説明

食品の密封パッケージを製造するためのシール用顎状掴み具

経路(A)に沿って給送されるパッケージ材からなるチューブ(3)によって食品の密封パッケージを製造するためのシール用顎状掴み具(1)であり、当該シール用顎状掴み具は、これに対向しているシール用顎状掴み具(2)と相互作用して、前記パッケージ材を把持し且つ経路(A)を横断するシール用ストリップ(6)を形成する第一の作用面(28)を有しており、前記シール用顎状掴み具及び対向シール用顎状掴み具(1,2)のうち、一方はアンビル(9)を形成しており、他方は前記アンビル(9)と協働してストリップ(6)を形成する。前記第一の面(28)は、各々の第一の軸線(X)に沿って延び且つストリップ(6)が形成されるときにパッケージ材の各々の領域を第二の面(29)に対して圧縮する少なくとも2つの突出部(35,36;36,36;36,37)を有しており、各々の第一の軸線(X)のうちの一つに沿って延びている少なくとも1つの空洞(40)が、前記第一の軸線(X)を横切る第二の軸線(Y)に沿って突出部(35,36;36,36;36,37)間に設けられており且つ第一の作用面(28)の中心面(P)に対して横断して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の密封パッケージを製造するためのシール用顎状掴み具に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の通り、フルーツジュース、殺菌ミルク又はUHT殺菌(超高温処理された)ミルク、ワイン、トマトソース等のような多くの食品は、殺菌されたパッケージ材によって作られたパッケージで販売されている。
【0003】
このタイプのパッケージの典型的な例は、テトラブリックアセプティック(登録商標)として知られている液体又は流し込み可能な食品のための平行六面体形状のパッケージであり、該パッケージは、ラミネートされたストリップ状のパッケージ材を折り畳み且つシールすることによって作られる。
【0004】
パッケージ材は、多層構造を有しており、該多層構造は、繊維材料、例えば、紙又は鉱物充填ポリプレン材料の層によって規定されている堅牢性及び強度のための基層と、基層の両面を覆っている熱シールプラスチック材料例えばポリエチレンフィルムからなる多層の層からなる。
【0005】
UHTミルクのような長期貯蔵製品のための無菌パッケージの場合には、パッケージ材はまた、気体及び光に対するバリアー材料例えばアルミホイール又はエチルビニルアルコール(EVOH)フィルムの層をも有しており、該バリアー層は、熱シールプラスチック材の層上に重ねられ、次いで、最終的に食品と接触するパッケージの内面を形成している熱シールプラスチック材料の別の層によって覆われる。
【0006】
公知の通り、この種のパッケージは、連続しているチューブが巻き取りパッケージ材によって形成される全自動包装機上で製造される。更に特定すると、パッケージ材からなる巻取り材料が、リールから繰り出され且つ包装機上の無菌チャンバ内を給送される。包装機内で、該パッケージ材の巻き取り材料は、公知のやり方で、例えば、過酸化水素のような殺菌剤を適用されることによって殺菌され、続いて該パッケージ材が加熱され且つ/又は適当な波長及び強度の放射線に曝されることによって蒸発せしめられ、殺菌された巻き取り材料は、閉塞されている滅菌雰囲気内に維持され、筒形状に折り畳まれ且つ長手方向に沿ってシールされて連続したチューブが形成される。
【0007】
無菌チャンバの伸長部を形成するのに有効なパッケージ材からなるチューブは、垂直方向に給送され、殺菌され又は滅菌処理された食品を充填され、密封装置の中を給送されて、個々のパッケージが形成される。更に特定すると、密封装置においては、チューブは、多数の等間隔断面においてシールされ、横断シールストリップすなわちチューブの移動方向に対して直角に延びているシールストリップによって相互に結合された枕状のパックが形成され、該枕状のパックは相対的な横断シールストリップを切断することによって互いに分離され、折り畳みステーションへと運ばれ、該折り畳みステーションにおいて機械的に折り畳まれて個々の完成された平行六面体形状のパッケージが形成される。
【0008】
