説明

食器洗い機

【課題】 操作部に食器・調理器具の汚れの元となる調理内容を表示した自動洗浄用のメニューキーを設けることで、使用者の安易な判断なく、最適な洗浄を行える食器洗い機を得る。
【解決手段】 食器・調理器具の洗浄を行う食器洗い機の操作部1に、調理内容を表示した調理内容別運転コース表示部2やおまかせコース21を設け、使用者が食器・調理器具の汚れ成分(種類)を考えることなく、載置したメニューを選択することにより、メニューつまり汚れ成分に最適な洗浄を行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食器・調理器具を洗浄する食器洗い機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食器洗い機においては、操作部に洗浄コース(スピーディー、標準、念入り)が表示され、使用者が食器の汚れを判断して洗浄コースを選定している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−14624号公報(第13頁、第一図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の食器洗い機では、食器・調理器具の使用者が調理内容に関わらず、食器・調理器具の汚れ具合から洗浄コースを選定するため、必要以上の無駄な洗浄時間、洗剤量を要してしまったり、逆に洗浄時間、洗剤量が不足し、仕上がりが不満足になるという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、操作部に食器・調理器具の汚れの元となる調理内容を表示した自動洗浄用のメニューキーを設けることで、使用者の安易な判断なく、最適な洗浄を行えることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る食器洗い機においては、食器・調理器具の洗浄を行う食器洗い機において、前記食器・調理器具に載置・調理される調理物の内容を表示した自動洗浄用のメニューキーを設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は以上説明したように、調理内容を表示した自動洗浄用のメニューキーを設けたことにより、使用者が食器・調理器具の汚れの度合や成分を判断することなく、洗剤や洗浄時間の無駄を防ぎ、最適な洗浄を行えうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における食器洗い機の操作部を示す構成図である。なお、ここでは、乾燥機能を有する食器洗い機で説明する。図において、操作部1には調理内容別運転コース表示部2が表示されており、調理内容別運転コース表示部2(特許請求の範囲で言う調理物の内容を表示した自動洗浄用のメニューキー)は「洋食」3/「和食」4/「中華」5/「主食」6に分類されている。調理内容別運転コース表示部2の「洋食」3には「焼き物」コース7/「煮物」コース8/「卵」コース9、「和食」4には「焼き物」コース10/「煮物」コース11/「揚げ物」コース12、「中華」5には「焼き物」コース13/「炒め物」コース14/「蒸し物」コース15、「主食」6には「米飯茶碗」コース16/「米飯大皿」コース17/「パン」コース18/「和麺」コース19/「洋麺」コース20が表示されている。また、「洋食」3の「焼き物」7には、さらに使用者が直ぐ判断できるように、具体的なメニューである「ステーキ」「ハンバーグ」、「煮物」8には「カレー」「シチュー」、「和食」4の「焼き物」10には「焼き魚」「照り焼き」、「煮物」11には「肉じゃが」「野菜」、「揚げ物」12には「フライ」「天ぷら」、「中華」5の「焼き物」13には「餃子」、「炒め物」14には「八宝菜」「酢豚」、「蒸し物」15には「しゅうまい」などそれぞれ具体的なメニューが表示される。この具体的なメニューの選択は、各表示部を押すことにより選択できる。また、調理内容別運転コース表示部2に表示されたメニューは、複数選択することができる。
【0009】
