食品洗浄装置
【課題】 比重が小さな被洗浄物は勿論、比重が大きな被洗浄物であっても、これを容易に下から煽って浮沈反転を繰り返し行わせ、結果として十分な洗浄効果を得ることができるようにした食品洗浄装置の提供。
【解決手段】 洗浄水槽２と、濾過水槽７と、洗浄カゴ９と、濾過水槽に設けた循環ポンプ８と、この循環ポンプ８から洗浄水槽の底部中央に延長して配管され、先端に上向き開口した噴出口５５が形成された圧力水管５１と、噴出口の周囲を囲むように洗浄水槽の底部にブロア６０に接続して配管された環状空気管６と、環状空気管６に取り付けられた少なくとも３個の曝気ノズル６ａを備えている。
【解決手段】 洗浄水槽２と、濾過水槽７と、洗浄カゴ９と、濾過水槽に設けた循環ポンプ８と、この循環ポンプ８から洗浄水槽の底部中央に延長して配管され、先端に上向き開口した噴出口５５が形成された圧力水管５１と、噴出口の周囲を囲むように洗浄水槽の底部にブロア６０に接続して配管された環状空気管６と、環状空気管６に取り付けられた少なくとも３個の曝気ノズル６ａを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、野菜や海藻等の食品に付着したゴミ等（虫や異物汚れ等）を洗い流すために用いられる食品洗浄装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、被洗浄物を洗浄水槽内で洗浄させるようにした食品洗浄装置が提案されている（特許文献１参照）。
この従来の食品洗浄装置は本願出願人が既に提案したもので、濾過水槽に設けた循環ポンプから洗浄水槽の底部に延長して圧力水管を配管させ、この圧力水管の先端に上向きに開口した噴出口を形成させると共に、圧力水管の途中に曝気用泡発生装置を設けていた。
そして、圧力水管の先端に形成した噴出口から気泡を含んだ洗浄水（含気水）を洗浄水槽内で上向きに噴射させることで被洗浄物を下から煽って洗浄させていくものであった。
【０００３】
上記したように圧力水管の先端に形成した噴出口から気泡を含んだ洗浄水（含気水）を洗浄水槽内で上向きに噴射させることで被洗浄物を下から煽って洗浄させる洗浄方法では、被洗浄物がキャベツやレタス等の葉物野菜のような比重が小さい食品の場合には、この気泡を含んだ洗浄水（含気水）によって被洗浄物を下から煽って浮沈反転を繰り返し行わせることが容易で、十分な洗浄効果を得ることができた。
【０００４】
他方、ニンニク、塩蔵キュウリ、ジャガイモ、生姜、小肉片、カット大根、カット人参などの比重が大きい食品の場合には、気泡を含んだ洗浄水（含気水）だけでは被洗浄物を下から煽って浮沈反転を繰り返し行わせるには不十分であり、結果として十分な洗浄効果を得ることができないという問題を残していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特許第４４１４４８２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は比重が小さな被洗浄物は勿論、比重が大きな被洗浄物であっても、これを容易に下から煽って浮沈反転を繰り返し行わせ、結果として十分な洗浄効果を得ることができるようにした食品洗浄装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために本発明は以下のような構成を採用した。
即ち、請求項１記載の食品洗浄装置は、
内部に洗浄水を収容させる洗浄水槽（２）と、
この洗浄水槽（２）の上端縁に形成されたオーバーフロー縁（２２）と、
前記オーバーフロー縁（２２）からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させる濾過水槽（７）と、
筒状胴部（９０）の底部に底部スクリーン（９２）が設けられ、前記洗浄水槽（２）内に着脱可能に装着される洗浄カゴ（９）と、
前記濾過水槽（７）の濾過済み洗浄水を圧送させるための循環ポンプ（８）と、
この循環ポンプ（８）から洗浄水槽（２）の底部中央に延長して配管され、先端に上向き開口した噴出口（５５）が形成された圧力水管（５１）と、
前記噴出口（５５）の周囲を囲むように洗浄水槽（２）の底部にブロア（６０）に接続して配管された環状空気管（６）と、
少なくとも前記噴出口（５５）の周囲３方に配置するように前記環状空気管（６）に取り付けられた少なくとも３個の曝気ノズル（６ａ）を備えている構成とした。
【０００８】
請求項２記載の食品洗浄装置は、請求項１記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の噴出口（５５）の真上上方に位置するように前記洗浄カゴ（９）の底部スクリーン（９２）の中央部に水流遮断板（９２ａ）が形成されている構成とした。
【０００９】
請求項３記載の食品洗浄装置は、請求項１又は２記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の先端に形成した噴出口（５５）の内部に水流に渦流を生じさせるための傾斜板（５６）が設けられている構成とした。
【００１０】
請求項４記載の食品洗浄装置は、請求項１又は２又は３記載の食品洗浄装置において、前記曝気ノズル（６ａ）が上端側を円周方向に傾斜させて水流に渦流を生じさせるように形成されている構成とした。
【００１１】
請求項５記載の食品洗浄装置は、請求項１〜４のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）に噴出口（５５）の上方を遮るように水流遮断板（５８）が取り付けられている構成とした。
【発明の効果】
【００１２】
