説明

食物組成物の製造方法

1種類以上のハイドロコロイドを水と接触させてコロイド溶液を調製し、コロイド溶液を1種類以上の食物成分と接触させ、そして得られた混合物をゲル状テクスチャーを有する固体の塊へと形成させることにより、容器から容易に取り出せる食物組成物を製造する方法、およびその方法により製造される食物組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の引照
[0001] 本出願は、米国仮特許出願No. 60/728,152(2005年10月19日出願)に基づく優先権を主張し、その開示内容を本明細書に援用する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
[0002] 本発明は、一般に食物組成物の製造方法、特に容器から容易に取り出せる食物組成物の製造方法に関する。
【0003】
関連技術の記述
[0003] 動物は長年”乾燥”食物組成物および”湿潤”食物組成物を与えられてきた。”湿潤”食物組成物は一般に缶様の容器に装填され、水分が含まれるので、見掛け上”湿潤”とみなされる。当技術分野で2タイプの湿潤食品が一般に知られている。第1のものは当技術分野で”グラウンドローフ(ground loaf)”として知られている。ローフ製品は一般に成分混合物を加熱下で接触させて本質的に均質なセル内ハニカムタイプ(intracellular honeycomb-type)の塊(mass)、または”グラウンドローフ”を調製することにより製造される。次いでこのグラウンドローフの塊を円筒形容器、たとえば缶に装填する。装填すると、グラウンドローフは容器の形状を受け入れるので、動物に与える際にはグラウンドローフを切り分けなければならない。加工の結果、グラウンドローフ製品は広範なテクスチャー変異を示し、またローフ製品は一般に他の形態の食物、特に乾燥製品と良好には混合しない。
【0004】
[0004] 他のタイプの湿潤製品は、当技術分野で一般に”チャンク・アンド・グレービー(chunk and gravy)”として知られている。チャンク・アンド・グレービー製品は、食肉エマルションを調製し、これを押出し、そして物理的圧力または熱エネルギー、たとえばスチーム調理、水中での調理、オーブン乾熱などで成形することにより予備成形した、食肉粒子を含む。調理済み食肉などの製品を細切してチャンクにし、これを最後にグレービー(肉汁)またはソースと混合する。次いでこれらの2成分を容器、通常は缶に充填し、これを閉じて殺菌する。グラウンドローフと異なり、チャンク・アンド・グレービー製品は調製したままの物理的に分離した個別のチャンク(すなわち、粉砕した食肉片および穀粒)を含む。これらの個別の粒子が最終容器内のグレービータイプの液体中に存在する。与える際、チャンク・アンド・グレービー製品は缶から流れ出て、容易に他の乾燥製品と混合することができる。チャンク・アンド・グレービー製品は個々の成分をより良好に統合することができるが、そのような不均質な配合の製品は摂取する動物が嫌うことがある。
【0005】
[0005] USP No. 6,436,463および6,440,485(それらの開示内容全体を本明細書に援用する)には、グラウンドローフとチャンク・アンド・グレービーという2タイプの異なる物理的形態の製品の”ハイブリット”である第3タイプの湿潤食物組成物が記載されている。このハイブリット組成物は細かく粉砕したハンバーガーやハッシュ(hash)の外観をもち、それの容器の形状を受け入れる最終製品の本質的に均質な塊の中に個別の食肉粒子を視覚的に識別できる。これらの製品には、その外観および均質性を得るために穀粒成分を含有させる必要がある;しかし、穀粒成分は製品を”粘稠”にする傾向をもつため、製品はそれの貯蔵容器から容易には放出されない。
【0006】
[0006] 組成物を貯蔵する缶などの貯蔵容器からの放出も容易であるハイブリット食物組成物があれば、有利であろう。したがって、貯蔵容器から容易に放出される、グラウンドローフ形態とチャンク・アンド・グレービー形態のハイブリットである食物組成物を提供することが望ましいであろう。
【0007】
発明の概要
[0007] したがって、本発明の目的は、それの容器から容易に放出される食物組成物の製造方法を提供することである。
【0008】