操作部1には、調理内容別運転コース表示部2に表示されたメニューにない料理の洗浄、時間または洗剤量を制御するだけで良い場合に対応したおまかせコース21が表示されている。おまかせコース21は3つに分類され、「標準コース」22/「スピードコース」23/「しっかりコース」24が表示されている。このおまかせコース21は、食器・調理器具の汚れの種類(成分)、量に関わらず、「標準コース」22の時間・洗剤量を1とするならば、「スピードコース」23は時間・洗剤量を0.5倍、「しっかりコース」24は時間・洗剤量を1.5倍に制御した運転コースである。また、乾燥運転のみの「乾燥コース」25には、「30分」26/「45分」27/「60分」28が表示されている。なお、この乾燥コースを調理内容別運転コースで選択した運転コースの洗浄の後に自動的に行いたい場合は、調理内容別運転コースのメニューキーと乾燥コースのメニューキーの両方を押すことにより選択できる。
【0010】
調理内容別運転コース表示部2に表示されたメニューを選択した場合、またはおまかせコース21に表示されたメニューを選択した場合に投入する洗剤量は、洗剤量指示図29に表示され、一番下の目盛りが標準の1/3量、下から2番目の目盛りが2/3量である。
【0011】
「電源 入/切」30は、押すことにより、食器洗い乾燥機の電源投入・切断を行うものであり、「スタート 一時停止」31は、運転コースを選択した後、押すことにより、運転のスタートまたは運転の一旦途中停止を兼ねている。
【0012】
まず、調理内容別運転コース表示部2の各行程について説明する。図2は、調理内容別運転コースの各工程における目標予備洗い水温、本洗い水温、運転時間、洗剤量設定の一例を示す図である。従来の食器洗い乾燥機の食器・調理器具を洗浄・乾燥するための運転コースにおいては、高融点油脂汚れの洗浄、被洗浄物の除菌などを目的として、洗浄工程においては約60℃、最終すすぎ工程においては、約70〜80℃の高温まで洗浄水を昇温し、乾燥工程においては約80℃の高温風を洗浄槽内に送風している。しかし、例えば、カレーライスに生卵をかけて食べた場合、油脂・でんぷん量も多いが、卵が半熟状態となり、部分的に熱変性しているため、洗浄工程で60℃以上の高温水に接触すると加熱固化し、洗浄しにくくなるという問題が生じる。また、熱変性後の卵も60℃以上の高温水では洗浄しにくくなる。この実施の形態1の食器洗い機においては、従来の食器洗い乾燥機と同様の食器・調理器具の洗浄を行う「標準コース」「スピードコース」「しっかりコース」の他に、調理内容別運転コースを設け、特に卵をメニューとして選択したコースにおいては、洗剤投入前の予備洗い温度、洗剤投入後の本洗い温度の最終目標水温を低下させ、卵の熱変成固化を防止しているものである。
【0013】
図3は、洗浄温度とでんぷん洗浄効果の関係を示した図であるが、でんぷんは洗浄温度が高い程、特に、70℃以上で洗浄効果が高まるため、でんぷん量が多いメニューの場合は、洗浄温度を高めに設定する。図4は、洗浄温度と脂肪洗浄効果の関係を示した図であるが、脂肪も70℃以上で効果を著しく発揮するため、脂肪量が多いメニューの場合は、洗浄温度を高めに設定する。特に、中華料理、和食の揚げ物などは、洋食より油を多く使用するため、予備洗い温度を高くし、温水で油を溶解流してしまうと良い。図5は、洗浄温度と蛋白質洗浄効果の関係を示した図であるが、蛋白質は熱により変性してしまうため、洗浄温度は低めに設定しなけばならない。選択メニューで、卵が選択された場合は、でんぷん量、脂肪量の多さに関わらず、洗浄温度、特に予備洗い温度は低めに設定する。でんぷん量、脂肪量が多く、卵が選択された場合は、洗浄時間を長くすることで、温度が低いことの洗浄力低下をカバーする。また、洗剤量も、脂肪量、蛋白質量が多い場合は、多く投入する必要があるため、多めに設定し、少ない場合は、洗剤が無駄になるため、少なめに設定する。このように、図2に示すように、各メニューの予備洗い水温/本洗い水温/運転時間/洗剤量を設定し、各メニューキーを選択することで、自動的にでんぷん量、脂肪量、蛋白質量が判断され、最適な洗浄の運転コースが選択されるため、使用者の安易な判断なく、最適な洗浄を行うことができる。
