顧客案内システム
【課題】座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の効率化及び適正化を図る。
【解決手段】ハンディターミナル102と、座席毎に案内可能な顧客の条件及び着席空席状況を管理する座席情報ファイルと座席待ちの顧客毎に優先順位及び条件を管理する座席予約ファイルとにアクセス可能な座席管理装置105とによってシステム構築され、ハンディターミナル102は、個々の座席毎の着席空席状況情報を入力して座席管理装置に向けて無線送信し、座席管理装置105は、受信した着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席に案内可能な顧客の条件を座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を座席予約ファイルから取得し、空席座席と取得顧客とを対応付けた案内情報を生成してハンディターミナル102に送信し、ハンディターミナル102は、受信した案内情報を表示するようにした。
【解決手段】ハンディターミナル102と、座席毎に案内可能な顧客の条件及び着席空席状況を管理する座席情報ファイルと座席待ちの顧客毎に優先順位及び条件を管理する座席予約ファイルとにアクセス可能な座席管理装置105とによってシステム構築され、ハンディターミナル102は、個々の座席毎の着席空席状況情報を入力して座席管理装置に向けて無線送信し、座席管理装置105は、受信した着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席に案内可能な顧客の条件を座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を座席予約ファイルから取得し、空席座席と取得顧客とを対応付けた案内情報を生成してハンディターミナル102に送信し、ハンディターミナル102は、受信した案内情報を表示するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店の店舗等で用いられ、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務を支援する顧客案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の店舗では、座席が満席である場合、座席待ちの顧客を管理する必要がある。一般的には、接客係の店員が顧客の条件、つまり人数や禁煙喫煙の別等の希望を聞き、条件に合致する座席が空けば、その座席に顧客を案内するというような運用がなされている。これに対して、店舗の入口等にウェーティングリストを用意しておき、座席待ちの顧客の氏名、人数及び希望を順番に書き込み、ウェーティングリストに書き込まれた条件に基づいて顧客を案内するような運用も一般的に行われている。ウェーティングリストへの記入は、接客係の店員が行なう運用を採用する店舗もあれば、顧客に記入してもらう運用を採用する店舗もある。
【0003】
ここで、本出願書類全体を通じて、「座席」という概念は、言葉通りの「座席」そのものという狭義の概念と、このような狭義の概念である座席が複数設置された「卓」という広義の概念とのいずれをも含む。
【0004】
【特許文献1】特開2005−070956公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、座席が満席である場合、座席待ちの顧客を管理する手法としては、接客係の店員の記憶やウェーティングリストに頼っているのが現状である。接客係の店員の記憶に頼る手法では、座席待ちの顧客専従の接客係を一名用意しなければならず、しかも、座席が空いた場合に、禁煙喫煙の別等の希望に合致した顧客を迅速に案内するのは困難である。また、ウェーティングリストで管理する手法を採用しても、禁煙喫煙の別等の顧客の希望を即座に把握し難く、座席が空いた場合に、禁煙喫煙の別等の希望に合致した顧客を迅速に案内するのは困難である。このようなことから、従来の顧客の案内手法は、極めて非効率であるといわざるを得ない。
【0006】
また、顧客の希望と空いた席とのマッチングを考慮すると、顧客を案内する順番は必ずしも来店順というわけにいかない。このため、いずれの手法を採用するにしても、常に同一の規則に従った案内運用を実践しないと、顧客の不信や不満を買うおそれがある。しかしながら、人の記憶やウェーティングリストに頼った手法では、ヒューマンエラーがつきものなので、不適正な運用がなされ易いという不都合もある。
【0007】
以上述べたような不都合に鑑みると、例えば情報処理技術を駆使した顧客の案内手法の実現が望まれる。このような案内手法を実現する上では、各座席の着席空席状況等を把握する必要がある。特許文献1には、使用状態にある卓の座席の状況を把握し、これによって席稼働率を算出し、算出した席稼働率を記憶し出力処理するようにした発明が記載されている。しかしながら、このような特許文献1に記載された発明は、効率的で適正な顧客の案内を実現する上で、示唆を与えるものではない。
【0008】
本発明の目的は、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の効率化及び適正化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、情報処理を実行する第1の情報処理部と、情報を表示する第1の表示部と、情報を入力する第1の操作部とを備えるハンディターミナルと、情報処理を実行する第2の情報処理部と、座席毎に案内可能な顧客の条件及び着席空席状況を管理する座席情報ファイルと、座席待ちの顧客毎に優先順位及び条件を管理する座席予約ファイルとに対するアクセスを前記第2の情報処理部により制御する手段とを備える座席管理装置と、を具備し、前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部が、前記第1の操作部の操作による個々の座席毎の着席空席状況情報の入力を受け付け、入力された前記着席空席状況情報を前記座席管理装置に向けて無線送信する第1の処理を実行し、前記座席管理装置の前記第2の情報処理部が、受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記座席予約ファイルから取得し、前記空席となった座席と前記取得した顧客とを対応付けた案内情報を生成して前記ハンディターミナルに送信する第2の処理を実行し、前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部が、受信した前記案内情報を前記第1の表示部に表示する第3の処理を実行するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、どの顧客をどの座席に案内すればよいかを示す案内情報をハンディターミナルに送信し、ハンディターミナルが有する第1の表示部に表示するようにしたので、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の効率化を図ることができ、また、案内情報は常に同一の規則で生成されるので、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の適正化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の一形態を図1ないし図15に基づいて説明する。本実施の形態は、レストランで用いられるオーダエントリシステムの構成を利用して構築した顧客案内システムへの適用例である。したがって、本実施の形態の場合、「座席」の概念は、言葉通りの「座席」そのものを意味する狭義の概念である座席が複数設置された「卓」という広義の概念を意味する。
【0012】
図1は、オーダエントリシステム101の全体構成を概略的に示すシステム構成図である。図1に示すように、オーダエントリシステム101は、接客係の店員が各々携帯する複数のハンディターミナル102、キッチンに設置されるキッチンプリンタ103a、ホールに設置されるカスタマチェックプリンタ103b、チェックアウトカウンタに設置されるPOS端末104、店舗のエントランスに設置される座席管理装置105、そして店舗のバックヤード等に設置されオーダエントリシステム101全体を制御するオーダステーション106等を備えている。
【0013】
ハンディターミナル102は、ホールの天井等に設定された無線中継器107によってオーダステーション106との無線通信を可能とされ、また、キッチンプリンタ103a、POS端末104、及びカスタマチェックプリンタ103bは、LANケーブル108を介してオーダステーション106と通信自在に接続されている。
【0014】
ハンディターミナル102に入力された注文情報はオーダステーション106に無線通信により送信され、注文情報はオーダステーション106からキッチンプリンタ103a、POS端末104、カスタマチェックプリンタ103bに送信される。キッチンプリンタ103a及びカスタマチェックプリンタ103bは、受信した注文情報に応じた内容の伝票を印字発行する。キッチンプリンタ103aが印字発行する伝票は、注文メニュー品目をキッチンの調理人に指示するための調理指示伝票である。カスタマチェックプリンタ103bが印字発行する伝票は、注文された商品を給仕した後に来店客に渡す伝票である。これらのキッチンプリンタ103aとカスタマチェックプリンタ103bとは、同一の基本構造を有している。POS端末104は、顧客との間での注文情報に基づく会計処理を含む販売データ処理等を実行する。
【0015】
ハンディターミナル102は、見開き可能な左扉体109と右扉体110とから構成され、左扉体109には、タッチパネル111付きのLCD112が設けられ、その下方にはテンキー113が設けられている。LCD112は、第1の表示部として機能し、ハンディターミナル102を使用する接客係の店員に情報表示を提供する。右扉体110には、キーボード114が設けられている。キーボード114は、メニューキーや確定キー等を含み、タッチパネル111と共に第1の操作部を構成する。また、右扉体110には、右扉体110を貫通する覗き窓115が設けられており、ハンディターミナル102を閉じた状態でも、LCD112に表示された情報を確認することができるように構成されている。
【0016】
座席管理装置105は、LCD116を備えている。LCD116には、タッチパネル117が積層配置されている。LCD116は、第2の表示部を構成し、顧客に対して座席情報を提供する。タッチパネル117は、第2の操作部を構成し、顧客による座席情報の入力を許容する。このような座席管理装置105は、ハンディターミナル102との間で無線通信により座席情報と予約情報とを送受信する。
【0017】
図2は、ハンディターミナル102の電気的接続を示すブロック図である。図2に示すように、ハンディターミナル102には、第1の情報処理部を構成するマイクロコンピュータ201が備えられており、このマイクロコンピュータ201が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ201は、各部を集中的に制御するCPU202に、バスライン203を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM204と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM205とが接続されて構成されている。
【0018】
マイクロコンピュータ201には、バスライン203を介して、タッチパネルコントローラ206、表示コントローラ207、キーボードコントローラ208、及び無線通信インターフェース209が接続されている。タッチパネルコントローラ206は、タッチパネル111からの入力信号をマイクロコンピュータ201に取り込む。表示コントローラ207は、画像データに基づいてLCD112を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD112に表示させる。キーボードコントローラ208は、テンキー113及びキーボード114からの入力信号をマイクロコンピュータ201に取り込む。無線通信インターフェース209は、無線部210を駆動制御する。無線部210は、アンテナ211を介して無線中継器107との間で無線通信を実行する。ハンディターミナル102に入力された注文情報や着席空席状況情報等の各種情報は、無線部210から無線中継器107に送信される。この場合、注文情報は、オーダステーション106を宛先としている。そこで、入力された注文情報はオーダステーション106に向けて無線送信されることになる。また、着席空席状況情報は、座席管理装置105を宛先としている。そこで、入力された座席状況情報は座席管理装置105に向けて無線送信されることになる。
【0019】
このようなハンディターミナル102は、ブザー118を備えている。ブザー118は、バスライン203に接続されたI/O212を介してマイクロコンピュータに駆動制御される。
【0020】
図3は、座席管理装置105の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、座席管理装置105には、第2の情報処理部を構成するマイクロコンピュータ301が備えられており、このマイクロコンピュータ301が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ301は、各部を集中的に制御するCPU302に、バスライン303を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM304と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM305とが接続されて構成されている。