[0008] 本発明の他の目的は、それの容器から容易に放出される食物組成物を提供することである。
[0009] これらおよび他の目的は、1種類以上のハイドロコロイドを水と接触させてコロイド溶液を調製し、コロイド溶液を1種類以上の食物成分と接触させ、そして得られた混合物をゲル状テクスチャーを有する固体の塊(mass)へとを形成させることを含む、食物組成物を製造するための新規方法を用いて達成される。
【0009】
[0010] さらに他の本発明の目的、特色および利点は当業者に容易に認識されるであろう。
発明の詳細な記述
[0011] 1観点において、本発明は食物組成物の製造方法を提供する。この方法は、(a)1種類以上のハイドロコロイドを水と接触させてコロイド溶液を調製し、(b)コロイド溶液を1種類以上の食物成分と接触させ、そして(c)得られた混合物をゲル状テクスチャーを有する固体の塊へと形成させることを含む。他の観点において、工程(a)はさらに、ハイドロコロイドをさらに脂肪と接触させることを含む。他の観点において、本発明方法はさらに(d)固体の塊を滅菌する(retorting)ことを含む。この方法で、一般的な食物組成物より粘稠性が少なく、より容易に容器から取り出せる、ゲル状テクスチャーをもつ製品が得られる。
【0010】
[0012] 1態様において、食物組成物は、実質的にそれの容器の形状に従う本質的に均質な塊である、食肉および炭水化物をベースとする組成物である。この組成物は、(a)1種類以上のハイドロコロイドを水と接触させてコロイド溶液を調製し、(b)コロイド溶液を食肉成分および炭水化物成分と接触させ、そして(c)得られた混合物をゲル状テクスチャーを有する本質的に均質な固体の塊へと形成させることにより製造される。一般に、本発明組成物は食肉、炭水化物、ハイドロコロイド、および約50〜約90重量%の水、好ましくは約60〜約85重量%の水を含む。本発明組成物は、栄養的および/または官能特性的(organoleptically)に、食肉目動物、たとえばネコ類またはイヌ類の動物を含めた、いずれかの動物が摂取するのに適合させることができる。
【0011】
[0013] ゲル状テクスチャーをもつ組成物を”ハッシュ”製品形態と呼ぶこともできる。本明細書中で用いる用語”ハッシュ”は、視覚的に”ローフ”と”チャンク・アンド・グレービー”の製品形態のハイブリットである製品を意味する。そのようなハッシュは、それの貯蔵容器の形状を受け入れる、本質的にゲル状テクスチャーを備えた固体の塊を含む湿潤外観をもつ可能性がある。与える際、この形態の製品はそれが装填されている容器から容易に注ぎ出すことができ、与える前に切り分ける必要がない。ハッシュはさらに、他の乾燥食品と容易に混合できる。
【0012】
[0014] コロイド溶液は、ハイドロコロイドを水と接触させることにより調製される。この工程で場合により脂肪を添加することができる。二価または一価のカチオンの存在下でゲル化するハイドロコロイドをいずれも使用できる。使用できる適切なハイドロコロイドの例には、アルギン酸の誘導体であるアルギナートが含まれる。アルギナートは海藻から得られる親水性コロイドである;それらは食品中に増粘剤および安定剤として用いられる。アルギン酸は、各単位のカルボキシル基が遊離しており、一方ではアルデヒド基がグリコシド結合により遮蔽された状態で結合している、ベータ-D-マンヌロン酸残基からなる多糖である。適切なアルギナートは、アルギン酸のカルシウム、ナトリウムおよびカリウム塩、アルギン酸プロピレングリコール、およびその混合物よりなる群から選択することができる。具体的態様において、ハイドロコロイドはアルギン酸ナトリウムである。本発明に有用な他のハイドロコロイドには、カラギーナン、コンニャク(konjac)、およびゲランガムが含まれる。
【0013】
[0015] 目的とする効果を達成するのに必要なハイドロコロイドの量は、使用する個々のハイドロコロイドに応じて異なるであろう。一般に、最終組成物において比較的均質なゲル状の塊を得るのに十分な量のハイドロコロイドを使用すべきである。一般的な量は、約0.05〜約3%である。たとえばハイドロコロイドがアルギナートである場合、適切なハイドロコロイド量は一般に組成物の約0.1〜約3重量%である。格別な態様において、ハイドロコロイド量は組成物の約0.4〜約1重量%である。