包装機は、例えばヨーロッパ特許EP−B−0887265号に記載されているように公知であり、各々のエンドレス経路を規定しており且つそれぞれの数の封止用顎状掴み具が嵌め込まれている2つのチェーンコンベアを備えている。この2つの経路は、実質的に相互に対向しており且つ互いに平行である各々の分岐部を備えており、これらの分岐部の間にパッケージ材からなるチューブが給送されて、各々の経路の前記分岐部に沿って一つのコンベア上の顎状掴み具が他方のコンベア上の対応する顎状掴み具と協働して多数の連続している断面においてチューブを把持し且つパックをシールし且つ切断する。
【0009】
多くの等間隔断面に沿ってチューブを把持し且つシール例えば熱シールするためにパッケージ材のチューブに対して交互に作用する2つの顎状掴み具の対を2つだけ備えている包装機もまた公知である。
【0010】
ひとたびシール動作が完了すると、例えば各対内の顎状掴み具のうちの一方によって坦持されているカッターが作動せしめられ且つパッケージ材からなるチューブと相互作用して該パッケージ材をちょうどシールされた断面の中心線に沿って切断し、このようにして、パッケージ材からなるチューブの底端部から枕状のパックが切り離される。底端部は横断方向に沿ってシールされ、相対的な顎状掴み具は、下死点に達すると、チューブの頂部との干渉を避けるために開かれる。これと同時に、他方の顎状掴み具の対も、全く同じやり方で作動せしめられて上死点から下方へ動かされ、上記の把持/形成、シール及び切断のプロセスを繰り返す。
【0011】
どちらのタイプの包装機においても、顎状掴み具の各対間に把持されたチューブ部分は、一般的には、顎状掴み具の一方の上に坦持されていて顎状掴み具間に把持された熱シールプラスチック材料の層を局部的に溶かす加熱装置によってシールされる。
【0012】
現在においては、パッケージ材ファスナーを局部的により速く溶かし、従って出力を増大させるために、超音波シール装置が広く使用されている。
【0013】
超音波シール装置は、例えばEP−B−615907号に記載されているように、実質的に、機械的振動発生器又はソノトロード(超音波金型)とアンビルとを備えており、これらのソノトロードとアンビルとは、各々の顎状掴み具に備え付けられ且つ互いに協働して超音波振動によってパッケージ材を加熱する各々の面を有している。
【0014】
更に特定すると、ソノトロードは、圧電材料からなる1以上のディスクによって振動せしめられるシール工具であり、ディスクは、交流電圧を供給され且つ実際の供給電圧又は供給電流に応じたエネルギの機械的な振動を発生する。
【0015】
当該産業においては、シール段階におけるポリエチレンの泡又は塊の形成を避ける必要性が感じられている。この泡又は塊は、密封性を損ない、幾つかの場合には、バリアー層を穿制して長期在庫製品の滅菌性を損なうことさえある。
【0016】
本発明の目的は、簡単且つ低廉な方法で上記の要件に適合するように設計されたシール用顎状掴み具を提供することである。
【0017】
本発明に従って、特許請求の範囲の請求項1に記載されている食品の密封パッケージを製造するためのシール用顎状掴み具が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、添付図面を参考にして、本発明の好ましい非限定的な実施例を例示的に説明する。
【図1】図1は、明確化のために部品が取り外された状態の、本発明によるシール用顎状掴み具と対応する対向顎状掴み具とを閉止状態で示した概略図である。
【図2】図2は、明確化のために部品が取り外された状態の、図1の顎状掴み具及び対向顎状掴み具の斜視図である。
【図3】図3は、図1及び2の顎状掴み具のアンビルの拡大斜視図である。
【図4】図4は、図3とは異なる角度から見た、図3のアンビルの一部分の拡大斜視図である。
【図5】図5は、図3のアンビルのV−V面の拡大断面図である。
【図6】図6は、図5の細部の拡大図である。
【実施例1】
【0019】
図1及び2における符号1は、食品の密封パッケージを製造するための本発明による顎状掴み具全体を示している。
【0020】
顎状掴み具1は、公知の装置(図示せず)によって垂直経路Aに沿って給送されるパッケージ材のチューブ3によって食品の密封パッケージを製造するための包装機(図示せず)内に組み込むことができる。
