説明

風呂給湯装置

【課題】給湯熱交換器と風呂追い焚き熱交換器の空焚きが生じた場合に、その検出と即座の燃焼停止とを実行する。
【解決手段】バーナへのガス供給通路に設けられる電磁弁54とその電源1との間に、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47を直列に設け、少なくとも一方のスイッチ46,47からオフ信号が出力されると電磁弁54が閉じる構成とする。電源1に近い側の第一のスイッチ46のアンサー信号と電源1から遠い側の第二のスイッチ47のアンサー信号を、それぞれ個別の信号伝達経路A,Bを介してアンサー信号受信回路5に取り込む。第一のスイッチ46の信号伝達経路AにコンデンサC1と抵抗Rtとにより構成される時定数回路4を設け、第一のスイッチ46からアンサー信号が出力される場合と第二のスイッチ47からアンサー信号が出力される場合とをアンサー信号受信回路5が区別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの燃焼を行う風呂メインバーナおよび給湯メインバーナと、これらのバーナによって加熱される熱交換器とを備えた風呂給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱交換器の空焚き防止用として、例えば図7に示すように、バーナ74によって加熱される熱交換器78に、該熱交換器78の空焚きを検出するハイリミットスイッチ71と温度ヒューズ72を設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1、参照。)。同図において、バーナ74にガスを供給する管路73には、電磁弁76,79が設けられており、熱交換器78の空焚きが生じたときには、ハイリミットスイッチ71と温度ヒューズ72のオフ信号を中央処理装置75により受信し、中央処理装置75が弁駆動装置77を駆動させて、電磁弁76,79を閉じるようにすることで、熱交換器78の空焚きが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平4−51733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図7に示したような装置は、ハイリミットスイッチ71が熱交換器78の空焚きを検出したときに、そのオフ信号を中央処理装置により受信し、中央処理装置75が弁駆動装置77を駆動させて電磁弁76,79を閉じるようにする構成であるため、中央処理装置75に支障が生じた場合には、ハイリミットスイッチ71により熱交換器78の空焚きを検出しても、電磁弁76,79が閉じずに、熱交換器78の空焚きが継続してしまうことになるといった問題があった。
【0005】
また、風呂給湯装置においては、風呂メインバーナによって加熱される熱交換器と、給湯メインバーナによって加熱される熱交換器とが設けられているが、その場合、各々の熱交換器にハイリミットスイッチを設けた場合、どちらのハイリミットスイッチからオフ信号が出力されたのかを個別に検出できないと、その出力回数に応じて風呂メインバーナの燃焼を強制的に行えないようにするといった対策を施すことができず、風呂側の熱交換器の寿命を短くしてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、熱交換器の空焚きが生じた場合に、即座に燃焼を停止することができ、かつ、給湯熱交換器と風呂追い焚き熱交換器の空焚きの回数を個別に検出して対処できる風呂給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給湯メインバーナと、該給湯メインバーナによって加熱される給湯熱交換器と、風呂メインバーナと、該風呂メインバーナによって加熱される風呂追い焚き熱交換器と、前記給湯メインバーナと前記風呂メインバーナに燃料ガスを供給するガス供給通路と、該ガス供給通路に設けられる電磁弁と、前記給湯熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する給湯空焚き防止スイッチと、前記風呂追い焚き熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する風呂空焚き防止スイッチとを有し、該電磁弁と該電磁弁に電流を流す電源とを接続する通電回路が設けられ、該通電回路の前記電源と前記電磁弁との間には、前記給湯空焚き防止スイッチと、前記風呂空焚き防止スイッチとが直列に設けられて、該風呂空焚き防止スイッチと前記給湯空焚き防止スイッチの少なくとも一方からオフ信号が出力されると前記電磁弁が閉じる構成と成し、前記給湯空焚き防止スイッチと前記風呂空焚き防止スイッチのうち前記電源に近い側に設けられている第一のスイッチのアンサー信号と前記電源から遠い側に設けられている第二のスイッチのアンサー信号をそれぞれ個別の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路を有し、該アンサー信号受信回路に前記第一のスイッチのアンサー信号を伝える信号伝達経路にはコンデンサと抵抗とにより構成される時定数回路が設けられて前記第一のスイッチからオフ信号が出力される場合と前記第二のスイッチからオフ信号が出力される場合とを前記アンサー信号受信回路が区別する構成と成して構成をもって課題を解決する手段としている。
【0008】
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、前記通電回路は、アンサー信号受信回路に第一のスイッチのアンサー信号を伝える信号伝達経路に時定数回路が設けられる代わりに抵抗が設けられて形成され、前記アンサー信号受信回路は少なくとも前記第一のスイッチからオフ信号が出力される場合と第二のスイッチからのみオフ信号が出力される場合とを区別する構成と成していることを特徴とする。
【0009】
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記通電回路には、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路が直列に設けられていることを特徴とする。
【0010】
さらに、第4の発明は、前記第3の発明の構成に加え、前記通電回路における、給湯空焚き防止スイッチと、風呂空焚き防止スイッチと、直列ヒューズ回路のうち、前記風呂空焚き防止スイッチが最も電源に近い側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