本発明（請求項１）の食品洗浄装置は、濾過水槽に設けた循環ポンプから洗浄水槽の底部中央に延長して圧力水管を配管させ、その圧力水管の先端に上向き開口して噴出口を形成させ、かつ前記噴出口の周囲を囲むように洗浄水槽の底部に環状空気管をブロアに接続して配管させ、この環状空気管に少なくとも前記噴出口の周囲３方に配置するように少なくとも３個の曝気ノズルを取り付けた構成に特徴がある。
【００１３】
即ち、圧力水管の噴出口から上向きに噴射させる水の勢いによる水流と、噴出口の周囲において少なくとも３個の曝気ノズルから上向きに噴出させる気泡との組み合わせによる洗浄方法である。
【００１４】
これにより、被洗浄食品は水噴射口からの水流により洗浄槽の中央部で上向きに押し上げられたのち洗浄水槽の周囲で沈もうとするが、その沈もうとする食品に対して曝気による気泡が下から押し上げようとするため、食品は水流と気泡により煽られて浮沈反転を繰り返し行うことになる。
従って、比重が重く水に沈み易い食品であっても、満遍なく均一な洗浄ができ、十分な洗浄効果を得ることができる。
【００１５】
次に、本発明（請求項２）の食品洗浄装置は、圧力水管の噴出口を上向きに開口させた上で、その噴出口の真上上方に位置するように洗浄カゴの底部スクリーンの中央部分に水流遮断板を形成させたものである。
【００１６】
圧力水管の先端に上向きに開口した噴出口を形成させると、水流の主流が上向きに生じるため、水流を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散し難くなる。
そこで、洗浄カゴの底部スクリーンの中央部分に水流遮断板を形成させ、上向きに流動する水流の主流を水流遮断板により遮ることで、放射状の水流を生じさせ、これにより上向きの水流を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散させることができ、満遍なく均一な洗浄ができる。
【００１７】
尚、噴出口から上向きに流動する水流を遮る手段として、前記したように洗浄カゴの底部スクリーンの中央部分に水流遮断板を形成させる以外に、圧力水管に噴出口の上方を遮るように水流遮断板を取り付けるようにしてもよい（請求項５）。
【００１８】
又、圧力水管の先端に形成した噴出口の内部に傾斜板を設けると（請求項３）、噴出口から上向きに生じた水流に渦流による回転を加えることができる。
これにより、上向水流と回転水流とによって被洗浄物を多方向から煽って分散させることができ、洗浄効果をより一層向上させることができる。
【００１９】
又、曝気ノズルを、上端側を円周方向に傾斜させて水流に渦流を生じさせるように形成させると（請求項４）、曝気ノズルから噴出させる気泡に渦流による回転を加えることができる。
これにより、被洗浄物を多方向から煽って分散させることができ、洗浄効果をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の実施例に係る食品洗浄装置を示す正面断面図である。
【図２】その食品洗浄装置を示す側面断面図である。
【図３】その食品洗浄装置を示し、洗浄カゴの図示を省略した平面図である。
【図４】その食品洗浄装置に設けた圧力水管の噴出口を示す斜視図である。
【図５】その圧力水管の噴出口に取り付ける傾斜板を上方から見た斜視図である。
【図６】その食品洗浄装置に設けた洗浄カゴを示す平断面図である。
【図７】その食品洗浄装置に設けた水流遮蔽板の他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
本実施例の食品洗浄装置は、機枠１に組み付けられた洗浄水槽２と濾過水槽７を備えている。
【００２２】
前記洗浄水槽２は、上面が開口した円形容器に形成されている。
実施例の洗浄水槽２は円形容器に形成されているが、これに限らず、角形容器に形成してもよく、又、底面が中央に向けて次第に縮小した逆錐形底面に形成された円形容器や角形容器に形成しても良い。
【００２３】
前記洗浄水槽２の上端縁はその全周がオーバーフロー縁２２に形成され、このオーバーフロー縁２２の全外周に外向きのフランジ面２０が形成され、このフランジ面２０に連続して前記洗浄水槽２の直径よりも幅広に開口した集水口２３が形成されている。
【００２４】
実施例では、洗浄水槽２の半周部分に一定幅の円弧状フランジ面２０ａを形成させ、洗浄水槽２の他方の半周部分に前記円弧状フランジ部２０ａの両端から接線方向に延長して平行フランジ部２０ｂ，２０ｂを形成させ、この平行フランジ部２０ｂ，２０ｂの幅全体を集水口２３の幅として形成させている。これにより集水面積を広くとることができる。
【００２５】
前記集水口２３は樋状流路２４に接続され、この樋状流路２４の底部に回収管２５が接続され、この回収管２５が前記濾過水槽７内に延長されている。
【００２６】
前記濾過水槽７は、前記洗浄水槽２のオーバーフロー縁２２からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させるもので、方形容器に形成されている。
【００２７】
この濾過水槽７の内部には循環ポンプ８として水中ポンプが設置され、この循環ポンプ８による圧送で濾過水槽７内の洗浄水を前記洗浄水槽２に循環させる。この循環ポンプ８としては低圧ポンプを使用できる。
また、濾過水槽７には、洗浄作業の間は給水管７３により常に給水され、また、汚れた洗浄水はオーバーフロー孔７２から装置外に排出させるようになっている。
【００２８】
前記回収管２５の濾過水槽７内での排出口２６には、濾過用メッシュ袋７１が着脱可能に取り付けられている。