【0021】
顎状掴み具1は、殺菌ミルク又はUHTミルク、フルーツジュース、ワイン、エンドウ豆、インゲン豆等のような注ぎ入れることができる食品の密封パッケージを製造するための包装機内に組み込まれるのが好ましい。
【0022】
顎状掴み具1はまた、パッケージ製造段階で注ぎ入れることができ且つパッケージがシールされた後に固まる食品の密封パッケージを製造するための包装機に組み込むこともできる。このような食品の一つの例は、パッケージ製造段階で溶かされ且つパッケージが密封された後に固まるチーズの一部である。
【0023】
チューブ3は、熱シールシート材料のウェブを長手方向に沿って折り畳み且つシールすることによる公知の方法で形成され、包装するための殺菌された又は滅菌処理された食品が連続的に下向きに充填される。
【0024】
包装機は、特許第EP−B−615907号に図示され且つ記載されているタイプの2つのチェーンコンベアを備えている。該2つのチェーンコンベアは、各々のエンドレス経路を規定しており且つ各々の数のシール用顎状掴み具1とこれらに対応する対向顎状掴み具2とが備え付けられている。これらの経路は相対的にほぼ平行な分岐部を備えており、チューブ3が経路Aに沿って該分岐部間へ給送され、各々の経路の前記分岐部に沿って、一方のコンベア上の顎状掴み具1が他方のコンベア上の対応する対向顎状掴み具2と協働して、多数の等間隔断面においてチューブ3を把持し、超音波シールし、切断するようになされている。
【0025】
更に特定すると、各顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とは、相互作用して、多くの等間隔の断面においてチューブ3をシールし、経路Aに直角な各々のシール用ストリップ6(図1)によってチューブ3に結合されている複数の枕状のパック5を形成する。
【0026】
ストリップ6が顎状掴み具1上のカッター22によって切断されてパック5が分離される。
【0027】
各対向顎状掴み具2とこれに対応する顎状掴み具1とは、チューブ3の両側に配置されており、機械的振動発生器又はソノトロード8とアンビル9とが各々備え付けられており、開放位置と閉止位置(図1及び2に示されている)との間を経路Aに交差して動くことができ、閉止位置において、これらの顎状掴み具は、チューブ3を相対的な断面において把持し且つシールして相対的なシールストリップ6を形成する。
【0028】
ソノトロード8(図1及び2において単に概略的に示されている)は、特許EP−B−615907に図示され且つ記載されているタイプの多数の並列超音波ヘッドを備えているのが好ましく、該超音波ヘッドは、対向顎状掴み具2の本体に堅牢に嵌合されている外側ケース10内に収納されている。
【0029】
極めて簡単に述べると、ソノトロード8は、圧電材料からなる1以上のディスクによって振動せしめられるシール工具であり、該ディスクは、交流電圧を供給され、実際の供給電圧に応じたエネルギの機械的振動を発生する。
【0030】
各顎状掴み具1は、実質的に支持本体11とアンビル9とからなる。
【0031】
支持本体11(図2)は、実質的に平らで且つ中央部分14と2つの端部15とを有している。各顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2との閉止位置においては、支持本体11は経路Aに平行な面内にあり、端部15は経路Aに平行な方向の長さが中央部分14よりも大きい。
【0032】
アンビル9は、カッター22を収容している貫通台部21(図1〜4)を規定している実質的に角柱状の主要本体20と、各々中空円筒形態で且つ主要本体20の両端に配置されている2つの端部23とを備えている。
【0033】
更に特定すると、主要本体20(図3)は、
−顎状掴み具1と対応する対向顎状掴み具2とが閉止位置にあるときに、経路Aに直角な各々互いに平行な面内にある2つの各々の頂壁24と底壁25と、
−壁24と25との間に交差して設けられており且つそれを貫通して台部21が形成されている前方壁26と、
−壁24と25との間に直角に設けられており且つ壁26の両側に配置されており、それを貫通して同じく台部21が形成されている更に別の壁27(図5、6)と、を備えている。
【0034】