さらに、第5の発明は、前記第3または第4の発明の構成に加え、直列ヒューズ回路は、通電回路の第二のスイッチと電磁弁との間に設けられ、また、前記第二のスイッチと前記電磁弁との間には、トランジスタと、抵抗とが介設され、前記直列ヒューズ回路の温度ヒューズの断線信号をアンサー信号受信回路に伝える信号伝達経路が設けられて、該信号伝達経路により、前記温度ヒューズが断線していないときには電源電圧を前記抵抗と前記電磁弁が内蔵する抵抗とで分圧した電圧が伝えられ、前記温度ヒューズが断線したときには電源電圧が伝えられる構成としたことを特徴とする。
【0012】
さらに、第6の発明は、給湯メインバーナと、該給湯メインバーナによって加熱される給湯熱交換器と、風呂メインバーナと、該風呂メインバーナによって加熱される風呂追い焚き熱交換器と、前記給湯メインバーナと前記風呂メインバーナに燃料ガスを供給するガス供給通路と、該ガス供給通路に設けられる電磁弁と、前記給湯熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する給湯空焚き防止スイッチと、前記風呂追い焚き熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する風呂空焚き防止スイッチとを有し、前記電磁弁と該電磁弁に電流を流す電源とを接続する通電回路が形成されて、該通電回路の前記電源と前記電磁弁との間には、前記給湯空焚き防止スイッチと前記風呂空焚き防止スイッチのいずれかの一方側のスイッチが直列に設けられて、該スイッチからオフ信号が出力されると前記電磁弁が閉じる構成と成し、また、前記一方側のスイッチのアンサー信号を第一の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路が設けられており、さらに、前記給湯空焚き防止スイッチと前記風呂空焚き防止スイッチのうち他方側のスイッチのアンサー信号を第二の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0013】
さらに、第7の発明は、前記第6の発明の構成に加え、前記通電回路には、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路が直列に設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0014】
さらに、第8の発明は、前記第6の発明の構成に加え、前記通電回路の電源と電磁弁との間に設けられているスイッチは風呂空焚きスイッチであり、該風呂空焚きスイッチと、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路とが直列に設けられており、該直列ヒューズ回路よりも前記風呂空焚きスイッチが前記電源に近い側に設けられていることを特徴とする。
【0015】
さらに、第9の発明は、前記第1乃至第8のいずれか一つの発明の構成に加え、前記風呂空焚き防止スイッチからのオフ信号が予め定められている設定回数以上出力されたときには、風呂メインバーナの燃焼を強制的に行えないようにする燃焼強制禁止手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
さらに、第10の発明は、前記第1乃至第8のいずれか一つの発明の構成に加え、前記給湯メインバーナと風呂メインバーナへの口火点火用のパイロットバーナを有し、風呂空焚き防止スイッチからのオフ信号が予め定められている設定回数以上出力されたときには、風呂メインバーナと給湯メインバーナとパイロットバーナの全ての燃焼を強制的に行えないようにする燃焼強制禁止手段が設けられていることを特徴とする。
【0017】
さらに、第11の発明は、前記第10の発明の構成に加え、前記風呂空焚き防止スイッチがオフ信号を設定回数以上出力した後にオン信号を出力したときには、給湯メインバーナの燃焼を可能とすることを特徴とする。
【0018】
さらに、第12の発明は前記第9または第10または第11の発明の構成に加え、燃焼強制禁止手段によってバーナの燃焼が強制的に行えないようにするときに、風呂空焚き防止のための燃焼強制禁止であることを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明において、バーナにガスを供給するガス供給通路に設けられた電磁弁と該電磁弁に電流を流す電源とを接続する通電回路の、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する給湯空焚き防止スイッチと、風呂追い焚き熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する風呂空焚き防止スイッチとを直列に設けて、風呂空焚き防止スイッチと給湯空焚き防止スイッチの少なくとも一方からオフ信号が出力されたときには前記電磁弁が閉じる構成と成すことにより、給湯熱交換器と風呂追い焚き熱交換器のいずれの空焚きが生じた場合でも、即座に電磁弁を閉じてバーナ燃焼を停止することができ、風呂給湯装置の安全性を非常に高くすることができる。
【0020】
また、この給湯空焚き防止スイッチと風呂空焚き防止スイッチとを直列に通電回路に設ける構成においては、前記給湯空焚き防止スイッチと前記風呂空焚き防止スイッチのうち前記電源に近い側に設けられている第一のスイッチのアンサー信号と、前記電源から遠い側に設けられている第二のスイッチのアンサー信号を、それぞれ個別の信号伝達経路を介してアンサー信号受信回路により取り込むが、前記第一のスイッチのアンサー信号を伝える信号伝達経路に、コンデンサと抵抗とにより構成される時定数回路を設けることにより、前記第一のスイッチからオフ信号が出力される場合と前記第二のスイッチからオフ信号が出力される場合とを前記アンサー信号受信回路が区別することができる。そのため、給湯熱交換器と風呂追い焚き熱交換器の空焚きの回数およびそのオフ信号の出力タイミングを個別に検出して対処できる。
【0021】
また、第一のスイッチのアンサー信号を伝える信号伝達経路に、時定数回路を設ける代わりに抵抗を設け、アンサー信号受信回路が、少なくとも前記第一のスイッチからオフ信号が出力される場合と第二のスイッチからのみオフ信号が出力される場合とを区別することにより、給湯熱交換器と風呂追い焚き熱交換器のうち、第二のスイッチが設けられている側の熱交換器のみの空焚きか、第一のスイッチが設けられている側の熱交換器または両方の熱交換器の空焚きかを区別して、その回数を検出し、対処できる。
【0022】
