の情報処理部160は、S3で算出された経路をもとにタグ配置位置ファイルF2を参照することで、その経路上にある情報表示装置107を特定する(S4)。例えば、受付端末2から商品103に至るまでの経路として、上述した受付端末2→エリアI→エリアH→エリアG→エリアL→エリアKの経路が算出された場合、エリアI、エリアH、エリアG、エリアLにある情報表示装置107と、商品103があるエリアKの情報表示装置107とが特定されることとなる。
【0032】
次いで、サーバ装置106の情報処理部160は、S4で特定した情報表示装置107に対して、LED光源157を点灯/消灯させるための表示データを通知する(S5)。情報表示装置107では、S5により通知された表示データを受信し(S6)、受信した表示データに従ってLED光源157の点灯/消灯による表示を行う(S7)。したがって、顧客案内システム101では、受付端末2から商品103に至るまでの経路に沿った情報表示装置107でLED光源157の点灯/消灯による表示が行われることから、顧客はLED光源157の点灯/消灯による表示に沿って進むことにより目的の商品103が陳列された場所まで辿り着くことができる。よって、顧客は、受付端末2から目的の商品103が陳列された陳列場所までの経路を受付端末2で十分に確認する必要はなく、目的の商品103が陳列された場所まで容易に辿り着くことができる。
【0033】
なお、S5では、受付端末2から商品103に至る順序に沿って情報表示装置107に対して表示データを通知するものとする。具体的には、S4において受付端末2から商品103に至るまでの経路として特定された情報表示装置107の順序で、情報表示装置107に対して表示データを通知する。例えば、上述したように受付端末2→エリアI→エリアH→エリアG→エリアL→エリアKの経路が算出された場合には、エリアIの情報表示装置107→エリアHの情報表示装置107→エリアGの情報表示装置107→エリアLの情報表示装置107→エリアKの情報表示装置107が特定順となる。S5では、この特定順に従って表示データを通知する。このように表示データを通知することで、受付端末2から商品103に至る順序でLED光源157の点灯/消灯が行われることとなる。
【0034】
図8は、情報表示装置107による案内表示の一例を示す概念図である。図8に示すように、情報表示装置107におけるLED光源157の点灯/消灯は、例えば手前から奥に向かう点灯方向D1に沿った順で行われる。このように、受付端末2から商品103に至る順序で情報表示装置107におけるLED光源157を点灯/消灯させることで、顧客が進む方向を分かりやすく表示できる。なお、LED光源157を点灯/消灯する情報表示装置107は、商品陳列棚112の全体だけでなく、上下における所定の棚段に設けられた情報表示装置107であってよい。
【0035】
また、S5では、受付端末2から商品103に至る順序に沿って表示データを通知する際に、経路上の次のエリアに隣接する側の情報表示装置107を選択して通知してよい。具体的には、上述したように受付端末2→エリアI→エリアH→エリアG→エリアL→エリアKの経路が算出された場合には、地図ファイルF1のタグ配置位置ファイルF2のデータを参照してエリアG→エリアLに向かう側の棚位置G1を特定し、その棚位置G1にある情報表示装置107に表示データを通知してよい。
【0036】
図9、10は、情報表示装置107による案内表示の一例を示す概念図である。より具体的には、図9は、通路111を抜けて左側が経路上の次のエリアである場合の情報表示装置107の案内表示を例示する概念図である。また、図10は、通路111を抜けて右側が経路上の次のエリアである場合の情報表示装置107の案内表示を例示する概念図である。図9に示すように、経路上の次のエリアに隣接する左側の情報表示装置107のLED光源157を点灯/消灯することで、コーナー等で左に曲がる場合の案内を分かりやすく行うことができる。また、図10に示すように、経路上の次のエリアに隣接する右側の情報表示装置107のLED光源157を点灯/消灯することで、コーナー等で右に曲がる場合の案内を分かりやすく行うことができる。
【0037】
図11は、情報表示装置107のよる案内表示の一例を示す概念図である。より具体的には、目的の商品103が陳列された棚領域R1における情報表示装置107の案内表示を例示する図である。図11に示すように、目的の商品103が陳列されたエリアでは、タグ配置位置ファイルF2により特定される、商品103に対応する情報表示装置107に表示データを通知してLED光源157を点灯/消灯させることで、目的の商品103が陳列された棚領域R1を分かりやすくすることができる。なお、目的の商品103が陳列された棚領域R1の表示については、その棚領域R1の周囲に配置された情報表示装置107をタグ配置位置ファイルF2により特定して表示データを通知することで、棚領域R1の周囲の情報表示装置107のLED光源157を点灯/消灯させてもよい。
【0038】
また、S5では、受付端末2から商品103に至る順序に沿って表示データを通知する際に、案内表示がすれ違う場合には、各々の案内表示を行う表示データを、上下で異なる商品陳列棚112に設置される情報表示装置107に分けて通知してよい。例えば、図5−2における右下の受付端末2からエリアI→エリアH→エリアG→エリアL→エリアKの順序に沿って案内を行う場合と、左上の受付端末2からエリアJ→エリアK→エリアL→エリアG→エリアHの順に沿って案内を行う場合には、互いに重複するエリアで案内表示がすれ違うこととなる。このように、表示データを通知するエリアが重複する場合には、そのエリアにおいて上下で異なる棚段に設置される情報表示装置107に対して、それぞれの表示データを通知する。
【0039】
図12は、情報表示装置107による案内表示の一例を示す概念図である。より具体的には、図12は、手前から奥に向かう点灯方向D1に沿った案内表示と、奥から手前に向かう点灯方向D2に沿った案内表示とがすれ違う場合を例示している。図12に示すように、点灯方向D1と点灯方向D2とで案内表示がすれ違う場合には、上下で異なる棚段に設置される情報表示装置107に分けて案内表示を行う。図示例では、点灯方向D1の案内表示を上の棚段の情報表示装置107で行い、点灯方向D2の案内表示を下の棚段の情報表示装置107で行っている。このように、点灯方向D1に沿った案内表示と、点灯方向D2に沿った案内表示とを上下の棚段に分けて行うことで、すれ違いで案内表示の見分けがつかなくなることを防止できる。なお、上下の棚段に分けての案内表示は、商品陳列棚112の全部の棚段で行ってもよいし、一部の棚段で行ってもよい。
【0040】