更に特定すると、壁26は、ソノトロード8の面29(図1)と相互作用してチューブ3を把持し且つシールして相対的なストリップ6を形成する面28(図5及び6)と、壁27と平行で且つ面28と壁24,25との間に設けられている2つの平らな面30,31とを備えている。
【0035】
面28は、壁26の対称中心面Pに対して対称に延びており、面30,31は中心面Pの両側に配置されている。
【0036】
更に特定すると、面Pは、面28を2つの等しい部分32,33(図5)に分割しており、これらの部分32,33は、面29の各々の半分と協働してストリップ6の各々の半分を形成する。
【0037】
部分32,33は、台部21と各々の面30,31との間に設けられている。
【0038】
台部21は、中心面Pと合致している対称面を有している。
【0039】
カッター22は、台部21の内側に摺動可能な状態で収容されており、公知の作動装置(図示せず)によって制御されて、チューブ3を横断ストリップ6に沿って切断して、形成されたパック5をチューブ3から切り離す。
【0040】
面26(図4及び5)は、
−各々の軸線X(一方だけが図3,4,5,6に示されている)に沿って延びており且つパッケージ材の各々の領域を面29に押し付ける多数の細長い突出部35,36,37と、
−面Pの両側に配置されている軸線Xに対して平行に延びており且つ各々が軸線Xと交差している軸Yに沿って互いに隣接している突出部35−36,36−36,36−37の各対間に配置されている多数の細長い空洞40と、を備えている。
【0041】
更に特定すると、突出部35,36,37は、相対的な顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とが閉止位置にあるときに、経路Aに向かって面30,31に対して突出している。
【0042】
各部分32,33は、軸線Aに沿って台部21から相対的な面30,31までに亘って、
−突出部35と、
−2つの突出部36と交互で且つ軸線Yに沿って等間隔に隔てられている3つの空洞40と、
−突出部37と、を備えている。
【0043】
軸線Yに沿って、各部分32,33の第一の空洞40が、各々の突出部35と各々の隣接している突出部36との間に設けられており、第二の空洞40が、各々の突出部36間に設けられており、第三の空洞40が、各々の隣接する突出部36と各々の突出部37との間に設けられている。
【0044】
各空洞40は、軸線Xに平行な軸線を有している半円筒形横断面の形態の凹状輪郭41を有している。
【0045】
言い換えると、軸線Xに対して直角に断面されたときに、各凹状輪郭41は半円形状である。
【0046】
各凹状輪郭41は、軸線Xに平行な各々の底部の母線49に関して対称である。更に特定すると、母線49は、面30,31の共通面からある距離の面内にあり、相対的な顎状掴み具1とこれに対応する顎状掴み具2とが閉止位置にあるときにソノトロード8の面29から最も遠い面28の各点を規定している。
【0047】
各部分32,33の空洞は、台部21の各々の側面全体に配置されており、すなわち、面Pが交差していない。
【0048】
各部分32,33の空洞40もまた、軸線Yに沿って等距離だけ隔てられている。
【0049】
台部21から各々の隣接する空洞40までに亘って、各突出部35が、ある角度をなしている2つの平らな壁42,43と湾曲した壁44とによって規定されている。
【0050】
更に特定すると、壁43は、平らであり且つ面Pに直角な各々の面内にあり、壁42同士は、面Pに対して傾斜しており且つ各々の壁43から台部21に向かって相対的に集束している。
【0051】
壁44は、軸線Xに平行な各々の軸線を有する各々の円筒形の各々の横断面部分の形態である。
【0052】
軸線X(図5及び6)に対して直角な各々の面で断面されたときに、壁44の凹状輪郭は、180度未満の各々の円弧形状である。
【0053】
各突出部36は、2つの壁44と、軸線Yに沿った壁44同士の間に設けられている壁43とによって規定されている。
【0054】
更に特定すると、各突出部36を規定している壁44は、相対的な壁43に関して対称であり且つ各々の互いに平行な隔置された軸線を有する円筒形の各々の横断面部分の形態である。
【0055】