さらに、通電回路において、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路を直列に設けることにより、給湯熱交換器や風呂追い焚き熱交換器の温度が高温になりすぎると直列ヒューズ回路が開いて(断線して)電源から電磁弁への通電が遮断され、電磁弁が閉じるので、より安全性を高めることができる。そして、給湯空焚き防止スイッチと、風呂空焚き防止スイッチと、直列ヒューズ回路のうち、前記風呂空焚き防止スイッチを最も電源に近い側に設けることにより、風呂空焚き防止スイッチの作動回数(オフ信号出力回数)をアンサー信号受信回路により検出し、把握することができる。
【0023】
さらに、第二のスイッチと電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路と、トランジスタと抵抗とを介設し、温度ヒューズの断線信号をアンサー信号受信回路に伝える信号伝達経路を設けることにより、温度ヒューズの断線も、第一、第二のスイッチからのオフ信号の出力検出とは別に検出することができる。
【0024】
さらに、本発明において、バーナにガスを供給するガス供給通路に設けられた電磁弁と該電磁弁に電流を流す電源とを接続する通電回路の、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する給湯空焚き防止スイッチと、風呂追い焚き熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する風呂空焚き防止スイッチの、いずれか一方のスイッチを設けることにより、該スイッチが設けられている熱交換器が空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号が出力されて即座に電磁弁が閉じられ、バーナ燃焼を停止することができ、前記熱交換器の空焚きを防止できる。
【0025】
また、給湯空焚き防止スイッチと風呂空焚き防止スイッチの一方側のスイッチのアンサー信号を第一の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路と、他方側のスイッチのアンサー信号を第二の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路を設けることにより、給湯熱交換器と風呂追い焚き熱交換器の空焚きの回数を個別に検出して対処することができる。なお、前記一方側のスイッチのアンサー信号を受信するアンサー信号受信回路と他方側のスイッチと異なるスイッチのアンサー信号を受信するアンサー信号受信回路とは、アンサー信号を個別に検出できれば、同じ回路としてもよいし、別々の回路としてもよい。
【0026】
さらに、通電回路に給湯空焚き防止スイッチと風呂空焚き防止スイッチの一方側のスイッチを設ける構成においても、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路を直列に設けることにより、給湯熱交換器や風呂追い焚き熱交換器の温度が高温になりすぎると直列ヒューズ回路が開いて電源から電磁弁への通電が遮断され、電磁弁が閉じるので、より安全性を高めることができる。そして、通電回路に風呂空焚き防止スイッチを設けて、風呂空焚き防止スイッチを直列ヒューズ回路よりも電源に近い側に設けることにより、風呂空焚き防止スイッチの作動回数(オフ信号出力回数)をアンサー信号受信回路により検出し、把握することができる。
【0027】
さらに、前記風呂空焚き防止スイッチからのオフ信号が予め定められている設定回数以上出力されたときに、燃焼強制禁止手段によって、風呂メインバーナの燃焼を強制的に行えないようにしたり、風呂メインバーナと給湯メインバーナとパイロットバーナの全ての燃焼を強制的に行えないようにしたりすることにより、利用者に、風呂追い焚き熱交換器の空焚きを行わないように注意するきっかけを与えることができる。つまり、前記のようにバーナの燃焼が行えなければ、利用者は、その原因を調べることになり、空焚きが多いことを把握して注意するように促すことができ、風呂追い焚き熱交換器の空焚きを繰り返すことにより熱交換器が破損することを防ぐことができる。
【0028】
また、全てのバーナの燃焼を強制的に行えないようにする構成において、風呂空焚き防止スイッチがオフ信号を設定回数以上出力した後にオン信号を出力したときには、給湯メインバーナの燃焼を可能とすることにより、風呂追い焚き熱交換器の空焚きを繰り返すことにより熱交換器が破損することを防ぐことができることに加え、使い勝手を良好にできる。
【0029】
さらに、燃焼強制禁止手段によってバーナの燃焼が強制的に行えないようにするときに、風呂空焚き防止のための燃焼強制禁止であることを報知することにより、利用者に、風呂の空焚きが多かったことを知らせ、風呂の空焚きを行わないように注意するよう、促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る風呂給湯装置の一実施例に設けられている通電回路の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示した通電回路により検出されるアンサー信号の例を示すグラフである。
【図3】風呂給湯装置のシステム構成例を模式的に示す説明図である。
【図4】実施例に適用される通電回路の別の例を示す図である。
【図5】図4に示した通電回路により検出されるアンサー信号の例を示すグラフである。
【図6】その他の実施例の風呂給湯装置に設けられている通電回路の構成例を模式的に示す図である。
【図7】従来提案されている空焚き防止構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
【実施例】
【0032】
本実施例の風呂給湯装置は、図3に示すシステム構成を有しており、また、図1に示す特徴的な制御構成を有している。以下、図3に基づき、本実施例の風呂給湯装置のシステム構成について説明する。この装置は、例えば浴室に配置されるバランス風呂釜と呼ばれている装置である。同図において、風呂の追い焚き用の風呂メインバーナ39の上部側には、風呂メインバーナ39によって加熱される風呂追い焚き熱交換器40が設けられており、風呂追い焚き熱交換器40には、風呂ハイリミットスイッチ46が設けられている。また、給湯メインバーナ10の上部側には、給湯メインバーナ10により加熱される給湯熱交換器7が設けられており、給湯熱交換器7の出側には給湯ハイリミットスイッチ47が設けられている。給湯熱交換器7と風呂追い焚き熱交換器40の上部側には、給湯メインバーナ10および風呂メインバーナ39の燃焼ガスの排気口17が設けられている。
【0033】