この濾過用メッシュ袋７１は、綿、麻、合成樹脂材によるメッシュで形成され、その口部を前記排出口２６に被せて縛ることにより着脱可能に取り付けるようになっている。
【００２９】
従って、洗浄水槽２のオーバーフロー縁２２を越流したオーバーフロー水（洗浄水）はフランジ面２０を流れて集水口２３に流入し、さらに樋状流路２４から回収管２５を経て前記濾過水槽７内に流入し、ここで濾過用メッシュ袋７１によりゴミ等が除去され濾過される。
なお、図２では濾過水槽７の図示を省略している。
【００３０】
又、オーバーフロー縁２２を洗浄水槽２の上端縁の全縁に亘って形成させているので、洗浄水槽２のどこからでもオーバーフローさせることができ、ゴミ等を含む洗浄水がオーバーフローできずに滞留してしまうといったことがない。
また、集水口２３の開口幅を洗浄水槽２の直径よりも幅広に形成させているので、集水面積を広くとることができ、ゴミ等を含む洗浄水の流れをスムーズさせて、確実に濾過水槽７に流入させることができる。
【００３１】
前記循環ポンプ８から洗浄水槽２の底部中央に延長して圧力水管５１が配管され、この圧力水管５１の先端に図４に示すような噴射管５５ａがネジ部５７の螺合によって取り付けられ、この噴射管５５ａに上向きに開口した噴出口５５が形成されている。
【００３２】
前記噴出口５５の内部には、図５で示すように、噴出水流に渦流を生じさせるための傾斜板５６が設けられている。
実施例では、４枚の傾斜板５６を直角に組み合わせて平面視で十字状に形成させ、下からの水流を各傾斜板５６によって図４の矢印Ａで示す反時計方向に向きを変えさせることで、前記噴射管５５ａのネジ部５７の緩みを防止させながら左回りの渦流を生じさせ、噴出口５５から上向きに生じた水流に渦流による回転を加えるようにしている。
尚、前記傾斜板５６は必ずしも必要でなく、単なる直管によって噴射管５５ａを形成しても良い。
【００３３】
前記噴出口５５の周囲を囲むように洗浄水槽２の底部に環状空気管６が配管され、この環状空気管６の上面に少なくとも前記噴出口５５の周囲３方に配置するように３個の曝気ノズル６ａが取り付けられている。
実施例では、前記環状空気管６は平面視で方形に形成され、その４方の辺を構成する管部分にそれぞれ３個ずつ合計１２個の曝気ノズル６ａが取り付けられている。
【００３４】
又、前記各曝気ノズルは、図１に示すように、上端側を円周方向に角度θを持って傾斜させて水流に渦流を生じさせるように取り付けられている。
この場合の傾斜方向は、環状空気管６の延在方向と平行で、前記噴出口５５からの水流の渦流方向とほぼ同方向になるように、前記噴出口５５を中心として概ね左回りの気泡の渦流を生じさせるように取り付けられている。
【００３５】
尚、噴出口５５からの水流の渦流方向と、各曝気ノズル６ａからの気泡の渦流方向を同方向にすると渦流の勢いが向上して洗浄効果を向上できるし、又、噴出口５５からの水流の渦流方向と各曝気ノズル６ａからの気泡の渦流方向を逆方向にすることも可能であり、この場合には水流と気泡とが乱れた乱流になり、これによっても洗浄効果を向上できる。
前記各曝気ノズル６ａの傾斜は必ずしも必要でなく、真上に向けて取り付けても良い。
【００３６】
前記環状空気管６の形状は、平面視で円形に形成しても良いし、また、曝気ノズル６ａの個数についても、例えば円周方向に４５度間隔で合計１２個としてもよく、少なくとも噴出口５５の周囲３方に配置するように３個の曝気ノズルを有していれば良い。
【００３７】
本発明の食品洗浄装置は、洗浄水槽２内に着脱可能に装着される洗浄カゴ９を使用して洗浄する。
この洗浄カゴ９は、前記洗浄水槽２内に納まるような外径の筒形カゴに形成され、筒状胴部９０の底部に底部スクリーン９２が設けられると共に、筒状胴部９０の上端９５にスクリーン筒部９３が設けられ、そのスクリーン筒部９３の上端に取手９４が取り付けられている。
尚、図３では洗浄カゴ９の図示を省略している。
【００３８】
この洗浄カゴ９は、筒状胴部９０の下端縁を洗浄水槽２の底部内周面に突設した受け板２９に載置させることで着脱可能に装着されるが、その装着状態で筒状胴部９０の上端９５が洗浄水槽２のオーバーフロー縁２２に概ね一致するように形成されている。
【００３９】
洗浄カゴ９を着脱させるための装着構造としては、前記受け板２９以外に、例えば、筒状胴部９０の上端部外周面に止め部材（図示省略）を取り付け、この止め部材を洗浄水槽２の上端縁に着脱可能に載置させる構造等、適宜な装着構造を採用できる。
【００４０】
なお、洗浄カゴ９の筒状胴部９０は、平板で形成しても良いし、パンチング板や金網等で形成しても良い。
実施例のスクリーン筒部９３は、多数の細棒を所定の間隔で傾斜させた櫛歯状スクリーンに形成されているが、多数の細棒を所定の間隔で垂直方向に並設させたり、水平方向に並設させたり、格子状に形成させてもよい。
【００４１】
また、スクリーン筒部９３は、櫛歯状スクリーンに限らず、パンチング板や金網等で形成しても良い。この場合、櫛歯の間隔、パンチング孔の孔径、網目の大きさ等は洗浄対象となる食品の種類等に応じて適宜に決定する。
前記筒状胴部９０及びスクリーン筒部９３を、パンチング板や金網で形成した場合、筒状胴部９０とスクリーン筒部９３を一体のパンチング板や金網で形成させて兼用させることができる。
また、底部スクリーン９２についてもパンチング板や金網で形成できる。
又、スクリーン筒部９３は、必ずしも設ける必要はないし、必要に応じて取り付けたり、取り外したりできるように着脱可能にしてもよい。
【００４２】
このように、洗浄水槽２内に着脱可能に装着される洗浄カゴ９を備えることで、被洗浄物を洗浄カゴ９に収容した状態で洗浄することができる。このため、被洗浄物の投入作業や取り出し作業等の取り扱いを容易にさせて能率よく作業を行なうことができるし、作業者の労力負担を軽減させることができる。