相対的な面30,31から隣接の空洞40までに亘って、各突出部37は、ある角度をなしている2つの平らな壁45,46と壁44とによって規定されている。
【0056】
更に特定すると、壁45は、相対的な面30,31と相対的な壁46との間に設けられており且つ相対的な面30,31から相対的な壁46まで相対的に集束している。
【0057】
各々の凹状輪郭41を規定している第一の虚円筒形面の半径は、各々の壁44を規定している第二の虚円筒形面の半径よりも大きい。
【0058】
図示されている例においては、第一の面の各々の半径は、第二の面の各々の半径の1.5倍である。
【0059】
本発明の一つの実施例においては、一つの各々の突出部35,36,37の各々の壁44を規定している少なくとも一つの第二の虚円筒形面の半径は、0.1〜0.3mmの範囲内である。
【0060】
突出部37,36;36,36;36,35間の少なくとも1つの空洞40の凹状輪郭41の半径は、0.1〜0.4mmの範囲内であり、少なくともその底部は、突出部35,36,37のピークから最も遠い距離にある。
【0061】
更に、軸Yに沿って測定した隣接している突出部35,36;36,36;36,37の対応する点間又は互に隣接している空洞40の対応する点間の距離は、0.5〜2.5mmの範囲内であるのが好ましい。
【0062】
特に、一つの各々の突出部35,36,37の一つの各々の壁44を規定している少なくとも一つの第二の虚円筒形面の半径は、0.2mmであり、突出部37,36;36,36;36,35間の少なくとも1つの空洞40の凹状輪郭41の半径は、突出部35,36,37のピークから最も大きな距離にある底部において0.3mmであり、隣接している突出部35,36;36,36;36,37の対応する点間又は互に隣接している空洞40の対応する点間の軸線Yに沿って測定した距離は、1.8mmである。幾何学的に可能ならば、上に特定した範囲内での上記の半径の如何なる組み合わせも可能である。
【0063】
突出部35,36,37及び/又は空洞40のこの設計は、パッケージ材に対する損傷が少ない。上で特定された半径は、シャープな端縁を単に丸くした結果ではなく、むしろシール用の顎状掴み具1の面の28を意図的に且つ厳密に形成した結果である。
【0064】
更に、突出部35,36,37及びこれらに隣接している凹状輪郭41は、角状先端及び/又は尖った端縁を避けるように相互に結合されている。
【0065】
別の言い方をすると、各々の共通の区分において、凹状輪郭41と壁44とは合致している正接面を有している。
【0066】
同様に、各々の共通の区分においては、壁42−43−44,44−43−44,44−46−45もまた合致している正接面を有している。
【0067】
壁46は、軸線Yに沿った壁43よりも長く且つ壁43と同じ面内にある。
【0068】
壁43,46は、各々の突出部35,36,37の頂部、すなわち、相対する顎状掴み具1と対応する対向顎状掴み具2とが相対的に近づく方向に動かされたときに、面Pと平行な方向において面30,31から最も離れ且つソノトロード8の面29に最も近い部分を規定している。
【0069】
図5及び6に示されているように、軸線Xに直角な各々の面で断面したときに、面28の各部分32,33は、形状が波形であり且つ相対的な面30,31から軸線Yに沿って面Pに向かって
−壁45,46に対応する第一の真直ぐな部分と、
−相対的な面30,31に対向しており且つ各々の壁44に対応する各々の窪みを規定している多数の第二の部分と、
−該第二の部分と交互であり且つ相対的な面30,31から離れる方向に面し且つ各々の空洞40の凹状輪郭41に対応している各々の窪みを規定している多数の第3の部分と、
−突出部35の各々の壁43,42に対応する第四の真直ぐな部分と、
を備えている。
【0070】
軸線Xに直角な各々の面で断面したとき、各部分32,33はまた、第5の真直ぐな部分をも備えており、これら第5の部分の各々は、相対する突出部36の第二の部分同士の間に設けられており且つ突出部36の各々の壁43に対応している。
【0071】
更に特定すると、軸線X同士は互いに平行であり且つ壁24,25に平行であり、軸線Yは軸線Xに直角である。
【0072】
顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とが閉止位置にあるとき、軸線Yは経路Aに平行であり、軸線Xは経路Aに直角である。
【0073】
顎状掴み具1は以下のように作動する。
【0074】
2つのチェーンコンベアは、互いに反対方向に回転せしめられて、顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とが、所定の運動の法則に従ってチューブ3と協働する。
【0075】
1つの顎状掴み具1と対応する対向顎状掴み具2とに関する動作サイクルを以下において更に詳細に説明する。顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とは全て、明らかに、出力速度に応じた時間間隔で同じサイクルを実行する。
【0076】
顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とは、前記の経路の所与部分に沿って開放位置から相互に合わせられ、チューブ3を徐々に変形させ且つ最終的には“平らにして”チューブ3の横断バンドを形成する。
【0077】
閉止位置に達すると、顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とは、チューブ3を把持し、面28と29とは相対的に押圧され、ソノトロード8は、パッケージ材を局部的に加熱し且つ溶かしてストリップ6を形成するように作動せしめられる。
【0078】
更に特定すると、パッケージ材に対する圧力は、壁43において最も大きく、壁43から空洞40の凹状輪郭41の母線49に向かって徐々に減少する。
【0079】
ソノトロード8は、パッケージ材を、面28及び29によってパッケージ材にかけられる圧力に比例して加熱する。
【0080】
従って、パッケージ材は、主として面28の壁43において溶かされ且つ面28の空洞40内へ移動する。
【0081】
ひとたびストリップ6が形成されると、カッター22が作動せしめられて横断ストリップ6に沿ってチューブ3を切断し、このようにして、形成されたパック5がチューブ3の残りの部分から切り離される。
【0082】
顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とは、次いで、経路Aから開放位置へと移動せしめられてチューブ3が解放される。
【0083】
本発明による顎状掴み具1の利点は、上記の説明から明らかであろう。
【0084】
特に、交互に多数の突出部35,36,37及び空洞40を設けることによって、ストリップ6を形成するときにパッケージ材にかかる圧力が、壁43における最大値から各々の空洞40の底部の母線49における最小値まで変化することが可能になる。
【0085】
このようにして、パッケージ材は、突出部35,36,37の表面積と空洞40の表面積との合計に対応する特定の伸長領域に亘ってシールされる。
【0086】
従って、パッケージ材料の一部分を形成する溶融されたポリエチレンは、泡又は塊を形成することなく密封段階で空洞40内に自由に流れ込む。泡又は塊は、密封品質を損なう且つバリアー材料層を穿刺して長期貯蔵製品の殺菌性を損なうことさえある。
【0087】
更に、面28は、尖った端縁を有しておらず、パッケージ材は、ストリップ6をシールするときに受ける応力が極めて小さく、従って、パッケージ材を損傷させて完成されたパッケージの殺菌特性を損なう虞が少ない。
【0088】
しかしながら、ここに説明し且つ図示した顎状掴み具1に特許請求の範囲から逸脱することなく変更を施すことができることは明らかである。
【0089】
特に、突出部35,36,37及び空洞40は、アンビル9の面28に対向しているソノトロード8の面29によって規定されている。
【0090】
包装機はチェーンコンベアを備えておらず且つ1つの顎状掴み具1とこれに対応する対向顎状掴み具2とからなる。顎状掴み具1と対応する対向顎状掴み具2とはチューブ3に交互に作用し、各々が、各々のガイドに沿って閉止位置と開放位置との間を動くことができ、チューブと周期的に且つ連続して相互作用してチューブのパッケージ材を熱シールする。
【0091】
ソノトロード8の代わりに、対向顎状掴み具2は、種々の加熱装置例えば誘導加熱装置又は加熱された棒を備えた装置を有するシール装置を備え付けることができる。