なお、実施形態のサーバ装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。実施形態のサーバ装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0041】
さらに、実施形態のサーバ装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のサーバ装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0042】
実施形態のサーバ装置で実行されるプログラムは、上述した機能部分を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから〜プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0043】
なお、上述した情報表示装置107のLED光源157における点灯/消灯による案内表示は、実施形態の一例であり、LED光源157が多色である場合には、所定の色の点灯で案内表示を行ってもよい。また、LED光源157における点灯/消灯のタイミングは、案内表示ごとに異なるものであってよい。具体的には、一つの案内表示では、同一のタイミングでLED光源157を点灯/消灯させるように、情報表示装置107のタイマ回路で経時する時間間隔を無線信号で同期させてよい。このように、点灯色や点灯/消灯のタイミングを異ならせることで、案内表示を見分け易くしてよい。
【符号の説明】
【0044】
101…顧客案内システム、2…受付端末、102…スーパーマーケット、103…商品、104…売場空間、105…バックヤード、106…サーバ装置、107…情報表示装置、110…無線アクセスポイント、111…通路、112…商品陳列棚、126…キーボード、127…ポインティングデバイス、128…ディスプレイ、129…HDD、130…LANネットワーク、151…電子ペーパー、154…無線通信ユニット、155…マイクロコンピュータ、155a…CPU、155b…ROM、155ba…プログラム、155c…RAM、156…商品情報、157…LED光源、160…情報処理部、161…LANインタフェイス、OS…オペレーティングシステム、DP…ドライバプログラム、AP…アプリケーションプログラム、F1…地図ファイル、F2…タグ配置位置ファイル、F3…商品データファイル、D1、D2…点灯方向、G…エリア、G1〜G8…棚位置、R1…棚領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2003−216765号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に陳列する陳列商品に対応して配置された表示装置と、
陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と、
前記表示装置及び前記受付端末と通信する通信手段、
前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出手段、
前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定手段、
前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知手段を有するサーバ装置と、
を備える顧客案内システム。
【請求項2】
前記表示装置特定手段は、前記経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置の各々について前記経路に沿った順序を特定し、
前記通知手段は、前記特定された表示装置の各々に対して、前記経路に沿った順序で当該経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する、
請求項1に記載の顧客案内システム。
【請求項3】
前記表示装置は、前記商品の陳列棚に設置される電子棚札であり、
前記通知手段は、前記経路に沿った順序で当該経路を案内する案内表示が互いにすれ違う場合、各々の案内表示を行う表示データを、上下で異なる前記陳列棚に設置される電子棚札に分けて通知する、
請求項2に記載の顧客案内システム。
【請求項4】
店舗に陳列する商品に対応して配置された表示装置及び陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と通信する通信手段と、
前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出手段と、
前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定手段と、
前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項5】
店舗に陳列する商品に対応して配置された表示装置及び陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と通信する通信手段を有するサーバ装置のコンピュータを、
前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出手段と、
前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定手段と、
前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項6】
店舗に陳列する商品に対応して配置された表示装置と、陳列場所までの案内を行う商品の指定を受け付ける受付端末と、前記表示装置及び前記受付端末と通信するサーバ装置とを有する顧客案内システムの顧客案内方法であって、
前記受付端末で商品の指定が受け付けられた場合に、店舗の陳列商品の位置と、受付端末の位置との位置関係を示す地図情報をもとに、前記受付端末から前記指定された商品に至るまでの経路を算出する経路算出工程と、
前記算出された経路をもとに、当該経路上にある陳列商品に対応して配置された表示装置を特定する表示装置特定工程と、
前記特定された表示装置に前記経路を案内する案内表示を行う表示データを通知する通知工程と、
を含む顧客案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−50923(P2013−50923A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189710(P2011−189710)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】