【００４３】
前記底部スクリーン９２の中央部分に水流遮断板９２ａが形成されている。
前記水流遮断板９２ａの形状は、正方形、円形、楕円形等、長方形等、水流を遮断する機能を有していれば特に形状に制限はないし、サイズについては、曝気ノズルからの気泡の噴出をできるだけ遮ることがないようにするのが好ましい。
【００４４】
又、前記水流遮断板９２ａの中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔（図示省略）を形成してもよい。この通水小孔によって水流遮断板９２ａを通過する若干の上向水流を生じさせ、この上向水流によって洗浄水槽２の中央に寄せ集った被洗浄物を下から煽って分散させることができる。
【００４５】
尚、噴出口５５から上向きに流動する水流を遮る手段として、前記した洗浄カゴ９の底部スクリーン９２の中央部分に水流遮断板９２ａを形成させる以外に、図７に示すように、圧力水管５１にステー５９を介して噴出口５５の上方を遮るように水流遮断板５８を取り付けるようにしてもよい。
この図７で示した噴射管５５ａには、図４及び図５で示した傾斜板５６を設けていない。
【００４６】
従って、本実施例の食品洗浄装置では、洗浄カゴ９内に被洗浄食品を収容させて洗浄水槽２内に沈め、載置させる。
そして、循環ポンプ８を作動させて、濾過水槽７内の洗浄水を圧力水管５１の噴出口５５から上向きに噴射させ、かつブロア６０を作動させて環状空気管６の曝気ノズル６ａから気泡を上向きに噴出させる。
即ち、圧力水管５１の噴出口５５から上向きに噴射させる水の勢いによる水流と、噴出口５５の周囲において少なくとも３個の曝気ノズル６ａから上向きに噴出させる気泡との組み合わせによって洗浄を行うことができる。
【００４７】
この場合、被洗浄食品は水噴射口５５からの水流により洗浄水槽２の中央部で上向きに押し上げられたのち洗浄水槽２の周囲で沈もうとするが、その沈もうとする食品に対して曝気による気泡が下から押し上げようとするため、食品は水流と気泡により煽られて浮沈反転を繰り返すことになる。
従って、比重が重く水に沈み易い食品であっても、満遍なく均一な洗浄ができ、十分な洗浄効果を得ることができる。
【００４８】
この場合、洗浄作業に際し、循環ポンプ８及びブロア６０の作動スイッチが入ると、同時に洗浄時間を設定したタイマ（図示せず）が作動し、このタイマによる設定時間になると、循環ポンプ８及びブロア６０の作動スイッチが切れ、洗浄が終了するように制御されている。
【００４９】
このようにして洗浄が終了すると、洗浄カゴ９を洗浄水槽２から引き上げ、内部の洗浄済み食品を所定に取り出すことで１回の洗浄サイクルが終了する。
【符号の説明】
【００５０】
１ 機枠
２ 洗浄水槽
２０ フランジ面
２０ａ 円弧状フランジ面
２０ｂ 平行フランジ部
２２ オーバーフロー縁
２３ 集水口
２４ 樋状流路
２５ 回収管
２６ 排出口
２９ 受け部材
５１ 圧力水管
５５ 噴出口
５５ａ 噴射管
５６ 傾斜板
５７ ネジ部
５８ 水流遮断板
５９ ステー
６ 環状空気管
６ａ 曝気ノズル
６０ ブロア
７ 濾過水槽
７０ ドレン排水弁
７１ 濾過用メッシュ袋
７２ オーバーフロー孔
７３ 給水管
８ 循環ポンプ
９ 洗浄カゴ
９０ 筒状胴部
９２ 底部スクリーン
９２ａ 水流遮断板
９３ スクリーン筒部
９４ 取手
９５ 上端
【技術分野】
【０００１】
本発明は、野菜や海藻等の食品に付着したゴミ等（虫や異物汚れ等）を洗い流すために用いられる食品洗浄装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、被洗浄物を洗浄水槽内で洗浄させるようにした食品洗浄装置が提案されている（特許文献１参照）。
この従来の食品洗浄装置は本願出願人が既に提案したもので、濾過水槽に設けた循環ポンプから洗浄水槽の底部に延長して圧力水管を配管させ、この圧力水管の先端に上向きに開口した噴出口を形成させると共に、圧力水管の途中に曝気用泡発生装置を設けていた。
そして、圧力水管の先端に形成した噴出口から気泡を含んだ洗浄水（含気水）を洗浄水槽内で上向きに噴射させることで被洗浄物を下から煽って洗浄させていくものであった。
【０００３】
上記したように圧力水管の先端に形成した噴出口から気泡を含んだ洗浄水（含気水）を洗浄水槽内で上向きに噴射させることで被洗浄物を下から煽って洗浄させる洗浄方法では、被洗浄物がキャベツやレタス等の葉物野菜のような比重が小さい食品の場合には、この気泡を含んだ洗浄水（含気水）によって被洗浄物を下から煽って浮沈反転を繰り返し行わせることが容易で、十分な洗浄効果を得ることができた。
【０００４】
他方、ニンニク、塩蔵キュウリ、ジャガイモ、生姜、小肉片、カット大根、カット人参などの比重が大きい食品の場合には、気泡を含んだ洗浄水（含気水）だけでは被洗浄物を下から煽って浮沈反転を繰り返し行わせるには不十分であり、結果として十分な洗浄効果を得ることができないという問題を残していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特許第４４１４４８２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は比重が小さな被洗浄物は勿論、比重が大きな被洗浄物であっても、これを容易に下から煽って浮沈反転を繰り返し行わせ、結果として十分な洗浄効果を得ることができるようにした食品洗浄装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために本発明は以下のような構成を採用した。