【0092】
最後に、顎状掴み具1は台部21を備えていなくても良く、パック5は包装機の下流で切断しても良い。
【符号の説明】
【0093】
A 垂直経路
1 顎状掴み具
2 対応する対向顎状掴み具
3 パッケージ材のチューブ
5 パック
6 シール用ストリップ
22 カッター
8 機械的振動発生器又はソノトロード
9 アンビル
10 外側ケース
11 支持本体
14 中央部分
15 端部
20 主要本体
21 台部
23 端部
24 頂壁
25 底壁
26 前方壁
27 壁
28 アンビルの面
29 ソノトロード8の面
30,31 平らな面
P 対称中心面
32,33 部分
35,36,37 突出部
40 空洞
41 凹状輪郭
42,43 平らな壁
44 湾曲した壁
46 壁
49 底部の母線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路(A)に沿って給送されるパッケージ材からなるチューブ(3)によって食品の密封パッケージを製造するためのシール用顎状掴み具(1)であり、当該シール用顎状掴み具(1)は、前記パッケージ材を把持し且つ前記経路(A)と交差しているシール用ストリップ(6)を形成するために対向顎状掴み具(2)上の第二の作用面(29)と相互作用する第一の作用面(28)を備えており、前記顎状掴み具及び対向顎状掴み具(1,2)のうちの一方(1)はアンビル(9)を規定しており、他方(2)は前記アンビル(9)と相互作用して前記ストリップ(6)を形成する加熱装置(8)を規定しており、
前記第一の面(28)が、
−各々の第一の軸線(X)に沿って延びている少なくとも2つの突出部(35,36;36,36;36,37)であって、前記ストリップ(6)を形成するときに、前記パッケージ材の各々の領域を前記第二の面(29)に対して圧縮する少なくとも2つの突出部(35,36;36,36;36,37)と、
−前記第一の軸線(X)のうちの一つに沿って伸長しており、前記第一の軸線(X)に交差する第二の軸線(Y)に沿った突出部(35,36;36,36;36,37)の間に設けられており、前記第一の作用面(28)の中心面(P)に関して横断して配置されている、少なくとも1つのキャビティ(40)と、を備えていることを特徴とする顎状掴み具。
【請求項2】
前記第一の面(28)を規定している前記アンビル(9)を備えており、前記対向顎状掴み具(2)が前記第二の面(29)を規定している前記加熱装置を備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の顎状掴み具。
【請求項3】
前記突出部(35,36,37)のうちの少なくとも第一の突出部(36)が2つの湾曲した第一の壁(44)によって規定されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の顎状掴み具。
【請求項4】
前記第一の突出部(36)が、前記第一の突出部(36)の頂部を規定しており且つ前記第二の軸線(Y)に沿って前記第一の壁(44)同士の間に設けられている平らな第二の壁(43)を備えている、ことを特徴とする請求項3に記載の顎状掴み具。
【請求項5】
前記第一の壁(44)のうちの少なくとも一つが、各々の前記第一の軸線(X)に直角な第二の面で断面されたときに、第一の半径と第一の角度の第一の円弧からなる、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の顎状掴み具。
【請求項6】
前記第一の半径が0.1mm〜0.3mmの範囲内にある、ことを特徴とする請求項5に記載の顎状掴み具。
【請求項7】
前記空洞(40)が湾曲した凹状輪郭(41)を有している、ことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一の項に記載の顎状掴み具。
【請求項8】
前記凹状輪郭(41)が、前記第一の軸線(X)に直角な面で断面されたときに、第二の半径と第二の角度との少なくとも第二の円弧の形態である、ことを特徴とする請求項7に記載の顎状掴み具。
【請求項9】
前記第二の円弧形態が前記空洞(40)の底部を規定しており、前記第二の半径が0.1mm〜0.4mmの範囲内である、ことを特徴とする請求項8に記載の顎状掴み具。