【0014】
つまり、図2に示すように、選択メニュー「洋食 焼き物」7/「米飯茶碗」17では、でんぷん普通―脂肪多い―蛋白質少ないと判断され、予備洗い温度―時間は60℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―20分、洗剤量を標準(1とする)とする。この設定条件は、「標準コース」も同じである。標準の洗剤濃度とは、例えば、約0.1%である。また「洋食 煮物」8/「米飯 大皿」18では、でんぷん多い―脂肪多い―蛋白質少ないと判断され、予備洗い温度―時間は60℃―7分、本洗い温度―時間は70℃―20分、洗剤量を標準(1とする)とする。「洋食 煮物」8/「米飯 大皿」17と「卵」9では、でんぷん多い―脂肪多い―蛋白質多いと判断され、洗浄温度低め、時間長めで設定され、予備洗い温度―時間は50℃―10分、本洗い温度―時間は60℃―30分、洗剤量を標準(1とする)とする。「洋食 煮物」8/「パン」18では、でんぷん量少ない―脂肪多い―蛋白質少ないと判断され、予備洗い温度―時間は60℃―3分、本洗い温度―時間は70℃―20分、洗剤量を標準(1とする)とする。「和食 焼き物」10/「米飯茶碗」16では、でんぷん普通―脂肪少ない―蛋白質少ないと判断され、洗い時間を短縮し、予備洗い温度―時間は60℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―15分、洗剤量を2/3量とする。「和食 煮物」11/「米飯茶碗」16/「卵」9では、でんぷん普通―脂肪少ない―蛋白質多いと判断され、洗い温度低め、予備洗い温度長めで設定され、予備洗い温度―時間は50℃―10分、本洗い温度―時間は60℃―20分、洗剤量を標準とする。「和食 揚げ物」12/「米飯茶碗」16では、でんぷん量普通―脂肪極めて多い―蛋白質少ないと判断され、予備洗いから高温とし、洗浄時間を短くし、洗剤量を多くし、予備洗い温度―時間は70℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―15分、洗剤量を2/3量とする。「中華 焼き物」13/「米飯茶碗」16及び「中華 炒め物」14/「米飯茶碗」16も、「和食 揚げ物」12/「米飯茶碗」16と同じ運転条件である。「中華 蒸し物」15/「米飯茶碗16」では、でんぷん量普通―脂肪普通―蛋白質少ないと判断され、時間短めで設定され、予備洗い温度―時間は60℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―15分、洗剤量は中華のため標準とする。「和食 揚げ物」12/「和麺」19は、でんぷん量普通―脂肪極めて多い―蛋白質少ないと判断され、温度高めとなり、予備洗い温度―時間は70℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―15分、洗剤量を標準とする。「和麺」19のみでは、でんぷん量普通―脂肪少ない―蛋白質少ないと判断され、時間短めとなり、洗い温度―時間は60℃5分、本洗い温度―時間は70℃―5分、洗剤量を2/3量とする。「洋麺」20では、でんぷん量普通―脂肪多い―蛋白質少ないと判断され、温度高め、時間短めと設定され、予備洗い温度―時間は70℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―20分、洗剤量を標準とする。「洋麺」20と「卵」9では、でんぷん量普通―脂肪多い―蛋白質多いと判断され、温度低めに設定され、予備洗い温度―時間は50℃―10分、本洗い温度―時間は60℃―15分、洗剤量を標準(1とする)とする。
【0015】