【0021】
マイクロコンピュータ301には、バスライン303を介して、入出力コントローラ306とHDD307と通信インターフェース308とが接続されている。入出力コントローラ306は、画像データに基づいてLCD116を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD116に表示させ、また、タッチパネル117からの入力信号をマイクロコンピュータ301に取り込む。通信インターフェース308は、LANケーブル108を介してオーダステーション106及び無線中継器107との間でのデータ通信を可能とする。
【0022】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301がアクセス可能なHDD307には、座席情報ファイル351、座席予約ファイル352及び結合座席予約ファイル353が記憶保存されている。これらの座席情報ファイル351、座席予約ファイル352及び結合座席予約ファイル353は、座席管理装置105の起動時にRAM305にコピーされ、CPU302にアクセスされる。
【0023】
図4は、座席情報ファイル351を例示する模式図である。座席情報ファイル351は、各座席を特定する座席番号351aに対応させて、定員351b、禁煙喫煙の別351c及び結合可能席351dを設定記憶させており、着席空席の別351e及び着席時刻351fを記憶させることができるデータ構造を有している。
【0024】
図5は、座席予約ファイルを例示する模式図である。座席予約ファイル352は、優先順位352aに対応させて、名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352dを記憶させることができるデータ構造を有している。
【0025】
図6は、結合座席予約ファイル353を例示する模式図である。結合座席予約ファイル353は、優先順位353aに対応させて、名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353dを記憶させることができるデータ構造を有している。
【0026】
以上のように構築されたオーダエントリシステム101は、その基本機能として、オーダエントリ機能を実行することができる。つまり、ハンディターミナル102から無線送信した注文情報がオーダステーション106に送信され、オーダステーション106においてオーダエントリ処理を実行する。オーダエントリ処理に付随して、オーダステーション106は、キッチンプリンタ103a及びカスタマチェックプリンタ103bに伝票を印字発行すべき指令を発したり、POS端末104に商品販売データを送信したりする。これに応じて、キッチンプリンタ103aからは調理指示伝票が印字発行され、注文メニュー品目のキッチンの調理人への指示が支援される。また、カスタマチェックプリンタ103bからは注文された商品を給仕した後に来店客に渡す伝票が印字発行され、当該業務が支援される。そして、POS端末104は、商品販売データを受信しているので、例えばカスタマチェックプリンタ103bによって印字発行される伝票に付されている伝票番号で商品販売データを管理する等の手法によって、商品販売データ処理を容易に実行することができる。
【0027】
このようなオーダエントリ機能の他に、本実施の形態のオーダエントリシステム101は、顧客案内機能を実行することができる。以下、オーダエントリシステム101が実行する顧客案内機能について説明する。この顧客案内機能は、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201と座席管理装置105のマイクロコンピュータ301とによって実行される。つまり、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、ROM204に格納された制御プログラムに従い、ハンディターミナル102での顧客案内処理を実行する。ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201によって実行される処理については、図10及び図15のフローチャートで示し、それらのフローチャート中の各ステップは200番代のステップ数で表示する。また、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、ROM304に格納された制御プログラムに従い、座席管理装置105での顧客案内処理を実行する。座席管理装置105のマイクロコンピュータ301によって実行される処理については、図8、図11及び図12のフローチャートで示し、それらのフローチャート中の各ステップは300番代のステップ数で表示する。
【0028】
顧客案内機能は、
(1)座席管理装置105に座席待ち顧客のリストを表示する機能
(2)座席管理装置105に座席待ち顧客の登録をする機能
(3)順番が到来した顧客を座席に案内する接客業務を支援する機能
を含んでいる。そこで、以下では、これらの(1)〜(3)の順番に顧客案内機能を説明する。
(1)座席管理装置105に座席待ち顧客のリストを表示する機能
図7は、座席管理装置105での座席予約に際しての画面遷移例を示す模式図である。図8は、座席管理装置105での座席予約情報の入力処理を示すフローチャートである。座席管理装置105は、座席予約ファイル352が記憶する情報をLCD116に表示する。つまり、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、一例として、予約内容を顧客に提供するための予約情報提供画面371を顧客に提供する(図7(a)参照)。この予約情報提供画面371は、優先順位371a、名前371b、人数371c及び禁煙喫煙の別371dをLCD116上に表示する。これらの情報は、それぞれ、座席予約ファイル352が記憶する優先順位352a、名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに記憶保存されているデータに基づいて生成される。一例として、図5に示す座席予約ファイル352には、優先順位「1番」で「スズキ」さんが人数「5人」、「禁煙」で記憶保存され、優先順位「2番」で「サトウ」さんが人数「4人」、「喫煙」で記憶保存され、優先順位「3番」で「カトウ」さんが人数「3人」、「どちらでも」で記憶保存され、優先順位「4番」で「マツモト」さんが人数「10人」、「禁煙」で記憶保存され、優先順位「5番」で「ササキ」さんが人数「4人」、「禁煙」で記憶保存され、優先順位「6番」で「コイズミ」さんが人数「8人」、「どちらでも」で記憶保存され、優先順位「7番」で「アサクラ」さんが人数「3人」、「禁煙」で記憶保存されている。そこで、予約情報提供画面371にも、それらに対応する情報が表示される。予約情報提供画面371中に表示される情報は、スクロールキー372によってスクロール表示可能である。ここに、座席予約ファイル352が記憶する情報を第2の表示部であるLCD116に表示する処理が実行される。
(2)座席管理装置105に座席待ち顧客の登録をする機能
座席管理装置105は、そのLCD116による表示とタッチパネル117による情報のタッチ入力とによって、座席待ちの顧客の座席予約情報を入力することができる。つまり、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、予約情報提供画面371中に座席予約ボタン373を画面表示する。そして、座席予約ボタン373がタッチパネル117によってタッチ指定されると(図8中のステップS301のY)、座席予約を可能とする座席予約画面374を顧客に提供する(図7(b)〜図7(d)参照、図8中のステップS302)。この座席予約画面374は、LCD116上に表示され、名前、人数、禁煙喫煙の別をタッチパネル117によってタッチ入力可能となっている。
【0029】
つまり、座席予約ボタン373のタッチ指定によって予約情報提供画面371から遷移する最初の座席予約画面374には、アイウエオ順で50音の片仮名をタッチパネル117によってタッチ入力可能なようにタッチキー375、決定ボタン376及びキャンセルボタン377が出現し、このタッチキー375のタッチ指定によって名前の入力が可能となる(図7(b)参照)。そこで、タッチキー375のタッチ指定によって名前が入力されて決定ボタン376がタッチ指定されると、マイクロコンピュータ301は名前の入力があったと判定し(図8中のステップS303のY)、入力された名前をRAM305にレジストする(図8中のステップS304)。
【0030】
その後、座席予約画面374の表示が遷移し、遷移後の座席予約画面374には置数をタッチパネル117によってタッチ入力可能なようにテンキー378が出現し、このテンキー378のタッチ指定によって人数の入力が可能となる(図7(c)参照)。そこで、テンキー378のタッチ指定によって人数が入力されて決定ボタン376がタッチ指定されると、マイクロコンピュータ301は人数の入力があったと判定し(図8中のステップS305のY)、入力された人数をRAM305にレジストする(図8中のステップS306)。
【0031】
その後、座席予約画面374の表示が遷移し、遷移後の座席予約画面374には禁煙喫煙の別の選択をタッチパネル117によってタッチ入力可能なように禁煙ボタン379、喫煙ボタン380及びどちらでも良いボタン381が出現し、これらの禁煙ボタン379、喫煙ボタン380及びどちらでも良いボタン381の択一的なタッチ指定によって禁煙喫煙の別の入力が可能となる(図7(d)参照)。そこで、禁煙ボタン379と喫煙ボタン380とどちらでも良いボタン381との択一的なタッチ指定によって禁煙喫煙の別が入力されて決定ボタン376がタッチ指定されると、マイクロコンピュータ301は禁煙喫煙の別の入力があったと判定し(図8中のステップS307のY)、入力された禁煙喫煙の別をRAM305にレジストする(図8中のステップS308)。
【0032】
そして、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、こうして必要項目が入力されると、図5に示す座席予約ファイル352の優先順位352aを自動付番し、対応する名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに入力情報を記憶保存する(図8中のステップS309)。ここに、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301により、第2の操作部であるタッチパネル117の操作によって座席待ちの顧客を特定する顧客特定情報(名前352b)及び条件(人数352c及び禁煙喫煙の別352d)を入力し、入力された情報をその入力順を優先順位(優先順位352a)として座席予約ファイル352に記憶させる処理が実行される。
【0033】
なお、図8のフローチャート中には示さないが、図7(b)、(c)、(d)にそれぞれ示す座席予約画面374中でキャンセルボタン377がタッチ指定されると、RAM305のレジストデータがクリアされて処理を終了する。
【0034】
次いで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、前述した座席予約画面上でタッチパネル117のタッチ指定によって入力した人数が個々の座席の定員人数を超えているかどうかを判定する(図8中のステップS310)。この判定は、図4に示す座席情報ファイル351における定員351bを参照することによって、容易に実行可能である。
【0035】
判定の結果、入力された人数が個々の座席の定員人数を超えているとの判定結果が得られた場合には(図8中のステップS310のY)、RAM305にレジストされている名前、人数及び禁煙喫煙の別の各入力情報を図6に示す結合座席予約ファイル353にも登録する(図8中のステップS311)。つまり、図6に示す結合座席予約ファイル353の優先順位353aを自動付番し、対応する名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353dに入力情報を記憶保存する。その後、RAM305のレジストデータをクリアし(図8中のステップS312)、処理を終了する。
【0036】
これに対して、図8中のステップS310での判定の結果、入力された人数が個々の座席の定員人数を超えていないとの判定結果が得られた場合には(図8中のステップS310のN)、RAM305のレジストデータをクリアし(図8中のステップS312)、処理を終了する。
【0037】
ここに、第2の操作部であるタッチパネル117の操作によって入力された人数が個々の座席の定員人数を超えた人数である場合、座席待ちの顧客毎に優先順位及び定員を超えた人数を含む条件を管理する結合座席予約ファイル353にアクセスし、入力された顧客特定情報及び定員を超えた人数を含む条件(禁煙喫煙の別)を、その入力順を優先順位として結合座席予約ファイル353に記憶させる処理が実行される。
(3)順番が到来した顧客を座席に案内する接客業務を支援する機能
順番が到来した顧客を座席に案内する接客業務を支援する機能は、ハンディターミナル102で実行される第1の処理と、座席管理装置105で実行される第2の処理と、再びハンディターミナル102で実行される第3の処理とによって果たされる。以下、第1の処理〜第3の処理をその順番で説明する。
【0038】
まず、第1の処理について図9及び図10を参照して説明する。
【0039】
図9は、ハンディターミナル102で実行される座席状況入力手順の流れを示す模式図である。図10は、ハンディターミナル102で実行される座席状況の入力処理の流れを示すフローチャートである。第1の処理は、ハンディターミナル102が有するマイクロコンピュータ201によって実行され、第1の操作部であるキーボード114の操作によって個々の座席毎の着席空席状況情報の入力を受け付け、入力された着席空席状況情報を座席管理装置105に向けて無線送信する処理である。