即ち、請求項１記載の食品洗浄装置は、
内部に洗浄水を収容させる洗浄水槽（２）と、
この洗浄水槽（２）の上端縁に形成されたオーバーフロー縁（２２）と、
前記オーバーフロー縁（２２）からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させる濾過水槽（７）と、
筒状胴部（９０）の底部に底部スクリーン（９２）が設けられ、前記洗浄水槽（２）内に着脱可能に装着される洗浄カゴ（９）と、
前記濾過水槽（７）の濾過済み洗浄水を圧送させるための循環ポンプ（８）と、
この循環ポンプ（８）から洗浄水槽（２）の底部中央に延長して配管され、先端に上向き開口した噴出口（５５）が形成された圧力水管（５１）と、
前記噴出口（５５）の周囲を囲むように洗浄水槽（２）の底部にブロア（６０）に接続して配管された環状空気管（６）と、
少なくとも前記噴出口（５５）の周囲３方に配置するように前記環状空気管（６）に取り付けられた少なくとも３個の曝気ノズル（６ａ）を備えている構成とした。
【０００８】
請求項２記載の食品洗浄装置は、請求項１記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の噴出口（５５）の真上上方に位置するように前記洗浄カゴ（９）の底部スクリーン（９２）の中央部に水流遮断板（９２ａ）が形成されている構成とした。
【０００９】
請求項３記載の食品洗浄装置は、請求項１又は２記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の先端に形成した噴出口（５５）の内部に水流に渦流を生じさせるための傾斜板（５６）が設けられている構成とした。
【００１０】
請求項４記載の食品洗浄装置は、請求項１又は２又は３記載の食品洗浄装置において、前記曝気ノズル（６ａ）が上端側を円周方向に傾斜させて水流に渦流を生じさせるように形成されている構成とした。
【００１１】
請求項５記載の食品洗浄装置は、請求項１〜４のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）に噴出口（５５）の上方を遮るように水流遮断板（５８）が取り付けられている構成とした。
【発明の効果】
【００１２】
本発明（請求項１）の食品洗浄装置は、濾過水槽に設けた循環ポンプから洗浄水槽の底部中央に延長して圧力水管を配管させ、その圧力水管の先端に上向き開口して噴出口を形成させ、かつ前記噴出口の周囲を囲むように洗浄水槽の底部に環状空気管をブロアに接続して配管させ、この環状空気管に少なくとも前記噴出口の周囲３方に配置するように少なくとも３個の曝気ノズルを取り付けた構成に特徴がある。
【００１３】
即ち、圧力水管の噴出口から上向きに噴射させる水の勢いによる水流と、噴出口の周囲において少なくとも３個の曝気ノズルから上向きに噴出させる気泡との組み合わせによる洗浄方法である。
【００１４】
これにより、被洗浄食品は水噴射口からの水流により洗浄槽の中央部で上向きに押し上げられたのち洗浄水槽の周囲で沈もうとするが、その沈もうとする食品に対して曝気による気泡が下から押し上げようとするため、食品は水流と気泡により煽られて浮沈反転を繰り返し行うことになる。
従って、比重が重く水に沈み易い食品であっても、満遍なく均一な洗浄ができ、十分な洗浄効果を得ることができる。
【００１５】
次に、本発明（請求項２）の食品洗浄装置は、圧力水管の噴出口を上向きに開口させた上で、その噴出口の真上上方に位置するように洗浄カゴの底部スクリーンの中央部分に水流遮断板を形成させたものである。
【００１６】
圧力水管の先端に上向きに開口した噴出口を形成させると、水流の主流が上向きに生じるため、水流を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散し難くなる。
そこで、洗浄カゴの底部スクリーンの中央部分に水流遮断板を形成させ、上向きに流動する水流の主流を水流遮断板により遮ることで、放射状の水流を生じさせ、これにより上向きの水流を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散させることができ、満遍なく均一な洗浄ができる。
【００１７】
尚、噴出口から上向きに流動する水流を遮る手段として、前記したように洗浄カゴの底部スクリーンの中央部分に水流遮断板を形成させる以外に、圧力水管に噴出口の上方を遮るように水流遮断板を取り付けるようにしてもよい（請求項５）。
【００１８】
又、圧力水管の先端に形成した噴出口の内部に傾斜板を設けると（請求項３）、噴出口から上向きに生じた水流に渦流による回転を加えることができる。
これにより、上向水流と回転水流とによって被洗浄物を多方向から煽って分散させることができ、洗浄効果をより一層向上させることができる。
【００１９】
又、曝気ノズルを、上端側を円周方向に傾斜させて水流に渦流を生じさせるように形成させると（請求項４）、曝気ノズルから噴出させる気泡に渦流による回転を加えることができる。
これにより、被洗浄物を多方向から煽って分散させることができ、洗浄効果をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の実施例に係る食品洗浄装置を示す正面断面図である。
【図２】その食品洗浄装置を示す側面断面図である。
【図３】その食品洗浄装置を示し、洗浄カゴの図示を省略した平面図である。
【図４】その食品洗浄装置に設けた圧力水管の噴出口を示す斜視図である。
【図５】その圧力水管の噴出口に取り付ける傾斜板を上方から見た斜視図である。
