説明

食器等洗浄器具

【課題】本発明が解決しようとする課題は、ペットボトルやフラスコ状の容器の様に、極端に開口部が狭く肩部より大きく膨らんだ形状の容器でも洗浄器具が肩部や内周面にしっかりと届き押圧しながら洗浄出来るようにすることである。
【解決手段】解決手段として、洗浄器具の柄を注射器状の握持式とし、柄を握持すると、ピストンの先端部に取り付けられた洗浄部を設けた2本以上のアームがピストンに押し出された分だけそれぞれ反対方向に広がり、互いに押し合いながら容器内部で突っ張り、洗浄部が可動可能な為、角度のある肩部も含めた容器内側面にしっかりと届き押圧しながら洗浄することを最も主要な特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄器具一般に属する。
特に食器等の容器の内側面を洗浄する器具に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では開口部が狭く手が入らない容器の内周面を洗浄する時、開口部より長い柄の付いたブラシや柄の曲がったブラシ等(特許文献1参照)で内周面を擦る方法や、和鋏状の柄を把持する事により交差された先端部が開き、内周面を押圧しながら洗浄する方法(特許文献2参照)等があった。しかし前記文献(特許文献1参照)の方法では開口部が狭く底が深い容器の内側面に対して力が入りにくく、フラスコ状の容器、花瓶等では肩部内周面に洗浄部が届きにくいという問題があった。その問題を解決すべく考案された後記文献(特許文献2参照)の方法は内周面の対称位置に力を加えることにより加圧時の不安定さは解消解消されるが前記文献と同様に容器外部の把持部から容器内部の洗浄部に同じ方向の力を柄を通して平行に伝える事には変わりはなく柄の長さが長くなるほど力は柄の弾力に吸収され伝わりにくくなる。更に把持部を握って縮める距離が容器内部の洗浄部を広げる距離となる為にペットボトルやフラスコ状の様な極端に開口部が狭く、肩部を有し容器下部が膨らんでいる形状の容器では把持部を縮める距離が極端に短く、内部の洗浄部を十分に開かせる事が難しく、肩部や内周面をしっかりと押圧しながら洗浄することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−201742
【特許文献2】特開2005−21847
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記問題を解決すべく課題として開口部が狭く容器内に手が入らなくても容器外部で加えた力が容器内部で変向され、少なくとも2つ以上設けられた洗浄部が互いを押し合うように容器内周面を突っ張る様に押圧出来る洗浄器具が望ましい。
【0005】
また、開口部が極端に狭く、肩部より下が大きく膨らんでいる容器では下方向に動かす距離を容器内部で変向して横方向に動かす距離に変えることが出来れば開口部の大きさに関係なく内部の洗浄部を十分に可動させる事が出来る。本発明はこれらの要望を満たし、従来の問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決する為の手段として本発明は、洗浄器具の柄の形状を注射器状とし、握持時にピストン先端部に可動可能な結合部によって設けられた少なくとも2本以上の交差させたアームがピストンによって押し出され、それと同時に筒部先端に対称位置に設けた開口部の縁によって進路を邪魔されることにより変向し、容器内周面に向かって押し広げるように可動する。
【0007】
握持時にピストンにかかる下方向に押し出す力は、ピストン先端部の結合部によって変向し、それぞれのアームを通してそれぞれのアーム先端に設けられた洗浄部に伝えられる。すなわち、ピストン先端部という同じ土台からそれぞれ反対の方向に加圧する為にピストン部を中心に互いのアームを押し合う形となり、容器内周面を突っ張る形で押圧する事が出来る。
【0008】
また、柄の形状を注射器状とした事でピストンを押し出す距離がそれぞれのアームを押し出す距離となる為、開口部の大きさに関係なく、極端に開口部が狭く肩部からの膨らみが大きい容器でも十分に対応する事が可能となった。
【0009】
更に、アーム先端部に設けられた洗浄部が可動可能である為に肩部の斜面にもしっかりと届く事が可能となった。
【発明の効果】
【0010】
本発明は洗浄器具の柄の形状を注射器状とした為、極端に開口部の狭いペットボトルやフラスコ状の容器、又はひょうたんの様な特殊な形状の容器の内周面でもしっかりと洗浄部が届き、押圧しながら洗浄することが可能となった。
【0011】
(図3)は本発明の実施例の使用状況を表した側面図であるが、握持した常態で回動させながら洗浄すると肩部を含む内側面をムラが無くより効率良く洗浄する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の斜視図である。尚、筒部(1)は内部構造を明確にする為に透明状態で表し、他図面も同様とする。
【図2】図2は本発明の握持時の斜視図である。
【図3】図3は本発明の実施例の使用状況を表した側面図である。
【図4】図4は本発明の力の伝達方向を現した側面図である。
【図5】図5は本発明の力の伝達方向を現した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、洗浄器具の柄の形状を注射器状とし(図1)ピストン部(2)の先端部に可動可能な結合部(7)によって少なくとも2本以上のアーム(3)と(4)を交差させて取り付けそれぞれのアームの先端部を筒部(1)の先端部に対称位置に設けたそれぞれの開口部(8)より外部に出し、それぞれの先端部に可動可能な結合部(9)によってスポンジやブラシやたわし等の洗浄部(5)と(6)を設ける。筒部(1)とピストン部(2)を注射器の様に握持する事により(図2)ピストン部(2)の先端部に取り付けられた可動可能なアーム(3)と(4)が押し出され、それと同時に開口部(8)の縁によって進路を邪魔されることにより変向させられそれぞれのアーム(3)と(4)はピストン部(2)の先端部を中心に互いに押し合う様に容器の内周面を突っ張りながらそれぞれの先端部に設けられた洗浄部分を押圧する。(図4)(図5)
【0014】
又、洗浄部(5)(6)とアーム(3)(4)の結合部分に可動部(9)を設ける事により様々な形状の肩部や特殊形状の容器に対応することが出来る。
【0015】
尚、(10)のバネは任意の物である。握持後の戻りをサポートする物であり、本発明の要旨に必ずしも必要であるわけではない。
【符号の説明】
【0016】
1 筒部
2 ピストン部
3 アーム
4 アーム
5 洗浄部
6 洗浄部
7 可動部
8 開口部
9 可動部
10 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄器具の柄の部分を注射器状の握持式とし、柄を握持時にピストンを押し出す力の方向をピストン部とアームとの結合部より横方向へと変向しそれぞれのアームの先端に設けられた洗浄部に伝わる為にそれぞれの洗浄部分が互いに押し合い、容器内周面を突っ張りながら押圧して洗浄することを特徴とする洗浄器具。
【請求項2】
それぞれのアームの先端に設けられた洗浄部が可動可能な請求項1に記載の洗浄器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−78669(P2013−78669A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2013−19261(P2013−19261)
【出願日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【出願人】(500033209)
【Fターム(参考)】