【請求項10】
前記第二の角度が前記第一の角度よりも大きい、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の顎状掴み具。
【請求項11】
前記第二の半径が前記第一の半径よりも大きい、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の顎状掴み具。
【請求項12】
前記凹状輪郭(41)が、前記第一の壁(44)の少なくとも1つに隣接しており、前記凹状輪郭(41)と前記少なくとも1つの第一の壁(44)とが、前記第一の軸線(X)に平行な共通の区分に各々の正接面を有している、ことを特徴とする請求項7〜11のうちのいずれか一の項に記載の顎状掴み具。
【請求項13】
前記突出部(35,36,37)のうちの第二の突出部(35)が、前記中心面(P)と前記第一の突出部(36)との間に設けられており、前記中心面(P)から前記第一の突出部(36)に向かって、前記第二の突出部(35)は、平らな第三の壁(42)と、該第三の壁(42)に対して傾斜しており且つ前記第二の突出部(35)の頂部を規定している第四の壁(43)と、湾曲した第五の壁(44)とによって規定されている、ことを特徴とする請求項3〜12のうちのいずれか一の項に記載顎状掴み具。
【請求項14】
前記中心面(P)に関して前記第一の突出部(36)と反対側に配置され且つ前記反対側の前記第一の突出部(36)の側から前記中心面(P)まで延びている第三の突出部(37)を備えており、該第三の突出部(37)は、湾曲した第六の壁(44)と、該第三の突出部(37)の頂部を規定している平らな第七の壁(46)と、該第七の壁(46)に対して傾斜している平らな第八の壁(45)とによって規定されている、ことを特徴とする請求項13に記載の顎状掴み具。
【請求項15】
第一の数の前記突出部(35,36,37)と、前記第二の軸線(Y)に沿って等間隔で隔てられ且つ各々が前記突出部(35,36;36,36;36,37)のうちの2つの連続した突出部同士の間に設けられている第一の数の前記空洞(40)とを備えている、ことを特徴とする請求項1〜14のうちのいずれか一の項に記載の顎状掴み具。
【請求項16】
前記第二の軸線(Y)に沿って測定した前記突出部(35,36,37)同士の間と前記空洞(40)同士の間の距離が、0.5〜2.5mmの範囲内である、ことを特徴とする請求項15に記載の顎状掴み具。
【請求項17】
第二の数の前記突出部(35,36,37)と第二の数の前記空洞(40)とを特徴としており、前記第一の数及び第二の数が、前記面(26)の前記中心面(P)の各々の両側に配置されている、ことを特徴とする請求項16に記載の顎状掴み具。
【請求項18】
前記第一の軸線(X)同士が平行であり、前記第二の軸線(Y)が前記第一の軸線(X)に直角であり、前記第二の軸線(Y)が、前記顎状掴み具(1)と前記対向顎状掴み具(2)とが前記パッケージ材を把持し且つ前記ストリップ(6)を形成するときに、前記経路(A)に平行である、ことを特徴とする請求項1〜17のうちのいずれか一の項に記載顎状掴み具。
【請求項19】
垂直経路(A)に沿って給送され、食品を連続的に充填され、等間隔断面で把持されるパッケージ材のチューブ(3)によって、食品の密封パッケージを製造するための包装機であり、
請求項1〜18のうちのいずれか一の項に記載の顎状掴み具(1)と前記対向顎状掴み具(2)とを備えており、これらの顎状掴み具が相互に協働して、前記断面において、多数の前記ストリップ(6)に沿って前記チューブ(3)を構成しているパッケージ材をシールする、ことを特徴とする包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−519786(P2011−519786A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506679(P2011−506679)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055074
【国際公開番号】WO2009/133075
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】