【0040】
ハンディターミナル102のキーボード114には、着席空席情報を入力するための宣言ボタン114aが設けられている。宣言ボタン114aは、一例として、図9に例示するように、キーボード114の右下に割り振られている。そこで、あるハンディターミナル102を使用する接客係の店員が着席空席情報を入力しようとする場合には、ハンディターミナル102のキーボード114に設けられた宣言ボタン114aを押下する(図9(a)参照)。
【0041】
ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、宣言ボタン114aの押下がなされたかどうかの判定に待機しており(図10のステップS201)、宣言ボタン114aの押下がなされたと判定した場合には(図10のステップS201のY)、着席空席情報の入力宣言を認識する。そして、この認識に応じて、LCD112に着席空席情報入力画面251を出現させる(図8(b)参照、図10のステップS202)。着席空席情報入力画面251に出現するアイテムは、「卓番を入力してください」という入力メッセージ251a、テンキー113によって座席番号(卓番)が入力された場合に出現する座席番号表示251b、決定ボタン251c及びキャンセルボタン251dである。
【0042】
このような着席空席情報入力画面251において、ユーザである接客係の店員は、テンキー113による座席番号(卓番)の入力をすることが可能である。つまり、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、宣言ボタン114aの押下がなされたと判定した場合(ステップS203のY)、テンキー113による座席番号(卓番)の入力を受け付ける。テンキー113によって入力された置数は、座席番号(卓番)として取り込まれ、LCD112に表示された着席空席情報入力画面251中の座席番号表示251bとして表示される。この際、ユーザがキャンセルボタン251dをタッチすると、LCD112に積層配置されたタッチパネル111の入力によってキャンセル処理が実行される。これに対して、ユーザが決定ボタン251cをタッチすると、タッチパネル111の入力によって入力された座席番号(卓番)の決定処理がなされる。入力された座席番号(卓番)の決定処理では、入力された座席番号(卓番)が座席管理装置105に向けて無線送信される(ステップS204)。
【0043】
次いで、第2の処理について図11及び図12を参照して説明する。
【0044】
図11は、座席管理装置105での座席情報ファイル351中の着席/空席の別の設定処理を示すフローチャートである。ハンディターミナル102から無線送信された座席号(卓番)は、無線中継器107に受信され、LANケーブル108を経由して座席管理装置105に送信される。座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席番号(卓番)を受信すると(ステップS321)、座席情報ファイル351を検索し、該当する座席番号351aに対応する着席空席の別351eを反転設定する(ステップS322)。つまり、着席空席の別351eが空席に設定されていた場合には着席に、着席に設定されていた場合には空席に、それぞれ着席空席の別351eを設定する。
【0045】
図12は、座席管理装置105での案内情報の生成処理及び配信処理の流れを示すフローチャートである。座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、図4に示す座席情報ファイル351中の着席空席の別351eの設定情報を監視し、空席に反転設定された座席の発生を判定している(ステップS341)。この判定の結果、空席発生を判定した場合(ステップS341のY)、座席情報ファイル351から空席となった座席の条件情報、つまり、定員351b、禁煙喫煙の別351c及び結合可能席351dに記憶されている情報をリードし、RAM305にレジストする(ステップS342)。そして、優先順位N=1に設定し(ステップS343)、結合座席予約ファイル353にアクセスし、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれているかどうかを判定する(ステップS344)。このステップS344の判定は、ステップS343で優先順位N=1に設定した後の最初の判定においては、優先順位353aに優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの判定となる。
【0046】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていると判定した場合(ステップS344のY)、結合座席予約ファイル353から優先順位Nの優先順位353aに対応する条件情報、つまり、人数353c及び禁煙喫煙の別353dに記憶されている情報をリードし、RAM305にレジストする(ステップS345)。そして、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の条件情報とステップS345でRAM305にレジストした優先順位Nの優先順位353aに対応する条件情報とを比較し、条件が合致するかどうかを判定する(ステップS346)。ステップS346の判定処理では、特に、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位Nの優先順位353aに対応する人数353cが、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の定員351b及び結合可能席351dによって判明する人数に合致するかどうかの判定に特有な点が含まれている。以下、この特有の点である人数の合致ということに特化し、つまりは禁煙喫煙の別という条件を捨象してステップS346の判定処理について考える。
【0047】
一例として、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「4番」であるとした場合、定員351bが6名で結合可能席351dが3番の座席となる。座席番号351a「3番」の座席は、定員351bが6名であるから、この場合の座席の人数条件は12名ということになる。この際、ステップS343で優先順位N=1に設定した後の最初の判定においては、優先順位353aに優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの判定となるため、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位N=1の優先順位353aに対応する人数353cは10人となる。そこで、このような条件でのステップS346の判定処理では、人数条件に関して条件合致が判定される(ステップS346のY)。
【0048】
これに対して、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「5番」であるとした場合、定員351bが4名で結合可能席351dが6番の座席となる。座席番号351a「6番」の座席は、定員351bが4名であるから、この場合の座席の人数条件は8名ということになる。この際、ステップS343で優先順位N=1に設定した後の最初の判定においては、優先順位353aに優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの判定となるため、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位N=1の優先順位353aに対応する人数353cは10人となる。そこで、このような条件でのステップS346の判定処理では、人数条件に関して条件合致せずと判定される(ステップS346のN)。
【0049】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、ステップS346で条件合致せずとの判定結果を得た場合(ステップS346のN)、NをN+1とし(ステップS347)、再度、結合座席予約ファイル353にアクセスし、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれているかどうかを判定する(ステップS344)。この場合、ステップS347でNをN+1としたので、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位「2」の情報が含まれているかどうかの判定となる。図6に示すように、結合座席予約ファイル353には、優先順位353aに優先順位「2」の情報が含まれている。そこで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位「2」の情報が含まれていると判定し(ステップS344のY)、結合座席予約ファイル353から優先順位「2」の優先順位353aに対応する条件情報、つまり、人数353c及び禁煙喫煙の別353dに記憶されている情報(人数が「8」で禁煙喫煙の別は「どちらでも」)をリードし、RAM305にレジストする(ステップS345)。そして、ステップS346の判定処理では、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席に基づいて求められる座席の人数条件が8名であり、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位「2」の優先順位353aに対応する人数353cが8人であることから、人数条件に関して条件合致が判定される(ステップS346のY)。
【0050】
続いて、ステップS346で条件合致が判定された場合(ステップS346のY)、両席が共に空席であるかどうかが判定される(ステップS348)。つまり、座席番号351a「4番」の座席が空席になった場合を考えると、その結合可能席である結合可能席351d「3番」の座席も空席になっていなければお客様をご案内することはできない。そこで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、両席が共に空席であると判定した場合にのみ(ステップS348のY)、案内情報を生成するステップS357の処理に移り、両席が共に空席であると判定しなかった場合には(ステップS348のN)、予約処理を実行し(ステップS349)、処理を終了する。予約処理は、座席番号351a「4番」の座席が空席になった場合を例に挙げると、座席情報ファイル351中の座席番号351a「4番」に対応する着席空席の別351eに「予約」を設定する処理である。図4中の座席情報ファイル351では、座席番号351a「6番」に対応する着席空席の別351eに「予約」が設定されている例を示している。
【0051】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていないと判定した場合(ステップS344のN)、N=1であるかどうかを確かめる(ステップS350)。この処理は、ステップS344で結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていると一度でも判定された後、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていないと判定された場合には、ステップS347の処理によってNが2以上の自然数になっているので、Nをクリアし(ステップS351)、再度N=1に設定する(ステップS352)ために実行される。
【0052】
そして、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位N、つまり優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの処理を実行する(ステップS353)。座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位N(優先順位「1」)の情報が含まれていないと判定した場合には(ステップS353のN)、処理を終了する。これに対して、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位N(優先順位「1」)の情報が含まれていると判定した場合には(ステップS353のY)、座席予約ファイル352から優先順位N(優先順位「1」)の優先順位352aに対応する条件情報、つまり、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに記憶されている情報をリードし、RAM305にレジストする(ステップS354)。そして、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の条件情報とステップS354でRAM305にレジストした優先順位N(優先順位「1」)の優先順位353aに対応する条件情報とを比較し、条件が合致するかどうかを判定する(ステップS355)。
【0053】
一例として、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「1番」であるとした場合、定員351bが6名で禁煙喫煙の別351cが「禁煙」の座席となる。これに対して、ステップS354でRAM305にレジストされた優先順位N(優先順位「1」)の優先順位352aに対応する条件情報は、人数352c「5」で禁煙喫煙の別352d「禁煙」である。そこで、このような条件でのステップS355の判定処理では、条件合致が判定される(ステップS355のY)。
【0054】