給湯熱交換器7には、該給湯熱交換器7に水を導入する給水導入通路19と、給湯熱交換器7を通って加熱された水を給湯先に導く給湯通路11とが接続されている。給湯通路11の先端側には、給湯栓9が設けられており、この例では、給湯栓9が切り替えレバー方式の栓で形成されている。この種の給湯栓9は、レバーの切り替えによって、給湯通路11を通った湯を、カラン側の出湯管30側とシャワー側通路31のいずれかから選択的に出湯させるものであり、同図では、出湯管30側から出湯されるように選択した状態が示されている。また、符号57は逆止弁、58は熱湯遮断弁をそれぞれ示す。
【0034】
前記給水導入通路19には、水量調節機構21が接続されており、水量調節機構21には、水ガバナー15、ダイヤフラムケース13、水量調節室20が設けられている。ダイヤフラムケース13には、ダイヤフラム14が設けられており、このダイヤフラム14によって、ダイヤフラムケース13内が、一次室13aと二次室13bとに区分けされている。水量調節室20には温度調節子23が設けられており、温度調節子23は、温度調節つまみ22に接続されている。
【0035】
また、水量調節機構21には、水量調節機構21に水を供給する給水通路8と、水量調節機構21から水を導出する通路16と、排水通路24とが接続されている。給水通路8にはフィルタ25が介設され、排水通路24には水抜き栓26が設けられている。
【0036】
前記給湯メインバーナ10には、ガス通路32が接続されており、該ガス通路32は、水圧自動ガス弁33と、器具栓34とを介し、ガス導入通路35に接続されている。水自動ガス弁33は、前記ダイヤフラム14に連結して設けられている。器具栓34は、シャフト50を介して器具栓つまみ48に接続されており、器具栓34の下部側にはガスの電磁弁54が設けられている。ガス導入通路35は、燃料ガスを燃焼装置に外部から導入するものであり、ガス導入通路35から導入される燃料ガスが、器具栓34を介してガス通路32を通り、給湯メインバーナ10に供給される。また、器具栓34には、ガス通路36,37が接続されており、ガス導入通路35から器具栓34まで導入された燃料ガスが、ガス通路36を通して口火用のパイロッバーナ38に導入され、ガス通路37を通して風呂メインバーナ39に供給される構成と成している。
【0037】
パイロットバーナ38の炎口の近傍には、パイロットバーナ38の炎を検出するためのフレームロッド電極12(12a)が設けられている。また、図3に示すように、給湯メインバーナ10の炎口の近傍に、給湯メインバーナ10の炎を検出するための給湯側フレームロッド電極12(12b)を設ける構成が提案されている。なお、この提案は、未だ公開になっていない。
【0038】
前記シャフト50には器具栓スイッチ52(52a,52b,52c)が介設されており、器具栓スイッチ52は、マイクロスイッチにより構成されている。器具栓つまみ48は回動自在と成しており、器具栓つまみ48を「止」の位置から下に押し下げて「口火」の位置に回す。器具栓つまみ48と共にシャフト50が下がって器具栓スイッチ52aがオンとなり、また、電磁弁54が開き、口火点火(パイロットバーナ38への点火)可能状態となる。つまり、燃料ガスがガス導入通路35を通って器具栓34の入口まで流入する。そして、燃料ガスは器具栓34を通り、パイロットバーナ38に流れるので、その状態で、燃焼制御部(図示せず)の制御によって、点火装置60の点火プラグ59によりパイロットバーナ38への点火が行われる。また、器具栓つまみ48を放し(押し下げる力を取り除き)、「口火」の位置から「止」の位置に戻すと、器具栓スイッチ52aがオフとなり、消火状態となる。
【0039】
また、器具栓つまみ48を「給湯」や「おいだき」の位置に回すと、器具栓スイッチ52b,52cが器具栓つまみ48の「給湯」「おいだき」の位置を検出し、例えば表1に示すように、オンオフ動作を行うことにより、パイロットバーナ38、給湯メインバーナ10、風呂メインバーナ39の燃焼が行われる構成と成している。つまり、器具栓スイッチ52b、52cが共にオンの状態で、給湯メインバーナ10の燃焼が行われ、器具栓スイッチ52cがオフ、器具栓スイッチ52bがオンの状態で風呂メインバーナ39の燃焼が行われる。
【0040】
【表1】

【0041】
なお、図3の図中、符号51は水自弁スイッチ、49は能力切り替えつまみ、符号45は過熱防止装置をそれぞれ示す。
【0042】
この風呂給湯装置において、給水栓(図示せず)を開くと、水は、給水通路8を通って水ガバナー15を通り、ダイヤフラムケース13の一次室13aへと流れ、水量調節子23により分岐して、その一方は、通路16を通り、給湯通路11側に導かれる。他方は、給水導入通路19、給湯熱交換器7を通って給湯通路11側に導かれ、給湯通路11から出湯管30(またはシャワー側通路31)へ流れて出水される。
【0043】
さらに、器具栓つまみ48を「給湯」の位置に合わせることにより、燃料ガスは、水圧自動ガス弁33の配設位置まで流れる。そして、この状態で給湯栓9を開き、給水通路8を通して水が流れ始めると、この水がダイヤフラムケース13の一次室13aから通路16を通り、大気開放により得られる低圧力が通路16によりダイヤフラム二次室13bに伝えられ、一次室13a(高圧)との差圧がダイヤフラム14の面積により荷重として働き、ダイヤフラム14が二次室13b側へと移動する。
【0044】
この結果、ダイヤフラム14と連結された水圧自動ガス弁33が開き、燃料ガスがガス通路32を通って給湯メインバーナ10に供給され、パイロットバーナ38の口火から給湯メインバーナ10に着火する。つまり、給湯メインバーナ10は、前記給湯栓9が開かれることにより流れる(燃焼装置に導入される)水の量が予め定められた設定作動流量以上となったときに燃焼を開始する。そして、この給湯メインバーナ10の燃焼によって、給湯熱交換器7を通る水が加熱され、出湯管30(またはシャワー側通路31)から出湯される。
【0045】
また、図3には示されていないが、風呂追い焚き熱交換器40は風呂循環通路を介して浴槽に接続されており、その接続部(上部循環口)よりも例えば10cm以上高い位置まで湯または水を入れた状態で、器具栓つまみ48を「おいだき」の位置に合わせることにより、燃料ガスが通路36を通って風呂メインバーナ39に供給され、パイロットバーナ38の口火から風呂メインバーナ39に着火し、風呂追い焚き熱交換器40を循環して浴槽内の湯水の加熱が行われる。
【0046】
次に、図1に示す本実施例の特徴的な制御構成について説明する。本実施例は、同図に示すように、ガスの電磁弁54と該電磁弁54に電流を流す電源1とを接続する通電回路3を有しており、この通電回路3の電源1と電磁弁54との間に、電源1側から順に、トランジスタQ1、風呂ハイリミットスイッチ46、給湯ハイリミットスイッチ47、トランジスタQ2、直列ヒューズ回路63を直列に接続して形成されている。