このように設定された調理内容別運転コースの動作を、図6のプログラム図で説明する。まず、電源スイッチ30により電源を投入すると、スイッチ自身が点灯し、操作部1に表示されている運転コースを選択することができる。例えば、「洋食 煮物」8/「米飯 大皿」17のメニューを選択した後、スタートボタン31を押すと、でんぷん量多い―脂肪量多い―蛋白質少ない、洗剤量標準と判断され、操作部1の洗剤量指示図29に洗剤量が表示される。使用者は表示された洗剤量の洗剤を食器洗い機にセットし、セットしたことを認識した後、予備洗いが始まる。この場合、時間―温度設定が60℃―7分のため、60℃に達した後、7分間予備洗いを行う。この時、洗剤は投入されない。7分経過した後、排水され、本洗いが始まる。このとき、洗剤が食器洗い機の中に投入され、洗浄水が本洗いの設定温度の70℃に上昇され、達してから20分間本洗いを行った後、排水され、すすぎを2〜3回行い、乾燥運転を行い、終了後、電源スイッチ30が消灯する。
【0016】
次に、おまかせコース21の各工程について説明する。図7は、おまかせコースの各工程における目標予備洗い水温/本洗い水温/運転時間/洗剤量設定の一例を示す図である。「標準コース」22は、自動的にでんぷん量普通―脂肪量普通―蛋白質少ないと判断され、予備予備洗い温度―時間は60℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―20分、洗剤量を標準と設定される。「スピードコース」23は、自動的にでんぷん量少ない―脂肪量少ない―蛋白質少ないと判断され、予備予備洗い温度―時間は60℃3分、本洗い温度―時間は70℃―10分、洗剤量を2/3量と設定される。「しっかりコース」24は、自動的にでんぷん量多い―脂肪量多い―蛋白質多いと判断され、予備予備洗い温度―時間は50℃―15分、本洗い温度―時間は60℃―40分、洗剤量を3/2量と設定される。
【0017】
このように設定されたおまかせコースの動作を、図8のプログラム図で説明する。まず、電源スイッチ30により電源を投入すると、スイッチ自身が点灯し、操作部1に表示されている運転コースを選択することができる。例えば、「標準コース」22を選択した後、スタートボタン31を押すと、でんぷん量普通―脂肪量普通―蛋白質少ない、洗剤量標準と判断され、操作部1の洗剤量指示図29に洗剤量が表示される。使用者は表示された洗剤量を食器洗い機にセットし、セットしたことを認識した後、予備洗いが始まる。予備洗いの設定温度―時間が60℃―5分のため、洗浄水の温度が60℃に達した後、5分間予備洗いを行う。この時、洗剤は投入されない。そして、予備洗いが5分経過した後、排水され、本洗いが始まる。洗剤が食器洗い乾燥機の中に投入され、洗浄水の温度が70℃に上昇する。70℃の洗浄水により20分間洗浄を行なった後、排水され、すすぎが2〜3回行われ、乾燥運転を行い、終了後、電源スイッチ30が消灯する。
【0018】
なお、本洗いで食器・調理器具の汚れは十分に洗浄されるため、すすぎの洗浄水温度は80℃まで達するようにしても良い。
【0019】
次に、乾燥コースについて説明する。乾燥コースのみ使用する場合、使用者自身で、乾燥時間を30分、45分、60分と選択する。電源スイッチ30により電源を投入すると、スイッチ自身が点灯し、「乾燥コース」25を選択することができる。例えば、「30分」26を選択した後、スタートボタン31を押すと、乾燥運転が始まり、30分経過後、自動的に電源が切れて終了し、電源スイッチ30が消灯する。
【0020】
このようにして、食器・調理器具に載置された調理内容別の運転コースを食器洗い機に設けることにより、使用者は食器・調理器具の汚れの成分(種類)を考えることなく、食したメニューを選択することにより、メニューつまり食器・調理器具の汚れ成分に最適な洗浄を行うことができる。また、各コースを複数選択することにより、卵料理などの低温洗浄が適当なメニューを載置した食器・調理器具を同時に洗浄する場合でも、最適な洗浄を行うことができる。
【0021】
なお、図1で示した操作部の構成は一例であり、ダイヤルスイッチにより運転コースを選択する運転コース選択方式、選択専用スイッチを別途設けて1回操作する毎に運転コースを選択することができる方式など、操作部の構成は食器洗い機のデザインなどに応じて、変更することが可能である。
【0022】
また、上記実施の形態1においては、乾燥機能を有する食器洗い機として説明しているが、乾燥機能を有しない洗浄機能のみの食器洗い機であっても同じ効果を奏するものである。
【0023】
実施の形態2.