【図６】その食品洗浄装置に設けた洗浄カゴを示す平断面図である。
【図７】その食品洗浄装置に設けた水流遮蔽板の他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
本実施例の食品洗浄装置は、機枠１に組み付けられた洗浄水槽２と濾過水槽７を備えている。
【００２２】
前記洗浄水槽２は、上面が開口した円形容器に形成されている。
実施例の洗浄水槽２は円形容器に形成されているが、これに限らず、角形容器に形成してもよく、又、底面が中央に向けて次第に縮小した逆錐形底面に形成された円形容器や角形容器に形成しても良い。
【００２３】
前記洗浄水槽２の上端縁はその全周がオーバーフロー縁２２に形成され、このオーバーフロー縁２２の全外周に外向きのフランジ面２０が形成され、このフランジ面２０に連続して前記洗浄水槽２の直径よりも幅広に開口した集水口２３が形成されている。
【００２４】
実施例では、洗浄水槽２の半周部分に一定幅の円弧状フランジ面２０ａを形成させ、洗浄水槽２の他方の半周部分に前記円弧状フランジ部２０ａの両端から接線方向に延長して平行フランジ部２０ｂ，２０ｂを形成させ、この平行フランジ部２０ｂ，２０ｂの幅全体を集水口２３の幅として形成させている。これにより集水面積を広くとることができる。
【００２５】
前記集水口２３は樋状流路２４に接続され、この樋状流路２４の底部に回収管２５が接続され、この回収管２５が前記濾過水槽７内に延長されている。
【００２６】
前記濾過水槽７は、前記洗浄水槽２のオーバーフロー縁２２からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させるもので、方形容器に形成されている。
【００２７】
この濾過水槽７の内部には循環ポンプ８として水中ポンプが設置され、この循環ポンプ８による圧送で濾過水槽７内の洗浄水を前記洗浄水槽２に循環させる。この循環ポンプ８としては低圧ポンプを使用できる。
また、濾過水槽７には、洗浄作業の間は給水管７３により常に給水され、また、汚れた洗浄水はオーバーフロー孔７２から装置外に排出させるようになっている。
【００２８】
前記回収管２５の濾過水槽７内での排出口２６には、濾過用メッシュ袋７１が着脱可能に取り付けられている。
この濾過用メッシュ袋７１は、綿、麻、合成樹脂材によるメッシュで形成され、その口部を前記排出口２６に被せて縛ることにより着脱可能に取り付けるようになっている。
【００２９】
従って、洗浄水槽２のオーバーフロー縁２２を越流したオーバーフロー水（洗浄水）はフランジ面２０を流れて集水口２３に流入し、さらに樋状流路２４から回収管２５を経て前記濾過水槽７内に流入し、ここで濾過用メッシュ袋７１によりゴミ等が除去され濾過される。
なお、図２では濾過水槽７の図示を省略している。
【００３０】
又、オーバーフロー縁２２を洗浄水槽２の上端縁の全縁に亘って形成させているので、洗浄水槽２のどこからでもオーバーフローさせることができ、ゴミ等を含む洗浄水がオーバーフローできずに滞留してしまうといったことがない。
また、集水口２３の開口幅を洗浄水槽２の直径よりも幅広に形成させているので、集水面積を広くとることができ、ゴミ等を含む洗浄水の流れをスムーズさせて、確実に濾過水槽７に流入させることができる。
【００３１】
前記循環ポンプ８から洗浄水槽２の底部中央に延長して圧力水管５１が配管され、この圧力水管５１の先端に図４に示すような噴射管５５ａがネジ部５７の螺合によって取り付けられ、この噴射管５５ａに上向きに開口した噴出口５５が形成されている。
【００３２】
前記噴出口５５の内部には、図５で示すように、噴出水流に渦流を生じさせるための傾斜板５６が設けられている。
実施例では、４枚の傾斜板５６を直角に組み合わせて平面視で十字状に形成させ、下からの水流を各傾斜板５６によって図４の矢印Ａで示す反時計方向に向きを変えさせることで、前記噴射管５５ａのネジ部５７の緩みを防止させながら左回りの渦流を生じさせ、噴出口５５から上向きに生じた水流に渦流による回転を加えるようにしている。
尚、前記傾斜板５６は必ずしも必要でなく、単なる直管によって噴射管５５ａを形成しても良い。
【００３３】
前記噴出口５５の周囲を囲むように洗浄水槽２の底部に環状空気管６が配管され、この環状空気管６の上面に少なくとも前記噴出口５５の周囲３方に配置するように３個の曝気ノズル６ａが取り付けられている。
実施例では、前記環状空気管６は平面視で方形に形成され、その４方の辺を構成する管部分にそれぞれ３個ずつ合計１２個の曝気ノズル６ａが取り付けられている。
【００３４】
又、前記各曝気ノズルは、図１に示すように、上端側を円周方向に角度θを持って傾斜させて水流に渦流を生じさせるように取り付けられている。
この場合の傾斜方向は、環状空気管６の延在方向と平行で、前記噴出口５５からの水流の渦流方向とほぼ同方向になるように、前記噴出口５５を中心として概ね左回りの気泡の渦流を生じさせるように取り付けられている。
【００３５】
尚、噴出口５５からの水流の渦流方向と、各曝気ノズル６ａからの気泡の渦流方向を同方向にすると渦流の勢いが向上して洗浄効果を向上できるし、又、噴出口５５からの水流の渦流方向と各曝気ノズル６ａからの気泡の渦流方向を逆方向にすることも可能であり、この場合には水流と気泡とが乱れた乱流になり、これによっても洗浄効果を向上できる。
前記各曝気ノズル６ａの傾斜は必ずしも必要でなく、真上に向けて取り付けても良い。
【００３６】
前記環状空気管６の形状は、平面視で円形に形成しても良いし、また、曝気ノズル６ａの個数についても、例えば円周方向に４５度間隔で合計１２個としてもよく、少なくとも噴出口５５の周囲３方に配置するように３個の曝気ノズルを有していれば良い。