これに対して、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「4番」であるとした場合、定員351bが6名で禁煙喫煙の別351cが「喫煙」の座席となる。このため、ステップS354でRAM305にレジストされた優先順位N(優先順位「1」)の優先順位352aに対応する条件情報中、禁煙喫煙の別352d「禁煙」と合致しない。そこで、このような条件でのステップS355の判定処理では、条件合致せずと判定される(ステップS355のN)。
【0055】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、ステップS355で条件合致せずとの判定結果を得た場合(ステップS355のN)、NをN+1とし(ステップS356)、再度、座席予約ファイル352にアクセスし、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位Nの情報が含まれているかどうかを判定する(ステップS353)。この場合、ステップS356でNをN+1としたので、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位「2」の情報が含まれているかどうかの判定となる。図5に示すように、座席予約ファイル352中の優先順位352aには優先順位「2」の情報が含まれている。そこで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位「2」の情報が含まれていると判定し(ステップS353のY)、座席予約ファイル352から優先順位「2」の優先順位352aに対応する条件情報、つまり、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに記憶されている情報(人数が「4」で禁煙喫煙の別は「喫煙」)をリードし、RAM305にレジストする(ステップS354)。そして、ステップS355の判定処理では、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席に基づいて求められる座席の人数条件が6名で禁煙喫煙の別351cが「喫煙」であり、ステップS354でRAM305にレジストした優先順位「2」の優先順位352aに対応する人数352cが6人で禁煙喫煙の別351cが「喫煙」であることから、条件合致が判定される(ステップS355のY)。
【0056】
その後、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、案内情報を生成する(ステップS357)。案内情報は、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の座席番号351aと、ステップS355で条件合致が判定された座席予約ファイル352中の情報(優先順位352a、名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352d)とを対応付けた情報である。あるいは、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の座席番号351aと、ステップS346で条件合致が判定されてステップS348で座席が両方揃ったと判定された結合座席予約ファイル353中の情報(優先順位353a、名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353d)とを対応付けた情報である。
【0057】
そして、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、生成した案内情報を個々のハンディターミナル102に配信する処理を実行する(ステップS358)。これにより、配信される案内情報は、LANケーブル108を経由して無線中継器107に送信され、無線中継器107から個々のハンディターミナル102に無線送信される。無線中継器107から無線送信された案内情報は、個々のハンディターミナル102に受信され、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、受信した案内情報をRAM205のワークエリアにレジストする。
【0058】
更に、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席予約ファイル352又は結合座席予約ファイル353に対して、案内情報として送信した優先順位352aに設定されている情報(名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352d)又は優先順位353aに設定されている情報(名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353d)を削除し、その分の優先順位352a又は優先順位353aを繰り上げるデータ繰上げ処理を実行する(ステップS359)。そして、Nをクリアする処理を実行し(ステップS360)、処理を終了する。
【0059】
次いで、第3の処理について図13〜図15を参照して説明する。
【0060】
図13は、ハンディターミナル102で実行される案内情報報知の一例を示す模式図である。図14は、ハンディターミナル102のLCD112に表示される案内情報画面の一例を示す模式図である。図15は、ハンディターミナル102での呼び出し処理及び案内情報の報知処理の流れを示すフローチャートである。ハンディターミナル102での呼び出し処理及び案内情報の報知処理を図15に示すフローチャート、並びに、図13及び図14に示す模式図に基づいて説明する。
【0061】
ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、案内情報の受信判定に待機している(図15中のステップS211)。そして、案内情報を受信したと判定した場合(ステップS211のY)、呼出音の出力処理を実行し(図15中のステップS212)、案内報知画面261の生成表示処理を実行する(図15中のステップS213)。呼出音の出力処理は、マイクロコンピュータ201にI/O212を介して接続されているブザー118を駆動し、例えば「ピピピピピ」という呼出音を鳴動させる。図13には、ハンディターミナル102において呼出音がなっている状態を模式的に示している。
【0062】
案内報知画面261には、図15中のステップS213で生成された案内情報262が表示される。案内情報262は、図14に示すように、「お客様をご案内してください」というメッセージ表示262aと、「ご案内するお客様」についてのお客様情報262bと、「ご案内する座席」についての座席情報252cとからなる。お客様情報262bには、××番の××様、××名、禁煙喫煙の別が含まれている。座席情報252cには、××番という座席番号(卓番)が含まれている。また、案内情報262中、「お客様をご案内してください」というメッセージ表示262aは、LCD112の覗き窓115に対応する位置に表示される。これにより、図13に示すように、左扉体109と右扉体110とが閉じられた状態でも、誰が呼んでいるのかをハンディターミナル102のユーザである接客係の店員に分からせることができる。
【0063】
案内情報262をユーザである接客係の店員に示すために案内報知画面261をハンディターミナル102のLCD112に表示させたハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、タイムアウトになったら(ステップS214のY)、LCD112の表示を初期表示に戻し(ステップS215)、処理を終了する。
【0064】
ここで、第3の処理に伴う実際の運用について説明する。ハンディターミナル102のユーザである接客係の店員は、ハンディターミナル102から例えば「ピピピピピ」という呼出音が鳴動すると、ハンディターミナル102に注意を喚起することになる。そこで、多くの場合、ハンディターミナル102を取り出して目視することになるであろう。すると、覗き窓115を通して、「お客様をご案内してください」というLCD112に表示されたメッセージ表示262aを見ることができるので、お客様を案内する必要が生じたことを理解することができる。そこで、右扉体110を開けてLCD112の表示を見ることで、「ご案内するお客様」についてのお客様情報262bと「ご案内する座席」についての座席情報252cとを確認することができる。これにより、接客係の店員は、対応するお客様を対応する座席までに容易に案内することができる。この場合、LCD112の案内報知画面261に表示される案内情報262は、図12中のステップS341〜ステップS357の処理によって常に同一の規則に従い生成された案内情報に基づいて生成された情報であるので、適正な情報であるといえる。したがって、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の効率化及び適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の一形態として、オーダエントリシステムの全体構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】ハンディターミナルの電気的接続を示すブロック図である。
【図3】座席管理装置の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】座席情報ファイルを例示する模式図である。
【図5】座席予約ファイルを例示する模式図である。
【図6】結合座席予約ファイルを例示する模式図である。
【図7】座席管理装置での座席予約に際しての画面遷移例を示す模式図である。
【図8】座席管理装置での座席予約情報の入力処理を示すフローチャートである。
【図9】ハンディターミナルでの座席状況入力に際しての画面遷移例を示す模式図である。
【図10】ハンディターミナルで実行される座席状況の入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】座席管理装置での座席情報ファイル中の着席/空席の別の設定処理を示すフローチャートである。
【図12】座席管理装置での案内情報の生成処理及び配信処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】ハンディターミナルで実行される案内情報報知の一例を示す模式図である。
【図14】ハンディターミナルの第1の表示部に表示される案内情報画面の一例を示す模式図である。
【図15】ハンディターミナルでの呼び出し処理及び案内情報の報知処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
102 ハンディターミナル、105 座席管理装置、111 タッチパネル(第1の操作部)、112 LCD(第1の表示部)、116 LCD(第2の表示部)、117 タッチパネル(第2の操作部)、201 マイクロコンピュータ(第1の情報処理部)、301 マイクロコンピュータ(第2の情報処理部)、351 座席情報ファイル、352 座席予約ファイル、353 結合座席予約ファイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店の店舗等で用いられ、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務を支援する顧客案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の店舗では、座席が満席である場合、座席待ちの顧客を管理する必要がある。一般的には、接客係の店員が顧客の条件、つまり人数や禁煙喫煙の別等の希望を聞き、条件に合致する座席が空けば、その座席に顧客を案内するというような運用がなされている。これに対して、店舗の入口等にウェーティングリストを用意しておき、座席待ちの顧客の氏名、人数及び希望を順番に書き込み、ウェーティングリストに書き込まれた条件に基づいて顧客を案内するような運用も一般的に行われている。ウェーティングリストへの記入は、接客係の店員が行なう運用を採用する店舗もあれば、顧客に記入してもらう運用を採用する店舗もある。
【0003】
ここで、本出願書類全体を通じて、「座席」という概念は、言葉通りの「座席」そのものという狭義の概念と、このような狭義の概念である座席が複数設置された「卓」という広義の概念とのいずれをも含む。
【0004】
【特許文献1】特開2005−070956公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、座席が満席である場合、座席待ちの顧客を管理する手法としては、接客係の店員の記憶やウェーティングリストに頼っているのが現状である。接客係の店員の記憶に頼る手法では、座席待ちの顧客専従の接客係を一名用意しなければならず、しかも、座席が空いた場合に、禁煙喫煙の別等の希望に合致した顧客を迅速に案内するのは困難である。また、ウェーティングリストで管理する手法を採用しても、禁煙喫煙の別等の顧客の希望を即座に把握し難く、座席が空いた場合に、禁煙喫煙の別等の希望に合致した顧客を迅速に案内するのは困難である。このようなことから、従来の顧客の案内手法は、極めて非効率であるといわざるを得ない。
【0006】
また、顧客の希望と空いた席とのマッチングを考慮すると、顧客を案内する順番は必ずしも来店順というわけにいかない。このため、いずれの手法を採用するにしても、常に同一の規則に従った案内運用を実践しないと、顧客の不信や不満を買うおそれがある。しかしながら、人の記憶やウェーティングリストに頼った手法では、ヒューマンエラーがつきものなので、不適正な運用がなされ易いという不都合もある。
【0007】