【0047】
トランジスタQ1のベース側が抵抗R1を介してマイクロコンピュータ2に接続され、トランジスタQ2のベース側が抵抗R2を介してマイクロコンピュータ2に接続されている。また、トランジスタQ2のエミッタ側に給湯ハイリミットスイッチ47が接続され、トランジスタQ2のコレクタ側に抵抗Rdを介して直列ヒューズ回路63が接続されている。この直列ヒューズ回路63は、給湯熱交換器7の温度ヒューズ61と風呂追い焚き熱交換器40の温度ヒューズ62との直列回路から成る。なお、図中、R4、R5、R6はそれぞれ抵抗を示している。
【0048】
風呂ハイリミットスイッチ46は、風呂追い焚き熱交換器40の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する風呂空焚き防止スイッチとして機能し、給湯ハイリミットスイッチ47は、給湯熱交換器7の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する給湯空焚き防止スイッチとして機能するものである。風呂ハイリミットスイッチ46は、風呂追い焚き熱交換器40の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度以下のとき(正常時)は、オン信号をアンサー信号として出力し、風呂追い焚き熱交換器40の温度が前記空焚き検出用設定温度を超えたときには、オフ信号をアンサー信号として出力する。給湯ハイリミットスイッチ47は、給湯熱交換器7の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度以下のとき(正常時)は、オン信号をアンサー信号として出力し、給湯熱交換器7の温度が前記空焚き検出用設定温度を超えたときには、オフ信号をアンサー信号として出力する。
【0049】
本実施例では、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47とが直列に設けられており、給湯ハイリミットスイッチ47と風呂ハイリミットスイッチ46の少なくとも一方からオフ信号が出力されると電磁弁54が閉じる構成と成している。したがって、風呂追い焚き熱交換器40と給湯熱交換器7のいずれかの空焚きが行われた場合には、即座に電磁弁54への通電が遮断されて電磁弁54が閉じ、パイロットバーナ38と風呂メインバーナ40と給湯メインバーナ10のバーナ燃焼が停止される。
【0050】
また、本実施例では、マイクロコンピュータ2に、アンサー信号受信回路5と燃焼強制禁止手段6を設けている。アンサー信号受信回路5は、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47のうち電源1に近い側に設けられている第一のスイッチ(ここでは風呂ハイリミットスイッチ46)のアンサー信号と、電源1から遠い側に設けられている第二のスイッチ(ここでは給湯ハイリミットスイッチ47)のアンサー信号を、それぞれ個別の信号伝達経路A,Bを介して取り込む。
【0051】
信号伝達経路Aは、第一のスイッチ(風呂ハイリミットスイッチ46)のアンサー信号をアンサー信号受信回路5に伝える経路であり、この信号伝達経路Aには、コンデンサC1と抵抗Rtとにより構成される時定数回路4が設けられている。信号伝達経路Bは、第二のスイッチ(給湯ハイリミットスイッチ47)のアンサー信号をアンサー信号受信回路5に伝える経路であり、この信号伝達経路Bには、抵抗Rb1、Rb2が設けられている。本実施例では、このような信号伝達経路A、Bを設けて、第一のスイッチ(風呂ハイリミットスイッチ46)からアンサー信号が出力される場合と第二のスイッチ(給湯ハイリミットスイッチ47)からアンサー信号が出力される場合とを、アンサー信号受信回路5が区別する構成と成している。
【0052】
つまり、風呂追い焚き熱交換器40と給湯熱交換器7が共に空焚きされておらず、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47の両方が正常な場合は、共にオン信号が出力され、図2(a)に示すように、信号伝達経路Aを通ってアンサー受信回路2に加えられるアンサー信号aAと信号伝達経路Bを通ってアンサー受信回路2に加えられるアンサー信号aBは、いずれもハイレベル(H)となるが、風呂追い焚き熱交換器40と給湯熱交換器7の少なくとも一方が空焚きされた場合には、図2(b)〜(d)に示すように、アンサー信号aA,aBに違いが生じる。
【0053】
例えば、風呂追い焚き熱交換器40の空焚きが行われて、風呂ハイリミットスイッチ46(第一のスイッチ)のみがオフ信号を出力した(断線した)場合には、図2(b)に示すように、アンサー信号aAとアンサー信号aBの信号レベルが、風呂ハイリミットスイッチ46のオフ信号出力タイミングToから、共に時定数を持って、それぞれ傾きθ1、θ2で徐々に低下してローレベル(L)まで達する。なお、アンサー信号aA、aBの低下傾きθ1、θ2の大きさは、コンデンサC1、抵抗Rt、Rb1、Rb2の大きさに起因する。また、給湯熱交換器7の空焚きが行われて、給湯ハイリミットスイッチ47(第二のスイッチ)のみがオフ信号を出力した(断線した)場合には、図2(c)に示すように、アンサー信号aAの信号レベルはハイレベルのままとなり、アンサー信号aBの信号レベルは、給湯ハイリミットスイッチ47のオフ信号出力タイミングToで瞬時にローレベル(L)に下がる。
【0054】
さらに、風呂追い焚き熱交換器40と給湯熱交換器7の空焚きが行われて、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47の両方がオフ信号を出力した(断線した)場合には、図2(d)に示すように、アンサー信号aAの信号レベルは風呂ハイリミットスイッチ46のオフ信号出力タイミングToから時定数を持って、傾きθ4で徐々に低下してローレベル(L)まで達し、アンサー信号aBの信号レベルは、給湯ハイリミットスイッチ47のオフ信号出力タイミングToで瞬時にローレベル(L)に下がる。なお、図2(b)のアンサー信号aAの信号レベルの低下具合と図2(d)のアンサー信号aAの信号レベルの低下具合が異なる(θ1とθ4とが異なる)のは、コンデンサC1に蓄えられた電気がマイクロコンピュータ2側と抵抗Rtを経て放電するか、マイクロコンピュータ2側のみの放電かによって決まる。
【0055】