上記実施の形態1の食器洗い機では、一般洗剤を使用して洗浄を行なっているが、一般洗剤の代わりに、電解アルカリ水を利用しても良い。電解アルカリ水の生成は、食器洗い乾燥機の内部、または、外部でも良い。図9は、電解アルカリ水を利用した食器洗い乾燥機の操作部の構成図で、操作部32には洗剤量の投入量表示はない。電解アルカリ水の洗浄効果は、PHと塩の相乗効果であるが、特に蛋白質に対して、常温でも効果が高い。図10は半熟卵に対する洗浄効果におけるpH値を示す図で、図に示すとおり、pH11以上で急激に洗浄効果が高まる。pH11の塩濃度は0.02%、pH12の塩濃度は0.2%であり、pHと塩水の相乗効果である。また、電解アルカリ水のpHは、図2における洗剤量が標準のときpH11.5に設定され、2/3量ではpH11、3/2量ではpH12と設定される。
【0024】
このように、食器・調理器具に載置される調理内容により、電解アルカリ水のpHが最適に自動設定されるため、洗剤を投入する手間がない。
【0025】
実施の形態3.
図11と図12はこの発明の実施の形態3における食器洗い機と接続した家庭内LANを示した構成図と食器洗い機の操作部の構成図である。図において、家庭用LAN33は、食器洗い機34から、オーブンレンジ35、ロースター36、IHクッキングヒーター37、炊飯器38、冷蔵庫39につながっている。オーブンレンジ35、ロースター36、IHクッキングヒーター37、炊飯器38、冷蔵庫39の使用情報が、予め電源が入っている食器洗い機34に入力され、食器洗い機34に搭載された調理内容別運転コースで自動的に洗浄が行われる。操作部40には、家庭用LAN33に接続している調理機器表示部41と、調理内容別運転コース表示部2と、おまかせコース表示部21と、乾燥コース25と、電源の入切を行うスイッチ「電源 入/切」30と、洗浄または乾燥を開始または一時停止するスイッチ「スタート/一時停止」31と、洗剤量指示図29が表示される。調理機器表示部41には、「オーブンレンジ」42、「ロースター」43、「IHクッキングヒーター」44、「炊飯器」45、「冷蔵庫」46が表示される。なお、調理内容別運転コース表示部2、おまかせコース表示部21、乾燥コース25、「電源 入/切」30、「スタート/一時停止」31、洗剤量指示図29は上記実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
【0026】
このように構成された食器洗い機では、例えば、オーブンレンジ35でシチューを調理し、炊飯器38の入力がない場合、食器洗い乾燥機34において、でんぷん量少ない―脂肪量多い―蛋白質少ないと判断され、予備洗い温度―時間は60℃―3分、本洗い温度―時間は70℃―20分、洗剤量標準と自動的に設定される。また、ロースター36で魚を焼き、炊飯器38でご飯を炊いた信号が、食器洗い乾燥機34に入力されると、食器洗い乾燥機34において、でんぷん量普通―脂肪量少ない―蛋白質少ないと判断され、洗い時間を短縮し、予備洗い温度―時間は60℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―15分、洗剤量を2/3量と自動的に設定される。また、IHクッキングヒーター37で揚げ物を調理し、炊飯器38でご飯を炊いた信号が、食器洗い乾燥機34に入力されると、食器洗い乾燥機34において、でんぷん量普通―脂肪量極めて多い―蛋白質少ないと判断され、予備洗い温度―時間は70℃―5分、本洗い温度―時間は70℃―15分、洗剤量を2/3量と自動的に設定される。また、冷蔵庫39から卵を取り出した場合、冷蔵庫39に搭載されている卵ケースに重量センサなどが取り付けられ、この重量センサにより卵の使用が食器洗い乾燥機33に入力され、自動的に洗い温度が低く設定される。
【0027】
このようにして、オーブンレンジ35、または、ロースター36、または、IHクッキングヒーター37、または、炊飯器38、または、冷蔵庫39からの情報が、食器洗い乾燥機34に入力されると、食器洗い乾燥機35の調理機器表示部41の各機器の表示部が点灯し、洗剤量が表示され、使用者が表示された洗剤を投入した後、「スタート/一時停止」31スイッチを押すと、洗い乾燥が開始するため、使用者は、洗浄コースを選択する手間を省くことができる。
【0028】
さらに、オーブンレンジ35、ロースター36、IHクッキングヒーター37、炊飯器38、冷蔵庫39からの情報入力がない場合でも、操作部40の手入力により、調理内容別運転コース表示部2またはおまかせコース表示部21のコースを選択し、洗浄を行なうことができる。また、乾燥運転のみを行いたい場合は、乾燥コース25を選択することにより乾燥を行うことができる。
【0029】
さらにまた、オーブンレンジ35、ロースター36、IHクッキングヒーター37、炊飯器38、冷蔵庫39からの情報が、食器洗い乾燥機34に入力された状態で、調理機器表示部41の各機器の表示部が点灯した後、調理内容別運転コース表示部2を複数入力選択することもでき、例えば、冷蔵庫39から卵を取り出さず、別の場所から持って来て調理が行われた場合であっても、「卵」コース9を同時選択することで、低温洗浄で食器・調理器具の洗浄を行なうことができる。