以上述べたような不都合に鑑みると、例えば情報処理技術を駆使した顧客の案内手法の実現が望まれる。このような案内手法を実現する上では、各座席の着席空席状況等を把握する必要がある。特許文献1には、使用状態にある卓の座席の状況を把握し、これによって席稼働率を算出し、算出した席稼働率を記憶し出力処理するようにした発明が記載されている。しかしながら、このような特許文献1に記載された発明は、効率的で適正な顧客の案内を実現する上で、示唆を与えるものではない。
【0008】
本発明の目的は、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の効率化及び適正化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、情報処理を実行する第1の情報処理部と、情報を表示する第1の表示部と、情報を入力する第1の操作部とを備えるハンディターミナルと、情報処理を実行する第2の情報処理部と、座席毎に案内可能な顧客の条件及び着席空席状況を管理する座席情報ファイルと、座席待ちの顧客毎に優先順位及び条件を管理する座席予約ファイルとに対するアクセスを前記第2の情報処理部により制御する手段とを備える座席管理装置と、を具備し、前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部が、前記第1の操作部の操作による個々の座席毎の着席空席状況情報の入力を受け付け、入力された前記着席空席状況情報を前記座席管理装置に向けて無線送信する第1の処理を実行し、前記座席管理装置の前記第2の情報処理部が、受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記座席予約ファイルから取得し、前記空席となった座席と前記取得した顧客とを対応付けた案内情報を生成して前記ハンディターミナルに送信する第2の処理を実行し、前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部が、受信した前記案内情報を前記第1の表示部に表示する第3の処理を実行するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、どの顧客をどの座席に案内すればよいかを示す案内情報をハンディターミナルに送信し、ハンディターミナルが有する第1の表示部に表示するようにしたので、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の効率化を図ることができ、また、案内情報は常に同一の規則で生成されるので、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の適正化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の一形態を図1ないし図15に基づいて説明する。本実施の形態は、レストランで用いられるオーダエントリシステムの構成を利用して構築した顧客案内システムへの適用例である。したがって、本実施の形態の場合、「座席」の概念は、言葉通りの「座席」そのものを意味する狭義の概念である座席が複数設置された「卓」という広義の概念を意味する。
【0012】
図1は、オーダエントリシステム101の全体構成を概略的に示すシステム構成図である。図1に示すように、オーダエントリシステム101は、接客係の店員が各々携帯する複数のハンディターミナル102、キッチンに設置されるキッチンプリンタ103a、ホールに設置されるカスタマチェックプリンタ103b、チェックアウトカウンタに設置されるPOS端末104、店舗のエントランスに設置される座席管理装置105、そして店舗のバックヤード等に設置されオーダエントリシステム101全体を制御するオーダステーション106等を備えている。
【0013】
ハンディターミナル102は、ホールの天井等に設定された無線中継器107によってオーダステーション106との無線通信を可能とされ、また、キッチンプリンタ103a、POS端末104、及びカスタマチェックプリンタ103bは、LANケーブル108を介してオーダステーション106と通信自在に接続されている。
【0014】
ハンディターミナル102に入力された注文情報はオーダステーション106に無線通信により送信され、注文情報はオーダステーション106からキッチンプリンタ103a、POS端末104、カスタマチェックプリンタ103bに送信される。キッチンプリンタ103a及びカスタマチェックプリンタ103bは、受信した注文情報に応じた内容の伝票を印字発行する。キッチンプリンタ103aが印字発行する伝票は、注文メニュー品目をキッチンの調理人に指示するための調理指示伝票である。カスタマチェックプリンタ103bが印字発行する伝票は、注文された商品を給仕した後に来店客に渡す伝票である。これらのキッチンプリンタ103aとカスタマチェックプリンタ103bとは、同一の基本構造を有している。POS端末104は、顧客との間での注文情報に基づく会計処理を含む販売データ処理等を実行する。
【0015】
ハンディターミナル102は、見開き可能な左扉体109と右扉体110とから構成され、左扉体109には、タッチパネル111付きのLCD112が設けられ、その下方にはテンキー113が設けられている。LCD112は、第1の表示部として機能し、ハンディターミナル102を使用する接客係の店員に情報表示を提供する。右扉体110には、キーボード114が設けられている。キーボード114は、メニューキーや確定キー等を含み、タッチパネル111と共に第1の操作部を構成する。また、右扉体110には、右扉体110を貫通する覗き窓115が設けられており、ハンディターミナル102を閉じた状態でも、LCD112に表示された情報を確認することができるように構成されている。
【0016】
座席管理装置105は、LCD116を備えている。LCD116には、タッチパネル117が積層配置されている。LCD116は、第2の表示部を構成し、顧客に対して座席情報を提供する。タッチパネル117は、第2の操作部を構成し、顧客による座席情報の入力を許容する。このような座席管理装置105は、ハンディターミナル102との間で無線通信により座席情報と予約情報とを送受信する。
【0017】
図2は、ハンディターミナル102の電気的接続を示すブロック図である。図2に示すように、ハンディターミナル102には、第1の情報処理部を構成するマイクロコンピュータ201が備えられており、このマイクロコンピュータ201が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ201は、各部を集中的に制御するCPU202に、バスライン203を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM204と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM205とが接続されて構成されている。
【0018】
マイクロコンピュータ201には、バスライン203を介して、タッチパネルコントローラ206、表示コントローラ207、キーボードコントローラ208、及び無線通信インターフェース209が接続されている。タッチパネルコントローラ206は、タッチパネル111からの入力信号をマイクロコンピュータ201に取り込む。表示コントローラ207は、画像データに基づいてLCD112を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD112に表示させる。キーボードコントローラ208は、テンキー113及びキーボード114からの入力信号をマイクロコンピュータ201に取り込む。無線通信インターフェース209は、無線部210を駆動制御する。無線部210は、アンテナ211を介して無線中継器107との間で無線通信を実行する。ハンディターミナル102に入力された注文情報や着席空席状況情報等の各種情報は、無線部210から無線中継器107に送信される。この場合、注文情報は、オーダステーション106を宛先としている。そこで、入力された注文情報はオーダステーション106に向けて無線送信されることになる。また、着席空席状況情報は、座席管理装置105を宛先としている。そこで、入力された座席状況情報は座席管理装置105に向けて無線送信されることになる。
【0019】
このようなハンディターミナル102は、ブザー118を備えている。ブザー118は、バスライン203に接続されたI/O212を介してマイクロコンピュータに駆動制御される。
【0020】
図3は、座席管理装置105の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、座席管理装置105には、第2の情報処理部を構成するマイクロコンピュータ301が備えられており、このマイクロコンピュータ301が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ301は、各部を集中的に制御するCPU302に、バスライン303を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM304と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM305とが接続されて構成されている。
【0021】
マイクロコンピュータ301には、バスライン303を介して、入出力コントローラ306とHDD307と通信インターフェース308とが接続されている。入出力コントローラ306は、画像データに基づいてLCD116を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD116に表示させ、また、タッチパネル117からの入力信号をマイクロコンピュータ301に取り込む。通信インターフェース308は、LANケーブル108を介してオーダステーション106及び無線中継器107との間でのデータ通信を可能とする。
【0022】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301がアクセス可能なHDD307には、座席情報ファイル351、座席予約ファイル352及び結合座席予約ファイル353が記憶保存されている。これらの座席情報ファイル351、座席予約ファイル352及び結合座席予約ファイル353は、座席管理装置105の起動時にRAM305にコピーされ、CPU302にアクセスされる。
【0023】
図4は、座席情報ファイル351を例示する模式図である。座席情報ファイル351は、各座席を特定する座席番号351aに対応させて、定員351b、禁煙喫煙の別351c及び結合可能席351dを設定記憶させており、着席空席の別351e及び着席時刻351fを記憶させることができるデータ構造を有している。
【0024】
図5は、座席予約ファイルを例示する模式図である。座席予約ファイル352は、優先順位352aに対応させて、名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352dを記憶させることができるデータ構造を有している。
【0025】
図6は、結合座席予約ファイル353を例示する模式図である。結合座席予約ファイル353は、優先順位353aに対応させて、名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353dを記憶させることができるデータ構造を有している。
【0026】
以上のように構築されたオーダエントリシステム101は、その基本機能として、オーダエントリ機能を実行することができる。つまり、ハンディターミナル102から無線送信した注文情報がオーダステーション106に送信され、オーダステーション106においてオーダエントリ処理を実行する。オーダエントリ処理に付随して、オーダステーション106は、キッチンプリンタ103a及びカスタマチェックプリンタ103bに伝票を印字発行すべき指令を発したり、POS端末104に商品販売データを送信したりする。これに応じて、キッチンプリンタ103aからは調理指示伝票が印字発行され、注文メニュー品目のキッチンの調理人への指示が支援される。また、カスタマチェックプリンタ103bからは注文された商品を給仕した後に来店客に渡す伝票が印字発行され、当該業務が支援される。そして、POS端末104は、商品販売データを受信しているので、例えばカスタマチェックプリンタ103bによって印字発行される伝票に付されている伝票番号で商品販売データを管理する等の手法によって、商品販売データ処理を容易に実行することができる。
【0027】
このようなオーダエントリ機能の他に、本実施の形態のオーダエントリシステム101は、顧客案内機能を実行することができる。以下、オーダエントリシステム101が実行する顧客案内機能について説明する。この顧客案内機能は、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201と座席管理装置105のマイクロコンピュータ301とによって実行される。つまり、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、ROM204に格納された制御プログラムに従い、ハンディターミナル102での顧客案内処理を実行する。ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201によって実行される処理については、図10及び図15のフローチャートで示し、それらのフローチャート中の各ステップは200番代のステップ数で表示する。また、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、ROM304に格納された制御プログラムに従い、座席管理装置105での顧客案内処理を実行する。座席管理装置105のマイクロコンピュータ301によって実行される処理については、図8、図11及び図12のフローチャートで示し、それらのフローチャート中の各ステップは300番代のステップ数で表示する。