アンサー信号受信回路5は、これらのアンサー信号aA、aBのレベルによって、どちらのハイリミットスイッチ46,47からオフ信号が出力されたかということと、例えば風呂ハイリミットスイッチ46がオフした後、遅れてt秒後に給湯ハイリミットスイッチ47もオフしたようなタイミングさえも知ることができる。なお、風呂ハイリミットスイッチ46がオフした後、遅れてt秒後に給湯ハイリミットスイッチ47もオフした場合、図2(e)に示すように、アンサー信号aAは、傾きθ1でt秒後まで低下した後、t秒後以降は、図2(d)に示した傾きθ4で低下してローレベル(L)まで達する。アンサー信号aBは、傾きθ2でt秒後まで低下した後、t秒後に瞬時にローレベル(L)まで達する。そして、アンサー信号受信回路5は、前記アンサー信号aA、aBのレベルの違いによって検出した風呂ハイリミットスイッチ46のオフ信号検出回数を、燃焼強制禁止手段6に加える。
【0056】
なお、このようなスイッチオフのタイミング等を問題とせず、風呂ハイリミットスイッチ46がオフした後の給湯ハイリミットスイッチ47のオン・オフを問題としない場合、すなわち、風呂ハイリミットスイッチ46がオフした場合は、給湯を使用できないようにしてしまうような場合、つまり、せめて給湯だけでも使用したいという要望がない場合は、図4に示すように、前記コンデンサC1を省略した通電回路3を適用でき、この場合のアンサー信号は、図5に示すようになる。なお、図5(a)は、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47の両方が正常な場合を示し、図5(b)は風呂ハイリミットスイッチ46(第一のスイッチ)のみがオフ信号を出力した(断線した)場合を示し、図5(c)は、給湯ハイリミットスイッチ47(第二のスイッチ)のみがオフ信号を出力した(断線した)場合を示し、図5(d)は、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47の両方がオフ信号を出力した(断線した)場合を示す。
【0057】
また、図1に示すように、通電回路3の第二のスイッチ(給湯ハイリミットスイッチ47)と電磁弁54との間には、第二のスイッチから電磁弁54に向かって順に、トランジスタQ2と抵抗Rdと直列ヒューズ回路63が介設されおり、抵抗Rdと直列ヒューズ回路63との接続部に信号伝達経路Cが設けられている。なお、トランジスタQ2と抵抗Rdと直列ヒューズ回路63の配設順は限定されるものではなく、適宜設定されるものであり、第二のスイッチ(給湯ハイリミットスイッチ47)と電磁弁54との間に配設されていればよく、その配設態様に応じて、信号伝達経路Cも形成される。信号伝達経路Cは、電圧値をアナログでアンサー信号受信回路5に伝える経路と成しており、図2(a)〜(e)のアンサー信号aCに示すように、トランジスタQ2のオン信号とオフ信号をアンサー受信回路2に伝えると共に、温度ヒューズ61,62の断線信号をアンサー信号受信回路5に伝える役割を果たす。
【0058】
つまり、温度ヒューズ61,62が断線していないときには、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47がオン信号を出力しているときに、信号伝達経路Cを通って、電源電圧(3V)を抵抗Rdと電磁弁54が内蔵する抵抗(電磁弁54のコイル抵抗)とで分圧した電圧(例えば2.7V)がアンサー信号受信回路5に伝えられ、温度ヒューズ61,62が断線したときには電源電圧がアンサー信号受信回路5に伝えられる構成と成している。この電圧の違いによって、アンサー信号受信回路5が温度ヒューズ61,62の断線の有無を把握できるように構成されている。なお、図2(b)に示すように、風呂ハイリミットスイッチ46のみがオフ信号を出力すると、それに伴ってアンサー信号aCも時定数を持って(傾きθ3で)低下し、図2(c)、(d)に示すように、給湯ハイリミットスイッチ47がオフ信号を出力すると、それに伴い、アンサー信号aCも瞬時に低下する。また、風呂ハイリミットスイッチ46がオフした後、遅れてt秒後に給湯ハイリミットスイッチ47もオフした場合には、図2(e)に示すように、アンサー信号aCは、傾きθ3でt秒後まで低下した後、t秒後に瞬時にローレベル(L)まで達する。
【0059】
燃焼強制禁止手段6は、風呂ハイリミットスイッチ46からのオフ信号が予め定められている設定回数(例えば5回)以上出力されたときには、器具栓スイッチ52cがオフ、器具栓スイッチ52bがオンの状態となったときに(器具栓つまみ48が「おいだき」の位置のときに)電磁弁54を閉じて、風呂メインバーナ39の燃焼を強制的に行えないようにする。また、この燃焼強制停止時には、燃焼強制停止信号を報知手段70に加える。
【0060】
報知手段70は、燃焼強制禁止手段6によってバーナの燃焼が強制的に行えないようにするときに、風呂空焚き防止のための燃焼強制禁止であることを、例えば、図3に示す操作基板71の赤のLED72の点滅などによって報知する。なお、この報知の仕方は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0061】
なお、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47は、自動復帰タイプと手動復帰タイプのものがあるが、本実施例に適用されている風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47はいずれも自動復帰タイプのスイッチである。つまり、風呂ハイリミットスイッチ46は、風呂追い焚き用熱交換器40の温度が空焚き温度以下に低下すると自動的に復帰してオン信号を出力し、給湯ハイリミットスイッチ47は、給湯熱交換器7の温度が空焚き温度以下に低下すると自動的に復帰してオン信号を出力する。
【0062】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、前記実施例では、通電回路3において、風呂ハイリミットスイッチ46を電源1に近い側に設けて第一のスイッチとし、給湯ハイリミットスイッチ47を電源1から遠い側に設けて第二のスイッチとしたが、その逆に、給湯ハイリミットスイッチ47を電源1に近い側に設けて第一のスイッチとし、風呂ハイリミットスイッチ46を電源1から遠い側に設けて第二のスイッチとしてもよい。
【0063】
また、通電回路3において、抵抗Rdは省略することもできる。ただし、抵抗Rdを設けることにより、温度ヒューズ61,62の断線を風呂配リミットスイッチ4や給湯ハイリミットスイッチ47のオフ信号出力とは別に検出することができるので、抵抗Rdを設けることが好ましい。
【0064】
さらに、例えば図6に示すように、電源1(1a)から給湯ハイリミットスイッチ47を介して電磁弁54に電流を流す通電回路3(3a)と、電源1(1b)から風呂ハイリミットスイッチ46に電流を流す通電回路3(3b)とを別々に形成し、それぞれをマイクロコンピュータ2に接続する構成を風呂給湯装置に設けてもよい。なお、図6において、図1と同様の構成要素には同一符号を付している。