【００３７】
本発明の食品洗浄装置は、洗浄水槽２内に着脱可能に装着される洗浄カゴ９を使用して洗浄する。
この洗浄カゴ９は、前記洗浄水槽２内に納まるような外径の筒形カゴに形成され、筒状胴部９０の底部に底部スクリーン９２が設けられると共に、筒状胴部９０の上端９５にスクリーン筒部９３が設けられ、そのスクリーン筒部９３の上端に取手９４が取り付けられている。
尚、図３では洗浄カゴ９の図示を省略している。
【００３８】
この洗浄カゴ９は、筒状胴部９０の下端縁を洗浄水槽２の底部内周面に突設した受け板２９に載置させることで着脱可能に装着されるが、その装着状態で筒状胴部９０の上端９５が洗浄水槽２のオーバーフロー縁２２に概ね一致するように形成されている。
【００３９】
洗浄カゴ９を着脱させるための装着構造としては、前記受け板２９以外に、例えば、筒状胴部９０の上端部外周面に止め部材（図示省略）を取り付け、この止め部材を洗浄水槽２の上端縁に着脱可能に載置させる構造等、適宜な装着構造を採用できる。
【００４０】
なお、洗浄カゴ９の筒状胴部９０は、平板で形成しても良いし、パンチング板や金網等で形成しても良い。
実施例のスクリーン筒部９３は、多数の細棒を所定の間隔で傾斜させた櫛歯状スクリーンに形成されているが、多数の細棒を所定の間隔で垂直方向に並設させたり、水平方向に並設させたり、格子状に形成させてもよい。
【００４１】
また、スクリーン筒部９３は、櫛歯状スクリーンに限らず、パンチング板や金網等で形成しても良い。この場合、櫛歯の間隔、パンチング孔の孔径、網目の大きさ等は洗浄対象となる食品の種類等に応じて適宜に決定する。
前記筒状胴部９０及びスクリーン筒部９３を、パンチング板や金網で形成した場合、筒状胴部９０とスクリーン筒部９３を一体のパンチング板や金網で形成させて兼用させることができる。
また、底部スクリーン９２についてもパンチング板や金網で形成できる。
又、スクリーン筒部９３は、必ずしも設ける必要はないし、必要に応じて取り付けたり、取り外したりできるように着脱可能にしてもよい。
【００４２】
このように、洗浄水槽２内に着脱可能に装着される洗浄カゴ９を備えることで、被洗浄物を洗浄カゴ９に収容した状態で洗浄することができる。このため、被洗浄物の投入作業や取り出し作業等の取り扱いを容易にさせて能率よく作業を行なうことができるし、作業者の労力負担を軽減させることができる。
【００４３】
前記底部スクリーン９２の中央部分に水流遮断板９２ａが形成されている。
前記水流遮断板９２ａの形状は、正方形、円形、楕円形等、長方形等、水流を遮断する機能を有していれば特に形状に制限はないし、サイズについては、曝気ノズルからの気泡の噴出をできるだけ遮ることがないようにするのが好ましい。
【００４４】
又、前記水流遮断板９２ａの中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔（図示省略）を形成してもよい。この通水小孔によって水流遮断板９２ａを通過する若干の上向水流を生じさせ、この上向水流によって洗浄水槽２の中央に寄せ集った被洗浄物を下から煽って分散させることができる。
【００４５】
尚、噴出口５５から上向きに流動する水流を遮る手段として、前記した洗浄カゴ９の底部スクリーン９２の中央部分に水流遮断板９２ａを形成させる以外に、図７に示すように、圧力水管５１にステー５９を介して噴出口５５の上方を遮るように水流遮断板５８を取り付けるようにしてもよい。
この図７で示した噴射管５５ａには、図４及び図５で示した傾斜板５６を設けていない。
【００４６】
従って、本実施例の食品洗浄装置では、洗浄カゴ９内に被洗浄食品を収容させて洗浄水槽２内に沈め、載置させる。
そして、循環ポンプ８を作動させて、濾過水槽７内の洗浄水を圧力水管５１の噴出口５５から上向きに噴射させ、かつブロア６０を作動させて環状空気管６の曝気ノズル６ａから気泡を上向きに噴出させる。
即ち、圧力水管５１の噴出口５５から上向きに噴射させる水の勢いによる水流と、噴出口５５の周囲において少なくとも３個の曝気ノズル６ａから上向きに噴出させる気泡との組み合わせによって洗浄を行うことができる。
【００４７】
この場合、被洗浄食品は水噴射口５５からの水流により洗浄水槽２の中央部で上向きに押し上げられたのち洗浄水槽２の周囲で沈もうとするが、その沈もうとする食品に対して曝気による気泡が下から押し上げようとするため、食品は水流と気泡により煽られて浮沈反転を繰り返すことになる。
従って、比重が重く水に沈み易い食品であっても、満遍なく均一な洗浄ができ、十分な洗浄効果を得ることができる。
【００４８】
この場合、洗浄作業に際し、循環ポンプ８及びブロア６０の作動スイッチが入ると、同時に洗浄時間を設定したタイマ（図示せず）が作動し、このタイマによる設定時間になると、循環ポンプ８及びブロア６０の作動スイッチが切れ、洗浄が終了するように制御されている。
【００４９】
このようにして洗浄が終了すると、洗浄カゴ９を洗浄水槽２から引き上げ、内部の洗浄済み食品を所定に取り出すことで１回の洗浄サイクルが終了する。
【符号の説明】
【００５０】
１ 機枠
２ 洗浄水槽
２０ フランジ面
２０ａ 円弧状フランジ面
２０ｂ 平行フランジ部
２２ オーバーフロー縁
２３ 集水口
２４ 樋状流路
２５ 回収管
２６ 排出口
２９ 受け部材
５１ 圧力水管
５５ 噴出口
５５ａ 噴射管
５６ 傾斜板
５７ ネジ部
５８ 水流遮断板
５９ ステー
６ 環状空気管
６ａ 曝気ノズル
６０ ブロア
７ 濾過水槽
７０ ドレン排水弁
７１ 濾過用メッシュ袋
７２ オーバーフロー孔
７３ 給水管
８ 循環ポンプ