【0028】
顧客案内機能は、
(1)座席管理装置105に座席待ち顧客のリストを表示する機能
(2)座席管理装置105に座席待ち顧客の登録をする機能
(3)順番が到来した顧客を座席に案内する接客業務を支援する機能
を含んでいる。そこで、以下では、これらの(1)〜(3)の順番に顧客案内機能を説明する。
(1)座席管理装置105に座席待ち顧客のリストを表示する機能
図7は、座席管理装置105での座席予約に際しての画面遷移例を示す模式図である。図8は、座席管理装置105での座席予約情報の入力処理を示すフローチャートである。座席管理装置105は、座席予約ファイル352が記憶する情報をLCD116に表示する。つまり、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、一例として、予約内容を顧客に提供するための予約情報提供画面371を顧客に提供する(図7(a)参照)。この予約情報提供画面371は、優先順位371a、名前371b、人数371c及び禁煙喫煙の別371dをLCD116上に表示する。これらの情報は、それぞれ、座席予約ファイル352が記憶する優先順位352a、名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに記憶保存されているデータに基づいて生成される。一例として、図5に示す座席予約ファイル352には、優先順位「1番」で「スズキ」さんが人数「5人」、「禁煙」で記憶保存され、優先順位「2番」で「サトウ」さんが人数「4人」、「喫煙」で記憶保存され、優先順位「3番」で「カトウ」さんが人数「3人」、「どちらでも」で記憶保存され、優先順位「4番」で「マツモト」さんが人数「10人」、「禁煙」で記憶保存され、優先順位「5番」で「ササキ」さんが人数「4人」、「禁煙」で記憶保存され、優先順位「6番」で「コイズミ」さんが人数「8人」、「どちらでも」で記憶保存され、優先順位「7番」で「アサクラ」さんが人数「3人」、「禁煙」で記憶保存されている。そこで、予約情報提供画面371にも、それらに対応する情報が表示される。予約情報提供画面371中に表示される情報は、スクロールキー372によってスクロール表示可能である。ここに、座席予約ファイル352が記憶する情報を第2の表示部であるLCD116に表示する処理が実行される。
(2)座席管理装置105に座席待ち顧客の登録をする機能
座席管理装置105は、そのLCD116による表示とタッチパネル117による情報のタッチ入力とによって、座席待ちの顧客の座席予約情報を入力することができる。つまり、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、予約情報提供画面371中に座席予約ボタン373を画面表示する。そして、座席予約ボタン373がタッチパネル117によってタッチ指定されると(図8中のステップS301のY)、座席予約を可能とする座席予約画面374を顧客に提供する(図7(b)〜図7(d)参照、図8中のステップS302)。この座席予約画面374は、LCD116上に表示され、名前、人数、禁煙喫煙の別をタッチパネル117によってタッチ入力可能となっている。
【0029】
つまり、座席予約ボタン373のタッチ指定によって予約情報提供画面371から遷移する最初の座席予約画面374には、アイウエオ順で50音の片仮名をタッチパネル117によってタッチ入力可能なようにタッチキー375、決定ボタン376及びキャンセルボタン377が出現し、このタッチキー375のタッチ指定によって名前の入力が可能となる(図7(b)参照)。そこで、タッチキー375のタッチ指定によって名前が入力されて決定ボタン376がタッチ指定されると、マイクロコンピュータ301は名前の入力があったと判定し(図8中のステップS303のY)、入力された名前をRAM305にレジストする(図8中のステップS304)。
【0030】
その後、座席予約画面374の表示が遷移し、遷移後の座席予約画面374には置数をタッチパネル117によってタッチ入力可能なようにテンキー378が出現し、このテンキー378のタッチ指定によって人数の入力が可能となる(図7(c)参照)。そこで、テンキー378のタッチ指定によって人数が入力されて決定ボタン376がタッチ指定されると、マイクロコンピュータ301は人数の入力があったと判定し(図8中のステップS305のY)、入力された人数をRAM305にレジストする(図8中のステップS306)。
【0031】
その後、座席予約画面374の表示が遷移し、遷移後の座席予約画面374には禁煙喫煙の別の選択をタッチパネル117によってタッチ入力可能なように禁煙ボタン379、喫煙ボタン380及びどちらでも良いボタン381が出現し、これらの禁煙ボタン379、喫煙ボタン380及びどちらでも良いボタン381の択一的なタッチ指定によって禁煙喫煙の別の入力が可能となる(図7(d)参照)。そこで、禁煙ボタン379と喫煙ボタン380とどちらでも良いボタン381との択一的なタッチ指定によって禁煙喫煙の別が入力されて決定ボタン376がタッチ指定されると、マイクロコンピュータ301は禁煙喫煙の別の入力があったと判定し(図8中のステップS307のY)、入力された禁煙喫煙の別をRAM305にレジストする(図8中のステップS308)。
【0032】
そして、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、こうして必要項目が入力されると、図5に示す座席予約ファイル352の優先順位352aを自動付番し、対応する名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに入力情報を記憶保存する(図8中のステップS309)。ここに、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301により、第2の操作部であるタッチパネル117の操作によって座席待ちの顧客を特定する顧客特定情報(名前352b)及び条件(人数352c及び禁煙喫煙の別352d)を入力し、入力された情報をその入力順を優先順位(優先順位352a)として座席予約ファイル352に記憶させる処理が実行される。
【0033】
なお、図8のフローチャート中には示さないが、図7(b)、(c)、(d)にそれぞれ示す座席予約画面374中でキャンセルボタン377がタッチ指定されると、RAM305のレジストデータがクリアされて処理を終了する。
【0034】
次いで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、前述した座席予約画面上でタッチパネル117のタッチ指定によって入力した人数が個々の座席の定員人数を超えているかどうかを判定する(図8中のステップS310)。この判定は、図4に示す座席情報ファイル351における定員351bを参照することによって、容易に実行可能である。
【0035】
判定の結果、入力された人数が個々の座席の定員人数を超えているとの判定結果が得られた場合には(図8中のステップS310のY)、RAM305にレジストされている名前、人数及び禁煙喫煙の別の各入力情報を図6に示す結合座席予約ファイル353にも登録する(図8中のステップS311)。つまり、図6に示す結合座席予約ファイル353の優先順位353aを自動付番し、対応する名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353dに入力情報を記憶保存する。その後、RAM305のレジストデータをクリアし(図8中のステップS312)、処理を終了する。
【0036】
これに対して、図8中のステップS310での判定の結果、入力された人数が個々の座席の定員人数を超えていないとの判定結果が得られた場合には(図8中のステップS310のN)、RAM305のレジストデータをクリアし(図8中のステップS312)、処理を終了する。
【0037】
ここに、第2の操作部であるタッチパネル117の操作によって入力された人数が個々の座席の定員人数を超えた人数である場合、座席待ちの顧客毎に優先順位及び定員を超えた人数を含む条件を管理する結合座席予約ファイル353にアクセスし、入力された顧客特定情報及び定員を超えた人数を含む条件(禁煙喫煙の別)を、その入力順を優先順位として結合座席予約ファイル353に記憶させる処理が実行される。
(3)順番が到来した顧客を座席に案内する接客業務を支援する機能
順番が到来した顧客を座席に案内する接客業務を支援する機能は、ハンディターミナル102で実行される第1の処理と、座席管理装置105で実行される第2の処理と、再びハンディターミナル102で実行される第3の処理とによって果たされる。以下、第1の処理〜第3の処理をその順番で説明する。
【0038】
まず、第1の処理について図9及び図10を参照して説明する。
【0039】
図9は、ハンディターミナル102で実行される座席状況入力手順の流れを示す模式図である。図10は、ハンディターミナル102で実行される座席状況の入力処理の流れを示すフローチャートである。第1の処理は、ハンディターミナル102が有するマイクロコンピュータ201によって実行され、第1の操作部であるキーボード114の操作によって個々の座席毎の着席空席状況情報の入力を受け付け、入力された着席空席状況情報を座席管理装置105に向けて無線送信する処理である。
【0040】
ハンディターミナル102のキーボード114には、着席空席情報を入力するための宣言ボタン114aが設けられている。宣言ボタン114aは、一例として、図9に例示するように、キーボード114の右下に割り振られている。そこで、あるハンディターミナル102を使用する接客係の店員が着席空席情報を入力しようとする場合には、ハンディターミナル102のキーボード114に設けられた宣言ボタン114aを押下する(図9(a)参照)。
【0041】
ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、宣言ボタン114aの押下がなされたかどうかの判定に待機しており(図10のステップS201)、宣言ボタン114aの押下がなされたと判定した場合には(図10のステップS201のY)、着席空席情報の入力宣言を認識する。そして、この認識に応じて、LCD112に着席空席情報入力画面251を出現させる(図8(b)参照、図10のステップS202)。着席空席情報入力画面251に出現するアイテムは、「卓番を入力してください」という入力メッセージ251a、テンキー113によって座席番号(卓番)が入力された場合に出現する座席番号表示251b、決定ボタン251c及びキャンセルボタン251dである。
【0042】
このような着席空席情報入力画面251において、ユーザである接客係の店員は、テンキー113による座席番号(卓番)の入力をすることが可能である。つまり、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、宣言ボタン114aの押下がなされたと判定した場合(ステップS203のY)、テンキー113による座席番号(卓番)の入力を受け付ける。テンキー113によって入力された置数は、座席番号(卓番)として取り込まれ、LCD112に表示された着席空席情報入力画面251中の座席番号表示251bとして表示される。この際、ユーザがキャンセルボタン251dをタッチすると、LCD112に積層配置されたタッチパネル111の入力によってキャンセル処理が実行される。これに対して、ユーザが決定ボタン251cをタッチすると、タッチパネル111の入力によって入力された座席番号(卓番)の決定処理がなされる。入力された座席番号(卓番)の決定処理では、入力された座席番号(卓番)が座席管理装置105に向けて無線送信される(ステップS204)。
【0043】
次いで、第2の処理について図11及び図12を参照して説明する。
【0044】
図11は、座席管理装置105での座席情報ファイル351中の着席/空席の別の設定処理を示すフローチャートである。ハンディターミナル102から無線送信された座席号(卓番)は、無線中継器107に受信され、LANケーブル108を経由して座席管理装置105に送信される。座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席番号(卓番)を受信すると(ステップS321)、座席情報ファイル351を検索し、該当する座席番号351aに対応する着席空席の別351eを反転設定する(ステップS322)。つまり、着席空席の別351eが空席に設定されていた場合には着席に、着席に設定されていた場合には空席に、それぞれ着席空席の別351eを設定する。
【0045】
図12は、座席管理装置105での案内情報の生成処理及び配信処理の流れを示すフローチャートである。座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、図4に示す座席情報ファイル351中の着席空席の別351eの設定情報を監視し、空席に反転設定された座席の発生を判定している(ステップS341)。この判定の結果、空席発生を判定した場合(ステップS341のY)、座席情報ファイル351から空席となった座席の条件情報、つまり、定員351b、禁煙喫煙の別351c及び結合可能席351dに記憶されている情報をリードし、RAM305にレジストする(ステップS342)。そして、優先順位N=1に設定し(ステップS343)、結合座席予約ファイル353にアクセスし、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれているかどうかを判定する(ステップS344)。このステップS344の判定は、ステップS343で優先順位N=1に設定した後の最初の判定においては、優先順位353aに優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの判定となる。