【0065】
この例において、通電回路3aは、電源1aと電磁弁54との間に、電源1a側から順に、トランジスタQ1、給湯ハイリミットスイッチ47、トランジスタQ2、直列ヒューズ回路63を直列に接続して形成されており、トランジスタQ1のベース側が抵抗R1を介してマイクロコンピュータ2に接続され、トランジスタQ2のベース側が抵抗R2を介してマイクロコンピュータ2に接続されている。また、トランジスタQ2のエミッタ側に給湯ハイリミットスイッチ47が接続され、トランジスタQ2のコレクタ側に、前記実施例と同様に、直列ヒューズ回路63が接続されている。
【0066】
給湯ハイリミットスイッチ47は、前記給湯熱交換器7の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度以下のとき(正常時)は、オン信号をアンサー信号として出力し、給湯熱交換器7の温度が前記空焚き検出用設定温度を超えたときには、オフ信号をアンサー信号として出力する。通電回路3aにおいて、給湯ハイリミットスイッチ47のオフ信号が出力されると、電磁弁54への通電が遮断され、電磁弁54が閉じ、給湯メインバーナ10の燃焼が停止する構成と成している。また、前記アンサー信号は、信号伝達経路E(第一の信号伝達経路)を通ってマイクロコンピュータ2のアンサー信号受信回路5(5a)に伝えられる。トランジスタQ2のオン信号とオフ信号は、アンサー信号として、抵抗R3が介設された信号伝達経路Fを通ってマイクロコンピュータ2に伝えられる。
【0067】
一方、通電回路3bは、電源1bに、抵抗R8と風呂ハイリミットスイッチ46とを直列に接続しており、その接続部に、抵抗R7が介設された信号伝達経路G(第二の信号伝達経路)を接続している。風呂ハイリミットスイッチ46は、前記風呂追い焚き熱交換器40の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度以下のとき(正常時)は、オン信号をアンサー信号として出力し、風呂追い焚き熱交換器40の温度が前記空焚き検出用設定温度を超えたときには、オフ信号をアンサー信号として出力する。これらのアンサー信号は、信号伝達経路Gを通ってマイクロコンピュータ2のアンサー信号受信回路5(5b)に伝えられる。マイクロコンピュータ2は、風呂ハイリミットスイッチ46のオフ信号が伝えられたときには、トランジスタQ1,Q2をオフし、電磁弁54への通電を遮断して電磁弁54を閉じ、風呂メインバーナ39の燃焼を停止する。
【0068】
マイクロコンピュータ2のアンサー信号受信回路5(5a,5b)は、給湯ハイリミットスイッチ47と風呂ハイリミットスイッチ46のオフ信号の出力回数をそれぞれ検出し、風呂ハイリミットスイッチ46のオフ信号の出力回数が設定回数を超えたときには、例えば前記実施例と同様に、燃焼強制禁止手段6に信号を加え、風呂メインバーナ39の燃焼を強制的に行えないようにするといった安全動作を行うようにすればよい。
【0069】
なお、図6に示す構成の、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47を入れ替えた構成を風呂給湯装置に適用することもできる。この場合、風呂ハイリミットスイッチ46がオフ信号を出力すると、電磁弁54への通電が遮断され、電磁弁54が閉じ、風呂メインバーナ39の燃焼が停止することになる。また、マイクロコンピュータ2は、給湯ハイリミットスイッチ47のオフ信号が伝えられたときに、トランジスタQ1,Q2をオフし、電磁弁54への通電を遮断して電磁弁54を閉じ、給湯メインバーナ7の燃焼を停止するようにしてもよい。
【0070】
なお、図6に示す例のように、給湯ハイリミットスイッチ47と風呂ハイリミットスイッチ46の一方のみを電磁弁54と直接する構成においては、マイクロコンピュータ2に支障が生じた場合には、電磁弁54と直接接続されていない側のスイッチがオフ信号を出力しても、電磁弁54が閉じずに、風呂追い焚き熱交換器40の空焚きが継続してしまうことになるため、前記実施例のように、電源1と電磁弁54との間に、風呂ハイリミットスイッチ46と給湯ハイリミットスイッチ47を直列に接続して設けることが好ましい。
【0071】
さらに、本発明の風呂給湯装置のシステム構成は、必ずしも図3に示した構成とは限らず、給湯メインバーナ10と、給湯熱交換器7と、風呂メインバーナ39と、風呂追い焚き熱交換器40と、バーナへの燃料ガスの供給通路と、電磁弁54とを有して、例えば図1、図6に示したような通電回路3を有していればよい。
【0072】
さらに、前記実施例では、燃焼強制禁止手段6は、風呂ハイリミットスイッチ46からのオフ信号が予め定められている設定回数以上出力されたときに、風呂メインバーナ39の燃焼を強制的に行えないようにしたが、燃焼強制禁止手段6は、風呂ハイリミットスイッチ46からのオフ信号が予め定められている設定回数以上出力されたときに、電磁弁54を閉じて、風呂メインバーナ39と給湯メインバーナ10とパイロットバーナ38の全ての燃焼を強制的に行えないようにするようにしてもよい。また、このように、給湯メインバーナ10の燃焼を強制的に行えないようにした場合、風呂ハイリミットスイッチ46がオフ信号を設定回数以上出力した後に、風呂ハイリミットスイッチ46がオン信号を出力したときには、給湯メインバーナ10の燃焼を可能にするようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、空焚き防止スイッチを設けた熱交換器に空焚きが生じた場合に即座に燃焼を停止することができ、かつ、給湯熱交換器と風呂追い焚き熱交換器の空焚きの回数を個別に検出して対処できるので、安全で寿命の長い風呂給湯装置として利用できる。
【符号の説明】
【0074】
1 電源
2 マイクロコンピュータ
3 通電回路
4 時定数回路
5 アンサー信号受信回路
6 燃焼強制禁止手段
7 給湯熱交換器
10 給湯メインバーナ
38 パイロットバーナ
39 風呂メインバーナ
40 風呂追い焚き熱交換器