【0014】
[0016] 次いで本発明方法は、前記のコロイド溶液と1種類以上の食物成分を、炭水化物の水和およびゲル化を達成または本質的に達成するのに十分な時間、接触させることを含む。一般的な時間は成分に依存し、当業者が決定できるであろう。一般に約1分〜約2時間の期間で十分であろう。好ましくは成分を周囲温度で接触させるが、所望により加熱してもよい。1態様においては、食物成分をコロイド溶液と接触させる前に混合する。
【0015】
[0017] 1態様においては、得られた混合物をさらにカルシウム源と接触させることができる。カルシウム源は一般に、加工条件に適合しかつ動物が摂取するのに適切ないずれかの形のカルシウム、たとえばカルシウムまたは塩化カルシウムであってもよい。カルシウム源は、一般に組成物の乾燥重量の約0.1〜約1.0の量で添加される。
【0016】
[0018] 先行技術組成物については、炭水化物成分中のデンプンがしばしば最終製品をそれの容器から放出するのを妨げる。したがって1態様において本発明方法は、さらにコロイド溶液と食物成分の混合物に炭水化物を消化する1種類以上の酵素を添加することを含む。適切な酵素の例には、アミラーゼ、たとえば0.1% Ban 240L(Novo Enzymesから)が含まれる。酵素または酵素混合物は一般に約160°F(71℃)〜約210°F (99℃)、好ましくは約167°F(75℃)〜約200°F(93℃)で活性である。
【0017】
[0019] 目的とするテクスチャーをもつ本質的に均質なコロイドの塊が得られるまで、混合物に水を追加してもよい。次いで最終製品を容器に入れて密閉する。混合物を無菌性にするために滅菌することもできる。
【0018】
[0020] 本発明の具体的方法において、この方法はミキサー内で食肉混合物または食肉成分を調製することを含む。この食肉混合物を第2ミキサーへ移す。1種類以上の炭水化物源を含む炭水化物混合物(すなわち炭水化物成分)をミキサー内で調製し、第2ミキサーへ移す。この食肉混合物および炭水化物(穀粒)混合物とは別個に、第3ミキサー内でハイドロコロイドを水(場合により脂肪)と接触させることによりコロイド溶液を調製する。次いでこのコロイド溶液を第2ミキサーへ移す。食肉混合物、炭水化物混合物およびコロイド溶液すべてを、本質的に均質な塊へとなるのに十分な時間および温度で第2ミキサー内において混和する。第2ミキサー内で調製した本質的に均質な塊を、次いで容器に分注するためにさらに充填剤で処理する。
【0019】
[0021] 食肉混合物は多様な食肉または食肉源から調製でき、これにはたとえば動物筋肉、動物骨格肉、動物副産物、ならびに筋肉、骨格肉および副産物の混合物よりなる群から選択される食肉源が含まれる。食肉には、たとえば家禽、魚類および哺乳類(たとえばウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)の肉が含まれる。食肉副産物には、たとえば肺、腎臓、肝臓、舌、胃および腸が含まれる。適切な食肉源には、新鮮な食肉もしくは凍結食肉または食肉副産物を含めることができる。食肉混合物は、一般に食肉をサイズ約1/2〜約1インチの種々の粉砕プレートにより粉砕して、最終製品に要求される個別の食物粒子を形成することによって調製される。
【0020】
[0022] 本発明組成物に含有させるために調製した食肉混合物または食肉成分は、一般に少なくとも約15重量%のタンパク質および約25重量%の脂肪を含む。たとえば1態様において、食肉混合物は1種類以上の動物タンパク質源を含み、これにより混合物は約15〜約25重量%のタンパク質、約5〜約15重量%の脂肪、および約55〜約75重量%の水を含む。
【0021】
[0023] 食肉混合物は、当業者に既知のいずれか適切な混合装置内で調製できる。食肉成分を調製するのに適切な装置の例には、限定ではないが、二軸スクリューミキサー、ツインリボンミキサー、オーバーラップ櫂型ミキサー、またはスクリュー/リボン/櫂などの組合わせミキサーが含まれる。
【0022】