【0030】
なお、上記実施の形態3で使用している一般洗剤の代わりに、上記実施の形態2に示すような電解アルカリ水を利用しても良い。
【0031】
また、上記実施の形態3においては、乾燥機能を有する食器洗い機として説明しているが、乾燥機能を有しない洗浄機能のみの食器洗い機であっても同じ効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機の操作部の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機の調理内容別コースの各工程における目標予備洗い水温/本洗い水温/運転時間/洗剤量設定を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機の洗浄温度とでんぷん洗浄効果の関係図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機の洗浄温度と脂肪洗浄効果の関係図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機の洗浄温度と蛋白質洗浄効果の関係図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機の調理内容別運転コースのプログラム図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機のおまかせコースの各工程における目標予備洗い水温/本洗い水温/運転時間/洗剤量設定を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1を示す食器洗い機のおまかせ運転コースのプログラム図である。
【図9】この発明の実施の形態2を示す食器洗い機の操作部の構成図である。
【図10】この発明の実施の形態2を示す食器洗い機の半熟卵に対する洗浄効果とpH値の関係図である。
【図11】この発明の実施の形態3を示す食器洗い機の家庭内LANを示した構成図である。
【図12】この発明の実施の形態3を示す食器洗い機の操作部の構成図である。
【符号の説明】
【0033】
1 操作部、2 調理内容別運転コース表示部、3 「洋食」、4 「和食」、5 「中華」、6 「主食」、7 「焼き物」コース、8 「煮物」コース、9 「卵」コース、10 「焼き物」コース、11 「煮物」コース、12 揚げ物」コース、13 「焼き物」コース、14 「炒め物」コース、15 「蒸し物」コース、16 「米飯茶碗」、17 「米飯大皿」、18 「パン」、19 「和麺」、20 「洋麺」、21 おまかせコース表示部、22 「標準コース」、23 「スピードコース」、24 「しっかりコース」、25 「乾燥コース」、26 「30分」、27 「45分」、28 「60分」、29 洗剤量指示図、30 「電源 入/切」、31 「スタート 一時停止」、32 操作部、33 家庭用LAN、34 食器洗い乾燥機、35 オーブンレンジ、36 ロースター、37 IHクッキングヒーター、38 炊飯器、39 冷蔵庫、40 操作部、41 調理機器表示部、42 「オーブンレンジ」、43 「ロースター」、44 「IHクッキングヒーター」、45 「炊飯器」、46 「冷蔵庫」。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用LANにより、家庭内家電機器の使用情報を入力し、この使用情報により食器の汚れ具合を判断して、自動洗浄の運転内容を決定することを特徴とする食器洗い機。
【請求項2】
前記食器の汚れ具合は、使用された家庭内家電機器により、食器に付着したでんぷん量、脂肪量、蛋白量であることを特徴とする請求項1記載の食器洗い機。
【請求項3】
洗剤量を表示する表示部を備え、前記決定された自動洗浄の運転内容に基づく洗剤量を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の食器洗い機。
【請求項4】
運転コースを選択する操作部を備え、前記家庭内家電機器からの使用情報の入力がない場合でも、前記操作部への手入力により、運転コースを選択することを特徴とする請求項1記載の食器洗い機。
【請求項5】
家庭用LANにより、冷蔵庫から卵を取り出した情報を入力し、この情報により洗浄時の温度を通常より低く設定することを特徴とする食器洗い機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−229401(P2008−229401A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173543(P2008−173543)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【分割の表示】特願2003−90053(P2003−90053)の分割
【原出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】