70 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯メインバーナと、該給湯メインバーナによって加熱される給湯熱交換器と、風呂メインバーナと、該風呂メインバーナによって加熱される風呂追い焚き熱交換器と、前記給湯メインバーナと前記風呂メインバーナに燃料ガスを供給するガス供給通路と、該ガス供給通路に設けられる電磁弁と、前記給湯熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する給湯空焚き防止スイッチと、前記風呂追い焚き熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する風呂空焚き防止スイッチとを有し、該電磁弁と該電磁弁に電流を流す電源とを接続する通電回路が設けられ、該通電回路の前記電源と前記電磁弁との間には、前記給湯空焚き防止スイッチと、前記風呂空焚き防止スイッチとが直列に設けられて、該風呂空焚き防止スイッチと前記給湯空焚き防止スイッチの少なくとも一方からオフ信号が出力されると前記電磁弁が閉じる構成と成し、前記給湯空焚き防止スイッチと前記風呂空焚き防止スイッチのうち前記電源に近い側に設けられている第一のスイッチのアンサー信号と前記電源から遠い側に設けられている第二のスイッチのアンサー信号をそれぞれ個別の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路を有し、該アンサー信号受信回路に前記第一のスイッチのアンサー信号を伝える信号伝達経路にはコンデンサと抵抗とにより構成される時定数回路が設けられて前記第一のスイッチからオフ信号が出力される場合と前記第二のスイッチからオフ信号が出力される場合とを前記アンサー信号受信回路が区別する構成と成していることを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項2】
通電回路は、アンサー信号受信回路に第一のスイッチのアンサー信号を伝える信号伝達経路に時定数回路が設けられる代わりに抵抗が設けられて形成され、前記アンサー信号受信回路は少なくとも前記第一のスイッチからオフ信号が出力される場合と第二のスイッチからのみオフ信号が出力される場合とを区別する構成と成していることを特徴とする請求項1記載の風呂給湯装置。
【請求項3】
通電回路には、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路が直列に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の風呂給湯装置。
【請求項4】
通電回路における、給湯空焚き防止スイッチと、風呂空焚き防止スイッチと、直列ヒューズ回路のうち、前記風呂空焚き防止スイッチが最も電源に近い側に設けられていることを特徴とする請求項3記載の風呂給湯装置。
【請求項5】
直列ヒューズ回路は、通電回路の第二のスイッチと電磁弁との間に設けられ、また、前記第二のスイッチと前記電磁弁との間には、トランジスタと、抵抗とが介設され、前記直列ヒューズ回路の温度ヒューズの断線信号をアンサー信号受信回路に伝える信号伝達経路が設けられて、該信号伝達経路により、前記温度ヒューズが断線していないときには電源電圧を前記抵抗と前記電磁弁が内蔵する抵抗とで分圧した電圧が伝えられ、前記温度ヒューズが断線したときには電源電圧が伝えられる構成としたことを特徴とする請求項3または請求項4記載の風呂給湯装置。
【請求項6】
給湯メインバーナと、該給湯メインバーナによって加熱される給湯熱交換器と、風呂メインバーナと、該風呂メインバーナによって加熱される風呂追い焚き熱交換器と、前記給湯メインバーナと前記風呂メインバーナに燃料ガスを供給するガス供給通路と、該ガス供給通路に設けられる電磁弁と、前記給湯熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する給湯空焚き防止スイッチと、前記風呂追い焚き熱交換器の温度が予め定められた空焚き検出用設定温度を超えたときにオフ信号をアンサー信号として出力する風呂空焚き防止スイッチとを有し、前記電磁弁と該電磁弁に電流を流す電源とを接続する通電回路が形成されて、該通電回路の前記電源と前記電磁弁との間には、前記給湯空焚き防止スイッチと前記風呂空焚き防止スイッチのいずれかの一方側のスイッチが直列に設けられて、該スイッチからオフ信号が出力されると前記電磁弁が閉じる構成と成し、また、前記一方側のスイッチのアンサー信号を第一の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路が設けられており、さらに、前記給湯空焚き防止スイッチと前記風呂空焚き防止スイッチのうち他方側のスイッチのアンサー信号を第二の信号伝達経路を介して取り込むアンサー信号受信回路が設けられていることを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項7】
通電回路には、電源と電磁弁との間に、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路が直列に設けられていることを特徴とする請求項6記載の風呂給湯装置。
【請求項8】
通電回路の電源と電磁弁との間に設けられているスイッチは風呂空焚きスイッチであり、該風呂空焚きスイッチと、給湯熱交換器の温度ヒューズと風呂追い焚き熱交換器の温度ヒューズとの直列ヒューズ回路とが直列に設けられており、該直列ヒューズ回路よりも前記風呂空焚きスイッチが前記電源に近い側に設けられていることを特徴とする請求項6記載の風呂給湯装置。
【請求項9】
風呂空焚き防止スイッチからのオフ信号が予め定められている設定回数以上出力されたときには、風呂メインバーナの燃焼を強制的に行えないようにする燃焼強制禁止手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の風呂給湯装置。
【請求項10】
給湯メインバーナと風呂メインバーナへの口火点火用のパイロットバーナを有し、風呂空焚き防止スイッチからのオフ信号が予め定められている設定回数以上出力されたときには、風呂メインバーナと給湯メインバーナとパイロットバーナの全ての燃焼を強制的に行えないようにする燃焼強制禁止手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の風呂給湯装置。
【請求項11】
風呂空焚き防止スイッチがオフ信号を設定回数以上出力した後にオン信号を出力したときには、給湯メインバーナの燃焼を可能とすることを特徴とする請求項10記載の風呂給湯装置。
【請求項12】
燃焼強制禁止手段によってバーナの燃焼が強制的に行えないようにするときに、風呂空焚き防止のための燃焼強制禁止であることを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする請求項9または請求項10または請求項11記載の風呂給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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