【0046】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていると判定した場合(ステップS344のY)、結合座席予約ファイル353から優先順位Nの優先順位353aに対応する条件情報、つまり、人数353c及び禁煙喫煙の別353dに記憶されている情報をリードし、RAM305にレジストする(ステップS345)。そして、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の条件情報とステップS345でRAM305にレジストした優先順位Nの優先順位353aに対応する条件情報とを比較し、条件が合致するかどうかを判定する(ステップS346)。ステップS346の判定処理では、特に、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位Nの優先順位353aに対応する人数353cが、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の定員351b及び結合可能席351dによって判明する人数に合致するかどうかの判定に特有な点が含まれている。以下、この特有の点である人数の合致ということに特化し、つまりは禁煙喫煙の別という条件を捨象してステップS346の判定処理について考える。
【0047】
一例として、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「4番」であるとした場合、定員351bが6名で結合可能席351dが3番の座席となる。座席番号351a「3番」の座席は、定員351bが6名であるから、この場合の座席の人数条件は12名ということになる。この際、ステップS343で優先順位N=1に設定した後の最初の判定においては、優先順位353aに優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの判定となるため、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位N=1の優先順位353aに対応する人数353cは10人となる。そこで、このような条件でのステップS346の判定処理では、人数条件に関して条件合致が判定される(ステップS346のY)。
【0048】
これに対して、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「5番」であるとした場合、定員351bが4名で結合可能席351dが6番の座席となる。座席番号351a「6番」の座席は、定員351bが4名であるから、この場合の座席の人数条件は8名ということになる。この際、ステップS343で優先順位N=1に設定した後の最初の判定においては、優先順位353aに優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの判定となるため、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位N=1の優先順位353aに対応する人数353cは10人となる。そこで、このような条件でのステップS346の判定処理では、人数条件に関して条件合致せずと判定される(ステップS346のN)。
【0049】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、ステップS346で条件合致せずとの判定結果を得た場合(ステップS346のN)、NをN+1とし(ステップS347)、再度、結合座席予約ファイル353にアクセスし、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれているかどうかを判定する(ステップS344)。この場合、ステップS347でNをN+1としたので、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位「2」の情報が含まれているかどうかの判定となる。図6に示すように、結合座席予約ファイル353には、優先順位353aに優先順位「2」の情報が含まれている。そこで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位「2」の情報が含まれていると判定し(ステップS344のY)、結合座席予約ファイル353から優先順位「2」の優先順位353aに対応する条件情報、つまり、人数353c及び禁煙喫煙の別353dに記憶されている情報(人数が「8」で禁煙喫煙の別は「どちらでも」)をリードし、RAM305にレジストする(ステップS345)。そして、ステップS346の判定処理では、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席に基づいて求められる座席の人数条件が8名であり、ステップS345でRAM305にレジストした優先順位「2」の優先順位353aに対応する人数353cが8人であることから、人数条件に関して条件合致が判定される(ステップS346のY)。
【0050】
続いて、ステップS346で条件合致が判定された場合(ステップS346のY)、両席が共に空席であるかどうかが判定される(ステップS348)。つまり、座席番号351a「4番」の座席が空席になった場合を考えると、その結合可能席である結合可能席351d「3番」の座席も空席になっていなければお客様をご案内することはできない。そこで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、両席が共に空席であると判定した場合にのみ(ステップS348のY)、案内情報を生成するステップS357の処理に移り、両席が共に空席であると判定しなかった場合には(ステップS348のN)、予約処理を実行し(ステップS349)、処理を終了する。予約処理は、座席番号351a「4番」の座席が空席になった場合を例に挙げると、座席情報ファイル351中の座席番号351a「4番」に対応する着席空席の別351eに「予約」を設定する処理である。図4中の座席情報ファイル351では、座席番号351a「6番」に対応する着席空席の別351eに「予約」が設定されている例を示している。
【0051】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていないと判定した場合(ステップS344のN)、N=1であるかどうかを確かめる(ステップS350)。この処理は、ステップS344で結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていると一度でも判定された後、結合座席予約ファイル353中の優先順位353aに優先順位Nの情報が含まれていないと判定された場合には、ステップS347の処理によってNが2以上の自然数になっているので、Nをクリアし(ステップS351)、再度N=1に設定する(ステップS352)ために実行される。
【0052】
そして、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位N、つまり優先順位「1」の情報が含まれているかどうかの処理を実行する(ステップS353)。座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位N(優先順位「1」)の情報が含まれていないと判定した場合には(ステップS353のN)、処理を終了する。これに対して、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位N(優先順位「1」)の情報が含まれていると判定した場合には(ステップS353のY)、座席予約ファイル352から優先順位N(優先順位「1」)の優先順位352aに対応する条件情報、つまり、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに記憶されている情報をリードし、RAM305にレジストする(ステップS354)。そして、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の条件情報とステップS354でRAM305にレジストした優先順位N(優先順位「1」)の優先順位353aに対応する条件情報とを比較し、条件が合致するかどうかを判定する(ステップS355)。
【0053】
一例として、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「1番」であるとした場合、定員351bが6名で禁煙喫煙の別351cが「禁煙」の座席となる。これに対して、ステップS354でRAM305にレジストされた優先順位N(優先順位「1」)の優先順位352aに対応する条件情報は、人数352c「5」で禁煙喫煙の別352d「禁煙」である。そこで、このような条件でのステップS355の判定処理では、条件合致が判定される(ステップS355のY)。
【0054】
これに対して、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席が座席番号351a「4番」であるとした場合、定員351bが6名で禁煙喫煙の別351cが「喫煙」の座席となる。このため、ステップS354でRAM305にレジストされた優先順位N(優先順位「1」)の優先順位352aに対応する条件情報中、禁煙喫煙の別352d「禁煙」と合致しない。そこで、このような条件でのステップS355の判定処理では、条件合致せずと判定される(ステップS355のN)。
【0055】
座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、ステップS355で条件合致せずとの判定結果を得た場合(ステップS355のN)、NをN+1とし(ステップS356)、再度、座席予約ファイル352にアクセスし、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位Nの情報が含まれているかどうかを判定する(ステップS353)。この場合、ステップS356でNをN+1としたので、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位「2」の情報が含まれているかどうかの判定となる。図5に示すように、座席予約ファイル352中の優先順位352aには優先順位「2」の情報が含まれている。そこで、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席予約ファイル352中の優先順位352aに優先順位「2」の情報が含まれていると判定し(ステップS353のY)、座席予約ファイル352から優先順位「2」の優先順位352aに対応する条件情報、つまり、人数352c及び禁煙喫煙の別352dに記憶されている情報(人数が「4」で禁煙喫煙の別は「喫煙」)をリードし、RAM305にレジストする(ステップS354)。そして、ステップS355の判定処理では、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席に基づいて求められる座席の人数条件が6名で禁煙喫煙の別351cが「喫煙」であり、ステップS354でRAM305にレジストした優先順位「2」の優先順位352aに対応する人数352cが6人で禁煙喫煙の別351cが「喫煙」であることから、条件合致が判定される(ステップS355のY)。
【0056】
その後、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、案内情報を生成する(ステップS357)。案内情報は、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の座席番号351aと、ステップS355で条件合致が判定された座席予約ファイル352中の情報(優先順位352a、名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352d)とを対応付けた情報である。あるいは、ステップS342でRAM305にレジストした空席となった座席の座席番号351aと、ステップS346で条件合致が判定されてステップS348で座席が両方揃ったと判定された結合座席予約ファイル353中の情報(優先順位353a、名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353d)とを対応付けた情報である。
【0057】
そして、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、生成した案内情報を個々のハンディターミナル102に配信する処理を実行する(ステップS358)。これにより、配信される案内情報は、LANケーブル108を経由して無線中継器107に送信され、無線中継器107から個々のハンディターミナル102に無線送信される。無線中継器107から無線送信された案内情報は、個々のハンディターミナル102に受信され、ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、受信した案内情報をRAM205のワークエリアにレジストする。
【0058】
更に、座席管理装置105のマイクロコンピュータ301は、座席予約ファイル352又は結合座席予約ファイル353に対して、案内情報として送信した優先順位352aに設定されている情報(名前352b、人数352c及び禁煙喫煙の別352d)又は優先順位353aに設定されている情報(名前353b、人数353c及び禁煙喫煙の別353d)を削除し、その分の優先順位352a又は優先順位353aを繰り上げるデータ繰上げ処理を実行する(ステップS359)。そして、Nをクリアする処理を実行し(ステップS360)、処理を終了する。
【0059】
次いで、第3の処理について図13〜図15を参照して説明する。