[0024] 炭水化物成分は、1種類以上の炭水化物源の混合物を含む。適切な炭水化物源には、たとえばエンバク(燕麦)繊維、セルロース、ラッカセイ殻、テンサイパルプ、半ゆでしたコメ(parboiled rice)、コーンスターチ、コーングルテンミール、およびその混合物よりなる群から選択される炭水化物が含まれる。適正に炭水化物源のバランスをとることにより当業者が最終製品のテクスチャーを操作できることを留意するのが重要である。たとえば、短鎖の多糖は粘稠性および粘着性になりやすく、より長鎖の多糖ほど短鎖の多糖より粘稠性および粘着性が少なくなる。基本的に、このハイブリット食物の目的テクスチャーは長鎖多糖および修飾デンプン、たとえば天然または修飾したデンプン、セルロースなどによって達成される。
【0023】
[0025] 炭水化物混合物はさらに、任意成分、たとえば添加した塩類、香辛料、調味料、ビタミン、無機質、着香剤、着色剤などを含むことができる。任意添加物の量は、少なくとも一部は、異なるライフステージの動物の栄養要求に依存する。たとえばアメリカ飼料検査官協会(AAFCO)は、たとえばイヌおよびネコについてそのような成分の推奨量を提示している。AAFCO Official Publication, pp. 126-140 (2003)を参照。一般に食品添加物として有用な考慮されるビタミンには、たとえばビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンH (ビオチン)、ビタミンK、葉酸、イノシトール、ナイアシンおよびパントテン酸が含まれる。一般に食品添加物として有用な考慮される無機質および微量元素には、たとえばカルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、コリンおよび鉄の塩類が含まれる。
【0024】
[0026] 1態様において、本発明組成物は動物に実質的に栄養的に完全な食事を供給する食物組成物であってもよい。”栄養的に完全な食事”は、健康な動物の普通の健康を食事で維持するのに十分な栄養素が含まれる食事である。
【0025】
[0027] 本発明の動物用食物組成物は、一般に視覚的にはグラウンドローフとチャンク・アンド・グレービー製品のハイブリットであるテクスチャーをもつ。本発明組成物は、ゲル状テクスチャーを備えた本質的に固体の塊からなる湿潤外観をもち、それの貯蔵容器の形状を受け入れる。与える際に、この形態の製品はそれを装置した容器から容易に注ぎ出すことができ、与える前に切り分ける必要がない。本発明組成物はさらに、他の乾燥食品と容易に混合することができる。
【0026】
[0028] 本発明組成物を与える動物はヒトまたはヒト以外の動物であってよい。多様な態様において、動物は脊椎動物、たとえば魚類、鳥類、爬虫類または哺乳類である。具体的に、哺乳類のうち動物は食肉目のメンバーであってよく、限定ではないが、これにはイヌおよびネコの種が含まれる。
【0027】
[0029] 具体的態様において、動物は愛玩動物である。本明細書中で”愛玩動物”は、飼育者であるヒトがペットとして飼育しているいずれかの種の個々の動物、またはペットとして広く家畜化されてきた多様な種の個々の動物であり、イヌ(家犬、Canis familiaris)およびネコ(家猫、Felis domesticus)がこれに含まれ、個々の動物が専ら愛玩動物として飼育されている場合または部分的にそうである場合のいずれであってもよい。したがって、本明細書中で”愛玩動物”には、ペットのイヌおよびネコのほか、作業犬、げっ歯類駆除のために飼育されている農場猫なども含まれる。
【0028】
[0030] これらの具体的態様にもかかわらず、本発明方法は一般に他の哺乳類にも適切であり、これにはヒト以外の哺乳類、たとえばヒト以外の霊長類(たとえばサル、チンパンジーなど)、愛玩用および作業用の動物(たとえばウマなど)、農場動物(たとえばヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシなど)、ならびに野生および動物園の動物(たとえばオオカミ、クマ、シカなど)が含まれる。本発明方法は一般に哺乳類以外の動物、たとえば愛玩用、農場、動物園および野生の鳥類(たとえば鳴禽、オウム、アヒル、ガチョウ、ニワトリ、シチメンチョウ、ダチョウなどを含む)に使用するのにも適切である。
【0029】
[0031] 本発明はさらに、動物が摂取するための組成物であって、湿潤外観をもち、食肉、炭水化物およびハイドロコロイドを含む組成物を提供する。本発明組成物はさらに、栄養的および/または官能特性的に、食肉目動物が摂取するのに適合する。