９ 洗浄カゴ
９０ 筒状胴部
９２ 底部スクリーン
９２ａ 水流遮断板
９３ スクリーン筒部
９４ 取手
９５ 上端
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内部に洗浄水を収容させる洗浄水槽（２）と、
この洗浄水槽（２）の上端縁に形成されたオーバーフロー縁（２２）と、
前記オーバーフロー縁（２２）からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させる濾過水槽（７）と、
筒状胴部（９０）の底部に底部スクリーン（９２）が設けられ、前記洗浄水槽（２）内に着脱可能に装着される洗浄カゴ（９）と、
前記濾過水槽（７）の濾過済み洗浄水を圧送させるための循環ポンプ（８）と、
この循環ポンプ（８）から洗浄水槽（２）の底部中央に延長して配管され、先端に上向き開口した噴出口（５５）が形成された圧力水管（５１）と、
前記噴出口（５５）の周囲を囲むように洗浄水槽（２）の底部にブロア（６０）に接続して配管された環状空気管（６）と、
少なくとも前記噴出口（５５）の周囲３方に配置するように前記環状空気管（６）に取り付けられた少なくとも３個の曝気ノズル（６ａ）を備えていることを特徴とする食品洗浄装置。
【請求項２】
請求項１記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の噴出口（５５）の真上上方に位置するように前記洗浄カゴ（９）の底部スクリーン（９２）の中央部に水流遮断板（９２ａ）が形成されている食品洗浄装置。
【請求項３】
請求項１又は２記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の先端に形成した噴出口（５５）の内部に水流に渦流を生じさせるための傾斜板（５６）が設けられている食品洗浄装置。
【請求項４】
請求項１又は２又は３記載の食品洗浄装置において、前記曝気ノズル（６ａ）が上端側を円周方向に傾斜させて水流に渦流を生じさせるように形成されている食品洗浄装置。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）に噴出口（５５）の上方を遮るように水流遮断板（５８）が取り付けられている食品洗浄装置。
【請求項１】
内部に洗浄水を収容させる洗浄水槽（２）と、
この洗浄水槽（２）の上端縁に形成されたオーバーフロー縁（２２）と、
前記オーバーフロー縁（２２）からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させる濾過水槽（７）と、
筒状胴部（９０）の底部に底部スクリーン（９２）が設けられ、前記洗浄水槽（２）内に着脱可能に装着される洗浄カゴ（９）と、
前記濾過水槽（７）の濾過済み洗浄水を圧送させるための循環ポンプ（８）と、
この循環ポンプ（８）から洗浄水槽（２）の底部中央に延長して配管され、先端に上向き開口した噴出口（５５）が形成された圧力水管（５１）と、
前記噴出口（５５）の周囲を囲むように洗浄水槽（２）の底部にブロア（６０）に接続して配管された環状空気管（６）と、
少なくとも前記噴出口（５５）の周囲３方に配置するように前記環状空気管（６）に取り付けられた少なくとも３個の曝気ノズル（６ａ）を備えていることを特徴とする食品洗浄装置。
【請求項２】
請求項１記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の噴出口（５５）の真上上方に位置するように前記洗浄カゴ（９）の底部スクリーン（９２）の中央部に水流遮断板（９２ａ）が形成されている食品洗浄装置。
【請求項３】
請求項１又は２記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）の先端に形成した噴出口（５５）の内部に水流に渦流を生じさせるための傾斜板（５６）が設けられている食品洗浄装置。
【請求項４】
請求項１又は２又は３記載の食品洗浄装置において、前記曝気ノズル（６ａ）が上端側を円周方向に傾斜させて水流に渦流を生じさせるように形成されている食品洗浄装置。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管（５１）に噴出口（５５）の上方を遮るように水流遮断板（５８）が取り付けられている食品洗浄装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−２４０５１（Ｐ２０１２−２４０５１Ａ）
【公開日】平成２４年２月９日（２０１２．２．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１６８０８８（Ｐ２０１０−１６８０８８）
【出願日】平成２２年７月２７日（２０１０．７．２７）
【特許番号】特許第４６４７０３７号（Ｐ４６４７０３７）
【特許公報発行日】平成２３年３月９日（２０１１．３．９）
【出願人】（３９１０２１６０６）小嶺機械株式会社 (17)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年２月９日（２０１２．２．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年７月２７日（２０１０．７．２７）
【特許番号】特許第４６４７０３７号（Ｐ４６４７０３７）
【特許公報発行日】平成２３年３月９日（２０１１．３．９）
【出願人】（３９１０２１６０６）小嶺機械株式会社 (17)
【Ｆターム（参考）】
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