【0060】
図13は、ハンディターミナル102で実行される案内情報報知の一例を示す模式図である。図14は、ハンディターミナル102のLCD112に表示される案内情報画面の一例を示す模式図である。図15は、ハンディターミナル102での呼び出し処理及び案内情報の報知処理の流れを示すフローチャートである。ハンディターミナル102での呼び出し処理及び案内情報の報知処理を図15に示すフローチャート、並びに、図13及び図14に示す模式図に基づいて説明する。
【0061】
ハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、案内情報の受信判定に待機している(図15中のステップS211)。そして、案内情報を受信したと判定した場合(ステップS211のY)、呼出音の出力処理を実行し(図15中のステップS212)、案内報知画面261の生成表示処理を実行する(図15中のステップS213)。呼出音の出力処理は、マイクロコンピュータ201にI/O212を介して接続されているブザー118を駆動し、例えば「ピピピピピ」という呼出音を鳴動させる。図13には、ハンディターミナル102において呼出音がなっている状態を模式的に示している。
【0062】
案内報知画面261には、図15中のステップS213で生成された案内情報262が表示される。案内情報262は、図14に示すように、「お客様をご案内してください」というメッセージ表示262aと、「ご案内するお客様」についてのお客様情報262bと、「ご案内する座席」についての座席情報252cとからなる。お客様情報262bには、××番の××様、××名、禁煙喫煙の別が含まれている。座席情報252cには、××番という座席番号(卓番)が含まれている。また、案内情報262中、「お客様をご案内してください」というメッセージ表示262aは、LCD112の覗き窓115に対応する位置に表示される。これにより、図13に示すように、左扉体109と右扉体110とが閉じられた状態でも、誰が呼んでいるのかをハンディターミナル102のユーザである接客係の店員に分からせることができる。
【0063】
案内情報262をユーザである接客係の店員に示すために案内報知画面261をハンディターミナル102のLCD112に表示させたハンディターミナル102のマイクロコンピュータ201は、タイムアウトになったら(ステップS214のY)、LCD112の表示を初期表示に戻し(ステップS215)、処理を終了する。
【0064】
ここで、第3の処理に伴う実際の運用について説明する。ハンディターミナル102のユーザである接客係の店員は、ハンディターミナル102から例えば「ピピピピピ」という呼出音が鳴動すると、ハンディターミナル102に注意を喚起することになる。そこで、多くの場合、ハンディターミナル102を取り出して目視することになるであろう。すると、覗き窓115を通して、「お客様をご案内してください」というLCD112に表示されたメッセージ表示262aを見ることができるので、お客様を案内する必要が生じたことを理解することができる。そこで、右扉体110を開けてLCD112の表示を見ることで、「ご案内するお客様」についてのお客様情報262bと「ご案内する座席」についての座席情報252cとを確認することができる。これにより、接客係の店員は、対応するお客様を対応する座席までに容易に案内することができる。この場合、LCD112の案内報知画面261に表示される案内情報262は、図12中のステップS341〜ステップS357の処理によって常に同一の規則に従い生成された案内情報に基づいて生成された情報であるので、適正な情報であるといえる。したがって、座席待ちの顧客を空いた座席に案内する接客業務の効率化及び適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の一形態として、オーダエントリシステムの全体構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】ハンディターミナルの電気的接続を示すブロック図である。
【図3】座席管理装置の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】座席情報ファイルを例示する模式図である。
【図5】座席予約ファイルを例示する模式図である。
【図6】結合座席予約ファイルを例示する模式図である。
【図7】座席管理装置での座席予約に際しての画面遷移例を示す模式図である。
【図8】座席管理装置での座席予約情報の入力処理を示すフローチャートである。
【図9】ハンディターミナルでの座席状況入力に際しての画面遷移例を示す模式図である。
【図10】ハンディターミナルで実行される座席状況の入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】座席管理装置での座席情報ファイル中の着席/空席の別の設定処理を示すフローチャートである。
【図12】座席管理装置での案内情報の生成処理及び配信処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】ハンディターミナルで実行される案内情報報知の一例を示す模式図である。
【図14】ハンディターミナルの第1の表示部に表示される案内情報画面の一例を示す模式図である。
【図15】ハンディターミナルでの呼び出し処理及び案内情報の報知処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
102 ハンディターミナル、105 座席管理装置、111 タッチパネル(第1の操作部)、112 LCD(第1の表示部)、116 LCD(第2の表示部)、117 タッチパネル(第2の操作部)、201 マイクロコンピュータ(第1の情報処理部)、301 マイクロコンピュータ(第2の情報処理部)、351 座席情報ファイル、352 座席予約ファイル、353 結合座席予約ファイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する第1の情報処理部と、
情報を表示する第1の表示部と、
情報を入力する第1の操作部と、
を備えるハンディターミナルと、
情報処理を実行する第2の情報処理部と、
座席毎に案内可能な顧客の条件及び着席空席状況を管理する座席情報ファイルと、座席待ちの顧客毎に優先順位及び条件を管理する座席予約ファイルとに対するアクセスを前記第2の情報処理部により制御する手段と、
を備える座席管理装置と、
を具備し、
前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部は、前記第1の操作部の操作による個々の座席毎の着席空席状況情報の入力を受け付け、入力された前記着席空席状況情報を前記座席管理装置に向けて無線送信する第1の処理を実行し、
前記座席管理装置の前記第2の情報処理部は、受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記座席予約ファイルから取得し、前記空席となった座席と前記取得した顧客とを対応付けた案内情報を生成して前記ハンディターミナルに送信する第2の処理を実行し、
前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部は、受信した前記案内情報を前記第1の表示部に表示する第3の処理を実行する、
顧客案内システム。
【請求項2】
前記条件は、人数を含む、請求項1記載の顧客案内システム。
【請求項3】
前記条件は、禁煙喫煙の別を含む、請求項1又は2記載の顧客案内システム。
【請求項4】
前記座席管理装置は、
情報を表示する第2の表示部と、
情報を入力する第2の操作部と、
を具備し、
前記座席管理装置の前記第2の情報処理部は、
前記第2の操作部の操作による座席待ちの顧客を特定する顧客特定情報及び前記条件の入力を受け付け、入力された前記顧客特定情報及び条件をその入力順を前記優先順位として前記座席予約ファイルに記憶させる処理と、
前記座席予約ファイルが記憶する情報を前記第2の表示部に表示する処理と、
を実行する、
請求項1記載の顧客案内システム。
【請求項5】
前記条件は、人数を含み、
前記座席情報ファイルは、座席毎に結合可能席を定義し、
前記座席管理装置の前記第2の情報処理部は、
前記第2の操作部の操作によって入力された人数が個々の座席の定員人数を超えた人数である場合、座席待ちの顧客毎に優先順位及び定員を超えた人数を含む条件を管理する結合座席予約ファイルにアクセスし、入力された前記顧客特定情報及び前記定員を超えた人数を含む条件をその入力順を前記優先順位として前記結合座席予約ファイルに記憶させる処理と、
受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席について定義されている前記結合可能席を参照して当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記結合座席予約ファイルから取得し、当該座席について定義されている前記結合座席が空席でない場合には、前記取得した顧客と前記空席となった座席とを対応付ける予約処理と、
受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席について定義されている前記結合可能席を参照して当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記結合座席予約ファイルから取得し、当該座席について定義されている前記結合座席が空席である場合には、前記取得した顧客と前記空席となった座席及び結合座席とを対応付けた案内情報を生成する処理と、
を実行する請求項4記載の顧客案内システム。
【請求項1】
情報処理を実行する第1の情報処理部と、
情報を表示する第1の表示部と、
情報を入力する第1の操作部と、
を備えるハンディターミナルと、
情報処理を実行する第2の情報処理部と、
座席毎に案内可能な顧客の条件及び着席空席状況を管理する座席情報ファイルと、座席待ちの顧客毎に優先順位及び条件を管理する座席予約ファイルとに対するアクセスを前記第2の情報処理部により制御する手段と、
を備える座席管理装置と、
を具備し、
前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部は、前記第1の操作部の操作による個々の座席毎の着席空席状況情報の入力を受け付け、入力された前記着席空席状況情報を前記座席管理装置に向けて無線送信する第1の処理を実行し、
前記座席管理装置の前記第2の情報処理部は、受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記座席予約ファイルから取得し、前記空席となった座席と前記取得した顧客とを対応付けた案内情報を生成して前記ハンディターミナルに送信する第2の処理を実行し、
前記ハンディターミナルの前記第1の情報処理部は、受信した前記案内情報を前記第1の表示部に表示する第3の処理を実行する、
顧客案内システム。
【請求項2】
前記条件は、人数を含む、請求項1記載の顧客案内システム。
【請求項3】
前記条件は、禁煙喫煙の別を含む、請求項1又は2記載の顧客案内システム。
【請求項4】
前記座席管理装置は、
情報を表示する第2の表示部と、
情報を入力する第2の操作部と、
を具備し、
前記座席管理装置の前記第2の情報処理部は、
前記第2の操作部の操作による座席待ちの顧客を特定する顧客特定情報及び前記条件の入力を受け付け、入力された前記顧客特定情報及び条件をその入力順を前記優先順位として前記座席予約ファイルに記憶させる処理と、
前記座席予約ファイルが記憶する情報を前記第2の表示部に表示する処理と、
を実行する、
請求項1記載の顧客案内システム。
【請求項5】
前記条件は、人数を含み、
前記座席情報ファイルは、座席毎に結合可能席を定義し、
前記座席管理装置の前記第2の情報処理部は、
前記第2の操作部の操作によって入力された人数が個々の座席の定員人数を超えた人数である場合、座席待ちの顧客毎に優先順位及び定員を超えた人数を含む条件を管理する結合座席予約ファイルにアクセスし、入力された前記顧客特定情報及び前記定員を超えた人数を含む条件をその入力順を前記優先順位として前記結合座席予約ファイルに記憶させる処理と、
受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席について定義されている前記結合可能席を参照して当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記結合座席予約ファイルから取得し、当該座席について定義されている前記結合座席が空席でない場合には、前記取得した顧客と前記空席となった座席とを対応付ける予約処理と、
受信した前記着席空席状況情報から空席となった座席の発生を認識した場合、当該座席について定義されている前記結合可能席を参照して当該座席に案内可能な顧客の条件を前記座席情報ファイルから取得し、取得した条件に合致する最も優先順位が高い顧客を前記結合座席予約ファイルから取得し、当該座席について定義されている前記結合座席が空席である場合には、前記取得した顧客と前記空席となった座席及び結合座席とを対応付けた案内情報を生成する処理と、
を実行する請求項4記載の顧客案内システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−164654(P2007−164654A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362763(P2005−362763)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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