【0030】
[0032] 本発明組成物は一般に、乾燥物質基準で組成物の約0.1〜約3重量%の量のハイドロコロイドを含む。具体的態様において、ハイドロコロイドはアルギナート、たとえばアルギン酸ナトリウムを含む。
【0031】
[0033] 本発明にとって必須ではないが、本発明方法により製造される組成物は一般に下記のものを含む。
【0032】
【表1】

【0033】
[0034] 食肉成分、炭水化物成分およびコロイド溶液をいずれか適切なミキサー内で接触させる。適切な混合装置の例には、二軸スクリューミキサー、ツインリボンミキサーまたはオーバーラップ櫂型ミキサーが含まれる。混合は、後続処理および容器内への分注のために個々の成分が単一物になるのを保証するのに十分なほど激しくなければならない。
【0034】
[0035] 最終混合物を缶に充填し、次いでこれを密閉し、殺菌することができる。目的とするテクスチャーをもつ本質的に均質なコロイドの塊が生成するまで、混合物に水を追加してもよい。次いで最終製品を容器に入れ、閉じ、無菌性にするために滅菌することができる。
【0035】
実施例
[0036] 本発明を以下の好ましい態様の例により説明することができるが、これらの例は説明のために含まれるにすぎず、別途明示しない限り本発明の範囲を限定するためのものではないことは理解されるであろう。
【0036】
[0037] 家禽(ニワトリ)からの骨格筋およびブタ(ブタ肝臓)をリボン/櫂型ミキサー内で均質に混合することにより、食肉混合物を調製した。食肉源を最終製品の全重量の約30%となるのに十分な量でミキサーに添加した。食肉混合物は約73%の水分、16%のタンパク質および9%の脂肪を含有していた。
【0037】
[0038] コーンおよび大豆粉を無機質、ビタミン、着色剤および着香剤と接触させることにより、炭水化物混合物を調製した。コーンおよび大豆粉を最終製品の約18重量%となるのに十分な量で添加した。
【0038】
[0039] アルギン酸ナトリウムを周囲温度で水と混合し(撹拌下で)、十分に水和させて、11%のアルギン酸ナトリウムを含むアルギン酸ナトリウム溶液を調製した。
[0040] 食肉混合物、炭水化物混合物およびアルギン酸ナトリウム溶液を、加熱せずに普通のミキサーで均一にブレンドした。得られた配合物をさらにカルシウム源(0.4%の塩化カルシウム)と混合し、直ちに機械的剪断を施し、水および0.1%のアミラーゼを添加することにより、長いアルギナート鎖を短縮した。最終混合物を缶に充填し、密閉し、殺菌した。
【0039】
[0041] 最終組成物の成分プロフィールを表1に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
[0042] この混合物は容器に入れるとその容器の形状を受け入れ、先行技術組成物と比較して容易に容器から取り出せる。
[0043] 本明細書に記載する特定の方法、プロトコルおよび試薬は変更することができるので、本発明はそれらに限定されない。さらに、本明細書中で用いた用語は特定の態様を記述するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するためものではない。本明細書および特許請求の範囲で用いる単数形には、そうではないことが状況から明示されない限り、複数表示が含まれる。たとえば”風味剤(a palatant)”という表現には複数のそのような風味剤が含まれ、あるいは片(pieces)という表現には単一片が含まれる。用語”含む(comprise、comprises、comprising)”は除外ではなく包括と解釈すべきである。
【0042】
[0044] 別途定義しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語および科学用語および頭字語は、本発明の分野の当業者が一般に理解しているものと同じ意味をもつ。本明細書に記載したものと類似または均等な方法および材料をいずれも本発明の実施に使用できるが、好ましい方法、装置および材料を本明細書に記載する。
【0043】
[0045] 本明細書中に報告した本発明により使用できる配合物および方法を記載および開示するために、本明細書中で述べたすべての特許、特許出願および刊行物を、法律が許す範囲で本明細書に援用する。ただし、本明細書中のいずれも、本発明が先の発明によるそのような開示に先行する資格がないと認めるものと解釈すべきでない。
【0044】
[0046] 本明細書には、本発明の代表的な好ましい態様を開示し、特定の用語を用いたが、それらは一般的に説明の意味で用いたにすぎず、限定のためのものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に述べられている。明らかに、以上の教示からみて本発明の多数の改変および変更が可能である。したがって、特許請求の範囲の記載の範囲内で、具体的に記載した以外の形で本発明を実施できることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1種類以上のハイドロコロイドを水と接触させてコロイド溶液を調製し;
(b)コロイド溶液を1種類以上の食物成分と接触させ;そして
(c)得られた混合物をゲル状テクスチャーを有する固体の塊へと形成させる
ことを含む、食物組成物の製造方法。
【請求項2】
さらに、工程(a)において1種類以上のハイドロコロイドを脂肪と接触させることを含む、請求項1の方法。
【請求項3】
さらに、(d)固体の塊を滅菌することを含む、請求項1の方法。
【請求項4】
食物成分が食肉成分および炭水化物成分を含む、請求項1の方法。
【請求項5】
食肉成分が、動物筋肉、動物骨格肉、動物副産物、およびその混合物よりなる群から選択される1種類以上の食肉源を含む、請求項4の方法。
【請求項6】
炭水化物成分が、エンバク繊維、セルロース、ラッカセイ殻、テンサイパルプ、半ゆでにしたコメ、コーンスターチ、コーングルテンミール、およびその混合物よりなる群から選択される1種類以上の炭水化物源を含む、請求項4の方法。
【請求項7】
ハイドロコロイドが、アルギナート、カラギーナン、コンニャクゲランガム、およびその混合物よりなる群から選択される、請求項1の方法。
【請求項8】
ハイドロコロイドがアルギナートを含む、請求項1の方法。
【請求項9】
ハイドロコロイドがアルギン酸ナトリウムである、請求項1の方法。
【請求項10】
食物成分をコロイド溶液と接触させる前に食物成分を混合する、請求項1の方法。
【請求項11】
食物成分をコロイド溶液と接触させることにより形成された混合物を、さらにカルシウム源と接触させる、請求項1の方法。
【請求項12】
カルシウム源が塩化カルシウムである、請求項11の方法。
【請求項13】
方法がさらに、食物成分とコロイド溶液の混合物を少なくとも1種類の酵素と接触させることを含む、請求項1の方法。
【請求項14】
酵素が、アミラーゼ、プロテアーゼ、およびその混合物よりなる群から選択される、請求項10の方法。
【請求項15】
食物組成物を栄養的および/または官能特性的に食肉目動物による摂取に適合させる、請求項1の方法。
【請求項16】
動物がネコ類またはイヌ類である、請求項15の方法。
【請求項17】
1種類以上の食物成分、ハイドロコロイド、および約50〜約90重量%の水を含む食物組成物。
【請求項18】
組成物が、その容器の形状を受け入れる固体の塊の形態である、請求項17の組成物。
【請求項19】
食物成分が食肉成分および少なくとも1種類の炭水化物成分を含む、請求項17の組成物。
【請求項20】
組成物が約0〜約75重量%の食肉を含む、請求項19の組成物。
【請求項21】
組成物が約10〜約50重量%の炭水化物を含む、請求項19の組成物。
【請求項22】
組成物が、乾燥物質基準で約0.1〜約3重量%のハイドロコロイドを含む、請求項17の組成物。
【請求項23】
ハイドロコロイドがアルギナートを含む、請求項22の組成物。
【請求項24】
ハイドロコロイドがアルギン酸ナトリウムを含む、請求項22の組成物。
【請求項25】
請求項1の方法の生成物。

【公表番号】特表2009−512442(P2009−512442A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536634(P2008−536634)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/060070
【国際公開番号】WO2007/048106
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】